JPH0644860B2 - 培養装置 - Google Patents

培養装置

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JPH0644860B2
JPH0644860B2 JP60144810A JP14481085A JPH0644860B2 JP H0644860 B2 JPH0644860 B2 JP H0644860B2 JP 60144810 A JP60144810 A JP 60144810A JP 14481085 A JP14481085 A JP 14481085A JP H0644860 B2 JPH0644860 B2 JP H0644860B2
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    • C—CHEMISTRY; METALLURGY
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は細胞もしくは植物組織の培養装置に関するもの
である。
〔従来の技術〕
一般に細胞もしくは植物組織の培養においては、培養対
象が浮遊増殖性細胞もしくは植物組織、すなわち液体培
地中に細胞もしくは植物組織自体が浮遊した状態で増殖
することが可能である場合には、その栄養源である液体
培地中に浮遊させることにより培地と接触させることが
必要であり、また培養対象が接着依存性細胞、すなわち
液体培地中において生育および増殖するために基体に対
する接着が必須の細胞である場合には、適当な基体の表
面に当該細胞を接着させたうえで液体培地と接触させる
ことが必要である。そして接着依存性細胞を接着させる
基体としては、大きな接着面積を容易に得ることができ
ることから、最近においては小径の担体粒子が用いられ
るようになってきている。
このような接着依存性細胞、浮遊増殖性細胞もしくは植
物組織の培養を行うための方法としては、従来、回転翼
などの機械的撹拌機構により液体培地を撹拌しながらそ
の中で細胞の培養を行う方法(特開昭50−100223合公報
および特開昭59−146598合公報参照)、その他の方法が
知られている。
〔発明が解決しようとすう問題点〕
しかして目的とする細胞の培養を高い効率で行うために
は、培養対象細胞を常に新しい培地と接触させることが
肝要であり、そのためには浮遊増殖性細胞、または接着
依存性細胞が接着した担体粒子(以下これらを合わせて
単に「細胞」ともいう。)を液体培地中に均一に分散せ
しめることが必要である。
また接着依存性細胞を基体である担体粒子に接着させる
際にも、当該細胞が混合された液体培地中において担体
粒子を均一に分散せしめることができれば、当該細胞の
接着に利用することができる担体粒子の表面の有効利用
面積が大きくなり、したがって高い接着率で細胞を担体
粒子に接着することが可能となり、培養効率を高めるう
えで極めて有利である。
従来において、培養対象細胞を常に新しい液体培地に接
触させるための方法としては、液体培地中に培養対象細
胞を混合した系を回転翼によって撹拌する方法が一般的
であるが、しかしながらこの方法は液体培地と細胞との
混合系に剪断力を加えて当該細胞を分散する方法である
ため、回転翼との衝突によりあるいは大きな剪断力の作
用により培養中の細胞が損傷されることを回避すること
ができず、結局培養効率が低く、また細胞の種類によっ
てはこの方法を用いることができない場合もあるという
問題点を有する。
また上記の如き方法を実施するために、大量培養を目的
として大容量の細胞培養装置を構成する場合には、撹拌
のために大型の撹拌機が必要となり、したがって必然的
に剪断力も大きくなり、そのため培養効率がさらに低下
するようになるという問題点をも有する。このような問
題点を解消するために種々の方策が研究されてはいる
が、かかる問題点を本質的に解決する細胞培養装置は未
だ開発されていないのが現状である。
上記状況は植物組織の培養においても同様である。
〔発明の目的〕
本発明は、以上の如き事情に基づき鋭意研究を重ねた結
果完成されたものであって、その目的とするところは、
液体培地と培養対象細胞もしくは植物組織との混合系に
本質的に剪断力を与えることなく、液体培地中に細胞も
しは植物組織を均一に分散させることができ、高い効率
で細胞もしくは植物組織の培養を行うことのできる装置
を提供することにある。
〔問題点を解決するための手段〕 本発明の培養装置は、液体培地を入れる容器と、この容
器内に設けた、その容器壁の少なくとも一部が、培養さ
れる細胞もしくは植物組織に対し不透過性で液体培地透
過性の網または膜により構成され、その全体が前記液体
培地内に完全に浸漬された状態とされる内容器と、この
内容器を実質上水平な軸の周りに自転するよう回転させ
る回転駆動部とを備えてなり、前記内容器が回転される
ことにより、当該内容器内の液体培地と、細胞もしくは
植物組織との混合系が当該内容器と共に回転されること
により、前記内容器内において細胞もしくは植物組織が
培養されることを特徴とするものであり、かかる構成に
より、内容器内において、細胞もしくは植物組織を実質
上剪断力を与えずに均一に分散せしめることができ、し
かも網または膜を介して内容器内外の液体培地の交換が
可能であり、したがって高い高率で細胞もしは植物組織
の培養を行うことができる。
以下図面によって本発明を具体的に説明する。
第1図は本発明培養装置の一例を示す概略図であり、こ
の第1図の例においては、容器部1と、回転駆動部2と
により装置が構成されている。
容器部1は、容器3と、筒状の内容器4とにより構成さ
れ、容器3においては、実質的に水平な方向に伸び、内
容器4を容器3の側壁に回転可能に軸支するため一方の
回転軸31および他方の回転軸32とが設けられている。こ
の例においては、他方の回転軸32はその軸内部が中空で
あって、液体培地を内容器4内に循環(矢印で示す方
向)させるための通路を形成しており、この他方の回転
軸32は容器3の外部から内容器4内に挿通された状態で
配設され、その端部開口33は内容器4内に連通してい
る。容器3の外部においては他方の回転軸32に接続され
た管が屈曲して上方に伸び、その端部開口34が容器3の
上部から当該容器36の内部に充填された液体培地5内
に埋没された状態に配置され、これにより液体培地5を
循環するための培地循環管35が構成されている。36はポ
ンプであり、このポンプ36により必要に応じて容器3の
上部の液体培地が培地循環管35を通って内容器4内に循
環される。
内容器4は、細胞もしくは植物組織に対し不透過性で液
体培地透過性の網または膜41により構成された筒壁42
と、この筒壁42の両端部を塞ぐよう設けた側板43および
44と、これら側板43および44を連結して前記筒壁42を保
持する連結板(図示せず)により構成されている。前記
網または膜41は上述したように細胞もしくは植物組織に
対し不透過性で液体培地透過性のものであり、これより
なる筒壁42を介して液体培地のみが内容器4の内部から
外部へあるいは外部から内部へと移動することができ、
しかも内容器4内の担体粒子に接着した接着依存性細
胞、浮遊増殖性細胞もしくは植物組織は当該筒壁42を通
過することができないので、培養対象である細胞もしく
は植物組織は確実に内容器4内に存在する状態となる。
したがって内容器4を回転させることにより培養対象細
胞もしくは植物組織を均一に分散させながら当該培養対
象細胞もしくは植物組織を常時新しい液体培地と接触さ
せた状態で培養を行うことができる。また必要に応じて
前記ポンプ36により容器3の上部の液体培地を培地循環
管35を通して内容器4内に循環させるようにしてもよ
く、この場合には内容器4内の液体培地の交換を迅速に
行うことができる。
前記網または膜41の孔のサイズは培養対象細胞もしくは
植物組織の大きさなどを勘案して選定され、一概に規定
することはできないが、例えば接着依存性細胞が接着し
た担体粒子を内容器4内に存在させて培養を行う場合に
は孔のサイズは、通常、 5〜200μm、好ましくは10〜5
0μmであり、浮遊増殖性細胞を内容器4内に存在させ
て培養を行う場合には孔のサイズは、通常0.1〜10μ
m、好ましくは3〜5μmである、また植物組織を内容
器4内に存在させて培養を行う場合には孔のサイズは、
通常0.5〜200μm、好ましくは3〜10μmである。
前記網または膜41を構成する材質は、細胞もしくは植物
組織の培養に支障をきたさないものであれば、特に限定
されるものではないが、例えばナイロンおよびテフロン
(商品名)などを用いることができる。
回転駆動部2は、この例においては、モーター21と、こ
のモーター21により回転される回転磁石体22とにより構
成され、回転磁石体22は、モーター21に軸支されその回
転軸が水平となるよう位置された保持板23と、この保持
板23に固定された磁石24とにより構成されている。内容
器4の一方の側板43には磁石45が固定して設けられ、こ
の磁石45に対向するよう回転磁石体22が配置され、モー
ター21により回転磁石体22を回転させることにより、磁
石24と磁石45との間の磁力により内容器4を回転軸31お
よび32の周りに自転するよう回転させることができる。
この回転駆動部2においては、その構成は特に限定され
ず、内容器4を回転させる方法は自由に選択することが
できる。
内容器4の回転軸31および32は実質上水平に配置されて
いることが好ましく、そのようにすることにより内容器
4内において液体培地中の細胞もしくは植物組織を一層
均一に分散させることができる。すなわち、内容器4が
自転されている状態においては、内容器4内の液体培地
と細胞もしくは植物組織との混合系が液体培地の粘性に
より内容器4といわば一体的に機械的な流れのない状態
に回転軸の周りに定常的に回転するようになり、したが
って細胞もしくは細胞組織は内容器4内の液体培地に対
する相対的位置をほとんど変えることなく内容器4外に
対する存在位置を変えることとなり、このため内容器4
内の細胞もしくは植物組織には順次異なる方向から重力
が作用する状態となってこれにより細胞もしくは植物組
織が液体培地内に均一に分散するようになる。これは、
1個の細胞もしくは植物組織について見ると、第5図に
模式的に示すように、液体培地5内において、当該細胞
もしくは植物組織Pが、相対的に矢印Aで示すような円
運動をすることとなり、この運動力により、細胞もしく
は植物組織Pが液体培地5内において均一に分散するも
のと考えられる。ここにおいて回転軸31および32が実質
上水平であるとは、回転軸31および32の傾きが例えば水
平に対して最大約15度程度までの範囲内である場合をい
い、好ましくは水平に対して5度以内、より好ましくは
3度以内の傾きであるが、いずれの場合においても内容
器4は完全に液体培地内に浸漬されるものとする。
内容器4の回転速度は、培養対象細胞もしくは植物組織
の大きさおよび比重、液体培地の粘度、内容器4の形状
および大きさなどを勘案して選定され、一概に規定する
ことはできないが、通常は3〜60 r.p.m. 、好ましくは
10〜30 r.p.m. 程度の回転速度となるように内容器4を
回転させる。
61は容器3の上部に設けた送気管であり、この送気管61
により容器3の上部空間には細胞の場合例えば濃度が5
%の炭酸ガスを含む空気を、植物組織の場合は空気を供
給し、これにより液体培地5の溶存酸素量を細胞および
植物組織のそれぞれに適した一定の状態に保つことがで
きる。また必要に応じて液体培地5内に直接上記空気を
バブリングさせながら供給してもよく、この場合におい
ては内容器4の内部には気泡は入らないので気泡により
細胞もしくは植物組織に損傷を与えることなく液体培地
の溶存酸素量を調節することができる。さらに、液体培
地供給管63より一定の割合で液体培地を供給すると同時
に、液体培地排出管64より同一割合で液体培地を排する
こともできる。62は排気管、65はpHセンサー、66はD
Oセンサーである。
第2図は、本発明培養装置を用いて細胞もしくは植物組
織の培養を行う場合のシステムチャートの一例であっ
て、70は液体培地タンク、71は培養容器、72は液体培地
排出タンクを示し、モニター機構73によって培養容器71
の液体培地について例えばpHセンサー74によりpH
を、ならびにDOセンサー75により溶存酸素量を検出
し、その結果にしたがって培養容器71に供給される炭酸
ガスおよび酸素、空気の供給量を制御する。
第1図に示した構成の培養装置によれば、内容器4の筒
壁42が細胞もしくは植物組織に対し不透過性で液体培地
透過性の網または膜41により構成されているので、当該
筒壁42を介して液体培地のみが内容器4の内部から外部
へあるいは外部から内部へと移動することができ、した
がって培養対象細胞もしくは植物組織を常時新しい液体
培地と接触させた状態とすることができ、しかも内容器
4内の培養対象細胞もしくは植物組織は当該筒壁42を通
過することができないので、培養対象細胞もしくは植物
組織は確実に内容器4内に存在する状態となり、そして
このように内容器4内に培養対象細胞もしくは植物組織
を存在させた状態で当該内容器4を回転させながら培養
を行うので培養対象である細胞もしくは植物組織を内容
器4内の液体培地中に均一に分散させた状態で培養を行
うことができ、この結果後述する培養実施例の説明から
も理解されるように高い効率で培養対象細胞もしくは植
物組織の培養を達成することができる。
そしてこの例においては、内容器4の他方の回転軸32は
その内部が中空であって液体培地を循環するための通路
すなわち培地循環管35を形成しているので、必要に応じ
てこの培地循環管35により容器3の上部の新しい液体培
地を内容器4内に循環させることができ、したがって簡
単な構成で内容器4内の液体培地の交換を迅速に行うこ
とができる。そして培地循環管35の培地出口である他方
の回転軸32の端部開口33は内容器4内の中央すなわち内
容器4の回転の中心軸上に位置されることとなるため、
内容器4を回転させた状態においては新しい液体培地を
偏ることなく内容器4内の全体に循環させることができ
る。
第3図および第4図は、それぞれ本発明培養装置の他の
例を示す説明用正面図および説明用側面図である。この
例においては、内容器81が実質上水平に伸びる一対の回
転軸82および83により容器84内に回転可能に軸支され、
内容器81の側壁部85には、内容器81外の液体培地を内容
器81内に供給するための開閉弁(図示せず)を有する培
地供給口86が設けられている。この培地供給口86は、例
えば第4図に示すように、内容器81の側壁から突出し、
その入口90が内容器81の回転方向(矢印87で示す方向)
の下流側に面する状態で設けられており、この入口90に
は当該入口90を開閉する開閉弁が設けられている。この
例においては、矢印87で示した回転方向に内容器81が回
転されるとこれに伴って培地供給口86が回転移動され、
この回転移動により入口90に設けた開閉弁が内容器81外
の液体培地から押圧力を受けて開き、そしてこの開閉弁
は内容器81が回転されている期間中は継続して開いた状
態となり、この内容器81の回転移動期間中において内容
器81外の液体培地が内容器81内に供給される。そして内
容器81の回転が停止すると開閉弁はその復元力により閉
じて培地供給口86の入口90を塞ぎ、これにより内容器81
の回転が停止されている期間中は液体培地の内容器81内
への供給が停止されると共に内容器81内の溶培対象細胞
もしくは植物組織が内容器81外に流出することが防止さ
れる。88は内容器81の側板89の一部に設けた細胞もしく
は植物組織に対し不透過性で液体培地透過性の網または
膜である。61、62、63、64、65、66は第1図に示したも
のと同様のものを表す。なお回転駆動部は省略してあ
る。
この例の培養装置においては、網または膜88において内
容器81内部の液体培地が内容器81外に移動すると共に内
容器81外の新しい液体培地が内容器81内に移動して液体
培地の交換が適宜行われ、そして内容器81が回転される
間、培地供給口86において内容器81外の新しい液体培地
が内容器81内に供給され、これにより内容器81内の培養
対象細胞もしくは植物組織は常時新しい液体培地に接触
するようになり、この結果高い効率で細胞もしくは植物
組織の培養を達成することができる。
本発明の適用においては、培養されるべき細胞もしくは
植物組織としては何ら制限されるものではなく、例えば
リンパ球、リンパ芽球、バーキツトクンパ腫、急性リン
パ芽球性白血病細胞、骨髄腫などのミエローマ細胞また
はこれらによるハイブリドーマ細胞などの浮遊増殖性細
胞、ヒト子宮ガン細胞HeLaチャイニーズ−ハムスター肺
細胞V−79、ヒト胎児肺細胞MRC−5、チンパンジー
肝繊維芽細胞、ヒト包皮細胞、ニワトリ胎児繊維芽細
胞、初代サル腎細胞、マウス転移繊維芽細胞、脳下垂体
腫瘍細胞、アフリカミドリザル腎細胞Vero、副腎腫瘍細
胞などの接着依存性細胞、セリバオウレンプロトプラス
ト、ハナキリンプロトプラスト、タバコ葉肉細胞プロト
プラスト、ニンジンプロトプラスト、ゼニゴケのカル
ス、ダイズのカルス、ムラサキのカルス、イチゴ茎頂、
トマト茎頂、バレイショの野生種(Solanum goniocalyx)
の茎頂、エンドウの茎頂、カーネーションの茎頂、アス
パラガスの茎頂、クロレラなどの植物におけるプロトプ
ラスト、カルス、植物体の一部をなす組織などの植物組
織が挙げられる。
本発明の適用における細胞培養用の液体培地は特に限定
されるものではなく、公知の培地をそのまま使用するこ
とができ、例えばRPMI 1640培地、イーグルMEM
培地、ダルベツコ変法イーグル培地、Earle 培地 199、
ハムF12培地などを挙げることができ、これらの培地に
は、5〜10容量%の割合で、例えば胎児ウシ血清、新生
児ウシ血清、ウマ血清、ヒト血清を添加して用いること
が好ましい。血清を用いない無血清培地、例えばHB 1
02(ハナバイオロジクス社)、RITC55−9培地など
を用いることができる。これらの液体培地の比重は1.00
〜1.05のものが一般的である。なおこれらの液体培地に
は通常酸素および炭酸ガスを溶存させることが必要であ
り、産生細胞の生存維持は、通常、30〜40℃、好ましく
は36〜37℃で行う。
また本発明の適用における植物組織の培養用液体培地
は、特に限定されるものではないが、例えばリンスマイ
ヤ−スクーグ(Linsmaier−Skoog)の液体培地、ムラシゲ
−スクーグ(Murashige−Skoog)の液体培地、MG−5
(商品名)培地などが挙げられる。
液体培地の比重としては1.00〜1.05のものが一般的であ
る。なお液体培地には、酸素を溶存させることが必要で
ある。なお培養時の液体培地の温度は通常10〜40℃であ
り、好ましくは20〜30℃である。
さらに接着依存性細胞を培養する場合に用いる担体粒子
も特に制限があるものではなく、接着依存性細胞の接着
性および増殖性に適したものであればよく、例えばポリ
スチレンなどの合成高分子、タン白質や多糖類などの天
然高分子により表面が形成された粒子を挙げることがで
きるが、担体粒子は磁性を有するものであることが便利
であり、これによって磁石を用いて担体粒子の捕集、移
動、処理、その他の取扱いを簡便に且つ迅速に行うこと
が可能となる。
磁性を有する担体粒子としては、磁性体粉を高分子材料
により結着してなるもの、磁性を有するコアを高分子材
料により被覆してなるものがあり、磁性体の具体例とし
ては、鉄、コバルト、ニッケル、これらの合金、低炭素
鋼、ケイ素鋼、γ−酸化鉄、フェライト、マグネタイ
ト、その他を挙げることができる。担体粒子の比重は、
液体培地の粘性および比重などによっても異なるが、一
般的に1.0〜1.5の範囲内のものとされる。また担
体粒子の粒径は40〜500μm程度が好ましく、形状は球
形が望ましいが、顆粒状、円筒状などであってもよく、
不定形のものであっても差支えない。
液体培地1ml当りの浮遊増殖性細胞もしくは植物組織ま
たは接着依存性細胞の播種量は、一般的には1×104 〜
1×106 個であり、接着依存性細胞を培養するために使
用する担体粒子の数は、通常液体培地1ml当り1×104
〜1×107 個である。
なお上記条件などにおいて、細胞もしくは植物組織は液
体培地よりも比重が小さくてもよく、液体培地より比重
が小さい細胞もしくは植物組織は、重力によらずに浮力
によって、比重が大きい細胞もしくは植物組織の場合と
同様に液体培地中において運動し均一に分散するように
なる。
〔実施例〕
以下本発明の培養装置を用いて実際に行った培養実施例
について説明する。
実施例1 培養細胞:チャイニーズハムスター肺繊維芽細胞由来の
「V−79」 液体培地:10体積%牛胎児血清を含む「Eagle−MEM」 粘度:0.01poise、比重:1.01 担体粒子:「Cytodex III」(Pharmacia社製) 粒径: 180μm、比重:1.03 第1図に示した構成の容積1.5の培養養器と容積 8
00mlの内容器とを有する培養装置を用い、培養容器に1
の上記液体培地を入れて内容器の全体が液体培地中に
完全に浸漬された状態とし、下記の条件下で上記細胞の
培養を行った。すなわち、内容器内液体培地 800mlに対
して、乾燥重量で2.4g(約9.6×106 個)の上記
担体粒子を用い、液体培地1ml当り1×104 個の培養細
胞を播種し、温度37℃の環境下において 144時間に亘
り、内容器を回転数15 r.p.m. で回転せしめながら、培
養容器に液体培地を35ml/hrの割合で供給し、また同量
の液体培地を排出させた。このとき5%炭酸ガスを含む
空気を培養容器の上部空間に供給し続け、液体培地内の
溶存酸素が2ppm 以下に低下したときには供給空気内の
酸素分圧を酸素ガスを供給することにより高め、溶存酸
素量をコントロールした。
その結果、担体粒子上の細胞数は、液体培地1ml当り平
均4.5×106 個であった。
比較例1 内容器1.5のスピンナービンを用い、実施例1にお
けると同様の培養細胞、液体培地および担体粒子を用い
て細胞の培養を行った。すなわち、スピンナービンに液
体培地 800mlに対して乾燥重量で2.4gの担体粒子を
加え、ついで流体培地1ml当り1×104 個の培養細胞を
播種し、温度37℃の環境下において回転子の回転数を30
r.p.m. で回転せしめながら、液体培地を35ml/hrの割
合で供給し、また同量の液体培地を排出させた。このと
き5%炭酸ガスを含む空気をスピンナービンの上部に供
給し続けた。
その結果、担体粒子上の細胞数は液体培地1ml当り平均
5.2×105 個であった。
比較例2 第1図に示した構成の容積1.5の培養容器と容積 8
00mlの内容器とを有する培養装置を用い、培養容器に実
施例1におけると同じ液体培地を約0.6入れて内容
器の下部における直径の2/3の部分のみが液体培地中
に浸漬された状態とし、下記の条件下で培養を行った。
すなわち、内容器内の液体培地に、乾燥重量で2.4g
(約9.6×106 個)の担体粒子を用い、液体培地1ml
当り1×104 個の培養細胞を播種し、温度37℃の環境下
において 144時間に亘り、内容器を回転数15 r.p.m. で
回転せしめながら、培養容器に液体培地を35ml/hrの割
合で供給し、また同量の液体培地を排出させた。このと
き5%炭酸ガスを含む空気を培養容器の上部空間に供給
し続け、液体培地内の溶存酸素が2ppm 以下に低下した
ときには供給空気内の酸素分圧を酸素ガスを供給するこ
とより高め、溶存酸素量をコントロールした。
その結果、担体粒子上の細胞数は、液体培地1ml当り平
均5.5×105 個であった。
実施例2 培養細胞:ヒト胎児肺由来細胞 Flow-2000 液体培地:10V/V%牛胎児血清を含む「Eagle−MEM」 粘度:0.01poise、比重:1.01 担体粒子:「Cytodex III」(Pharmacia社製) 粒径: 180μm、比重:1.03 第1図に示した構成の容積1.5の培養容器と容積 8
00mlの内容器とを有する培養装置を用い、培養容器に1
の上記液体培地を入れて内容器の全体が液体培地中に
完全に浸漬された状態とし、下記の条件下で上記細胞の
培養を行った。すなわち、内容器内液体培地 800mlに対
して、乾燥重量で4.8g(約1.9×107 個)の担体
粒子を用い、液体培地1ml当り4×104 個の培養細胞を
播種し、温度37℃の環境下において 144時間に亘り、内
容器を回転数15 r.p.m. で回転せしめながら、培養容器
に液体培地を40ml/hrの割合で供給し、また同量の液体
培地を排出させた。このとき5%炭酸ガスを含む空気を
培養容器上部に供給し続け、液体培地内の溶存酸素が2
ppm 以下に低下したときには供給空気内の酸素分圧を酸
素ガスを供給することより高め、溶存酸素量をコントロ
ールした。
その結果、担体粒子上の細胞数は、液体培地1ml当り平
均8.3×105 個であった。
比較例3 内容器1.5のスピンナービンを用い、実施例2にお
けると同様の培養細胞、液体培地および担体粒子を用い
て細胞の培養を行った。すなわち、スピンナービンに液
体培地 800mlに対して乾燥重量で4.8gの担体粒子を
加え、ついで液体培地1ml当り4×104 個の培養細胞を
播種し、温度37℃の環境下において回転子の回転数を30
r.p.m. で回転せしめながら、液体培地を40ml/hrの割
合で供給し、また同量の液体培地を排出させた。このと
き5%炭酸ガスを含む空気をスピンナービンの上部に供
給し続けた。
その結果、担体粒子上の細胞数は液体培地1ml当り平均
3.8×105 個であった。
比較例4 第1図に示した構成の容積1.5の培養容器と容積 8
00mlの内容器とを有する培養装置を用い、培養容器に実
施例1におけると同じ液体培地を約0.6入れて内容
器の下部における直径の2/3の部分のみが液体培地中
に浸漬された状態とし、下記の条件下で培養を行った。
すなわち、内容器内の液体培地に、乾燥重量で4.8g
(約1.9×107 個)の担体粒子を用い、液体培地1ml
当り4×104 個の培養細胞を播種し、温度37℃の環境下
において 144時間に亘り、内容器を回転数15 r.p.m. で
回転せしめながら、培養容器に液体培地を40ml/hrの割
合で供給し、また同量の液体培地を排出させた。このと
き5%炭酸ガスを含む空気を培養容器の上部空間に供給
し続け、液体培地内の溶存酸素が2ppm 以下に低下した
ときには供給空気内の酸素分圧を酸素ガスを供給するこ
とより高め、溶存酸素量をコントロールした。
その結果、担体粒子上の細胞数は、液体培地1ml当り平
均4.0×105 個であった。
〔発明の効果〕 以上のように、本発明の培養装置においては、培養され
る細胞もしくは植物組織に対し不透過性で液体培地透過
性の網または膜により壁の少なくとも一部が構成された
内容器が、培養容器に入れた液体培地内にその全体が完
全に浸漬された状態とされ、この内容器が実質上水平な
軸の周りに自転するよう回転されることにより、当該内
容器内の液体培地と、細胞もしくは植物組織との混合系
が当該内容器と共に回転され、これにより、当該内容器
内において細胞もしくは植物組織が培養されるので、か
かる培養対象細胞もしくは植物組織を常時新しい液体培
地と接触させた状態とすることができるうえ培養対象細
胞もしくは植物組織を内容器内の液体培地中に実質上剪
断力を与えずに均一に分散させた状態で培養を行うこと
ができ、この結果高い効率で培養対象細胞もしくは植物
組織の培養を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明培養装置の一例を示す説明図、第2図は
本発明の培養装置を用いて培養を行う場合のシステムチ
ャートの一例を示す説明図、第3図および第4図はそれ
ぞれ本発明培養装置の他の例を示す説明用正面図および
説明用側面図、第5図は、液体培地中における粒子の運
動についての説明図である。 1……容器部、2……回転駆動部 3……容器、4……内容器 31,32……回転軸、35……培地循環管 36……ポンプ、41……網または膜 42……筒壁、43,44……側板 21……モーター、22……回転磁石体 23……保持板、24……磁石 45……磁石、5……液体培地 61……送気管、62……排気管 63……液体培地供給管、64……液体培地排出管 65……pHセンサー、66……DOセンサー 70……液体培地タンク、71……培養容器 72……液体培地排出タンク 73……モニター機構、74……pHセンサー 75……DOセンサー、81……内容器 82,83……回転軸、84……容器 86……培地供給口、88……網または膜 90……培地入口

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】液体培地を入れる容器と、この容器内に設
    けた、その容器壁の少なくとも一部が、培養される細胞
    もしくは植物組織に対し不透過性で液体培地透過性の網
    または膜により構成され、その全体が前記液体培地内に
    完全に浸漬された状態とされる内容器と、この内容器を
    実質上水平な軸の周りに自転するよう回転させる回転駆
    動部とを備えてなり、 前記内容器が回転されることにより、当該内容器内の液
    体培地と、担体粒子に接着した接着依存性細胞、浮遊増
    殖性細胞もしくは植物組織との混合系が当該内容器と共
    に回転されることにより、前記内容器内において担体粒
    子に接着した接着依存性細胞、浮遊増殖性細胞もしくは
    植物組織が培養されることを特徴とする培養装置。
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