JPH06340951A - 靭性に優れた高強度レールおよびその製造法 - Google Patents
靭性に優れた高強度レールおよびその製造法Info
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- JPH06340951A JPH06340951A JP5261193A JP5261193A JPH06340951A JP H06340951 A JPH06340951 A JP H06340951A JP 5261193 A JP5261193 A JP 5261193A JP 5261193 A JP5261193 A JP 5261193A JP H06340951 A JPH06340951 A JP H06340951A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 レール鋼のパーライト組織を微細化して、靭
性の向上を図った高強度レールおよびその製造方法を提
供する。 【構成】 (1)C,Si,Mn,S,Cr,Vを特定
した鋼において、オーステナイト粒内のMnSを核とし
たパーライトが存在することを特徴とする靭性に優れた
高強度レール。 (2)C,Si,Mn,S,Cr,Vを特定した鋼にお
いて、熱間圧延終了後あるいは熱処理する目的で再加熱
されたレールの頭部あるいは底部を、オーステナイト域
温度から700〜500℃の間を1〜5℃/secで加速冷
却することを特徴とする靭性に優れた高強度レールの製
造法。 【効果】 本発明鋼はロシアのGOST規格に定められ
たシャルピー吸収エネルギーを十分に満たしており、寒
冷地での安全な鉄道輸送が可能となる。
性の向上を図った高強度レールおよびその製造方法を提
供する。 【構成】 (1)C,Si,Mn,S,Cr,Vを特定
した鋼において、オーステナイト粒内のMnSを核とし
たパーライトが存在することを特徴とする靭性に優れた
高強度レール。 (2)C,Si,Mn,S,Cr,Vを特定した鋼にお
いて、熱間圧延終了後あるいは熱処理する目的で再加熱
されたレールの頭部あるいは底部を、オーステナイト域
温度から700〜500℃の間を1〜5℃/secで加速冷
却することを特徴とする靭性に優れた高強度レールの製
造法。 【効果】 本発明鋼はロシアのGOST規格に定められ
たシャルピー吸収エネルギーを十分に満たしており、寒
冷地での安全な鉄道輸送が可能となる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、レール鋼のパーライト
組織を微細化して靭性の向上を図った高強度レールおよ
びその製造法に関するものである。
組織を微細化して靭性の向上を図った高強度レールおよ
びその製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、鉄道輸送は高荷重化、高速化が指
向され、レールに要求される特性がますます厳しくなっ
ている。高荷重鉄道では急曲線区間の摩耗対策、レール
頭部内部疲労損傷対策が要求され、高速鉄道では主とし
て直線区間の表面損傷が課題として挙げられている。こ
れらに加えて、寒冷地においては、冬季にレール破断が
集中的に発生する傾向が認められており、寒冷地鉄道で
のレール材の靭性改善は、安全な鉄道輸送に欠かせない
特性になっている。高強度レールの靭性改善の方策とし
ては以下の方法が考えられる。 (1)普通圧延後一旦室温まで冷却したレール頭部を低
温度で再加熱した後加速冷却する方法。 (2)制御圧延によりオーステナイト粒を微細化した後
レール頭部を加速冷却する方法。 (3)制御圧延した後、パーライト変態前で低温度に再
加熱し、その後加速冷却する方法。
向され、レールに要求される特性がますます厳しくなっ
ている。高荷重鉄道では急曲線区間の摩耗対策、レール
頭部内部疲労損傷対策が要求され、高速鉄道では主とし
て直線区間の表面損傷が課題として挙げられている。こ
れらに加えて、寒冷地においては、冬季にレール破断が
集中的に発生する傾向が認められており、寒冷地鉄道で
のレール材の靭性改善は、安全な鉄道輸送に欠かせない
特性になっている。高強度レールの靭性改善の方策とし
ては以下の方法が考えられる。 (1)普通圧延後一旦室温まで冷却したレール頭部を低
温度で再加熱した後加速冷却する方法。 (2)制御圧延によりオーステナイト粒を微細化した後
レール頭部を加速冷却する方法。 (3)制御圧延した後、パーライト変態前で低温度に再
加熱し、その後加速冷却する方法。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記方法の(1)で
は、大幅な靭性改善のためには特開昭55−12523
1号公報に記載されているような通常の加熱温度よりも
低い850℃以下の温度に再加熱し、オーステナイト粒
度を微細にすることによって靭性を改善しようとするも
ので、低温度で加熱してかつレール頭部内部まで加熱を
深めようとすると、投入熱量を下げて長時間加熱する必
要がある。このため熱処理生産性を著しく阻害し製造コ
ストを高める難点がある。また、(2)の方法は特開昭
52−138427号公報および特開昭52−1384
28号公報に記載されているように、圧延時のオーステ
ナイト粒の細粒化によって靭性の向上を図ろうとする
と、高温での大圧下が要求され、レール圧延機の能力あ
るいはレールの形状制御の観点からも問題を含んでい
る。さらに(3)の方法は、特公平4−4371号公報
に記載されているように、800℃以下で5%以上の圧
延を実施した後、再度750〜900℃に加熱すること
によりオーステナイト粒を微細にしようとする方法であ
り、圧延後に低温再加熱のための加熱炉を必要とするた
め作業性、生産性、製造コストの観点から問題が多い。
は、大幅な靭性改善のためには特開昭55−12523
1号公報に記載されているような通常の加熱温度よりも
低い850℃以下の温度に再加熱し、オーステナイト粒
度を微細にすることによって靭性を改善しようとするも
ので、低温度で加熱してかつレール頭部内部まで加熱を
深めようとすると、投入熱量を下げて長時間加熱する必
要がある。このため熱処理生産性を著しく阻害し製造コ
ストを高める難点がある。また、(2)の方法は特開昭
52−138427号公報および特開昭52−1384
28号公報に記載されているように、圧延時のオーステ
ナイト粒の細粒化によって靭性の向上を図ろうとする
と、高温での大圧下が要求され、レール圧延機の能力あ
るいはレールの形状制御の観点からも問題を含んでい
る。さらに(3)の方法は、特公平4−4371号公報
に記載されているように、800℃以下で5%以上の圧
延を実施した後、再度750〜900℃に加熱すること
によりオーステナイト粒を微細にしようとする方法であ
り、圧延後に低温再加熱のための加熱炉を必要とするた
め作業性、生産性、製造コストの観点から問題が多い。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の発明とは
根本的に異なり、重量%で C :0.55〜0.85%、 Si:0.20〜1.
20%、Mn:0.50〜1.50%、 S :0.0
06〜0.035%、Cr:0.1〜1.0%、
V :0.01〜1.0% を含有し、残部が鉄および不可避的不純物からなるレー
ル鋼でかつオーステナイト粒内のMnSを核としたパー
ライトが存在することを特徴とする靭性に優れた高強度
レールに関するものである。本発明では、従来オーステ
ナイト粒界のみからしか生成しないといわれていたパー
ライト変態を、オーステナイト粒内のMnSにパーライ
ト変態の核となるV炭化物を配して、オーステナイト粒
内からもパーライト変態を生成させることを特徴として
おり、粒界から変態するパーライトに加えて、粒内から
生成したパーライトによって著しくパーライト組織が微
細化し、これにともなって、大幅な靭性の改善を図るこ
とができる。
根本的に異なり、重量%で C :0.55〜0.85%、 Si:0.20〜1.
20%、Mn:0.50〜1.50%、 S :0.0
06〜0.035%、Cr:0.1〜1.0%、
V :0.01〜1.0% を含有し、残部が鉄および不可避的不純物からなるレー
ル鋼でかつオーステナイト粒内のMnSを核としたパー
ライトが存在することを特徴とする靭性に優れた高強度
レールに関するものである。本発明では、従来オーステ
ナイト粒界のみからしか生成しないといわれていたパー
ライト変態を、オーステナイト粒内のMnSにパーライ
ト変態の核となるV炭化物を配して、オーステナイト粒
内からもパーライト変態を生成させることを特徴として
おり、粒界から変態するパーライトに加えて、粒内から
生成したパーライトによって著しくパーライト組織が微
細化し、これにともなって、大幅な靭性の改善を図るこ
とができる。
【0005】これに加えて前記組成からなるレール鋼に
対して通常圧延後あるいはレール頭部もしくは底部も含
めて通常温度に再加熱した後、冷却過程でオーステナイ
ト域温度から冷却する際に700〜500℃の間を1〜
5℃/secで加速冷却する方法を付与することによって、
オーステナイト粒内のMnSを核とするパーライトの変
態温度を低下せしめ、MnSを核とするパーライトによ
る組織微細化を通じての靭性改善をより顕著にすること
が可能である。すなわち、図1に示すように、V添加な
しの場合の加速冷却による靭性改善の程度に比べ、Vを
添加し粒内パーライトを生成させた場合の加速冷却によ
る靭性改善の程度の方が大幅に大きい。また、加速冷却
による高強度化によって耐摩耗性にも優れた高強度レー
ルを製造することができる。
対して通常圧延後あるいはレール頭部もしくは底部も含
めて通常温度に再加熱した後、冷却過程でオーステナイ
ト域温度から冷却する際に700〜500℃の間を1〜
5℃/secで加速冷却する方法を付与することによって、
オーステナイト粒内のMnSを核とするパーライトの変
態温度を低下せしめ、MnSを核とするパーライトによ
る組織微細化を通じての靭性改善をより顕著にすること
が可能である。すなわち、図1に示すように、V添加な
しの場合の加速冷却による靭性改善の程度に比べ、Vを
添加し粒内パーライトを生成させた場合の加速冷却によ
る靭性改善の程度の方が大幅に大きい。また、加速冷却
による高強度化によって耐摩耗性にも優れた高強度レー
ルを製造することができる。
【0006】
【作用】以下に本発明について詳細に説明する。先ず、
レールの化学成分を前述のように定めた理由について説
明する。Cは高強度化およびパーライト組織生成のため
の必須元素であり、また耐摩耗性に対しても一義的に効
果を示す元素であるが0.55%未満ではオーステナイ
ト粒界に耐摩耗性および耐損傷性に好ましくない初析フ
ェライトが多量に生成し、また0.85%を超えるとオ
ーステナイト粒界を脆化させる有害な初析セメンタイト
を生成させるばかりか、レール頭部熱処理層や溶接部の
微小偏析部にマルテンサイトが生成し、靭性を著しく損
なうため0.55〜0.85%に限定した。
レールの化学成分を前述のように定めた理由について説
明する。Cは高強度化およびパーライト組織生成のため
の必須元素であり、また耐摩耗性に対しても一義的に効
果を示す元素であるが0.55%未満ではオーステナイ
ト粒界に耐摩耗性および耐損傷性に好ましくない初析フ
ェライトが多量に生成し、また0.85%を超えるとオ
ーステナイト粒界を脆化させる有害な初析セメンタイト
を生成させるばかりか、レール頭部熱処理層や溶接部の
微小偏析部にマルテンサイトが生成し、靭性を著しく損
なうため0.55〜0.85%に限定した。
【0007】Siはパーライト組織中のフェライト相へ
の固溶体硬化による高強度化に寄与するばかりか、わず
かながらレール鋼の靭性改善にも貢献する。またSiは
MnとともにMnSの核となるマンガンシリケート系酸
化物を構成する重要な元素であり、0.2%以下ではそ
の効果が期待できず、さらにSiは脱酸元素として0.
2%以上の添加が必要であり、1.2%を超えると脆化
をもたらし溶接接合性も減ずるので、0.20〜1.2
0%に限定した。
の固溶体硬化による高強度化に寄与するばかりか、わず
かながらレール鋼の靭性改善にも貢献する。またSiは
MnとともにMnSの核となるマンガンシリケート系酸
化物を構成する重要な元素であり、0.2%以下ではそ
の効果が期待できず、さらにSiは脱酸元素として0.
2%以上の添加が必要であり、1.2%を超えると脆化
をもたらし溶接接合性も減ずるので、0.20〜1.2
0%に限定した。
【0008】MnはC同様にパーライト変態温度を低下
させ、焼入性を高めることによって高強度化に寄与する
元素であり、さらにSi同様にMnSの核としてのマン
ガンシリケートの構成元素として、および脱酸元素とし
ても欠かせない。しかし、0.5%未満ではその効果が
小さくまた1.50%を超えると偏析部にマルテンサイ
ト組織を生成させ易くするため0.50〜1.50%に
限定した。
させ、焼入性を高めることによって高強度化に寄与する
元素であり、さらにSi同様にMnSの核としてのマン
ガンシリケートの構成元素として、および脱酸元素とし
ても欠かせない。しかし、0.5%未満ではその効果が
小さくまた1.50%を超えると偏析部にマルテンサイ
ト組織を生成させ易くするため0.50〜1.50%に
限定した。
【0009】Sは一般に有害元素として知られている
が、本発明においてはオーステナイト粒内のマンガンシ
リケートなどの酸化物を核とするMnSを基地とする析
出物(VC)が生成し、これを変態核とするパーライト
組織が生成するため欠かせない元素である。しかし、
0.006%未満ではパーライト変態核としてのMnS
量が減じてしまい、パーライト粒内変態を確保できなく
する。また0.035%以上ではMnSが多量に生成し
靭性を著しく低下させるため0.006〜0.035%
に限定した。
が、本発明においてはオーステナイト粒内のマンガンシ
リケートなどの酸化物を核とするMnSを基地とする析
出物(VC)が生成し、これを変態核とするパーライト
組織が生成するため欠かせない元素である。しかし、
0.006%未満ではパーライト変態核としてのMnS
量が減じてしまい、パーライト粒内変態を確保できなく
する。また0.035%以上ではMnSが多量に生成し
靭性を著しく低下させるため0.006〜0.035%
に限定した。
【0010】Crは、パーライト変態を低下させること
によって高強度化に寄与すると同時に、パーライト組織
中のセメンタイト相を強化することによっても耐摩耗性
向上に貢献するが、一方ではセメンタイトの衝撃靭性を
低下させる作用も有している。しかし、Crのセメンタ
イト強化作用は無視しがたく、さらに溶接継ぎ手部軟化
防止の観点からも微量のCrの添加も望ましい。そこで
強度確保に一定の寄与が期待されかつ靭性を損なわない
範囲内で0.1〜1.0%に限定した。
によって高強度化に寄与すると同時に、パーライト組織
中のセメンタイト相を強化することによっても耐摩耗性
向上に貢献するが、一方ではセメンタイトの衝撃靭性を
低下させる作用も有している。しかし、Crのセメンタ
イト強化作用は無視しがたく、さらに溶接継ぎ手部軟化
防止の観点からも微量のCrの添加も望ましい。そこで
強度確保に一定の寄与が期待されかつ靭性を損なわない
範囲内で0.1〜1.0%に限定した。
【0011】Vは本発明の重要な構成要素であるが、冷
却中にMnS上に析出させたV炭化物を核としたパーラ
イト変態の生成を見いだしたことにより、従来オーステ
ナイト粒界に限定されていたパーライト変態核がオース
テナイト粒内からも期待でき、結果として微細なパーラ
イト粒からなるレール鋼を得ることができるようになり
大幅な靭性の向上を果たすことができた。しかし、0.
01%未満では、この効果が弱く、また1.0%以上添
加するとV炭化物が粗大化し、レール頭部内部からの疲
労き裂発生起点となることから、V添加量を0.01〜
1.0%の範囲に限定した。不可避的不純物元素である
Pは、レール鋼の靭性を向上させるためにはできるだけ
低減させることが望ましい。
却中にMnS上に析出させたV炭化物を核としたパーラ
イト変態の生成を見いだしたことにより、従来オーステ
ナイト粒界に限定されていたパーライト変態核がオース
テナイト粒内からも期待でき、結果として微細なパーラ
イト粒からなるレール鋼を得ることができるようになり
大幅な靭性の向上を果たすことができた。しかし、0.
01%未満では、この効果が弱く、また1.0%以上添
加するとV炭化物が粗大化し、レール頭部内部からの疲
労き裂発生起点となることから、V添加量を0.01〜
1.0%の範囲に限定した。不可避的不純物元素である
Pは、レール鋼の靭性を向上させるためにはできるだけ
低減させることが望ましい。
【0012】前記のような成分組成で構成されるレール
鋼は、転炉、電気炉などの通常使用される溶解炉で前述
した脱酸を含む溶製を行い、この溶鋼を造塊・分塊法あ
るいは連続鋳造法、さらに熱間圧延を経て製造する。熱
間圧延を終えたレールは、冷却中においてオーステナイ
ト粒内のMnSに析出したV炭化物からもパーライト変
態が生成し、オーステナイト粒界から生成するパーライ
トと共に微細なパーライト粒を構成する。その結果、圧
延ままで靭性の優れた高強度レールを製造することがで
きる。
鋼は、転炉、電気炉などの通常使用される溶解炉で前述
した脱酸を含む溶製を行い、この溶鋼を造塊・分塊法あ
るいは連続鋳造法、さらに熱間圧延を経て製造する。熱
間圧延を終えたレールは、冷却中においてオーステナイ
ト粒内のMnSに析出したV炭化物からもパーライト変
態が生成し、オーステナイト粒界から生成するパーライ
トと共に微細なパーライト粒を構成する。その結果、圧
延ままで靭性の優れた高強度レールを製造することがで
きる。
【0013】さらに高強度とともに高靭性が要求される
場合には、圧延終了後あるいは、一度室温に冷却され熱
処理する目的で再加熱されたオーステナイト域温度から
冷却する際に、700〜500℃間を1〜5℃/secで加
速冷却されたレール鋼では、一層の高靭性が得られる。
すなわち、パーライト組織鋼の特徴として、加速冷却す
ることによって低温でパーライト変態を生じさせ、この
ことによりパーライト変態核の生成速度が向上し結果的
にパーライト粒を微細にすることができるからである。
従ってMnS上に析出させたV炭化物からのパーライト
組織のオーステナイト粒内変態と、加速冷却によるオー
ステナイト粒界からのパーライト変態が重畳して一層の
レール鋼の靭性向上を達成することができる。この際冷
却媒体は、空気あるいはミストなどの気液混合物を用
い、レール頭部もしくは底部の強度が1100MPa 以上
とすることが望ましい。
場合には、圧延終了後あるいは、一度室温に冷却され熱
処理する目的で再加熱されたオーステナイト域温度から
冷却する際に、700〜500℃間を1〜5℃/secで加
速冷却されたレール鋼では、一層の高靭性が得られる。
すなわち、パーライト組織鋼の特徴として、加速冷却す
ることによって低温でパーライト変態を生じさせ、この
ことによりパーライト変態核の生成速度が向上し結果的
にパーライト粒を微細にすることができるからである。
従ってMnS上に析出させたV炭化物からのパーライト
組織のオーステナイト粒内変態と、加速冷却によるオー
ステナイト粒界からのパーライト変態が重畳して一層の
レール鋼の靭性向上を達成することができる。この際冷
却媒体は、空気あるいはミストなどの気液混合物を用
い、レール頭部もしくは底部の強度が1100MPa 以上
とすることが望ましい。
【0014】レール鋼の靭性評価法としては、ロシアの
GOST規格によって定められた2mmUノッチシャルピ
ー試験における+20℃での衝撃吸収エネルギーがあ
り、同規格によれば高強度熱処理レールの+20℃での
衝撃吸収エネルギーは0.25MJ/m2 以上が必要とされ
ている。上述したオーステナイト粒内のMnSに析出さ
せたV炭化物をパーライト変態核として活用することに
よって、本発明のレール鋼ではパーライト粒が微細化
し、0.25MJ/m2 以上の衝撃吸収エネルギーを得るこ
とができる。
GOST規格によって定められた2mmUノッチシャルピ
ー試験における+20℃での衝撃吸収エネルギーがあ
り、同規格によれば高強度熱処理レールの+20℃での
衝撃吸収エネルギーは0.25MJ/m2 以上が必要とされ
ている。上述したオーステナイト粒内のMnSに析出さ
せたV炭化物をパーライト変態核として活用することに
よって、本発明のレール鋼ではパーライト粒が微細化
し、0.25MJ/m2 以上の衝撃吸収エネルギーを得るこ
とができる。
【0015】
【実施例】次に本発明により製造した高靭性を有する高
強度レールの製造実施例について述べる。表1は供試鋼
の化学成分およびV添加、無添加鋼のそれぞれ冷却後の
組織中にMnSを核とするパーライト粒内変態が含まれ
ているかどうかを観察した結果を示す。また、表2には
圧延まま、および強度を一定とするために化学成分ごと
に700〜500℃間を冷却速度1〜5℃/secの範囲で
変化させた加速冷却後のレール鋼の引張試験強度および
2mmUノッチシャルピー試験における+20℃での衝撃
吸収エネルギー測定結果を示す。
強度レールの製造実施例について述べる。表1は供試鋼
の化学成分およびV添加、無添加鋼のそれぞれ冷却後の
組織中にMnSを核とするパーライト粒内変態が含まれ
ているかどうかを観察した結果を示す。また、表2には
圧延まま、および強度を一定とするために化学成分ごと
に700〜500℃間を冷却速度1〜5℃/secの範囲で
変化させた加速冷却後のレール鋼の引張試験強度および
2mmUノッチシャルピー試験における+20℃での衝撃
吸収エネルギー測定結果を示す。
【0016】衝撃試験片はレール頭部1mm下より採取し
た。この試験条件は熱処理レールにおける靭性を規定し
たロシアのGOST規格に基づくもので、同規格によれ
ば高強度熱処理レールの+20℃での衝撃吸収エネルギ
ーは0.25MJ/m2 以上が必要とされており、本発明の
オーステナイト粒内からもパーライト変態を生成させた
微細パーライト組織鋼は、いずれもGOST規格に定め
られたシャルピー吸収エネルギーを十分に満たしてい
る。
た。この試験条件は熱処理レールにおける靭性を規定し
たロシアのGOST規格に基づくもので、同規格によれ
ば高強度熱処理レールの+20℃での衝撃吸収エネルギ
ーは0.25MJ/m2 以上が必要とされており、本発明の
オーステナイト粒内からもパーライト変態を生成させた
微細パーライト組織鋼は、いずれもGOST規格に定め
られたシャルピー吸収エネルギーを十分に満たしてい
る。
【0017】
【表1】
【0018】
【表2】
【0019】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、オ
ーステナイト粒界のみならず、粒内からもパーライトを
微細に生成させて、圧延ままでも優れた靭性を有し寒冷
地でも安全な高強度レールを提供できる。
ーステナイト粒界のみならず、粒内からもパーライトを
微細に生成させて、圧延ままでも優れた靭性を有し寒冷
地でも安全な高強度レールを提供できる。
【図1】V添加有無によるレールのGOST規格に定め
られたシャルピー衝撃値を示す図。
られたシャルピー衝撃値を示す図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 若生 昌光 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株式 会社技術開発本部内 (72)発明者 船木 秀一 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株式 会社技術開発本部内
Claims (2)
- 【請求項1】 重量%で C :0.55〜0.85% Si:0.20〜1.20% Mn:0.50〜1.50% S :0.006〜0.035% Cr:0.1〜1.0% V :0.01〜1.0% を含有し、残部が鉄および不可避的不純物からなり、か
つ、オーステナイト粒内のMnSを核としたパーライト
が存在することを特徴とする靭性に優れた高強度レー
ル。 - 【請求項2】 重量%で C :0.55〜0.85% Si:0.20〜1.20% Mn:0.50〜1.50% S :0.006〜0.035% Cr:0.1〜1.0% V :0.01〜1.0% を含有し、残部が鉄および不可避的不純物からなる鋼を
熱間圧延終了後、あるいは熱処理する目的で高温に加熱
した後、レールの頭部あるいはさらに底部を、オーステ
ナイト域温度から冷却する際に700〜500℃間を1
〜5℃/secで加速冷却し、オーステナイト粒内のMnS
を核としたパーライトが生成させることを特徴とする靭
性に優れた高強度レールの製造法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5261193A JPH06340951A (ja) | 1993-03-12 | 1993-03-12 | 靭性に優れた高強度レールおよびその製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5261193A JPH06340951A (ja) | 1993-03-12 | 1993-03-12 | 靭性に優れた高強度レールおよびその製造法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH06340951A true JPH06340951A (ja) | 1994-12-13 |
Family
ID=12919600
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP5261193A Pending JPH06340951A (ja) | 1993-03-12 | 1993-03-12 | 靭性に優れた高強度レールおよびその製造法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH06340951A (ja) |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP2785890B1 (en) | 2011-11-28 | 2015-07-15 | Tata Steel UK Ltd | Rail steel with an excellent combination of wear properties, rolling contact fatigue resistance and weldability |
| EP2006406A4 (en) * | 2006-03-16 | 2015-08-12 | Jfe Steel Corp | HIGH STRENGTH PERLIT RAIL WITH EXCELLENT RESISTANCE TO DELAYED BREAK |
| WO2016027467A1 (ja) * | 2014-08-20 | 2016-02-25 | Jfeスチール株式会社 | 熱処理レールの製造方法および製造装置 |
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1993
- 1993-03-12 JP JP5261193A patent/JPH06340951A/ja active Pending
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