JPH0639747B2 - 着用感の優れた人工皮革及びその製造方法 - Google Patents

着用感の優れた人工皮革及びその製造方法

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JPH0639747B2
JPH0639747B2 JP59251553A JP25155384A JPH0639747B2 JP H0639747 B2 JPH0639747 B2 JP H0639747B2 JP 59251553 A JP59251553 A JP 59251553A JP 25155384 A JP25155384 A JP 25155384A JP H0639747 B2 JPH0639747 B2 JP H0639747B2
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孝好 難波
憲二 中前
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、着用感の優れた人工皮革に関する。更に詳し
くは、野球、ゴルフ等のスポーツ分野、狩猟等のレジャ
ー分野に用いられる手袋及び婦人用のファッション手袋
用、また、伸縮性を必要とする衣料分野等に適した着用
感の優れた人工皮革及びその製造方法に関するものであ
る。
従来の技術 従来、極細繊維と編織物類とからなる積層交絡体中に弾
性重合体が充填された人工皮革は特公昭55-26222号公報
に見られるように広く知られている。この人工皮革は従
来の極細繊維のみからなる不織布に弾性重合体が充填さ
れた人工皮革と比較すると、柔軟でドレープ性に富んだ
風合いがあり、かつ、強伸度、引裂強度、縫目強度など
の点で優れた機械強度を有する。つまり、極細繊維と弾
性重合体とからなる人工皮革の場合、極細繊維交絡体の
みでは機械強度が衣料として到底耐えない程度小さいた
め、弾性重合体を多量に充填しなければならず、そのた
め、柔軟性、ドレープ性が失われ、硬い、ゴム感の強い
ガバガバした風合いになる。しかし、極細繊維と編織物
類とからなる積層交絡体中に弾性重合体が充填された人
工皮革の場合、編織物類が介在することにより、積層交
絡体の機械強度、つまり強伸度、引裂強度、縫目強度が
向上するため、少量の弾性重合体を充填するだけで、衣
料として充分な機械強度に達する。この、弾性重合体の
量が少ないことは、風合いを柔軟でドレープ性に富んだ
ものにすること、また、軽い製品をつくることができ
る。
発明が解決しようとする問題点 前述のように、従来の編織物類を介在する極細繊維交絡
体からなる人工皮革は確かに一般衣料用として特に優れ
ているものであるが、野球、ゴルフ等のスポーツ用や、
狩猟、釣り等のレジャー用、及び婦人用の手袋に適用し
た場合、厚みが厚く、ゴム弾性が強すぎ、また伸びが少
なく、ごわごわした感じで手になじまないものであっ
た。また、伸縮性を必要とする衣料用のものは伸びが少
ないために使えなかった。そのため、人工皮革を使用す
る分野がこれまで限られていた。
問題点を解決するための手段 本発明者らは、上記の問題点について鋭意研究を重ねた
結果、本発明に到達したものである。すなわち、本発明
の一つは、0.5d以下の極細繊維交絡体層の内部に伸縮性
織物が介在した積層交絡体中に弾性重合体が充填された
人工皮革であって,上記人工皮革の緯伸びが500g/cm荷
重下で20%以上であり、かつ繰返し伸長回復率が80%以
上である、全体としては上記織物が捲縮収縮し、それに
伴ない積層交絡体も収縮したことを特徴とする着用感の
優れた人工皮革、であり、もう一つは、仮撚加工糸又は
熱に対する収縮の異なる二成分以上のポリマーからなる
複合糸を用いた収縮性織物の生機、又は染色加工工程温
度より低い温度で熱セットされた実質的に未収縮の上記
収縮性織物を、0.5d以下の極細繊維交絡体の内部に介在
させて積層交絡体とし、ついで、得られた上記積層交絡
体の中に弾性重合体を充填したシート状物とし、さらに
染色加工工程中で上記熱セット温度よりも高い温度で上
記シート状物を収縮させることを特徴とする伸縮性織物
の介在した積層交絡体からなる着用感の優れた人工皮革
の製造方法、である。
本発明による人工皮革は、低応力での緯伸びが大きいこ
とが重要な点であり、500g/cm荷重下において20%以上
の伸度、好ましくは25〜40%の伸度を持つことが必要で
ある。20%以下の伸度では手袋として着用したときに手
の曲げがきつく感じられ好ましくない。また、伸縮性衣
料素材としては伸びが小さすぎ、着用時に窮屈に感じら
れ好ましくない。
本発明の着用感の優れた人工皮革における緯伸びは、伸
縮性織物の緯伸びに大きく依存している。本発明におい
て500g/cm荷重下で20%以上の緯方向の伸度とするには
仮撚加工糸又は熱に対する収縮の異なる二成分以上のポ
リマーからなる複合糸を用いた収縮性織物の緯伸びを20
%以上に設計することにより可能である。この人工皮革
の内部に介在する収縮性織物は、例えば、仮撚加工糸を
用いたもの、あるいは熱に対する収縮性の異なる二成分
以上のポリマーからなる複合糸を用いた収縮性織物が好
ましい。収縮性織物を構成する仮撚加工糸又は上記複合
糸を染色加工工程中に熱処理によりクリンプを発現さ
せ、捲縮収縮させることにより、500g/cm荷重下で20%
以上の緯伸びを人工皮革にもたせることができる。これ
は収縮性織物の生機、あるいは熱セット温度を染色加工
工程温度よりも低い温度に設定し熱セットした収縮性織
物を、極細繊維交絡体に介在させ、弾性重合体を充填し
た後、染色加工工程中で、緯方向に20%以上収縮させる
ことを特徴とする着用感の優れた人工皮革の製造方法で
ある。例えば、収縮性の織物がポリエステル繊維の仮撚
加工糸で構成されている場合は染色加工工程温度の 120
〜130 ℃よりも低い温度例えば 110〜120 ℃程度の熱セ
ット温度が好ましい。この収縮性織物の生機、あるいは
染色加工工程温度よりも低い温度で熱セットした収縮性
織物を用いて染色加工工程中で捲縮収縮させる方法は、
染色加工工程中に収縮性織物がクリンプを発現して捲縮
収縮し、それに伴い積層交絡体を収縮するため、基布密
度が高くなり表面がより緻密になり高級感がでてくる等
の好ましい利点がある。
また、本発明による人工皮革は伸縮性が要求される衣
料、例えばストレッチ性素材に用いることができ、繰返
し伸長回復率は80以上にすることが必要である。ここで
いう繰返し伸長回復率とは、JIS-L1096-1979繰返し定速
定伸長法で測定した値のことを言う。繰返し伸長回復率
が80%より小さいと、着用時の曲げ伸ばし等の繰り返し
の使用により、たるみが大きくなり、ヒジやヒザ部の
“抜け”が生じ好ましくない。繰返し伸長回復率を80%
以上に設定する為には、収縮性織物として、仮撚加工
糸、又は熱に対する収縮性の異なる二成分以上のポリマ
ーからなる複合糸が用いられた収縮性織物を用いる。上
記の収縮性織物を、染色加工工程中で緯方向に20%以上
収縮させる様に生機自体を熱処理しないで用いるか、あ
るいは、染色加工工程中の熱履歴より低い温度で熱セッ
トした収縮性織物を用いる方法により、緯伸びを20%以
上に設定すると同時に、繰返し伸長回復率も80%以上に
設定することが可能である。
次に、本発明の着用感の優れた人工皮革を構成する極細
繊維は、その単糸繊度が0.5デニール以下、更には、
0.3デニール以下であることが好ましい。0.5デニ
ール以上では柔軟性が劣り、好ましいライティングエフ
ェクトが得られない。0.5デニール以下であると、風
合いも柔軟であり優美なライティングエフェクトが得ら
れる。
極細繊維の素材は特に限定されるものではなく、ポリエ
チレンテレフタレート(PET)、ナイロン-6、ナイロン-
6.6、ポリアクリロニトリルなどの合成繊維、レーヨ
ン、キュプラレーヨンなどの再生繊維などのいずれを用
いてもよい。
極細糸を得る方法としては、従来の方法を適用すること
ができる。例えば、海島繊維による法、混合繊維による
法などの混在極細糸による法や、直接紡糸法、更にはメ
ルトブローイング法などいずれも本発明の極細糸を得る
方法として用いることができる。
極細繊維交絡体層は、極細繊維を、例えばカードクロス
レイヤー法、抄造法、メルトブローイング法等によって
シート化し、これを柱状流法、ニードルパンチ法等によ
って交絡させて得ることができる。シートの均一性及び
柱状流法との組み合わせからは、抄造法による極細繊維
シートが好ましく用いられる。
次に、本発明の人工皮革の製造法について説明する。
例えば捲縮収縮を持った仮撚加工糸の平織物の生機を染
色加工工程温度より低い温度で熱セットする。
次に直接紡糸法によって得た極細繊維からなるシートを
抄造法で作る。極細繊維シート中には溶剤溶解性の異な
る繊維が混合されていてもよく、工程中で溶剤により抽
出除去されて、風合い調整に役立つ。この極細繊維シー
トの間に上記の平織物を挿入し、ノズル径0.05〜0.5 mm
の多数の細孔ノズルから噴射圧力1〜30kg/cm2の柱状
水流を上記シートの表面、裏面に全面隈なく当て交絡処
理をする。
次にエミリペーパーにより交絡体の毛羽立てを行った
後、糊剤、例えばポリビニルアルコールを繊維交絡体に
付着させ、その後表面の毛羽を弾性重合体から保護する
ために、糊剤、例えばカルボキシメチルセルロース(CM
C)、ポリビニルアルコール(PVA)、或いは CMCとPVA
のブレンド糊剤などでコーティングする。その後、交絡
体に弾性重合体を含浸させ、乾式凝固法や湿式凝固法で
弾性重合体を凝固させる。この場合、湿式凝固法が充填
された弾性重合体が微多孔構造を有するために特に好ま
しい。
含浸凝固が完了してから、あるいは凝固中に、交絡体に
含浸した糊剤、交絡体の表面にコートした糊剤を抽出除
去する。
最後にこれを染色し、収縮性織物のクリンプを発現させ
て捲縮収縮させ、それに伴い積層交絡体も収縮させ、更
に、好ましくは表面の毛羽をブラシなどで整毛すると、
良好なライティングエフエクトを有し、着用感に優れた
本発明の人工皮革が得られる。
実施例 以下、実施例により本発明を具体的に説明する。なお、
以下の実施例において用いる測定方法は下記の方法によ
るものである。
伸 び:500g/cm荷重下での伸びを KES-Fシステム(Kaw
abata′sEvaluation System for Fabricの引張試験機)
により測定する。
伸 長:JIS L 1096-1979 繰返し定速定伸長法 柔軟度:JIS L-1079カンチレバー法での値 実施例1 直接紡糸法により得られた0.1dのポリエチレンテレフタ
レート繊維(PET繊維と以下略記) をカッターで3mmにカ
ットした。次いで、湿式抄造法により抄造し、重量が35
g/m2と40g/m2の不織シートを得た。
また、100d/48fの PET繊維よりなる仮撚加工糸使いの収
縮性平織物の生機を沸水中で収縮させ、生機製品から経
5%、緯16%巾入れした状態まで伸長し、120 ℃で熱セ
ットした。このものの熱水中における収縮率は経6.5
%、緯11.0%であり、また、 500g/m2定荷重下での伸
びは経6.5%、緯20.6%であった。
前記の抄造不織シートの35g/m2を下層に、前記平織物
を中間層に、40g/m2を上層にして積層した。これを下
部に多孔板の付いた吸引ボックスを有する80メッシュの
金網上に載せ、直径0.2 mmのノズルを用い、表・裏それ
ぞれ6回づつ高圧水流をくまなく当てた。得られた不織
布状物は重量124 g/m2、厚さ0.58mm、密度 0.216g/
cm3であった。
この不織布状物を 320メッシュのサンドペーパーで起毛
処理し、その後 PVAを付着させ乾燥した。その後、起毛
面にカルボキシメチルセルロースの20%水溶液を薄くコ
ーティングして乾燥した。
このようにして得られたものに、ポリウレタンエラスト
マーの15% DMF溶液を含浸し水中で凝固させた。その
際、カルボシキメチルセルロースも溶解除去される。こ
のものを分散染料で 130℃の高温高圧染色し、収縮性織
物を構成する仮撚加工糸のクリンプを発現させて捲縮収
縮させ、それに伴い積層交絡体も収縮させ、その後還元
洗浄を行い、乾燥後、表面をブラシで軽く整毛し、目的
とする人工皮革を得たが極めて着用感の優れた人工皮革
であった。この人工皮革は染色加工工程中に緯方向の収
縮が大きく13%収縮した。
皮革の物性を下記に示す。
厚み0.64mm、重量 194g/m2、 密度 0.303g/cm3、緯伸び26.8% 繰返し伸長回復率 経 90.8 %、緯 84.9 % 柔軟度 35mm 実施例2 直接紡糸法により得られた0.1dのナイロン繊維をカッタ
ーで3mmにカットした。次いで湿式抄造法により抄造
し、重量が35g/m2と40g/m2の不織シートを得た。
また、50d/24f の66ナイロン繊維よりなる仮撚加工糸使
いの平織物の生機を経5%、緯16%巾入れして 120℃で
熱セットした。このものの熱水中における収縮率は経1
1.5%、緯13.5%であった。この平織物を中間層にし
て、前記抄造不織シートの重量が40g/m2と、35g/m2
とを使い、実施例1と同様にして積層加工を行った。
次いで、酸性染料で 125℃で染色し、収縮性織物を構成
する仮撚加工糸のクリンプで発現させて捲縮収縮させ、
それに伴い積層交絡体も収縮させ、その後還元洗浄を行
い、乾燥後、表面をブラシで軽く整毛し、目的とする皮
革を得たが極めて着用感の優れた人工皮革となった。こ
の得られた人工皮革は染色加工工程中の緯方向の収縮が
大きく、12.7%であった。
皮革の物性を下記に示す。
厚み0.61mm、重量 174g/m2、 密度 0.285g/cm3、緯伸び31.8% 繰返し伸長回復率 経90.2%、緯85.3% 柔軟度 30.5mm 実施例3 実施例1で使用した100d/48fのPET繊維よりなる仮撚加
工糸使いの平織物の生機織物を熱セットせずに中間層に
し、実施例1と同様の抄造シート40g/m2を下層に、50
g/m2を上層にして積層した。この生機を沸水中で収縮
させた時の収縮率は経38.5%、緯39%であった。
得られた積層交絡体を実施例1と同様の加工をおこなっ
たところ、染色加工工程中での緯方向の収縮率は26.5%
であったが極めて着用感に優れ、且つ繰返し伸長回復性
にも優れた人工比革であった。下記に物性データーを示
す。
厚み0.74mm、重量 230g/m2、 密度 0.310g/cm3、緯伸び24.5% 繰返し伸長回復率 経89.5%、緯84.5% 柔軟度 34.5mm 発明の効果 本発明の着用感の優れた人工皮革は緯伸びが500g/cm
荷重下で20%以上であるため、野球、ゴルフ等のスポー
ツ用や狩猟、釣り等のレジャー用、及び婦人用向けの手
袋に適用した場合着用時に手の曲げに追随して伸び、手
によくなじむ。
また、本発明の人工皮革を衣料分野に適用した場合、伸
縮性を必要とするような衣料分野に充分適用できる。ま
た、人工皮革の繰返し伸長回復率を80%以上にすれば着
用時のたるみや、ひじ抜けがなくなるので好ましいもの
となる。
このように、本発明の人工皮革はこれまでの人工皮革の
利用分野をさらに広げるものであり、極めて有効であ
る。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】0.5d以下の極細繊維交絡体層の内部に伸縮
    性織物が介在した積層交絡体中に弾性重合体が充填され
    た人工皮革であって,上記人工皮革の緯伸びが500g/cm
    荷重下で20%以上であり、かつ繰返し伸長回復率が80%
    以上である、全体としては上記織物が捲縮収縮し、それ
    に伴ない積層交絡体も収縮したことを特徴とする着用感
    の優れた人工皮革。
  2. 【請求項2】仮撚加工糸又は熱に対する収縮の異なる二
    成分以上のポリマーからなる複合糸を用いた収縮性織物
    の生機、又は染色加工工程温度より低い温度で熱セット
    された上記収縮性織物を、0.5d以下の極細繊維交絡体の
    内部に介在させて積層交絡体とし、ついで、得られた上
    記積層交絡体の中に弾性重合体を充填したシート状物と
    し、さらに染色加工工程中で上記熱セット温度よりも高
    い温度で上記シート状物を収縮させることを特徴とする
    伸縮性織物の介在した積層交絡体からなる着用感の優れ
    た人工皮革の製造方法。
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