JPH0633204A - 包装用アルミニウム合金板の製造方法 - Google Patents
包装用アルミニウム合金板の製造方法Info
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- JPH0633204A JPH0633204A JP21327892A JP21327892A JPH0633204A JP H0633204 A JPH0633204 A JP H0633204A JP 21327892 A JP21327892 A JP 21327892A JP 21327892 A JP21327892 A JP 21327892A JP H0633204 A JPH0633204 A JP H0633204A
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Landscapes
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 飲料缶の胴体あるいは蓋等の高い強度と成形
性を要求される用途に用いられる包装用アルミニウム合
金板の製造方法を提供する。 【構成】 Mn0.5〜1.5%(重量%以下同じ)、
Mg0.5〜3.5%、Cu0.05〜0.5%、Si
0.05〜0.5%、Fe0.2〜0.7%を含み、残
部Alと不可避的不純物とからなるAl合金鋳塊に58
0℃以上融点以下の温度で3時間以上の均質化処理を施
し、直ちにあるいは一旦冷却を施した後に450℃以上
550℃未満の温度で1時間以上保持し、450℃以上
の温度にて熱間圧延を開始し、30分以内に終了温度3
50℃以下で熱間圧延を完了させ、必要に応じて冷間圧
延を施した後に400〜600℃の温度に100℃/分
以上の加熱速度で加熱し、加熱後直ちにまたは30秒以
内保持した後に10℃/分以上の冷却速度で200℃以
下に冷却し、20%以上の冷間圧延を行うことを特徴と
する包装用アルミニウム合金板の製造方法。
性を要求される用途に用いられる包装用アルミニウム合
金板の製造方法を提供する。 【構成】 Mn0.5〜1.5%(重量%以下同じ)、
Mg0.5〜3.5%、Cu0.05〜0.5%、Si
0.05〜0.5%、Fe0.2〜0.7%を含み、残
部Alと不可避的不純物とからなるAl合金鋳塊に58
0℃以上融点以下の温度で3時間以上の均質化処理を施
し、直ちにあるいは一旦冷却を施した後に450℃以上
550℃未満の温度で1時間以上保持し、450℃以上
の温度にて熱間圧延を開始し、30分以内に終了温度3
50℃以下で熱間圧延を完了させ、必要に応じて冷間圧
延を施した後に400〜600℃の温度に100℃/分
以上の加熱速度で加熱し、加熱後直ちにまたは30秒以
内保持した後に10℃/分以上の冷却速度で200℃以
下に冷却し、20%以上の冷間圧延を行うことを特徴と
する包装用アルミニウム合金板の製造方法。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は包装用アルミニウム合金
板の製造方法に関するものであり、特に飲料缶の胴体あ
るいは蓋等の高い強度と成形性を必要とする用途に用い
る包装用アルミニウム合金板の製造方法に関するもので
ある。
板の製造方法に関するものであり、特に飲料缶の胴体あ
るいは蓋等の高い強度と成形性を必要とする用途に用い
る包装用アルミニウム合金板の製造方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術とその課題】アルミニウム製ビール缶ある
いは一般飲料缶の胴材としてこれまでAA3004合金
が使用されている。一方缶の蓋材としてはAA5052
あるいは5182合金を一般に使用している。AA30
04合金は本来高い加工度の冷間圧延によりある程度成
形性に優れかつ胴材として必要な強度を確保している。
さらにコストダウンを目的として材料の薄肉化が進み、
これに対応して胴材に要求される強度が上がって来た。
強度向上のために特開昭52−105509号公報のよ
うなMg2 Siの析出を利用したもの、あるいは特開昭
57−120648号公報のようなAl−Cu−Mg系
の析出物により析出硬化を付与したアルミニウム合金板
の製造方法が公知である。一方コストダウンの方法とし
て成形工程での不具合を低減することにより生産性の向
上を図ることも大きな課題となっている。また資源のリ
サイクルが社会的に大きな関心を集めており、リサイク
ルに必要なコストの低減も課題となっている。
いは一般飲料缶の胴材としてこれまでAA3004合金
が使用されている。一方缶の蓋材としてはAA5052
あるいは5182合金を一般に使用している。AA30
04合金は本来高い加工度の冷間圧延によりある程度成
形性に優れかつ胴材として必要な強度を確保している。
さらにコストダウンを目的として材料の薄肉化が進み、
これに対応して胴材に要求される強度が上がって来た。
強度向上のために特開昭52−105509号公報のよ
うなMg2 Siの析出を利用したもの、あるいは特開昭
57−120648号公報のようなAl−Cu−Mg系
の析出物により析出硬化を付与したアルミニウム合金板
の製造方法が公知である。一方コストダウンの方法とし
て成形工程での不具合を低減することにより生産性の向
上を図ることも大きな課題となっている。また資源のリ
サイクルが社会的に大きな関心を集めており、リサイク
ルに必要なコストの低減も課題となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は合金内の各添
加元素が強度および成形性に及ぼす影響について詳しく
検討することにより、これら添加元素の役割が最も効率
的に作用する製造工程を見いだし、これまでの必要以上
に多い添加量から生じるデメリットを解消することを目
的とした。
加元素が強度および成形性に及ぼす影響について詳しく
検討することにより、これら添加元素の役割が最も効率
的に作用する製造工程を見いだし、これまでの必要以上
に多い添加量から生じるデメリットを解消することを目
的とした。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明者らは鋭意検討の結果、Mn0.5〜1.5
%、Mg0.5〜3.5%、Cu0.05〜0.5%、
Si0.05〜0.5%、Fe0.2〜0.7%含み残
部Alと不可避的不純物とからなるAl合金鋳塊に58
0℃以上融点以下の温度で3時間以上の均質化処理を施
し、直ちにあるいは一旦冷却を施した後に450℃以上
550℃未満の温度で1時間以上保持し、450℃以上
の温度にて熱間圧延を開始し、30分以内に終了温度3
50℃以下で熱間圧延を完了させ、必要に応じて冷間圧
延を施した後に400〜600℃の温度に100℃/分
以上の加熱速度で加熱し、加熱後直ちに、または30秒
以内保持した後に10℃/分以上の冷却速度で200℃
以下に冷却し、20%以上の冷間圧延を行うことを特徴
とする包装用アルミニウム合金板の製造方法の発明に至
ったものである。
に本発明者らは鋭意検討の結果、Mn0.5〜1.5
%、Mg0.5〜3.5%、Cu0.05〜0.5%、
Si0.05〜0.5%、Fe0.2〜0.7%含み残
部Alと不可避的不純物とからなるAl合金鋳塊に58
0℃以上融点以下の温度で3時間以上の均質化処理を施
し、直ちにあるいは一旦冷却を施した後に450℃以上
550℃未満の温度で1時間以上保持し、450℃以上
の温度にて熱間圧延を開始し、30分以内に終了温度3
50℃以下で熱間圧延を完了させ、必要に応じて冷間圧
延を施した後に400〜600℃の温度に100℃/分
以上の加熱速度で加熱し、加熱後直ちに、または30秒
以内保持した後に10℃/分以上の冷却速度で200℃
以下に冷却し、20%以上の冷間圧延を行うことを特徴
とする包装用アルミニウム合金板の製造方法の発明に至
ったものである。
【0005】
【作用】まず本発明の合金組成について説明する。Mn
はFeおよびSiとともに金属間化合物を形成し、しご
き加工時のダイスへの焼き付きを防止するために必要な
元素である。この時Mn系の金属間化合物中にSiを含
有させることによりさらに焼き付き防止効果が向上す
る。一方固溶状態のMnは強度向上に寄与するが過剰に
固溶している場合には均質化処理後の熱延や熱処理によ
り微細な析出物を生じ、中間焼鈍時の再結晶を抑制し、
耳率を大きくする。0.5%未満では最適な製造条件で
製造しても焼き付き防止の作用が不足し、長時間におよ
ぶ成形には不向きとなる。また1.5%を超えると通常
の鋳造条件では巨大な化合物を形成し易くなり、後述す
る成形時の亀裂発生の起点となる大きな第2相となる可
能性が高い。FeはMn同様に焼き付き防止効果があ
る。0.2%未満の添加では焼き付き防止効果が期待さ
れず、また高価な純度の高いアルミニウム原料を必要と
するために工業上意味をなさない。一方、0.7%を超
える添加ではMn元素と同様、巨大化合物の形成をもた
らす。ここで鋳造時の冷却速度が著しく速い連続鋳造法
等を行う場合には上記化合物の大きさを小さく抑えるこ
とが可能になるためMn、Feの添加量をさらに2倍ま
で多くすることができる。MgはCuと同様、主に固溶
することにより本発明合金の強度を向上させる重要な元
素である。また溶体化処理および焼き入れにより過飽和
の固溶状態とすることにより缶成形後の塗装焼き付けに
おける200℃前後の熱処理時にMg2 SiあるいはA
l−Mg−Cu系析出物を形成し、強度向上が付加され
る。Mg添加量が0.5%未満では必要な強度を維持で
きず、3.5%を超えるとスコーリングが発生し、事実
上DI加工が不可能となる。凝固速度の速い特別な鋳造
方法を用いることにより、耐焼き付き性の高いMn系の
析出物の密度を上げることで、さらにMg添加量を4.
5%まで増すことは可能である。CuはMgと同様の効
果が期待できる。そして0.05%未満では強度の向上
効果が期待できず、0.5%を超えると成形性を害する
とともに耐食性の点においても問題を生じる。Siはそ
れ自体の固溶硬化性は低いが熱処理の初期段階において
形成される微細化合物が他の元素の析出物の核生成の場
所となることによって他の元素の析出を促進する。その
ためSi添加はFe、Mnの固溶量を下げるとともに析
出硬化をもたらすAl−Mg−Cu系化合物(S相)の
析出を促進する。またさらに多いSiの添加によりさら
に微細なAl−Cu−Mg−Si系化合物(Al5 Cu
2 Mg8 Si6 のQ相の準安定相)を新たに生じる。こ
れら析出物は強度の向上に有効であるがQ相の化合物は
S相と比較してより微細であり、成形性を著しく低下さ
せる。そのためQ相は成形前に生じていないことが必要
である。Si添加量は0.05%未満では焼き付け塗装
後の強度の増加が望めず、0.5%より多いとQ相の析
出を抑止しきれず成形性を害する。
はFeおよびSiとともに金属間化合物を形成し、しご
き加工時のダイスへの焼き付きを防止するために必要な
元素である。この時Mn系の金属間化合物中にSiを含
有させることによりさらに焼き付き防止効果が向上す
る。一方固溶状態のMnは強度向上に寄与するが過剰に
固溶している場合には均質化処理後の熱延や熱処理によ
り微細な析出物を生じ、中間焼鈍時の再結晶を抑制し、
耳率を大きくする。0.5%未満では最適な製造条件で
製造しても焼き付き防止の作用が不足し、長時間におよ
ぶ成形には不向きとなる。また1.5%を超えると通常
の鋳造条件では巨大な化合物を形成し易くなり、後述す
る成形時の亀裂発生の起点となる大きな第2相となる可
能性が高い。FeはMn同様に焼き付き防止効果があ
る。0.2%未満の添加では焼き付き防止効果が期待さ
れず、また高価な純度の高いアルミニウム原料を必要と
するために工業上意味をなさない。一方、0.7%を超
える添加ではMn元素と同様、巨大化合物の形成をもた
らす。ここで鋳造時の冷却速度が著しく速い連続鋳造法
等を行う場合には上記化合物の大きさを小さく抑えるこ
とが可能になるためMn、Feの添加量をさらに2倍ま
で多くすることができる。MgはCuと同様、主に固溶
することにより本発明合金の強度を向上させる重要な元
素である。また溶体化処理および焼き入れにより過飽和
の固溶状態とすることにより缶成形後の塗装焼き付けに
おける200℃前後の熱処理時にMg2 SiあるいはA
l−Mg−Cu系析出物を形成し、強度向上が付加され
る。Mg添加量が0.5%未満では必要な強度を維持で
きず、3.5%を超えるとスコーリングが発生し、事実
上DI加工が不可能となる。凝固速度の速い特別な鋳造
方法を用いることにより、耐焼き付き性の高いMn系の
析出物の密度を上げることで、さらにMg添加量を4.
5%まで増すことは可能である。CuはMgと同様の効
果が期待できる。そして0.05%未満では強度の向上
効果が期待できず、0.5%を超えると成形性を害する
とともに耐食性の点においても問題を生じる。Siはそ
れ自体の固溶硬化性は低いが熱処理の初期段階において
形成される微細化合物が他の元素の析出物の核生成の場
所となることによって他の元素の析出を促進する。その
ためSi添加はFe、Mnの固溶量を下げるとともに析
出硬化をもたらすAl−Mg−Cu系化合物(S相)の
析出を促進する。またさらに多いSiの添加によりさら
に微細なAl−Cu−Mg−Si系化合物(Al5 Cu
2 Mg8 Si6 のQ相の準安定相)を新たに生じる。こ
れら析出物は強度の向上に有効であるがQ相の化合物は
S相と比較してより微細であり、成形性を著しく低下さ
せる。そのためQ相は成形前に生じていないことが必要
である。Si添加量は0.05%未満では焼き付け塗装
後の強度の増加が望めず、0.5%より多いとQ相の析
出を抑止しきれず成形性を害する。
【0006】次に本発明の製造方法について説明する。
均質化処理は晶出物を球状化させるとともに強度増加に
作用するMgやCuを固溶状態とし、逆に強制固溶した
MnやFeを析出させるために必要な工程である。この
ため温度が580℃よりも低いか、あるいは処理時間が
3時間より短いと十分に晶出物の球状化が行えず、成形
性あるいは耳率を悪化させる。引き続いて行う450℃
以上550℃未満の温度での熱処理はMnやFeの固溶
量をさらに低下させるとともに球状化した晶出物をSi
が含有された化合物に相変化させる。このため450℃
未満では反応が遅く、時間が掛かりすぎて実用的ではな
い。また550℃以上では相変化する割合が少なく、M
n、Fe固溶量を十分下げることができない。上記反応
はSi添加量が増すほど促進されるが1時間未満では十
分な効果は期待できない。450℃未満かつ350℃以
上の温度における保持、あるいは加工時には固溶強化あ
るいは塗装焼き付け処理工程に見られる析出硬化に寄与
するMg、CuおよびSiの固溶度の低下が生じる。し
たがってこれら温度域をなるべく短時間で処理すること
が強度を向上するためには重要となる。熱延時間が30
分を超えると顕著に強度の低下が生じるようになる。材
料の強度は最終の冷間圧延率を変更することにより調整
することができる。そのため必要により急速加熱による
熱処理前に冷間圧延を施すことができる。ここで耳率の
観点から言うと熱延後に冷間圧延を行わない、あるいは
冷間圧延を行う場合には75%以上の高い圧延率とする
ことが望ましい。中間の焼鈍における加熱は耳率の悪化
あるいは強度の低下を避けるために100℃/分以上の
加熱速度が必要となる。ここで本焼鈍は強度の向上に寄
与するMg、Cu、Siを固溶状態とするための処理で
あり、400℃未満では固溶量が十分でなく、600℃
を超える、あるいは保持時間が30秒以上となると結晶
粒の粗大化が生じ、加工性が劣化する。ここで得られた
固溶量を室温においても維持するために冷却途中におけ
る析出を極力押さえることが必要である。したがって冷
却速度10℃/分未満の場合あるいは200℃を超える
温度で保持すると強度の低下あるいはQ相の析出により
加工性が劣化する。最終の冷間圧延は強度を向上させる
働きとともに多段の加工が施される場合の後半の加工性
を向上させる。この効果を得るためには20%以上の冷
間圧延を必要とする。圧延後必要に応じて再結晶温度以
下での焼鈍を施すことが可能である。特に成形性の阻害
因子であるQ相の析出を抑えるために急速加熱装置を用
いた短時間の回復処理は後工程における加工性を害する
ことなく初期工程における加工性を向上させる効果があ
る。
均質化処理は晶出物を球状化させるとともに強度増加に
作用するMgやCuを固溶状態とし、逆に強制固溶した
MnやFeを析出させるために必要な工程である。この
ため温度が580℃よりも低いか、あるいは処理時間が
3時間より短いと十分に晶出物の球状化が行えず、成形
性あるいは耳率を悪化させる。引き続いて行う450℃
以上550℃未満の温度での熱処理はMnやFeの固溶
量をさらに低下させるとともに球状化した晶出物をSi
が含有された化合物に相変化させる。このため450℃
未満では反応が遅く、時間が掛かりすぎて実用的ではな
い。また550℃以上では相変化する割合が少なく、M
n、Fe固溶量を十分下げることができない。上記反応
はSi添加量が増すほど促進されるが1時間未満では十
分な効果は期待できない。450℃未満かつ350℃以
上の温度における保持、あるいは加工時には固溶強化あ
るいは塗装焼き付け処理工程に見られる析出硬化に寄与
するMg、CuおよびSiの固溶度の低下が生じる。し
たがってこれら温度域をなるべく短時間で処理すること
が強度を向上するためには重要となる。熱延時間が30
分を超えると顕著に強度の低下が生じるようになる。材
料の強度は最終の冷間圧延率を変更することにより調整
することができる。そのため必要により急速加熱による
熱処理前に冷間圧延を施すことができる。ここで耳率の
観点から言うと熱延後に冷間圧延を行わない、あるいは
冷間圧延を行う場合には75%以上の高い圧延率とする
ことが望ましい。中間の焼鈍における加熱は耳率の悪化
あるいは強度の低下を避けるために100℃/分以上の
加熱速度が必要となる。ここで本焼鈍は強度の向上に寄
与するMg、Cu、Siを固溶状態とするための処理で
あり、400℃未満では固溶量が十分でなく、600℃
を超える、あるいは保持時間が30秒以上となると結晶
粒の粗大化が生じ、加工性が劣化する。ここで得られた
固溶量を室温においても維持するために冷却途中におけ
る析出を極力押さえることが必要である。したがって冷
却速度10℃/分未満の場合あるいは200℃を超える
温度で保持すると強度の低下あるいはQ相の析出により
加工性が劣化する。最終の冷間圧延は強度を向上させる
働きとともに多段の加工が施される場合の後半の加工性
を向上させる。この効果を得るためには20%以上の冷
間圧延を必要とする。圧延後必要に応じて再結晶温度以
下での焼鈍を施すことが可能である。特に成形性の阻害
因子であるQ相の析出を抑えるために急速加熱装置を用
いた短時間の回復処理は後工程における加工性を害する
ことなく初期工程における加工性を向上させる効果があ
る。
【0007】
【実施例】次に本発明を実施例により更に詳細に説明す
る。表1に示す合金組成の500mm厚の水冷鋳造鋳塊を
用いて表2に示す製造実験を行った。すなわち、各温
度、時間で均質化処理および析出処理を行い、各条件の
熱間圧延の後、80%の加工度の冷間圧延を施した。加
熱速度2700℃/分で480℃で10秒の中間焼鈍を
行い1000℃/分の冷却速度で170℃以下に冷却し
た。その後60%の冷間圧延により0.3mmの板材とし
た後、220℃で10秒の熱処理を施した。これら供試
材に対して以下の組織観察、機械的性能試験および各種
成形における割れ発生率を測定した。包装用材料は塗装
を施すために焼き付け処理(ベーキング処理)後の材料
の耐力値が特に問題となる。そこで試料の機械的性能と
してはベーキング処理に対応する205℃で10分間の
熱処理後の耐力値を測定した。耳率測定は33mmφのパ
ンチを用いて絞り比1.7にて絞ったカップについて測
定した。また成形性評価においては、深絞り性は33mm
φのパンチで限界絞り比(LDR)を測定することによ
り評価した。評価基準はLDRが2.0以上:優れる、
1.85以上2.0未満:普通、1.65以上1.85
未満:若干劣る、1.65未満:割れ多発とした。しご
き加工性はDI加工により板厚減少率を64%と一定に
した(最終板厚108μm)条件にて内容量が350ml
の標準的な缶を1000缶連続成形し、この時の割れ発
生缶数により評価した。評価基準は割れ無し:優れる、
1〜4缶割れ:普通、5〜9缶割れ:若干劣る、10缶
以上割れ:割れ多発とした。張り出し性はエリクセン試
験機により張り出し高さにより評価した。評価基準は張
り出し高さが5.5mm以上:優れる、5mm以上5.5mm
未満:普通、4.5mm以上5mm未満:若干劣る、4.5
mm未満:割れ多発とした。リベット成形性は1000個
の缶蓋成形を行い、リベット部における割れの発生数に
より評価した。評価基準は割れ無し:優れる、1〜4個
割れ:普通、5〜9個割れ:若干劣る、10個以上割
れ:割れ多発とした。表3にはこれら供試材の耐力値、
耳率、および成形性試験結果を示す。
る。表1に示す合金組成の500mm厚の水冷鋳造鋳塊を
用いて表2に示す製造実験を行った。すなわち、各温
度、時間で均質化処理および析出処理を行い、各条件の
熱間圧延の後、80%の加工度の冷間圧延を施した。加
熱速度2700℃/分で480℃で10秒の中間焼鈍を
行い1000℃/分の冷却速度で170℃以下に冷却し
た。その後60%の冷間圧延により0.3mmの板材とし
た後、220℃で10秒の熱処理を施した。これら供試
材に対して以下の組織観察、機械的性能試験および各種
成形における割れ発生率を測定した。包装用材料は塗装
を施すために焼き付け処理(ベーキング処理)後の材料
の耐力値が特に問題となる。そこで試料の機械的性能と
してはベーキング処理に対応する205℃で10分間の
熱処理後の耐力値を測定した。耳率測定は33mmφのパ
ンチを用いて絞り比1.7にて絞ったカップについて測
定した。また成形性評価においては、深絞り性は33mm
φのパンチで限界絞り比(LDR)を測定することによ
り評価した。評価基準はLDRが2.0以上:優れる、
1.85以上2.0未満:普通、1.65以上1.85
未満:若干劣る、1.65未満:割れ多発とした。しご
き加工性はDI加工により板厚減少率を64%と一定に
した(最終板厚108μm)条件にて内容量が350ml
の標準的な缶を1000缶連続成形し、この時の割れ発
生缶数により評価した。評価基準は割れ無し:優れる、
1〜4缶割れ:普通、5〜9缶割れ:若干劣る、10缶
以上割れ:割れ多発とした。張り出し性はエリクセン試
験機により張り出し高さにより評価した。評価基準は張
り出し高さが5.5mm以上:優れる、5mm以上5.5mm
未満:普通、4.5mm以上5mm未満:若干劣る、4.5
mm未満:割れ多発とした。リベット成形性は1000個
の缶蓋成形を行い、リベット部における割れの発生数に
より評価した。評価基準は割れ無し:優れる、1〜4個
割れ:普通、5〜9個割れ:若干劣る、10個以上割
れ:割れ多発とした。表3にはこれら供試材の耐力値、
耳率、および成形性試験結果を示す。
【0008】
【表1】
【0009】
【表2】
【0010】
【表3】
【0011】表3から明らかなように本発明品No.1〜
3は従来品No.7に比較して強度が高く、耳率が低いと
ともに成形性に優れている。これに対し合金組成、製造
条件のいずれかが本発明の範囲を外れる比較品No.4〜
6は成形性が劣ることが判る。
3は従来品No.7に比較して強度が高く、耳率が低いと
ともに成形性に優れている。これに対し合金組成、製造
条件のいずれかが本発明の範囲を外れる比較品No.4〜
6は成形性が劣ることが判る。
【0012】
【発明の効果】以上述べたように本発明製造方法により
得られた包装用アルミニウム合金板は高い機械的強度と
ともに成形性に優れる。そのため本材料を使用すること
により成形体の重量の低減や生産性が向上するととも
に、最近の厳しい成形条件、コストの低減の要請に対応
することが可能となるもので工業上顕著な効果を奏す
る。
得られた包装用アルミニウム合金板は高い機械的強度と
ともに成形性に優れる。そのため本材料を使用すること
により成形体の重量の低減や生産性が向上するととも
に、最近の厳しい成形条件、コストの低減の要請に対応
することが可能となるもので工業上顕著な効果を奏す
る。
Claims (4)
- 【請求項1】 Mn0.5〜1.5%(重量%以下同
じ)、Mg0.5〜3.5%、Cu0.05〜0.5
%、Si0.05〜0.5%、Fe0.2〜0.7%を
含み残部Alと不可避的不純物とからなる合金鋳塊に5
80℃以上融点以下の温度で3時間以上の均質化処理を
施し、直ちに450℃以上550℃未満の温度で1時間
以上保持し、450℃以上の温度にて熱間圧延を開始
し、30分以内に終了温度350℃以下で熱間圧延を完
了させ、400〜600℃の温度に100℃/分以上の
加熱速度で加熱し、加熱後直ちに、または30秒以内保
持した後に10℃/分以上の冷却速度で200℃以下に
冷却し、20%以上の冷間圧延を行うことを特徴とする
包装用アルミニウム合金板の製造方法。 - 【請求項2】 Mn0.5〜1.5%、Mg0.5〜
3.5%、Cu0.05〜0.5%、Si0.05〜
0.5%、Fe0.2〜0.7%を含み、残部Alと不
可避的不純物とからなるAl合金鋳塊に580℃以上融
点以下の温度で3時間以上の均質化処理を施し、直ちに
450℃以上550℃未満の温度で1時間以上保持し、
450℃以上の温度にて熱間圧延を開始し、30分以内
に終了温度350℃以下で熱間圧延を完了させ、冷間圧
延を施した後に400〜600℃の温度に100℃/分
以上の加熱速度で加熱し、加熱後直ちに、または30秒
以内保持した後に10℃/分以上の冷却速度で200℃
以下に冷却し、20%以上の冷間圧延を行うことを特徴
とする包装用アルミニウム合金板の製造方法。 - 【請求項3】 Mn0.5〜1.5%、Mg0.5〜
3.5%、Cu0.05〜0.5%、Si0.05〜
0.5%、Fe0.2〜0.7%を含み、残部Alと不
可避的不純物とからなるAl合金鋳塊に580℃以上融
点以下の温度で3時間以上の均質化処理を施し、一旦冷
却を施した後に450℃以上550℃未満の温度で1時
間以上保持し、450℃以上の温度にて熱間圧延を開始
し、30分以内に終了温度350℃以下で熱間圧延を完
了させ、400〜600℃の温度に100℃/分以上の
加熱速度で加熱し、加熱後直ちにまたは30秒以内保持
した後に10℃/分以上の冷却速度で200℃以下に冷
却し、20%以上の冷間圧延を行うことを特徴とする包
装用アルミニウム合金板の製造方法。 - 【請求項4】 Mn0.5〜1.5%、Mg0.5〜
3.5%、Cu0.05〜0.5%、Si0.05〜
0.5%、Fe0.2〜0.7%を含み残部Alと不可
避的不純物とからなるAl合金鋳塊に580℃以上融点
以下の温度で3時間以上の均質化処理を施し、一旦冷却
を施した後に450℃以上550℃未満の温度で1時間
以上保持し、450℃以上の温度にて熱間圧延を開始
し、30分以内に終了温度350℃以下で熱間圧延を完
了させ、冷間圧延を施した後に400〜600℃の温度
に100℃/分以上の加熱速度で加熱し、加熱後直ち
に、または30秒以内保持した後に10℃/分以上の冷
却速度で200℃以下に冷却し、20%以上の冷間圧延
を行うことを特徴とする包装用アルミニウム合金板の製
造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP21327892A JPH0633204A (ja) | 1992-07-17 | 1992-07-17 | 包装用アルミニウム合金板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP21327892A JPH0633204A (ja) | 1992-07-17 | 1992-07-17 | 包装用アルミニウム合金板の製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0633204A true JPH0633204A (ja) | 1994-02-08 |
Family
ID=16636464
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP21327892A Pending JPH0633204A (ja) | 1992-07-17 | 1992-07-17 | 包装用アルミニウム合金板の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0633204A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2024219393A1 (ja) * | 2023-04-17 | 2024-10-24 | 株式会社Uacj | 缶蓋用アルミニウム合金板 |
-
1992
- 1992-07-17 JP JP21327892A patent/JPH0633204A/ja active Pending
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2024219393A1 (ja) * | 2023-04-17 | 2024-10-24 | 株式会社Uacj | 缶蓋用アルミニウム合金板 |
| JP2024153464A (ja) * | 2023-04-17 | 2024-10-29 | 株式会社Uacj | 缶蓋用アルミニウム合金板 |
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