JPH0649509A - 鉄系焼結合金製部材およびその製造方法 - Google Patents
鉄系焼結合金製部材およびその製造方法Info
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- JPH0649509A JPH0649509A JP4038591A JP3859192A JPH0649509A JP H0649509 A JPH0649509 A JP H0649509A JP 4038591 A JP4038591 A JP 4038591A JP 3859192 A JP3859192 A JP 3859192A JP H0649509 A JPH0649509 A JP H0649509A
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- sintered alloy
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Abstract
(57)【要約】
【目的】鉄系焼結合金製部材の耐面圧強度を高め耐ピッ
チング性を向上させる。 【構成】鉄系焼結合金製の素材にその組織がマルテンサ
イト化するように熱処理を施し、次に当該素材に機械加
工を施した後、該機械加工された表面に当該表面の粗さ
ピッチよりも直径が小さく且つ当該表面よりも高硬度の
ショットを用いてピーニング加工を施す。
チング性を向上させる。 【構成】鉄系焼結合金製の素材にその組織がマルテンサ
イト化するように熱処理を施し、次に当該素材に機械加
工を施した後、該機械加工された表面に当該表面の粗さ
ピッチよりも直径が小さく且つ当該表面よりも高硬度の
ショットを用いてピーニング加工を施す。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エンジンのカムシャフ
トなど高い面圧強度が要求される鉄系焼結合金製部材お
よびその製造方法に関する。
トなど高い面圧強度が要求される鉄系焼結合金製部材お
よびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】エンジンの高出力化・低燃費化の要請に
伴い、その動弁機構においては、ロッカアーム等の摺動
ないしは揺動部材の低フリクション化が要望されてお
り、そのために従来のすべり運動のロッカアームに代え
てローラフォロワを用いた転がり運動のロッカアームが
採用されつつある。しかし、ローラフォロワは、低回転
域では顕著でないが、高回転域ではその慣性質量が増加
することから、相手部材であるカムシャフトのカム面の
受ける面圧が増大し、該カムシャフトのピッチング等の
疲労破壊が問題になってくる。
伴い、その動弁機構においては、ロッカアーム等の摺動
ないしは揺動部材の低フリクション化が要望されてお
り、そのために従来のすべり運動のロッカアームに代え
てローラフォロワを用いた転がり運動のロッカアームが
採用されつつある。しかし、ローラフォロワは、低回転
域では顕著でないが、高回転域ではその慣性質量が増加
することから、相手部材であるカムシャフトのカム面の
受ける面圧が増大し、該カムシャフトのピッチング等の
疲労破壊が問題になってくる。
【0003】これに対して、上記カムシャフトに、冷し
金チル法によるチル合金鋳鉄や球状黒鉛鋳鉄をオーステ
ンパ処理したオーステンパ鋳鉄を採用したものが実用化
されつつある。また、上記カムシャフトと同様に耐ピッ
チング性が要求される歯車に鉄系焼結合金を用いるにあ
たり、その金属組織を工夫するという提案もある。すな
わち、この提案は、所定組成の鉄系焼結合金素材に焼入
れ、焼戻し処理を施すことにより、表面をオーステナイ
ト相とし内部をマルテンサイト相とし、これにより相手
材に対するなじみ性と耐面圧強度とを改善するというも
のである(特開昭58−19412号公報参照)。
金チル法によるチル合金鋳鉄や球状黒鉛鋳鉄をオーステ
ンパ処理したオーステンパ鋳鉄を採用したものが実用化
されつつある。また、上記カムシャフトと同様に耐ピッ
チング性が要求される歯車に鉄系焼結合金を用いるにあ
たり、その金属組織を工夫するという提案もある。すな
わち、この提案は、所定組成の鉄系焼結合金素材に焼入
れ、焼戻し処理を施すことにより、表面をオーステナイ
ト相とし内部をマルテンサイト相とし、これにより相手
材に対するなじみ性と耐面圧強度とを改善するというも
のである(特開昭58−19412号公報参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、最近は、上述
のエンジンで言えば、その軽量化ないしはコンパクト化
の要求が厳しくなっている。そのために、上記カムシャ
フトにおいてもカム幅の縮小が必要となり、ローラフォ
ロワとの転がり面圧が高くなる傾向にある。これに対し
て、上述の従来技術では所期の耐ピッチング性が得られ
るような高い面圧強度を得ることが難しい。そこで、本
発明は、このような要求を満足し得る鉄系焼結合金製部
材およびその製造方法を提供せんとするものである。
のエンジンで言えば、その軽量化ないしはコンパクト化
の要求が厳しくなっている。そのために、上記カムシャ
フトにおいてもカム幅の縮小が必要となり、ローラフォ
ロワとの転がり面圧が高くなる傾向にある。これに対し
て、上述の従来技術では所期の耐ピッチング性が得られ
るような高い面圧強度を得ることが難しい。そこで、本
発明は、このような要求を満足し得る鉄系焼結合金製部
材およびその製造方法を提供せんとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段およびその作用】本発明
は、このような課題に対して、ショットピーニング法を
採用し、且つこのショットピーニングに工夫を加えて、
その解決を図るものである。
は、このような課題に対して、ショットピーニング法を
採用し、且つこのショットピーニングに工夫を加えて、
その解決を図るものである。
【0006】すなわち、本発明に係る鉄系焼結合金性部
材は、その金属組織がマルテンサイトであって、所定形
状に機械加工された表面の微小突起が当該表面の粗さピ
ッチよりも直径が小さいショットによるピーニング加工
により押潰し且つ当該表面に圧縮残留応力を有すること
を特徴とするものである。
材は、その金属組織がマルテンサイトであって、所定形
状に機械加工された表面の微小突起が当該表面の粗さピ
ッチよりも直径が小さいショットによるピーニング加工
により押潰し且つ当該表面に圧縮残留応力を有すること
を特徴とするものである。
【0007】また、上記鉄系焼結合金製部材の製造方法
は、鉄系焼結合金製の素材にその組織がマルテンサイト
化するように熱処理を施し、次に当該素材に機械加工を
施した後、該機械加工された表面に当該表面の粗さピッ
チよりも直径が小さく且つ当該表面よりも高硬度のショ
ットを用いてピーニング加工を施す、というものであ
る。
は、鉄系焼結合金製の素材にその組織がマルテンサイト
化するように熱処理を施し、次に当該素材に機械加工を
施した後、該機械加工された表面に当該表面の粗さピッ
チよりも直径が小さく且つ当該表面よりも高硬度のショ
ットを用いてピーニング加工を施す、というものであ
る。
【0008】鉄系焼結合金材料としては、Fe−Ni−
Mo−C系のものが好適であり、焼結により密度を7.
2g/cm3 以上とし、組織のマルテンサイト化により
HRC硬さを39〜48程度としたものが好適である。
かかる焼結合金製素材は、機械加工(切削ないし研削加
工)により所定の表面形状に仕上げられるが、その表面
は機械加工の結果として多数の微小突起を有する。
Mo−C系のものが好適であり、焼結により密度を7.
2g/cm3 以上とし、組織のマルテンサイト化により
HRC硬さを39〜48程度としたものが好適である。
かかる焼結合金製素材は、機械加工(切削ないし研削加
工)により所定の表面形状に仕上げられるが、その表面
は機械加工の結果として多数の微小突起を有する。
【0009】これに対して、本発明の鉄系焼結合金製部
材は、上記微小突起がショットピーニングにより押し潰
れ研削傷のない表面粗さが小さな表面性状になっている
とともに、表面に圧縮残留応力を有する。よって、当該
表面は高い転がり面圧に耐える強度を持つようになり、
耐ピッチング性にすぐれたものになっている。
材は、上記微小突起がショットピーニングにより押し潰
れ研削傷のない表面粗さが小さな表面性状になっている
とともに、表面に圧縮残留応力を有する。よって、当該
表面は高い転がり面圧に耐える強度を持つようになり、
耐ピッチング性にすぐれたものになっている。
【0010】しかして、上記鉄系焼結合金製部材の製造
にあたって、そのショットピーニングには上記マルテン
サイト組織によって硬化した素材の表面硬度よりも高い
硬度(例えばHRC硬さ48以上、特にHRC硬さ55
〜60が好適である)を有するショット(鋼球)を用い
るが、これは、低硬度であれば、ショットが素材表面の
照射部位より反発され加工不充分となるためである。そ
して、上記ショットの直径を素材表面の粗さピッチより
も小さなものにするのは、当該表面の微小突起を確実に
押潰せしめるためである。すなわち、上記粗さピッチよ
りも直径が大きなショットであれば、1個のショットが
複数の微小突起に当たることになるため、ショット中心
から離れた周辺の微小突起はショットによって薙ぎ倒さ
れ、研削されたような状態になって研削傷が残るととも
に、単位面積当りの加工率(ショットの打ち込み数)が
低くなり、期する表面性状の改善は得られない。
にあたって、そのショットピーニングには上記マルテン
サイト組織によって硬化した素材の表面硬度よりも高い
硬度(例えばHRC硬さ48以上、特にHRC硬さ55
〜60が好適である)を有するショット(鋼球)を用い
るが、これは、低硬度であれば、ショットが素材表面の
照射部位より反発され加工不充分となるためである。そ
して、上記ショットの直径を素材表面の粗さピッチより
も小さなものにするのは、当該表面の微小突起を確実に
押潰せしめるためである。すなわち、上記粗さピッチよ
りも直径が大きなショットであれば、1個のショットが
複数の微小突起に当たることになるため、ショット中心
から離れた周辺の微小突起はショットによって薙ぎ倒さ
れ、研削されたような状態になって研削傷が残るととも
に、単位面積当りの加工率(ショットの打ち込み数)が
低くなり、期する表面性状の改善は得られない。
【0011】
【発明の効果】従って、本発明に係る鉄系焼結合金製部
材によれば、金属組織をマルテンサイトとし、所定形状
に機械加工された表面の微小突起を当該表面の粗さピッ
チよりも直径が小さいショットによるピーニング加工に
より押潰し且つ当該表面に圧縮残留応力を有するように
したから、耐面圧強度が高くなり耐ピッチング性が向上
する。
材によれば、金属組織をマルテンサイトとし、所定形状
に機械加工された表面の微小突起を当該表面の粗さピッ
チよりも直径が小さいショットによるピーニング加工に
より押潰し且つ当該表面に圧縮残留応力を有するように
したから、耐面圧強度が高くなり耐ピッチング性が向上
する。
【0012】また、上記鉄系焼結合金製部材の製造方法
によれば、鉄系焼結合金製素材にその組織がマルテンサ
イト化するように熱処理を施し、次に当該素材に機械加
工を施した後、該機械加工された表面に当該表面の粗さ
ピッチよりも直径が小さく且つ当該表面よりも高硬度の
ショットを用いてピーニング加工を施すようにしたか
ら、表面に研削傷を残すことなく、その表面粗さを低下
させ且つ圧縮残留応力を与えることができ、耐ピッチン
グ性に優れた鉄系焼結合金製部材を得ることができる。
によれば、鉄系焼結合金製素材にその組織がマルテンサ
イト化するように熱処理を施し、次に当該素材に機械加
工を施した後、該機械加工された表面に当該表面の粗さ
ピッチよりも直径が小さく且つ当該表面よりも高硬度の
ショットを用いてピーニング加工を施すようにしたか
ら、表面に研削傷を残すことなく、その表面粗さを低下
させ且つ圧縮残留応力を与えることができ、耐ピッチン
グ性に優れた鉄系焼結合金製部材を得ることができる。
【0013】
【実施例】以下、本発明の実施例を比較例との比較にお
いて説明する。
いて説明する。
【0014】<実施例1>以下の如くして、後述するピ
ッチングテスト用のテストピース(カムシャフトのカム
部材)を作成した。
ッチングテスト用のテストピース(カムシャフトのカム
部材)を作成した。
【0015】下記の組成を有し粉末粒度100メッシュ
以下のアトマイズ粉に黒鉛粉末0.6重量%及びステア
リン酸亜鉛1重量%を混合し、該混合物をテストピース
素材に圧粉成形し、予備焼結を行なった。プレス圧力は
7ton/cm2 として、予備焼結条件は850℃×6
0分間とした。次に、得られた予備焼結品につき、プレ
ス圧力7ton/cm2 で再圧縮を行なった後、非酸化
性雰囲気炉にて1250℃×60分間の条件で本焼結を
行なった。
以下のアトマイズ粉に黒鉛粉末0.6重量%及びステア
リン酸亜鉛1重量%を混合し、該混合物をテストピース
素材に圧粉成形し、予備焼結を行なった。プレス圧力は
7ton/cm2 として、予備焼結条件は850℃×6
0分間とした。次に、得られた予備焼結品につき、プレ
ス圧力7ton/cm2 で再圧縮を行なった後、非酸化
性雰囲気炉にて1250℃×60分間の条件で本焼結を
行なった。
【0016】−組成− Ni:1.93,Mo:1.03,C:0.001,S
i:0.01,Mn:0.05,P:0.005,S:
0.003,O:0.07,残部Fe(以上の数値は重
量%) しかる後、得られた焼結品を870℃で60分間保持し
た後、焼入れ・焼戻し処理を施し、当該焼結品全体をマ
ルテンサイト組織とした。焼戻し条件は180℃×60
分間とした。この熱処理によって得られたものはHRC
硬さ48であった。
i:0.01,Mn:0.05,P:0.005,S:
0.003,O:0.07,残部Fe(以上の数値は重
量%) しかる後、得られた焼結品を870℃で60分間保持し
た後、焼入れ・焼戻し処理を施し、当該焼結品全体をマ
ルテンサイト組織とした。焼戻し条件は180℃×60
分間とした。この熱処理によって得られたものはHRC
硬さ48であった。
【0017】そうして、上記熱処理品をテストピース形
状に機械加工した。得られた機械加工品の表面状態は図
1の「ハードショットピーニング前」の欄及び図2に示
す通りであり、その表面粗さはRmax 3.5μmであっ
た。そして、これに以下の条件でハードショットピーニ
ング処理を施した。得られたものの表面状態は図1の
「実施例1」の欄及び図3に示す通りであり、その表面
粗さはRmax 1.5μmであった。
状に機械加工した。得られた機械加工品の表面状態は図
1の「ハードショットピーニング前」の欄及び図2に示
す通りであり、その表面粗さはRmax 3.5μmであっ
た。そして、これに以下の条件でハードショットピーニ
ング処理を施した。得られたものの表面状態は図1の
「実施例1」の欄及び図3に示す通りであり、その表面
粗さはRmax 1.5μmであった。
【0018】シ ョ ッ ト;直径0.044mmの鋼
球 ショット圧 力;4kgf/cm2 ショット時 間;20秒 上記鋼球はHRC硬さ55〜60である。
球 ショット圧 力;4kgf/cm2 ショット時 間;20秒 上記鋼球はHRC硬さ55〜60である。
【0019】<実施例2>黒鉛粉末の量を0.3重量%
とする他は実施例1と同じ条件でピッチングテスト用の
テストピースを作成した。
とする他は実施例1と同じ条件でピッチングテスト用の
テストピースを作成した。
【0020】<比較例1>C:3.4,Cr:0.1
4,S:0.12,P:0.03,Mn:0.84,S
i:1.71,残部Fe(以上は重量%)の組成を有す
るHRC硬さ51の合金鋳鉄製冷し金チル材に機械加工
を施してピッチングテスト用のテストピースを得た。
4,S:0.12,P:0.03,Mn:0.84,S
i:1.71,残部Fe(以上は重量%)の組成を有す
るHRC硬さ51の合金鋳鉄製冷し金チル材に機械加工
を施してピッチングテスト用のテストピースを得た。
【0021】<比較例2>C:2.68,Si:2.3
2,Mn:0.48,P:0.016,S:0.00
3,Mo:0.1,Mg:0.025,残部Fe(以上
は重量%)の組成を有する球状黒鉛鋳鉄材に非酸化性雰
囲気で900℃×1.5時間の加熱処理を施した後、3
80℃×1時間のオーステンパ処理を施してHRC硬さ
28とし、これに機械加工を施してピッチングテスト用
のテストピースを得た。
2,Mn:0.48,P:0.016,S:0.00
3,Mo:0.1,Mg:0.025,残部Fe(以上
は重量%)の組成を有する球状黒鉛鋳鉄材に非酸化性雰
囲気で900℃×1.5時間の加熱処理を施した後、3
80℃×1時間のオーステンパ処理を施してHRC硬さ
28とし、これに機械加工を施してピッチングテスト用
のテストピースを得た。
【0022】<比較例3>ショットピーニング処理にお
けるショット(鋼球)の直径を0.2mmとする他は実
施例2と同じ条件でピッチングテスト用のテストピース
を作成した。このテストピースの表面状態は図1の「比
較例3」の欄及び図4に示す通りであり、その表面粗さ
はRmax 3.5μmであった。
けるショット(鋼球)の直径を0.2mmとする他は実
施例2と同じ条件でピッチングテスト用のテストピース
を作成した。このテストピースの表面状態は図1の「比
較例3」の欄及び図4に示す通りであり、その表面粗さ
はRmax 3.5μmであった。
【0023】(ピッチングテスト)上記実施例1,2及
び比較例1〜3の各テストピーストにつき、各々をロー
ラフォロワ材(材質SUJ2,HRC硬さ61)と接触
状態にして回転させ、且つ両者の接触荷重を変化させる
ようにし、繰り返し回数107 以上になるときのヘルツ
面圧、すなわち、耐面圧強度を求めた。この場合のピッ
チング発生の有無は、テストピースの振動の変化を検出
することにより調べた。
び比較例1〜3の各テストピーストにつき、各々をロー
ラフォロワ材(材質SUJ2,HRC硬さ61)と接触
状態にして回転させ、且つ両者の接触荷重を変化させる
ようにし、繰り返し回数107 以上になるときのヘルツ
面圧、すなわち、耐面圧強度を求めた。この場合のピッ
チング発生の有無は、テストピースの振動の変化を検出
することにより調べた。
【0024】テスト結果は図5に示されている。同図に
よれば、各テストピースの耐面圧強度は、実施例1が2
40kgf/mm2 、実施例2が220kgf/m
m2 、比較例1が188kgf/mm2 、比較例2が1
77kgf/mm2 、比較例3が205kgf/mm2
である。以上により、本発明の有効性が裏付けられる。
よれば、各テストピースの耐面圧強度は、実施例1が2
40kgf/mm2 、実施例2が220kgf/m
m2 、比較例1が188kgf/mm2 、比較例2が1
77kgf/mm2 、比較例3が205kgf/mm2
である。以上により、本発明の有効性が裏付けられる。
【0025】ここで、実施例2が実施例1よりも低い耐
面圧強度を示しているのは、黒鉛粉末(C量)が少ない
関係で焼入れ性が若干低下し、HRC硬さ39のマルテ
ンサイト組織になったためと認められる。従って、高い
面圧強度を得るという観点から、黒鉛量は0.3%以上
とすることが望ましい。また、ショットピーニング処理
のし易さの観点からは、黒鉛量を0.6ないしは0.8
程度とし表面硬度が過度に高くならないようにすること
が望ましい。なお、上記黒鉛粉末は焼結の過程で合金粉
末に固相拡散し、黒鉛としては残っていない。
面圧強度を示しているのは、黒鉛粉末(C量)が少ない
関係で焼入れ性が若干低下し、HRC硬さ39のマルテ
ンサイト組織になったためと認められる。従って、高い
面圧強度を得るという観点から、黒鉛量は0.3%以上
とすることが望ましい。また、ショットピーニング処理
のし易さの観点からは、黒鉛量を0.6ないしは0.8
程度とし表面硬度が過度に高くならないようにすること
が望ましい。なお、上記黒鉛粉末は焼結の過程で合金粉
末に固相拡散し、黒鉛としては残っていない。
【0026】また、直径0.2mmの鋼球をショットに
用いた比較例3の耐面圧強度が実施例2よりも低いの
は、該鋼球がテストピース表面の微小突起を薙ぎ倒す結
果、研削傷が残り、また、ショットによる単位面積当り
の加工率が実施例のものよりも低くなったためと認めら
れる。
用いた比較例3の耐面圧強度が実施例2よりも低いの
は、該鋼球がテストピース表面の微小突起を薙ぎ倒す結
果、研削傷が残り、また、ショットによる単位面積当り
の加工率が実施例のものよりも低くなったためと認めら
れる。
【0027】なお、本発明が上記カムシャフトのカム部
材以外に例えば歯車のような他の高い耐面圧強度が要求
される機械部品にも適用できることはもちろんである。
材以外に例えば歯車のような他の高い耐面圧強度が要求
される機械部品にも適用できることはもちろんである。
【図1】実施例及び比較例の表面粗さを示す図
【図2】実施例1のハードショットピーニング前の表面
状態を示す顕微鏡写真
状態を示す顕微鏡写真
【図3】実施例1のハードショットピーニング後の表面
状態を示す顕微鏡写真
状態を示す顕微鏡写真
【図4】比較例3のハードショットピーニング後の表面
状態を示す顕微鏡写真
状態を示す顕微鏡写真
【図5】実施例及び比較例のピッチングテストの結果を
示すグラフ図
示すグラフ図
なし
【手続補正書】
【提出日】平成4年12月17日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 鉄系焼結合金製部材およびその製造方
法
法
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エンジンのカムシャフ
トなど高い面圧強度が要求される鉄系焼結合金製部材お
よびその製造方法に関する。
トなど高い面圧強度が要求される鉄系焼結合金製部材お
よびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】エンジンの高出力化・低燃費化の要請に
伴い、その動弁機構においては、ロッカアーム等の摺動
ないしは揺動部材の低フリクション化が要望されてお
り、そのために従来のすべり運動のロッカアームに代え
てローラフォロワを用いた転がり運動のロッカアームが
採用されつつある。しかし、ローラフォロワは、低回転
域では顕著でないが、高回転域ではその慣性質量が増加
することから、相手部材であるカムシャフトのカム面の
受ける面圧が増大し、該カムシャフトのピッチング等の
疲労破壊が問題になってくる。
伴い、その動弁機構においては、ロッカアーム等の摺動
ないしは揺動部材の低フリクション化が要望されてお
り、そのために従来のすべり運動のロッカアームに代え
てローラフォロワを用いた転がり運動のロッカアームが
採用されつつある。しかし、ローラフォロワは、低回転
域では顕著でないが、高回転域ではその慣性質量が増加
することから、相手部材であるカムシャフトのカム面の
受ける面圧が増大し、該カムシャフトのピッチング等の
疲労破壊が問題になってくる。
【0003】これに対して、上記カムシャフトに、冷し
金チル法によるチル合金鋳鉄や球状黒鉛鋳鉄をオーステ
ンパ処理したオーステンパ鋳鉄を採用したものが実用化
されつつある。また、上記カムシャフトと同様に耐ピッ
チング性が要求される歯車に鉄系焼結合金を用いるにあ
たり、その金属組織を工夫するという提案もある。すな
わち、この提案は、所定組成の鉄系焼結合金素材に焼入
れ、焼戻し処理を施すことにより、表面をオーステナイ
ト相とし内部をマルテンサイト相とし、これにより相手
材に対するなじみ性と耐面圧強度とを改善するというも
のである(特開昭58−19412号公報参照)。
金チル法によるチル合金鋳鉄や球状黒鉛鋳鉄をオーステ
ンパ処理したオーステンパ鋳鉄を採用したものが実用化
されつつある。また、上記カムシャフトと同様に耐ピッ
チング性が要求される歯車に鉄系焼結合金を用いるにあ
たり、その金属組織を工夫するという提案もある。すな
わち、この提案は、所定組成の鉄系焼結合金素材に焼入
れ、焼戻し処理を施すことにより、表面をオーステナイ
ト相とし内部をマルテンサイト相とし、これにより相手
材に対するなじみ性と耐面圧強度とを改善するというも
のである(特開昭58−19412号公報参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、最近は、上述
のエンジンで言えば、その軽量化ないしはコンパクト化
の要求が厳しくなっている。そのために、上記カムシャ
フトにおいてもカム幅の縮小が必要となり、ローラフォ
ロワとの転がり面圧が高くなる傾向にある。これに対し
て、上述の従来技術では所期の耐ピッチング性が得られ
るような高い面圧強度を得ることが難しい。そこで、本
発明は、このような要求を満足し得る鉄系焼結合金製部
材およびその製造方法を提供せんとするものである。
のエンジンで言えば、その軽量化ないしはコンパクト化
の要求が厳しくなっている。そのために、上記カムシャ
フトにおいてもカム幅の縮小が必要となり、ローラフォ
ロワとの転がり面圧が高くなる傾向にある。これに対し
て、上述の従来技術では所期の耐ピッチング性が得られ
るような高い面圧強度を得ることが難しい。そこで、本
発明は、このような要求を満足し得る鉄系焼結合金製部
材およびその製造方法を提供せんとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段およびその作用】本発明
は、このような課題に対して、ショットピーニング法を
採用し、且つこのショットピーニングに工夫を加えて、
その解決を図るものである。
は、このような課題に対して、ショットピーニング法を
採用し、且つこのショットピーニングに工夫を加えて、
その解決を図るものである。
【0006】すなわち、本発明に係る鉄系焼結合金性部
材は、その金属組織がマルテンサイトであって、所定形
状に機械加工された表面の微小突起が当該表面の粗さピ
ッチよりも直径が小さいショットによるピーニング加工
により押潰し且つ当該表面に圧縮残留応力を有すること
を特徴とするものである。
材は、その金属組織がマルテンサイトであって、所定形
状に機械加工された表面の微小突起が当該表面の粗さピ
ッチよりも直径が小さいショットによるピーニング加工
により押潰し且つ当該表面に圧縮残留応力を有すること
を特徴とするものである。
【0007】また、上記鉄系焼結合金製部材の製造方法
は、鉄系焼結合金製の素材にその組織がマルテンサイト
化するように熱処理を施し、次に当該素材に機械加工を
施した後、該機械加工された表面に当該表面の粗さピッ
チよりも直径が小さく且つ当該表面よりも高硬度のショ
ットを用いてピーニング加工を施す、というものであ
る。
は、鉄系焼結合金製の素材にその組織がマルテンサイト
化するように熱処理を施し、次に当該素材に機械加工を
施した後、該機械加工された表面に当該表面の粗さピッ
チよりも直径が小さく且つ当該表面よりも高硬度のショ
ットを用いてピーニング加工を施す、というものであ
る。
【0008】鉄系焼結合金材料としては、Fe−Ni−
Mo−C系のものが好適であり、焼結により密度を7.
2g/cm3 以上とし、組織のマルテンサイト化により
HRC硬さを39〜48程度としたものが好適である。
かかる焼結合金製素材は、機械加工(切削ないし研削加
工)により所定の表面形状に仕上げられるが、その表面
は機械加工の結果として多数の微小突起を有する。
Mo−C系のものが好適であり、焼結により密度を7.
2g/cm3 以上とし、組織のマルテンサイト化により
HRC硬さを39〜48程度としたものが好適である。
かかる焼結合金製素材は、機械加工(切削ないし研削加
工)により所定の表面形状に仕上げられるが、その表面
は機械加工の結果として多数の微小突起を有する。
【0009】これに対して、本発明の鉄系焼結合金製部
材は、上記微小突起がショットピーニングにより押し潰
れ研削傷のない表面粗さが小さな表面性状になっている
とともに、表面に圧縮残留応力を有する。よって、当該
表面は高い転がり面圧に耐える強度を持つようになり、
耐ピッチング性にすぐれたものになっている。
材は、上記微小突起がショットピーニングにより押し潰
れ研削傷のない表面粗さが小さな表面性状になっている
とともに、表面に圧縮残留応力を有する。よって、当該
表面は高い転がり面圧に耐える強度を持つようになり、
耐ピッチング性にすぐれたものになっている。
【0010】しかして、上記鉄系焼結合金製部材の製造
にあたって、そのショットピーニングには上記マルテン
サイト組織によって硬化した素材の表面硬度よりも高い
硬度(例えばHRC硬さ48以上、特にHRC硬さ55
〜60が好適である)を有するショット(鋼球)を用い
るが、これは、低硬度であれば、ショットが素材表面の
照射部位より反発され加工不充分となるためである。そ
して、上記ショットの直径を素材表面の粗さピッチより
も小さなものにするのは、当該表面の微小突起を確実に
押潰せしめるためである。すなわち、上記粗さピッチよ
りも直径が大きなショットであれば、1個のショットが
複数の微小突起に当たることになるため、ショット中心
から離れた周辺の微小突起はショットによって薙ぎ倒さ
れ、研削されたような状態になって研削傷が残るととも
に、単位面積当りの加工率(ショットの打ち込み数)が
低くなり、期する表面性状の改善は得られない。
にあたって、そのショットピーニングには上記マルテン
サイト組織によって硬化した素材の表面硬度よりも高い
硬度(例えばHRC硬さ48以上、特にHRC硬さ55
〜60が好適である)を有するショット(鋼球)を用い
るが、これは、低硬度であれば、ショットが素材表面の
照射部位より反発され加工不充分となるためである。そ
して、上記ショットの直径を素材表面の粗さピッチより
も小さなものにするのは、当該表面の微小突起を確実に
押潰せしめるためである。すなわち、上記粗さピッチよ
りも直径が大きなショットであれば、1個のショットが
複数の微小突起に当たることになるため、ショット中心
から離れた周辺の微小突起はショットによって薙ぎ倒さ
れ、研削されたような状態になって研削傷が残るととも
に、単位面積当りの加工率(ショットの打ち込み数)が
低くなり、期する表面性状の改善は得られない。
【0011】
【発明の効果】従って、本発明に係る鉄系焼結合金製部
材によれば、金属組織をマルテンサイトとし、所定形状
に機械加工された表面の微小突起を当該表面の粗さピッ
チよりも直径が小さいショットによるピーニング加工に
より押潰し且つ当該表面に圧縮残留応力を有するように
したから、耐面圧強度が高くなり耐ピッチング性が向上
する。
材によれば、金属組織をマルテンサイトとし、所定形状
に機械加工された表面の微小突起を当該表面の粗さピッ
チよりも直径が小さいショットによるピーニング加工に
より押潰し且つ当該表面に圧縮残留応力を有するように
したから、耐面圧強度が高くなり耐ピッチング性が向上
する。
【0012】また、上記鉄系焼結合金製部材の製造方法
によれば、鉄系焼結合金製素材にその組織がマルテンサ
イト化するように熱処理を施し、次に当該素材に機械加
工を施した後、該機械加工された表面に当該表面の粗さ
ピッチよりも直径が小さく且つ当該表面よりも高硬度の
ショットを用いてピーニング加工を施すようにしたか
ら、表面に研削傷を残すことなく、その表面粗さを低下
させ且つ圧縮残留応力を与えることができ、耐ピッチン
グ性に優れた鉄系焼結合金製部材を得ることができる。
によれば、鉄系焼結合金製素材にその組織がマルテンサ
イト化するように熱処理を施し、次に当該素材に機械加
工を施した後、該機械加工された表面に当該表面の粗さ
ピッチよりも直径が小さく且つ当該表面よりも高硬度の
ショットを用いてピーニング加工を施すようにしたか
ら、表面に研削傷を残すことなく、その表面粗さを低下
させ且つ圧縮残留応力を与えることができ、耐ピッチン
グ性に優れた鉄系焼結合金製部材を得ることができる。
【0013】
【実施例】以下、本発明の実施例を比較例との比較にお
いて説明する。
いて説明する。
【0014】<実施例1>以下の如くして、後述するピ
ッチングテスト用のテストピース(カムシャフトのカム
部材)を作成した。
ッチングテスト用のテストピース(カムシャフトのカム
部材)を作成した。
【0015】下記の組成を有し粉末粒度100メッシュ
以下のアトマイズ粉に黒鉛粉末0.6重量%及びステア
リン酸亜鉛1重量%を混合し、該混合物をテストピース
素材に圧粉成形し、予備焼結を行なった。プレス圧力は
7ton/cm2 として、予備焼結条件は850℃×6
0分間とした。次に、得られた予備焼結品につき、プレ
ス圧力7ton/cm2 で再圧縮を行なった後、非酸化
性雰囲気炉にて1250℃×60分間の条件で本焼結を
行なった。
以下のアトマイズ粉に黒鉛粉末0.6重量%及びステア
リン酸亜鉛1重量%を混合し、該混合物をテストピース
素材に圧粉成形し、予備焼結を行なった。プレス圧力は
7ton/cm2 として、予備焼結条件は850℃×6
0分間とした。次に、得られた予備焼結品につき、プレ
ス圧力7ton/cm2 で再圧縮を行なった後、非酸化
性雰囲気炉にて1250℃×60分間の条件で本焼結を
行なった。
【0016】−組成− Ni:1.93,Mo:1.03,C:0.001,S
i:0.01,Mn:0.05,P:0.005,S:
0.003,O:0.07,残部Fe(以上の数値は重
量%) しかる後、得られた焼結品を870℃で60分間保持し
た後、焼入れ・焼戻し処理を施し、当該焼結品全体をマ
ルテンサイト組織とした。焼戻し条件は180℃×60
分間とした。この熱処理によって得られたものはHRC
硬さ48であった。
i:0.01,Mn:0.05,P:0.005,S:
0.003,O:0.07,残部Fe(以上の数値は重
量%) しかる後、得られた焼結品を870℃で60分間保持し
た後、焼入れ・焼戻し処理を施し、当該焼結品全体をマ
ルテンサイト組織とした。焼戻し条件は180℃×60
分間とした。この熱処理によって得られたものはHRC
硬さ48であった。
【0017】そうして、上記熱処理品をテストピース形
状に機械加工した。得られた機械加工品の表面状態は図
1の「ハードショットピーニング前」の欄及び図2に示
す通りであり、その表面粗さはRmax 3.5μmであっ
た。そして、これに以下の条件でハードショットピーニ
ング処理を施した。得られたものの表面状態は図1の
「実施例1」の欄及び図3に示す通りであり、その表面
粗さはRmax 1.5μmであった。
状に機械加工した。得られた機械加工品の表面状態は図
1の「ハードショットピーニング前」の欄及び図2に示
す通りであり、その表面粗さはRmax 3.5μmであっ
た。そして、これに以下の条件でハードショットピーニ
ング処理を施した。得られたものの表面状態は図1の
「実施例1」の欄及び図3に示す通りであり、その表面
粗さはRmax 1.5μmであった。
【0018】シ ョ ッ ト;直径0.044mmの鋼
球 ショット圧 力;4kgf/cm2 ショット時 間;20秒 上記鋼球はHRC硬さ55〜60である。
球 ショット圧 力;4kgf/cm2 ショット時 間;20秒 上記鋼球はHRC硬さ55〜60である。
【0019】<実施例2>黒鉛粉末の量を0.3重量%
とする他は実施例1と同じ条件でピッチングテスト用の
テストピースを作成した。
とする他は実施例1と同じ条件でピッチングテスト用の
テストピースを作成した。
【0020】<比較例1>C:3.4,Cr:0.1
4,S:0.12,P:0.03,Mn:0.84,S
i:1.71,残部Fe(以上は重量%)の組成を有す
るHRC硬さ51の合金鋳鉄製冷し金チル材に機械加工
を施してピッチングテスト用のテストピースを得た。
4,S:0.12,P:0.03,Mn:0.84,S
i:1.71,残部Fe(以上は重量%)の組成を有す
るHRC硬さ51の合金鋳鉄製冷し金チル材に機械加工
を施してピッチングテスト用のテストピースを得た。
【0021】<比較例2>C:2.68,Si:2.3
2,Mn:0.48,P:0.016,S:0.00
3,Mo:0.1,Mg:0.025,残部Fe(以上
は重量%)の組成を有する球状黒鉛鋳鉄材に非酸化性雰
囲気で900℃×1.5時間の加熱処理を施した後、3
80℃×1時間のオーステンパ処理を施してHRC硬さ
28とし、これに機械加工を施してピッチングテスト用
のテストピースを得た。
2,Mn:0.48,P:0.016,S:0.00
3,Mo:0.1,Mg:0.025,残部Fe(以上
は重量%)の組成を有する球状黒鉛鋳鉄材に非酸化性雰
囲気で900℃×1.5時間の加熱処理を施した後、3
80℃×1時間のオーステンパ処理を施してHRC硬さ
28とし、これに機械加工を施してピッチングテスト用
のテストピースを得た。
【0022】<比較例3>ショットピーニング処理にお
けるショット(鋼球)の直径を0.2mmとする他は実
施例2と同じ条件でピッチングテスト用のテストピース
を作成した。このテストピースの表面状態は図1の「比
較例3」の欄及び図4に示す通りであり、その表面粗さ
はRmax 3.5μmであった。
けるショット(鋼球)の直径を0.2mmとする他は実
施例2と同じ条件でピッチングテスト用のテストピース
を作成した。このテストピースの表面状態は図1の「比
較例3」の欄及び図4に示す通りであり、その表面粗さ
はRmax 3.5μmであった。
【0023】(ピッチングテスト)上記実施例1,2及
び比較例1〜3の各テストピーストにつき、各々をロー
ラフォロワ材(材質SUJ2,HRC硬さ61)と接触
状態にして回転させ、且つ両者の接触荷重を変化させる
ようにし、繰り返し回数107 以上になるときのヘルツ
面圧、すなわち、耐面圧強度を求めた。この場合のピッ
チング発生の有無は、テストピースの振動の変化を検出
することにより調べた。
び比較例1〜3の各テストピーストにつき、各々をロー
ラフォロワ材(材質SUJ2,HRC硬さ61)と接触
状態にして回転させ、且つ両者の接触荷重を変化させる
ようにし、繰り返し回数107 以上になるときのヘルツ
面圧、すなわち、耐面圧強度を求めた。この場合のピッ
チング発生の有無は、テストピースの振動の変化を検出
することにより調べた。
【0024】テスト結果は図5に示されている。同図に
よれば、各テストピースの耐面圧強度は、実施例1が2
40kgf/mm2 、実施例2が220kgf/m
m2 、比較例1が188kgf/mm2 、比較例2が1
77kgf/mm2 、比較例3が205kgf/mm2
である。以上により、本発明の有効性が裏付けられる。
よれば、各テストピースの耐面圧強度は、実施例1が2
40kgf/mm2 、実施例2が220kgf/m
m2 、比較例1が188kgf/mm2 、比較例2が1
77kgf/mm2 、比較例3が205kgf/mm2
である。以上により、本発明の有効性が裏付けられる。
【0025】ここで、実施例2が実施例1よりも低い耐
面圧強度を示しているのは、黒鉛粉末(C量)が少ない
関係で焼入れ性が若干低下し、HRC硬さ39のマルテ
ンサイト組織になったためと認められる。従って、高い
面圧強度を得るという観点から、黒鉛量は0.3%以上
とすることが望ましい。また、ショットピーニング処理
のし易さの観点からは、黒鉛量を0.6ないしは0.8
程度とし表面硬度が過度に高くならないようにすること
が望ましい。なお、上記黒鉛粉末は焼結の過程で合金粉
末に固相拡散し、黒鉛としては残っていない。
面圧強度を示しているのは、黒鉛粉末(C量)が少ない
関係で焼入れ性が若干低下し、HRC硬さ39のマルテ
ンサイト組織になったためと認められる。従って、高い
面圧強度を得るという観点から、黒鉛量は0.3%以上
とすることが望ましい。また、ショットピーニング処理
のし易さの観点からは、黒鉛量を0.6ないしは0.8
程度とし表面硬度が過度に高くならないようにすること
が望ましい。なお、上記黒鉛粉末は焼結の過程で合金粉
末に固相拡散し、黒鉛としては残っていない。
【0026】また、直径0.2mmの鋼球をショットに
用いた比較例3の耐面圧強度が実施例2よりも低いの
は、該鋼球がテストピース表面の微小突起を薙ぎ倒す結
果、研削傷が残り、また、ショットによる単位面積当り
の加工率が実施例のものよりも低くなったためと認めら
れる。
用いた比較例3の耐面圧強度が実施例2よりも低いの
は、該鋼球がテストピース表面の微小突起を薙ぎ倒す結
果、研削傷が残り、また、ショットによる単位面積当り
の加工率が実施例のものよりも低くなったためと認めら
れる。
【0027】なお、本発明が上記カムシャフトのカム部
材以外に例えば歯車のような他の高い耐面圧強度が要求
される機械部品にも適用できることはもちろんである。
材以外に例えば歯車のような他の高い耐面圧強度が要求
される機械部品にも適用できることはもちろんである。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例及び比較例の表面粗さを示す図
【図2】実施例1のハードショットピーニング前の表面
状態を示す顕微鏡写真
状態を示す顕微鏡写真
【図3】実施例1のハードショットピーニング後の表面
状態を示す顕微鏡写真
状態を示す顕微鏡写真
【図4】比較例3のハードショットピーニング後の表面
状態を示す顕微鏡写真
状態を示す顕微鏡写真
【図5】実施例及び比較例のピッチングテストの結果を
示すグラフ図
示すグラフ図
【符号の説明】 なし
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 義史 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内
Claims (2)
- 【請求項1】マルテンサイト組織の鉄系焼結合金製部材
であって、所定形状に機械加工された表面の微小突起が
当該表面の粗さピッチよりも直径が小さいショットによ
るピーニング加工により押潰し且つ当該表面に圧縮残留
応力を有することを特徴とする鉄系焼結合金製部材。 - 【請求項2】鉄系焼結合金製の素材にその組織がマルテ
ンサイト化するように熱処理を施し、次に当該素材に機
械加工を施した後、該機械加工された表面に当該表面の
粗さピッチよりも直径が小さく且つ当該表面よりも高硬
度のショットを用いてピーニング加工を施すことを特徴
とする鉄系焼結合金製部材の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4038591A JPH0649509A (ja) | 1992-01-28 | 1992-01-28 | 鉄系焼結合金製部材およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4038591A JPH0649509A (ja) | 1992-01-28 | 1992-01-28 | 鉄系焼結合金製部材およびその製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0649509A true JPH0649509A (ja) | 1994-02-22 |
Family
ID=12529545
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP4038591A Pending JPH0649509A (ja) | 1992-01-28 | 1992-01-28 | 鉄系焼結合金製部材およびその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0649509A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2004160644A (ja) * | 2002-10-30 | 2004-06-10 | Sinterstahl Gmbh | 鉄ベースの焼結成形品へのアンダーカット形成方法 |
| WO2007091430A1 (ja) * | 2006-02-10 | 2007-08-16 | Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. | ボルト、および、ボルトの製造方法 |
| JP2007211932A (ja) * | 2006-02-10 | 2007-08-23 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | ねじ締結部材、および、ねじ締結部材の製造方法 |
Citations (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS60168910A (ja) * | 1984-02-10 | 1985-09-02 | Nhk Spring Co Ltd | シヨツトピ−ニングを施したドライブシヤフト |
| JPH02218520A (ja) * | 1989-02-17 | 1990-08-31 | Toyota Motor Corp | 高強度ボルトの製造方法 |
| JPH03238157A (ja) * | 1990-02-13 | 1991-10-23 | Mazda Motor Corp | 鋳鉄製シリンダブロックの製造方法 |
| JPH03256672A (ja) * | 1990-03-05 | 1991-11-15 | Daido Steel Co Ltd | 機械構造部品の製造方法およびショットピーニング装置 |
-
1992
- 1992-01-28 JP JP4038591A patent/JPH0649509A/ja active Pending
Patent Citations (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
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| JP2004160644A (ja) * | 2002-10-30 | 2004-06-10 | Sinterstahl Gmbh | 鉄ベースの焼結成形品へのアンダーカット形成方法 |
| WO2007091430A1 (ja) * | 2006-02-10 | 2007-08-16 | Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. | ボルト、および、ボルトの製造方法 |
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| JPWO2007091430A1 (ja) * | 2006-02-10 | 2009-07-02 | 三菱重工業株式会社 | ボルト、および、ボルトの製造方法 |
| US8607604B2 (en) | 2006-02-10 | 2013-12-17 | Mitsubishi Heavy Industries | Bolt and manufacturing method of bolt |
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