JPH0639917A - インフレーションフィルムの成形方法及びその装置 - Google Patents

インフレーションフィルムの成形方法及びその装置

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JPH0639917A
JPH0639917A JP21640692A JP21640692A JPH0639917A JP H0639917 A JPH0639917 A JP H0639917A JP 21640692 A JP21640692 A JP 21640692A JP 21640692 A JP21640692 A JP 21640692A JP H0639917 A JPH0639917 A JP H0639917A
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輝充 小谷
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敏雄 鷹
Hisashi Hatano
久 波田野
Takeshi Onoda
武士 小野田
Tomoaki Kobayashi
智明 小林
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 溶融張力の小さい熱可塑性樹脂をロングネッ
クタイプで、溶融樹脂バブルを安定化し、ヘーズ、グロ
ス、クラリティー等の光学特性に優れたフィルムを高速
で生産する。 【構成】 溶融樹脂バブル3を安定体4表面に接触状態
に支持し、膨張点に設けられたエアリング5出口の該バ
ブルの温度を熱可塑性樹脂の結晶化温度と結晶化温度+
60℃の温度範囲に調整して成形するインフレーション
フィルムの成形方法及びこれに適した装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はインフレーションフィル
ム成形方法において、溶融張力が小さいためバブル形状
をいわゆるロングネックタイプ(バブルの膨張する位置
がダイスより相当離れた形のタイプのバブル形状を意味
する。)とすることが困難とされていた線状低密度ポリ
エチレン(以下LLDPEという。)、低密度ポリエチ
レン(以下LDPEという。)または高密度ポリエチレ
ン(以下HDPEという。)、エチレン−酢酸ビニル共
重合体、エチレン−アクリレート系モノマー共重合体等
のエチレン系共重合体、ポリプロピレン、ポリアミド、
ポリエステル等の合成樹脂であっても、成形が可能であ
り、強度大なるフィルムが得られるロングネックタイプ
−インフレーションフィルム成形が可能であり、ヘー
ズ、グロス、クラリティーなどの光学特性、強度に優れ
た熱可塑性樹脂フィルムを高生産性で製造するためのフ
ィルム成形方法及び成形装置に関する。
【0002】
【従来の技術】空冷法によるインフレーションフィルム
の生産方法は数多く提案があり、それらの提案でフィル
ムを成形するための樹脂のバブルの形状は大きく分けて
4つのタイプに分けられる(図1,図4〜図5)。
【0003】この溶融樹脂バブルの形状を決定する要因
は冷却能力、フィルムの引き取り速度、溶融樹脂温度等
を挙げることができ、超高分子量高密度ポリエチレン
(以下、HMWHDPEという。)など線状ポリエチレ
ンであって溶融張力の高いポリエチレンでは、いわゆる
ロングネックタイプのバブルによるフィルム成形が多く
採用され、高強度のバランスフィルムとしてショッピン
グバッグ等の分野に大量に供給されている。
【0004】しかし、この方法では溶融バブルが徐冷さ
れるため、透明なフィルムを得ることはできない。
【0005】一方現在市販されているLLDPEは、溶
融張力が比較的小さく、流動特性がHMWHDPEとは
著しく異なって、バブルの安定性が悪く、バブルをロン
グネックタイプのごとき形状とすることは困難であり、
通常は図4のタイプまたは図5のタイプのバブル形状
(低フロストラインタイプという。)によりまたはT−
ダイ法により成形されている。他の溶融張力の小さい熱
可塑性樹脂も同様である。
【0006】この低フロストラインタイプによるインフ
レーションフィルム製造においては、溶融バブルが急冷
され透明なフィルムが得られるが、この方法での最大の
問題は高速生産をするとバブルの安定性が悪く、バブル
の揺れによるフィルムの厚みやフィルム幅のばらつきが
発生し易いこと、及びフィルムを高速で生産するとき引
き取り方向への配向が強くなり縦方向(機械方向)の強
度は増大するのに対し、これと直角方向(横方向)の強
度は著しく失われ易く、このため強度のバランスを失い
縦に裂け易くなるので引き取り速度を上げることが困難
であり、生産性に限度があることである。
【0007】このように溶融張力の小さい合成樹脂をイ
ンフレーション法によりフィルム成形をするためには、
低速であっても安定した生産ができる低フロストライン
タイプのバブル形状とするか、あるいはT−ダイ法によ
る生産を採用するしかなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、熱可塑性樹
脂の空冷インフレーション法によるフィルムの製造に際
し、低溶融張力の熱可塑性樹脂を使用したときでも、ロ
ングネックタイプによる成形で溶融樹脂バブルの不安定
性を解消し、バブルの安定化、ヘーズ、グロス、クラリ
ティーなどの光学特性に優れたフィルムの成形方法の確
立を目標とした。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、熱可塑性樹脂
のインフレーションフィルム成形方法において、ダイス
より押し出された溶融樹脂バブルを引き取りながら安定
体にその内面を接触させ、次いで溶融樹脂バブルを急激
に膨張させる位置に設けられた、環状スリットを有する
エアリングから該バブルの引き取り方向に冷却エアに吹
き出すと共にエアリング出口における該溶融樹脂バブル
温度を該熱可塑性樹脂の結晶化温度と該結晶化温度より
60℃高い温度範囲に調整して成形することを特徴とす
るインフレーションフィルムの成形方法を開発すること
により上記の目的を達成した。
【0010】また、押出機、バブル安定体を設けたイン
フレーション用円形ダイス、エアリング等からなる熱可
塑性樹脂のインフレーションフィルム成形装置におい
て、溶融樹脂バブルが急激に膨張させる位置に設けられ
たエアリングが複数の環状スリットを有し、該環状スリ
ットが溶融樹脂バブルの引き取り方向に冷却エアを吹き
出すエアリングであることを特徴とするインフレーショ
ンフィルム成形装置を開発することにより上記インフレ
ーションフィルム成形の実施が容易にできることを確認
した。
【0011】本発明の対象とする熱可塑性樹脂として
は、HMWHDPEはもちろん、LLDPE、HDP
E、LDPE等のポリエチレン;エチレン−酢酸ビニル
共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−
メタクリル酸メチル共重合体等エチレンとラジカル重合
性モノマーの共重合体;ポリプロピレン、塩化ビニル、
ポリアミド、ポリエステルまたはそれらの混合物等の溶
融張力の小さい熱可塑性樹脂をあげることができる。し
かし、できるだけ溶融張力の大きい高分子量のもののほ
うがバブル安定性に優れている。
【0012】LLDPEであっても成形に際してバブル
安定性が良いため低フロストライン法に比して一般に高
速での引き取りが可能であり、本発明方法により成形し
たフィルムは透明性、強度に優れ、その透明性はキャス
ティングポリプロピレンフィルムに匹敵するものが得ら
れ、低温での使用可能な安価なフィルムとして使用でき
る。
【0013】以下の説明は熱可塑性樹脂としてLLDP
Eを代表とし、図面を参照しながら説明する。本発明に
使用できるインフレーション成形方法としては上向きブ
ロー、下向きブローの何れでも良い。
【0014】樹脂の押出温度は、ダイス1に近接しての
エアリング5がないので比較的低温であって、樹脂の種
類により若干変わるが通常融点より40℃高い温度と、
融点より120℃高い温度の範囲内、好ましくは融点+
40℃〜融点+80℃の範囲内である。例えばLLDP
Eであれば170〜210℃の温度範囲で成形すること
が好ましい。170℃より低温にするとメルトフラクチ
ャーが出易くなり、また210℃より高温にすると溶融
張力が小さくなり、バブル3の安定性を損ね易くなる。
【0015】この場合LLDPEまたはそれを含む樹脂
組成物は、低押出温度とするときはメルトフラクチャー
を起こし易い性質があるので、ダイス1のリップギャッ
プを2.0〜10.0mm(好ましくは2.5〜5.5
mm)とHDPEにおける場合より大きくすること、あ
るいはダイス1とエアリング5の中間(膨張点よりはダ
イス側)に溶融樹脂バブル3の表面を加熱するバブルヒ
ーター(図示していない。)を設けるなどの手段を講ず
れば表面の肌荒れを回避することができる。リップギャ
ップが7.0mmより大きくなるに従い、フィルムの厚
さの均一性を失うのでメルトフラクチャーを小さくする
ことができるとしても10.0mmよりは大きくすべき
でなく、バブルヒーターで表面の肌荒れを回避すること
が好ましい。
【0016】比較的低温で押し出された溶融樹脂バブル
3は、その内面を安定体4に接触させて引き取る。この
場合、安定体4は通常の内部安定体のダイス側にこれと
同軸に支持されたダイスのスリット口径とほぼ同じか若
干太目の出口安定体Bを設けることも良い方法である。
この出口安定体Bは接触抵抗をできるだけ小さくするた
めに板状、網状、スプリング等から構成しても良い。こ
れがあると、バブル3は該出口安定体Bによってバブル
形状が保持され、この部分がさらに安定化されるために
有効である。溶融樹脂バブル3は引き取られ、内部安定
体4に接触した後急激に膨張する。
【0017】安定体は通常ダイス側に出口安定体Bを有
し、更にそれ以降に通常HDPEに使用されている内部
安定体4等を同軸に支持したものが好ましい。この場
合、出口安定体Bから離れた溶融樹脂バブル3はロング
ネックタイプの形になり、出口安定体径を離れるに従い
収縮する傾向を有しているので、内部安定体に接触安定
化する。内部安定体の径は特に限定されておらず、ダイ
ス口径より太くとも良いが、出口安定体よりは細く、通
常はダイスの口径に対し0.7〜1.0とすることが好
ましい。これは同じサイズのダイスを使用して同一サイ
ズのフィルムを製造したときでも実質膨張比(膨張後の
バブル径/急激に膨張する前のバブル径の比)を大きく
取ることができる。逆に言えば同一サイズのフィルムを
より大口径のダイスを使用して、同一膨張比のフィルム
が生産可能となるメリットがあることを示している。
【0018】この実質膨張比を大きくすると、横方向
(フィルム引き取り方向と直角方向)の強度を大とする
こと、インパクト強度を大とすることなどの効果があ
り、実質膨張比として通常1.3〜6.0の範囲とする
こと、好ましくは1.5〜4.5の範囲とすることがよ
い。
【0019】実質膨張比がこれより小さいとき得られた
フィルムは、縦裂きが起こり易く、またインパクト強度
が低くなる。一方、実質膨張比を6.0以上とすると、
横方向の配向が強過ぎてフィルムの輪切れが起こり易
く、生産中にバブルの切断などが惹起し易くなるので避
けるべきである。
【0020】内部安定体4はHDPE−バランスフィル
ム用安定体であっても使用できるが、好ましくは接触抵
抗を小さくした形式の内部安定体、例えばバブルの接触
位置にボールベアリングまたは樽型ローラーを埋め込ん
だ安定体、スプリングを用いた安定体、内部安定体の表
面にフィルム走行方向に同調して回転するベルトを設け
た安定体等を使用することが好ましい。
【0021】内部安定体4と溶融樹脂バブル3との接触
抵抗が大きいと、溶融張力が高まったといっても低い次
元のことでバブルの切断が起き易いので接触抵抗の小さ
い内部安定体4を採用すべきである。
【0022】本発明における重要な要件の一つとして溶
融樹脂バブル温度がある。比較的低温でダイス1から押
し出された溶融樹脂バブル3はエアリング出口において
使用樹脂の結晶化温度及び該結晶化温度より60℃高い
温度範囲にあることが必要であり、好ましくは結晶化温
度+10℃〜結晶化温度+40℃の温度範囲である。結
晶化温度より低いときは溶融バブルが徐冷となり透明性
が低下するだけでなく、膨張が不可能になるかあるいは
不完全になるかしてバラツキが大きくなり、目的とする
厚さ及びサイズのフィルムを得ることができない。また
この温度範囲より高温であるときは溶融樹脂バブル3の
膨張が不均一になったり、バブルの安定性を損なったり
するため均一性のあるフィルムの製造が困難となる(一
般的に熱可塑性樹脂における結晶化温度は該樹脂の融点
より約10℃程度低い温度である。)。
【0023】例えば直鎖状低密度ポリエチレンにあって
はエアリング出口における樹脂温度は該熱可塑性樹脂の
融点から180℃の範囲にあることが必要である。溶融
樹脂バブルはエアリング中で充分膨張するか、あるいは
エアリングを出てからすぐに充分膨張するかして所定の
厚さ及びサイズのフィルムとなるが、高透明性を必要と
するときはフィルム厚さとして50μm以下、好ましく
は40μm以下とすることが好ましい。フィルム厚さが
厚くなるに従い、徐冷となるためどうしても不透明化す
る。この対策としてバブルヒーターを用いることにより
相当程度この問題を解決することができる。
【0024】2つ以上の冷却エア吹出のための同心の環
状スリットを有する吹出口を有するエアリング5の複数
の環状スリットの吹出口(52,53,54)は、バブ
ル径の外側方向に吹き出すものでも良いが、できれば図
2または図3に示すごとくエアをバブルの引き取り方向
とほぼ平行に吹き出すように形成することが好ましい。
【0025】エアリング5の環状スリット(52,5
3,54)からバブル引き取り方向への冷却エアの吹出
により作られる減圧雰囲気が溶融樹脂バブルに影響を与
え、この位置でバブルの急激な膨張が開始する。
【0026】なお図2または図3においてはエアリング
5の冷却エア吹出口(52,53,54)を3重の環状
スリットを示したが、これは二重以上であれば良い。各
吹出口52,53,54のエア出口の上端壁面は減圧度
を高めるため斜めにするなどの手段をとっても良い。ま
た外部空気の流れや減圧雰囲気を外界から遮断の意味も
兼ねてエアリングの先端にカバー55を付けても良い。
【0027】従って得られるフィルムの性質に影響を与
えるフロストライン8の位置は、エアリング5の位置の
移動により自由に変更することができる。エアリング5
の位置は通常ダイス面より50mm以上離すことが必要
で、好ましくは100mm以上、より好ましくは200
mm以上離すことが良い。あまりダイス面に接近しすぎ
ると冷却効果が低下する。
【0028】またエアリング5として、溶融樹脂バブル
3の冷却を促進するため、バブル引き取り方向への冷却
エア(複数の環状スリット)吹出口(52,53,5
4)に加え、その反対方向(ダイスからエアリングに至
る溶融樹脂バブル)の冷却を目的とした吹出口57を有
するエアリング(図3参照)を用いることも有効であ
る。この方法によるときは、押出樹脂温度を少しではあ
るが高くすることができ、操作条件が幾分緩和でき、か
つ生産性を上げることができるメリットがある。反対方
向の吹出口57は限定されないが、溶融樹脂バブルに対
し45°〜60°くらいの角度で吹きつけることができ
る。
【0029】溶融樹脂バブル3は急激に膨張すると樹脂
フィルムは薄くなるため急冷され、固化した後は通常の
インフレーションと同じくニップロール(図示していな
い。)で空気を絞られ巻き取り機に引き取られフィルム
となる。
【0030】
【作用】本発明は通常のバランスフィルム用HMWHD
PEなどのように高溶融張力の熱可塑性樹脂はもちろ
ん、溶融張力が小さく、ロングネックタイプのインフレ
ーション成形が困難とされていた熱可塑性樹脂に対して
も有効な製造方法である。
【0031】本発明方法によって得られたフィルムが高
透明性である理由は次のように考えている。
【0032】一般にダイスから押し出された溶融樹脂バ
ブルはスウェル効果により出口において膨れ、溶融樹脂
バブルの外径はダイス口径より数%〜10数%大きくな
ることはよく知られている。
【0033】スウェルにより膨れるとき、該バブル表面
は凹凸の大きい状態を示している。これを図4または図
5に示す低フロストラインタイプのバブル形状でフィル
ム成形を行うときはその状態から急激に膨張されるた
め、フィルム表面はスウェル効果の影響を強く受けたも
のとなる。
【0034】しかし、ロングネックタイプとするときは
溶融樹脂バブルは膨張点までゆっくりと移動し、その間
においてスウェルによって生成した表面の凹凸が大幅に
緩和され、この緩和されたバブルが急激に膨張するた
め、スウェルの影響は大幅に減少させることができ、表
面のより平滑なフィルムが得られる一因となっていると
推定している。
【0035】例えばフィルムの透明性の一つのインデッ
クスとしてヘーズがあるが、フィルムのヘーズの大部分
は外部ヘーズ(フィルム表面の凹凸などに起因する光の
不透過による不透明性)にあることが知られている。
【0036】本発明におけるフィルムの高透明性は、そ
の一部がスウェル効果を緩和するロングネックタイプと
したことにより得られたものと考えられる。
【0037】またネックポイント(急激に膨張する直前
のポイント)を結晶化温度まで低下させると結晶が生長
してヘーズを悪化させるが、本発明においてはエアリン
グ入口の温度を規制することによりこの問題も回避して
おり、これも高透明フィルムを得る一因と考えられる。
【0038】本発明の成形方法においてその理由は解明
できなかったがエアリング5の出口における溶融樹脂バ
ブル温度を規制したこと、エアリングの複数の環状スリ
ットからの冷却エア吹出に伴う減圧雰囲気により溶融樹
脂バブルを急激に膨張させる方法を取り入れたことによ
り溶融張力の高い樹脂はもちろん、低溶融張力の場合で
あっても問題なく、インフレーション成形できたものと
推定している。
【0039】特に安定体に接触させることにより溶融樹
脂バブルが安定化され、また急激な膨張による溶融樹脂
の急冷などの相乗効果のためヘーズ、グロス、クラリテ
ィーなどの光学特性が著しく改善されたものと思われ
る。
【0040】
【実施例】
(実施例1)密度0.923g/cm3 、JIS K−
7210の表1、条件4による溶融流れ(以下MFRと
いう。)1.0g/10分の直鎖状ポリエチレンをリッ
プギャップ3mm、口径100mmφのダイスを備えた
インフレーションフィルム成形装置を用い、樹脂温度2
00℃で押し出した。安定体は表面をテフロンで被覆し
た直径100mmφの円柱を用い、折幅314mm、厚
さ30μmのフィルムを引き取り速度50m/minの
速度で成形した。溶融樹脂バブルは2重の環状スリット
からなるエアリング出口では130℃であった。フロス
トラインはダイス面から650mm、フロストライン温
度は111℃である。得られたフィルムの評価は表1に
示す。
【0041】なお、エアリング入口の温度測定はチノー
株式会社製型式IR−AP温度計を用い、距離150c
m、測定面積;直径45mmφで、エアリングに最も近
い部分を測定した。ヘーズ、グロス、クラリティーはJ
IS K−7105の方法により測定した。
【0042】(実施例2〜3)密度0.923g/cm
3 、MFR 1.0g/10分のLLDPE80重量
%、密度0.925g/cm3 、MFR 0.8g/1
0分のLDPE20重量%からなる樹脂組成物を用い、
実施例1と同一の装置を用い、条件を変更してフィルム
の成形を行った。得られたフィルムの評価を表1に示
す。
【0043】(実施例4)実施例2のフィルム成形にお
いて、引き取り速度を30m/min、ダイスとエアリ
ングの中間に3.0kwの赤外線ヒーター(バブルヒー
ター)を設けて透明性の改善を図った。得られたフィル
ムの評価を表1に示す。透明性(ヘーズ、グロス、クラ
リティー)は大幅に改善されたことを示す。
【0044】(実施例5)密度0.953g/cm3
MFR 0.5g/10分のHDPE60重量%、密度
0.925g/cm3 、MFR 0.8g/10分のL
DPE40重量%からなる樹脂組成物を用い、実施例1
と同一の装置を用い、樹脂温度200℃において表1に
示す条件でフィルムの成形を行った。得られたフィルム
の評価を表1に示す。
【0045】(比較例1)実施例2と同一の樹脂及び装
置を用い、表1に示す条件でフィルムの成形を行った。
得られたフィルムの透明性(ヘーズ、グロス、クラリテ
ィー)は著しく低下した。
【0046】(比較例2〜4)溶融樹脂バブルがダイス
出口からただちに膨張する低フロストラインタイプ(図
3または図5に示すようなバブル形状)のインフレーシ
ョンフィルム成形を実施例2と同一の樹脂で行った。得
られたフィルムの評価を表1に示す。比較例2〜3にお
いては透明性の低下はわずかであったが、比較例3のよ
うにフロストラインを実施例1とほぼ同一とした場合に
おいても得られたフィルムの機械的性質は著しく低下し
た。また比較例4においては同じバブル形状で引き取り
速度を50m/minとしたところ、溶融樹脂バブルが
不安定となり切断が頻発して成形不可能であった。
【0047】
【表1】
【0048】
【発明の効果】本発明は、熱可塑性樹脂のインフレーシ
ョン法によるフィルム成形に際し、安定体に接触状態に
支持すると共に、急激に膨張させる位置に設けられた複
数の環状スリットを有するエアリングの出口の温度が該
熱可塑性樹脂の結晶化温度と該結晶化温度より60℃高
い温度の範囲に調整し、ロングネックタイプでフィルム
を成形するときは例えばLLDPEのごとき溶融張力の
小さい熱可塑性樹脂であっても溶融樹脂バブルは安定
し、ヘーズ、グロス、クラリティーなどの光学特性に優
れたフィルムを安定して生産できることを見いだした。
【0049】またこのために使用するための成形装置は
上記のインフレーションフィルム成形法に好適に使用で
きる。
【0050】更にメルトフラクチャーの発生し易い熱可
塑性合成樹脂であってもダイスとエアリングの中間にバ
ブルヒーターを設けて生産することによりヘーズ、グロ
ス、クラリティーを大幅に改善できることも見いだし
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るインフレーションフィルム成形法
の一例を示す概念図である。
【図2】本発明に使用するエアリングの一例を示す断面
図である。
【図3】エアリングの他の一例を示す断面図である。
【図4】従来法の低フロストラインタイプによるインフ
レーションフィルム成形法の一例の概念図である。
【図5】従来法の低フロストラインによるインフレーシ
ョンフィルム成形法の他の一例の概念図である。
【符号の説明】
1 ダイス 3 溶融樹脂バブル 4 安定体 5 エアリング 51 エア通路 52 吹出口 53 吹出口 54 吹出口 55 カバー 56 エア通路 57 エア吹出口 8 フロストライン B 出口安定体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小野田 武士 神奈川県川崎市川崎区千鳥町3−2昭和電 工株式会社川崎樹脂研究所内 (72)発明者 小林 智明 神奈川県川崎市川崎区千鳥町3−2昭和電 工株式会社川崎樹脂研究所内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂のインフレーションフィル
    ム成形方法において、ダイスより押し出された溶融樹脂
    バブルを引き取りながら安定体にその内面を接触させ、
    次いで溶融樹脂バブルを急激に膨張させる位置に設けら
    れた、環状スリットを有するエアリングから該バブルの
    引き取り方向に冷却エアに吹き出すと共にエアリング出
    口における該溶融樹脂バブル温度を該熱可塑性樹脂の結
    晶化温度と該結晶化温度より60℃高い温度範囲に調整
    して成形することを特徴とするインフレーションフィル
    ムの成形方法。
  2. 【請求項2】 低溶融張力の熱可塑性樹脂を、押出樹脂
    温度が該熱可塑性樹脂の融点より40℃高い温度及び該
    融点より120℃高い温度の範囲に調整して成形する請
    求項1記載のインフレーションフィルムの成形方法。
  3. 【請求項3】 溶融樹脂バブルの接触する安定体の径/
    ダイス口径の比が0.7〜1.0、実質の膨張比が1.
    3〜6.0、ダイス面からフロストラインまでの距離が
    400〜2000mmである請求項1または2記載のイ
    ンフレーションフィルムの成形方法。
  4. 【請求項4】 熱可塑性樹脂が直鎖状低密度ポリエチレ
    ンであって、リップギャップ2.5〜5.5mm、押出
    樹脂温度が170〜250℃、エアリングの出口におけ
    る樹脂温度が120〜180℃であり、製造されるフィ
    ルムの厚さが10〜80μmである請求項1記載のイン
    フレーションフィルムの成形方法。
  5. 【請求項5】 押出機、バブル安定体を設けたインフレ
    ーション用円形ダイス、エアリング等からなる熱可塑性
    樹脂のインフレーションフィルム成形装置において、溶
    融樹脂バブルが急激に膨張させる位置に設けられたエア
    リングが複数の環状スリットを有し、該環状スリットが
    溶融樹脂バブルの引き取り方向に冷却エアを吹き出すエ
    アリングを有することを特徴とするインフレーションフ
    ィルム成形装置。
  6. 【請求項6】 ダイスとエアリングの中間に、溶融樹脂
    バブル表面を加熱する手段を設けた請求項5記載のイン
    フレーションフィルム成形装置。
  7. 【請求項7】 溶融樹脂バブル引き取り方向に冷却エア
    を吹き出す複数の環状スリット及び逆方向にも冷却エア
    を吹き出す吹出口を備えたエアリングである請求項5ま
    たは6記載のインフレーションフィルム成形装置。
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