JPH0635773B2 - サスペンション膜構造体 - Google Patents

サスペンション膜構造体

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JPH0635773B2
JPH0635773B2 JP29322287A JP29322287A JPH0635773B2 JP H0635773 B2 JPH0635773 B2 JP H0635773B2 JP 29322287 A JP29322287 A JP 29322287A JP 29322287 A JP29322287 A JP 29322287A JP H0635773 B2 JPH0635773 B2 JP H0635773B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、比較的大スパンの建築物等に好適である、新
規な複合型膜構造に関する。
(従来技術とその問題点) 現在、一般的に普及している膜構造の形態としては空気
膜構造、サスペンション膜構造及び骨組膜構造がある。
空気膜構造では、膜材の外方への膨出曲率を比較的小さ
くした、いわゆる低ライズの曲面とすることにより、該
膜材に加わる風圧力を可及的に負圧として作用させ、安
定した耐風性能を発揮させることができる。
また、膜材に補強ケーブルを適切に配置することによ
り、例えば屋内野球場のような巨大スパンを確保するこ
とが可能となる。
しかしながら、膜面形状を維持するため常時送風を行う
必要があり、維持管理が極めて煩雑で、相当の費用がか
かり、100m以下の中小スパンの建物では経済的に不
適合であるという問題を有する。
次に、前記サスペンション膜構造では、膜材に膜構造本
来の曲面抵抗が期待でき、またプレストレスの導入が容
易で、形態的にも美しい等の利点を有し、また上記支柱
式の場合には大規模な連続した空間が得られる等の特徴
がある。
しかしながら、支柱式サスペンション膜構造の場合に
は、用途によっては支柱が邪魔になることがあり、ま
た、単一アーチ式の場合には、アーチの両側のアンバラ
ンスな張力分布によってアーチの安定性が悪くなり、該
支持架構の自立性が得にくくなるといった問題もある。
次に、第11図は上記骨組膜構造の一例を示し、立体ト
ラス等の自立フレーム1の上面に二次部材2を介して膜
材3が張架されたものである。
本骨組式膜構造では骨組の自立性が高く自由な曲面形状
を形成しうる等の特長を有する。
また、平面や断面的な制約がなく設計も容易となる利点
がある。
しかしながら、第11図の例の如く立体トラス式のフレ
ーム1のグリッド上に膜材3による膜面が張設される場
合に、上弦節点を利用した点支持方式では膜面に加わる
風圧力は該点支持部を介してフレーム1が負担するた
め、充分な強度を期待するのが困難であり、また、フレ
ーム1に沿った線支持方式とする場合、膜面の形状維持
や変形接触に備えるため上記二次部材2が余分に必要と
なる等、骨組材の経済性が得がたく、さらに、膜材3は
構造膜としては大きさも曲率も小さいものとなり、むし
ろガラスやアクリルといった透光性の仕上材として、構
造材としてのフレーム1の上面を覆う機能しか有さず、
膜構造が本来備えるべき膜面による張力抵抗システムが
充分発揮されているとは言い難いという問題がある。
さらに、膜材3の下にフレーム1があるため、該フレー
ム1の形態のみが内部の人間には強調され、膜曲面の有
すべき軽快さや伸びやかさといった美しさが減殺されて
いる。
また、膜面の緊張にアーチ方式のケーブルを用いる場合
があるが、通常フレーム間の距離が短かすぎるため該ケ
ーブルに耐風効果を期待することは困難となり、構造シ
ステムの合理性に欠けるという問題を有している。
また、上記従来の膜構造による構築物では、膜材の材質
を工夫することにより採光条件を良好にするようには改
良されているが、特にスポーツ用の施設として利用する
場合の空間の開放性の点で問題を有していた。
本発明は、上記した従来の問題点に鑑み開発されたもの
であり、上記各膜構造の利点を兼ね備えた、新規な複合
型膜構造を基本としたサスペンション膜構造体を提供す
ることを目的とする。
(問題点を解決するための手段) 上記目的を達成するため、本発明に係るサスペンション
膜構造体においては、略平行もしくは略放射状に配設さ
れたサスペンション材と、該各サスペンション材の複数
個所から線条材により下方に吊下された膜材と、前記各
サスペンション材間の中間位置で各サスペンション材と
同方向に膜材上に配設され該膜材に緊張力を付与する押
えケーブルとを備えてなり、前記各サスペンション材及
び各押えケーブルは各々の両端の支持部材上を滑動可能
とし、該サスペンション材及び押えケーブルとともに前
記膜材を開閉自在としたことを特徴とするものである。
(実施例) 以下、本発明の好適な実施例を図面により説明する。
第1図乃至第8図は本発明の一実施例を示し、第1図は
本実施例に係る膜構造の一構成単位を示す要部斜視図、
第2図は本実施例に係る膜構造を用いた建築物の平面
図、第3図は第2図の側面図、第4図はそのA−A線断
面図、第5図は膜材の平面構成を示す端面図である。
本実施例に係るサスペンション膜構造は、第1図に示す
ようにサスペンション材としてのサスペンションワイヤ
ー10と、線条材としてのストラットケーブル11と、
膜材12と、押えケーブル13とを備えてなるものであ
る。
サスペンションワイヤー10は、所定間隔を画して平行
に配設されており、第1図及び第4図に示すように下方
に湾曲した円弧形状となっている。
各サスペンションワイヤー10からは、本実施例では7
本のストラットケーブル11が下方に吊下され、該各ス
トラットケーブル11により、吊り金具14を介して膜
材12が吊持されている。
また、各サスペンションワイヤー10間の中間位置には
該サスペンションワイヤー10と平行に押えケーブル1
3が膜材12上に配設されており、各サスペンションワ
イヤー10と各押えケーブル13は、その端末部におい
て両者のいずれか一方あるいは両方にあらかじめプレス
トレスを加えられることにより、膜材12に緊張力を付
与している。
しかして、膜材12からなる膜面は第1図及び第4図に
示す如く、ストラットケーブル11による各支持点間で
は充分な曲率を保持して曲面の安定化が図られ、膜材1
2と押えケーブル13とが一体化した膜体自身の張力抵
抗システムが発揮されるよう構成されるとともに、膜面
全体としては外方への膨出度の小さい、低ライズ曲面と
して形成され、風圧力が加わった場合に膜面に可及的に
負圧分布を得るように構成されている。
また、第2図乃至第5図において、14はサスペンショ
ンワイヤー10の両端を支持する大梁材、15は構造体
の桁行方向両端部に配置された、水平力に対抗するトラ
ス形式の補剛材、16は各サスペンションワイヤー10
の両端部位置に配置された柱材であり、柱材16からは
横架材17及び補助柱材18が外方に突出配置され、こ
れに第1補強ワイヤー19及び第2補強ワイヤー20が
配設されて第4図に示す如くトラスを形成している。
また、第3図及び第5図に示すように押えケーブル13
の両端部位置には横架材21が配設され、前記柱材16
の上下端と、押えケーブル13の両端部位置の横架材2
1間に各々ブレース材22、23が張設されている。
さらに、第5図に示すように押えケーブル13の両端部
位置の横架材21と前記横架材17の先端との間に各々
ワイヤー材24が張設されている。
しかして、本実施例では各サスペンションワイヤー10
の両端部及び各押えケーブル13の両端部には第6図に
示すような滑動装置及び緊張装置が取付けられている。
即ち、サスペンションワイヤー10の端部を例にとる
と、該ワイヤー10の端部には緊張装置としての電動式
センサーホールジャッキ25が配設されており、該ジャ
ッキ25によりサスペンションワイヤー10は地上位置
から遠隔操作により緊張、弛緩が自在となっている。
大梁材14は本実施例ではC形のチャンネル材からな
り、該大梁材14内に滑動装置26が嵌合配置されてい
る。
滑動装置26は、水平方向の回転軸に枢支された第1ロ
ーラー27と、鉛直方向の回転軸に枢支された一対の第
2ローラー28を備えており、第6図(a)に示すよう
に第1ローラー27が大梁材14の下部フランジ上を滑
動し、また、第2ローラー28が大梁材14の開放端側
のウェブに当接して滑動可能となっている。
また、滑動装置本体26aの端部には、前記ジャッキ2
5の端部から突出配置された突出腕29が上下方向に回
動可能に枢着されており、ジャッキ25によるサスペン
ションワイヤー10の緊張、弛緩時の傾斜角度の変動に
対抗可能となっている。
なお、上記した緊張装置25及び滑動装置26の構成
は、押えケーブル13の端部においても同様である。
次に、第6図において30は本実施例に係るサスペンシ
ョンワイヤー10の駆動装置を構成する長尺ボルトであ
り、該長尺ボルト30は各サスペンションワイヤー10
毎に配設されている各滑動装置本体26aを貫通して、
大梁材14内を桁行方向の全長に亘って配設されてい
る。
しかして、桁行方向の一方の端部に配置されたサスペン
ションワイヤー10の両端部に配設されている第1滑動
装置26Aでは、第7図に示すように長尺ボルト30は
装置本体26aに固定された螺旋部31に螺合してお
り、長尺ボルト30を1回転させると前記第1滑動装置
26Aが約10cm程度移動するようにネジピッチが設定
されている。
一方、前記端部以外のサスペンションワイヤー10に配
設された第2滑動装置26Bでは、第8図に示すように
螺旋部31はベアリング32を介して装置本体26aに
取付けられており、通常の配置状態では長尺ボルト30
を回転した場合螺旋部31もベアリング32の作用によ
りボルト30と一緒に回転するため、第2滑動装置26
は移動しないようになっている。
しかして、膜材12を開放したい場合には、まず前記各
電動式センサーホールジャッキ25を地上位置から操作
してサスペンションワイヤー10及び押えケーブル13
のいずれか一方もしくはその両方の緊張状態を弛緩させ
ておく。
しかる後に所定の回転手段により前記長尺ボルト30を
所定方向に回転させると、前記桁行方向の一方の端部の
サスペンションワイヤー10に配設されている第1滑動
装置26Aが螺旋部31とともに桁行方向の他方の端部
に向けて移動し、他のサスペンションワイヤー10に配
設された第2滑動装置26Bの位置まで移動すると、該
第2滑動装置26Bを桁行方向に押圧するため、それま
でベアリング32により回転していた螺旋部31が長尺
ボルト30とせりあって第1滑動装置26Aと連動して
当該第2滑動装置26Bも桁行方向に移動を開始する。
以下、同様にして他の第2滑動装置26Bも順次桁行方
向に移動してゆき、該各滑動装置26と一体のサスペン
ションワイヤー10の移動により、各ストラットケーブ
ル11や押えケーブル13とともに膜材12もこれに連
動して桁行方向の他方の端部に向けて移動してゆき、膜
材12を開放状態にすることができるようになってい
る。
また、開放状態から膜材12を閉じるには、上記した操
作手順と逆の操作を行なえばよい。
このように、本実施例に係るサスペンション膜構造体で
は、天候等の条件に応じて膜材12を自在に開閉可能で
あるため、快適な大空間の創成が可能となり、特にスポ
ーツ施設のように晴天時には開放的な空間が望ましい建
築物に好適なものとすることができる。
また、本実施例に係る膜構造体では、支配的荷重となる
風圧力に対しては、上記の如く膜面には大部分負圧とし
て作用するため、該負圧は膜材12及び押えケーブル1
3が張力として負担し、例えば局部的風圧力による膜面
の変形に伴う不均衝な応力が発生しても、該応力は柔軟
な膜材12と押えケーブル13からなる張力場に吸収さ
れる。
よって、サスペンションワイヤー10には多少の正圧分
布となる部分の風圧力がストラットケーブル11を介し
て短期荷重として作用するのみとなる。
従来の上記骨組膜構造では、骨組の上面に膜材が張設さ
れる構造であったため、風圧力は正圧、負圧を問わず最
終的にはすべて骨組が負担するようになっており、従っ
て該骨組はこれに耐えるだけの大型断面部材が必要とな
り、骨組材相互の結合等も複雑となっていたが、上記の
如く本実施例ではサスペンションワイヤー10は、該サ
スペンションワイヤー10や、膜材12、ケーブル13
等の極めて軽量な長期自重及びある程度の風圧力、積雪
の短期荷重を支えるだけでよい。
また、可撓性のワイヤー材を使用しているため、ストラ
ットケーブル11を介して伝達される荷重はサスペンシ
ョンワイヤー10にはすべて軸力としてのみ作用し、曲
げ力は一切作用しないため、剛性の高い骨組材を使用す
る上記従来例に比較して格段に軽量化を図ることができ
る。
また、上記の如く、軽微な自重に対しては膜材12はサ
スペンションワイヤー10への点支持、また大きな風荷
重に対してはケーブル13への線支持となっており、接
合部の態様が荷重の大きさに応じた合理的なものとして
形成されている。
さらに、膜材12がサスペンションワイヤー10から点
状に最小限の個数で吊られることにより、防水上のディ
テールも簡素化されうる。
また、膜面はサスペンションワイヤー10とはストラッ
トケーブル11を介して一応分離した形態となっている
ため、外観はサスペンションワイヤー10によるメカニ
ックなデザインとなり、一方、内観は天井に充分な曲率
を有する膜面が配設されることにより、従来のサスペン
ション膜構造や空気膜構造のような膜独自の柔かく魅力
的な雰囲気が得られる。
また、膜面がサスペンションワイヤー10の下部に配置
されるため、建方(膜材12のサスペンションワイヤー
10への取付け)が従来の骨組膜構造に比較して容易と
なる。
また、経年的なクリープに伴なう膜面への再緊張は、上
記した初期プレストレスの導入と同様にサスペンション
ワイヤー10及び押えケーブル13のいずれか一方もし
くは両方を用いて外周部において容易に行ないうるが、
上記の如く該押えケーブル13が同時に風圧力に対する
大きな抵抗要素としても機能しうるものであるため、構
造的に極めて合理的なものとなる。
なお、設計条件によってはサスペンションワイヤー10
にかえて単一材の鋼管のような軽量の梁材を使用するこ
とも可能である。
さらに、上記実施例では各サスペンションワイヤー10
が相互に平行に配設された例を示したが、この他にも例
えば第9図及び第10図に示す実施例のように各サスペ
ンションワイヤー10を相互に略放射状に配設すること
も可能であり、この場合各押えケーブル13は各サスペ
ンションワイヤー間の中間位置でサスペンションワイヤ
ー10と同方向に配設すればよい。
また、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、
各サスペンションワイヤー10間の間隔やスパン、スト
ラットケーブルの配設本数などは設計条件に応じて適宜
変更可能である等、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で
種々の変形例が可能であることは言うまでもない。
(発明の効果) 本発明は上述した如く構成されており、略平行もしくは
略放射状に配設されたサスペンション材と、該各サスペ
ンション材の複合個所から線条材により下方に吊下され
た膜材と、前記各サスペンション材間の中間位置で各サ
スペンション材と同方向に膜材上に配設され該膜材に緊
張力を付与する押えケーブルとを備えてなり、前記各サ
スペンション材及び各押えケーブルは各々の両端の支持
部材上を滑動可能とし、該サスペンション材及び押えケ
ーブルとともに前記膜材を開閉自在としたことにより、
任意に開放空間を形成することができる。
また、軽量構造としての耐風性能が膜材と押えケーブル
からなる膜耐に主として期待でき、膜構造が本来有すべ
き膜体の張力抵抗が充分に発揮されうる。
また、サスペンション材には下部からの荷重はすべて軸
力としてのみ作用し、曲げ力は一切作用しないため、合
理的な構造形式となり、剛性の高い骨組材を使用する上
記従来例に比較して構造体全体としての軽量化を図るこ
とができるものである。
【図面の簡単な説明】
第1図乃至第8図は本発明の一実施例を示し、第1図は
本実施例に係る膜構造の一構成単位を示す要部斜視図、
第2図は本実施例に係る膜構造を用いた建築物の平面
図、第3図は第2図の側面図、第4図はそのA−A線断
面図、第5図は膜材の平面構成を示す端面図、第6図
(a)は滑動装置及び緊張装置の例を示す概念図、第6
図(b)は緊張装置の概念図、第7図(a)、第7図
(b)、第8図(a)、第8図(b)は各々本実施例に
係る駆動装置を示す説明図、第9図及び第10図は各々
本発明の他の実施例を示す概念図、第11図は従来の骨
組膜構造の例を示す概念図である。 10……サスペンション材(サスペンションワイヤ
ー)、 11……線条材(ストラットケーブル)、 12……膜材、 13……押えケーブル。 25……緊張装置、 26……滑動装置。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】略平行もしくは略放射状に配設されたサス
    ペンション材と、該各サスペンション材の複数個所から
    線条材により下方に吊下された膜材と、前記各サスペン
    ション材間の中間位置で各サスペンション材と同方向に
    膜材上に配設され該膜材に緊張力を付与する押えケーブ
    ルとを備えてなり、前記各サスペンション材及び各押え
    ケーブルは各々の両端の支持部材上を滑動可能とし、該
    サスペンション材及び押えケーブルとともに前記膜材を
    開閉自在としたことを特徴とするサスペンション膜構造
    体。
JP29322287A 1987-11-20 1987-11-20 サスペンション膜構造体 Expired - Lifetime JPH0635773B2 (ja)

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