JPH0639681B2 - 溶射用クロミア‐アルミナロッド及びその製造法 - Google Patents

溶射用クロミア‐アルミナロッド及びその製造法

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JPH0639681B2
JPH0639681B2 JP63242374A JP24237488A JPH0639681B2 JP H0639681 B2 JPH0639681 B2 JP H0639681B2 JP 63242374 A JP63242374 A JP 63242374A JP 24237488 A JP24237488 A JP 24237488A JP H0639681 B2 JPH0639681 B2 JP H0639681B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は、クロミア−アルミナ系酸化物固溶体の粗大粒
子を主組成とするクロミア−アルミアロッド及びその製
造法に関するものであり、詳述すると、金属やセラミッ
クス等の表面改質の為の溶射皮膜に用いられる溶射用材
料として好適なクロミア−アルミナロッドを提供するこ
とに関するものである。
〈従来の技術〉 近時、各種金属やセラミックス等の表面に耐摩耗性、耐
腐蝕性、耐熱性等を付与する目的で各種の高性能の溶射
用セラミックロッド材料を瞬間的に溶融、噴射して溶射
皮膜を施す方法、所謂セラミックロッド溶射プロセスが
採用されている。
そして、溶射用セラミックロッド材料としては、クロミ
ア、アルミナ、ジルコニア、ジルコン等が使用され、そ
の化学的特性及び物理的特性により、用途に応じ使い分
けられている。
例えば、クロミアは優れた耐摩耗性があるが、本発明者
は、その特長を生かした溶射用酸化クロムロッドの開発
に成功し、既に特許出願している(特願昭62-153457
号、特願昭62-52870号)。
〈発明が解決しようとする課題〉 しかしがら、クロミアロッドによる溶射皮膜は耐熱、耐
酸性に優れ、黒色を呈するので輻射伝熱にも優れるが、
溶射皮膜が緻密であるため熱ショックに弱いという欠点
がある。一方、アルミナロッドによる溶射皮膜は耐熱、
耐酸性に優れるが、皮膜が白いので反射率が高く、輻射
伝熱がクロミアの20%以上も少ない欠点がある。
言いかえると、この両者の長所を有するクロミア−アル
ミナロッドの製品化が要望されていた。
そこで、本発明者は、鋭意研究した結果、特定範囲の平
均粒子径を有するクロミア−アルミナ系酸化物の固溶体
粒子が金属、セラミックス等の表面改質の為溶射用材料
として好適であることを見出し本発明を得た。
〈課題を解決するための手段〉 即ち、本発明は、平均粒子径が2〜70μmの範囲にある
クロミア−アルミナ系酸化物固溶体の粗大粒子を主組成
とする溶射用クロミア−アルミナロッド及びその製造法
に係る。
前記ロッドの製造法の特徴とするところは、平均粒子径
が2〜70μmの範囲にあるクロミア−アルミナ系酸化物
固溶体の粗大粒子に焼結剤および結合剤を混合し、次い
で該混合物をロッド状に成型した後、これを焼成処理す
ることにある。
〈作用〉 以下に本発明について詳述する。
本発明において、主組成として構成されるクロミア−ア
ルミナ系酸化物の固溶体粒子は、平均粒子径が2〜70μ
m好ましくは10〜70μmの範囲にある粗大粒子よりなる
ものである。その理由は、2μm未満では高温において
蒸発し易く、溶射面での歩留が悪くなる等溶射材料とし
ての基本的性能に欠けるからであり、他方、70μmを超
えると溶射時溶解性が悪くなり、完全で均一な溶射被覆
面が形成され難くなる傾向になるからである。
この様に、本発明に係る溶射用ロッドは、溶射密度と溶
射皮膜の均一性の観点からクロミア−アルミナ系酸化物
の固溶体粒子が粗大で実質的な一次粒子により構成され
ていることを特徴とする。
ここに、クロミア−アルミナ系酸化物の固溶体粒子とい
うのは、クロミアの結晶格子のクロム原子がアルミニウ
ム原子と置換した、又は、アルミナの結晶格子のアルミ
ニウム原子がクロム原子と置換した置換型固溶体であっ
て、これは粉末X線回折線のずれと化学分析値との関係
から確認することができる。
固溶化率は溶射ロッドの使用目的によって設定されるべ
きで、特に限定はないが、多くの場合クロミアが約10〜
90wt%の範囲にあり、好ましくは20〜80wt%にある。
次に、このようなクロミア−アルミナ系酸化物固溶体の
粗大粒子を主組成とするロッドというのは、クロミア−
アルミナ系酸化物固溶体の粗大粒子の量が、ロッド中に
70〜98wt%、好ましくは80〜98wt%であって、主成分と
して組成されているものである。
従って、他の成分組成としは、ロッドの成型強度を維持
するための焼結剤やその他の助剤であり、例えば、粘土
類が含有されてなるものである。このような組成割合と
した理由は、70wt%未満では溶射の本来の効果であると
ころの耐摩耗性、高温耐酸性等が損われ、98wt%を超え
るとロッド焼成物は機械的強度が不足して、非常に脆く
なり実用に耐えず好ましくないからである。
尚、ロッドの大きさは、溶射機の種類や、溶射材の種類
あるいは溶射目的等によって、異なるものであるが、多
くの場合、後記の如く2〜10mmφ、長さが30〜100cm円
柱ロッドが一般的である。しかし、前記の理由からこれ
に限定するものではない。
次に、本発明の溶射用クロミア−アルミナロッドの製造
法について説明する。
本発明における溶射用クロミア−アルミナロッドの製造
法は、特に一般のロッド製品の製造法と変るところはな
いが、その1つの特徴として、一般のセラミックス成型
品が緻密焼成をするために微細なセラミックス原料を用
いるのに対し、平均粒子径が2〜70μmの粗大粒子のク
ロミア−アルミナ系酸化物の固溶体を出発原料とすると
ころにある。
ここに粗大粒子というのは、実質的には独立した粗大な
単一粒子をいい、また、粒径はレーザー回折法による粒
度分布測定法で求めた値を意味する。このような粗大な
一次粒子の固溶体は、例えば、クロム塩を含有するアル
ミナ水和物に酸を添加して400℃の温度で焼成し、次い
で、水で浸出した後、乾燥し、次いで、1400℃以上の温
度で焼成することにより製造することができる。係る固
溶体粒子は、耐火温度が高く、且つ粗大な一次粒子であ
るために、それ自体で粒子間焼結性や成型性に欠けるの
で、これを主組成とするロッドを製造するに当り、結合
剤や焼結剤を必要とする。
本発明で使用される結合剤は、クロミア−アルミナ系酸
化物固溶体の粗大粒子をロッド状に成型する際に、原料
に可塑性、成型物に形状保持性を付与し、成型物の機械
的強度を増加させるものであり、例えば、メチルセルロ
ーズ、エチルセルローズ、カルボキシメチルセルロー
ズ、ヒドロキシメチルセルローズ、デンプン、ポリビニ
ルエーテル、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキ
シド、アクリル酸系ポリマー、ポリアクリルアミド、ゼ
ラチン等の焼成時に揮発してしまうものならば、いずれ
も使用可能である。また、他の結合剤として、シリカゾ
ル、アルミナゾル等があげられる。これら結合剤の添加
量は特に限定はなく、作業性、経済性等でその量を決め
ればよく、例えば、原料クロミア−アルミナ系酸化物固
溶体の粗大粒子に対し、5wt%以下が好ましいが、特に
限定するものではない。
次に、焼結剤としては、クロミア−アルミナ系酸化物固
溶体の粗大粒子を保持し、且つ該粒子間の焼結によりロ
ッド自体に機械的強度を付与させるものであり、また、
要すれば、前記結合剤と共に成型性を助長させるもので
あって、例えば、木節粘土、蛙目粘土等の粘土類、アル
ミノシリケート等が挙げられる。
焼結剤の添加量は溶射用クロミア−アルミナロッドに対
し、2〜30wt%、好ましくは2〜20wt%となるような割
合が適当である。その理由は、2wt%未満では焼成物の
機械的強度が不足し、非常に脆く実用に耐えられず、ま
た、30wt%を超えるとクロミア−アルミナロッドの本来
の効果であるところの耐摩耗性、高温耐酸性等を損われ
るからである。
原料のクロミア−アルミナ系酸化物固溶体の粗大粒子に
結合剤、焼結剤を添加する方法は、従来行なわれている
一般の混合装置により粗混合し、水を加え調湿し、2軸
式混練機等を用いて混練することにより行なう。
ロッド状への成型は高圧タイプの真空押出し成型機を用
いて行なうが、所望の形状が得られる方法ならば特に手
段は問わない。
即ち、ロッドの大きさは、使用する溶射機の機構、構造
等によってそれに応じた口金を使用し成型すればよい
が、通常は、直径が2〜10mmφ、長さが30〜100cmの円
柱ロッドが一般的である。
成型物を乾燥後、電気炉あるいはガス窯等にて焼成する
が、本発明では好ましくは、400℃前後において予備焼
成を行なう。
この理由は、予備焼成によりクロミア−アルミナ系酸化
物固溶体の粗大粒子に添加した結合剤の分解、除去や水
分を除去して本焼成のために望ましいからである。
次いで、本焼成を行なうが、この焼成条件は焼結剤等の
種類、添加量等及び溶射時のロッド溶解性等の作業性に
応じ最適焼成温度を決めればよいが、約1000〜1800℃に
て焼成を行なうのが好ましい。その理由は、焼成温度が
1000℃未満ではロッド強度が小さく実用的でなく、1800
℃を越えると必要以上の強度となり溶射時のロッド溶解
性が低下したり、また、焼成エネルギー的にも無駄とな
るからである。
本発明の製造法で得られた溶射用クロミア−アルミナロ
ッドは、その粒子特性をそのまま実質的に保った状態の
粗大クロミア−アルミナ系酸化物の固溶体粒子を主組成
として構成される。
従って、粉末状の溶射材に比較して、溶射歩留、作業環
境の面で大変優れている。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。
〈実施例〉 (1)クロミア−アルミナ系酸化物の固溶体の調製 HO 58.3%、Cr 10.3%、Al2O3 1
3.0% Na2O 8.4%(いずれもwt%)を含有するア
ルミナ水和物100kgに、98wt%濃度の硫酸13.8kgを徐々
に加えた後、良く混合し、110℃で6時間乾燥し粉砕し
た。次に、800℃で30分間電気炉で焼成した後、自然冷
却した。次いで、水で可溶性塩類を浸出除去し、乾燥
し、粉末状クロミア−アルミナ系酸化物の固溶体を23kg
得た。
上記の粉末状クロミア−アルミナ系酸化物の固溶体20kg
をアルミナ性容器に入れ、1800℃で5時間電気炉で焼成
した。この焼成物に水を100加え、解砕後、濾過分離
し乾燥し、原料のクロミア−アルミナ系酸化物の固溶体
粒子を得た。この原料クロミア−アルミナ系酸化物の固
溶体粒子は平均粒子径の25μm、安息角34度、Cr
44.0wt%、Al 55.7wt%で、わずかに緑色
のある黒色で多面体のクロミア−アルミナ系酸化物の粗
大粒子であった。
尚、粒度分布はレーザー回折法による測定法((株)セ
イシン企業製SK-LASER MICRON SIZER PRO-9000で測定)
で求めた。また、X線回折によりクロミア−アルミナは
完全固溶体であることが認められた。
(2)溶射用クロミア−アルミナロッドの調製 (1)で得られた原料クロミア−アルミナ系酸化物の固溶
体粒子10.0kgに、結合剤としてメチルセルローズを0.3k
g、焼結剤として木節粘土を2.0kg配合したものを、V型
ミキサーにより粗混合し、水1.2kgを添加して充分混合
した後、2軸式混練機を用いて混練した。一晩熟成後、
真空押出し成型器にて、4.7mmφの口金を用い、長さ600
mmのクロミア−アルミナロッドを成型し、105℃で乾燥
後、電気炉にて次の焼成パターンで焼成した。
室温〜400℃ 10℃/分 400℃ 1時間保持 400℃〜所定焼成温度 5℃/分 所定焼成温度 3時間保持 自然冷却 結果は、第1表に示す通りである。
(3)溶射試験 試験方法 第1表の試料3,4,5,6,7のクロミア−アルミナロッドを
セラミックロッド溶射装置を用いて試験用鉄板に下記の
条件で溶射試験を行った。
溶射条件:アセチレンガス圧 1.2kg/cm2 酸素圧 3.8kg/cm2 エアー圧 5.8kg/cm2 ロッド送り速度 100mm/min 比較例として下記条件で粉末状クロミア−アルミナを粉
末式フレーム溶射装置を用いて同様に溶射試験を行っ
た。
溶射条件:アセチレンガス圧 0.85kg/cm2 酸素圧 3.5kg/cm2 エアー圧 4.0kg/cm2 粉末供給速度 1.2kg/hr 評価結果 上記の溶射試験結果を第2表に示す。
その結果、一般の粉末溶射に比べて、いずれも飛散等の
作業性や外観等が順調であり、歩留りも良好であった。
〈発明の効果〉 以上説明した様に、本発明の溶射用クロミア−アルミナ
ロッド及びその製造法によれば、溶射に際して、飛散す
ることがなく、溶射歩留が良く、耐摩耗性、高温耐酸性
に優れた溶射皮膜を良好な作業環境下において形成する
ことが出来る優れた効果が得られる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】平均粒子径が2〜70μmの範囲にあるクロ
    ミア−アルミナ系酸化物固溶体の粗大粒子を主組成とす
    る溶射用クロミア−アルミナロッド
  2. 【請求項2】クロミア−アルミナ系酸化物固溶体の粗大
    粒子がロッド中に70〜98wt%含有する請求項1記
    載の溶射用クロミア−アルミナロッド
  3. 【請求項3】固溶体の粗大粒子はクロミアが10〜90
    wt%含有しているものである請求項1記載の溶射用ク
    ロミア−アルミナロッド
  4. 【請求項4】平均粒子径が2〜70μmの範囲にあるクロ
    ミア−アルミナ系酸化物固溶体の粗大粒子に焼結剤およ
    び結合剤を混合し、次いで該混合物をロッド状に成型し
    た後、これを焼成処理することを特徴とする溶射用クロ
    ミア−アルミナロッドの製造法
  5. 【請求項5】焼成温度が1000〜1800℃である請
    求項4記載の溶射用クロミア−アルミナロッドの製造法
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