JPH06348155A - 画像定着用発熱媒体及びその発熱媒体を用いた定着装置 - Google Patents

画像定着用発熱媒体及びその発熱媒体を用いた定着装置

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JPH06348155A
JPH06348155A JP5140365A JP14036593A JPH06348155A JP H06348155 A JPH06348155 A JP H06348155A JP 5140365 A JP5140365 A JP 5140365A JP 14036593 A JP14036593 A JP 14036593A JP H06348155 A JPH06348155 A JP H06348155A
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滋仁 安東
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健嗣 小木
Yasuhiro Uehara
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡易な構成であって搬送信頼性に優れ、か
つ、消費電力を低減し、その機内温度上昇の問題が少な
く、しかも、目標温度に到達するまでの待ち時間が短
く、加えて、その温度の制御が容易であり、種々の画像
定着装置において使用することができる画像定着用発熱
媒体を提供すとともに、このような発熱媒体を使用した
有用な定着装置を提供する。 【構成】 熱伝導性に優れた導電性支持体層2と、その
支持体層2の片面に形成される低表面エネルギー層3
と、その反対面に形成される発熱層4との積層構造から
なる画像定着用発熱媒体1である。また、定着装置は、
このような発熱媒体1と、その発熱層4に通電する給電
機構とを備え、その給電機構の通電により発熱する発熱
媒体1に未定着トナー像を有する記録用紙を圧接して定
着を行うものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複写機、プリンター等
の画像形成装置におけるトナー画像の加熱定着に際して
使用される画像定着用発熱媒体及びその発熱媒体を用い
た定着装置に関する。
【0002】
【従来の技術】画像形成装置における加熱定着装置とし
ては、一般に、パイプ状の金属ロールの表面にフッ素系
樹脂又はシリコーンゴムを被覆し、その金属ロールの内
部空洞部に棒状のヒーターランプを設置した加熱ロール
と、この加熱ロールに圧接する加圧ロールとで構成し、
上記ヒーターランプに通電してヒーターランプからの輻
射熱を金属ロールの内壁で吸収させて加熱ロール全体を
定着に必要な温度まで加熱し、この加熱ロールと加圧ロ
ールとの間に未定着トナー像を有する記録しシートを挿
通させることにより、その未定着トナー像を加熱加圧下
で定着させるものが知られている(例えば、特公昭59
−21557号、特公昭58−36337号、特公昭5
6−7236等の公報)。
【0003】しかしながら、このような機構の加熱定着
装置においては、金属製の加熱ロール全体を定着に必要
な温度まで加熱し、また、その温度に維持する必要があ
るため、消費電力が大きい、発生熱量が多くて機内温度
が上昇する、加熱ロールの熱容量が大きいために短時間
で定着可能な温度まで上昇させることができない、定着
時に厳密なトナーの温度制御を行うのが難しくて画質の
低下が発生する場合がある、等の問題点があった。
【0004】そこで、本発明者等は、先に、未定着画像
を有する画像保持部材にその上方から圧接して未定着画
像を加熱する加熱手段と、未定着画像を形成するための
記録ヘッドに出力される画像信号が入力され、この画像
信号に応じて未定着画像を含む用紙の領域を加熱し、そ
の他の領域を加熱しないように加熱手段を制御する制御
を備えた画像定着装置と、上記加熱手段として、未定着
画像の着色画像形成材の付着を防止する付着防止層と、
この付着防止層に積層される導電層と、この導電層に積
層され、電気エネルギーの供給を受けて発熱する発熱層
とを有するベルト状又は剛性ドラム状に形成した加熱手
段を使用し、未定着画像を有する画像保持部材にその上
方から圧接して未定着画像を加熱する画像定着装置を提
案した(特開平4−114184号公報)。これによ
り、消費電力の低減、装置のクイックスタートの実現、
定着の高速化、機内温度上昇の抑制等の問題解決に一定
の成果をあげることができた。
【0005】しかしながら、この提案に係る定着装置に
おいては、未定着画像を定着させるための画像信号が記
録ヘッドを介して加熱手段に入力されるようになってお
り、また、この記録ヘッドは、長手方向に整列した複数
のブロックからなっていて、加熱手段に対して直接摩擦
接触するように支持されており、その定着に際しては上
述した画像信号に応じてブロック毎に加熱手段を選択的
に加熱している。このため、記録ヘッドの摩擦状況によ
っては、長手方向の全てのブロックについて安定した発
熱状態が得られない場合もあり、しかも、加熱手段が薄
型であるために搬送の信頼性も低くなりがちであるとい
う問題がある。特に、搬送性の問題は加熱媒体がベルト
状の場合に引張り強度などが劣るため顕著になり、ま
た、それは画像保持材に対する充分な密着性や加圧特性
が得られない等の不具合がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者等
は、先に提案した画像定着装置よりもより簡便で発熱媒
体の搬送信頼性が高く、しかも、従来の加熱定着装置が
有している種々の問題、すなわち消費電力が大きいこ
と、機内温度が上昇し易いこと、加熱ロールの熱容量が
大きくて使用可能温度に到達するまでの待ち時間が長い
こと、定着時間の厳密な温度制御が難しくて画質の低下
が発生すること、等の問題を解決することができる新し
い装置の開発に鋭意検討を行った結果、本発明を完成す
るに至った。
【0007】従って、本発明の目的は、簡易な構成であ
って搬送信頼性に優れ、かつ、消費電力を低減し、その
機内温度上昇の問題が少なく、しかも、目標温度に到達
するまでの待ち時間が短く、加えて、その温度の制御が
容易であり、種々の画像定着装置において使用すること
ができる画像定着用発熱媒体を提供することにある。ま
た、本発明の他の目的は、このような発熱媒体を使用
し、電子写真複写機、プリンター、ファクシミリ等で使
用される画像定着装置として有用な定着装置を提供する
ことにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、熱
伝導性に優れた導電性支持体層と、その支持体層の片面
に形成される低表面エネルギー層と、その反対面に形成
される発熱層との積層構造からなる画像定着用発熱媒体
である。
【0009】また、本発明は、このような画像定着用発
熱媒体と、その発熱層に通電する給電機構とを備え、そ
の給電機構の通電により発熱する発熱媒体に未定着トナ
ー像を有する記録用紙を圧接して定着を行う定着装置で
ある。
【0010】本発明において、画像定着用発熱媒体1
は、図1〜図3に示すように導電性支持体層2と、低表
面エネルギー層3と、発熱層4とでその主要部が構成さ
れる。
【0011】導電性支持体層1は、その上下両面に形成
される各層の保持機能及びその搬送支援機能と、発熱の
ために発熱層へ入力される電流の帰路電極の役割とを果
たすものである。また、この支持体層は、発熱層で発し
た熱を未定着画像にロスなく伝達させる必要があるた
め、その熱伝達性が良好な導電性材料により構成されて
いる。
【0012】また、導電性支持体層2は、金属材料によ
り形成される単層構造(図1)であるか、或いは、導電
性支持材5と高導電性薄膜層6との複層構造(図2)か
らなるものであり、さらに、その発熱層側の面に、帯状
などの各種形状の分離分割されたパターン電極部7を設
けて構成されるものである(図3)。パターン電極部7
を設けた場合、その電極部がその電極部間の支持体層部
分に比べ帰路電極として優先的に機能するため、発熱層
をパターン電極部に対応させて部分的に発熱させること
ができる。
【0013】金属材料としては、鉄、銅、亜鉛、金、
銀、ニッケル、アルミニウム、チタン、コバルト、タン
グステン、モリブテン、ステンレス等の1種又はそれら
を適宜組み合せた合金が使用される。導電性支持材5は
特に強度的に優れた材料により形成され、その材料とし
ては上記のような金属材料や金属材料を主成分とする複
合材料が使用される。高導電性薄膜層6は、電気伝導性
の高い材料により形成される膜厚が10μm以下、好ま
しくは0.5μm以下の層であり、支持材5に比べ導電
性が相対的に高い金属材料や導電性セラミックをスパッ
タリング法や真空蒸着法により形成したり、その導電性
ペーストをスクリーン印刷して形成される。パターン電
極部7は膜厚が5μm以下、好ましくは1μm以下の層
であり、導電層6と同じ材料を用いてホトリソグラフィ
ー法やスクリーン印刷法により形成される。
【0014】導電性支持体層2は、体積抵抗値が103
Ω・cm以下となる導電性を有する。また、この支持体
層2の厚さは、発熱媒体がベルト状である場合には3〜
200μm、好ましくは7〜70μmであり、発熱媒体
が円筒状である場合には10μm〜1mm、好ましくは
15〜120μmである。この厚さが上記の下限値より
も小さいと充分な引張り強度を確保できないため、必要
な支持機能が得られなかったり搬送信頼性が劣り、反対
に上記の上限値を越えると高い熱伝導性が得られなかっ
たり、消費エネルギーが増加する等の問題がある。
【0015】低表面エネルギー層3は、定着の際に未定
着トナー像と接するため、そのトナー像が付着するのを
防止すると共に、下層を保護する目的を有するものであ
る。このため、この層3を形成する材料は、130°C
以上の耐熱性を有し、その臨界表面張力が32dyn/
cm以下、好ましくは22dyn/cm以下であること
が好ましい。この臨界表面張力が32dyn/cmより
高いと、未定着トナー像を形成するトナーの一部が付着
し、発熱媒体の表面が汚染されるという問題が生じる。
【0016】このような低表面エネルギー層を形成する
材料としては、例えば、フッ素系樹脂、フッ素ゴム(F
EP)、ジメチルシロキサン系樹脂、シリコーンゴム等
のほか、層自体の電気抵抗を制御して帯電防止を図る目
的で、これらの材料に導電粉体を混合して得られる複合
材料も使用される。また、この層表面にはトナーのオフ
セット防止効果を向上させる目的で、シリコーンオイル
等のトナー付着回避剤や滑剤の塗布等の処理を行っても
よい。この低表面エネルギー層の厚さは、20μm以
下、好ましくは0.2〜5μmである。この層厚が20
μmより厚くなると、発熱層から被加熱対象までの距離
が長くなり、熱伝達ロスが多くなってエネルギー効率が
低下する。
【0017】発熱層4は、通電により入力される電流に
よりジュール熱を発生する層であり、耐熱性が200°
C以上、好ましくは300°C以上であって、体積抵抗
値が10-3〜107Ω・cm、好ましくは10-1〜101
Ω・cmの範囲のものである。
【0018】このような発熱層を構成する材料として
は、導電性セラミック材、導電性カーボン、金属材料等
の導電性材料と絶縁性セラミック材や耐熱性樹脂等の絶
縁性材料とをそれぞれ1種又は数種混合若しくは化合し
てなるものが使用される。この発熱層の厚さは、20μ
m以下、好ましくは1〜5μmの範囲である。この層厚
が20μmを越えると、入力電力に対する発熱効率が低
下してエネルギー消費が増大するという問題を生じる。
【0019】上述のように構成された発熱媒体1は、図
4に示すようなエンドレスベルトの形態か、或いは図5
に示すような円筒の形態に形成される。
【0020】また、本発明において、定着装置は、図4
や図5に示すように上述した発熱媒体1と、その発熱層
4に通電する給電機構8とでその主要部が構成される。
【0021】給電機構8は、基本的に、発熱媒体の発熱
層4に接触するように設置される接触電極9と、その電
極に温度制御用のパルス電流などを供給する電源部10
とで構成される。接触電極9としては、発熱層4に動的
に接触するロール電極9aのほか、図7や図10などに
示すように発熱層4に静的に接触するバー電極9bが使
用される。なお、バー電極9bを使用すると、図7に示
すように定着装置を簡易に構成することが可能である。
図中、15は接触電極9に対向して設けられる圧接ロー
ルである。
【0022】このように、本発明の発熱媒体を用いた定
着装置によれば、給電機構8により通電される部分の発
熱層が発熱し、記録用紙11に担持された未定着トナー
像12aを定着させる際に、その通電される部分のみが
加熱される。そしてこの際、発熱媒体の発熱部分すなわ
ち発熱層と未定着トナー像との間はきわめて接近してお
り、しかも、通電する部分を主に発熱させて加熱するの
で、熱容量が小さくて瞬時に高い温度に発熱して未定着
トナー像を高温に加熱することができる。しかも、その
後発熱した発熱層は、その熱容量が小さいために短時間
で温度が低下し、室温近くまでもどる。従って、このよ
うな発熱現象では、発熱エネルギー総量を小さくするこ
とができ、装置全体の温度上昇を可及的に抑制すること
ができる。なお、本発明の定着装置であっても、必要に
より、装置全体の温度上昇を抑制するための冷却装置を
付設してもよい。
【0023】また、本発明の装置においては、図4や図
5などに示すように、発熱媒体1の発熱層4の温度を検
出する温度検知装置13を設け、この温度検知装置13
により検知される温度に対応して発熱層への供給電力を
制御する供給電力制御手段14を設けることにより、容
易に発熱媒体1における発熱量を制御することができる
ので、良好な定着画像が得られる。
【0024】また、本発明の装置においては、ベルト状
の発熱媒体1を使用した場合、図4に示すように、給電
機構8の接触電極9と圧接ロール15との間を定着部及
び剥離部として機能させ、定着工程と発熱媒体1からの
記録用紙の剥離工程をほぼ同時に行うように構成するほ
か、図6や図7に示すように、給電機構8の接触電極9
と圧接ロール15との間は定着部Aとしてのみ機能さ
せ、剥離部Bは定着部とは別に分けて設け、定着工程と
剥離工程とが時間的にずれて行われるように構成しても
よい。定着部と剥離部を分けて設けた場合には、定着ト
ナー像を記録用紙に隆起しないように充分に付着させる
ことができ、より良好な定着画像が得られる。図6又は
図7中において、20は剥離部Bを構成するベルト搬送
ロール、21は剥離爪を示す。
【0025】更に、本発明の装置においては、給電機構
8におけるロール又はバー状の接触電極9を、複数のコ
ンタクト電極部を有する分割電極として構成することが
できる。この場合、その分割された各コンタクト電極部
に選択的に通電し、発熱媒体を部分的に発熱させること
ができる。図9は分割電極化したロール電極9aの一例
を示し、図11は分割電極化したバー電極9bの一例を
示す。分割電極化したバー電極9bは、例えば、図10
のバー電極9bのように連続形成されたコンタクト電極
部22を、複数に分割形成することにより得られる(図
中22bが分割されたコンタクト電極部を示す)。
【0026】本発明に適用できるトナー材(画像形成材
料)としては、加熱(加圧)定着用のものであれば制限
はなく、例えば、樹脂系粉体、昇華性材料、液体インク
材、液体分散粒子材等のものが挙げられる。
【0027】
【作用】本発明によれば、主に金属材料からなる導電性
支持層が帰路電極の機能の他に支持機能を有しているた
め、発熱媒体全体も引張り強度に優れたものとなり、こ
のような発熱媒体を定着装置に使用した場合には優れた
搬送信頼性が得られる。
【0028】また、発熱媒体は、通電した発熱層部分を
主に発熱させるほか、その発熱部分と未定着トナー像を
可及的に接近させる(10μm〜1mm程度)ことがで
きるので、発熱した熱エネルギーの損失を可及的に抑制
することができ、結果として発熱量を小さくすることが
できることが可能になり、それだけ消費電力を低減する
ことができる。また、導電性支持層は主に金属材料によ
り構成されているため、比熱が小さく熱伝導性が高いた
め、発熱層で発生する熱をロスなく定着部に供給するこ
とができる。
【0029】このように発熱量を小さくできるほか、通
電した発熱層部分を発熱させるため、装置の機内温度上
昇を抑制することができる。
【0030】また、定着を行う部分の発熱層を通電によ
り発熱させるようにしているため、発熱部分の体積が小
さくて熱容量が小さくなり、このため短時間で必要な温
度まで上昇させることができるほか、この発熱媒体を使
用した定着装置においては定着可能な温度にまで到達す
るまでの時間を短縮することができる。
【0031】更に、発熱媒体の表面に低表面エネルギー
層を設け、この発熱媒体と接する未定着トナー像のトナ
ー等が付着しないようになっており、また、加熱部分で
の熱容量が小さいので定着時の温度制御が容易になり、
それだけ安定した画質を得ることが可能になる。
【0032】
【実施例】以下、実施例及び比較例に基づいて本発明を
具体的に説明する。
【0033】実施例1 厚さ20μmのステンレス(SUS304)を100m
mφの円筒状にした支持材2の内面側に、シリコーン系
樹脂とカーボンブラックを主成分とした分散溶液をディ
ッピング塗布法により塗布し、150°Cの雰囲気中で
20分間乾燥して液体成分を蒸発させた後、400°C
の窒素雰囲気中で180分間焼成して、厚さ5μm、体
積固有抵抗値4×10Ω・cmの発熱層4を形成した。
次に、支持材2の外面側にテフロンの微粒子分散液を塗
装し、350°Cの雰囲気中で20分間焼成し、厚さ7
μmの均一な低表面エネルギー層3を形成した。この低
表面エネルギー層3の臨界表面張力をデイスマンプロッ
ト法により測定したところ、18dyne/cmであっ
た。このようにして図1に示すような積層構造からなる
スリーブ状の発熱媒体1を得た。
【0034】このスリーブ状の発熱媒体1を使用し、図
5に示すように、矢印方向に回転するように設置された
発熱媒体1の内面側の発熱層4に接触する直径10mm
の銅製のロール電極9aと、この電極に所定の直流電流
を印加する電源部10とからなる給電機構8を設置する
とともに、ロール電極9aに対向させて圧接弾性ロール
15を設置し、加熱加圧方式の定着装置を構成した。
【0035】この定着装置は、ロール電極9aと圧接弾
性ロール15との間に2kg/cmの線圧を付与し、ロ
ール線速度50mm/sで回転するようにした。この定
着装置を使用し、パルス周期2.5ms、パルス幅0.
5ms、電圧20Vの直流電流をロール電極9aと帰路
電極としての支持材2とを介して発熱媒体1における発
熱層の接触部に印加して、発熱媒体1の圧接弾性ロール
15と接する部分を160°Cまで昇温し、このロール
電極9aと圧接弾性ロール15との間に未定着トナー像
12aが保持された普通紙11を、その未定着トナー像
12aが発熱媒体1と接するように挿通させて定着を行
った。
【0036】その結果、普通紙11上に定着トナー像1
2bが付着した良好な定着画像が得られた。また、この
とき、未定着トナー像12aのトナーが発熱媒体1の表
面層である低表面エネルギー層3に付着する現象は見ら
れず、また、その定着画像の消しゴム擦り(20回)テ
ストを行っても画像の劣化は確認されなかった。さら
に、この定着時の加熱に必要な消費電力は、市販複写機
における加熱ロール定着装置の場合に比べて30%低減
することができた。
【0037】比較例1 低表面エネルギー層3を設けない以外は実施例1と同様
な発熱媒体1とそれを使用した定着装置を形成した。ス
テンレス製の支持層2が露出したスリーブ状の発熱媒体
1は、臨界表面エネルギーが85dyne/cmの表面
を有するものであった。また、実施例1と同じ条件で定
着を行ったところ、未定着トナー像12aのトナーが発
熱媒体1の表面に付着し、定着画像に画像乱れが生じ
た。
【0038】実施例2 電鋳法により成形した厚さ30μmのニッケル製シーム
レスベルトを支持材2とし、その内側にルテニュームの
金属錯体、ビスマスの金属錯体及びシリコーン樹脂の混
合液を塗布し、150°Cで20分間乾燥した後、48
0°Cの窒素雰囲気中で80分間焼成し、厚さ1μmで
体積固有抵抗値3×103Ω・cmの発熱層4を形成し
た。次に、シームレスベルトの外側にテフロンの微粒子
分散液を塗装し、330°Cの雰囲気中で40分間焼成
し、厚さ15μmの均一な低表面エネルギー層3を形成
した。この低表面エネルギー層3の臨界表面張力をデイ
スマンプロット法により測定したところ、17dyne
/cmであった。このようにして図1に示すような積層
構造からなるエンドレスベルト状の発熱媒体1を得た。
【0039】次に、このエンドレスベルト状の発熱媒体
1を使用し、図4に示すように、矢印方向に回転するよ
うに設置された発熱媒体1の内面側の発熱層4に接触す
る直径50mmで肉厚4mmの真鍮製のパイプ状ロール
電極9aと、この電極に所定の直流電流を印加する電源
部10とからなる給電機構8を設置するとともに、ロー
ル電極9aに対向させて圧接弾性ロール15を設置し、
加熱加圧方式の定着装置を構成した。
【0040】この定着装置は、パイプ状ロール電極9a
と圧接弾性ロール15との間に1.3kg/cmの線圧
を付与し、ロール線速度100mm/sで回転するよう
にした。この定着装置を使用し、パルス周期1.0m
s、パルス幅0.3ms、電圧12Vの直流電流をロー
ル電極9aと帰路電極としての支持材2とを介して発熱
媒体1における発熱層の接触部に印加して、発熱媒体1
の圧接弾性ロール15と接する部分を140°Cまで昇
温し、このロール電極9aと圧接弾性ロール15との間
に未定着トナー像12aが保持された普通紙11を、そ
の未定着トナー像12aが発熱媒体1と接するように挿
通させて定着を行った。
【0041】その結果、普通紙11上に定着トナー像1
2bが付着した良好な定着画像が得られた。また、この
とき、未定着トナー像12aのトナーが発熱媒体1の表
面層である低表面エネルギー層3に付着する現象は見ら
れず、また、その定着画像の消しゴム擦り(20回)テ
ストを行っても画像の劣化は確認されなかった。更に、
この定着工程を10万回繰り返し行い、そのときの定着
画像のけしゴム擦り(20回)テストを行ったところ、
画像の劣化は確認されず、十分な定着が可能であること
が確認された。
【0042】実施例3 パイプ状ロール電極9aとして分割電極化されたものを
使用した以外は実施例2と同様の発熱媒体1とそれを用
いた定着装置を作製した。分割電極化されたパイプ状ロ
ール電極9aは、図9に示すように、直径30mm、肉
厚2mmの真鍮製パイプ基材の長手方向に40mmおき
に絶縁膜16を設けて絶縁処理を施し、電極面17を6
つに分割したものである。分割された各電極面17は、
絶縁被覆された電線によりロール電極の回転軸18側端
部に形成されたアドレス用電極部19と接続されてお
り、この各アドレス用電極部19を介して電源部10か
らの電流がそれぞれ入力されるようになっている。
【0043】この定着装置は、パイプ状ロール電極9a
と圧接弾性ロール15との間に1.6kg/cmの線圧
を付与し、ロール線速度20mm/sで回転するように
した。この定着装置を使用し、パルス周期5.0ms、
パルス幅4.0ms、電圧20Vの直流電流をロール電
極9aの分割電極と帰路電極としての支持材2とを介し
て発熱媒体1における発熱層の接触部に印加して、発熱
媒体1における圧接弾性ロール15の通電された分割電
極と接する部分を180°Cまで部分的に昇温し、実施
例2と同様にして定着を行った。
【0044】その結果、普通紙11上に定着トナー像1
2bが付着した良好な定着画像が得られた。また、この
とき、未定着トナー像12aのトナーが発熱媒体1の表
面層である低表面エネルギー層3に付着する現象は見ら
れず、また、その定着画像の消しゴム擦り(20回)テ
ストを行っても画像の劣化は確認されなかった。さら
に、分割電極化されたパイプ状ロール電極を使用したこ
とにより、発熱部分の分割が行え、消費電力を実施例2
の場合に比べて節約する(その80%にする)ことがで
きた。
【0045】実施例4 電鋳法により成形した厚さ30μmのニッケル製シーム
レスベルト5の内側に金を電解メッキして厚さ1.5μ
mの高導電性薄膜層6を設け、これを支持材2とした。
次に、支持材2の内側にルテニュームの金属錯体、ビス
マスの金属錯体及びシリコーン樹脂の混合液を塗布し、
150°Cで20分間乾燥した後、480°Cの窒素雰
囲気中で80分間焼成し、厚さ1μmで体積固有抵抗値
1.5×103Ω・cmの発熱層4を形成した。次に、
支持材2の外側にテフロンの微粒子分散液を塗装し、3
30°Cの雰囲気中で40分間焼成し、厚さ15μmの
低表面エネルギー層3を形成した。この層3の臨界表面
張力をデイスマンプロット法により測定したところ、1
9dyne/cmであった。このようにして図2に示す
ような積層構造のベルト状の発熱媒体1を得た。
【0046】この発熱媒体1を使用し、実施例2と同様
の定着装置を作製した。
【0047】この定着装置を使用し、実施例2と同じ条
件で定着を行ったところ、普通紙11上に定着トナー像
12bが付着した良好な定着画像が得られた。また、こ
のとき、未定着トナー像12aのトナーが発熱媒体1の
表面層である低表面エネルギー層3に付着する現象は見
られず、また、その定着画像の消しゴム擦り(20回)
テストを行っても画像の劣化は確認されなかった。更
に、この定着時の加熱に必要な消費電力は、実施例2の
定着装置の場合に比べて20%少なかった。
【0048】実施例5 電鋳法により成形した厚さ25μmのニッケル製シーム
レスベルト1の内側に金を電解メッキして厚さ1.5μ
mのメッキ層を形成した後、この金メッキ層をホトリソ
グラフィー法により2.0mmピッチで1.5mm幅の
ベルト幅方向に沿うストライプ状のパターン電極部7を
形成した。次に、パターン電極部7のある面に実施例4
と同様の発熱層を形成した後、その反対面に実施例4と
同様の低表面エネルギー層3を形成した。なお、この低
表面エネルギー層3の臨界表面張力は実施例4の場合と
同様に19dyne/cmであった。このようにして図
3に示すような積層構造のベルト状の発熱媒体1を得
た。
【0049】次に、この発熱媒体1を使用し、実施例4
と同様の定着装置を作製した。なお、各パターン電極部
7は、ベルト端部に形成した露出導電部に、アース用の
導電ロールを接触させて接地されるようにした。
【0050】この定着装置を使用し、ロール線速度を1
10mm/sと設定した以外は実施例4と同じ条件で定
着を行ったところ、普通紙11上に定着トナー像12b
が付着した良好な定着画像が得られた。また、このと
き、未定着トナー像12aのトナーが発熱媒体1の表面
層である低表面エネルギー層3に付着する現象は見られ
ず、また、その定着画像の消しゴム擦り(20回)テス
トを行っても画像の劣化は確認されなかった。更に、こ
の定着時の加熱に必要な消費電力は、実施例4の定着装
置の場合に比べて13%少なかった。
【0051】実施例6 実施例1や実施例2の定着装置に、発熱媒体1の発熱部
付近の温度を検する温度検知センサ13を設置し、この
センサ15の温度情報をフィードバックして接触電極9
への供給電力を可変制御する供給電力制御回路14を設
けて定着を行ったところ、機内温度が5〜45°Cの広
い範囲に維持された。また、その印字画像は、けしゴム
擦り(20回)テストに対してもなんら画像劣化がない
良好なものであった。
【0052】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の発熱媒体
によれば、簡便な方法で、しかも、消費電力が小さく、
発熱容量が少ないので定着装置に使用した際に機内温度
が上昇せず、直ちに使用可能温度にまで昇温させること
ができるとともに、その温度制御も容易であり、加え
て、搬送信頼性が高い。また、このような発熱媒体を使
用して定着装置を構成することにより、上記の効果が充
分に反映された有用な定着装置を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の発熱媒体の一実施例を示す断面図で
ある。
【図2】 本発明の発熱媒体の他の実施例を示す断面図
である。
【図3】 本発明の発熱媒体の他の実施例を示す断面図
である。
【図4】 ベルト状の発熱媒体を使用した本発明の定着
装置の一実施例を示す説明図である。
【図5】 円筒状の発熱媒体を使用した本発明の定着装
置の一実施例を示す説明図である。
【図6】 本発明の定着装置の他の実施例を示す説明図
である。
【図7】 本発明の定着装置の他の実施例を示す説明図
である。
【図8】 本発明の定着装置の他の実施例を示す説明図
である。
【図9】 定着装置に使用するロール電極の一例を示す
斜視図である。
【図10】 定着装置に使用するバー電極の一例を示す
斜視図である。
【図11】 定着装置に使用するバー電極の他例を示す
斜視図である。
【符号の説明】
1…画像定着用発熱媒体、2…導電性支持体層、3…低
表面エネルギー層、4…発熱層、5…導電性支持材、6
…高導電性薄膜層、7…パターン電極、8…給電機構、
11…記録用紙、12a…未定着トナー像、13…温度
検知装置、14…供給電力制御手段。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小木 健嗣 神奈川県南足柄市竹松1600番地、富士ゼロ ックス株式会社内 (72)発明者 上原 康博 神奈川県海老名市本郷2274番地、富士ゼロ ックス株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱伝導性に優れた導電性支持体層と、そ
    の支持体層の片面に形成される低表面エネルギー層と、
    その反対面に形成される発熱層との積層構造からなるこ
    とを特徴とする画像定着用発熱媒体。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の発熱媒体において、導電
    性支持体層が金属材料で構成されていることを特徴とす
    る画像定着用発熱媒体。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の発熱媒体において、導電
    性支持体層が、導電性支持材と該支持材の発熱層側の面
    に形成される高導電性薄膜層とで構成されていることを
    特徴とする画像定着用発熱媒体。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の発熱媒体において、導電
    性支持体層の発熱層側の面に分離独立するパターン電極
    部を形成していることを特徴とする画像定着用発熱媒
    体。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の発熱媒
    体において、その発熱媒体の形態がエンドレスベルトで
    あることを特徴とする画像定着用発熱媒体。
  6. 【請求項6】 請求項1〜4のいずれかに記載の発熱媒
    体において、その発熱媒体の形態が円筒であることを特
    徴とする画像定着用発熱媒体。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかに記載の画像定
    着用発熱媒体と、その発熱層に通電する給電機構とを備
    え、その給電機構の通電により発熱する発熱媒体に未定
    着トナー像を有する記録用紙を圧接して定着を行うこと
    を特徴とする定着装置。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の定着装置において、発熱
    層の温度を検出する温度検知装置を備え、その温度検知
    装置によって検知される温度に対応して発熱層への供給
    電力を制御する供給電力制御手段を有することを特徴と
    する定着装置。
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