【発明の詳細な説明】
発明の名称
圧力変換器のライン圧補償装置
発明の背景
本発明は差圧変換器を含む。さらに具体的には、本発明は静圧の変化に対する圧
力センサの補償に関する。
差圧センサは既に多くの応用分野で使用されている。このようなセンサはしばし
ば内部チャンバを備えたセンサハウジングを有する。偏向可能なダイアフラムが
チャンバ内に配置され、チャンバを2つの空洞に分割する。第1の圧力が第1の
空洞に供給され、第2の圧力が第2の空洞に供給される。
第1および第2の圧力の差に基づいてダイアフラムが偏向する。
ダイアフラムはまた、空洞の内壁上の導電部分から隔離されているが、これと対
向位置にある導電部分を含む。ダイアフラム上の導電部分はコンデンサ電極を構
成する。同様に、空洞の内壁上の導電部分もコンデンサ電極を構成する。ダイア
フラム上の導電部分は、第1の空洞の内壁上のコンデンサ電極と共同して第1の
可変コンデンサを形成すると共に、第2の空洞の内壁上のコンデンサ電極と共同
して第2の可変コンデンサを形成する。差圧によってダイアフラムが偏向すると
、2つの可変コンデンサの容量が変化する。圧力センサは2つの可変コンデンサ
の容量比を表わす出力信号を発生し、またこれらの容量値に基づいて差圧が決定
される。
しかし、このような容量圧力変換器には非直線性があるので問題が生ずる。例え
ば、装置の浮遊容量が非直線性をもたらすことがあるが、この非直線性は補償さ
れなければならない。
誤差はまた、静圧の変化によっても生ずる。通常はライン圧とも呼ばれる静圧は
、種々の定義を有する。例えば、圧力センサの第1および第2の空洞に供給され
る第1および第2の圧力が、2990 psi(P L)および3000 ps
l (P n )を持つことがある。この場合の差圧は(3000−2990)
すなわち10psi(ボンド/平方インチ)である。静圧は、時には、PLとP
Hとの平均値すなわち2995psiとも定義される。また静圧は、単にP あ
るいはPHと定義されるし
こともできる。どのような静圧の定義が用いられるとしても、静圧の変動によっ
て圧力センサの出力信号の誤差かもたらされる。
静圧の変動によっても影響されない出力を、差圧センサが発生することが望まし
い。例えば、PHが3000psi、Pt、が2990psiならば、差圧は1
0psiで、静圧は(その定義として町とPHとの平均値を用いると)2995
pslである。しかし、PHが10ps1 、 PLが0psiならば、差圧は
依然として10psiであるが、静圧は5psiである。圧力センサのハウジン
グに生ずるある応力によって、代表的な差圧センサの出力信号は、静圧の100
0psiの変動ごとに1%変化する可能性がある。したがって、上記例の場合に
は、差圧センサの出力信号は静圧の変動にともなって著しく変化することがある
。
本出願人に譲渡されたフリック(Prick)の米国特許第4370890号は
差圧センサのための機械的構造を開示し、そこでは、静圧の変動によって圧力セ
ンサハウジングに加わる不所望な機械的応力を除去または補償することが意図さ
れている。これは、静圧の変動による差圧センサ出力の変動を除去するのに有用
である。しかし依然として、静圧の変動による出力信号の変動を補償し、また機
械的手段よりは電気的手段によって調整できるような補償手段に対する要求が存
在する。
いずれも本出願人に譲渡されたシュルト(Schult)らの米国特許第487
8012号およびフリック(Fr1ck)の米国特許第4791352号が、引
用によって本明細書に統合されている。
発明の要約
本発明では、容量感知手段が差圧を検知し、これに基づく差圧信号を発生する。
容量形感知手段は静圧の変動によって変化する容量値を有するので、差圧信号も
また静圧の変動によって変化する。静圧の変動に対しては固定的な容量値を有す
る容量補償手段が、容量形感知手段に結合される。容量補償手段は、静圧の変動
に依存する差圧信号の変動を補償する。
図面の簡単な説明
図1は1部をブロック図で示した差圧センサの概略図である。
図2は本発明の1実施例である容量補償手段を備えた差圧センサの回路ブロック
図である。
好ましい実施例の詳細な説明
図1には、誘電率ε。の油を充填された内部チャンバ9を有するハウジング7を
含む差圧センサ5が示される。内部チャンバ9は、ダイアフラム15によって第
1空洞11および第2空洞13に分割される。ダイアフラム15は導電部分17
を含み、前記導電部分は空洞11.13の内表面上の2つの導電部分19.21
とほぼ対向整列されるが、これらから隔離されている。
導電部分17.19は可変コンデンサC1の1対の電極を構成し、これら電極は
その中心で距離X1だけ隔離される。
また導電部分17.21は第2可変コンデンサC2の1対の電極を構成し、これ
ら電極はその中心で距離X2だけ隔離される。矢印P1、R2で示される2つの
圧力が、適当な手段23.25で空洞11.13に連通される。空洞11.13
に圧力P1、R2を連通する手段23.25は、なるべくはフリックの米国特許
第4370890号に詳細を開示されたものと類似なものが望ましい。
2つの圧力pHP2の差によって、ダイアフラム15はチャンバ11内で電極1
9または21の方へ偏向する。この偏向が、可変コンデンサC1、C2の容量値
の変化をもたらす。センサ5は、可変コンデンサC1,C2の容量値および浮遊
容1lC8□、C8゜を表わす出力信号を発生する。この出力信号に基づいて差
圧が決定される。
しかし、容量膨圧力センサ5に加わる静圧が変化すると、ハウジング7に応力が
かかり、可変コンデンサC,,C2の容量値を変化させる。その結果、容量形セ
ンサ5の出力信号に誤差を生ずる。
図2は、本発明による補償を採用した電荷平衡帰還型伝送機(charge b
alanced feedback transmitter)の好ましい実施
例を示す。測定回路10は電荷パケット発生回路12、積分・比較回路14、帰
還回路16、出力回路18および読出回路20を含む。
電荷パケット発生回路12は、模式的に1対の可変コンデンサC1,C2で代表
される容量膨圧力センサ5を含む。上述のように、コンデンサC1,C2は差圧
の関数として変化する容量値を有する。
電荷パケット発生回路12はさらに、直線性補正用のコンデンサCLl” L2
、ノイズ抑制抵抗R1、R2およびスイッチ5l−34を含む。コンデンサCL
l”L2は互いに直列に接続され、かつ容量形センサ5と並列に接続される。相
補型駆動信号φ。、β。がそれぞれノード24.26に供給される。ノード24
はセンサ5のコンデンサ中央電極17に接続され、一方ノード26はコンデンサ
CLl” L2の接続点に接続される。
抵抗R1の一端はコンデンサC11CL1に、その他端はスイッチSL、S4に
それぞれ接続される。同様に、抵抗R2の一端はコンデンサC2、CL2に、そ
の他端はスイッチS2、スイッチ5l−34の導通状態を制御する。
スイッチSl、S2は共に、積分・比較回路14内の積分増幅器30の反転入力
(−)に接続され、スイッチS3、S4は基準電位VREFおよび積分増幅器3
0の非反転入力(+)に接続される。好ましい実施例では、基準電位VREFは
供給電源vDDと■88の中点電位である。
積分・比較回路14はさらに、積分コンデンサC11スイツチS5〜S7、抵抗
R3、R4および比較器32を含む。
スイッチ85〜S7はそれぞれ信号φ11φVDDおよびφv8.によって制御
され、比較器32の反転入力(−)に積分電圧v 1電源電圧V あるいは電源
電圧v88を選択供I DDゝ
給するためのマルチプレクサを構成する。抵抗R3が比較器32の出力と非反転
入力(+)の間に接続され、抵抗R4が比較器32の非反転入力(+)と基準電
圧Vヤ、の間に接続されてヒステリシスを与える。その結果比較器32は、その
出力Vcの状態に応じて決まる2つの異なる閾値レベルを、その(+)入力に生
成する。
比較器32の出力電圧V。は帰還回路16の入力として供給される。信号V。の
状態に基づいて、帰還回路16は基本のクロック信号F から10種類の信号φ
。、〆0、LK
帰還回路16は、電荷パケット発生回路12から積分器30に供給される電荷パ
ケットを制御し、ある時間内での電荷の平衡を達成する。φ1信号がスイッチS
1を閉じ、したがってコンデンサC1、CLlが抵抗R1を介して積分器30の
(−)人力に接続されるとき、第1極性の1または複数のるときには、反対極性
の電荷パケットが積分器30に供給される。
減少傾向にあるかを表わす。出力回路18は、LID信号に依存して、増加方向
または減少方向に計数することにより、反対極性のパケットのカウントを累算す
る。計数値に基づいて、出力回路18は、容量形センサ5によって感知された差
圧を代表する出力(直線性補正コンデンサCLl”L2で補正されたもの)を読
出回路20に与える。測定回路10の動作およびタイミングは、シュルトらの前
記米国特許第4878012号に詳述されている。
容量型差圧センサの出力に及ぼす静圧の影響は著しいものであることが知られて
いる。このようなセンサでは、静圧の変動がセンサハウジングの変形をもたらす
。この変形は、中央のダイアフラムに応力を与えるのみならず、可変コンデンサ
C1、C2の容量値の変化をももたらす。したがって、出力信号に誤差が生ずる
。例えば、ある圧力センサにおいては、1000psiの静圧変動に対してスパ
ン誤差は読みの約1%であることが知られている。また静圧が変化すると、微小
差圧または零差圧における出力信号に同様の零誤差も発生する。
これらの誤差を補償するために、CLl”L2の値は、静圧の変動によって生ず
る零およびスパン誤差を補償するのに十分な大きさを持つように選定される。C
Ll”L2の適正な値を決定するためには、幾つかの段階が必要である。第1に
、変換器を静圧零の状態に保持し、差圧の変化に対する零およびスパンが測定さ
れる。つぎに、センサに最大静圧を加え、差圧が零からフルスケール(最大振れ
)まで変化するときの零およびスパンの変化すなわち誤差が測定される。最後に
、補償コンデンサCLl”L2の値が決定され、これらのコンデンサが、静圧の
変動によってもたらされる差圧出力の誤差を補償するように回路の所定位置に接
続される。
スパン誤差あるいは零誤差だけが重大な問題となる場合、その誤差のみが補償さ
れ得ること、またコンデンサCLl’Cの値は、浮遊容量C81、C82によっ
てもたらされる非直練性誤差をも補償するように決定できることは注意すべきで
ある。この点については、シュルトらの前記米国特許第4878012号により
詳細に記述されている。
センサ5のような、多くの差圧センサで用いられる伝達関数は式1で表わされる
。
Δpo=伝達関数=(C1−C2−CL1+CL2)/(C1+ C2CLl−
CL2) ・・・式1C−可変コンデンサC1の容量値
■
C−可変コンデンサC2の容量値
CL1+CL2−補償用固定コンデンサの容量値ライン圧の結果として、これに
ほぼ比例して空洞の深さが増大するような、さらにライン圧の結果として、これ
にほぼ比例して誘電率が増大するようなセンサでは、式2が成立する。
C+Ccx(εo/xl+εo/X2)一ε (1/X +1/X ) ・・・
式2%式%
(X +X )/2−Xo−空洞の公称深さ偏微分は次のようになる。なお、本
明細書においては偏微分記号をδで表わす。
δ(C+C)/(C+C)δPt。
一δε /ε δP −δXo/XoδPL ・・・式3%式%
であり、(C1+C2)はPLの1次関数である。
ここで、
ε。−充填油の誘電率
Co1、C02”PLの変動によっては変化しないC1、C2の容量値
PL−静圧(またはライン圧)
したがって、静圧の変化による変動を補償するために採用し得る1つの伝達関数
は、
ΔPol:(C−C−K )/(C1+C2−に2)・・・式4
である。ここでに1、K2はライン圧の補償項であり、K1は静圧の変化に伴う
零誤差を主として補償し、K2がスパン誤差を補償する。また、
K1″″CLl−Cl3
に2″″CLl+CL2
であり、CLl”K2はライン圧によっては変化しない固定コンデンサである。
上記の伝達関数を具現する好ましい方法は、CLl、Cl3の既知の標準値で測
定されたライン圧誤差に基づいて、コンデンサCL1、Cl3を選択した後、ラ
イン圧誤差を許容可能なレベルに低減すると予測できるようなCLl、Cl3の
値を新たに選定することである。これらのコンデンサを取付けた後、差圧および
温度変化によって惹起される出力誤差の関数として、なるべくは既知のデジタル
技術で、伝送機が出力の直線性誤差に対して補償される。
特別な例として、静圧によるセンサ内のシフトが次のようにして補償される。容
量形圧力センサの出力0utputはつぎの伝達関数で記述され、ΔPにほぼ比
例する。
0utputcx−(CA、CA2+C8I C82CL1+CL2) /(C
Al+CA2+C8l+C82−CLl−Cl3) ・・・式5C−ΔPで増加
するコンデンサC1の能動(actlve)可変I
容量
CA2−ΔPで減少するコンデンサC2の能動可変容量C3l”CAlと並列の
浮遊容量
C8□−CA2と並列の浮遊容量
CLl−01から減算する直線性補正容量CL2−C2から減算する直線性補正
容量P、−静圧
ΔP−差圧
代表的な金属セルセンサでは、ΔPはほぼ弐6のRに比例する。
R本(C−C)/ (C1+C2) ・・・式6ここで、Rは比出力(rati
o output)である。
また代表的なセルでは、
δ(C+C)/(C1+C2)δPL
一δεo/εoδPt、−δXo/XoδPt。
−+0. 5%/1000psi−1,5%/1000psi−−1%/100
0psl
であるから、
δ(C+C) / (C1+C2)δPt。
一−1%(1000ps1当り) ・・・式7例えば、もしも静圧による零シフ
トがCLl中C81、CLZ中C82、およびCLl”=CL2で計測されるな
らば、C1中02であるから、ΔP−0では次式が成立する。
R−(C1−C2)/(C1+C2)−0/(C1+C2)−〇 ・・・式8
したがって、静圧によって(C1+02)が減少するときは出力は変化しないで
あろう。しかし、もしCLlがΔCだけ減少し、CL2がΔCだけ増加するなら
ば、静圧による零シフトは次のように表わされるであろう。
R(@ΔP−0) −(C,−C2−ΔC−ΔC)/(C1+C2+ΔC−ΔC
)
m−2ΔC/(C1+02)≠0
・・・式9
%式%)]
この新たな零出力レベルは、(C1+C2)が静圧で減少するときは[例えば、
δ(C+C) / (C,+C2)δPL*−1%(静圧の1000psi変動
当り)の場合]、変化するであろう。
今度は分子が零でないから、比の出力(R)は静圧の関数となるであろう。ΔP
−フルスケール、かつ公称の比出力(R)−+0.5の場合、フルスケール出力
の関数としてのパーセント変化は、次の式10になる。
%零シフト/ 1000psi(フルスケールΔPのパーセントとして)
中100fR(Δp−o、P、、 −1000psiのとき)−R(Δp−o、
P t、 −Opslのとき))/R(フルスケール)
一100XM10.50 ・・・式10ただし、 M−−2ΔC/(C1十02
)−2ΔC/ [(C1+C2) +1
+δ(C,−C2) / (C1
一−0,05%/1000psi ・・・式12%式%
度変動に依存する出力の変動をも最小にする。この技術は、CLl、CL2をそ
れらの理想的な値から逸脱させるから、センサ出力はこれらの誤差に対してより
多くの補償を必要とするであろう。従来技術による伝送機はこれらの誤差補正の
ためのデジタル・アルゴリズムを具備するので、ライン圧誤差を最小にするよう
に選定されたCLl、CL2を組み込んだ後で、上記誤差に対して伝送機を特徴
付け、かつ補償することは簡単である。したがって、伝送機の総合特性は高めら
れる。
零補償に加えて、あるいはその代わりにスパン補償が望まれるならば、K2−C
L1+CL2の項が同様の手法で調整される。
R−(C−C) / (C1+C2−に2)であるから、それは次のように表わ
される。
%スパンシフト/1000psi −K / (C1+C2)×(δ(C十〇
)/(CI+02)δP t、 1したがッテ、もしもK が2 pf’ (C
Ll−+ 1 p f 、 CL2−一1pf)だけ変化すると、%スパンシフ
トは、(2pf/80pf)(−1%/1000ps1)−−0,025%/1
000psi
となる。
好ましい実施例においては、CLl、CL2は、充填油の誘電率の温度係数と等
しい温度係数を持つように選定されることに留意すべきである。またCLl”L
2はセンサ5の極く近くに配置されるので、CLl、CL2およびセンサ5の各
温度は非常に接近している。
さらに他の実施例では、容量補償手段は1対のコンデンサCL1、CL2とは違
った形態を取り得る。例えば、励起電圧を変化される単一の補償コンデンサおよ
びノード選択スイッチによってもまた、本発明の特徴的な補償が達成される。
本発明を好ましい実施例に関して説明したが、当業者は、本発明の精神を逸脱す
ることなしに形式、詳細において変更をなし得ることを理解するであろう。
国際調査報告