JPH0648734A - 結晶性チタン酸系ペロブスカイト化合物微粒子の製造方法 - Google Patents

結晶性チタン酸系ペロブスカイト化合物微粒子の製造方法

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JPH0648734A
JPH0648734A JP22070192A JP22070192A JPH0648734A JP H0648734 A JPH0648734 A JP H0648734A JP 22070192 A JP22070192 A JP 22070192A JP 22070192 A JP22070192 A JP 22070192A JP H0648734 A JPH0648734 A JP H0648734A
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barium
strontium
reaction
titanium
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JP22070192A
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English (en)
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Masanori Kinugasa
雅典 衣笠
Naoto Tsubomoto
直人 坪本
Hirotaka Kubota
弘貴 久保田
Osamu Kobayashi
修 小林
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Tayca Corp
Original Assignee
Tayca Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 オートクレーブなどの高価な装置を用いるこ
となく、平均粒子径が0.05μm以下で、しかも粒度
分布が狭い結晶性チタン酸系ペロブスカイト化合物微粒
子を製造する。 【構成】 溶液状態のバリウム化合物またはストロンチ
ウム化合物と、溶液状態またはスラリー状態のチタン化
合物とを、反応が開始する温度以上で、好ましくはバリ
ウムまたはストロンチウムの反応初期濃度が0.3〜
3.5モル/kg水で、混合することによって、結晶性
チタン酸系ペロブスカイト化合物微粒子を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、誘電体や圧電体などの
電子部品の材料として好適に使用される結晶性チタン酸
系ペロブスカイト化合物微粒子の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、チタン酸バリウム、チタン酸スト
ロンチウム、チタン酸バリウムストロンチウムなどの結
晶性チタン酸系ペロブスカイト化合物の微粒子の製造に
あたっては、下記〜に示す方法が採用されていた。
【0003】 バリウムまたはストロンチウムの炭酸
塩または酸化物と、チタンの酸化物との混合物を高温で
加熱する固相反応法。 各成分元素の塩とシュウ(蓚)酸とを反応させて、
それぞれのシュウ酸塩として共沈させ、高温で加熱する
シュウ酸法。 各成分元素のアルコキシドを混合し、加水分解させ
るアルコキシド法。 各成分元素の水酸化物を混合し、溶液中で水熱反応
させる水熱合成法。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記
の固相反応法やのシュウ酸法は、高温で焼成する工程
を必要とし、その高温焼成時に粘子成長や粒子間の融着
が生じるため、平均粒子径1μm未満の微粒子、いわゆ
るサブミクロンサイズの微粒子を得ることが困難であ
り、しかも得られる粒子の形状は破砕状で、充填性が悪
いという欠点があった。
【0005】また、上記のアルコキシド法は、原料で
あるアルコキシドが高価であるため、工業的に採用する
には経済性面で不利を招くことになった。
【0006】そこで、上記のような水熱合成法を採用
し、オートクレーブ中120〜300℃で水熱反応させ
ることによって、平均粒子径1μm以下で0.01μm
以上のサブミクロンサイズの微粒子を得ることが提案さ
れている(特開昭61−31345号公報)。
【0007】しかしながら、上記公報に記載の方法で
は、一般式ABO3 (ただし、Aはバリウムまたはスト
ロンチウムであり、Bはチタンである)で表されるペロ
ブスカイト化合物を合成するための水熱反応において、
A群成分元素の水酸化物とB群成分元素の水酸化物とを
混合する方法、特に混合温度について充分な検討がなさ
れておらず、しかも、オートクレーブなどの高価な圧力
容器を用いなければならないという問題があった。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、基材組成
が(Ba1-x SrX )TiO3 (0≦x≦1)で表され
る結晶性チタン酸系ペロブスカイト化合物微粒子を製造
するにあたり、溶液状態のバリウム化合物またはストロ
ンチウム化合物と、溶液状態またはスラリー状態のチタ
ン化合物とを、反応が開始する温度以上で混合すること
により、平均粒子径が0.05μm以下で、しかも粒度
分布が狭い結晶性チタン酸系ペロブスカイト化合物微粒
子が得られることを見出し、本発明を完成するにいたっ
た。
【0009】すなわち、本発明では、湿式反応により基
材組成が(Ba1-x SrX )Ti3O(0≦x≦1)で
表される結晶性チタン酸系ペロブスカイト化合物微粒子
を製造するにあたり、溶液状態のバリウム化合物または
ストロンチウム化合物と、溶液状態またはスラリー状態
のチタン化合物とを、反応が開始する温度以上で混合す
ることにより、反応系内の濃度勾配や温度分布を均一に
し、しかも瞬時に反応を進行させることによって、生成
する微粒子の不均一な凝集を防止し、平均粒子径0.0
5μm以下で、しかも粒度分布が狭い結晶性チタン酸系
ペロブスカイト化合物微粒子が得られるようにしたので
ある。
【0010】以下、本発明で使用する原料化合物や採用
する反応条件などについて詳細に説明する。
【0011】本発明において使用可能な原料化合物とし
ては、チタンおよびバリウムまたはストロンチウムの水
酸化物、酸化物、塩、アルコキシドなどがあげられる。
【0012】特に、水酸化物は、不純物の混入が少な
く、またチタンの水酸化物は水不溶性であって、得られ
る生成物の粒子径や粒度分布をコントロールする上で好
都合であるため、水酸化物を用いることが好ましい。
【0013】すなわち、チタンの水酸化物の粒子径や粒
度分布が得られる生成物の粒子径や粒度分布に影響を及
ぼし、このチタンの水酸化物の粒子径や粒度分布をコン
トロールすることによって、生成物の粒子径や粒度分布
をコントロールすることができるので、得られる結晶性
チタン酸系ペロブスカイト化合物微粒子の粒子径や粒度
分布をコントロールする上で、水酸化物を用いることが
好ましい。
【0014】チタンの水酸化物としては、たとえば塩化
チタン、硫酸チタンなどのチタン塩や、チタンのアルコ
キシドなどの有機チタンを加水分解し、濾過、水洗して
得られるものを用いることが好ましい。
【0015】すなわち、上記のような加水分解によって
得られるチタンの水酸化物は、その加水分解時の条件に
よって、粒子径や粒度分布をコントロールすることがで
きるので、得られる結晶性チタン酸系ペロブスカイト化
合物微粒子の粒子径や粒度分布をコントロールするのに
役立つからである。
【0016】バリウムの水酸化物としては、たとえば水
酸化バリウム、水酸化バリウム・8水和物などが用いら
れ、ストロンチウムの水酸化物としては、たとえば水酸
化ストロンチウム、水酸化ストロンチウム・8水和物な
どが用いられる。
【0017】これらの水酸化物をはじめ、バリウム化合
物やストロンチウム化合物は、それらをそれぞれ単独で
用いてもよいし、また両者を併用してもよい。
【0018】上記のように、水酸化バリウムや水酸化ス
トロンチウムを用いる場合、それらが固形のままで残存
していると、反応開始温度以上で混合したときに、たと
え均一な混合ができたとしても、水酸化バリウムや水酸
化ストロンチウムの溶解平衡が吸熱平衡であるため、局
所的な温度降下が生じて、得られる生成物の粒度分布や
粒子径(特に微粒化)に悪影響を及ぼすことがある。
【0019】したがって、水可溶性の水酸化物である水
酸化バリウムや水酸化ストロンチウムは完全に溶解した
状態にし、水不溶性の水酸化物である水酸化チタンの場
合は均一にスラリー化した状態にしてから、両者を混合
するのが好ましい。
【0020】また、原料化合物としてチタンのアルコキ
シドを用いる場合には、チタンのアルコキシドをアルコ
ール溶液にして、それを直接バリウム化合物の水溶液ま
たはストロンチウム化合物の水溶液と混合し、反応させ
てもよい。
【0021】さらに、チタンの水酸化物をチタン塩の加
水分解によって得る場合、半導化元素の塩をチタン塩の
水溶液に溶解させ、それを加水分解して得られる共沈物
をバリウム化合物またはストロンチウム化合物との反応
に用いてもよい。
【0022】使用しうる半導化元素としては、(Ba
1-x SrX )TiO3 で表されるペロブスカイト型結晶
構造中に、Ba、SrまたはTiの原子と置換して半導
性を示す3価または5価の元素であって、たとえば、
Y、La、Ce、Pr、Ndなどの希土類や、Nb、S
b、Ta、Bi、B、Wなどの元素よりなる群から選ば
れる少なくとも1種があげられる。
【0023】これらの半導化元素の添加量としては、
(Ba1-x SrX )TiO3 中に含有されて半導化を起
こすのに必要な範囲内の量であることが適切であり、通
常、チタンに対して0.05〜2原子%である。
【0024】したがって、本発明でいうチタン酸系ペロ
ブスカイト化合物には、チタン酸バリウム、チタン酸ス
トロンチウム、チタン酸バリウムストロンチウムのみな
らず、それらを基材として、その一部が上記のような半
導化元素で置換したものも含まれる。
【0025】つぎに、本発明において採用する反応条件
などについて詳細に説明する。
【0026】本発明において、湿式反応としては常圧加
熱反応法を採用するのが好ましい。すなわち、本発明に
よれば、従来のように加圧を要することなく反応を進行
させることができるので、その反応様式として常圧下で
実施できる常圧加熱反応法を採用する場合に、その特徴
が特に顕著に発揮される。ただし、水熱加圧法を採用す
ることも可能である。
【0027】上記の常圧加熱反応法とは、各成分元素化
合物の混合水溶液またはスラリーを、反応が進行するp
H(通常、pH10以上)で、常圧下、加熱反応する方
法をいう。
【0028】反応が開始する温度とは、上記湿式反応に
おいて、3時間以内の反応熟成により、結晶性チタン酸
系ペロブスカイト化合物のX線回折ピークが検出できる
最低温度、すなわち、原料に対して約5%以上の結晶性
チタン酸系ペロブスカイト化合物が生成する最低温度の
ことをいい、たとえば、チタン酸バリウムでは、反応条
件により多少の相違はあるものの、通常、約50℃であ
る。
【0029】本発明において、バリウム化合物またはス
トロンチウム化合物とチタン化合物との混合手段として
は、ポンプなどの送液装置で送られた溶液状態またはス
ラリー状態の各化合物を、攪拌装置備え付けの反応容
器内に自動落下させる、送液ライン内で混合する、
インラインミキサーで混合する、などの方法を採用する
ことができるが、瞬間的かつ均一な混合を達成するため
には、インラインミキサーによるのが好ましい。
【0030】本発明において、得られる結晶性チタン酸
系ペロブスカイト化合物微粒子の粒子径に影響を及ぼす
因子としては、
【0031】(1) 混合温度 (2) 原料化合物混合時のチタンに対するバリウムま
たはストロンチウムの原子比 (3) バリウムまたはストロンチウムの反応初期濃度 などが挙げられる。
【0032】上記の混合温度とは、溶液状態のバリウム
化合物またはストロンチウム化合物と、溶液状態または
スラリー状態のチタン化合物とを混合するときの温度の
ことであるが、本発明では、この温度で数時間熟成し、
湿式反応を完結させるので、通常、この混合温度とは反
応温度をも意味する。
【0033】ただし、上記温度での数時間の熟成だけで
は反応が完結しない場合には、熟成後に昇温して反応を
完結させてもよい。
【0034】混合温度としては、通常、反応がスムーズ
に進行しうる60℃以上であればよい。混合温度すなわ
ち反応温度が高くなるほど、反応速度が速くなり、生成
物の粒子径が小さくなる傾向にあるが、混合温度が12
0℃を超えると、この傾向がなくなり、粒子成長が始ま
る。
【0035】したがって、好適な混合温度としては、6
0〜120℃の範囲が好ましく、反応時間の短縮や装置
の簡便さ、生成物の微粒化をよりよく達成するために
は、80℃以上で、混合スラリーの常圧における沸点以
下がより好ましい。
【0036】さらに、常圧加熱反応法において平均粒子
径0.01μm以下の結晶性チタン酸系ペロブスカイト
化合物微粒子を得るためには、スラリーの沸点で混合
後、還流して熟成させることが好ましい。
【0037】混合にあたって、バリウム化合物の水溶
液、ストロンチウム化合物の水溶液や、チタン化合物の
水溶液またはスラリーは、混合温度と同一またはそれ以
上にしておくことが好ましい。
【0038】原料化合物混合時におけるチタンに対する
バリウムまたはストロンチウムの原子比(A/B原子
比、ただし、Aはバリウムまたはストロンチウムであ
り、Bはチタンである)としては、未反応のチタン化合
物が残らないような比率が好ましく、またバリウム化合
物を多量に加えすぎると副反応が生じるおそれがある上
に経済的にも好ましくない。
【0039】したがって、A/B原子比は1.0〜50
の範囲が好ましく、反応性をより向上させ、平均粒子径
0.03μm以下の結晶性チタン酸系ペロブスカイト化
合物微粒子を得るためには、A/B原子比は1.2〜5
0の範囲が好ましく、さらに、平均粒子径0.01μm
以下の結晶性チタン酸系ペロブスカイト化合物微粒子を
得るためには、A/B原子比は3.0〜50の範囲が好
ましい。
【0040】ただし、たとえば水酸化ナトリウムや水酸
化カリウムなどの反応性を向上させるための強アルカリ
を共存させても差し支えない場合には、A/B原子比が
1.0であっても上記強アルカリを共存させることによ
って、粒子径のより小さな微粒子を得ることが可能であ
る。
【0041】バリウムまたはストロンチウムの反応初期
濃度は0.3〜3.5モル/kg水が好ましい。上記反
応初期濃度が0.3モル/kg水より低い場合は、反応
がスムーズに進行せず、生成物の分散性が悪くなって凝
集粒子しか得られない。また、上記反応初期濃度が3.
5モル/kg水より高くなると、水酸化バリウムまたは
水酸化ストロンチウムの水に対する溶解度が制限を受け
て、反応の進行が困難になるので好ましくない。
【0042】反応性をより向上させ、平均粒子径0.0
3μm以下の結晶性チタン酸系ペロブスカイト化合物微
粒子を得るためには、バリウムまたはストロンチウムの
反応初期濃度は0.5〜3.5モル/kg水の範囲が好
ましく、さらに、平均粒子径0.01μm以下の結晶性
チタン酸系ペロブスカイト化合物微粒子を得るために
は、バリウムまたはストロンチウムの反応初期濃度は
1.5〜3.5モル/kg水の範囲が好ましい。
【0043】本発明において得られる結晶性チタン酸系
ペロブスカイト化合物微粒子の粒子径は、混合温度が高
いほど、また原料化合物混合時のA/B原子比が高く、
バリウムまたはストロンチウムの反応初期濃度が高いほ
ど、小さくなる傾向にある。したがって、これらを考慮
に入れて反応条件を設定することにより、得られる結晶
性チタン酸系ペロブスカイト化合物微粒子の平均粒子径
を0.01〜0.05μmの間で任意の粒子径にコント
ロールすることができる。
【0044】反応条件の設定においては、上記の三つの
因子が相互に作用するため複雑となるが、反応速度の観
点から数値的に表現した場合、反応率が3時間以内に9
5%程度に達するような系を設定しておけば、平均粒子
径0.05μm以下の結晶性チタン酸系ペロブスカイト
化合物微粒子を得ることができる。
【0045】反応時間は、上記のような条件下で反応が
完結するのに充分であれば特に制限はないが、通常30
分〜5時間程度が好ましい。
【0046】上記の条件下で反応を完結させた後、得ら
れた生成物は常法にしたがって濾過、水洗、乾燥し、仮
焼することによって、微粉末状態での結晶性チタン酸系
ペロブスカイト化合物微粒子が得られる。
【0047】
【実施例】つぎに、実施例をあげて本発明をより具体的
に説明する。ただし、本発明はそれらの実施例のみに限
定されるものではない。以下において、濃度を示す%は
特別な付記がないかぎり重量%である。
【0048】実施例1 四塩化チタン水溶液(チタンとして16.4%含有)
2.86kgを、純水11.5kgに添加し、1時間攪
拌した。この水溶液中に5%アンモニア水10.0kg
を滴下して、pH7.8の白色スラリーを得た。
【0049】このスラリーを濾過、水洗した後、再スラ
リー化し、ついで60℃に加熱し、酢酸を添加してpH
6.0で40分間熟成した。熟成後、濾過、水洗し、固
形分が11%の含水水酸化チタンゲルのケーキを得た。
【0050】得られた含水水酸化チタンゲルのケーキ2
74g(チタン分として0.38モル含有)に純水14
0gを加えたのち煮沸させたスラリーと、窒素雰囲気下
で調製し煮沸させた濃度30%のバリタ水(水酸化バリ
ウム水溶液)971g(バリウム分として1.7モル含
有)とを、100℃に保温しておいたインラインミキサ
ーを通して混合したのち、4時間還流して熟成させた。
熟成後、スラリーを濾過、水洗、乾燥した。
【0051】上記のようにして得られた生成物は、X線
回折による分析の結果、結晶性チタン酸バリウムである
ことが確認され、電子顕微鏡によって観察された平均粒
子径は0.01μmであった。
【0052】図1は、この実施例1により製造されたチ
タン酸バリウムの結晶構造を示すX線回折図である。こ
の図1に示すように、2θ=31.0°、38.0°お
よび44.5°のところにチタン酸バリウムの特徴であ
る(110)面、(111)面および(200)面によ
る回折ピークが認められ、この実施例1で得られた生成
物がチタン酸バリウムであることがわかる。
【0053】図2は、この実施例1により製造されたチ
タン酸バリウムの粒子構造を示す倍率30万倍の電子顕
微鏡写真である。図2に示すように、実施例1により製
造されたチタン酸バリウムは、一次粒子単位に分散した
超微粒子であり、その平均粒子径は前記のように0.0
1μmであった。
【0054】比較例1 実施例1と同様の含水水酸化チタンゲルのケーキ545
g(チタン分として0.75モル含有)に純水430g
を加えて調製したスラリー中に、常温(20℃)、窒素
雰囲気下で水酸化バリウム・8水和物284g(バリウ
ム分として0.90モル含有)を添加した。
【0055】このスラリーをオートクレーブに仕込ん
で、攪拌しながら90分で150℃まで昇温し、150
℃で4時間水熱処理した。反応後、スラリーを濾過、水
洗、乾燥した。
【0056】上記のようにして得られた生成物は、X線
回折による分析の結果、結晶性チタン酸バリウムである
ことが確認されたが、電子顕微鏡によって観察された平
均粒子径は0.06μmであった。
【0057】図3は、この比較例1により製造されたチ
タン酸バリウムの粒子構造を示す倍率15万倍の電子顕
微鏡写真である。図3は倍率が前記図2の1/2である
が、そのような倍率の相違を無視しても、比較例1によ
り製造されたチタン酸バリウムは、実施例1で製造され
たチタン酸バリウムより粒子径が大きく、平均粒子径は
前記のように0.06μmであった。
【0058】比較例2 実施例1と同様の含水水酸化チタンゲルのケーキ545
g(チタン分として0.75モル含有)に純水430g
を加えたのち煮沸させたスラリー中に、水酸化バリウム
・8水和物284g(バリウム分として0.90モル含
有)を添加し、4時間還流した。還流後、スラリーを濾
過、水洗、乾燥した。
【0059】上記のようにして得られた生成物は、X線
回折による分析の結果、結晶性チタン酸バリウムである
ことが確認されたが、電子顕微鏡によって観察された平
均粒子径は0.07μmであった。
【0060】実施例2〜12および比較例3〜5 原料化合物混合時のBa/Ti原子比、バリウムの反応
初期濃度、混合温度、反応時間などの各条件をそれぞれ
変化させた以外は、実施例1と同様に反応を行った。
【0061】各実施例、比較例における反応条件および
得られたチタン酸バリウムの電子顕微鏡によって観察さ
れた平均粒子径、X線回折による分析から判断した結晶
性の有無を表1に示す。この表1には前記実施例1およ
び比較例1〜2の場合についても併せて示す。なお、比
較例に関しては上記の各項目を簡略化して示す。
【0062】
【表1】
【0063】*1 含水水酸化チタンと水酸化バリウム
との混合スラリーを常温で調製後、水熱処理したもの。 *2 含水水酸化チタンの煮沸スラリーに、水酸化バリ
ウム・8水和物を添加し、還流処理したもの。
【0064】表1に示す値から明らかなように、原料化
合物混合時のBa/Ti原子比が高いほど、またバリウ
ムの反応初期濃度が高いほど、さらに、混合温度が高い
ほど、得られるチタン酸バリウムの平均粒子径は小さく
なる傾向にあり、それらの反応条件を制御することによ
って、生成するチタン酸バリウムの平均粒子径を0.0
5〜0.005μmの間で任意にコントロールすること
が可能であることがわかる。
【0065】これら実施例1〜12および比較例1〜5
の中から、実施例8および比較例1で製造されたチタン
酸バリウムの個数粒度分布(抽出粒子数=3,000)
を図4および図5に示す。
【0066】図4に示すように、実施例8で製造された
チタン酸バリウムはほとんどのものが粒子径0.02〜
0.04μmの範囲内に入っていたが、図5に示すよう
に、比較例1で製造されたチタン酸バリウムは粒子径が
0.02μmから0.10μmの広い範囲に分布してい
た。
【0067】これらの図4および図5から明らかなよう
に、本発明によって得られるチタン酸バリウムは、微粒
子で、かつ粒度分布幅の狭いものであることがわかる。
【0068】実施例13 反応時間を変化させた以外は、実施例1と同一条件で反
応を行い、得られるチタン酸バリウムの生成量と反応時
間との関係を調べた。その結果を図6に示す。チタン酸
バリウムの生成量は、X線回折による(110)面のピ
ーク面積から算出した。
【0069】図6に示すように、この実施例13による
場合は、反応時間が約20分間で、チタン酸バリウムの
生成量がほぼ100%に達し、反応が非常に速く進行し
ていることがわかる。
【0070】また、反応時間が30分および5時間の時
に生成したチタン酸バリウムを電子顕微鏡写真で観察し
たところ、その平均粒子径はともに0.01μmであ
り、30分という短い反応時間でも、目的とする微粒子
が得られていた。
【0071】実施例14 反応時間を変化させた以外は、実施例9と同一条件で反
応を行い、実施例13の場合と同様に、得られるチタン
酸バリウムの生成量と反応時間との関係を調べた。その
結果を図6に実施例13の場合と併せて示す。チタン酸
バリウムの生成量の算出方法は、実施例13の場合と同
じである。
【0072】図6に示すように、この実施例14による
場合は、反応時間が約4時間で、チタン酸バリウムの生
成量がほぼ100%に達し、原料化合物混合時のBa/
Ti原子比およびバリウムの反応初期濃度の低下に伴
い、反応速度が低下することがわかる。
【0073】すなわち、実施例13ではBa/Ti原子
比が4.5で、バリウムの反応初期濃度が1.7mol
/kg水であるのに対し、実施例14ではBa/Ti原
子比が1.2で、バリウムの反応初期濃度が0.43m
ol/kg水と、実施例13に比べれば低く、その結
果、前記のように反応速度が低下した。
【0074】また、反応時間が5時間の時に生成したチ
タン酸バリウムを電子顕微鏡写真で観察したところ、そ
の平均粒子径は0.03μmであった。
【0075】比較例6 反応時間を変化させた以外は、比較例3と同一条件で反
応を行い、実施例13の場合と同様に、得られるチタン
酸バリウムの生成量と反応時間との関係を調べた。その
結果を図6に実施例13〜14の場合と併せて示す。チ
タン酸バリウムの生成量の算出方法は、実施例13の場
合と同じである。
【0076】図6に示すように、この比較例6による場
合は、反応時間が5時間を超えても、チタン酸バリウム
の生成量は約95%にしかならず、反応速度が遅くなっ
ていた。
【0077】また、反応時間が5時間の時に生成したチ
タン酸バリウムを電子顕微鏡写真で観察したところ、そ
の平均粒子径は0.2μmであり、上記のように反応速
度が遅くなることにより、得られるチタン酸バリウム粒
子は一次粒子の凝集体となることがわかる。
【0078】実施例15 実施例1と同様の含水水酸化チタンゲルのケーキ274
g(チタン分として0.38モル含有)に純水104g
を加えたのち煮沸させたスラリーと、窒素雰囲気下で調
製し煮沸させた濃度20%の水酸化ストロンチウム水溶
液1034g(ストロンチウム分として1.7モル含
有)とを、100℃に保温しておいたインラインミキサ
ーを通して混合した後、4時間還流して熟成させた。熟
成後、スラリーを濾過、水洗、乾燥した。
【0079】上記のようにして得られた生成物は、X線
回折による分析の結果、結晶性チタン酸ストロンチウム
であることが確認され、電子顕微鏡によって観察された
平均粒子径は0.01μmであった。
【0080】実施例16〜21 原料化合物混合時のSr/Ti原子比、ストロンチウム
の反応初期濃度、混合温度などの各条件をそれぞれ変化
させた以外は、実施例15と同様に反応を行った。
【0081】各実施例における反応条件、得られたチタ
ン酸ストロンチウムの電子顕微鏡観察による平均粒子径
およびX線回折による分析から判断した結晶性の有無を
表2に示す。
【0082】
【表2】
【0083】表2に示す値から明らかなように、原料化
合物混合時のSr/Ti原子比が高いほど、またストロ
ンチウムの反応初期濃度が高いほど、さらに、混合温度
が高いほど、得られるチタン酸ストロンチウムの平均粒
子径は小さくなる傾向にあり、これらの反応条件を制御
することによって、生成するチタン酸ストロンチウムの
平均粒子径を0.05〜0.005μmの間で任意にコ
ントロールすることが可能であることがわかる。
【0084】実施例22 実施例1と同様の含水水酸化チタンゲルのケーキ274
g(チタン分として0.38モル含有)に純水104g
を加えたのち煮沸させたスラリーと、窒素雰囲気下で調
製し煮沸させた濃度28%の水酸化バリウム−水酸化ス
トロンチウム水溶液984g(バリウム分として1.3
6モル、ストロンチウム分として0.34モル含有)と
を、100℃に保温しておいたインラインミキサーを通
して混合した後、4時間還流して熟成させた。熟成後、
スラリーを濾過、水洗、乾燥した。
【0085】上記のようにして得られた生成物は、X線
回折による分析の結果、結晶性チタン酸バリウムストロ
ンチウムであること確認され、また、蛍光X線回折によ
る測定の結果、Ba/Sr原子比が4.0であったこと
から、その示性式はBa0.8Sr0.2 TiO3 であるこ
とが確認された。さらに、電子顕微鏡によって観察され
た平均粒子径は0.01μmであった。
【0086】実施例23〜29 原料化合物混合時の(Ba+Sr)/Ti原子比、バリ
ウムおよびストロンチウムの反応初期濃度、混合温度な
どの各条件をそれぞれ変化させた以外は、実施例22と
同様に反応を行った。
【0087】各実施例における反応条件、得られたチタ
ン酸バリウムストロンチウムの電子顕微鏡観察による平
均粒子径およびX線回折による分析から判断した結晶性
の有無を表3に示す。この表3には前記実施例22の場
合についても併せて示す。
【0088】
【表3】
【0089】表3に示す値から明らかなように、チタン
酸バリウムストロンチウムの場合においても、原料化合
物混合時の(Ba+Sr)/Ti原子比、バリウムおよ
びストロンチウムの反応初期濃度、混合温度などの反応
条件を制御することによって、生成するチタン酸バリウ
ムストロンチウムの平均粒子径を0.05〜0.005
μmの間で任意にコントロールすることが可能であるこ
とがわかる。
【0090】実施例29 四塩化チタン水溶液(チタンとして16.4%含有)
2.86kgを純水11.5kgに添加し、さらに五塩
化ニオブの塩酸水溶液(ニオブとして3.5%含有)5
3gを添加し、1時間攪拌した。この水溶液中に5%ア
ンモニア水10.0kgを滴下して、pH7.7の白色
スラリーを得た。
【0091】このスラリーを濾過、水洗した後、再スラ
リー化し、ついで60℃に加熱し、酢酸を添加してpH
6.0で40分間熟成した。熟成後、濾過、水洗し、固
形分が11.4%のニオブ0.2原子%含有含水水酸化
チタンゲルのケーキを得た。
【0092】得られたニオブ含有含水水酸化チタンゲル
のケーキ264g(チタン分として0.38モル含有)
に純水104gを加えたのち煮沸させたスラリーと、窒
素雰囲気下で調製し煮沸させた濃度30%のバリタ水9
71g(バリウム分として1.7モル含有)とを、10
0℃に保温しておいたインラインミキサーを通して混合
したのち、4時間還流して熟成させた。熟成後、スラリ
ーを濾過、水洗、乾燥した。
【0093】上記のようにして得られた生成物は、X線
回折による分析の結果、結晶性チタン酸バリウムである
ことが確認され、また、ICP(誘導結合プラズマ)発
光分析による測定の結果、ニオブの含有率は0.2原子
%であることが確認された。さらに、電子顕微鏡によっ
て観察された平均粒子径は0.01μmであった。
【0094】実施例30〜33 原料化合物混合時のBa/Ti原子比、バリウムの反応
初期濃度、混合温度などの各条件をそれぞれ変化させた
以外は、実施例29と同様に反応を行った。
【0095】各実施例における反応条件、得られたニオ
ブ含有チタン酸バリウムの電子顕微鏡観察による平均粒
子径およびX線回折による分析から判断した結晶性の有
無を表4に示す。この表4には実施例29の場合につい
ても併せて示す。
【0096】
【表4】
【0097】表4に示す値から明らかなように、ニオブ
などの半導化剤を含有させた場合においても、原料化合
物混合時のBa/Ti原子比、バリウムの反応初期濃
度、混合温度などの反応条件を制御することによって、
生成するニオブ含有チタン酸バリウムの平均粒子径を
0.05〜0.005μmの間で任意にコントロールす
ることが可能であることがわかる。
【0098】
【発明の効果】本発明によれば、溶液状態のバリウム化
合物またはストロンチウム化合物と、溶液状態またはス
ラリー状態のチタン化合物とを、反応が開始する温度以
上で混合することにより、反応系内の濃度勾配や温度分
布を均一にし、しかも瞬時に反応を進行させることによ
って、平均粒子径が0.05μm以下で、しかも粒度分
布が狭い結晶性チタン酸系ペロブスカイト化合物微粒子
を製造することが可能になった。
【0099】また、本発明によれば、出発原料はいずれ
も安定供給を受けられる化合物であり、しかも、製造工
程において、オートクレーブなどの高価な装置を必要と
しないので、非常に簡単なラインでの製造が可能であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1により製造されたチタン酸バ
リウムの結晶構造を示すX線回折図である。
【図2】本発明の実施例1により製造されたチタン酸バ
リウムの粒子構造を示す倍率30万倍の電子顕微鏡写真
である。
【図3】比較例1により製造されたチタン酸バリウムの
粒子構造を示す倍率15万倍の電子顕微鏡写真である。
【図4】実施例8により製造されたチタン酸バリウムの
個数粒度分布を示すグラフである。
【図5】比較例1により製造されたチタン酸バリウムの
個数粒度分布を示すグラフである。
【図6】実施例13、実施例14および比較例6におけ
るチタン酸バリウムの生成量と反応時間との関係を示す
グラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小林 修 大阪市大正区船町1丁目3番47号 テイカ 株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 バリウム化合物またはストロンチウム化
    合物と、チタン化合物とを湿式反応させて、基材組成が
    (Ba1-X SrX )TiO3 (0≦x≦1)で表される
    結晶性チタン酸系ペロブスカイト化合物微粒子を製造す
    るにあたり、溶液状態のバリウム化合物またはストロン
    チウム化合物と、溶液状態またはスラリー状態のチタン
    化合物とを、反応が開始する温度以上で混合することを
    特徴とする結晶性チタン酸系ペロブスカイト化合物微粒
    子の製造方法。
  2. 【請求項2】 バリウム化合物がバリウムの水酸化物ま
    たは酸化物であり、ストロンチウム化合物がストロンチ
    ウムの水酸化物または酸化物であり、チタン化合物がチ
    タンの水酸化物または酸化物であることを特徴とする請
    求項1記載の結晶性チタン酸系ペロブスカイト化合物微
    粒子の製造方法。
  3. 【請求項3】 混合温度が60〜120℃で、混合時の
    チタンに対するバリウムまたはストロンチウムの原子比
    が1.0〜50であり、バリウムまたはストロンチウム
    の反応初期濃度が0.3〜3.5モル/kg水で、得ら
    れる結晶性チタン酸系ペロブスカイト化合物微粒子の平
    均粒子径が0.05μm以下であることを特徴とする請
    求項1記載の結晶性チタン酸系ペロブスカイト化合物微
    粒子の製造方法。
  4. 【請求項4】 混合温度が80〜120℃で、混合時の
    チタンに対するバリウムまたはストロンチウムの原子比
    が1.2〜50であり、バリウムまたはストロンチウム
    の反応初期濃度が0.5〜3.5モル/kg水で、得ら
    れる結晶性チタン酸系ペロブスカイト化合物微粒子の平
    均粒子径が0.03μm以下であることを特徴とする請
    求項1記載の結晶性チタン酸系ペロブスカイト化合物微
    粒子の製造方法。
  5. 【請求項5】 混合温度が100〜120℃で、混合時
    のチタンに対するバリウムまたはストロンチウムの原子
    比が3.0〜50であり、バリウムまたはストロンチウ
    ムの反応初期濃度が1.5〜3.5モル/kg水で、得
    られる結晶性チタン酸系ペロブスカイト化合物微粒子の
    平均粒子径が0.01μm以下であることを特徴とする
    請求項1記載の結晶性チタン酸系ペロブスカイト化合物
    微粒子の製造方法。
  6. 【請求項6】 混合手段がインラインミキサーによるも
    のであることを特徴とする請求項1記載の結晶性チタン
    酸系ペロブスカイト化合物微粒子の製造方法。
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