JPH08290294A - ガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ - Google Patents
ガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤInfo
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- JPH08290294A JPH08290294A JP9280395A JP9280395A JPH08290294A JP H08290294 A JPH08290294 A JP H08290294A JP 9280395 A JP9280395 A JP 9280395A JP 9280395 A JP9280395 A JP 9280395A JP H08290294 A JPH08290294 A JP H08290294A
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- wire
- cored wire
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 本発明は生産性向上を十分に考慮し、溶接性
能が安定して良好な金属粉系のガスシールドアーク溶接
用フラックス入りワイヤを提供することを目的とする。 【構成】 鋼製外皮内に鉄粉を主体とする金属粉を85
重量%以上含有するフラックスを充填してなるガスシー
ルドアーク溶接用フラックス入りワイヤにおいて、粒径
1.0μm以下の超微粉末状の酸化鉄を0.2〜5.0
重量%含有するフラックスをワイヤ全重量に対して10
〜30重量%充填したものであることを特徴とするガス
シールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ。また、前
記ワイヤには鋼製外皮部に貫通した隙間がないことを特
徴とする。
能が安定して良好な金属粉系のガスシールドアーク溶接
用フラックス入りワイヤを提供することを目的とする。 【構成】 鋼製外皮内に鉄粉を主体とする金属粉を85
重量%以上含有するフラックスを充填してなるガスシー
ルドアーク溶接用フラックス入りワイヤにおいて、粒径
1.0μm以下の超微粉末状の酸化鉄を0.2〜5.0
重量%含有するフラックスをワイヤ全重量に対して10
〜30重量%充填したものであることを特徴とするガス
シールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ。また、前
記ワイヤには鋼製外皮部に貫通した隙間がないことを特
徴とする。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は鋼構造物の溶接に用いる
ガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤに係わ
り、特に高能率な溶接ができ、かつ溶接作業性が良好で
耐割れ性にも優れた金属粉系のガスシールドアーク溶接
用フラックス入りワイヤに関する。
ガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤに係わ
り、特に高能率な溶接ができ、かつ溶接作業性が良好で
耐割れ性にも優れた金属粉系のガスシールドアーク溶接
用フラックス入りワイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ガスシールドアーク溶接用フラッ
クス入りワイヤは、軟鋼50キロ級高張力鋼をはじめと
する各種鋼種の鋼構造物の溶接に広く用いられている
が、充填フラックス組成により全姿勢溶接性或いはすみ
肉溶接性を重視してTiO2 等のスラグ形成剤とSi,
Mn等の脱酸剤、合金剤からなるものと、溶接能率を重
視して鉄粉を主体にした金属粉を多量に含有するもの
(以下、金属粉系フラックス入りワイヤという)とに大
別できる。また、それぞれのフラックス入りワイヤの断
面構造は図1に示すように、外皮部1に貫通した隙間が
ないもの(a)(以下、シームレスタイプという)と貫
通した隙間3があるもの(b),(c)とに分類でき
る。
クス入りワイヤは、軟鋼50キロ級高張力鋼をはじめと
する各種鋼種の鋼構造物の溶接に広く用いられている
が、充填フラックス組成により全姿勢溶接性或いはすみ
肉溶接性を重視してTiO2 等のスラグ形成剤とSi,
Mn等の脱酸剤、合金剤からなるものと、溶接能率を重
視して鉄粉を主体にした金属粉を多量に含有するもの
(以下、金属粉系フラックス入りワイヤという)とに大
別できる。また、それぞれのフラックス入りワイヤの断
面構造は図1に示すように、外皮部1に貫通した隙間が
ないもの(a)(以下、シームレスタイプという)と貫
通した隙間3があるもの(b),(c)とに分類でき
る。
【0003】金属粉系フラックスりワイヤの利点はスラ
グ形成剤をほとんど含有しないためにスラグ生成量が少
ないので、溶着効率が高く、厚板の多層溶接等でスラグ
の除去が要らず連続溶接が可能である。一方、金属粉系
のフラックス入りワイヤの欠点として、フラックス充填
後の特に細径段階の伸線工程において断線しやすく生産
性が悪く、また溶接性能についてもスパッタの発生量が
多いという問題がある。
グ形成剤をほとんど含有しないためにスラグ生成量が少
ないので、溶着効率が高く、厚板の多層溶接等でスラグ
の除去が要らず連続溶接が可能である。一方、金属粉系
のフラックス入りワイヤの欠点として、フラックス充填
後の特に細径段階の伸線工程において断線しやすく生産
性が悪く、また溶接性能についてもスパッタの発生量が
多いという問題がある。
【0004】このような問題を解決するために、例えば
特開昭63−90392号公報は充填フラックス中の鉄
粉の粒径を規定することにより生産性の向上を図ったも
のであり、特開昭60−257993号公報は金属粉の
流動度を規定し均一にフラックスを充填することによ
り、特公平6−32873号公報は鉄粉の成分を特定す
ることにより、アーク安定性や低スパッタ化を図ったも
のである。特開平3−2212397号公報はマイカ,
タルクのような潤滑性物質を添加して充填率の均一化と
伸線性改善ができることを提案しているが、これら潤滑
性物質はC、水分等を含有するので溶接作業性に悪影響
を及ぼし、また分解温度が低く高温度の中間焼鈍が行え
ないので低水素化が不十分で多層盛溶接による溶接部に
割れが発生しやすいという問題がある。
特開昭63−90392号公報は充填フラックス中の鉄
粉の粒径を規定することにより生産性の向上を図ったも
のであり、特開昭60−257993号公報は金属粉の
流動度を規定し均一にフラックスを充填することによ
り、特公平6−32873号公報は鉄粉の成分を特定す
ることにより、アーク安定性や低スパッタ化を図ったも
のである。特開平3−2212397号公報はマイカ,
タルクのような潤滑性物質を添加して充填率の均一化と
伸線性改善ができることを提案しているが、これら潤滑
性物質はC、水分等を含有するので溶接作業性に悪影響
を及ぼし、また分解温度が低く高温度の中間焼鈍が行え
ないので低水素化が不十分で多層盛溶接による溶接部に
割れが発生しやすいという問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のように従来より
種々の提案がなされてきたが,細径段階の高速伸線にお
いてはしばしば断線が問題となり、また最近の溶接の自
動化、ロボット化に金属粉系フラックス入りワイヤは最
適であり、さらに低スパッタ化や低水素化等の溶接性向
上の要望が強い。
種々の提案がなされてきたが,細径段階の高速伸線にお
いてはしばしば断線が問題となり、また最近の溶接の自
動化、ロボット化に金属粉系フラックス入りワイヤは最
適であり、さらに低スパッタ化や低水素化等の溶接性向
上の要望が強い。
【0006】そこで、本発明は生産性向上を十分に考慮
し、溶接性能が安定して良好な金属粉系のガスシールド
アーク溶接用フラックス入りワイヤを提供することを目
的とする。
し、溶接性能が安定して良好な金属粉系のガスシールド
アーク溶接用フラックス入りワイヤを提供することを目
的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明の要旨は、
(1)鋼製外皮内に鉄粉を主体とする金属粉を85重量
%以上含有するフラックスを充填してなるガスシールド
アーク溶接用フラックス入りワイヤにおいて、粒径1.
0μm以下の超微粉末状の酸化鉄を0.2〜5.0重量
%含有するフラックスをワイヤ全重量に対して10〜3
0重量%充填したものであることを特徴とするガスシー
ルドアーク溶接用フラックス入りワイヤ、及び(2)鋼
製外皮内に鉄粉を主体とする金属粉を85重量%以上含
有するフラックスを充填してなるガスシールドアーク溶
接用フラックス入りワイヤにおいて、粒径1.0μm以
下の超微粉末状の酸化鉄を0.2〜5.0重量%含有す
るフラックスをワイヤ全重量に対して10〜30重量%
充填したものであり、かつ鋼製外皮部に貫通した隙間が
ないことを特徴とするガスシールドアーク溶接用フラッ
クス入りワイヤにある。
(1)鋼製外皮内に鉄粉を主体とする金属粉を85重量
%以上含有するフラックスを充填してなるガスシールド
アーク溶接用フラックス入りワイヤにおいて、粒径1.
0μm以下の超微粉末状の酸化鉄を0.2〜5.0重量
%含有するフラックスをワイヤ全重量に対して10〜3
0重量%充填したものであることを特徴とするガスシー
ルドアーク溶接用フラックス入りワイヤ、及び(2)鋼
製外皮内に鉄粉を主体とする金属粉を85重量%以上含
有するフラックスを充填してなるガスシールドアーク溶
接用フラックス入りワイヤにおいて、粒径1.0μm以
下の超微粉末状の酸化鉄を0.2〜5.0重量%含有す
るフラックスをワイヤ全重量に対して10〜30重量%
充填したものであり、かつ鋼製外皮部に貫通した隙間が
ないことを特徴とするガスシールドアーク溶接用フラッ
クス入りワイヤにある。
【0008】
【作用】以下に本発明を詳細に説明する。まず、本発明
においてフラック中の金属粉を85重量%以上と限定し
たのは、余分なスラグを溶接中に生成させず、溶着効率
を高めるためである。フラックス中の金属粉の比率が8
5重量%未満では溶着効率においてソリッドワイヤより
明らかに低くなること、多層盛溶接の場合に生成スラグ
が多くなりすぎ1パス毎にスラグ除去を要するようにな
り溶接能率が低下する。ここでいう金属粉とは鉄粉の
他、Si,Mn,Ti,B,Al,Mg,Ca等の脱酸
剤、必要に応じて添加するNi,Cr,Mo,Cu等の
合金剤を意味している。これら成分の添加方法は各々単
体で添加しても、またこれら成分による合金として添加
してもよい。なお、上記金属粉成分の内、特に鉄粉は溶
着速度を向上させ溶接能率をあげるために41重量%以
上含有させる。しかし、80重量%を超えると金属粉中
の脱酸剤、合金剤等が不足し所望の溶接金属性能が得に
くくなる。
においてフラック中の金属粉を85重量%以上と限定し
たのは、余分なスラグを溶接中に生成させず、溶着効率
を高めるためである。フラックス中の金属粉の比率が8
5重量%未満では溶着効率においてソリッドワイヤより
明らかに低くなること、多層盛溶接の場合に生成スラグ
が多くなりすぎ1パス毎にスラグ除去を要するようにな
り溶接能率が低下する。ここでいう金属粉とは鉄粉の
他、Si,Mn,Ti,B,Al,Mg,Ca等の脱酸
剤、必要に応じて添加するNi,Cr,Mo,Cu等の
合金剤を意味している。これら成分の添加方法は各々単
体で添加しても、またこれら成分による合金として添加
してもよい。なお、上記金属粉成分の内、特に鉄粉は溶
着速度を向上させ溶接能率をあげるために41重量%以
上含有させる。しかし、80重量%を超えると金属粉中
の脱酸剤、合金剤等が不足し所望の溶接金属性能が得に
くくなる。
【0009】金属粉の含有量を85重量%以上にするこ
とにより、金属粉系フラックス入りワイヤの特徴である
溶接能率の向上は達成できる。しかし、製造時に前記断
線問題をともなう。本発明者らは断線の防止に対し種々
検討した結果、超微粉末状の酸化鉄をフラックス中に少
量含有させることにより、低水素化のために高温度の中
間焼鈍を行った場合においても断線を防止でき、これに
よる金属粉系フラックス入りワイヤはアークが安定しス
パッタが少なくなることを見いだしたものである。
とにより、金属粉系フラックス入りワイヤの特徴である
溶接能率の向上は達成できる。しかし、製造時に前記断
線問題をともなう。本発明者らは断線の防止に対し種々
検討した結果、超微粉末状の酸化鉄をフラックス中に少
量含有させることにより、低水素化のために高温度の中
間焼鈍を行った場合においても断線を防止でき、これに
よる金属粉系フラックス入りワイヤはアークが安定しス
パッタが少なくなることを見いだしたものである。
【0010】図3に細径段階の伸線中に断線が多発した
シームレスタイプの従来の金属粉系フラックス入りワイ
ヤ(ワイヤ径:1.2mm、充填率15重量%)のワイヤ
長手方向断面の観察結果を模式的に示す。外皮部には断
面積が小さくなっている部分、即ち外皮肉厚が薄い部分
があり、フラックス部2にはフラックスの充填状態を断
続させている微小な亀裂4が認められた。この微小な亀
裂、即ちフラックス充填率の極端な不均一箇所は細径段
階の伸線において外皮部の延びにフラックス部が追従し
きれずに生じたもので、フラックス充填率のばらつきが
大きい場合に発生しやすい。
シームレスタイプの従来の金属粉系フラックス入りワイ
ヤ(ワイヤ径:1.2mm、充填率15重量%)のワイヤ
長手方向断面の観察結果を模式的に示す。外皮部には断
面積が小さくなっている部分、即ち外皮肉厚が薄い部分
があり、フラックス部2にはフラックスの充填状態を断
続させている微小な亀裂4が認められた。この微小な亀
裂、即ちフラックス充填率の極端な不均一箇所は細径段
階の伸線において外皮部の延びにフラックス部が追従し
きれずに生じたもので、フラックス充填率のばらつきが
大きい場合に発生しやすい。
【0011】外皮の軟化及び脱水素のために高温度の中
間焼鈍を行った場合には、さらにフラックス部の亀裂は
発生しやすく、このときフラックス部は焼結状態となっ
ている。また、外皮部内壁には塊状化したフラックス5
の噛み込みも観察できる。この塊状フラックスは縮径に
ともない金属粉どうしが加圧変形し局部的に固く結合し
或いは焼結状態になって、外皮部に噛み込んだものであ
り、外皮肉厚が薄くなっており断線を誘発する箇所とい
える。なお、このような不連続な断面を呈する金属粉系
フラックスワイヤによる溶接試験結果はアークが不安定
でスパッタが多発した。
間焼鈍を行った場合には、さらにフラックス部の亀裂は
発生しやすく、このときフラックス部は焼結状態となっ
ている。また、外皮部内壁には塊状化したフラックス5
の噛み込みも観察できる。この塊状フラックスは縮径に
ともない金属粉どうしが加圧変形し局部的に固く結合し
或いは焼結状態になって、外皮部に噛み込んだものであ
り、外皮肉厚が薄くなっており断線を誘発する箇所とい
える。なお、このような不連続な断面を呈する金属粉系
フラックスワイヤによる溶接試験結果はアークが不安定
でスパッタが多発した。
【0012】これに対し、図2は本発明による超微粉末
状の酸化鉄を含有させて試作し、断線がなかった金属粉
系フラックス入りワイヤのワイヤ長手方向の断面の観察
結果を示したものであるが、中間焼鈍の有無に係わらず
外皮部及びフラックス部には特に際立った異常は認めら
れない。また溶接作業性も安定して良好であった。即
ち、金属粉系フラックス入りワイヤの製造過程における
伸線性と溶接作業性とは密接な関係にあり、フラックス
充填率及び外皮部の肉厚を均一にして断線を防止するこ
とによりアークが安定しスパッタ発生量も減少する。
状の酸化鉄を含有させて試作し、断線がなかった金属粉
系フラックス入りワイヤのワイヤ長手方向の断面の観察
結果を示したものであるが、中間焼鈍の有無に係わらず
外皮部及びフラックス部には特に際立った異常は認めら
れない。また溶接作業性も安定して良好であった。即
ち、金属粉系フラックス入りワイヤの製造過程における
伸線性と溶接作業性とは密接な関係にあり、フラックス
充填率及び外皮部の肉厚を均一にして断線を防止するこ
とによりアークが安定しスパッタ発生量も減少する。
【0013】本発明においてフラックス中に含有させる
超微粉末状の酸化鉄は、フラックスの流動性を良好に
して充填時の局部的な充填率の変動をなくし、充填時
及び伸線初期段階で外皮内壁に付着してその後の伸線加
工中の外皮金属と充填フラックスとの摩擦抵抗を小さく
し、中間焼鈍を行う場合には充填フラックスが焼結状
態になったとしても伸線加工中のフラックスを移動しや
すくして外皮部の延びに対するフラックス部の追従性を
良好にするように作用する。なお、上記中間焼鈍後のフ
ラックス部の追従性改善については、ミクロ的な観察及
び分析により金属粉粒子間に金属粉どうしの結合とは異
種の高酸素量の薄い焼結層が形成されていることが認め
られるので、この薄い焼結層が伸線加工によるフラック
ス部への変形圧力に対し脆弱な部分となることによる。
さらに、超微粉末状の酸化鉄を含有させることにより
溶滴が細粒化しアーク力をやや弱目になっていること
は、ワイヤ先端及び溶融プールからのスパッタ飛散を抑
え低スパッタ化にも有効に作用している。
超微粉末状の酸化鉄は、フラックスの流動性を良好に
して充填時の局部的な充填率の変動をなくし、充填時
及び伸線初期段階で外皮内壁に付着してその後の伸線加
工中の外皮金属と充填フラックスとの摩擦抵抗を小さく
し、中間焼鈍を行う場合には充填フラックスが焼結状
態になったとしても伸線加工中のフラックスを移動しや
すくして外皮部の延びに対するフラックス部の追従性を
良好にするように作用する。なお、上記中間焼鈍後のフ
ラックス部の追従性改善については、ミクロ的な観察及
び分析により金属粉粒子間に金属粉どうしの結合とは異
種の高酸素量の薄い焼結層が形成されていることが認め
られるので、この薄い焼結層が伸線加工によるフラック
ス部への変形圧力に対し脆弱な部分となることによる。
さらに、超微粉末状の酸化鉄を含有させることにより
溶滴が細粒化しアーク力をやや弱目になっていること
は、ワイヤ先端及び溶融プールからのスパッタ飛散を抑
え低スパッタ化にも有効に作用している。
【0014】本発明では超微粉末状の酸化鉄の粒径を
1.0μm以下に限定した。この理由は微粉であればあ
るほどフラックス表面および鋼製外皮内面に付着させや
すく、少量でもってフラックスの流動性及び追従性を良
好にし断線防止及び溶滴の細粒化によるスパッタ低減に
効果的に作用する。粒径が1.0μmよりも粗粒の場合
は、フラックス粒子の表面に付着させにくく断線防止効
果が十分に発揮できず、また酸化鉄による悪影響が現れ
アークが粗くなり、スパッタ量は多くなる。超微粉末状
の酸化鉄による上記効果はフラックス全重量に対して
0.2重量%以上含有させることにより得られる。しか
し、5.0重量%を超えると粗粒のミルスケール等の酸
化鉄を含有させた場合と同様にスパッタが多くなり、溶
接金属の酸素量も増加し衝撃値が低下する。
1.0μm以下に限定した。この理由は微粉であればあ
るほどフラックス表面および鋼製外皮内面に付着させや
すく、少量でもってフラックスの流動性及び追従性を良
好にし断線防止及び溶滴の細粒化によるスパッタ低減に
効果的に作用する。粒径が1.0μmよりも粗粒の場合
は、フラックス粒子の表面に付着させにくく断線防止効
果が十分に発揮できず、また酸化鉄による悪影響が現れ
アークが粗くなり、スパッタ量は多くなる。超微粉末状
の酸化鉄による上記効果はフラックス全重量に対して
0.2重量%以上含有させることにより得られる。しか
し、5.0重量%を超えると粗粒のミルスケール等の酸
化鉄を含有させた場合と同様にスパッタが多くなり、溶
接金属の酸素量も増加し衝撃値が低下する。
【0015】なお、超微粉末状の酸化鉄としてはFe2
O3 が一般的であるが、FeO,Fe3 O4 またはこれ
らの混合物でもよい。超微粉末状の酸化鉄の形状は潤滑
性のためにほぼ球型を呈していることが好ましいが、複
雑形状であっても本発明の効果は同等に得られる。超微
粉末状の酸化鉄をフラックス中に含有させる方法は他の
フラックス原料との直接混合或いは他のフラックス原料
を水ガラス等で造粒してから混合してもよい。
O3 が一般的であるが、FeO,Fe3 O4 またはこれ
らの混合物でもよい。超微粉末状の酸化鉄の形状は潤滑
性のためにほぼ球型を呈していることが好ましいが、複
雑形状であっても本発明の効果は同等に得られる。超微
粉末状の酸化鉄をフラックス中に含有させる方法は他の
フラックス原料との直接混合或いは他のフラックス原料
を水ガラス等で造粒してから混合してもよい。
【0016】次に、本発明による金属粉系フラックス入
りワイヤのフラックス充填率はワイヤ全重量に対して1
0〜30重量%に限定した。この理由はフラックス充填
率が10重量%未満では外皮部の肉厚が厚くなりワイヤ
溶融速度が遅く、また、溶滴が大きくなりスパッタ量が
多くなる。一方、30重量%を超えると外皮部の肉厚が
必然的に薄くなりすぎて断線が発生しやすくなる。な
お、ワイヤ径としてはワイヤ溶融速度を速くし溶接能率
を上げるために1.0〜2.4mmの範囲とすることが好
ましい。
りワイヤのフラックス充填率はワイヤ全重量に対して1
0〜30重量%に限定した。この理由はフラックス充填
率が10重量%未満では外皮部の肉厚が厚くなりワイヤ
溶融速度が遅く、また、溶滴が大きくなりスパッタ量が
多くなる。一方、30重量%を超えると外皮部の肉厚が
必然的に薄くなりすぎて断線が発生しやすくなる。な
お、ワイヤ径としてはワイヤ溶融速度を速くし溶接能率
を上げるために1.0〜2.4mmの範囲とすることが好
ましい。
【0017】さらに、本発明の金属粉系フラックス入り
ワイヤの断面は図1に示す従来一般的なものでよいが、
特に図1(a)に示すように鋼製外皮部に貫通した隙間
がないシームレスタイプの断面にすることにより、脱水
素のための高温度焼鈍を実施でき、極低水素化が可能と
なり多層盛溶接金属の耐割れ性が向上する。またシーム
レスタイプの断面にすることにより自動及びロボット溶
接装置において重要なワイヤ狙い位置の安定化及び良好
なワイヤ送給性が得られる。
ワイヤの断面は図1に示す従来一般的なものでよいが、
特に図1(a)に示すように鋼製外皮部に貫通した隙間
がないシームレスタイプの断面にすることにより、脱水
素のための高温度焼鈍を実施でき、極低水素化が可能と
なり多層盛溶接金属の耐割れ性が向上する。またシーム
レスタイプの断面にすることにより自動及びロボット溶
接装置において重要なワイヤ狙い位置の安定化及び良好
なワイヤ送給性が得られる。
【0018】以上が本発明による金属粉系フラックス入
りワイヤの主要構成であるが、アーク安定化やすみ肉溶
接に使用する場合のビード形成性向上のために少量のス
ラグ形成剤を含有させることができる。Na2 O,K2
O,Li2 O,Ti2 O,Si2 O,Zr2 O,Al2
O3 ,MgO等の酸化物、NaF,KF,K2 SiF6
等の弗化物等の非金属物質を単体もしくは化合物の形態
でその総量が10重量%を超えない範囲で添加すること
ができる。鋼製外皮としては軟鋼材が伸線加工性の面か
ら好ましいが、用途に応じて低合金鋼または高合金鋼を
用いることができる。
りワイヤの主要構成であるが、アーク安定化やすみ肉溶
接に使用する場合のビード形成性向上のために少量のス
ラグ形成剤を含有させることができる。Na2 O,K2
O,Li2 O,Ti2 O,Si2 O,Zr2 O,Al2
O3 ,MgO等の酸化物、NaF,KF,K2 SiF6
等の弗化物等の非金属物質を単体もしくは化合物の形態
でその総量が10重量%を超えない範囲で添加すること
ができる。鋼製外皮としては軟鋼材が伸線加工性の面か
ら好ましいが、用途に応じて低合金鋼または高合金鋼を
用いることができる。
【0019】また本発明の金属粉系フラックス入りワイ
ヤを用いる場合のシールドガス組成をしては、CO2 ガ
スの他にAr−CO2 混合ガス或いはArガスも適用可
能である。Ar−CO2 混合ガス或いはArガスの場合
はArガスによるアーク安定化作用が重畳されるのでさ
らにスパッタを低減できる。
ヤを用いる場合のシールドガス組成をしては、CO2 ガ
スの他にAr−CO2 混合ガス或いはArガスも適用可
能である。Ar−CO2 混合ガス或いはArガスの場合
はArガスによるアーク安定化作用が重畳されるのでさ
らにスパッタを低減できる。
【0020】
【実施例】以下に実施例により本発明の効果をさらに具
体的に示す。表1に示す帯鋼及び鋼管を鋼製外皮として
表2に示す金属粉系フラックス入りワイヤを試作した。
帯鋼による試作ワイヤ(W1,2,8,9)はフラック
ス(非造粒フラックス)充填後のワイヤ径が約4mm、最
終ダイスの伸線速度は500m/minである。鋼管による
試作ワイヤ(W2〜7,W10〜15)はフラックス
(造粒フラックス)充填前に鋼管を所定の肉厚となるよ
うに伸線後、特開昭59−22697号公報に見られる
ような振動充填方式により充填後、中間伸線で3.5mm
まで縮径し、同ワイヤ径において中間焼鈍(650℃)
し、仕上げ伸線の最終ダイスの伸線速度は仕上がり径
1.2mmの場合は800m/min、1.6mmの場合は60
0m/min、2.0mmの場合は500m/minで行った。な
お、仕上がり径2.0mmの試作ワイヤ(W7,W15)
については中間焼鈍は実施しなかった。超微粉末状の酸
化鉄は充填前に予め乾式混合によりそれぞれのフラック
スに含有させた。本発明ワイヤ(W1〜7)の仕上がり
量はそれぞれ約500kgずつである。ワイヤ試作状況と
表3に示す試験条件による溶接試験結果とを表4にまと
めて示す。
体的に示す。表1に示す帯鋼及び鋼管を鋼製外皮として
表2に示す金属粉系フラックス入りワイヤを試作した。
帯鋼による試作ワイヤ(W1,2,8,9)はフラック
ス(非造粒フラックス)充填後のワイヤ径が約4mm、最
終ダイスの伸線速度は500m/minである。鋼管による
試作ワイヤ(W2〜7,W10〜15)はフラックス
(造粒フラックス)充填前に鋼管を所定の肉厚となるよ
うに伸線後、特開昭59−22697号公報に見られる
ような振動充填方式により充填後、中間伸線で3.5mm
まで縮径し、同ワイヤ径において中間焼鈍(650℃)
し、仕上げ伸線の最終ダイスの伸線速度は仕上がり径
1.2mmの場合は800m/min、1.6mmの場合は60
0m/min、2.0mmの場合は500m/minで行った。な
お、仕上がり径2.0mmの試作ワイヤ(W7,W15)
については中間焼鈍は実施しなかった。超微粉末状の酸
化鉄は充填前に予め乾式混合によりそれぞれのフラック
スに含有させた。本発明ワイヤ(W1〜7)の仕上がり
量はそれぞれ約500kgずつである。ワイヤ試作状況と
表3に示す試験条件による溶接試験結果とを表4にまと
めて示す。
【0021】表中試験No.1〜7が本発明例、No.
8〜15が比較例である。本発明例の試験No.1〜7
(W1〜7)は断線がなく、アークが安定しスパッタ量
が少なく、溶着金属試験の衝撃値も高い。また中間焼鈍
を実施したシームレスタイプのワイヤ断面をもつW3〜
6による拡散性水素量は極めて低く、多層盛による溶接
金属の耐割れ性も向上している。
8〜15が比較例である。本発明例の試験No.1〜7
(W1〜7)は断線がなく、アークが安定しスパッタ量
が少なく、溶着金属試験の衝撃値も高い。また中間焼鈍
を実施したシームレスタイプのワイヤ断面をもつW3〜
6による拡散性水素量は極めて低く、多層盛による溶接
金属の耐割れ性も向上している。
【0022】比較例中試験No.8,15(W8,1
5)は超微粉末状の酸化鉄を含有させないために断線が
多発した。試験No.9(W9)は超微粉末状の酸化鉄
の含有量が少なすぎるために断線し、またアークが不安
定でスパッタが多発した。試験No.10(W10)は
充填率が少なすぎるためにワイヤ溶融速度が遅く、また
溶滴が大きくスパッタが多発した。試験No.11(W
11)は微粉酸化鉄の粒径が大きいために超微粉末状の
酸化鉄による本発明による効果が得られず断線が多発し
た。試験No.12(W12)は超微粉末状の酸化鉄の
含有量が多すぎるためにアークが不安定でスパッタが多
発、さらに溶着金属試験の衝撃値が低下した。試験N
o.13(W13)は金属粉の含有量が少なすぎるため
にワイヤ溶着効率が小さい。試験No.14(W14)
は充填率が多すぎて断線が多発した。
5)は超微粉末状の酸化鉄を含有させないために断線が
多発した。試験No.9(W9)は超微粉末状の酸化鉄
の含有量が少なすぎるために断線し、またアークが不安
定でスパッタが多発した。試験No.10(W10)は
充填率が少なすぎるためにワイヤ溶融速度が遅く、また
溶滴が大きくスパッタが多発した。試験No.11(W
11)は微粉酸化鉄の粒径が大きいために超微粉末状の
酸化鉄による本発明による効果が得られず断線が多発し
た。試験No.12(W12)は超微粉末状の酸化鉄の
含有量が多すぎるためにアークが不安定でスパッタが多
発、さらに溶着金属試験の衝撃値が低下した。試験N
o.13(W13)は金属粉の含有量が少なすぎるため
にワイヤ溶着効率が小さい。試験No.14(W14)
は充填率が多すぎて断線が多発した。
【0023】
【表1】
【0024】
【表2】
【0025】
【表3】
【0026】
【表4】
【0027】
【発明の効果】以上のように本発明は、生産性向上とと
もに溶接性能も良好な金属粉系のガスシールドアーク溶
接用フラックス入りワイヤを提供するものであり、溶接
の高能率化に寄与できる。
もに溶接性能も良好な金属粉系のガスシールドアーク溶
接用フラックス入りワイヤを提供するものであり、溶接
の高能率化に寄与できる。
【図1】(a),(b),(c)は本発明による金属粉
系フラックス入りワイヤの断面形状例を示す図である。
系フラックス入りワイヤの断面形状例を示す図である。
【図2】本発明による金属粉系フラックス入りワイヤの
長手方向の断面状態の観察結果を示す図である。
長手方向の断面状態の観察結果を示す図である。
【図3】金属粉系フラックス入りワイヤにおける断線発
生部近傍のワイヤの長手方向の断面状態の観察結果を示
す図である。
生部近傍のワイヤの長手方向の断面状態の観察結果を示
す図である。
【図4】実施例における多層盛溶接金属の耐割れ性試験
に供した試験板の開先形状及び積層法を示す図である。
に供した試験板の開先形状及び積層法を示す図である。
【符号の説明】 1 鋼製外皮 2 フラックス 3 鋼製外皮部の貫通した隙間 4 フラックス部に生じた亀裂 5 塊状化したフラックス 6 試験板(母材) 7 裏当材 8 拘束板 9 溶接金属
Claims (2)
- 【請求項1】 鋼製外皮内に鉄粉を主体とする金属粉を
85重量%以上含有するフラックスを充填してなるガス
シールドアーク溶接用フラックス入りワイヤにおいて、
粒径1.0μm以下の超微粉末状の酸化鉄を0.2〜
5.0重量%含有するフラックスをワイヤ全重量に対し
て10〜30重量%充填したことを特徴とするガスシー
ルドアーク溶接用フラックス入りワイヤ。 - 【請求項2】 鋼製外皮内に鉄粉を主体とする金属粉を
85重量%以上含有するフラックスを充填してなるガス
シールドアーク溶接用フラックス入りワイヤにおいて、
粒径1.0μm以下の超微粉末状の酸化鉄を0.2〜
5.0重量%含有するフラックスをワイヤ全重量に対し
て10〜30重量%充填し、かつ鋼製外皮部に貫通した
隙間がないことを特徴とするガスシールドアーク溶接用
フラックス入りワイヤ。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9280395A JPH08290294A (ja) | 1995-04-18 | 1995-04-18 | ガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9280395A JPH08290294A (ja) | 1995-04-18 | 1995-04-18 | ガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH08290294A true JPH08290294A (ja) | 1996-11-05 |
Family
ID=14064580
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP9280395A Pending JPH08290294A (ja) | 1995-04-18 | 1995-04-18 | ガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH08290294A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2015518427A (ja) * | 2012-04-17 | 2015-07-02 | ホバート ブラザーズ カンパニー | 溶接電極用のシステムおよび方法 |
-
1995
- 1995-04-18 JP JP9280395A patent/JPH08290294A/ja active Pending
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2015518427A (ja) * | 2012-04-17 | 2015-07-02 | ホバート ブラザーズ カンパニー | 溶接電極用のシステムおよび方法 |
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