JPH0636736B2 - ワサビから分離された新規カルラウイルス(Carlavirus) - Google Patents

ワサビから分離された新規カルラウイルス(Carlavirus)

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JPH0636736B2
JPH0636736B2 JP1720290A JP1720290A JPH0636736B2 JP H0636736 B2 JPH0636736 B2 JP H0636736B2 JP 1720290 A JP1720290 A JP 1720290A JP 1720290 A JP1720290 A JP 1720290A JP H0636736 B2 JPH0636736 B2 JP H0636736B2
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wasabi
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日出男 岸根
浩子 西田
徹 下村
監一郎 匠原
修一 山下
常男 土崎
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日本鉱業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は退化現象の現れたワサビから分離されたカルラ
ウイルス(Carlavirus)に属する新規ウイルス及びその変
異株に関する。
本発明のウイルスは、退化現象の原因となるこれらのウ
イルスにワサビが感染しているか否かを検定するための
抗体作製用の抗原として利用することができる。さら
に、これらのワサビウイルス病を予防乃至治療するため
の検体として利用することもできる。
〔従来の技術〕
ワサビ(Wasabia japanica)の多くの品種は実生で増殖さ
れているが「真妻」等の優良品種は株分けで増殖されて
いる。しかし株分けを繰り返すことによって、根茎の肥
大が悪くなり、子株もほとんど採れなくなるといういわ
ゆる退化現象が現われるので、優良株分け品種は絶滅の
危機に瀕している。この退化現象の主な原因となってい
るのがウイルス感染によるウイルス病と考えられている
〔鈴木春夫ら、静岡農試研法21,55〜66(1976)〕。ワサ
ビから分離されているウイルスはTMV-W(タバコモザイ
クウイルスワサビ系)CMV(キュウリモザイクウイル
ス)及びTuMV(カブモザイクウイルス)の3種が報告さ
れている〔上掲誌、小室康雄ら、植物防疫20,486〜488
(1966)栃原比呂志ら、関東東山病虫研報11,46(196
4)〕。現在のところ、植物に感染しているウイルスを殺
滅し、ウイルス病を治療する農薬はまだ見出されていな
い。ウイスルに感染した植物からウイルスを除去するい
わゆるウイルスフリー化のためのほとんど唯一の方法と
して組織培養技術を利用した茎頂生長点培養法がラン、
ユサ、カーネーション等の花卉、ブドウ、リンゴ、ミカ
ン等の果樹、イチゴ、ヤマノイモ等の野菜、センキュ
ウ、ジオウ等の薬用植物において実用化されている。ワ
サビにおいても茎頂生長点培養法が適用され、メリクロ
ン法や苗条原基法により実用化が進められている。
しかし茎頂生長点培養法により作出した苗が全てウイル
スフリーになるわけではなく、茎頂生長点培養法により
作出した苗のウイルス検定は必須である。ウイルス検定
法には生物検定法、電子顕微鏡法及び抗血清試験法があ
り、対照とする植物とウイルスの種類により、これらの
方法を組合せて検定することが必要である。ワサビにお
いては前述のごとく3種類のウイルスすなわちTMV-W CM
V及びTuMVにのみ感染していることが知られていたた
め、茎頂培養法により作出した培養苗がウイルスフリー
か否かの検定は当然、これら3種類のウイルスのみを対
照として行なわれてきた。しかし、検定の結果、ウイル
スフリーと判断されても、実際にはウイルスに感染され
ていることが見出されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明は、ワサビのウイルス検定を確実なものとし、完
全にウイルスフリーなワサビを得ることを目的としてワ
サビに感染する新規なウイルスを検索し、これを獲得し
ようとするものである。そして得られたウイスルは、ワ
サビウイルス検定を行うための抗体作製用の抗原とし
て、またこれらのウイルス病の予防ないし治療のための
検体として利用しようとするものである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは、ワサビの新規ウイルスを取得することを
目的として静岡県湯ケ島町のワサビ田から得られたワサ
ビ(品種:「真妻」)について新規ウイルスの検索を行
った。その結果、棒状ウイルス、ひも状ウイルス及び桿
菌状〜弾丸状ウイルスの3種のウイルスが検出された。
このうち棒状ウイルスは、300nm×18nmの大きさでTMV-W
の抗血清とよく反応したので、公知のtabaco mosaic vi
rusのワサビ系と同定した。そして、ひも状ウイルス及
び桿菌状〜弾丸状ウイルスについては、後述するような
検定の結果、丈献未載の新種のウイルスであることが確
認され、本発明をなすに至った。
本発明は、上記2種のウイルスのうちひも状ウイルスで
あるカルラウイルス(Carlavirus)に属する新規ウイルス
に関する。
また、本発明のカルラウイルスは35〜37℃で5〜15日程
度さらす高温処理、亜硝酸、ヒドロキシアミンで処理す
る化学処理及びIn vitro mutagen-esis-reverse geneti
cs法等による遺伝子操作等で変異させることができる
が、このような変異株も本発明は包含するものである。
本発明のウイルスについて採取法及び形態等を示すと次
のとおりである。
a) ウイルスの採取及び検出 Carlavirus単離・増殖は、茎頂培養法によりCarlavirus
単独感染メリクロンを作成し、マルチプルシュート法で
メリクロンを増殖させることにより行なった。すなわ
ち、伊豆湯ケ産のワサビ(品種:「真妻」)を供試し、
根茎あたり7〜8個の茎頂を摘出し、この茎頂をベンジ
ルアミノプリン1mg/及び寒天10g/を含むムラ
シゲスクーグ寒天培地上に置床して培養した。培養は18
℃、16時間照射/day,2000 luxの人工気象器内で行なっ
た。培養1〜2カ月後、1〜2cmに生長したシュートを
電子顕微鏡検定法、生物検定法及びELISA法によりウイ
ルス検定したところ、ウイルスフリー株、TMV単独感染
株、Carlavirus単独感染株及びTMV.Carlavirus重複感染
株が得られたので、Carlavirus単独感染株をマルチプル
シュート法により増殖させることにより、Carlavirusを
増殖した。スライドグラス上に0.1mo/リン酸緩
衝液を一滴たらし、その中に上記で得たマルチプルシュ
ートを切りきざんで入れ、汁液をしみ出させた。
次いで、コロジオン支持膜を張り、カーボン補強した銅
製グリッドの膜面をこのワサビ汁液に接触させ、速やか
に余分の液を濾紙で吸いとり膜面を上にして風乾させ
た。スライドグラス上に0.1mo/リン酸緩衝液に
1%グルタルアルデヒドを溶かした固定液を数滴たら
し、その液面に風乾させたグリッドの試料面を下にして
3〜5分間浮かべ、固定させた。固定させた試料の乗っ
たグリッドを脱イオン蒸留水で3回洗浄した後、染色液
(2%リンタングステン酸水溶液、ドライウェル0.5%
添加pH7.0)で30秒間染色し、濾紙で余分の染色液を吸
いとり、膜面を上にして風乾させて検出のための試料と
した。
b) ウイルスの形態の観察 この様にして作成した試料を透過型電子顕微鏡で検鏡
し、ウイルスの形態を観察した。
その結果、棒状ウイルス、ひも状ウイスル及び桿菌状〜
弾丸状の3種のウイルスが検出された。棒状ウイルスは
300nm×18nmの大きさで、TMV-Wの抗血清とよく反応した
ことから既知のTMV-Wと同定した。ワサビに感染してい
ることが報告されているひも状ウイルスとしてはTuMVが
あるが、TuMVの大きさが750nm×11nmであるのに対し、
本発明で検出されたひも状ウイスルは第1図に示すよう
な形態を呈し、その大きさは650〜700nm×13nmと大きく
異なり、またTuMVに感染した植物に特異的に見出される
風車状封入体は見出されなかった。さらにTuMVの抗血清
と全く反応しなかった。以上のことから本発明のひも状
ウイルスはTuMVとは異なるカルラウイルス(Carlavirus)
に属するウイルスであると判断した。桿菌状〜弾丸状の
ウイルスは約230〜250nm×85〜90nmで内部に約4.5nmの
ら旋構造のヌクレオキャプシドと外部に被膜を有するこ
とから、このウイルスはラブドウイルス(Pant
rhabdovirus)に属するウイルスであると判断した。
c) 超薄切片法によるウイルスの細胞内所見 グルタルアルデヒドとオスミウム酸による二重固定法に
より固定したワサビ試料をエポキシ樹脂に包理・固化
後、超薄切片を作成した。この超薄切片を銅製グリッド
にのせ、酢酸ウランとクエン酸鉛による二重染色法で染
色した。この様に作成した試料を透過型電子顕微鏡で検
鏡し、ウイルスの細胞内存在様式及びウイルス感染細胞
の変化について観察した。
本発明のカルラウイルス(Carlavirus)に属するひも状ウ
イルスは超薄切片法による観察により細胞質内に散在あ
るいは集塊して認められ、感染細胞の細胞質内には時に
膜状構造体の増生が認められたが、TuMV感染細胞にみら
れる様なたば状あるいは風車状の細胞質封入体は検出さ
れなかった。
d) 寄主範囲 本発明のカルラウイルス(Carlavirus)が他の植物に感染
するかどうかについて第1表に示すハクサイ等2科13
種の植物について接種試験を行った。
すなわち、カルラウイルス(Carlavirus)のみに感染して
いるワサビメリクロンを作成し、これを接種源として、
各種植物に汁液接種した。ウイルス検定方法は接種葉及
び上葉について病徴を観察するとともにDN法で行なっ
た。
第1表に、2科13種の植物に汁液接種を行なった検定
結果を示した。この結果から分かるように、いずれの植
物に対してもカルラウイルス(Carlavirus)の感染は全く
認められなかった。
次にカルラウイルス(Carlavirus)、ラブドウイルス(P
ant rhabdovirus)及びTMV-Wに混合感染している
親ワサビ「真妻」(品種名)を接種源としてアブラナ科
植物を中心に6科29種の植物に汁液接種した。このよ
うなアブラナ科植物を中心に6科29種の植物に汁液接
種を行なった結果を第2表及び第3表に示した。いずれ
の植物に対してもカルラウイルス(Carlavirus)及びラブ
ドウイルス(Pant rhabdovirus)の感染は認めら
れなかった。アブラナ科植物に感染するカルラウイルス
(Carlavirus)としてはブラジルでケールラテントウイル
スただ一種だけが報告されているが、本発明で見出され
たカルラウイルス(Carlavirus)は第1表及び第2表に示
したとおりケールに感染せず、このことから本発明本発
明のウイルスは新種のウイルスであることが明らかとな
った。
e) 新種ウイルスの現地発生調査 ワサビ栽培現地のウイルス発生調査を行なった。ワサビ
5品種31検体についてDN法でウイルス検定を行なっ
た。本発明で見出されたカルラウイルス(Carlavirus)
は、5品種検体から検出され、ワサビにとって非常に重
要ななウイルスであることが明らかとなった。
〔発明の効果〕
本発明は、退化現象の現れたワサビから分離されたカル
ラウイルス(Carlavirus)に属する新種のウイルスを提供
するものである。
本発明の新種ウイルスは、栽培中のワサビがこのウイル
スに感染しているか否かの検定あるいは、組織培養によ
り作出した培養体がウイルスフリーになっているか否か
の検定のための抗体作製用抗原として利用することがで
きる。また、このウイルスに感染したワサビの治療乃至
感染予防のための研究の検体として利用することもでき
る。
その結果、ワサビの退化現象を予防し、ワサビの品質を
向上することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の微生物カルラウイルス(Carlavirus)
の形態を示す電子顕微鏡写真である(倍率55,000倍)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山下 修一 東京都江東区越中島1―3―16―104 (72)発明者 土崎 常男 茨城県稲敷郡茎崎町城山43―14

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ワサビから分離され、ダイレクトネガティ
    ヴ法(DN法)で約650〜700×13nmのヒモ状形態を示し、
    ターニップモザイクウイルス(turnip mosaic virus)の
    抗血清と反応しないカルラウイルス(Carlavirus)に属す
    るウイルスまたはその変異株
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