JPH0641724A - 透明導電膜の製造装置 - Google Patents

透明導電膜の製造装置

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JPH0641724A
JPH0641724A JP4201504A JP20150492A JPH0641724A JP H0641724 A JPH0641724 A JP H0641724A JP 4201504 A JP4201504 A JP 4201504A JP 20150492 A JP20150492 A JP 20150492A JP H0641724 A JPH0641724 A JP H0641724A
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JP
Japan
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substrate
transparent conductive
conductive film
chamber
sputtering
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JP4201504A
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English (en)
Inventor
Akira Ishibashi
暁 石橋
Hajime Nakamura
肇 中村
Junya Kiyota
淳也 清田
Kyuzo Nakamura
久三 中村
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Ulvac Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 基板上に低抵抗率の透明導電膜を容易に能率
よく形成させる装置。 【構成】 基板とターゲットを対向させて設けた真空室
内に、該基板を300℃以上に保持しながら、ターゲッ
トへのスパッタにより該基板上に透明導電膜を形成した
後、真空中で基板を250℃以下に急冷する基板冷却装
置を設けた透明導電膜の製造装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、透明導電膜の製造装置
に関し、更に詳細には、液晶を始めとする表示素子や、
太陽電池等に電極として用いられるIn−Sn−O系透
明導電膜を始めとする酸化物透明導電膜を製造する透明
導電膜の製造装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の透明導電膜の製造方法と
しては、塗布法、スプレー法、蒸着法、スパッタ法等が
知られている。これら製造方法のうち、スパッタ法によ
るものは、比較的低抵抗な透明導電膜を得やすく、また
この透明導電膜を大面積基板上に均一に再現性よく形成
することが出来る点で他の製造方法より優れている。ま
た、液晶等に用いられる例えばIn−Sn−O系透明導
電膜(以下ITO膜という)を形成する量産用スパッタ
装置としては、真空室内に複数の基板を基板ホルダーに
設置し、バッチ毎に処理を行うバッチスパッタ装置と、
大気中からスパッタ室内に基板を連続的に送り込みなが
らスパッタ法で透明導電膜を形成し、これを連続的に取
り出すインラインスパッタ装置が知られており、用途に
応じて使い分けられていた。
【0003】ITO膜の電導電子はInのサイトを置換
した添加物イオン(Sn4+ )と、化学量論組成から酸
素の欠損(酸素欠損ドナー)の2種類のドナーにより形
成されている。そして、スパッタ法でITO膜を形成す
る場合、成膜温度が膜特性に大きな影響を与える。一般
的に、成膜温度を上げることにより、膜の結晶性が向上
し、ドナーとなる添加元素のイオン化(Sn4+ )が促
進されるため、キャリア電子の移動度と密度の双方が改
善され、結果として抵抗率が低下する。
【0004】従って、スパッタ法で素ガラス上に直接形
成、或いは耐熱性の高い基板上にITO膜を形成する場
合は、スパッタ装置内で基板の温度を300℃以上に上
げて、成膜を行っていた。また、従来スパッタ装置では
いずれの場合も、成膜後、基板が高温度状態のまま大気
中に取り出すようにしていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
スパッタ装置ではいずれの場合も高温度でITO膜を形
成した直後、大気中に取り出しているため、高温度のI
TO膜が空気に触れて酸化し低抵抗膜が得られないとい
う問題があった。何故ならば、300℃以上の高温度の
基板上に形成されたITO膜をそのまま大気中に晒すと
ITO膜に酸化が起こり、前記2つのドナーが消滅し、
抵抗率が劣化するからである。
【0006】本発明は、従来スパッタ装置がもつ問題点
を解消するもので、300℃以上の高温で透明導電膜を
形成する場合に、より低抵抗な透明導電膜を得ることが
出来る透明導電膜の製造装置を提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の透明導電膜の製
造装置は、真空室内に基板とターゲットとを対向させて
設け、該基板を300℃以上に保持しながら、該基板と
ターゲットとの間に生ずるプラズマ放電により、基板上
に透明導電膜をスパッタ法で形成する透明導電膜の製造
装置において、該製造装置は透明導電膜の形成後、真空
中で基板を250℃以下に急冷する基板冷却装置を備え
ていることを特徴とする。
【0008】
【作用】本発明の透明導電膜の製造装置は、成膜後に真
空中で基板を250℃以下に急冷する冷却装置を備えて
いるため、基板を300℃以上の温度に保持しながらス
パッタ法で形成した透明導電膜を、250℃以下に急冷
することが出来て、その後大気中に取り出しても基板上
に形成された透明導電膜は酸化によるキャリア電子の減
少が生じないから、得られる透明導電膜の抵抗率は低い
ままの状態となる。
【0009】
【実施例】本発明の実施例を添付図面に基づき説明す
る。
【0010】図1は本発明の透明導電膜の製造装置の1
例を示すもので、図示例はトレイ搬送方式のスパッタ装
置の模式図であり、該スパッタ装置は、スパッタ室1、
基板仕込室2、および基板取出室3から構成されてお
り、バルブ4により基板仕込室2、スパッタ室1、基板
取出室3の順で互いに連通されている。そして、スパッ
タ室1内はバルブ5を介してクライオポンプ等で構成さ
れた真空排気装置6に接続されており、該真空排気装置
6によってスパッタ室1内の真空度を調整自在とすると
共に、該スパッタ室1内に連通されたガス導入管7から
例えばアルゴンガスと酸素ガスから成るスパッタガスを
単独ガスで或いは混合ガスでマスフローコントロール8
で流量を制御しながらノズル9より導入出来るようにし
た。
【0011】また、スパッタ室1内に基板ホルダー10
に保持された基板11と、マグネトロンカソード12と
を平行状態で対向配置した。そして、基板ホルダー10
はマグネトロンカソード12と平行状態を保ったままで
スパッタ室1内を移動出来るように配置されている。
尚、図示していないが、該基板ホルダー10は前記のよ
うに直線移動させるための駆動装置が設けられている。
また、前記基板11の背後に成膜中の基板11温度を所
定温度に加熱制御するためのシースヒータ13を配置し
た。
【0012】また、マグネトロンカソード12はその前
面にはロウ材でターゲット14が固定されており、該マ
グネトロンカソード12の背面に電磁石15が収容され
たカソードケース16を配置すると共に、カソードケー
ス16に直流電源17を接続し、該直流電源17でマグ
ネトロンカソード12に所定の電流を印加してスパッタ
室1内でマグネトロンスパッタを行えるようにした。
【0013】また、前記基板11は基板仕込室2側で基
板ホルダー10に装着された後、スパッタ室1内で表面
に透明導電膜が形成され、引続き基板11は基板取出室
3側から取り出されるようになっている。
【0014】また、基板仕込室2および基板取出室3に
は夫々クライオポンプ等で構成される真空排気装置1
8,19がバルブ20,21を介して接続されている。
【0015】かかる構成は従来の透明導電膜の製造装置
と特に変わりはないが、本発明装置は、基板取出室3内
に基板冷却装置22を配置したもので、図示例では基板
取出室3内の基板11の通過位置に一対の基板冷却装置
22を対向させて配置した。そして、該基板冷却装置2
2は基板取出室3外に配置せる循環ポンプ23より一定
温度の液体(例えば温度24℃の恒温水)を循環パイプ
24を介して基板冷却装置22内に循環せしめて基板1
1を温度250℃以下に冷却出来るようにした。
【0016】尚、図中、25は所定の開口部26が設け
られた防着板、27はスパッタ室1に接続したアース、
28はストップバルブ付きスパッタガス供給源、29は
基板仕込室2に設けたバルブ、30は基板取出室3に設
けたバルブを示す。
【0017】ここで前記図1の透明導電膜の製造装置を
用いて基板上への成膜のプロセスを簡単に説明する。
【0018】先ず、基板仕込室2内で基板ホルダー10
に基板11を保持せしめる。そして、スパッタ室1内を
真空排気装置6で、基板仕込室2内を真空排気装置18
で、基板取出室3内を真空排気装置19で夫々で粗引き
および高真空排気を行う。続いて高真空排気されたスパ
ッタ室1内に基板11をバルブ4を介して搬送せしめた
後、基板11をシースヒータ13により例えば温度40
0℃に加熱し、次いで、スパッタ室1内にアルゴンガス
および酸素ガスから成るスパッタガスを導入して、所定
圧力に調整した後、スパッタを開始する。そして、基板
11をマグネトロンカソード12上を一定速度で通過さ
せると共に、基板11上に所定の膜厚の透明導電膜を形
成させるようにする。成膜が完了した後、スパッタガス
の導入と、スパッタを停止し、基板11を基板取出室3
内にバルブ4を介して搬送せしめた後、該基板取出室3
内で基板冷却装置22により基板11を温度250℃以
下に急冷する。続いて、基板11が250℃以下に冷却
された後、基板取出室3内に空気を導入せしめて大気圧
に戻した後、基板11を基板取出室3内より取り出すよ
うにする。
【0019】尚、スパッタ室1内での成膜中の真空度と
しては基板に形成する透明導電膜の種類によって異なる
が、一般的には1×10- 3〜1×10- 2Torr程度とす
ればよい。また、成膜後の基板の冷却中の真空度として
は基板に形成する透明導電膜の種類によって異なるが、
一般的には1×10- 5〜1×10- 4Torr程度とすれば
よい。
【0020】次に前記図1に示す装置を用いて、In−
Sn−O系透明導電膜(以下ITO膜という)の製造例
を説明する。
【0021】実験例1 本実験例では、基板11は縦210 mm、横210 mm、厚さ1.
1 mmのガラスNo.7059(コーニング社製)を用い、ま
た、ターゲット14はIn23に10wt%SnO2
混入した焼結体ターゲットを用いた。また、基板11と
ターゲット14との距離を80mmに設定し、マグネトロン
カソード12に供給する直流電力を630Wとし、基板
11の温度は450℃とした。
【0022】先ず、基板仕込室2内で基板ホルダー10
に基板11を保持した後、基板仕込室2内を真空排気系
18により、スパッタ室1内を真空排気系6により、ま
た基板取出室3内を真空排気系19により夫々1×10
- 5Torrに設定した後、スパッタ室1内にアルゴンガス
をノズル8より導入して5×10- 3Torrに設定した。
そして基板11を速度80mm/minで基板仕込室2よりバ
ルブ4を介してスパッタ室1内に搬送し、前記速度でス
パッタ室1内のマグネトロンカソード12上を通過させ
ながら、マグネトロンスパッタ法で1.25分間成膜し、基
板11上に膜厚1000ÅのITO膜を形成した。そし
て成膜中スパッタ室1内に酸素ガスを分圧0〜5×10
- 5Torrのの範囲で種々導入して形成されたITO膜中
の酸素欠損ドナーの最適化を行ってITO膜の抵抗率が
最小となる条件を求めた。その結果導入する酸素ガスの
分圧は1×10- 5Torrであった。
【0023】続いて、スパッタ室1内でITO膜が形成
された基板11をバルブ4を介して基板取出室3内に搬
送し、該基板取出室3内で基板冷却装置22で基板11
を急冷した後、該基板取出室3に空気を導入し、該基板
取出室3内を大気圧に戻し、基板11を取り出した。
【0024】そして、基板取出室3内で基板冷却装置2
2により冷却された基板11の温度を測定し、その温度
を表1に示した。また、基板11上に形成されたITO
膜の抵抗率を測定し、その結果を表1に示した。
【0025】比較実験例1 スパッタ室1内でITO膜が形成された基板11が基板
取出室3内に搬送された後、基板11を冷却することな
く直ちに基板取出室3内に空気を導入し、大気圧になっ
た時点で基板11を高温度状態のまま基板取出室3より
取出した以外は前記実験例1と同様の方法で基板11上
にITO膜を形成した。
【0026】そして、ITO膜が形成された後、基板取
出室3内に搬送され、基板取出室3内が大気圧となった
時点で基板11の温度を測定し、その結果を表1に示
す。また、基板11上に形成されたITO膜の抵抗率を
測定し、その結果を表1に示す。
【0027】
【表1】
【0028】表1から明らかなように、成膜後、基板が
急冷された実験例1のITO膜の抵抗率は1.5×10
- 4Ωcmであるのに対し、基板が冷却されることなく
空気に晒された比較実験例1のITO膜の抵抗率は2.
4×10- 4Ωcmであった。これは基板が340℃と
いう高温度のため空気に晒されたITO膜の酸化により
キャリア電子が減少し、その結果得られたITO膜の抵
抗率が劣化したためと考えられる。また、実験例1のよ
うにITO膜が形成された基板を基板冷却装置で急冷す
れば基板温度は230℃であるのに対し、ITO膜が形
成された基板をそのまま大気中に晒した比較実験例1で
は基板温度が340℃と高温度であった。従って、本発
明装置では基板を急冷して温度250℃以下に下げ得る
ことが確認された。
【0029】図2は本発明の製造装置の他の実施例であ
り、図示例はバッチ処理方式のスパッタ装置の模式図で
あり、該スパッタ装置は基板上への成膜と、基板の急冷
を組み込んだスパッタ室31で構成されている。そし
て、スパッタ室31内に一定速度で回転する多面体のド
ラム型の基板ホルダー32を配設し、バルブ33を通し
て基板34を基板ホルダー32の所定位置に設置し、或
いは成膜された基板34を取出せるようにした。
【0030】また、スパッタ室31内はバルブ35を介
してクライオポンプ等の真空排気装置36に接続されて
おり、該真空排気装置36によってスパッタ室31内の
真空度を調整自在とすると共に、該スパッタ室31内に
連通されたガス導入管37から例えばアルゴンガスと酸
素ガスから成るスパッタガスを単独ガス或いは混合ガス
でマスフローコントロール38で流量を制御しながらノ
ズル39より導入出来るようにした。
【0031】また、スパッタ室31内に回転する基板ホ
ルダー32に保持された基板34が通過する位置であっ
て、基板34の対向位置にマグネトロンカソード40を
基板34と平行状態に配置した。また、マグネトロンカ
ソード40の前面にはロウ材でターゲット41が固定さ
れており、該マグネトロンカソード40の背面に電磁石
42が収容されたカソードケース43を配置すると共
に、カソードケース43に直流電源44を接続し、該直
流電源44でマグネトロンカソード40に所定の電流を
印加してスパッタ室31内でマグネトロンスパッタを行
えるようにした。
【0032】また、スパッタ室31内に回転する基板ホ
ルダー32に保持された基板34が通過する位置であっ
て、基板34の対向位置に基板34を所定温度に加熱す
るシースヒータ45を配置した。図示例ではシースヒー
タ45の2個を対向させて配置した。
【0033】また、スパッタ室31内に回転する基板ホ
ルダー32に保持された基板34が通過する位置であっ
て、基板34の対向位置に基板34を冷却する基板冷却
装置46を配置すると共に、スパッタ室31外に配置せ
る循環ポンプ47より一定温度の液体(例えば温度24
℃の恒温水)を循環パイプ48を介して基板冷却装置4
6内に循環せしめて基板34を温度250℃以下に冷却
出来るようにした。図示例では基板冷却装置46の2個
を対向させて配置した。
【0034】尚、図中、49は所定の開口部50が設け
られた防着板、51はスパッタ室31に接続したアー
ス、52はストップバルブ付きスパッタガス供給源を示
す。
【0035】ここで前記図2の透明導電膜の製造装置を
用いて基板上への成膜のプロセスを簡単に説明する。
【0036】先ず、バルブ33よりスパッタ室31内の
基板ホルダー32の所定位置の夫々に基板34を保持せ
しめた後、基板ホルダー32を一定速度で回転させる。
そして、スパッタ室31内を真空排気装置36で粗引き
および高真空排気を行い、続いて高真空排気されたスパ
ッタ室31内にアルゴンガスおよび酸素ガスからなるス
パッタガスを導入して、所定圧力に調整し、基板ホルダ
ー32により一定速度で回転する基板34をシースヒー
タ45により例えば温度400℃に加熱した後、スパッ
タを開始する。そして、基板34をマグネトロンカソー
ド40の前方を通過させて基板34上に所定の膜厚の透
明導電膜を形成させるようにする。成膜が完了した時点
で、基板34の加熱およびスパッタを停止し、基板ホル
ダー32により一定速度で回転せる基板34を基板冷却
装置46で250℃以下に急冷させる。基板ホルダー3
2に保持された各基板34上での成膜と、基板冷却とが
終了した時点でスパッタガスの導入を停止し、スパッタ
室31内に空気を導入せしめて大気圧に戻した後、基板
34をバルブ33を介してスパッタ室31より取り出す
ようにする。
【0037】尚、スパッタ室31内での成膜中および冷
却中の真空度としては基板に形成する透明導電膜の種類
によって異なるが、一般的には1×10- 3〜1×10-
2Torr程度とすればよい。
【0038】次に前記図2に示す装置を用いて、In−
Sn−O系透明導電膜(以下ITO膜という)の製造例
を説明する。
【0039】実験例2 本実験例では、基板34に縦100 mm、横100 mm、厚さ1.
1 mmのガラスNo.7059(コーニング社製)を用い、ま
た、ターゲット41はIn23に10wt%SnO2
混入した焼結体ターゲットを用いた。また、基板34と
ターゲット41との距離を60mmに設定し、マグネトロン
カソード40に供給する直流電力を630Wとした。
【0040】先ず、基板ホルダー32に基板34(図示
例では8個)を保持した後、基板ホルダー32を速度3
0RPMで回転した。次いで、スパッタ室31内を真空
排気装置36により1×10- 6Torrに設定した後、ス
パッタ室31内にアルゴンガスをノズル39より導入し
て5×10- 3Torrに設定した。前記回転速度で基板3
4をシースヒータ45の前方を順次通過させながら、基
板34を加熱して温度400℃になった時点で、マグネ
トロンカソード40に印加してスパッタを開始し、マグ
ネトロンカソード40の前方を順次通過させながら、マ
グネトロンスパッタ法で11分間成膜し、各基板34上
に夫々膜厚1000ÅのITO膜を形成した後、基板3
4の加熱と、スパッタを停止した。そして成膜中スパッ
タ室31内に酸素ガスを分圧0〜5×10- 5Torrの範
囲内で種々導入して形成されたITO膜の酸素欠損ドナ
ーの最適化を行ってITO膜の抵抗率が最小となる条件
を求めた。その結果導入する酸素ガスの分圧は1×10
- 5Torrであった。
【0041】そして、ITO膜が形成された各基板34
を前記回転速度で基板冷却装置46の前方を順次通過さ
せながら各基板34を急冷した。
【0042】基板ホルダー32に保持された基板34の
全てにITO膜が形成され、かつ基板34が冷却された
時点で、スパッタガスの導入を停止し、スパッタ室31
内に空気を導入し、スパッタ室31内を大気圧に戻し、
各基板34をバルブ33より取り出した。
【0043】そして、基板冷却装置46により冷却され
た基板34の温度を測定し、その結果を表2に示した。
また、基板34上に形成されたITO膜の抵抗率を測定
し、その結果を表2に示した。
【0044】比較実験例2 基板冷却装置を全く作動させずに、成膜後、直ちにスパ
ッタ室31内に空気を導入し、大気圧に戻した以外は前
記実験例2と同様の方法で基板34上にITO膜を形成
した。
【0045】そして、成膜後、直ちにスパッタ室31内
に空気を導入し、大気圧となった時点で基板34の温度
を測定し、その結果を表2に示した。また、基板34上
に形成されたITO膜の抵抗率を測定し、その結果を表
2に示した。
【0046】
【表2】
【0047】表2から明らかなように、成膜後、基板が
急冷された実験例2のITO膜の抵抗率は1.6×10
- 4Ωcmであるのに対し、基板が冷却されることなく
空気に晒された比較実験例2のITO膜の抵抗率は2.
8×10- 4Ωcmであった。これは基板が360℃と
いう高温度のため空気に晒されたITO膜の酸化により
キャリア電子が減少し、その結果得られたITO膜の抵
抗率が劣化したためと考えられる。また、実験例2のよ
うにITO膜が形成された基板を基板冷却装置で急冷す
れば基板温度は230℃であるのに対し、ITO膜が形
成された基板をそのまま大気中に晒した比較実験例2で
は基板温度が360℃と高温度であった。従って、本発
明装置では基板を急冷して温度250℃以下に下げ得る
ことが確認された。図2装置ではマグネトロンカソード
40をスパッタ室内に1個所配置したが、本発明はこれ
に限定されるものではなく、基板ホルダー32の基板の
保持個数に合わせて2個所以上としてもよい。また、図
2装置では基板34を加熱するシースヒータ45および
基板冷却装置46を夫々2個所ずつ配置したが、本発明
はこれに限定されるものではなく、基板ホルダー32の
基板34の保持個数およびマグネトロンカソード40の
個数に合わせて1個所或いは3個所以上としてもよい。
また、図2装置では基板を加熱する加熱装置(シースヒ
ータ)と、基板を冷却する基板冷却装置とを夫々別個の
装置としたが、両装置を組み込んだ基板加熱、冷却装置
としてもよい。
【0048】前記図1装置、図2装置ではマグネトロン
カソードに印加する電力の電源を直流電源としたが、本
発明はこれに限定されるものではなく、直流電源を主電
源とし、高周波電源を副電源としてスパッタ時に直流電
力に高周波電力を重畳するようにしてもよい。
【0049】前記前記実験例1,2ではターゲットとし
てIn23にSnO2を10wt%混入した焼結体ター
ゲットを用いたが、該ターゲットに代えてIn23への
SnO2の混入量が10wt%以外の組成とした焼結体
ターゲット、In23、SnO2、ZnO、CdO−S
nO2等を基本組成とするターゲットを用いてスパッタ
を行ったところ実験例1,2と同様の結果が得られた。
即ち酸素欠損ドナーにより導電性を得る酸化物透明導電
膜の製造において低抵抗率のITO膜を製造出来ると同
様の効果が得られる。
【0050】
【発明の効果】このように本発明の透明導電膜の製造装
置によるときは、真空中で基板を250℃以下に急冷す
る基板冷却装置を備えるようにしたので、成膜後、基板
は250℃以下に冷却されるから、その後大気中に晒さ
れても基板上に形成された透明導電膜は従来装置で製造
された透明導電膜のような酸化によるキャリア電子の減
少が生じないため、低抵抗率の透明導電膜を容易にかつ
能率よく製造することが出来る装置を提供出来る効果が
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明装置の1実施例の模式図、
【図2】 本発明装置の他の実施例の模式図。
【符号の説明】
1,31 真空室、 6,36 真空排気装置、
11,34 基板、 14,41 ターゲット、
13,45 シースヒータ、 22,46 基板
冷却装置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中村 久三 千葉県山武郡山武町横田523 日本真空技 術株式会社千葉県超材料研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 真空室内に基板とターゲットとを対向さ
    せて設け、該基板を300℃以上に保持しながら、該基
    板とターゲットとの間に生ずるプラズマ放電により、基
    板上に透明導電膜をスパッタ法で形成する透明導電膜の
    製造装置において、該製造装置は透明導電膜の形成後、
    真空中で基板を250℃以下に急冷する基板冷却装置を
    備えていることを特徴とする透明導電膜の製造装置。
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