JPH0640831B2 - 細胞から分泌された生理活性物質を含む培養液の製造方法 - Google Patents

細胞から分泌された生理活性物質を含む培養液の製造方法

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JPH0640831B2
JPH0640831B2 JP60015516A JP1551685A JPH0640831B2 JP H0640831 B2 JPH0640831 B2 JP H0640831B2 JP 60015516 A JP60015516 A JP 60015516A JP 1551685 A JP1551685 A JP 1551685A JP H0640831 B2 JPH0640831 B2 JP H0640831B2
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  • Enzymes And Modification Thereof (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、細胞から分泌された生理活性物質を含む培養
液の製造方法に関するものである。
〔従来の技術〕
生理活性物質は、生体の細胞または組織にある種の活性
を与えて当該細胞または組織に特定の生理反応を生じさ
せるものであり、人工的に合成され得るものもあるが、
通常は生体の細胞の生存維持による産生に待たなければ
ならない。
従来における生理活性物質の製造方法としては、目的と
する生理活性物質を産生する細胞を生存維持させるため
に培養せしめる方法が利用されている。
細胞の培養方法としては、例えばスードマウスなどの動
物の体内において培養する方法(特開昭54−98307号公
報)および培地を利用して培養する方法が知られてい
る。前者の方法は、動物の1個体から得られる生理活性
物質の量が極めて少なく、効率が非常に低いという問題
を有する。一方、後者の培地を利用する培養方法におい
ては、生理活性物質を産生する産生細胞が浮遊増殖性細
胞、すなわち液体培地中に細胞自体が浮遊した状態で生
存維持が可能な細胞である場合には、その栄養源である
液体培地中に浮遊させることにより培地と接触させるこ
とが、或いは細胞が接着依存性細胞、すなわち液体培地
中における生存維持において基質に対する接着が必須の
細胞である場合には、適当な基質の表面に当該細胞を接
着させた上で液体培地と接触させることが必要である。
そして接着依存性細胞を接着させる基質としては、大き
な接着面積を容易に得ることができることから、最近に
おいては小径の担体粒子が用いられるようになつてきて
いる。そして、以上のような細胞の培養を行なうための
方法として、回転翼などの機械的撹拌機構により液体培
地を撹拌しながらその中で培養を行なう方法(特開昭50
−100223号公報)、同様に液体培地を撹拌しながらマイ
クロキヤリア上で細胞を培養する方法(特開昭59−1465
98号公報)、その他が知られている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
以上のような培地を用いる培養方法を利用して生理活性
物質を得るためには、産生細胞を生存維持させることが
必要であり、高い効率で生理活性物質が産生されるよう
な条件下において、それら細胞が常に新しい培地と接触
するような環境を作ることが肝要である。そのためには
産生細胞を液体培地中に高い分散度で分散せしめること
が必要となる。
また産生細胞が接着依存性細胞である場合に、当該接着
依存性細胞を基質である担体粒子に接着させる際にも、
当該細胞が加えられた液体培地中において担体粒子を高
い分散度で分散せしめることができれば、当該担体粒子
の表面が有効に平均して利用されるようになり、従つて
結局は高い接着率で接着を達成することができて生理活
性物質の産生効率を高める上で極めて有利である。
従来において、細胞を常に新しい液体培地に接触させる
ための方法としては、細胞培養におけるように、液体培
地中に細胞を加えた系を回転翼によつて撹拌する方法が
一般的であるが、この方法は液体培地と細胞とより成る
混合系に剪断力を加える方法であるため、回転翼との衝
突により或いは大きな剪断力の作用により培養中の細胞
が損傷されることを回避することができず、従つて生理
活性物質の産生効率が低く、細胞の種類によつてはこの
方法を用いることができない場合もある。またこの方法
を大規模で実施するためには大容量の装置が必要となつ
て撹拌機も大型のものが必要となり、その結果必然的に
剪断力も大きくなるために目的とする生理活性物質の産
生効率がさらに低下するようになる。
以上のように、細胞を培養することを利用して生理活性
物質を得ることは、基本的には有利なものと言うことが
できるが、実際には、産生細胞を常に新しい培地と接触
させながらしかも当該細胞の生理活性物質産生作用が高
い効率で発揮されるような生活環境条件を得ることは困
難であつた。本発明はこのような問題を解決しようとす
るものである。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明においては、液体培地および生理活性物質を産生
する接着依存性細胞を付着してなる被分散粒子もしくは
生理活性物質を産生する浮遊増殖性細胞より成る混合系
を充填割合が98容量%以上となるように充填した培養容
器を実質上水平な軸の周りに自転するように回転せしめ
るか、または、実質上水平な軸から離れた状態で培養容
器を当該軸の周りに回転せしめることにより当該混合系
を前記培養容器と共に回転せしめ、これにより、当該混
合系内において前記被分散粒子もしくは浮遊増殖性細胞
を運動せしめ、以って前記被分散粒子もしくは浮遊増殖
性細胞を前記液体培地中に分散せしめ、前記接着依存性
細胞もしくは浮遊増殖性細胞を生存維持させる工程を含
むことを特徴とする方法により、細胞から分泌された生
理活性物質を含む培養液を製造する。
以下本発明について具体的に説明する。
本発明においては、第1図および第2図に示すように、
例えば円筒状の密閉された容器1内に、生理活性物質を
産生する産生細胞2を加えた液体培地3を、容器1の内
部空間に実質的に充満されるよう充填し、容器1の軸X
を実質上水平に保つてこの軸Xの周りに容器1を一定の
回転速度で自転せしめる。そして容器1を自転させるこ
とによつて、自転開始直後の初期期間を経過した後は、
内部の液体培地3と産生細胞2との混合系が液体培地3
の粘性により容器1と共にいわば一体的に機械的な流れ
のない状態で軸Xの周りに定常的に回転するようにす
る。
このように容器1と共に回転する混合系内において、産
生細胞2は液体培地3の粘性により液体培地3中の相対
的位置をほとんど変えずに容器外に対す存在位置を変え
ることとなり、従つて産生細胞2は実質上順次異なる方
法から重力が作用する状態とすることが可能であり、こ
れは細胞2の比重および大きさ、液体培地3の比重およ
び粘性、容器1の回転速度などを適宜に選定することに
よつて実現することができる。
斯かる状態において、前記混合系内の産生細胞2につい
て見ると、1個の産生細胞2は、第3図に模式的に示す
ように、液体培地3内において、相対的に矢印Aに示す
ような円運動をすることとなり、この運動力により産生
細胞2が液体培地3内において均一に分散するようにな
るものと推考される。この分散は、条件にもよるが極め
て速やかに生ずるものであり、産生細胞2は、軸X方向
にも均一に分散するようになるため、極めて高い分散度
で産生細胞2を液体培地3内に分散せしめることができ
る。この軸X方向の分散は、その理由は十分に解明され
ていないが、液体培地3内に拡散するよう動く対流が生
ずるからであるとも推考され、更に、これには回転開始
直後の初期期間における産生細胞2の軸X方向における
分布状態の熱力学的不均一さが関与しているとも推考さ
れる。
本発明において、容器の自転の軸が実質上水平なもので
あることを必要とする理由は、軸が水平に対して角度を
有すると、容器内で液体培地中の細胞が均一に分散しな
くなるためである。ここにおいて、軸が実質的に水平で
あるとして許容される軸の傾きは、容器の形状によつて
異なる場合があるが、例えば水平に対して5゜程度まで
の傾きは実質上水平であるとして許容することができ、
好ましくは水平に対して3゜以内の傾きである。
何れにせよ、本発明は以上のように、液体培地を相対的
に撹乱させることなく、液体培地の内部において産生細
胞を静かに運動させて均一に分散させるようにしている
ため、常に産生細胞を新しい液体培地と接触せしめるこ
とができ、しかも分散された産生細胞には剪断力や大き
な衝撃を伴うような力が作用することがなく、従つて産
生細胞が損傷されるようなこともなくて当該産生細胞を
好適な環境条件下で生存維持させることができ、この結
果生理活性物質を高い効率で産生させることができる。
なお本発明において、容器に液体培地と産生細胞とを充
填するためには特殊な方法を必要とするものではなく、
事前に混合された液体培地と産生細胞を充填すればよ
い。しかし産生細胞が接着依存性細胞の場合には、事前
に当該接着依存性細胞を接着した担体粒子を容器に充填
するよりも、担体粒子に接着依存性細胞を接着させる工
程についても本発明における容器を用いて同様の操作に
より、液体培地中に担体粒子および接着依存性細胞を剪
断力を与えることなく均一に分散させることによつて、
担体粒子の表面に対して産生細胞を各担体粒子において
平均にかつ効率的に接着させることが望ましく、この場
合はこの接着工程に引き続き本発明を実施することがで
きる。
産生細胞を長時間の間生存維持させるためには、液体培
地の交換が必要となる。本発明においても、長期間にわ
たる処理においては液体培地の交換が必要である。液体
培地の交換方法としては、例えば容器の回転を止めて液
体培地の一部または全部を交換する方法、容器に液体培
地の供給管および排出管を設置し、処理中に連続的に新
しい液体培地を供給すると共に古い液体培地を排出する
方法を挙げることができる。このようにして新しい液体
培地を供給することによつて、通常数日以上の長時間に
亘り産生細胞の生存維持を十分に行なうことができる。
新しい液体培地の供給は、これを上記のように供給管を
通じて常時行なうようにすれば、単位時間当りの供給量
および排出量は僅かでよいから、容器内の液体に層流、
乱流などの機械的な流れを実質上生ぜしめない状態とす
ることが可能であり、これによつて、産生細胞の環境に
乱れを生じさせることが防止される。生理活性物質の産
生効率を高めるためにも、液体培地の供給を供給管を通
じて常時行うことが好ましい。
また本発明に従い接着依存性細胞により生理活性物質を
含む培養液を製造する場合に、供給管を通じて常時容器
に液体培地を供給し、排出管を通して常時排出する方法
を適用するときに、供給する液体培地と共に担体粒子お
よび接着依存性細胞を容器に供給し、容器から排出する
液体培地と共に産生された生理活性物質および/または
接着依存性細胞を接着している担体粒子の一部を抜出す
方法を用いれば、液体培地の交換、担体粒子への接着依
存性細胞の接着、生存維持および産生した生理活性物質
を含む培養液の抜き出しを連続的に行うことができる。
本発明において、接着依存性細胞を利用する場合に用い
る担体粒子は、接着依存性細胞の接着性および生活維持
に適したものであればよく、例えばポリスチレンなどの
合成高分子、タン白質や多糖類などの天然高分子により
表面が形成された粒子を挙げることができるが、担体粒
子は磁性を有するものであることが便利であり、磁石を
用いることによつて担体粒子の捕集、移動、処理、その
他の取扱いを簡便に且つ迅速に行なうことが可能とな
る。磁性を有する担体粒子としては、磁性体粉を高分子
材料により結着して成るもの、磁性を有するコアを高分
子材料により被覆して成るものがあり、磁性体の具体例
としては、鉄、コバルト、ニツケル、これらの合金、低
炭素鋼、ケイ素鋼、γ−酸化鉄、フエライト、マグネタ
イト、その他を挙げることができる。担体粒子の比重
は、液体培地の粘性および比重などによつても異なる
が、一般的に1.0〜1.5の範囲内のものとされる。
また担体粒子の粒径は40〜500μm程度が好ましく、形
状は球形が望ましいが、顆粒状、円筒状などであつても
よく、不定形のものであつても差支えない。
液体培地1ml当りの浮遊増殖性細胞または接着依存性細
胞の播種量は、一般的には1×10〜1×10個であ
り、接着依存性細胞を利用するために使用する担体粒子
の数は、通常、液体培地1ml当り1×104〜1×107個程
度である。
本発明において、容器内には液体培地と産生細胞との混
合系が、空間が存在しないように充満状態に充填されて
いることが望ましく、これによつて当該混合系を確実に
容器と共に回転させることが容易となり、空間が存在す
るときにもそれが僅かであれば、その空間が存在するこ
とによる液体培地における撹乱は容器内の混合系の上部
部分の僅かな領域に限定されるので、軸実上本発明によ
る効果を無効とするものではない。しかし容器内の空間
の割合が多くなると混合系を撹乱することなく容器と共
に回転させることができず、本発明の目的を達成するこ
とができない。このために本発明においては、容器内に
おける混合系の充填割合は98容量%以上とされる。
本発明において、容器の自転における回転速度は、産生
細胞の大きさおよび比重、液体培地の粘度、容器の形状
および大きさなどによつて一概に規定することができな
いが、通常は5〜50r.p.m.、好ましくは10〜30r.p.m.
程度となるように回転速度を調整する。
更に容器の形状は、既述の例におけるように、円筒状で
あることが好ましいが角筒状、或いは球状であつても何
ら支障がなく、回転方式も、要するに容器の上下が入れ
替わるように実質的に鉛直面内で回転されればよく、例
えば第4図に示すように水平な回転軸10の周りに回転
するアーム11の先端に容器12を保持させて鉛直面内で円
運動するようにしてもよい。この場合には、水平な回転
軸10から離れた状態で容器12が当該水平な回転軸10の周
りに回転されることとなるが、上記と同様の作用効果が
得られる。更に第5図に示すように円筒状容器20をその
半径方向に伸びる水平な軸Yの周りに自転するよう回転
させてもよい。
第6図は本発明の一例を示すものであり、この図の例に
おいては、底板30と有底筒状の容器本体31とにより容器
が構成されている。即ち、容器本体31は底板30に固定し
て設けた押え機構32によつて底板30にOリング33を介し
て押圧され、その内部空間が産生細胞の生存維持領域と
される。底板30は回転スリーブ35に固定され、回転スリ
ーブ35はドライベアリング36を介して、スタンド37によ
つて保持された外套部材38に回転自在にかつ水平方向に
保持されている。底板30は中央に開口を有し、この開口
は、液体は通過するが担体粒子を通過させないメツシユ
40により塞がれており、このメツシユ40を貫通する内導
管41がメツシユに固定されている。この内導管41はその
先端に開口を有し、回転スリーブ35内を通つて伸び、そ
の後端は連結シール部50において外部よりの供給管51に
連通するようにこれに回転自在に連結されている。回転
スリーブ35の内周には外導管42が内導管41に対して二重
管構造となるよう固定され、その先端は底板30の開口に
連通するよう連結されており、その後端は連結シール部
50において回転自在であつてしかも外部に伸びる排出管
52と連通されている。60は回転スリーブ35に固定した被
動歯車であり、モータ(図示せず)によつて駆動される
駆動歯車61と噛合している。
以上の如き構成においては、駆動歯車61が駆動されるこ
とによつて回転スリーブ35が回転し、これによつて底板
30と容器本体31とにより構成される容器が水平な軸の周
りに回転され、同時に内導管41および外導管42も共に回
転する。そして、液体培地および産生細胞を容器内に充
填しておくことにより、この容器の中で既に述べたとこ
ろに従つて産生細胞が均一に分散される。
而してこの装置においては供給管51が内導管41に連通
し、外導管42が排出管52に連通しているので、これらに
より、容器を回転させて産生細胞の分散を図りながらか
つ安定な生存維持環境を確保しながら、当該容器内に新
たな液体培地を供給することおよび対応する量の使用さ
れて栄養分の失われた古い液体培地を外部に排出するこ
とができ、しかもメツシユ40によつて産生細胞の排出が
防止されるので、結局長期間に亘つて産生細胞の生存維
持を行なうことができる。
第7図は本発明によって産生細胞の生存維持を行なう場
合のシステムチヤートの一例であつて、70は液体培地
タンク、71は容器、72は液体培地排出タンクを示
し、モニター機構73によつて容器71よりの排出直後
の液体培地について例えばpHセンサー74によりpH
を、並びにDOセンサー75により溶存酸素量を検出
し、その結果に従つて容器71に供給される新たな培地
の量が制御弁76により規制される。77および78は
それぞれ液体培地タンク70に設けたpHセンサーおよ
びDOセンサーであつて、pHセンサー77により測定
された液体培地のpHに応じてアルカリタンク80より
アルカリが制御された割合で添加されてpHの調整が行
なわれ、当該液体培地タンク70内に伸びる、例えば5
%の炭酸ガスを含む空気を送気する送気管81に介挿し
た制御弁82を介して、DOセンサー78の検出結果に
従つた送気量の制御がなされる。
このようなシステムによれば、常に容器内の生存維持環
境を良好に維持することができ、産生細胞を液体培地中
に高い分散度で均一に分散させて生存維持させることが
できることと相俟つて工業的規模において高い効率で初
期の細胞から分泌された生理活性物質を含む培養液を製
造することができる。
第8図および第9図は本発明の方法に用いられる装置の
他の例を示し、この例においては、断熱材層を有する外
匣101内に水平方向に伸びる回転軸102が設けられ、その
一端は外匣101の外部に配置したモータ103に動力伝達機
構104を介して連結されている。回転軸102には、放射状
に突出する複数(図示の例では4本)のアーム105が固
定され、各アーム105の先端には円筒状の容器106を着脱
自在に保持する保持具107が設けられている。そして外
匣101内にはヒーター(図示せず)が設けられている。
このような構成の装置によれば、複数の容器106内に液
体培地および産生細胞を充満させておくことにより、回
転軸102を回転させることによつて既述と同様に容器106
内において液体培地中に産生細胞を好適に均一に分散さ
せ生存維持させることができる。
本発明を適用して好適に得ることのできる生理活性物質
および産生細胞の具体例を第1表に記す。
本発明において用いる液体培地は特に限定されるもので
はなく、公知の培地をそのまま使用することができ、例
えばRPMI 1640培地、イーグルMEM培地、ダルベ
ツコ変法イーグル培地、Earle培地199、ハムF1
2培地などを挙げることができ、これらの培地には、 5
〜10容量%の割合で、例えば胎児ウシ血清、新生児ウシ
血清、ウマ血清、ヒト血清を添加して用いることが好ま
しい。血清を用いない無血清培地、例えばHB102(ハ
ナバイオロジクス社)、RITC55−9 培地などを用い
ることもできる。液体培地の比重は1.00〜1.05のものが
一般的である。なお液体培地には通常酸素および炭酸ガ
スを溶存させることが必要であり、産生細胞の産生維持
は、通常、30〜40℃、好ましくは36〜37℃で行なう。
〔実施例〕
以下本発明の実施例を示すが、本発明はこれらに限定さ
れるものではない。
実施例1 第6図に示した構成を有する装置の内容積300mlの容器
に、5容量%の新生仔牛血清とジエチルアミノエチル基
を有する架橋デキストランマイクロキヤリア(直径180
〜220μm)を3g/の割合で含むイーグルMEM培
地にヒト正常二倍体細胞を1.2×105個/mlの割合で
播種した混合系を空気が入らないように充填し、温度37
℃の環境下において144時間に亘り、容器を12r.p.m.の
速度で回転せしめながら酸素および炭酸ガスを溶存した
イーグルMEM培地を遂次添加し混合系のpHを7.2
に維持した結果、細胞数は3×10個/mlとなつた。
次に培地としてインターフエロン100IU/mlおよびカル
ボキシメチルセルロースを含むイーグルMEM培地を30
0ml/hrの割合で容器に供給し、温度37℃、pH7.2で2
4時間容器を回転せしめた。次に培地の連続供給を中止
し、10μg/mlのシクロヘキシミドを容器内に加えて温
度37℃で4時間回転を続けた後、4μg/mlのアクチノ
マイシンDを加え、温度37℃で1時間回転させた。その
後0.5g/のメチルセルロースを含むイーグルMEM
培地を温度37℃で容器内の混合系がpH7.2になる
ように連続供給し、48時間回転させた。その結果、細
胞数4.8×106個/mlとなり、インターフエロン力価は35
000IU/mlとなつた。
比較例1 内容積500mlのスピンナーフラスコを用い、培地の使用
量を300mlとして、実施例1と同様の条件で操作を行な
つた結果、最終的に細胞数は1.6×106個/ml、イン
ターフエロン力価は27000IU/mlであり、産生効率は
非常に低いものであつた。
実施例2 第6図に示した構成を有する装置の内容積300mlの容器
に、無血清のITES培地にマウス・マウス・ハイブリ
ドーマCIOB 6株を4×104個/mlの割合で播種し
た混合系を空気が入らないように充填し、温度37℃の環
境下において、200時間に亘り容器を12r.p.m.で回転せ
しめながら酸素および炭酸ガスを溶存したITES培地
を遂次添加し混合系のpHを7.2に維持した結果、細
胞数は1.2×107個/mlとなり、培地1ml当り0.8mgのモ
ノクローン抗体が産出された。
比較例2 内容積500mlのスピンナーフラスコを用い、培地の使用
量を300mlとして、実施例2と同様の条件(但し回転数
は7r.p.m.)で操作を行なつた結果細胞数は5×106/m
lとなり、モノクローン抗体の産生量は培地1ml当り
0.2mgと僅かであつた。
実施例3 140mMの塩化ナトリウム、54mMの塩化カリウム、1
mMの第一リン酸ナトリウムおよび2mMの塩化カルシ
ウムを含有する塩水溶液に、腎腫瘍患者から摘出し細切
し分散させて得たヒト腎腫瘍細胞とリンパ芽球ナマルバ
細胞とを各々103個/mlになるように浮遊させ、これに
予め紫外線で不活性化したセンダイウイルスを含有する
上記と同様の塩水溶液を氷冷下で混合し、5分間経過後
に温度を37℃にし、これによつてリンパ芽球ナマルバ細
胞にヒトエリトロポエチン産生能を導入した。
第6図に示した構成を有する装置の内容積300mlの容器
に、牛胎児血清10容量%を含むEarle培地199に上記リン
パ芽球ナマルバ細胞を5×104個/mlの割合で播種した
混合系を空気が入らないように充填し、温度37℃の環境
下において200時間に亘り容器を12r.p.m.で回転せしめ
ながら酸素および炭酸ガスを溶存したEarle培地199を遂
次添加し混合系のpHを7.2に維持した。その結果、
細胞数は1.5×107個/mlとなり、培地1ml当り150単位
のヒトエリトロポエチンが産生された。ここでの単位は
世界保健機構(WHO)が配布している国際標準品の1
アンプル中に含有される活性の1/10の活性である。
比較例3 内容積500mlのスピンナーフラスコを用い、培地の使用
量を300mlとして、実施例3と同様の条件で(但し回転
数は7r.p.m.)で操作を行なつた結果、細胞数は4.8×1
06個/mlとなり、ヒトエリトロポエチンの産生量は培地
1ml当り10単位と低いものであつた。
実施例4 第6図に示した構成を有する装置の内容積300mlの容器
に、1当りRPMI−1640 10.9g、硫酸カナマイシ
ン60mg、N−2−ヒドロキシエチルピペラジン−N′−
2−エタンスルホン酸1.19g、炭酸水素ナトリウム1.05
g、トランスフエリン1mg、エタノールアミン4.6mgお
よび亜セレン酸13μgを含有してなる培地にQG−90細
胞を2×104個/mlの割合で播種した混合系を空気が入
らないように充填し、温度37℃の環境下において240時
間に亘り、容器を12r.p.m.で回転せしめながら、酸素お
よび炭酸ガスを遂次添加し混合系のpHを7.4に維持
した。その結果、細胞数は7.4×106/mlとなり、テイシ
ユー・プラスミノーゲン・アクチベーターの力価は25I
U/ml(ウロキナーゼ換算)であつた。
比較例4 内容積500mlのスピンナーフラスコを用い、培地の使用
量を300mlとして実施例4と同様の条件(但し回転数は
7r.p.m.)で操作を行なつた結果、細胞数は1.2×106
/mlとなり、テイシユー・プラスミノーゲン・アクチベ
ーターの力価は2IU/mlと低いものであつた。
実施例5 第6図に示した構成を有する装置の内容積300mlの容器
に、牛胎児血清10容量%およびL−グルタミン1.0g/
を含むイーグルMEM培地にサイトデツクス3を3g/
の割合となるように添加し、ヒト胎児腎臓由来細胞
(マイクロバイオロジカル・アソシエイツ社)を1×10
5個/mlの割合で播種した。混合系を空気が入らないよ
うに充填し、温度37℃の環境下において100時間に亘
り、容器を15r.p.m.で回転せしめながら酸素および炭酸
ガスを溶存した上記イーグルMEM培地を遂次添加し混
合系のpHを7.4に維持した。その後フマール酸1g
/およびラクトアルブミン加水分解物5g/を含む
Earle培地199を300ml/hr割合で容器に供給し、温度37
℃で250時間に亘り容器を15r.p.m.で回転せしめながら
pH7.4に維持した。その結果ウロキナーゼの力価は380
IU/mlであつた。
比較例5 内容積500mlのスピンナーフラスコを用い、培地の使用
量を300mlとして、実施例5と同様の条件(但し回転数
は60r.p.m.)で操作を行なつた結果、ウロキナーゼの力
価は200IU/mlと低いものであつた。
〔発明の効果〕
本発明は、産生細胞と液体培地との混合系に剪断力を作
用させることなく産生細胞の分散を良好に行なうことお
よび当該産生細胞を機械的に激しい運動をさせることな
く安定な状態で生存維持させることができ、この結果、
産生細胞による生存維持が活発になされて高い効率で生
理活性物質の製造を行なうことができ、また大規模の実
施においても有利に生理活性物質を製造することができ
るという特徴を有するものである。本発明の実施におい
ては、通常、産生細胞の増殖が平行して生ずるが、これ
は効率が向上する点で好ましいことである。しかし産生
細胞の増殖は基本的には無関係であり、増殖率は低くと
も、極端にはそれが零であつても、本発明において好適
な条件を設定することによって高い効率で細胞から分泌
された生理活性物質を含む培養液を製造することができ
る。
さらに注目すべきことは、本発明によつて産生された生
理活性物質は、その力価が高いという特徴を有すること
であり、従って生理活性物質の製造という観点からは、
非常に高い効率が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図および第2図は本発明の一例についての説明用斜
視図および断面図、第3図は液体培地中における産生細
胞の運動についての説明図、第4図および第5図はそれ
ぞれ本発明の他の例を示す説明用断面図および斜視図、
第6図は本発明の方法を実施するための装置の一例を示
す断面図、第7図は本発明によって産生細胞の生存維持
を行なう場合のシステムチャートの一例、第8図および
第9図は本発明の方法に用いられる装置の他の例を示す
説明用縦断側面図および正面図である。 1,12,20……容器、2……産生細胞 3……液体培地、30……底板 31……容器本体、32……押え機構 35……回転スリーブ、36……ドライベアリング 37……スタンド、38……外套部材 40……メツシユ、41……内導管 42……外導管、50……連結シール部 51……供給管、52……排出管 60……被動歯車、61……駆動歯車 70……液体培地タク、71……容器 72……排出タンク、73……モニター機構 74,77……pHセンサー、75,78……DOセンサー 80……アルカリタンク、81……送気管 101……外匣、102……回転軸 103……モーター、104……動力伝達機構 105……アーム、107……保持具
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 (C12P 21/00 C12R 1:91) (C12N 9/00 C12R 1:91)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】液体培地および生理活性物質を産生する接
    着依存性細胞を付着してなる被分散粒子もしくは生理活
    性物質を産生する浮遊増殖性細胞より成る混合系を充填
    割合が98容量%以上となるように充填した培養容器を実
    質上水平な軸の周りに自転するように回転せしめるか、
    または、実質上水平な軸から離れた状態で培養容器を当
    該軸の周りに回転せしめることにより当該混合系を前記
    培養容器と共に回転せしめ、これにより、当該混合系内
    において前記被分散粒子もしくは浮遊増殖性細胞を運動
    せしめ、以って前記被分散粒子もしくは浮遊増殖性細胞
    を前記液体培地中に分散せしめ、前記接着依存性細胞も
    しくは浮遊増殖性細胞を生存維持させる工程を含むこと
    を特徴とする細胞から分泌された生理活性物質を含む培
    養液の製造方法。
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