JPH0645080B2 - 金属粉系フラックス入りワイヤの製造方法 - Google Patents

金属粉系フラックス入りワイヤの製造方法

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JPH0645080B2
JPH0645080B2 JP7619288A JP7619288A JPH0645080B2 JP H0645080 B2 JPH0645080 B2 JP H0645080B2 JP 7619288 A JP7619288 A JP 7619288A JP 7619288 A JP7619288 A JP 7619288A JP H0645080 B2 JPH0645080 B2 JP H0645080B2
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新一 福島
実 福田
真人 志満
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日鐵溶接工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイ
ヤに関し、詳細には軟鋼、高張力鋼などの溶接において
最近、使用されつつあるスラグの発生量の少ない金属粉
系フラックス入りワイヤ、特に、溶接鋼管を外皮とする
合わせ目のない、良好な溶接送給性を有するワイヤを、
生産性良く得る製造方法に関するものである。
〔従来の技術〕
最近、造船、鉄骨、橋梁などの各種溶接構造物におい
て、省力化及び生産能率向上の面からガスシールドアー
ク溶接で行なうフラックス入りワイヤの使用が急増して
いるが、その中で鉄粉をワイヤ中に多量含有するいわゆ
る金属粉系フラックス入りワイヤがスラグ発生量が少な
く、又ワイヤ溶着速度が速く能率的である点などの特徴
より、その使用が増加しつつある。
一方、このフラックス入りワイヤにおいて、溶接鋼管に
フラックス原料を充填して製造される合わせ目のないワ
イヤが、銅メッキが可能なことで耐サビ性がよく、又合
わせ目がないために、ワイヤ送給時のブレが起りにくい
などの特徴があり広く使用されつつある。
しかしながら、この合わせ目のないフラックス入りワイ
ヤで前述の金属粉系フラックス入りワイヤを製造する場
合、従来の製造方法では仕上りワイヤに小さなくびれが
生じたり、又伸線中に断線などが頻発するので伸線の速
度を大幅に遅くして生産せざるをえず、その結果ワイヤ
コストの著しい増大をもたらし、又仕上りワイヤの溶接
時の送給性も悪く、溶接作業性が低下するという問題点
があった。
このような状況から、溶接作業性が良好でかつ生産性の
良好な合わせ目のないフラックス入りワイヤの開発が望
まれていた。
〔発明の解決しようとする課題〕
本発明は以上の如き現況に鑑みてなされたものであっ
て、その目的とするところはワイヤにくびれなどがな
く、送給性が良好でかつ伸線時断線などがなく生産性の
よい安価な、合わせ目のない金属粉系フラックス入りワ
イヤの製造方法を提供するにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、金属粉の割合が90%以上からなるフラック
ス原料を溶接鋼管外皮に10〜25%充填してなる金属
粉系フラックス入りワイヤの製造方法において、伸線過
程中に実施される焼鈍工程の焼鈍温度を下記(1)式の範
囲としかつ焼鈍後の伸線工程の減面率を30〜75%の
範囲とすることを特徴とするワイヤ径2.0mmφ以下の金
属粉系フラックス入りワイヤの製造方法を要旨とするも
のである。
(1)式: ここでT(℃):焼鈍温度 R(%):焼鈍後の伸線減面率 〔作用〕 本発明者らは、まず溶接鋼管に多量の金属粉を含むフラ
ックス原料を充填してなる金属粉系ワイヤの場合、通常
の連続伸線機を使用する伸線工程において伸線時に断線
が多発する現象を認め、その原因を種々のワイヤの縦断
面を切断して観察し検討した。その結果、伸線時の断線
は以下の理由によることをつきとめた。すなわち、従来
の製造条件下での製造時に断線したワイヤの縦断面を観
察すと伸線過程の経過にともない外皮とともに圧縮、伸
展されるべき充填フラックスが数mm間隔で分離し、空隙
部を形成し伸展していない状態がみられる。このような
状態になる理由は、非金属成分(酸化物、弗化物)が多
い通常のフラックス入りワイヤの場合は、焼鈍過程中に
充填フラックスの固着化は起らず、伸線時にフラックス
粉体は容易に流動し、伸線過程の経過にともない外皮と
ともに圧縮、伸展されて、充填フラックスの分離が起ら
ないのに対して、金属粉の割合が多いと焼鈍過程中に金
属粉相互の固着化が起り、伸線時にこれが分離し、空隙
を作るためである。
しかして、前記の如きワイヤの伸線時の断線は、伸線過
程においてフラックス原料が分離した空隙部と充填部を
形成するため、ダイスにおける抵抗が強弱の波状を示
し、このうち、フラックス充填部でその抵抗が急増する
ために起こることを確かめた。
次に本発明者らは上述の断線原因の解析をもとに種々の
製造条件を検討する実験を行ない、以下の手段が断線防
止に有効であるとの着想を得、本発明を完成するに至っ
た。
(1)焼鈍後の伸線加工度(減面率)をできるだけ少なく
し伸線時の充填フラックスの分離を少なくする。
(2)焼鈍温度をできるだけ下げ、金属粉相互の固着化を
少なくする。
(3)焼鈍温度の上限は、焼鈍後の伸線減面率によって変
化し、次の式を満足する焼鈍とする。
以下に本発明の構成、作用を説明する。
まず、本発明は金属粉の割合が90%以上からなるフラ
ックス原料を10〜25%充填してなる金属粉系フラッ
クス入りワイヤに限定される。これらの限定は金属粉系
フラックス入りワイヤの本来の特徴すなわち、スラグが
少なく、能率的でかつ溶接作業性が良好である等の特徴
がなくなるものであるが、フラックス原料中の金属粉の
割合が90%未満の場合、必然的にアーク安定剤、スラ
グ形成剤であるアルカリ又はアルカリ土類金属酸化物あ
るいはTiO2,SiO2などの酸化物などが多くなるため、ス
ラグ量を増加させ、金属粉系フラックス入りワイヤの本
来の特性がなくなるので好ましくない。又、充填率の上
限を25%としたのは、これを超えると外皮金属の肉厚
が、うすくなりすぎ、ワイヤが軟弱になるとともに、伸
線工程においていかなる条件下でも断線してしまい、も
はや伸線ができなくなるためである。
一方、充填率が10%未満になると、鉄粉を主体とする
金属粉、アーク安定剤、少量必要となるスラグ形成剤成
分などのフラックス成分の十分な添加調整ができなくな
る。
焼鈍後の伸線減面率を30〜75%の範囲に限定する理
由は、30%未満ではワイヤが軟かすぎ、溶接時コンジ
ットケーブル内で座屈し易く、送給不良となるためであ
り、一方、75%以下にするのは、これを超える減面率
の場合、焼鈍温度を450℃以下に下げないと、伸線過
程において充填フラックス中の金属粉相互が固着してい
るため、伸線時これが分離し、これが原因で断線してワ
イヤが製造できなくなるか、もしくはくびれ状のワイヤ
となり、溶接時にワイヤの送給性を悪くするからであ
る。
焼鈍温度を450℃以上にするのは、これより低くする
と焼鈍時ワイヤ中のH2の逸散が不十分となり、溶接時
溶着金属中の拡散性水素量が多くなり、H2による低温
割れあるいはブローホールなどの欠陥を生じるためであ
る。
焼鈍温度の上限を下記式 により限定したのは焼鈍温度(T)と焼鈍後の伸線減面
率(R)を種々変化させて得た多くの実験データから得
た経験式であり、この焼鈍温度の上限を超えて焼鈍され
ると前述の伸線時断線が多発するか、ワイヤにくびれな
どが生じ使用できない状態となるためである。
〔実施例〕
以下に本発明を実施例によって説明する。
なお、焼鈍前工程までの製造条件は以下に示す通常の製
造方法で行なっている。
(i)使用した溶接鋼管は外径12.7mmφ、肉厚2mmの軟
鋼材である。
(ii)溶接鋼管内に充填するフラックス原料は第1表に
示すAとBの2種のものを使用した。そのうちAは、本
発明が対象とする金属粉系フラックス入りワイヤのフラ
ックス原料配合比を示すもので、金属粉の添加量は合計
95%である。Bは通常のフラックス入りワイヤの配合
比を示し、金属粉の添加量は38%である。
(iii)フラックス原料はバインダーとして水ガラスを
添加し、造粒,焼成してつくられ、その粒度は20メッ
シュ以下のものとした。
(iv)溶接鋼管へのフラックス充填は「特公昭45-30937
号公報記載と同様の振動充填法によって行なった。フラ
ックス充填率は15%とした。
実験は焼鈍温度及び焼鈍前までの伸線径を変えて、焼鈍
以後の伸線の減面率を種々変化させた。第2表にそれら
の実験条件と実験結果を示した。なお焼鈍時間は3時間
で行った。
実験結果は、伸線時の断線の有無と仕上りワイヤの外観
及び溶接時のワイヤ送給性の良、不良と溶接金属の拡散
性水素量〔JIS Z3118による〕を示し、それらをまとめ
た総合判定を行なった。
ここでワイヤ送給性の判定は次の溶接条件で行なった。
<溶接条件> 極性:DCワイヤ(+)、 シールドガス:CO2,25/分、 溶接電流:380A(1.6φ),280A(1.2φ)コンジット長
さ、3m(コンジット、市販品)、ストレート 第2表の実験条件と実験結果から以下のごとく考察でき
る。
(1)NO.3,NO.6,NO.10およびNO.12は本発明で規
定する要件を全て満足する実施例であり、伸線時の断線
もなく、又ワイヤの仕上り外観、溶接時のワイヤ送給
性、いずれも良好であり、又、拡散性水素量も5cc/1
00g以下であり、総合判定として、満足するものであ
る。
(2)NO.2,NO.5,及びNO.11は、焼鈍後の減面率は7
5%以下であるが焼鈍温度が(1)式 を満足しないため、伸線時断線多数となるものである。
(3)NO.4は焼鈍温度は(1)式を満足するが、焼鈍後の減
面率が84%と75%を越えているため、これも伸線時
の断線多数となっている。
(4)NO.1,NO.8及びNO.9は焼鈍温度及び減面率とも本
発明要件を満足せず、伸線時の断線多数となっている。
(5)NO.7は、焼鈍温度が低すぎ、拡散性水素量が高くな
り低温割れの危険があり、使用ができないものである。
(6)NO.13は減面率が低すぎ、ワイヤが軟かすぎて溶接
時座屈を起こし、送給不良となっている。
(7)NO.14及びNO.15はワイヤ処方が、非金属粉系で
ある比較例であり、この場合は伸線、ワイヤ仕上り外
観、ワイヤ送給性及び拡散性水素量とも良好な結果であ
るが、スラグ量が多く、金属粉系フラックス入りワイヤ
としての特徴がみられないものである。
〔発明の効果〕
本発明によれば、従来通常の製造条件では断線が生じた
り、くびれが生じて製造することができなかった、溶接
鋼管を外皮とした合わせ目のない金属粉系フラックス入
りワイヤを高い生産性で製造できるので、産業上裨益す
るところがきわめて大である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属粉の割合が90%以上からなるフラッ
    クス原料を溶接鋼管外皮に10〜25%充填してなる金
    属粉系フラックス入りワイヤの製造方法において、伸線
    過程中に行われる焼鈍工程の焼鈍温度を下記(1)式の範
    囲としかつ焼鈍後の伸線工程の減面率を30〜75%の
    範囲とすることを特徴とするワイヤ径2.0mmφ以下の金
    属粉系フラックス入りワイヤの製造方法。 ここでT(℃):焼鈍温度 R(%):焼鈍後の伸線減面率
JP7619288A 1988-03-31 1988-03-31 金属粉系フラックス入りワイヤの製造方法 Expired - Lifetime JPH0645080B2 (ja)

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