JPH0641332A - プリプレグおよび複合材料 - Google Patents

プリプレグおよび複合材料

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JPH0641332A
JPH0641332A JP5092133A JP9213393A JPH0641332A JP H0641332 A JPH0641332 A JP H0641332A JP 5092133 A JP5092133 A JP 5092133A JP 9213393 A JP9213393 A JP 9213393A JP H0641332 A JPH0641332 A JP H0641332A
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Japan
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prepreg
resin
fine particles
composite material
thermoplastic resin
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JP5092133A
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English (en)
Inventor
Masazumi Enou
正純 得納
Masahiko Hayashi
政彦 林
Nobuyuki Odagiri
信之 小田切
Yoshinobu Kubota
吉伸 窪田
Toshio Muraki
俊夫 村木
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【構成】次の構成要素[A]、[B]、[C]からなる
プリプレグであって、[C]の90%以上が、プリプレ
グの片側または両側においてプリプレグの厚さの30%
の深さの範囲内に局在化していることを特徴とするプリ
プレグ。 [A]:長繊維からなる強化繊維,[B]:マトリック
ス樹脂,[C]:[B]成分に可溶の熱可塑性樹脂から
なる微粒子 上記の構成要素[A]、[B]および相分離構造を有す
る高靭性樹脂層[L]からなる複合材料であって、
[L]が積層層間に局在することを特徴とする複合材
料。 【効果】タック性、ドレープ性を確保しつつ、コンポジ
ットとした時に高い耐衝撃性および非繊維軸引っ張り強
度とを得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プリプレグおよび複合
材料に関するものである。さらに詳細には、先進複合材
料として、強度、弾性率、さらには、これらを比重で除
した比強度、比弾性率の大なることを要求される構造体
に用いられるプリプレグおよび複合材料に関する。
【0002】
【従来の技術】繊維強化複合材料は、強化繊維とマトリ
ックス樹脂を必須の構成要素とする不均一材料であり、
このため繊維軸方向の物性とそれ以外の方向の物性に大
きな差が存在する。例えば、落錘衝撃に対する抵抗性
は、層間剥離強度によって支配されるため、強化繊維の
強度を向上させても抜本的な改良には結びつかないこと
が知られている。このため、繊維軸方向以外の物性を改
良することを目的として、マトリックス樹脂の靭性を改
良することの他に、種々の方法による改良が提案されて
いる。
【0003】米国特許第3,472,730号公報(1
969年)では、繊維強化シートの片面あるいは両面に
エラストマー性物質により改質した熱硬化性樹脂からな
る独立外層フィルム(セパレートエクステリアフィル
ム、Separate Exterior film)を配することにより、対
層間剥離力の改善がなされることが開示されている。
【0004】特開昭51−58484号公報では、繊維
強化エポキシ樹脂プリプレグの表面に、ポリエーテルス
ルフォンフィルムを存在させることで、成型性及び曲げ
強度の改善がなされることが開示されている。
【0005】特開昭54−3879号公報、特開昭56
−115216号公報、特開昭60−44334号公報
では、繊維強化シートの層間に短繊維チップ、チョップ
ドストランド、ミルドファイバーを配し、層間強度の向
上がなされることが開示されている。
【0006】特開昭60−63229号公報では、繊維
強化プリプレグの層間にエラストマーで改質したエポキ
シ樹脂フィルムを配して、層間強度の改善がなされるこ
とが開示されている。
【0007】米国特許第4,539,253号公報(特
開昭60−231738号公報)では、繊維強化プリプ
レグの層間に軽量繊維を基材とする、不織布、織布、マ
ット、キャリアーにエラストマーで改質したエポキシ樹
脂を含浸させたフィルムを配して、層間強度の改善がな
されることが開示されている。
【0008】米国特許第4,604,319号公報(特
開昭60−231738号公報)では、繊維強化プリプ
レグの層間に熱可塑性樹脂フィルムを配して層間強度の
改善がなされることが開示されている。
【0009】しかし、これらの手法は、その効果が不十
分であるばかりでなく、それぞれに欠点を有している。
エラストマー改質熱硬化性樹脂を含む独立外層フィルム
を用いた場合には、エラストマーの含量が多くなると、
耐熱性が低下し、エラストマーの含量が少ないと、層間
強度の改善効果は非常に少ない。
【0010】また、熱可塑性樹脂フィルムを用いた場合
には、耐熱性の良好な熱可塑性樹脂フィルムを用いるこ
とにより、耐熱性と層間強度の改善効果の両立がなされ
るが、熱硬化性樹脂の利点であるタック性(粘着性)や
ドレープ性が失われる。また、耐溶剤性が良くないとい
う熱可塑性樹脂の一般的欠点が複合材料に反映してしま
う。
【0011】また、短繊維チョップ、チョップドストラ
ンド、ミルドファイバーを用いることは、層間を厚くす
るため、コンポジット全体としての強度低下を招く。
【0012】一方、これらの欠点を克服する試みとし
て、繊維強化プリプレグの層間に熱可塑性樹脂粒子を分
散させる方法が提案されている。
【0013】例えば、米国特許第5,028,478号
公報(特開昭63−162732号公報、特開昭63−
170427号公報、特開昭63−170428、特開
平1−104624号公報、特開昭1−104625号
公報)では、ナイロンなどの熱可塑性樹脂を用いて、プ
リプレグのタック、ドレープ性をそれほど犠牲にするこ
となく、耐熱性の良好な高靭性複合材料を与える技術を
提供している。
【0014】特開平3−26750号公報では、靭性の
改良されたマトリックス樹脂と熱硬化性樹脂粒子との組
み合わせによって、高靭性複合材料を与える技術を提供
している。この場合には、マトリックス樹脂の靭性が高
いので、樹脂微粒子を少量添加することによって、高靭
性化を達成することが出来る。
【0015】しかし、これら米国特許第5,028,4
78号公報や特開平3−26750号公報の方法では、
複合材料を長期間の疲労環境下に保持した場合、用いた
粒子とマトリックス樹脂との接着性が良好でないと、界
面剥離を引き起こすなどして、初期の靭性値が大きく低
下する懸念がある。
【0016】特公平2−311538号公報、特公平3
−197559号公報、欧州公開特許第377194号
公報および欧州公開特許第392348号公報では、ポ
リイミドやポリエーテルスルフォンなどの熱可塑性樹脂
粒子を用いて、前記米国特許第5,028,478号公
報と同様に、プリプレグのタック、ドレープ性をそれほ
ど犠牲にすることなく、耐熱性の良好な高靭性複合材料
を与える技術を提供するとしている。このとき用いた粒
子は、プリプレグの硬化時にマトリックス樹脂中に溶解
し、繊維層とは別個の樹脂層を形成し、これが複合材料
の靭性向上をもたらしている。しかし、特公平2−31
1538号公報の実施例では、複合材料の耐衝撃性の指
標である衝撃後の残存圧縮強度(以下、CAI)は、3
〜8ksi程度の向上にとどまっており、改善効果はわ
ずかである。同様に、特公平3−197559号公報の
実施例においてもCAIの向上効果はそれほど大きくは
ないが、この場合には、粒子を樹脂中に均一にブレンド
しているために、硬化物中に独立した樹脂層が形成しに
くいからであると推察される。また、欧州公開特許第3
77194号公報および欧州公開特許第392348号
公報では、CAIが13ksi程度向上したと報告され
ているが、この場合には、マトリックス樹脂に対して2
0%もの大量の粒子を使用していることから、タックや
ドレープ性が大きく犠牲になるものと考えられる。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、上
記欠点を克服し、更に、繊維軸方向以外の物性を大幅に
改良した複合材料を提供することをその課題とする。
【0018】
【問題点を解決するための手段】本発明のプリプレグは
上記課題を解決するために次の構成を有する。すなわ
ち、次の構成要素[A]、[B]、[C]からなるプリ
プレグにおいて、[C]の90%以上が、プリプレグの
片側または両側に、プリプレグの厚さの30%の深さの
範囲内に局在化していることを特徴とするプリプレグで
ある。
【0019】[A]:長繊維からなる強化繊維 [B]:マトリックス樹脂 [C]:[B]成分に可溶の熱可塑性樹脂からなる微粒
子 また、本発明の複合材料は上記課題を解決するために次
のいずれかの構成を有する。すなわち、次の構成要素
[A]、[B]、[L]を必須とし、かつ[L]が積層
層間に局在することを特徴とする複合材料、または、 [A]:長繊維からなる強化繊維 [B]:マトリックス樹脂 [L]:相分離構造を有する高靭性樹脂層 上記の構成要素[A]、[B]、[C]からなり、
[C]の90%以上が、プリプレグの片側または両側
に、プリプレグの厚さの30%の深さの範囲内に局在化
しているプリプレグを積層してなることを特徴とする複
合材料である。
【0020】以下、本発明を各構成要素ごとに詳細に説
明する。 (構成要素[A]の説明)本発明のプリプレグの構成要
素[A]は、長繊維からなる強化繊維である。本発明に
用いる強化繊維は、一般に、高性能強化繊維として用い
られる耐熱性及び引張強度の良好な繊維である。例え
ば、その強化繊維には、炭素繊維、黒鉛繊維、アラミド
繊維、炭化ケイ素繊維、アルミナ繊維、ボロン繊維が挙
げられる。この内、比強度、比弾性率が良好で、軽量化
に大きな寄与が認められる炭素繊維や黒鉛繊維が発明に
は最も良好である。炭素繊維や黒鉛繊維は用途に応じ
て、あらゆる種類の炭素繊維や黒鉛繊維を用いることが
可能であるが、引張強度450Kgf/mm2 、引張伸度1.
6%以上の高強度高伸度炭素繊維が最も適している。ま
た、本発明には、長繊維状の強化繊維を用いるが、その
長さは、5cm以上であることが好ましい。それより短い
場合、強化繊維の強度を複合材料として十分に発現させ
ることが困難となる。また、炭素繊維や黒鉛繊維は、他
の強化繊維を混合して用いてもかまわない。また、強化
繊維は、その形状や配列を限定されず、例えば、単一方
向、ランダム方向、シート状、マット状、織物状、組み
紐状であっても使用可能である。また、特に、比強度、
比弾性率が高いことを要求される用途には、強化繊維が
単一方向に引き揃えられた配列が最も適しているが、取
り扱いの容易なクロス(織物)状の配列も本発明には適
している。 (構成要素[B]の説明)本発明に用いるマトリックス
樹脂には、熱硬化性樹脂及び熱硬化性樹脂と熱可塑性樹
脂を混合した樹脂が挙げられる。
【0021】本発明に用いる熱硬化性樹脂は、熱又は光
や電子線などの外部からのエネルギーにより硬化して、
少なくとも部分的に三次元硬化物を形成する樹脂であれ
ば特に限定されない。好ましい熱硬化性樹脂としては、
エポキシ樹脂が挙げられ、一般に硬化剤や硬化触媒と組
み合わせて用いられる。
【0022】本発明に適したエポキシ樹脂としては、特
に、アミン類、フェノール類、炭素炭素二重結合を有す
る化合物を前駆体とするエポキシ樹脂が好ましい。ま
た、これらのエポキシ樹脂は、単独で用いてもよいし、
適宜配合して用いてもよい。
【0023】エポキシ樹脂は、エポキシ樹脂硬化剤と組
み合わせて、好ましく用いられる。エポキシ硬化剤は、
エポキシ基と反応し得る活性基を有する化合物であれ
ば、これを用いることが出来る。好ましくは、アミノ
基、酸無水物基、アジド基を有する化合物が適してい
る。
【0024】また、エポキシ樹脂に微粉末状シリカなど
の無機質微粒子やエラストマーなどを少量混合すること
も可能である。
【0025】本発明においては、マトリックス樹脂とし
て、更に、ポリマレイミド樹脂、シアン酸エステル末端
を有する樹脂、反応性末端を有する付加硬化型ポリイミ
ド樹脂が好ましく用いられる。これらは、適宜、エポキ
シ樹脂や、他の樹脂と混合してもよい。また、反応性希
釈剤を用いたり、熱可塑性樹脂やエラストマーなどの改
質剤を混合して用いてもかまわない。
【0026】ポリマレイミド樹脂は、末端にマレイミド
基を平均2個以上含む化合物であり、相当するジアミン
を不飽和ジカルボン酸無水物と反応させる公知の方法に
より製造される。本発明に用いる好ましいポリマレイミ
ドの例を以下に示す。
【0027】4,4’−ビスマレイミドジフェニルメタ
ン、ポリマレイミドアニリン樹脂、4,4’−ビスマレ
イミドジフェニルエーテル、3,3’−ビスマレイミド
ジフェニルスルホン、1,3−ビスマレイミドベンゼ
ン、2,4−ビスイミドトルエン、1,6−ビスマレイ
ミドヘキサン、2,2,4−トリメチル−1,6−ビス
マレイミドヘキサンである。これらは1種若しくは2種
以上の混合系で用いても差し支えない。
【0028】これらのポリマレイミド化合物は、一般
に、反応性希釈剤と共に用いられる。かかる反応性希釈
剤は、マレイミド部分と化学反応が可能であり、かつ、
室温で液状である化合物であり、好ましくは、アルケニ
ルフェノール及び/又はアルケニルフェノールエーテル
である。これらの化合物は、ポリマレイミド類の好適な
反応性希釈剤として既に特公昭55−39242号公報
や米国特許第1048615号公報に記載されている。
本発明の方法に用いることの出来るアルケニルフェノー
ルの例として、以下の様な物質が挙げられる。
【0029】o,o’−ジアリル−ビスフェノールA、
4,4’−ヒドロキシ−3,3’−アリル−ジフェニ
ル、ビス−(4−ヒドロキシ−3−アリル…不要?…
フェニル)−メタン、2,2−ビス−(4−ヒドロキ
シ−3,5−ジアリル…不要?… フェニル)−プロ
パンおよびオイゲノールなどである。
【0030】以上に示したポリマレイミドと反応性希釈
剤との組み合わせからなる樹脂の一例として、チバガイ
ギー社から“マトリミド5292”(登録商標)が市販
されており、本発明に適している。
【0031】シアン酸エステル末端を有する樹脂は、ビ
スフェノールAに代表される多価フェノールのシアン酸
エステル化合物が好適である。シアン酸エステル樹脂
は、特に、上記したポリマレイミド樹脂と組み合わせる
ことによって、プリプレグに適した樹脂とすることがで
き、三菱ガス化学(株)製BTレジンが市販されてお
り、本発明に適している。
【0032】反応性末端を有する付加硬化型ポリイミド
樹脂は、テトラカルボン酸二無水物とジアミノ化合物と
を反応させ、この末端を二重結合含有酸無水物で封止
し、次いで、イミド閉環することによって、合成するこ
とが出来る。テトラカルボン酸二無水物の好ましい例
は、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベ
ンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,
4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,
3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸
二無水物などの芳香族テトラカルボン酸二無水物、より
好ましくは、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカ
ルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルエ
ーテルテトラカルボン酸二無水物などの芳香族テトラカ
ルボン酸二無水物を挙げることができる。
【0033】ジアミノ化合物の好ましい例としては、ジ
アミノジフェニルメタン、メタフェニレンジアミン、パ
ラフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルエーテル、
ジアミノジフェニルスルフォン、ジアミノジフェニルス
ルフィド、ジアミノジフェニルエタン、ジアミノジフェ
ニルプロパン、ジアミノジフェニルケトン、ジアミノジ
フェニルヘキサフルオロプロパン、ビス(アミノフェノ
キシ)ベンゼン、ビス(アミノフェノキシ)ジフェニル
スルフォン、ビス(アミノフェノキシ)ジフェニルプロ
パン、ビス(アミノフェノキシ)ジフェニルヘキサフル
オロプロパン、フルオレンジアミン、ジアミノジフェニ
ルメタンのジメチル置換体、ジアミノジフェニルメタン
のテトラメチル置換体、ジアミノジフェニルメタンのジ
エチル置換体、ジアミノジフェニルメタンのテトラエチ
ル置換体、ジアミノジフェニルメタンのジメチルジエチ
ル置換体などの芳香族ジアミノ化合物、より好ましく
は、ビス(アミノフェノキシ)ベンゼン、ビス(アミノ
フェノキシ)ジフェニルスルフォン、ビス(アミノフェ
ノキシ)ジフェニルプロパン、ビス(アミノフェノキ
シ)ジフェニルヘキサフルオロプロパン、フルオレンジ
アミン、ジアミノジフェニルメタンのジメチル置換体、
ジアミノジフェニルメタンのテトラメチル置換体、ジア
ミノジフェニルメタンのジエチル置換体、ジアミノジフ
ェニルメタンのテトラエチル置換体、ジアミノジフェニ
ルメタンのジメチルジエチル置換体などの芳香族ジアミ
ノ化合物を挙げることができる。
【0034】二重結合含有酸無水物の好ましい例は、無
水ナジック酸、無水ナジック酸のメチル置換体、無水ナ
ジック酸の塩素置換体などの無水ナジック酸誘導体であ
る。
【0035】本発明に用いるマトリックス樹脂として、
上記の熱硬化性樹脂に熱可塑性樹脂を混合して用いるこ
とも好適である。本発明に好適な熱可塑性樹脂は、主鎖
に炭素炭素結合、アミド結合、イミド結合、エステル結
合、エーテル結合、シロキサン結合、カーボネート結
合、ウレタン結合、尿素結合、チオエーテル結合、スル
フォン結合、イミダゾール結合、カルボニル結合から選
ばれる結合を有する熱可塑性樹脂を選択することができ
る。耐熱性と耐衝撃性とを考慮すると、イミド結合を有
する熱可塑性樹脂が特に好ましい。
【0036】これらの熱可塑性樹脂は、市販のポリマー
を用いてもよいが、市販のポリマーより分子量の低い、
いわゆるオリゴマーを用いることが好ましい。成形時の
樹脂粘度が大きくなりすぎて樹脂の流動性が損われるこ
とを防止する観点から、オリゴマーの数平均分子量は1
万以下、さらには、7000以下のものを用いるのが好
ましく、一方、熱可塑性樹脂による靭性の改良効果が小
さくなり、複合材料の耐衝撃性を十分に高めることが出
来なくなるのを防止する観点からオリゴマーの数平均分
子量を3000以上とするのが好ましい。また、このオ
リゴマーには、熱硬化性樹脂と反応し得る官能基を末端
または分子鎖中に有していることが更に好ましい。
【0037】熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂の混合物は、
それらを単独で用いた場合より良好な結果を与える。こ
れは、熱硬化性樹脂が、一般に、脆い欠点を有しなが
ら、オートクレーブによる低圧成形が可能であるのに対
して、熱可塑性樹脂が、一般に、強靱である利点を有し
ながら、オートクレーブによる低圧成形が困難であると
いう二律背反した特性を示すため、これらを混合して用
いることで、物性と成形性のバランスを取ることが出来
るためである。 (構成要素[C]および[L]の説明) <構成要素[C]の分布>構成要素[C]の分布につい
ては、プリプレグの表面層すなわち、成形して複合材料
になった場合のプリプレグシートとプリプレグシートと
の間に偏って存在していることが耐衝撃性の優れた複合
材料を与えるうえで重要である。
【0038】構成要素[C]が、構成要素[B]に均一
に分布する場合には、マトリックス樹脂に対する構成要
素[C]の含有率の分だけの改質効果のみが期待される
に過ぎない。しかし、複合材料の層間に偏って存在する
場合には、単なる加成性に基づく予想を遥かに越え、特
に耐衝撃性の向上に関しては、全く予期しえないほどの
著しい効果が見出されたのである。これを満たす条件
は、その表面部分に分散する微粒子の90%以上が、プ
リプレグの厚さの30%の深さの範囲内に局在化してい
ることが必要である。この条件を外れて、プリプレグ内
部深くに微粒子が入った場合、複合材料の耐衝撃性は劣
ったものになる。
【0039】微粒子の90%以上が、プリプレグの表面
からプリプレグの厚さの10%の深さの範囲内に局在化
する場合は、より顕著な耐衝撃性の向上効果が現われる
ので、更に好ましい。
【0040】なお、本発明によるプリプレグは、プリプ
レグの表裏に関わりなく、自由に積層することを可能と
する観点から、プリプレグの両面において微粒子が偏っ
て分布したものが好ましい。しかし、プリプレグの片面
のみに微粒子が同様の分布をしたプリプレグでも、プリ
プレグ同士を積層する時に、微粒子が必ずプリプレグ間
にくるように注意を払って使用すれば、同様の効果を得
ることができる。
【0041】<構成要素[C]の分布の評価方法>プリ
プレグ中の微粒子の分布状態の評価は、次の様にして行
なう。
【0042】まず、プリプレグを2枚の平滑な支持板の
間に挟んで密着させ、長時間掛けて徐々に温度を上げて
硬化させる。この時に重要なのは、可能な限り低温でゲ
ル化させることである。ゲル化しないうちに温度を上げ
ると、プリプレグ中のマトリックス樹脂が流動して微粒
子が移動したり、微粒子がマトリックス樹脂に溶解した
りして、プリプレグ中に於ける正確な分布状態の評価が
できなくなってしまう。
【0043】ゲル化した後、更に時間を掛けて徐々に温
度を掛けてプリプレグを硬化させる。この硬化したプリ
プレグを用いて、その断面を200倍以上に拡大して、
200mm ×200mm 以上の写真を撮る。
【0044】この断面写真を用い、まず平均的なプリプ
レグの厚みを求める。層の平均厚みは、写真上で任意に
選んだ少なくとも5ヵ所で測り、その平均を取る。次
に、両方の支持板に接していた面から、プリプレグの厚
みの30%の位置にプリプレグの面方向と平行に線を引
く。支持板に接していた面と30%の平行線の間に存在
する微粒子の面積をプリプレグの両面について定量し、
これとプリプレグの全幅に渡って存在する微粒子の面積
を定量し、その比を取ることにより、プリプレグの表面
からプリプレグの厚さの30%以内に存在する微粒子の
量が算出される。微粒子の面積の定量は断面写真から所
定の領域に存在する微粒子部分をすべて切り取り、その
重量を測ることにより行なう。微粒子の部分的な分布の
ばらつきの影響を排除するため、この評価は、得られた
写真の幅全域に渡って行ない、かつ、任意に選んだ5ヵ
所以上の写真について同様の評価を行ない、その平均を
取る必要がある。
【0045】微粒子とマトリックス樹脂との見分けがつ
きにくい時には、一方を選択的に染色して観察する。顕
微鏡は光学顕微鏡でも観察可能であるが、染色剤によっ
ては走査型電子顕微鏡の方が観察に適している場合もあ
る。
【0046】<構成要素[C]の大きさ>微粒子の大き
さは、粒径で表現される。構成要素[C]の大きさは、
複合材料となった時、強化繊維の配列を著しく乱すほど
大きくなければよい。粒径が150μを越える場合は、
強化繊維の配列を乱したり、積層して得られる複合材料
の層間を必要以上に厚くするため、複合材料とした時の
物性を低下させる欠点がある。より好ましくは、50μ
以下の粒子を用いるとよい。
【0047】<構成要素[C]の添加量>構成要素
[C]の量は、微粒子の添加による耐衝撃性向上効果を
奏し、一方、構成要素[B]との混合を容易とし、プリ
プレグのタック・ドレープ性が大幅に低下してしまうの
を防止する観点から、構成要素[B]の1〜50重量%
の範囲であることが好ましい。
【0048】特に、マトリックス樹脂の剛性を複合材料
の圧縮強度の発現に活かしたまま、破断伸度の高い柔軟
な特性を有する高靭性樹脂層で複合材料の層間を高靭性
化するような目的で使用する場合には、1重量%〜15
重量%の範囲が好適である。
【0049】<構成要素[C]の素材と[L]の相分離
形態>構成要素[C]は、[B]に溶解するものであれ
ば如何なる樹脂でもよい。さらに、硬化過程で溶解性が
下がり、積層層間に相分離構造を有する樹脂層を形成す
るものであれば、一層好ましい。かかる樹脂層を形成さ
せるためには、相分離構造を有する樹脂フィルムとプリ
プレグとを交互に積層する方法の他に、表面付近に熱可
塑性樹脂粒子が分散しているプリプレグを使用した場合
には、タック・ドレープ性が大幅に改良できることか
ら、より好ましい方法であると考えられる。
【0050】本発明で用いる熱可塑性微粒子は、積層プ
リプレグを加熱硬化させる過程で、一旦、構成要素
[B]に溶解した後に、相分離するのが好ましい。この
ような熱可塑性樹脂微粒子の好ましい素材は、例えば、
主鎖に、炭素炭素結合、アミド結合、イミド結合、シロ
キサン結合、エステル結合、エーテル結合、シロキサン
結合、カーボネート結合、ウレタン結合、尿素結合、チ
オエーテル結合、スルフォン結合、イミダゾール結合、
カルボニル結合から選ばれる結合を有する熱可塑性樹脂
であり、具体的には、ポリアミド、ポリカーボナート、
ポリアセタール、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニ
レンスルフィド、ポリアリレート、ポリエステル、ポリ
アミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリシロキサン、
ポリスルフォン、ポリエーテルスルフォン、ポリエーテ
ルエーテルケトン、ポリアラミド、ポリベンズイミダゾ
ールなどがあげられる。なかでも、下記式[I]で表さ
れる構造を有するポリエーテルイミド化合物は、ポリイ
ミドに特徴的な耐熱性をそれほど損うことなく、分子内
にエーテル結合が存在することにより柔軟性、靭性を優
れたものにすることができる観点から特に好ましい。
【0051】
【化2】 また、靭性を一層優れたものとし、複合材料の耐衝撃性
を一層高くする観点から、このポリエーテルイミド化合
物の数平均分子量は5000以上、さらには10000
以上が好ましい。
【0052】かかるポリエーテルイミド化合物は、対応
する芳香族ジアミノ化合物と3,3′,4,4′−ジフ
ェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物とから合成す
ることができる。芳香族ジアミノ化合物の例としては、
ビス(アミノフェノキシ)ジフェニルプロパン、ビス
(アミノフェノキシ)ジフェニルヘキサフルオロプロパ
ン、ビス(アミノフェノキシ)ジフェニルスルフォンな
どを挙げることができる。エーテル結合の様式がパラ配
位のみであるよりはメタ配位やオルト配位を有している
ものの方が、分子の屈曲性が高くなり、柔軟性や靭性お
よび溶解性の点から好ましい。
【0053】ところで、該プリプレグから得られた複合
材料中の構成要素[L]の相分離形態としては、熱可塑
性樹脂に富む成分中に熱硬化性樹脂に富む成分が分散す
る構造、逆に、熱硬化性樹脂に富む成分中に熱可塑性樹
脂に富む成分が分散する構造、また、熱硬化性樹脂に富
む成分と熱可塑性樹脂に富む成分との両方の樹脂成分が
連続相を形成する構造等が考えられる。これらの相分離
構造の中で、構成要素[L]が、より効果的なエネルギ
ー吸収を行ない、結果的に、耐衝撃性能の良好な複合材
料を実現するには、少なくとも、より高靭性である熱可
塑性樹脂に富む樹脂相が、好ましくは3次元的に連続相
を形成することが好都合である。また、それぞれの連続
相の内部に、さらに細かい他相の分散相を有するものも
好ましい。このような分散構造を実現するためには、例
えば、特公平2−305860号公報に記載されている
ように、熱可塑性樹脂粒子は、構成要素[B]に容易に
溶解する成分と、構成要素[B]には容易に溶解しない
成分とを合わせ持つような構造であることが好ましい。
【0054】構成要素[B]に容易に溶解する成分とし
ては、主鎖に、炭素炭素結合、アミド結合、イミド結
合、エステル結合、エーテル結合、カーボネート結合、
ウレタン結合、尿素結合、チオエーテル結合、スルフォ
ン結合、イミダゾール結合、カルボニル結合から選ばれ
る結合を有する熱可塑性樹脂を選択することが出来る
が、耐熱性と耐衝撃性とを考慮すると、イミド結合を有
する熱可塑性樹脂が特に好ましい。一方、構成要素
[B]には容易に溶解しない成分としては、シロキサン
結合を有する熱可塑性樹脂を挙げることが出来る。従っ
て、構成要素[C]の素材としては、[B]に溶解性の
イミド結合と、非溶解性のシロキサン結合とを併せもつ
熱可塑性樹脂が更に好適である。
【0055】さて、構成要素[L]中に形成された相分
離構造中の2つの相は、それぞれ弾性率が異なるため、
応力を受けた際に、相界面部に応力集中が生じ、破壊は
この相構造に沿って進展しやすい。この時、構成要素間
が化学結合によって結ばれていることは、相界面剥離を
引き起こさないという効果をもたらす。従って、構成要
素[L]中に形成された相分離構造中の相界面の接着性
を大きくするために、その素材である熱可塑性樹脂の末
端部分および/または主鎖中に、構成要素[B]と反応
し得る官能基を導入することが好ましい。この様な官能
基としては、アミノ基、水酸基、カルボキシル基などを
挙げることが出来る。
【0056】これらの熱可塑性樹脂は、ポリマーを用い
てもよいが、ポリマーより分子量の低い、いわゆるオリ
ゴマーを用いることがより好ましい。ここでいうオリゴ
マーとは、数平均分子量が1万以下の化合物である。分
子量が1万より大きいポリマーを用いた場合には、成形
時の樹脂粘度が大きくなりすぎて樹脂の流動性が損われ
るので、成形性の点から好ましくない。また、オリゴマ
ーの分子量が低すぎると、逆に層間部分の流動性が大き
くなりすぎて、複合材料中に適切な厚みの層間樹脂層が
形成されなくなったり、仮に層間樹脂層が得られたとし
ても、この部分の靭性が低くなってしまうので、複合材
料の耐衝撃性を十分に高めることが出来なくなってしま
う。オリゴマーの好ましい分子量の範囲としては、30
00〜7000である。
【0057】<構成要素[L]中の熱可塑性樹脂の量>
構成要素[L]中に存在する熱可塑性樹脂に富む相は、
熱可塑性樹脂に富む相を容易に連続相としうる観点か
ら、この樹脂層の20体積%以上、さらには、30体積
%以上であることが好ましい。
【0058】<構成要素[L]の厚み>このような構成
要素[L]の厚みは、耐衝撃性の効果を十分とし、一
方、複合材料中の繊維含有率が小さくなりすぎて、複合
材料の強度や弾性率が大きく低下してしまうことを防止
する観点から、各層厚みの1〜50%の厚みの範囲にあ
ることが好ましい。特に、マトリックス樹脂の剛性を複
合材料の圧縮強度の発現に活かしたまま、破断伸度の高
い柔軟な特性を有する高靭性樹脂層で複合材料の層間を
高靭性化するような目的で使用する場合は、5〜20%
範囲が好適である。
【0059】
【実施例】以下、実施例により本発明をより詳細に説明
する。 [参考例1] (シロキサンイミド微粒子の合成)窒素導入入口、温度
計、撹拌機および脱水トラップを装着した500ml容
のセパラブルフラスコ中に、窒素置換のもとで、23.
49g(0.0768モル)の和歌山精化社製2、2−
ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサ
フルオロプロパン、27.71g(0.0768モル)
のアミノ基当量が440であるアミノ末端ジメチルシロ
キサン(信越化学(株)社製X22−161−AS)を
入れ、更に、150mlのジメチルアセトアミドを加え
て、固形分を均一に溶解した。系全体を氷水で充分に冷
却した後に、19.64g(0.0668モル)の三菱
化成(株)製ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を撹
拌しながら、氷冷下で添加した。添加終了後、氷冷下で
1時間撹拌した後、更に室温で1時間撹拌を継続した。
次いで、系を100℃に昇温し1時間撹拌して反応を完
結させた。
【0060】系を室温に戻してから、20mlのトルエ
ンと10mlのトリエチルアミンとを添加して、再び系
を加熱し、反応により生成する水を、トルエンと共に共
沸させることにより系外に除去し、2時間後に、ほぼ理
論量の水を得た。
【0061】この反応混合物を室温に冷却した後、水中
に投入し、生成した固形物を濾集した。この固形物を一
昼夜乾燥して、55gの淡黄色固体を得た(収率75
%)。これを200メッシュのふるいにかけて、74μ
以下の粒径を有する微粒子を得た。 [実施例1]以下の構成よりなる一方向プリプレグを製
造した。プリプレグの製造は、まず、あらかじめ下記の
強化繊維とマトリックス樹脂とからなる、マトリックス
樹脂の重量分率が32%のプリプレグを作製し、次い
で、この片面に参考例1で合成したイミドシロキサン樹
脂微粒子を均一に散布することによって行なった。
【0062】 <強化繊維>:東レ(株)製炭素繊維“トレカ”T800H-12K (登録商標) <マトリックス樹脂組成>: N,N−ビスマレイミドジアミノジフェニルメタン(チバガイギー社製、 5292A) 215重量部 N,N−ビスマレイミドトリレンジアミン(三井東圧(株)製、BMI− TDA) 113重量部 o,o−ジアリルビスフェノールA(チバガイギー社製5292B) 246重量部 熱可塑性ポリイミド(チバガイギー社製、5218) 64重量部 <微粒子>:参考例1で得たイミドシロキサン樹脂微粒子 113重量部 得られたプリプレグ中の樹脂の重量分率は36%であっ
た。単位面積当りの炭素繊維量は、190g/m2 であ
った。
【0063】このプリプレグを2枚の平滑なテフロン板
の間に挟み、7日間かけて徐々に150℃まで上げて硬
化させ、その断面を観察した。プリプレグ表面からプリ
プレグの厚みの30%迄の範囲に存在する微粒子の量を
評価したところ、その値は、96%であった。
【0064】次に、このプリプレグを疑似等方的に24
枚積層し、通常のオートクレーブによる成型を190℃
で4時間、6kgf/cm2 の圧力下で行なった。成型後、断
面を電子顕微鏡で観察すると、イミドシロキサン部分を
連続相とするミクロ相分離構造を形成していることが判
った。
【0065】これら断面観察は、染色剤で微粒子を染色
することなしに行なうことができた。
【0066】擬似等方硬化板を縦150mm、横100mm
に切削して、中心に1500インチ・ポンド/インチの
落錘衝撃を与えた後、超音波探傷機により、損傷面積を
測定したところ、1.1平方インチであった。次いで、
ASTM D−695に従って、衝撃後の圧縮強度を測
定すると、45ksiであった。
【0067】次に、同じプリプレグを用いて一方向16
プライ積層板を成形し、約2mmの厚さを有する複合材料
とし、糸方向長さ127mm、幅1.9mmに切出し、試験
長60mm、変位速度2.5mm/minで繊維方向と垂直に引
っ張り試験を行なった。この時の引っ張り強度は、9.
0kgf/mm2 であった。 [実施例2]構成要素[C]として、参考例1で合成し
たイミドシロキサン樹脂微粒子を34重量部用いた他
は、実施例1と同一の構成よりなる一方向プリプレグを
製造した。
【0068】このプリプレグを24枚疑似等方的に積層
し、通常のオートクレーブによる成型を190℃で4時
間、6kgf/cm2 の圧力下で行なった。成型後、断面を電
子顕微鏡で観察すると、イミドシロキサン部分を連続相
とするミクロ相分離構造を形成していることが判った。
【0069】これら断面観察は、染色剤で微粒子を染色
することなしに行なうことができた。
【0070】擬似等方硬化板を縦150mm、横100mm
に切削して、中心に1500インチ・ポンド/インチの
落錘衝撃を与えた後、超音波探傷機により、損傷面積を
測定したところ、2.0平方インチであった。次いで、
ASTM D−695に従って、衝撃後の圧縮強度を測
定すると、38ksiであった。
【0071】次に、同じプリプレグを用いて一方向16
プライ積層板を成形し、約2mmの厚さを有する複合材料
とし、糸方向長さ127mm、幅1.9mmに切出し、試験
長60mm、変位速度2.5mm/minで繊維方向と垂直に引
っ張り試験を行なった。この時の引っ張り強度は、9.
2kgf/mm2 であった。 [実施例3]構成要素[C]として、5218(チバガ
イギー社製ポリイミド)を凍結粉砕して得た粒径100
μ以下の微粒子を用いた他は、実施例1と同一の構成よ
りなる一方向プリプレグを製造した。
【0072】このプリプレグを2枚の平滑なテフロン板
の間に挟み、7日間かけて徐々に150℃まで上げて硬
化させ、その断面を観察した。プリプレグ表面からプリ
プレグの厚みの30%迄の範囲に存在する微粒子の量を
評価たところ、その値は、94%であった。
【0073】次に、このプリプレグを24枚疑似等方的
に積層し、通常のオートクレーブによる成型を190℃
で4時間、6kgf/cm2 の圧力下で行なった。成型後、断
面を電子顕微鏡で観察すると、ポリイミド部分を連続相
とするミクロ相分離構造を形成していることが判った。
【0074】これら断面観察は、染色剤で微粒子を染色
することなしに行なうことができた。
【0075】擬似等方硬化板を縦150mm、横100mm
に切削して、中心に1500インチ・ポンド/インチの
落錘衝撃を与えた後、超音波探傷機により、損傷面積を
測定したところ、3.5平方インチであった。次いで、
ASTM D−695に従って、衝撃後の圧縮強度を測
定すると、35ksiであった。
【0076】次に、同じプリプレグを用いて一方向16
プライ積層板を成形し、約2mmの厚さを有する複合材料
とし、糸方向長さ127mm、幅1.9mmに切出し、試験
長60mm、変位速度2.5mm/minで繊維方向と垂直に引
っ張り試験を行なった。この時の引張強度は、9.0kg
f/mm2 であった。 [実施例4]以下の構成よりなる一方向プリプレグを製
造した。プリプレグの製造は、まず、あらかじめ下記の
強化繊維とマトリックス樹脂とからなる、マトリックス
樹脂の重量分率が32%のプリプレグを作製し、次い
で、この片面に参考例1で合成したイミドシロキサン樹
脂微粒子を均一に散布することによって行なった。
【0077】 <強化繊維>:東レ(株)製炭素繊維“トレカ” T800-H-12K (登録商標) <マトリックス樹脂組成>: N,N−ビスマレイミドジアミノジフェニルメタン(チバガイギー社製、 5292A) 215重量部 N,N−ビスマレイミドトリレンジアミン(三井東圧(株)製、BMI− TDA) 113重量部 o,o−ジアリルビスフェノールA(チバガイギー社製、5292B) 246重量部 <微粒子>:参考例1で得たイミドシロキサン樹脂微粒子 101重量部 得られたプリプレグ中の樹脂の重量分率は35%であっ
た。単位面積当りの炭素繊維量は、190g/m2 であ
った。
【0078】このプリプレグを2枚の平滑なテフロン板
の間に挟み、7日間かけて徐々に150℃まで上げて硬
化させ、その断面を観察した。プリプレグ表面からプリ
プレグの厚みの30%迄の範囲に存在する微粒子の量を
評価したところ、その値は95%であった。
【0079】次に、このプリプレグを24枚疑似等方的
に積層し、通常のオートクレーブによる成型を190℃
で4時間、6kgf/cm2 の圧力下で行なった。成型後、断
面を電子顕微鏡で観察すると、イミドシロキサン部分を
連続相とするミクロ相分離構造を形成していることが判
った。
【0080】これら断面観察は、染色剤で微粒子を染色
することなしに行なうことができた。
【0081】擬似等方硬化板を縦150mm、横100mm
に切削して、中心に1500インチ・ポンド/インチの
落錘衝撃を与えた後、超音波探傷機により、損傷面積を
測定したところ、3.6平方インチであった。次いで、
ASTM D−695に従って、衝撃後の圧縮強度を測
定すると、33ksiであった。
【0082】次に、同じプリプレグを用いて一方向16
プライ積層板を成形し、約2mmの厚さを有する複合材料
とし、糸方向長さ127mm、幅1.9mmに切出し、試験
長60mm、変位速度2.5mm/minで繊維方向と垂直に引
っ張り試験を行なった。この時の引っ張り強度は、8.
8kgf/mm2 であった。 [比較例1]構成要素[C]として、トーロン(アモコ
社製ポリアミドイミド)を凍結粉砕して得た平均粒径2
5μの微粒子を用いた他は、実施例4と同一の構成より
なる一方向プリプレグを製造した。
【0083】プリプレグの表面からプリプレグの厚みの
30%までの範囲に存在する微粒子の量を評価したとこ
ろ、その値は95%であった。また、成形後の複合材料
の断面を観察したところ、用いた微粒子は未溶解のまま
残存しており、これらは積層板の層間部分に集中的に存
在していることが確認できた。
【0084】擬似等方板に1500インチ・ポンド/イ
ンチの落錘衝撃を与えた後、超音波探傷機により、損傷
面積を測定したところ、4.3平方インチであった。次
いで、衝撃後の圧縮強度を測定したところ、24ksi
であり、実施例と比較して劣っていた。また、損傷部を
光学顕微鏡で観察すると図2に示すように、層間を伝播
するクラックの経路は直線的であり、さしたるエネルギ
ー吸収は行なわれなかったことがわかる。
【0085】また、繊維方向と垂直に引っ張り試験を行
なったところ、引っ張り強度は、8.4kgf/mm2 とな
り、実施例よりも劣っていた。 [比較例2]構成要素[C]を使用しなかった他は、実
施例1と同一の構成よりなる一方向プリプレグを製造し
た。
【0086】擬似等方板に1500インチ・ポンド/イ
ンチの落錘衝撃を与えた後、超音波探傷機により、損傷
面積を測定したところ、5.1平方インチであった。次
いで、衝撃後の圧縮強度を測定したところ、23ksi
であり、実施例と比較して劣っていた。
【0087】また、繊維方向と垂直に引っ張り試験を行
なったところ、引っ張り強度は、8.5kgf/mm2 とな
り、実施例よりも劣っていた。 (参考例2) [ポリエーテルイミド微粒子の合成]窒素導入入口、温
度計、撹拌機および脱水トラップを装着した500ml
容のセパラブルフラスコ中に、窒素置換のもとで、5
1.85g(0.100モル)の和歌山精化社製2,2
−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキ
サフルオロプロパン、および150mlのジメチルアセ
トアミドを加えて、固形分を均一に溶解させた。系全体
を氷水で充分に冷却した後に、31.02g(0.10
0モル)のダイセル化学社製ジフェニルエーテルテトラ
カルボン酸二無水物を撹拌しながら、氷冷下で添加し
た。添加終了後、氷冷下で1時間撹拌した後、更に室温
で1時間撹拌を継続した。次いで、系を100℃に昇温
し1時間撹拌して反応を完結させた。
【0088】系を室温に戻してから、20mlのトルエ
ンと10mlのトリエチルアミンとを添加して、再び系
を加熱し、反応により生成する水を、トルエンと共に共
沸させることにより系外に除去し、2時間後に、ほぼ理
論量の水を得た。
【0089】この反応混合物を室温に冷却した後、水中
に投入し、生成した固形物を濾集した。この固形物を一
昼夜180℃で乾燥して、44.4gの淡黄色固体を得
た(収率:56%)。これを200メッシュのふるいに
かけて、74μ以下の粒径を有する微粒子を得た。
【0090】このポリマーの数平均分子量をジメチルホ
ルムアミド溶媒を用いてゲルパーミエーションクロマト
グラフィーで測定すると、ポリエチレングリコール換算
で22000であった。また、ガラス転移温度は、示差
熱分析計によると232℃であった。更に、イミド化率
が約95%であること、およびアミン末端率が約95%
であることがNMRスペクトルから判った。 (実施例5)以下の構成よりなる一方向プリプレグを製
造した。プリプレグの製造は、まず、あらかじめ次の強
化繊維とマトリックス樹脂組成物とからなる、強化繊維
の重量分率が32%のプリプレグを作製し、次いで、こ
の片面に、参考例2で合成したポリエーテルイミド樹脂
微粒子を均一に散布することによって行なった。
【0091】 <強化繊維>:東レ(株)製炭素繊維“トレカ T800H-12K”(登録商標) <マトリックス樹脂組成>: N,N−ビスマレイミドジアミノジフェニルメタン(チバガイギー社製、 5292A) 215重量部 N,N−ビスマレイミドトリレンジアミン(三井東圧(株)社製、BMI− TDA) 113重量部 o,o−ジアリルビスフェノールA(チバガイギー社製、5292B) 246重量部 熱可塑性ポリイミド(チバガイギー社製、5218) 64重量部 <微粒子>:参考例2で得たポリエーテルイミド樹脂微粒子 113重量部 得られたプリプレグ中の樹脂の重量分率は、36%であ
った。単位面積辺りの炭素繊維量は、190g/m2 で
あった。
【0092】このプリプレグを2枚の平滑なテフロン板
の間に挟み、7日間かけて徐々に150℃まで上げて硬
化させ、その断面を観察した。プリプレグ表面からプリ
プレグの厚みの30%迄の範囲に存在する微粒子の量を
評価したところ、その値は、96%であった。
【0093】次に、このプリプレグを24枚疑似等方的
に積層し、通常のオートクレーブによる成型を190℃
で4時間、6kgf/cm2 の圧力下で行なった。成型後、断
面を電子顕微鏡で観察すると、ポリエーテルイミド部分
を連続相とするミクロ相分離構造を形成していることが
判った。
【0094】これら断面観察は、染色剤を用いて染色す
ることなしに行なうことができた。擬似等方硬化板を縦
150mm、横100mmに切削して、中心に1500イン
チ・ポンド/インチの落錘衝撃を与えた後、超音波探傷
機により、損傷面積を測定したところ、1.1平方イン
チであった。次いで、ASTM D−695に従って、
衝撃後の圧縮強度を測定すると、46ksi であった。ま
た、損傷部を光学顕微鏡で観察したところ図1に示すと
おりであり、層間を伝播するクラックの経路は複雑であ
り、大きなエネルギー吸収が行なわれたことが判る。
【0095】次に、同じプリプレグを用いて一方向16
ply積層板を成形し、約2mmの厚さを有する複合材料
とし、糸方向長さ127mm、幅1.9mmに切出し、試験
長60mm、変位速度2.5mm/min. で繊維方向と垂直に
引っ張り試験を行なった。この時の引っ張り強度は、
9.3kgf/mm2 であった。
【0096】
【発明の効果】本発明のプリプレグは、プリプレグとし
てのタック性、ドレープ性を確保しつつ、コンポジット
とした時に高い耐衝撃性および非繊維軸引っ張り強度と
を得ることができる。
【0097】また、プリプレグの粘着性と柔軟性とを確
保しつつ、強化繊維の方向以外の強度、すなわち非繊維
軸引っ張り強度や衝撃後圧縮強度に対して顕著に改良の
なされた複合材料を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例5で作製した本発明の複合材料につい
て、衝撃後圧縮強度を測定した後の、損傷部の光学顕微
鏡写真(200倍)。
【図2】比較例1で作製した複合材料について、衝撃後
圧縮強度を測定した後の、損傷部の光学顕微鏡写真(2
00倍)。
フロントページの続き (72)発明者 窪田 吉伸 愛媛県伊予郡松前町大字筒井1515 東レ株 式会社愛媛工場内 (72)発明者 村木 俊夫 愛媛県伊予郡松前町大字筒井1515 東レ株 式会社愛媛工場内

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】次の構成要素[A]、[B]、[C]から
    なるプリプレグであって、[C]の90%以上が、プリ
    プレグの片側または両側においてプリプレグの厚さの3
    0%の深さの範囲内に局在化していることを特徴とする
    プリプレグ。 [A]:長繊維からなる強化繊維 [B]:マトリックス樹脂 [C]:[B]成分に可溶の熱可塑性樹脂からなる微粒
  2. 【請求項2】構成要素[C]の添加量が、構成要素
    [B]に対して1〜50重量部の範囲であることを特徴
    とする請求項1項記載のプリプレグ。
  3. 【請求項3】構成要素[C]の粒子径が、150μ以下
    であることを特徴とする請求項1記載のプリプレグ。
  4. 【請求項4】構成要素[C]が、イミド連鎖を有する熱
    可塑性樹脂からなる微粒子であることを特徴とする請求
    項1記載のプリプレグ。
  5. 【請求項5】構成要素[C]が、シリコーン連鎖を有す
    る熱可塑性樹脂からなる微粒子であることを特徴とする
    請求項1記載のプリプレグ。
  6. 【請求項6】構成要素[C]が、イミド連鎖とシリコー
    ン連鎖を共に有する熱可塑性樹脂からなる微粒子である
    ことを特徴とする請求項1記載のプリプレグ。
  7. 【請求項7】構成要素[C]が、下記式[I]で表され
    る構造を有し、数平均分子量が5000以上のポリマー
    からなる微粒子であることを特徴とする請求項2または
    請求項3記載のプリプレグ。 【化1】
  8. 【請求項8】構成要素[B]が、熱硬化性樹脂と熱可塑
    性樹脂との混合物であることを特徴とする請求項1記載
    のプリプレグ。
  9. 【請求項9】熱硬化性樹脂が、エポキシ樹脂、ポリマレ
    イミド樹脂、シアネート樹脂、ポリイミド樹脂、また
    は、これらの混合物であることを特徴とする請求項8記
    載のプリプレグ。
  10. 【請求項10】熱可塑性樹脂が、ポリイミド樹脂である
    ことを特徴とする請求項8記載のプリプレグ。
  11. 【請求項11】構成要素[C]が、熱可塑性樹脂のオリ
    ゴマーからなる微粒子であることを特徴とする請求項1
    記載のプリプレグ。
  12. 【請求項12】次の構成要素[A]、[B]、[L]か
    らなる複合材料であって、[L]が積層層間に局在する
    ことを特徴とする複合材料。 [A]:長繊維からなる強化繊維 [B]:マトリックス樹脂 [L]:相分離構造を有する高靭性樹脂層
  13. 【請求項13】構成要素[L]が熱可塑性樹脂に富む相
    を20〜90体積%含むことを特徴とする請求項12記
    載の複合材料。
  14. 【請求項14】構成要素[L]の厚みが、各層厚みの5
    〜50%であることを特徴とする請求項12記載の複合
    材料。
  15. 【請求項15】構成要素[L]が相分離構造を有し、熱
    可塑性樹脂に富む相が連続相であることを特徴とする請
    求項12記載の複合材料。
  16. 【請求項16】次の構成要素[A]、[B]、[C]か
    らなる複合材料であって、[C]の90%以上が、プリ
    プレグの片側または両側においてプリプレグの厚さの3
    0%の深さの範囲内に局在化しているプリプレグを積層
    してなることを特徴とする複合材料。 [A]:長繊維からなる強化繊維 [B]:マトリックス樹脂 [C]:[B]成分に可溶の熱可塑性樹脂からなる微粒
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