JPH064515B2 - 高靭性窒化珪素焼結体およびその製法 - Google Patents

高靭性窒化珪素焼結体およびその製法

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JPH064515B2
JPH064515B2 JP60074262A JP7426285A JPH064515B2 JP H064515 B2 JPH064515 B2 JP H064515B2 JP 60074262 A JP60074262 A JP 60074262A JP 7426285 A JP7426285 A JP 7426285A JP H064515 B2 JPH064515 B2 JP H064515B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の利用分野〕 本発明は、ガスタービンブレードや各種エンジン部品等
に用いるのに適した高靭性窒化珪素複合焼結体に関す
る。
〔発明の背景〕
ガスタービンブレード等、高温あるいは悪環境にさらさ
れる部分には従来より耐熱合金が用いられてきた。しか
し、近年高性能化のために、その使用温度が耐熱合金の
使用限界温度に達しつつある。そこでこれらの耐熱合金
に代る材料として、耐熱、耐酸化性および耐熱衝撃性の
大きい窒化珪素焼結体が注目され始めた。しかし、窒化
珪素セラミツクスは周知のごとく脆いという欠点があ
り、いまだに本格的実用化に至つていない。
セラミツクス強靭化材料としては、金属を結合層として
各種炭化物、酸化物を加えた、例えば特公昭59-26977の
切削工具用のサーメツトが良く知られている。これらサ
ーメツトは、セラミツクスをCoやNi等の金属相で結
合したものである。セラミツクスの脆さを金属相でカバ
ーしているため、常温における強度や靭性は改善される
が、高温では金属相を含むために耐熱性が悪く、かつ高
温域での強度および硬度が低下する。そのため高温にお
いてもすぐれた耐酸化性、および強度を維持することの
できるセラミツクスのウイスカーまたはフアイバーの分
散させた複合セラミツクスの研究が活発に行われてい
る。すなわちセラミツクスにクラツクが生じた場合にウ
イスカーまたはフアイバーにより、その進行を阻止する
ためである。例えば特開昭59-54680においてはSicウ
イスカーを分散し、強化した窒化珪素セラミツクス焼結
体が報告されている。しかし、ウイスカーを分散添加す
るだけでは、セラミツクスの靭性を大幅に改善すること
は困難である。その理由は、窒化珪素とSiCウイスカ
ーは焼結時の高温下でもあまり反応せず、ウイスカーの
ままで窒化珪素マトリツクス中に分散状態で存在してい
るが、焼結体が外力を受けてクラツクが発生してもその
分散状のウイスカーの直径が0.5〜1.0μm(一般に入手
できる気相法合成によるもの)と細く、クラツクの進行
を阻止する能力が小さいためと考えられる。ウイスカー
を多量に添加することも考えられるが、焼結密度が低下
しかえつて好ましくない。
一方、特開昭58-41770においては5重量%以下の各種珪
化物を窒化珪素に添加し、耐熱衝撃性を向上して高温の
機械強度を改善しようとしてるが、まだ充分とは云い難
い。これは、例えば、CrSi2を添加したSi3N4焼
結体のX線回折ではCrSi,Cr3Si,Cr2N,C
rNが検出され、第2図に示す様な2,3種の異なる相
の粒子から形成されている。クラツクを発生させて検鏡
した結果、クラツク1は、粒子2,3の粒界を容易に進
行して焼結体の割れるのを阻止できなかつた。
〔発明の目的〕
発明の目的は、窒化珪素を主成分とするセラミツクスの
靭性を大幅に改善した窒化珪素焼結体およびその製法を
提供することにある。
〔発明の概要〕
本発明者らは、窒化珪素とSiCウイスカーは反応し難
いが、SiCウイスカーと金属珪化物は反応し易いこと
に着目し、窒化珪素にSiCウイスカーと金属珪化物を
一緒に添加し焼結を行えば、窒化珪素、SiCウイスカ
ーおよび金属珪化物が強固に一体できるのではないかと
考えた。
実施してみたところ予想以上に靭性の優れた窒化珪素系
焼結体を得ることができた。この焼結体を検鏡した結
果、第1図に示す様な構造のものであることが判つた。
即ち、窒化珪素マトリツクス5中に、金属珪化物2とS
iCウイスカー6との反応相7が形成されている。ま
た、場合によつては、金属珪化物2と窒化珪素とが反応
してできた金属室化物4を含む場合がある。これらは互
に密接して形成されている。なお、図に示す様に、クラ
ツク1の進行は前記反応相7に当ると迂回して進行して
いる この反応相の効果は、 (1) 反応相を介して金属珪化物の粒子とSiCウイス
カーが強く接着し、これが母材の窒化珪素とが強固に接
着されるため結果としてSiCウイスカーと窒化珪素が
強固に結びつけられ、ウイスカー自体も強化されること
になり、靭性が向上する、 (2) 反応相を介して、SiCウイスカーによつて金属
珪化物相が結びつけられるため、これらの相の集合体で
ある粒子の強度が増し、粒界をクラツクが貫通しにくく
なる、 (3) 反応相は機械的強度が大きく、これによつてクラ
ツクの進行が阻止される などが考えられる。
以上のことから、反応相は機械的強度の大きな相である
ことが特に望ましく、具体的にSiCと金属炭化物との
固溶体であることが好ましい。
一般的にセラミツクスにクラツクが発生したとき、強固
な粒子が存在するとそのクラツクの進行が妨げられるた
めクラツクは迂回し、それによつてエネルギーが消耗さ
れるので靭性向上になる。本発明の効果もこの理論に近
いものである。第1図に示す様にクラツク1は反応相7
に衝突するとエネルギーが吸収されるためクラツクが止
まる。なお、金属珪化物に遭遇しないSiCウイスカー
は、窒化珪素中にそのままの形で存在する。同様なこと
が金属珪化物についても云える。
本発明においてSiCウイスカーの添加量は、5〜25
vol%が好ましい。これより少なくとも多くても充分な
靭性が得られない。とくに25vol%を越えると急激に
密度が低下し、焼結体としても好ましくない。
本発明の金属珪化物は炭素と親和力の強いものであるこ
とが望ましい。この場合、SiCウイスカーと金属珪化
物または金属窒化物との間にSiの一部を金属で置換し
たSiCと金属珪化物との固溶体から成る反応相が生成
し易い。こうしたものとしては、Ti,Zr,Hf,
V,Nb,Ta,Cr,Mo,Wの珪化物があり、とく
にTi,V,Crの珪化物は高温における耐酸化性に優
れているので望ましい。
Zr,Hfの珪化物は焼結時に窒化物に変化し易いが、
本発明の目的を達成する点では変らない。
なお、本発明において窒化珪素は60vol%以上である
ことが望ましい。
また、焼結助剤としては一般に用いられているMgO,
Al2O3,Sc2O3,Y2O3、希土類酸化物から選ばれ
る少なくとも1種を0.1〜20vol%添加するのが良
い。
次に、本発明の高靭性窒化珪素焼結体の製法について述
べる。
窒化珪素60vol%以上とSiCウイスカー5〜25vo
l%、前記金属珪化物5〜25vol%、前記焼結助剤0.
1〜20vol%をミキサーで混合し、成形して真空中ま
たは不活性ガス中で1600℃〜1900℃でホツトプレスする
ことにより得られる。
〔発明の実施例〕
以下本発明の実施例について述べる。
実施例1 Si3N4(粒径:1〜3μm)粉末と金属珪化物(粒
径:530μm)粉末に焼結助剤を所定量添加し、らい
かい機にて十分混合した。焼結助剤は種々あるが、Al
2O3及びY2O3の0.1〜20vol%の範囲が適量であ
る。この場合には特に高温強度の多きいセラミツクスが
得られることを確認している。本実施例をAl2O3を2
vol%、Y2O3を3vol%としたが前記0.1〜20vol
%の添加範囲では同様な結果が得られることを確認して
いる。
SiCウイスカーはお互に絡みあつているので、最終焼
結体で所定のvol%になるよう秤量しエチルアルコール
中で超音波を照射し分散させた。なお、本実施例で用い
たSiCウイスカーは太さ0.3〜1.0μm、長さ20〜5
0μmである。次いで均一分散をするためスタラーで攪
拌しながら前記混合物粉末を徐々に添加した。その後ら
いかい機を用いて再度混合したのち16メツシユのふる
いで整粒し、プレスで400kg/cm2に加圧し厚さ6m
mt、直径60mmφのグリンボデイを作製した。これを黒
鉛ダイスを用いたホツトプレスにセツトしてN2ガス中
300kg/cm2の加圧下で最高加熱温度1800℃で焼結し
た。
上記の方法によりまずSi3N4を母相としSicウイスカ
ーを10vol%一定として、TiSi2を0,2.5,5,
10,20,25,30および35vol%添加した焼結
体を作成した。この焼結体より3mm×4mm×36mmの試
験片を採取した。これを研磨したのち中心部に幅0.01m
m、深さ0.3mmの切り込みを入れて、SENB方(Single Ed
ge Notched Beam)も試験片を作製し破壊靭性値K1Cを
求めた。
その結果を第3図に示す。単体のSi3N4値も併記して
あるがウイスカーのみの添加でのK1Cは7.3MN/m3/2
でその増加は小さい。しかし、さらにTiSi2を添加
することによりK1Cは増加し、特に5〜25vol%の範
囲の増加が著しい。しかし30vol%以上添加するとK
1Cは減少する。これは焼結体の密度に起因する。25vo
l%以下の焼結体の相対密度が99%以上であるのに対
し、30vol%以上添加焼結体では相対密度が95%以
下に低下してしまうためである。また2.5vol%までは
K1cもあまり増加しないためTiSi2添加の適量は5
〜25vol%である。一方20vol%添加試料を鏡面研
磨して光学顕微鏡および走査電子顕微鏡で観察した。
添加したTiSi2粒子はSi3N4および雰囲気中のN2
ガスと反応し、TiN,Ti2NおよびTiとSiの固
溶体とが混在した粒子となつていることを確認した。既
述した様に、異なつた相の集合体で、従来の方法である
珪化物のみ単独添加したものではその異相界面はクラツ
クの進行を容量にし、K1cの向上と認められなかつた。
しかし、本実施例で明らかな様にその粒子界面の一部に
SiCウイスカーと金属珪化物が反応して生成した反応
相(Si,Ti)Cが認められた。この反応相はTi
N,Ti2NおよびTi,Siの固溶体とも良く密着し
て、これら粒子とSicウイスカーを強固に接着してい
た。
ビツカース硬度計によりクラツクを発生させたところ、
クラツクはこれら反応相で進行が妨げられ屈曲しながら
進行することが判つた。これによりK1cは向上したもの
推定される。
実施例2 実施例1と同じ方法で母相Si3N4にTiSi2量を2
0vol%一定として、SiCウイスカーを0,2.5,
5,10,20,25および30vol%の焼結体を作製
した。実施例1と同様にSENB法にてK1Cを測定した結果
を第4図に示す。SiCウイスカーが2.5vol%では添
加による効果が少なくK1Cの増加は少ない。また30vo
l%以上添加すると密度が低下するためK1Cは減少す
る。これらの結果からSi3N4−TiSi2焼結体のK
1C向上には5〜25vol%のSiCウイスカーが適量で
あり、特に約10vol%添加が、その効果が一番大き
い。
比較例 実施例2と同様な方法で、母相Si3N4にTiSi2量
を20vol%一定として、粒径0.5〜10μmのSiC
粒子を5〜25vol%加えた焼結体を作製した。これら
の焼結体のK1Cは7〜8MN/m3/2と上述のSiCウ
イスカーの添加の場合よりも小さかつた。これは、用い
たSiC粒子のアスペクト比が1〜3程度であるため、
ウイスカーを用いた場合に比べて、金属珪化物相または
/および金属窒化物相との集合体の強度が小さく、クラ
ツク防止の効果が小さいことによるものと考えられる。
実施例3 実施例1と同じ方法でZrSi2,HfSi2,VS
i2,NbSi2,TaSi2,CrSi2,MoSi2,
WSi2を添加したSi3N4−金属珪化物−SiCウイ
スカー焼結体を作成した。これら焼結体についてK1Cを
測定した。その結果を第1表に示す。
実施例4 実施例1と同じ方法でSi3N4にCrNを単独添加した
複合焼結体を作成し検討した。その結果、CrSi2添
加と同様の結果が得られた。すなわち添加したCrNは
Si3N4中のSiと反応してCrSi2,Cr3Si,C
r2NおよびCrNを生成し、異相が混在した粒子とな
つており、K1Cは約7MN/m3/2と小さかつた。一方
これに更にSiCウイスカーを添加すると、K1Cは約1
0MN/m3/2と著しく増加した。
〔発明の効果〕
本発明の窒化珪素焼結体は靭性が格段に優れている。
また、耐酸化性、知熱衝撃性も併せすぐれているので、
ガスタービン、各種エンジンなどの高温機器用材料とし
て好適である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明による焼結体の粒子構造と破壊モードを
示す模式図、第2図は従来の焼結体の粒子構造と破壊モ
ードを示す模式図である。第3図および第4図は本発明
の焼結体の破壊靭性値の変化を示す曲線図である。 1…クラツク、2,3…金属珪化物、4…金属窒化物、
5…窒化珪素マトリツクス、6…炭化珪素ウイスカー、
7…反応相。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】窒化珪素を主成分とし、金属珪化物相と、
    炭化珪素ウィスカーを含み、金属珪化物と炭化珪素ウィ
    スカーとの反応相を含むことを特徴とする高靭性窒化珪
    素焼結体。
  2. 【請求項2】特許請求の範囲第1項において、金属珪化
    物相の金属がTi,Zr,Hf,V,Nb,Cr,Mo
    及びWから選ばれる少なくとも1種であることを特徴と
    する高靭性窒化珪素焼結体。
  3. 【請求項3】特許請求の範囲第2項において、反応相が
    Ti,Zr,Hf,V,Nb,Cr,Mo及びWから選
    ばれる少なくとも1種の金属により炭化珪素ウィスカー
    のSiの一部が置換されているものと金属珪化物との固
    溶相であり、前記反応相は金属珪化物相と溶接している
    ことを特徴とする高靭性窒化珪素焼結体。
  4. 【請求項4】特許請求の範囲第1項において、窒化珪素
    60vol%以上、炭化珪素ウィスカー5〜25vol
    %、金属珪化物5〜25vol%含むことを特徴とする
    高靭性窒化珪素焼結体。
  5. 【請求項5】特許請求の範囲第2項において、窒化珪素
    60vol%以上、炭化珪素ウィスカー5〜25vol
    %、金属珪化物5〜25vol%含むことを特徴とする
    高靭性窒化珪素焼結体。
  6. 【請求項6】特許請求の範囲第3項において、窒化珪素
    60vol%以上、炭化珪素ウィスカー5〜25vol
    %、金属珪化物5〜25vol%含むことを特徴とする
    高靭性窒化珪素焼結体。
  7. 【請求項7】窒化珪素60vol%以上、炭化珪素ウィ
    スカー5〜25vol%、Ti,Zr,Hf,V,N
    b,Cr,Mo及びWから選ばれる少なくとも1種の金
    属珪化物5〜25vol%、0.1〜20vol%のM
    gO,Al2O3,Sc2O3,Y2O3および希土類酸化物
    から選ばれる少なくとも1種を混合し、成形して真空中
    または不活性ガス中で1600℃〜1900℃ホットプ
    レス焼結することを特徴とする高靭性窒化珪素焼結体の
    製法。
JP60074262A 1985-04-10 1985-04-10 高靭性窒化珪素焼結体およびその製法 Expired - Lifetime JPH064515B2 (ja)

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