JPH0648994B2 - ヒトの心房ナトリウム排泄増加性ペプチドに対するモノクローナル抗体 - Google Patents

ヒトの心房ナトリウム排泄増加性ペプチドに対するモノクローナル抗体

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JPH0648994B2 JP61061055A JP6105586A JPH0648994B2 JP H0648994 B2 JPH0648994 B2 JP H0648994B2 JP 61061055 A JP61061055 A JP 61061055A JP 6105586 A JP6105586 A JP 6105586A JP H0648994 B2 JPH0648994 B2 JP H0648994B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、一般に新規なハイブリドーマ細胞系統、とく
に心房ナトリウム排泄増加性ペプチド(atrial,
natriuretic peptides)(AN
P)についての特異性をもつモノクローナル抗体(mA
b)を生産するハイブリドーマ細胞系統、ことにヒトお
よびラットのそれら、およびこの方法で生産されたmA
bの生体内および生体外における診断助剤としておよび
研究の目的の使用に関する。
マウスの骨髄腫細胞と免疫化マウスからの脾細胞との融
合[ケーラー(Khler)およびマイルステイン
(Milstein)、ネイチャー(Nature)、
256、495−497(1975)]は、均一な
(「モノクローナル」と呼ばれる)抗体を生産する連続
な細胞系統を得る可能性の最初の指示であった。それ以
来、種々の雑種細胞(「ハイブリドーマ」と呼ばれる)
を調製しかつ種々の科学的研究にそれらにより形成され
た抗体を使用する多数の試みがなせれたきた[例えば、
微生物学および免疫学における現在のトピックス(Cu
rrent Topics in Microbiol
ogy and Immunology)、Vol.8
1−“リンパ球ハイブリドーマ(Lymphocyte
Hybridomas)”、F.メルチャーズ(Me
lchers)ら、スプリンガー・フェルラーグ(Sp
ringer Verlag)、1978およびその中
の刊行文献;C.バルンステイブル(Barnstab
le)ら、細胞(Cell)、14、9−20(197
8);P.パーハム(Parham)、W.F.ボドマ
ー(Bodmer)、ネイチャー(Nature)、2
76、397−399(1975)、実験免疫学のハン
ドブック(Handbooh of Experime
ntal Immunology)、第3版、Vol.
2、D.M.ウィアー(Wier)編、ブラックウェル
(Blackwell)1978、第25章;ケミカル
・アンド・エンジニアリング・ニューズ(Chem.E
ng.News)、15−17(1979)9]。これ
らの刊行物は、ハイブリドーマによるモノクローナル抗
体の生産についての主要な技術を記載している。
組織適合性抗原、ハプテン、蛋白質および酵素に対する
モノクローナル抗体は生産されてきている。しかしなが
ら、哺乳動物、例えば、ヒトまたはラットの心房ナトリ
ウム排泄増加性ペプチドと高度に選択的に反応するモノ
クローナル抗体はまだ知られていない。
心房ナトリウム排泄増加性ペプチドは、その最小活性配
列が23アミノ酸から成る、異なる鎖長を有する1群で
ある。他のN−末端およびC−末端アミノ酸をさらに含
有するペプチドは同様に活性である。これらのペプチド
は、約152アミノ酸の前駆分子から、心臓の房におい
て酵素の作用により生産される。ANPの遺伝情報を指
定する遺伝子はクローニングされてきており、そしてD
NAは配列決定されている。
ANP類は持続時間が短いが、強力なナトリウム排泄を
誘導し、これらの物質の攻撃の正確な管の部位(tub
ular site)を明らかにすることはまだ不可能
である。さらにANP類は強力な脈管拡張剤であり、な
かでも、ノルアドレナリン、アンギオテンシンII、ヒス
タミンおよびセロトニンの脈管作用に拮抗することがで
きる。ANP類の作用はインドメタシンにより中和され
ず、それゆえこの作用が内因性のプロスタグランジン合
成を経て起こることはありえない。2−クリップ(tw
o−clip)高血圧症のラットおよびSHラットにお
けるANPの低血圧作用は記載された。
単離された細胞において、アルドステロンおよびバソプ
レッシンの分泌への阻害作用は検出された。従来の抗体
を使用してANPの血漿レベルを放射線免疫学的に測定
することは可能であり、そのレベルは特定の実験動物の
体積状態(vlume status)に依存する。単
離された糸球体の細胞への特異的結合は、125ヨウ素
標識ANP誘導体を使用して検出された。初期の実験
は、ANPが腎におけるカリクレインの放出を誘発する
ことを示した。ある条件下に、ペプチドの腎活性はハロ
ペリドールの予備処理により中和されうる[サグネラ
(Sagnella)およびマクグレゴール(McGr
egor)、ネイチャー(Nature)、399、6
66−668、1984参照]。ANPの活性は、これ
らのペプチドが循環系の疾患(高血圧、低血圧、動脈硬
化)、心臓疾患(急性および慢性の心不全、心筋梗塞、
心臓不整脈、冠状動脈性心臓病)および腎疾患(種々に
基本的疾患の途中における急性および慢性の腎不全、尿
毒症)において、因果的にまたは症候的に、関与するこ
とが非常にありうることを示す。こうして、種々の生物
学的体液(例えば、血液、血漿、血清、尿、リンパ液ま
たは脳脊髄液)の中のANPの定量は、前述のすべての
症候について非常な重要性を獲得するであろう。
従来の抗血清を使用して測定されたANPの血漿レベル
のあるものは、非常に高く、これはこれらの抗体の交差
反応性または特異性の欠如により説明することができ
る。心房ナトリウム排泄増加性ペプチドの誤った高い血
漿レベルの検出の危険性は、高度に特異性の(モノクロ
ーナル)抗体の使用により排除することができる。それ
ゆえ、この型の抗体はANPレベルの変化に関連するす
べての疾患の診断について理想的に適する。
本発明は、心房ナトリウム排泄増加性ペプチドに対して
高度に特異的なモノクローナル抗体を合成しかつ分泌す
るハイブリドーマ細胞系統の調製に関する。本発明は、
また、心房ナトリウム排泄増加性ペプチドと、とくにヒ
トまたはラットのそれに対するモノクローナル抗体を合
成しかつ分泌するハイブリドーマ細胞系統に関する。こ
れらのハイブリドーマは上に述べたケーラー(Khl
er)およびマイルステイン(Milstein)の方
法により調製される。免疫原担体、例えば、蛋白質に結
合した心房ナトリウム排泄増加性ペプチドでマウスを免
疫化した後、これらのマウスの脾細胞をマウスの骨髄腫
細胞系統の細胞と融合する。これから得られるハイブリ
ドーマは、心房ナトリウム排泄増加性ペプチドと選択的
に反応する抗体について系統的に検査される。このよう
にして、心房ナトリウム排泄増加性ペプチドを生産する
ハイブリドーマが単離された。本発明は、また、これら
に抗体に関する。
これらの抗体を生産するハイブリドーマは、英国サリス
ブリー(Salisbury)ポートン・ダウン(Po
rton Down)所在のナショナル・コレクション
・オブ・アニマル・セル・カルチャーズ、PHLSセン
ター・フォー・アプライド・マイクロバイオロジー・ア
ンド・リサーチ(National Collecti
on of Animal Cell Culture
s,PHLS Centre for Applied
Microbiology and Researc
h)に受託番号850314/1(mAb 11A−A
11)を生産するハイブリドーマ細胞系統)およ受託番
号850314/2(mAb 23 M−D9を生産す
るハイブリドーマ細胞系統)で受託された。
本発明による抗体は、例えば、生物学的流体、例えば、
血液、血漿、血清、尿、リンパ液または脳脊髄液の中の
心房ナトリウム排泄増加性ペプチドのレベルの決定に使
用することができる。本発明による抗体は、免疫検定
(アツセイ)用製品にとくによく適する。しかしなが
ら、それらは、免疫吸着クロマトグラフィーを使用する
心房ナトリウム排泄増加性ペプチドの単離に使用するこ
ともできる。
動物の実験研究は、種々の生理学的および病態生理学的
状態のもとのANPの意味を研究するために絶対に必要
である。これらの研究およびANPの薬理学についての
すべての研究の前提条件は、体液の定量測定用の特異的
で高感度のアツセイ法が存在することである。
本発明による抗体は、例えば、診断の目的で実験動物の
血清の中の心房ナトリウム排泄増加性ペプチドのレベル
の決定に使用することができる。本発明による抗体は、
また、生理学的および薬理学的実験のために非常によく
適する。
ハイブリドーマの調製は、一般に、次の工程からなる: A) 免疫原担体、とくに免疫原担体の蛋白質[例え
ば、キーホールリンペットヘモシアニンン(keyho
le limpet hemocyanin)](KL
H−ANP)に結合した、例えば、ヒトまたはラットか
らの、心房ナトリウム排泄増加性ペプチドで哺乳動物を
免疫化する。雌のBalb/cマウスはこの目的に適す
ることが明らかにされたが、他の系統のマウスを使用す
ることも可能である。免疫化の養生法(regime
n)およびKLH−ANPの濃度は、適切な数の抗原刺
激リンパ球が形成するように選択すべきである。14日
の間隔で100μgのKLH−ANPマウスでリン酸塩
緩衝化生理学的食塩水中の注射による3回の免疫化は有
効であることが明らかにされた。
B) 免疫化された哺乳動物(例えば、マスス)の脾を
得そして適当な媒質中の脾細胞の懸濁液を調製する。約
1mlの媒質/脾細胞は十分である。このための実験技
術は知られている。
C) 適当な融合プロモーター(例えば、ポリエチレン
グリコール)の使用による、懸濁した脾細胞と適当な細
胞系統(例えば、マウス骨髄腫PX63Ag8)の骨髄
腫細胞との融合。好ましい融合プロモーターは平均分子
量1,000〜4,000のポリエチレングリコール
(例えば、商業的に入手可能なPEG 1,000な
ど)である。しかしながら、他の既知の融合プロモータ
ーを使用することも可能である。好ましい脾細胞/骨髄
腫細胞の比は約10である。約0.5〜1.0mlの融
合媒質の合計の体積は108脾細胞について十分であ
る。多くの骨髄腫細胞は既知であり、そして、例えば、
科学研究所または細胞受託施設から入手することができ
る。使用する細胞系統は好ましくは遺伝的欠損を有し、
こうして融合しない骨髄腫細胞が選択培地中で死ぬが、
雑種は生存するようにする。最も頻繁に使用される細胞
系統は、8−アザグアンニンに対して抵抗性でありかつ
酵素のハイポキサンチングアニンホスホリボシルトラン
スフェラーゼを欠き、こうしてHAT培地(ハイポキサ
ンチン、アミノプテリン、チミジン)[サイエンス(S
cience)145:709、1964]中で生育す
ることができないものである。
使用する骨髄腫細胞系統は、好ましくはまた、非分泌型
であり、こうしてそれ自体抗体または免疫グロブリンの
H−もしくはL−鎖を形成しないものであるべきであ
る。しかしながら、ある場合において、分泌性骨髄腫細
胞は有利であることがある。
D) 融合混合物(脾細胞および骨髄腫細胞)を希釈し
そして個々の容器内の選択培地中で培養し、こうして融
合しない細胞が増殖せずかつ1〜2週間以内に死ぬよう
にする。個々の融合細胞を希釈剤の体積の調節により単
離し、こうしてある数の細胞(約1〜4)が各個々の容
器[例えば、マイクロタイター平板(microtit
er plate)のウェル(well)]内に配置さ
せる。
E) 各容器において心房ナトリウム排泄増加性ペプチ
ドに対する抗体の存在について試験する。
F) 所望の抗体を生産するハイブリドーマのの選択お
よびクローニング(例えば、制限希釈による)。
いったん所望のハイブリドーマが選択されかつクローニ
ングされると、2つの異なる方法により抗体を生産する
ことができる。ハイブリドーマを選当な培地中である時
間培養し、そして抗体を上澄み液から得るとき、非常に
高い純度のモノクローナル抗体が得られる。適当な培地
および最適な培養時間は決定が簡単である。この生体外
技術は、異質血清(例えば、ウシ胎児血清)からの少量
のみの蛋白質が汚染されたモノクローナル抗体を提供す
る。
ほんのわずかに低い純度のかなり高い濃度のモノクロー
ナル抗体を調製するためには、選択されたハイブリドー
マをマウスに、好ましくは同系遺伝的または準同系遺伝
的であるマウスに、腹腔内注射することが可能である。
インキュベーションの時間後、これはマウスにおいて腫
瘍の形成に導き、これは宿主動物の血液および腹膜滲出
液の中に高い濃度の抗体(5〜20mg/ml)を放出
する。これらのマウスが血液および腹水の中に正常の抗
体を有する場合でさえ、それにもかかわらずそれらの濃
度はmAbに比較して非常に低い。このようにして得ら
れるモノクローナル抗体は非常に高い力価を有し(それ
は10−3以下の希釈で活性である)、そして特異的免
疫グロブリンおよび非特異的免疫グロブリンの比は約2
0:1である。
実施例1 ヒトおよびラットに心房ナトリウム排泄増加性ペプチド
に対するモノクローナル抗体の調製 免疫化のために使用する抗原の調製 使用した抗原は、ラットのヒトα−ANPまたはアトリ
オペプチン(atriopeptin)II[ベイチャム
(Bachem)により供給される]およびキーホール
リンペットヘモシアニン[KLH、パシフィック・バイ
オマリン・サプライ(Pacific Biomari
ne Supply Company)]であった。調
製のため、KLHおよびヒトα−ANPまたはアトリオ
ペプチンIIを1:1の混合比で混合し、そしてリン酸塩
緩衝化生理的食塩水中の2mg/mlの濃度で、グルタ
ルアルデヒドを添加した。反応混合物中のグルタアルデ
ヒドの最終濃度は0.25%であった。室温において1
時間インキュベーションした後、蛋白質複合体をリン酸
塩緩衝化生理的食塩水に対して4℃で数時間透析した。
Balb/cマウスの免疫化 雌のBalb/cマウスを0.2mlの完全フロインド
アジュバント中の100μgのKLH−ANP複合体で
腹腔内的に免疫化した。14日後、動物に再び完全フロ
インドアジュバント中の100μgの抗原を腹腔内的に
投与した。さらに2回の腹腔内免疫化を14日の間隔で
100μgのリン酸塩緩衝化生理的食塩水中の50μg
の抗原/動物で各回免疫化した。動物の脾を最後の抗原
の投与後3日に切除した。
脾細胞懸濁液の調製 期間をステンレス鋼の篩に強制的に通すことによって、
切除した脾から個々の細胞懸濁液を調製した。4.5g
/lのグルコース、100単位/1のペニシリンおよび
100μg/mlのストレプトマイシンを補充したダル
ベコ最小必須培地(DMEM)の中に細胞を移した。細
胞をDMEMで3回洗浄し、次いで同一培地中に所望濃
度で再懸濁した。一般に、約108細胞を各脾から得
た。
骨髄腫細胞の調製 この目的に使用した骨髄腫細胞系統PX63Ag8.6
53は、マウス骨髄腫細胞系統P3−X63−Ag8の
サブクローンであり、これは免疫グロブリンの重鎖また
は軽鎖を発現しない[ジャーナル・オブ・イムノロジー
(J.Immuno1.123:1543−1550
(1980)]。細胞は20μg/mlの8−アザグア
ニンに対して感受性であり、そしてハイポキサンチン、
アミノプテリンおよびチミジン(HAT)を含有する培
地中でもやはり生育することはできない。4.5g/l
のグルコース、20ミリモルのグルタミン、1,000
単位/lのペニシリン、100μg/mlのストレプト
マイシンおよび10%のウシ胎児血清を補充したDME
M(完全培地)中で、それらを培養した。融合の時、骨
髄腫細胞は細胞増殖の対数期にあった。
細胞の融合 脾細胞の懸濁液を血清を含まないDMEM中の骨髄腫細
胞に10:1の脾で添加し、そして遠心を200gで1
0分間丸底のカップ内で実施した。細胞の沈降後、上澄
み液を注意してデカンテーションにより取り出した。細
胞を2mlの分子量2,000のポリエチレングリコー
ルの溶液(DMEMで30w/wに希釈した、pH7.
6)とともにインキュベーションした。次いで、20m
lのDMEMを添加し、次いで細胞を数分間注意して再
懸濁した。それらを再び200gで5分間遠心し、そし
て細胞の沈殿をHAT培地中に106細胞/mlの濃度
で再懸濁させ、次いでそれらを1mlの部分でコスター
平板(Costar plate)中に分布させた。
ハイブリドーマの選択および培養 細胞融合後、細胞をHAT培地(ハイポキサンチン ア
ミノプテリン、チミジン)中で37℃において湿潤雰囲
気のもとに5%のCO2を使用して培養した。数週間
後、ハイブリドーマ細胞培養物からの上澄み液を、適当
な酵素免疫検定により抗−ANP活性の存在について研
究した(下を参照)。抗−ANP検定において陽性の結
果を示すハイブリドーマ細胞系統をクローニングのため
に選択した。
これはハイブリドーマが限定希釈技術のかけられること
を伴い、ここで平均0.5細胞/ウェルを96マイクロ
タイターのウェルに分布させ、105マウス胸線細胞/
ウェルを「フィーダー・細胞(feeder cel
l)」として添加した。このクローニング後抗−ANP
をなお生産する細胞を増殖させ、凍結し、そして25%
のウシ胎児血清および7.5%のジメチルスルホキシド
を含有する完全培地中に貯蔵した。
大量のモノクローナル抗体の調製 0.5mlのプリスタンの腹腔内注射により予備処置し
たマウスにクローニングしたハイブリドーマを腹腔内注
射して、約10〜15日後に抗生を含有する腹水を得る
ことができるようにした。腹水中の抗体活性を放射能結
合阻止検定において決定した(実施例3参照)。
培養上澄み液の抗−ANP活性の決定 ウシ血清アルブミンとラットのヒトα−ANPまたはア
トリオペプチンIIとの複合体(5μg/ml)を室温で
3時間吸収させ、次いで水で5回洗浄したマイクロタイ
ター平板に、100μlの培養上澄み液を添加した。ペ
ルオキシダーゼに結合したウサギ抗−マウス免疫グロブ
リンを次いで添加した;平板を引続いて室温で2時間イ
ンキュベーションした。蒸留水で5回洗浄した後、酵素
に適する基質緩衝液を添加し、そして生ずる着色した生
成物の濃度をマイクロタイター平板に適する光メーター
で決定した。
実施例2 心房ナトリウム排泄増加性ペプチドに対するモノクロー
ナル抗体の特性づけ モノクローナル抗体の型決定 ここの記載するモノクローナル抗体のクラスおよびサブ
クラスを分析した。抗体を培養上澄み液から濃縮し、そ
して硫酸アンモニウム(40%の飽和)で沈殿させるこ
とによって部分的に精製した。免疫グロブリンのクラス
をオウチタロニー(Ouchterlony)ゲル拡散
試験においてクラス特異的抗−マウス免疫グロブリン抗
血清を使用して決定した。ヒトANPに対するモノクロ
ーナル抗体23M−D9はIgG1クラスに属する。ア
トリオペプチンIIに対するモノクローナル抗体11A−
A11は同様にIgG1クラスに属する。
抗体と種々の他のペプチドおよびホルモンとの交差反応 ヒトANPに対するモノクローナル抗体と種々のペプチ
ドとの交差反応性を、放射線免疫学的結合阻害険定によ
り決定した。この検定は特別の検定緩衝液中で実施する
(0.02モルのリン酸ナトリウム;0.15モルのN
aCl;0.01%のチオメルサル(thiomers
al);0.1%のゼラチン;0.01%のBSAおよ
び0.1%のトリトン−X100、pH7.4)。ヒト
からの放射線標識125ヨウ素−α−ヒト−ANP(ア
ミノ酸1〜28)またはラットの125−アトリオペプ
チンII[アメルシャム・フヒラー(Amersham
Buchler)]を抗体と一緒に適当な希釈で4℃に
おいて16〜48時間インキュベーションした。合計の
体積は500μlである。結合阻害検定において、検定
混合物は、同体積で、標識されない抗原または種々の阻
害剤を異なる濃度でさらに含有する。インキュベーショ
ンの終りにおいて、抗体に結合しない放射線標識125
ヨウ素−抗原(1〜28アミノ酸をもつヒトα−ANP
またはラットのアトリオペプチンIII)活性炭の懸濁液
(0.2モルのリン酸ナトリウム;2%のノリト(no
rit)A活性炭;0.02%のデキストラン60;
0.1%のBSAおよび10ミリモルのNa2EDT
A、pH7.4)を添加し、次いで氷上で20分間イン
キュベーションすることにより活性炭上に吸着させる。
次いで活性炭を3,000gで10分間遠心することに
より沈降させ、そして上澄み液中の放射能を決定する。
測定は抗体から125ヨウ素−抗原の50%を置換する
ために必要な種々のペプチドの濃度で実施した。第1図
および第2図から明らかなように、抗体は高度に特異的
にヒトおよびラットからの心房ナトリウム排泄増加性ペ
プチドと反応する。塩−水のバランスの調整に参加する
他の仲介因子との交差反応は検出することができなかっ
た。種々の脈管活性物質は等しく不活性であった(表1
および2)。
実施例3 心房ナトリウム排泄増加性ペプチドに対するモノクロー
ナル抗体の使用 モノクローナル抗体を使用する生物学的流体および組織
におけるANP免疫活性の検出 高度の希釈における抗原は、放射免疫検定により量的に
決定することができる。高度に特異的の抗体および放射
線標識抗原は、この検定に必要である。放射線標識抗原
の抗体への結合は、非放射性抗原により線量依存的に阻
害することができる。種々の濃度の非放射性抗原を一定
濃度の抗体および放射線標識抗原とともにインキュベー
ションすると、このようにして特性検量線を引くことが
可能である。第1図はこのタイプの検量線を示し、これ
はとくに種々のアトリオペプチン類またはそれらの誘導
体によるmAb 23M−D9からの放射線標識抗原(
125ヨウ素−ヒト−アルファ−ANP、アミノ酸1〜
28)の置換についてのものである。これは放射性抗原
の抗体への結合(%)を伴ない、この結合は非標識抗原
またはその断片の濃度(fmol/ml)に対してして
プロットされている。この図面において、 はヒトα−ANP(1−28)を表わす。
はヒトα−ANP(7−28)を表わす。
はANP断片(18−28)を表わす。
この検定は最終希釈1:1,500,000において腹
水を使用してここに記載されるようにして実施した。培
養上澄み液を使用する検定は同様な結果を与え、単に使
用できる希釈は500〜1,000倍以下である。この
実験が明瞭に示すように、ANP断片(アミノ酸18−
28)は抗体から放射線標識抗原を置換することができ
ない。こうして、抗体はこの断片と交差反応性をもたな
い。溶液中の未知量の抗原はこの検量線を使用して決定
することができる。ここに記載するモノクローナル抗体
およびトレーサーとして125ヨウ素−ヒト−α−AN
P(アミノ酸1−28)に基づく放射線免疫検定は生物
学的流体および組織の抽出物の検出を20pg/mlの
濃度まで低下させることを可能とし、この濃度はほぼ6
fmol/mlの量に相当する(第1図参照)。
第2図は、ラットのアトリオペプチンと特異的に反応す
るmAb11A−A11についての同一方法で実施した
実験を示す。この図面において、 アトリオペプチンIを表わす。
アトリオペプチンIIを表わす。
アトリオペプチンIIIを表わす。
ANP断片(13−28)を表わす。
プットの方式は第1図と同一である。
この検定は最終希釈濃度1:1,250,000で腹水
を使用してここの記載するようにして実施した。培養上
澄み液を使用する検定は同様な結果を与え、単に使用で
きる希釈は500〜1,000倍以下である。この実験
が明瞭に示すように、ANP断片(アミノ酸13−2
8)は抗体から放射線標識抗原を置換することができな
い。こうして、抗体はこの断片と交差反応性をもたな
い。溶液中の未知量の抗原はこの検量線を使用して決定
することができる。ここに記載するモノクローナル抗体
およびトレーサーとして125ヨウ素−アトリオペプチ
ンIIIに基づく放射線免疫検定は生物学的流体および組
織の抽出物の検出を20pg/mlの濃度まで低下させ
ることを可能とし、この濃度はほぼ6fmol/mlの
量に相当する(第2図参照)。ここに説明した免疫学的
方法に加えて、ここに記載するモノクローナル抗体を使
用して他の型の免疫検定(例えば、ELISA、化学ル
ミネセンス、蛍光)を使用して実施することも可能であ
る。
実施例4 ラットのアトリオペプチンの生体内作用の拮抗 実験の前の夕方から断食したが、飲料水を自由に飲ませ
た雄のウィスター(Wistar)ラット(体重240
〜270g)を使用した。準備および実験はイナクチン
麻酔(100mg/kg i.p.)のもとに実施し
た。気管切除しそして1mg/kgのアトロピン(i.
p.)を注射した後、プラスチックカテーテルを代腿動
脈の中に結合して血圧を測定し、プラスチックカテーテ
ルを頚静脈中に結合して溶液を注射または注入し、そし
て膀胱のカテーテルを挿入した。準備が完結したとき、
ラットに5ml/kgの0.9%強度のNaCl溶液を
注入し、次いで、実験の期間の間、同一溶液を注入した
(1.2ml/時間)。実験動物の直腸の温度をヒート
ランプにより37±1℃に維持した。1時間の平衡時間
が経過した後、尿を予備計量した容器内に集め、この容
器を10分または20分毎に交換した。尿中のNa+ま
たはK+の濃度を火炎光測定[インスツルメンテイショ
ン・ラボラトリー(Instrumentation
Laboratory)、米国マサチュセッツ州レキシ
トン]により決定した。抗体の流体は1mlの0.9%
強度のNaCl溶液中に100μlの滅菌濾過した腹水
および0.1%のウシ血清アルブミンを含有した。合成
アトリオペプチンII[ベイチェム(Bachem)によ
り供給される)を、同様に0.9%のNaClおよび
0.1%のウシ血清アルブミンを含有する水溶液中に注
入した。注入体積は、すべての場合において1ml/k
g体重であった。予備実験によると、0.1%のウシ血
清アルブミンを含有する0.9%強度のNaCl溶液の
1ml/kg体重の全量の1度の注入は尿の体積および
ナトリウムの分泌にほんのわずかの作用しかもたないこ
とが示された。実験の完結後、動脈血液の試料を各ラッ
トから採取して酸−塩基の状態を検査した。
10μg/kgのアトリオペプチンIIは、静脈内の全量
の1度の注入後、最切の10分で、尿の体積およびおよ
びナトリウム分泌の大きい増加に導く(第3図およ第4
図参照)。引続く収集期間において、これは急速に減少
し、そして、1時間後、10μg/kg体重のANPの
全量の1度の注入を更新することにより良好に再現され
る。尿の体積およびおよびナトリウム分泌の大きい増加
は、第2のANPの注入前の5分に、100μg/kg
体重の抗体含有腹水(抗体11A−A11)の全量の1
度の注入によりほとんど完全に抑制することができる。
第3図および第4図は、結果を詳細に示す。収集時間
(収集期間)(分)が、縦軸に尿の分泌(μl/分)第
3a図および第3b図)およびナトリウムの分泌(μm
ol/分)(第4a図および第4b図)に対してプロッ
トされている。
第3a図 10μl/kgのアトリオペプチンII(AN
P)の全量の1度の注入を2回実施した後の尿の体積、
n=4。
第3b図 ANPに対するmAbによる10μg/kg
のアトリオペプチンIIの作用の拮抗:第2回目のANP
の注入の前5分に、100μl/kgの抗体含有腹水
(Ab)の全量の1度の注入を実施した、n=4。
第4a図 10μl/kgのアトリオペプチンII(AN
P)の全量の1度の注入を2回実施した後のナトリウム
の体積、n=4。
第4b図 ANPに対するmAbによる10μg/kg
のアトリオペプチンIIの作用の拮抗:第2回目のANP
の注入の前5分に、100μl/kgの抗体含有腹水
(Ab)の全量の1度の注入を実施した、n=4。
こうして、抗体は生体内のアトリオペプチンIIのナトリ
ウム排泄増加に拮抗する。
【図面の簡単な説明】
第1図はこのタイプの検量線を示し、これはとくに種々
のアトリオペプチン類またはそれらの誘導体によるmA
b 23M−D9からの放射線標識抗原(125ヨウ素
−ヒト−アルファ−ANP、(アミノ酸1〜28)の置
換についてのものである。 第2図は、ラットのアトリオペプチンと特異的に反応す
るmAb11A−A11についての実験の結果を示す。 第3図および第4図は、結果を詳細に示す。収集時間
(収集期間)(分)が、縦軸に尿の分泌(μl/分)
(第3a図および第3b図)およびナトリウムの分泌
(μmol/分)(第4a図および第4b図)に対して
プロットされている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12N 15/06 G01N 33/53 F 8310−2J (C12P 21/08 C12R 1:91) (72)発明者 ヨハネス‐ペーター・シユタツシユ ドイツ連邦共和国デー5600ブツペルタール 1・シユネービトヘンベーク 37 (56)参考文献 Biochem.Biophys.Re s.Commun.,124(2),663− 668(1984);124(3),815−821 (1984);125(1),315−323(1984) Nature,256,495−497(1975)

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】哺乳動物の心房ナトリウム排泄増加性ペプ
    チドに対するモノクローナル抗体であって、 血管作動性を示すかまたは塩−水の平衡に影響を及ぼす
    他の内因性メデイエイタと交差反応性をもたないことを
    特徴とするモノクローナル抗体。
  2. 【請求項2】メデイエイタがヒトアンギオテンシンII、
    ロイシンエンケフアリン、サブスタンスP、アルドステ
    ロン、ブタACTH、ブラジキニン、γ−MSH、ラツ
    トインシユリン、バソプレツシンおよびブタレニンであ
    る特許請求の範囲第1項記載のモノクローナル抗体。
  3. 【請求項3】ハイブリドーマ細胞85031401によ
    り産生される特許請求の範囲第1項または第2項記載の
    モノクローナル抗体。
  4. 【請求項4】ハイブリドーマ細胞85031402によ
    り産生される特許請求の範囲第1項または第2項記載の
    モノクローナル抗体。
  5. 【請求項5】哺乳動物の心房ナトリウム排泄増加性ペプ
    チドに対するモノクローナル抗体であって、血管作動性
    を示すかまたは塩−水の平衡に影響を及ぼす他の内因性
    メデイエイタと交差反応性をもたないモノクローナル抗
    体を産生できるハイブリドーマ細胞系を使用することを
    特徴とする前記モノクローナル抗体の生産方法。
  6. 【請求項6】前記ハイブリドーマ細胞を適当な培地中で
    培養し、そして前記抗体を上澄み液から得ることを特徴
    とする特許請求の範囲第5項記載の方法。
  7. 【請求項7】ハイブリドーマ細胞を同系遺伝的にあるい
    は半同系遺伝的にマウスに注入し、そして抗体を血液ま
    たは腹膜滲出液から得ることを特徴とする特許請求の範
    囲第5項記載の方法。
  8. 【請求項8】哺乳動物の心房ナトリウム排泄増加性ペプ
    チドに対するモノクローナル抗体であって、血管作動性
    を示すかまたは塩−水の平衡に影響を及ぼす他の内因性
    メデイエイタと交差反応性をもたないモノクローナル抗
    体を含むことを特徴とする生物学的流体における心房ナ
    トリウム排泄増加性ペプチドの検出用組成物。
  9. 【請求項9】生物学的流体が血液、血漿、血清、尿、リ
    ンパ液または脳脊髄液である特許請求の範囲第8項記載
    の組成物。
  10. 【請求項10】哺乳動物の心房ナトリウム排泄増加性ペ
    プチドに対するモノクローナル抗体であって、血管作動
    性を示すかまたは塩−水の平衡に影響を及ぼす他の内因
    性メデイエイタと交差反応性をもたないモノクローナル
    抗体を含むことを特徴とする心房ナトリウム排泄増加性
    ペプチドを単離するための免疫吸着クロマトグラフイー
    材料。
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