JPH0645517B2 - 化合物半導体単結晶の製造方法 - Google Patents

化合物半導体単結晶の製造方法

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JPH0645517B2
JPH0645517B2 JP60201356A JP20135685A JPH0645517B2 JP H0645517 B2 JPH0645517 B2 JP H0645517B2 JP 60201356 A JP60201356 A JP 60201356A JP 20135685 A JP20135685 A JP 20135685A JP H0645517 B2 JPH0645517 B2 JP H0645517B2
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哲也 井上
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Description

【発明の詳細な説明】 (ア) 技術分野 この発明は、三温度水平ブリツジマン法(three temper
ature horizontal Bridgman)によるIII−V化合物半導
体単結晶の製造方法に関する。
三温度HB法は、ボートによる単結晶成長法であつて、
高温加熱部、中間温度加熱部、低温加熱部の3つの異な
る加熱ヒータ部を有する炉の中で、炉を移動させること
により温度分布をボートに対し水平に動かし、単結晶を
成長させる。
(イ) 従来技術 GaAsなど化合物半導体単結晶の成長については、特開昭
51-18471、特開昭51-18472、特開昭52-117300など多く
の工夫がなされている。
特開昭51-18471、18472は三温度水平ブリツジマン法でG
aAsの単結晶を製造するもので、高温加熱部を1245℃〜1
270℃に、中間温度加熱部を1080℃〜1220℃、低温加熱
部を605℃〜620℃に設定している。そして高温加熱部と
中間温度加熱部の間の温度勾配を2〜10℃/cm、成長速
度を2〜10mm/Hとしている。
特開昭56-100200号もGaAsの三温度水平ブリツジマン法
に関するが、融点(1238℃)から、1180℃〜1200℃まで
の温度勾配を2〜5℃/cm、1180℃〜1200℃より以下の
温度勾配を2℃/cm以下に制御する、という事を提案し
ている。
これらは三温度水平ブリツジマン法に関する改良である
が、グラジエントフリーズ法(GF)による化合物半導
体単結晶の製造方法の改良もなされている。グラジエン
トフリーズ法は、ヒータを動かすことなく、ヒータのパ
ワーを徐々に低下させることにより、温度勾配を維持し
たまま、結晶凝固させてゆくものである。一定の温度勾
配(直線状)の温度プロフイルを作るが、温度勾配が1
℃/cmで、40cm以上の長いボートの場合、最高温度部と
最低温度部の差が40℃以上になつてしまう。
そこで、特開昭58-176193号は、融点の上下で、温度勾
配が0.5℃/cm〜℃/cmで、成長中は、ボートの低温側
が融点から15℃以内であつて、高温側と低温側との温度
差が20℃以内であるべきである、と主張している。
化合物半導体単結晶の製造方法に於ては、融点より20℃
以内の領域の温度勾配を0.5〜1℃/cmとしたのでは融
液が組成的過冷却現象を起してしまい、安定に固液界面
を制御することができない。このため、長い単結晶を得
ることが難しい。
また融点直下20℃よりもさらに低い温度領域で、0.5℃
〜2℃/cmの緩やかな温度勾配を維持する必要がある。
そうでないと、界面の熱放散が十分になされず、熱収縮
を受けて結晶欠陥が発生しやすくなる。このため、高い
歩留りで単結晶を製造することができない。
また、凝固が完了した後、任意の速度で、降温して、容
器をとり出し、室温中へ単結晶を取り出したりすると、
大きな熱収縮によつて歪みが生じ、結晶欠陥が増大す
る、という事もある。
冷却過程も適切でなければならない。前記の公知技術
は、冷却についてはなんら言及していない。
(ウ) 目的 転位密度が低くしかも均一な大形化合物半導体単結晶を
三温度水平ブリツジマン法(3T−HB)で製造できる
ようにする事が本発明の目的である。
本発明は特に、単結晶の冷却過程を好適な条件に設定す
ることにより、良質の単結晶を製造する事を可能にす
る。
(エ) 発明の構成 本発明は、このような目的を達成するために、融点から
20℃以内の範囲では、温度勾配を1〜4℃/cm、20℃以
下の範囲では温度勾配を0〜2℃/cmに保ち、しかもボ
ートの最低温度が、成長完了まで融点から90℃以内にあ
るように制御しながら成長させ、成長終了後は温度勾配
を維持しながら融点の0.7〜0.8倍にあたる温度Tyにま
で高温部が達するまで結晶全体を2〜20℃/Hで降温
し、Tyから融点の1/3にあたる温度Tzに至るまで
は、2〜300℃/Hの速さで降温し、高温部がTz以下
になつた時に、単結晶を室温へとりだすこととする。
まず、いくつかの温度定数を定義する。
融点Tmより20℃低い温度をTq、融点Tmより90℃低
い温度をTpとする。摂氏温度に於て、融点の0.7〜0.8
倍の温度をTyとする。融点の1/3の温度をTzとす
る。
Tq=Tm−20 (1) Tp=Tm−90 (2) Ty=0.7Tm〜0.8Tm (3) Tz=Tm/3 (4) 種結晶の存在する点を原点とした、単結晶の長手方向に
位置座標xを考える。ボート中の結晶の長さはボート長
L1にほぼ等しい。
本発明が規定する成長、冷却の過程について、より詳し
く説明する。
I 成長条件 Tq≦T≦Tmに於て、温度勾配G1は G1=1〜4℃/cm T<Tqに於て、温度勾配G2は G2=0〜2℃/cm とする。さらにボート内の全ての位置について、成長過
程中 T(x1t)≧Tp (5) とする。G1に於て、これが1℃/cmより小さいと固液
界面近傍で過冷却が起つてしまう。4℃/cmより大きい
と、転位密度が増える。
G2は固化部分の温度勾配である。0℃/cmがもつとも
良いようであるが、2℃/cm以下であればよい。2℃/
cmをこえると、成長した単結晶の転位密度が増加する。
条件(5)は成長過程中、ボート内の全ての点の温度が、
融点から90℃以内にある、というものである。これはボ
ートの長さに拘らず課せられる条件である。これも温度
分布を小さくして、温度を単結晶中で一様にするための
条件である。
II 冷却条件 凝固完了後、単結晶内に形成された温度分布を維持しな
がら、結晶の全体を均一に冷却する。
降温速度Sは、高温部の温度(Tとかく)がTyに達す
るまで、 とする。降温速度は、結晶の全ての部分に於て同一にな
るようにし、相対的な温度関係は変らないものとする。
つまり冷却過程に於て、均一冷却 という条件を常に満足するようにする。
降温速度Sはそれゆえ、単結晶中の位置によらず、時間
のみの函数となる。降温速度Sの範囲は二段階に規定さ
れる。後半のTy〜Tzに於てはより広範囲となる。
すなわち、TyからTzまでは S=2〜300℃/H (7) とする。Tz以下に降温した時に、単結晶を加熱してい
るヒータをを切つて自然に降温させ、室温にとりだすこ
ととする。
単結晶の品質という点では降温速度が小さい方がよい。
しかし、工業的には、降温速度の速い方がよい。冷却時
間は短い方が、単結晶の製造コストが低減するからであ
る。
品質とコストに対する要求を兼ね合わせて降温速度を決
定する。Tyまでは20℃/H以下、Tzまでは300℃/
H以下という制限を課して降温速度を決定する、という
のが本発明の特徴のひとつである。
図面によつて説明する。第1図は三温度水平ブリツジマ
ン法の結晶成長炉の構成と本発明方法の温度分布とを示
す図である。
1、2、3は電気炉である。これは高温加熱部1、中間
温度加熱部2、低温加熱部3に分割されており、独立に
パワー制御できる。電気炉のヒータ1、2、3のパワー
を適当に制御する事により、炉内に、T1、T2、T3
の温度分布を実現することができる。
炉内には、水平に、高純度石英容器4が設けてある。こ
の中に、高純度石英製がボート5が置かれている。
ボート5の中には、化合物半導体の原料融液6が収容さ
れている。ボート5の一端には棚があつて、ここに適当
な結晶方位の種結晶7が置いてある。
石英ボート5のある位置の反対側に、V族元素9が置い
てある。これは石英容器4内のV族元素の蒸気圧を制御
するためのものである。V族元素はP、As、Sbなどであ
る。温度プロフイルT1、T2、T3の分布は、III−
V族化合物の成長に於て、同様な形状になるが、化合物
の種類によつて、融点やV族元素の解離圧が異なるの
で、温度の値が異なる。
以下は、GaAsの成長を例にして説明する。この場合、V
族元素はAsであるから、過剰As9と書くことにする。
GaAsの場合 T1=1245℃〜1270℃ T2=1100℃〜1220℃ T3=600℃〜620℃ である。
石英容器4の中間には、細孔8を穿つた隔壁10を設け
る。細孔8はAsの蒸気を通す。これによつて、ボート
5、融液6の近傍のAsの蒸気圧が、過剰As9によつて制
御される事になる。しかし、細孔8はガリウムの酸化
物、シリコンの酸化物を通さない。
融点Tm(1238℃は、高温部T1と中間温度部T2の間
にある。T1、T2の間は、融液を凝固させる部分であ
るから、ある程度の温度勾配がなければならない。T2
の温度勾配は緩やかな方がよい。
融点Tmより20℃下の温度をTqとするが、Tm〜Tq
に於ける温度勾配G1は G1=1〜4℃/cm である。Tq以下の温度勾配G2は G2=0〜2℃/cm である。
さらに、中間温度加熱部T2の長さL2は、ボートの長
さL1より長い。
最初、ボート5は、高温度T1にあるから、ボート内の
原料はすべて融けて融液になつている。ヒータA、B、
Cは石英容器4に対して左方へ1〜10mm/Hの速度で移
動させる。すると、種結晶の近傍から、融点以下になつ
てゆくので、種結晶につづいて固化してゆく。固体と融
液が共存する状態になる。境界を固液界面という。固液
界面はヒータの運動とともに左方に移動してゆく。固化
した部分は単結晶になつている。これは中間温度T2に
ある。
。ボートの後端が融点Tmを横切つた時、凝固が完了し
たことになる。この時、凝固した部分の全体は、中間温
度加熱部2によつて、中間温度T2の状態にある。
しかも、凝固が行われている間、ボートの既に固化した
部分が、融点より90℃以下の温度Tpより高温でなけれ
ばならない。つまりGaAsであれば、1148℃より高温でな
ければならない、という事である。
次に冷却過程について説明する。
これは、温度分布T1、T2の相対的な温度勾配を保ち
ながら降温してゆくのである。
T3も相対的な関係を保つべきであるが、T2とT3の
温度差は最初600℃程度であるから、T1、T2が降温
してくると、T3はこれに対し相対的に同一の温度差を
保つことができないようになる。しかし、これは差支え
のないことである。
温度関係がT1、T2で固定されているから、任意の一
点の温度を規定すれば、他の全ての点の温度が決定され
る。
そこで、高温加熱部T1の温度が一様であるので、これ
をTと書き、Tによつて温度を表現することにする。
さてTが90℃程度になるまで(0.7Tm〜0.8Tm)2〜
20℃/Hで降温し、さらにTが900℃以下になり、400℃
に至るまでは2〜300℃/Hで降温する。
第1図の中間の温度プロフイルが900℃程度に於けるも
のである。
第1図の下段の温度プロフイルは、Tが400℃程度に下
つた状態のものを示している。
高温、中間温度、低温度分布はT4、T5、T6によつ
て示されている。T4とT5の関係は、T1とT2の関
係に等しい。
この時T4は400℃程度或はそれ以下である。
T6は100〜200℃程度である。
以上説明したように、本発明に於ては、温度Tが、Tm
〜Tyに於て2〜20℃/H、Ty〜Tz以下までS=2
〜300℃/Hとする。しかし、それぞれの領域でSが一
定でなければならない、というわけではない。
第2図は温度Tと降温速度Sの関係を示すグラフであ
る。横軸は降温速度S、縦軸は高温部の温度Tである。
本発明が規定する前記の条件は、第3図に於て、斜線に
よつて縁どられた領域の温度、降温速度の対応が存在す
るという事である。
この領域の中に通つて、降温してゆく、という事のみが
要求される。様々な降温モードが可能である。
折線aは、簡単な降温速度例を与える。これはTm〜T
yに於てSが2〜20℃/Hの間の一定値を取り、Ty〜
Tzに於て2〜300℃/Hの間の一定値をとつている。
しかし、それぞれの領域で一定値でなければならないと
いう事ではない。折線bは、Tm〜Tyで降温速度Sを
徐々に増加させ、Ty〜TzではSを一定に保つてい
る。
折線cは、Ty〜Tzの領域に於て、最初は降温温度を
増加させ、途中である一定値にしている。
この他、Ty〜Tzの領域に於て、二段階に分けて降温
速度を増加させるようにしてもよい。
また一点鎖線dに示すように、Tm〜Tzまで一定の降
温速度を保つようにしてもよい。これは最も簡単な降温
モードである。
(オ) 効 果 成長時に於ては、固液界面が安定しており、また冷却時
は均一の高い冷却が行われるので、固化後に結晶内に生
ずる熱応力を極小にする事ができる。
これは、転位の発生、増殖を抑制する上に効果がある。
本発明は、それゆえ低転位密度の大型の化合物半導体単
結晶を製造する事ができる。
(カ) 実施例 I 断面が半円形で、内径65mm、全長500mmの石英製ボート
に、SiドープGaAs多結晶を3,500gチヤージした。種結
晶をシード棚に置いた。成長方向は<111>As方向で
ある。
その石英ボートを、第1図に示す容器の中に入れ、電気
炉のT1の温度内に置き、電気炉に通電し、T1、
T2、T3の温度分布を形成した。融点1238℃から、12
18℃までの間の温度勾配を2℃/cmとし、1218℃から11
48℃(融点より90℃下)までの温度勾配を1.0℃/cmと
した。
このような電気炉を左へ5.0mm/Hの速度で相対的に移
動させて、SiドープGaAs単結晶を成長させた。
単結晶の成長時間は120時間であつた。この後、T1、
T2の温度分布の全体をひとしく20℃/Hの速さで降温
した。降温に要した時間は45時間である。この時、
T4、T5の温度分布になつている。T3は10℃/Hの
速さで降温しT6になつた。
この後、室温にして、固化物を取り出した。全体の70%
が単結晶化していた。
(a) 種結晶の位置から120mmの位置で、 キヤリヤ濃度 1.5×1018/cm3 エツチピツト密度 5.7×102/cm2 (b) 種結晶の位置から450mmの位置で、 キヤリヤ密度 5.0×1018/cm3 エツチピツト密度 1.0×102/cm2 であつた。
(キ) 実施例 II 断面が半円形で、内径63mm、全長600mmの石英製ボート
に、ZnドープGaAs多結晶を4,000grチヤージした。
実施例Iと同じ温度分布、同じ成長速度で単結晶を成長
させた。145時間で成長が完了した。
固化後は、T1、T2の温度を15℃/Hで降温し60時間
後に、第1図で示すT4、T5の温度とした。この間、
T3は8℃/Hの速さで降温し、T6の温度となつた。
全チヤージ量に対して、75%が単結晶化していた。
(a) 種結晶より90mmの位置では キヤリヤ濃度 1.0×1019/cm3 エツチピツト密度 5×102/cm2 (b) 種結晶より400mmの位置では キヤリヤ濃度 2.3×1019/cm3 エツチピツト密度 14×102/cm2 であつた。良質の単結晶であることが分る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明を実施するための三温度水平式ブリツジ
マン法の電気炉と、電気炉によつて形成される温度分布
を示す図。 第2図は本発明の冷却過程の温度・降温速度関係図。 1……高温加熱部 2……中間温度加熱部 3……低温加熱部 4……高純度石英容器 5……高純度石英ボート 6……融液 7……種結晶 8……細孔 9……過剰As 10……隔壁

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】細孔を有する隔壁で仕切られた空間を有
    し、III−V化合物半導体の原料融液と種結晶を収容し
    たボートと、V族元素とをそれぞれの空間に置き密封さ
    れた石英容器を、水平方向に高温加熱部、中間温度加熱
    部、低温加熱部を有する電気炉の中へ入れ、炉のヒータ
    を石英容器に対して移動させることにより単結晶を成長
    させてゆく方法に於て、化合物半導体の融点Tmから、
    融点下20℃の温度Tqまでの範囲では温度勾配を1〜
    4℃/cmにし、Tqより下では温度勾配を0〜2℃/cm
    に保ち、単結晶を成長させている間、ボートの全体が融
    点Tm下90℃以内にあり、成長終了後は、高温加熱部、
    中間温度加熱部の温度勾配を維持しながら、融点Tmか
    ら融点Tmの0.7〜0.8倍である温度Tyまでは2〜20℃
    /Hの降温速度で降温し、融点Tmの0.7〜0.8倍である
    温度Tyから融点Tmの1/3である温度Tz以下にな
    るまでは2〜300℃/Hの降温速度で降温し、この後、
    単結晶を室温へ取り出すことを特徴とする化合物半導体
    単結晶の製造方法。
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