JPH0651102A - 光学レンズ組成物、光学レンズ、コンタクトレンズ及び眼内レンズ - Google Patents

光学レンズ組成物、光学レンズ、コンタクトレンズ及び眼内レンズ

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JPH0651102A
JPH0651102A JP4202348A JP20234892A JPH0651102A JP H0651102 A JPH0651102 A JP H0651102A JP 4202348 A JP4202348 A JP 4202348A JP 20234892 A JP20234892 A JP 20234892A JP H0651102 A JPH0651102 A JP H0651102A
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JP
Japan
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optical lens
oxygen
lens
permeable resin
benzotriazole
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JP4202348A
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English (en)
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Shin Ito
紳 伊藤
Kaoru Suzuki
薫 鈴木
Mitsuru Yokota
満 横田
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 酸素透過性、柔軟性及び安定な紫外線吸収特
性を兼ね備え、人体に安全な光学レンズが形成できるよ
うにする。 【構成】 光学レンズ組成物は、ケイ素原子を含む酸素
透過性樹脂と、極性基を有しかつ分子量が300〜10
00のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤とを含んでい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光学レンズ組成物、光
学レンズ、コンタクトレンズ及び眼内レンズ、特に、ケ
イ素原子を含む酸素透過性樹脂を含む光学レンズ組成物
及びこの組成物からなる光学レンズ、コンタクトレンズ
及び眼内レンズに関する。
【0002】
【従来の技術とその課題】コンタクトレンズや眼内レン
ズ等の医療用光学レンズとして、合成樹脂からなるもの
が採用されている。コンタクトレンズに関しては、角膜
への生理的負担を軽減し長時間連続装用可能な酸素透過
性コンタクトレンズが開発されている。このような酸素
透過性コンタクトレンズは、例えば特開昭58−194
014号、特開昭59−28127号、特開昭60−1
46219号、特開平2−198415号及び特開平2
−147613号等に開示されており、一般にシロキサ
ン化合物のようなケイ素原子を含有するモノマーの重合
体樹脂又は共重合体樹脂からなる。
【0003】一方、眼内レンズは、白内障患者の水晶体
の代用として利用されており、一般にポリメチルメタク
リレート樹脂製である。ところが、ポリメチルメタクリ
レート樹脂からなる眼内レンズは、柔軟性に乏しいの
で、白内障患者の水晶体と交換するための外科手術にお
いて眼球を比較的大きく切開する必要がある。眼球を大
きく切開すると、不規則な縫合や不完全な融着が発生す
る場合があり、これを原因として乱視や肉眼的収差が起
こる場合がある。そこで、眼内レンズに関しても、小切
開により眼球内に挿入できる柔軟なものとして、コンタ
クトレンズと同様のケイ素原子を含有する樹脂からなる
ものが提供されている(例えば、特開昭63−2165
74号、特開昭62−109564号参照)。
【0004】ところで、日光に含まれる300〜400
nm領域の波長の紫外線は、水晶体や網膜に化学変化を
引き起こし、障害をもたらすことが知られている。この
ような紫外線による障害を回避するために、米国特許第
3,141,869号明細書には、紫外線吸収剤が混入
された眼鏡レンズが開示されている。ケイ素原子を含む
樹脂からなるコンタクトレンズや眼内レンズについて
も、紫外線から水晶体や網膜を保護するために、紫外線
吸収剤を混入しておくのが好ましい。
【0005】ところが、シロキサン化合物の重合体樹脂
や共重合体樹脂からなる酸素透過性樹脂に紫外線吸収剤
を混入してコンタクトレンズや眼内レンズを形成する
と、紫外線吸収剤が溶出したり、レンズからブリードア
ウトし易い。また、紫外線吸収剤の特性が劣化し易い。
これは、シリコーンのガラス転移点が常温より低く、常
温ではゴム状高分子であることから分かるように、シロ
キサン化合物の重合体ではシロキサン領域の分子運動が
大きく、この部分に存在する紫外線吸収剤が移動したり
分解したりし易いためと考えられている。よって、酸素
透過性や柔軟性を高めるためにシロキサン化合物の含有
量を多くすれば、このような問題が発生し易い。紫外線
吸収剤の溶出、ブリードアウト及び特性劣化は、眼球に
悪影響を与えるおそれがあり、安全上の問題がある。
【0006】本発明の目的は、光学レンズ組成物に関
し、酸素透過性及び柔軟性を維持しつつ、安定な紫外線
吸収特性を備えかつ人体に安全な光学レンズが形成でき
るようにすることにある。他の目的は、光学レンズ、コ
ンタクトレンズ及び眼内レンズに関し、酸素透過性及び
柔軟性を維持しつつ、安定な紫外線吸収特性を付与しか
つ人体への安全性を高めることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係る光学レンズ
組成物は、ケイ素原子を含む酸素透過性樹脂と、極性基
を有しかつ分子量が300〜1000のベンゾトリアゾ
ール系紫外線吸収剤とを含んでいる。この光学レンズ組
成物において、酸素透過性樹脂は、例えば酸素透過係数
が10×10-11 cm3 (STP)・cm2 ・sec・
mmHg以上である。また、酸素透過性樹脂は、例え
ば、二重結合を有するシロキサン化合物とアクリロイル
基を有する化合物との共重合体である。ここで、アクリ
ロイル基は、メタアクリロイル基を含む概念である。さ
らに、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤の添加量は、
例えば0.01〜10.0重量%である。
【0008】本発明に係る光学レンズ、コンタクトレン
ズ及び眼内レンズは、ケイ素原子を含む酸素透過性樹脂
と、極性基を有しかつ分子量が300〜1000のベン
ゾトリアゾール系紫外線吸収剤とを含む光学レンズ組成
物からそれぞれなる。酸素透過性樹脂 本発明で用いられる酸素透過性樹脂は、ケイ素原子を含
む重合体又は共重合体である。この重合体又は共重合体
は、ポリマーの主鎖、側鎖又はこれらの両方にケイ素原
子を含むものであり、例えば、シロキサン結合やトリメ
チルシリル基等の有機シラン基を含有するポリマーを主
成分とするものである。
【0009】ケイ素原子を含むポリマーは、良好な酸素
透過性及び柔軟性を得るために、ケイ素原子がシロキサ
ン結合によりポリマー中に含まれる長鎖状のものが好ま
しい。このようなポリマーの具体例としては、トリス
(トリメチルシロキシ)シリルプロピルメタクリレー
ト,両末端に2重結合を有するポリジメチルシロキサ
ン,シリコーン含有アクリレート,シリコーン含有メタ
クリレート等を用いたホモポリマー、上述のケイ素含有
モノマーと他のモノマーとのコポリマーが挙げられる。
【0010】ケイ素含有モノマーと共重合可能なモノマ
ーとしては、アクリルモノマー,メタクリルモノマー,
芳香族ビニルモノマー,ヘテロ環ビニルモノマー等の単
官能モノマー、ジアクリルモノマー,ジメタクリルモノ
マー,トリアクリルモノマー,トリメタクリルモノマ
ー,テトラアクリルモノマー,テトラメタクリルモノマ
ー,芳香族ジビニルモノマー,芳香族ジアリルモノマー
等の多官能モノマーが例示できる。
【0011】ここで、アクリルモノマー及びメタクリル
モノマーとしては、メチルアクリレート,メチルメタク
リレート,エチルアクリレート,エチルメタクリレー
ト,ブチルアクリレート,ブチルメタクリレート等のア
ルキルアクリレート又はアルキルメタクリレート類、ア
クリル酸,メタクリル酸,ヒドロキシエチルアクリレー
ト,ヒドロキシエチルメタクリレート,ヒドロキシブチ
ルアクリレート,ヒドロキシブチルメタクリレート等の
ヒドロキシアルキルアクリレート類又はヒドロキシアル
キルメタクリレート類、トリフロロエチルアクリレー
ト,トリフロロエチルメタクリレート,テトラフロロエ
チルアクリレート,テトラフロロエチルメタクリレート
等のハロゲン化アルキルアクリレート類又はハロゲン化
アルキルメタクリレート類、シクロヘキシルアクリレー
ト,シクロヘキシルメタクリレート等のシクロアルキル
アクリレート類又はシクロアルキルメタクリレート類等
が例示できる。このうち、メチルメタクリレートを用い
ると、機械的特性が良好な光学レンズが得られる。ま
た、フロロアルキルアクリレート又はフロロアルキルメ
タクリレートを用いると、良好な酸素透過性及び機械的
特性を兼ね備えた光学レンズが得られる。
【0012】芳香族ビニルモノマーとしては、ビニルベ
ンゼン、ビニルナフタレン、ビニルエチルベンゼン等が
例示できる。ヘテロ環ビニルモノマーとしては、ビニル
カルバゾール、マレイミド、無水マレイン酸等が例示で
きる。上述の共重合用モノマーのうち特に好ましいの
は、共重合性や透明性の良好な光学レンズが得られる等
の点からアクリレートモノマー又はメタクリレートモノ
マーである。特に、メチルアクリレート、メチルメタク
リレート、トリフロロエチルアクリレート、トリフロロ
エチルメタクリレート、アクリル酸又はメタクリル酸を
用いると、機械的強度、透明性及び酸素透過性が良好な
光学レンズが得られる。
【0013】上述の多官能モノマーのうち、二官能性の
アクリルまたはメタクリルモノマーとしては、エチレン
グリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタ
クリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ジ
エチレングリコールメタクリレート、ビスフェノールA
ジアクリレート、ビスフェノールAジメタクリレート、
エチレンオキシド付加ビスフェノールAジアクリレー
ト、エチレンオキシド付加ジメタクリレート及びこれら
のウレタン変性アクリレートまたはメタクリレート、グ
リセロールジアクリレート、グリセロールジメタクリレ
ート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ネオペ
ンチルグリコールジメタクリレート等が例示できる。三
官能性のアクリルまたはメタクリルモノマーとしては、
トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロ
ールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトー
ルトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタク
リレート等が例示できる。四官能性のアクリルまたはメ
タクリルモノマーとしては、テトラメチロールメタンテ
トラアクリレート、テトラメチロールメタンテトラメタ
クリレート等が例示できる。芳香族ジビニル化合物とし
ては、o−ジアリルフタレート、m−ジアリルフタレー
ト、p−ジアリルフタレート等が例示できる。その他の
多官能モノマーの具体例としては、ビスマレイミド、ア
リルアクリレート、アリルメタクリレート等が例示でき
る。なお、良好な共重合性及び光学レンズの透明性を高
めるために、ジアクリレート、ジメタクリレート、トリ
アクリレート、トリメタクリレート、テトラアクリレー
ト、テトラメタクリレートが好ましい。特に、機械的強
度及び透明性の良好な光学レンズを得るためには、トリ
アクリレート又はトリメタクリレートを用いるのが好ま
しい。
【0014】本発明で用いられる上述の酸素透過性樹脂
のうち、最も好ましいのは、良好な透明性、酸素透過性
及び機械的特性が実現できる、二重結合を有するシロキ
サン化合物とアクリロイル基またはメタクリロイル基を
有する化合物との共重合体である。なお、本発明で用い
られる酸素透過性樹脂において、ケイ素原子は、ポリマ
ー全体に均一に存在していても良いし、いわゆるミクロ
相分離構造を有する不均一形に存在していても良い。
【0015】本発明で用いられる酸素透過性樹脂は、酸
素透過係数が10×10-11 cm3(STP)・cm/
cm2 ・sec・mmHg以上が好ましい。酸素透過係
数が上述の範囲未満の場合は、コンタクトレンズを形成
した場合、当該コンタクトレンズは角膜に十分な酸素を
供給することができなくなる。なお、酸素透過係数は、
電極法、真空法及び加圧法等の公知の手法により測定で
きる。紫外線吸収剤 本発明で用いられる紫外線吸収剤は、ヒトの目の水晶体
や網膜に化学変化を引き起こし易い300〜400nm
領域の波長の紫外線吸収特性が良好なベンゾトリアゾー
ル系紫外線吸収剤である。なお、ベンゾフェノン系、サ
リシレート系、シアノアクリレート系等の紫外線吸収剤
は、最大吸収波長がベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤
に比べて短波長領域にあるため、本発明の目的を達成す
る上で好ましくない。
【0016】本発明で用いられるベンゾトリアゾール系
紫外線吸収剤は、極性基を有するものである。ここで、
極性基を有するベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤と
は、極性基がベンゾトリアゾール骨格に直接結合してい
るもの、または極性基が炭素鎖を介してベンゾトリアゾ
ール骨格に結合しているものを言う。ベンゾトリアゾー
ル骨格に結合している極性基としては、ヒドロキシル
基、カルボニル基、カルボキシル基、チオカルボキシル
基、アミノ基、ニドロ基、ニトロソ基、スルホ基、スル
フィノ基、アミド基、イミド基、シアノ基、イソシアノ
基、チオシアノ基、アルデヒド基、チオール基等が例示
できる。また、極性を有する複素環化合物も極性基とな
り得る。極性を有する複素環化合物の具体例としては、
フラン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジオキソラ
ン、オキサゾール、イソオキサゾール、キサンテン、フ
ラザン、ピラン、ピリミジン、ピラジン、ピロリン、ピ
ロリジン、イミダゾリン、トリアジン、ピロール、イミ
ダゾール、トリアゾール、ベンゾトリアゾール、ピラゾ
ール、ピリジン、ピリダジン、ピペリジン、ピラゾリジ
ン、インドール、キノリン、イソキノリン、キノキサリ
ン、プリン、プテリジン、カルバゾール、フェナントリ
ジン、フェナジン、フェナントロリン、インドリン、イ
ソインドリン、クロマン、ピラジノカルバゾール、ピリ
ドオキサジン、イミダゾチアゾール、ピラジノピリダジ
ン、チアゾール、イソチアゾール、チオフェン等が例示
できる。
【0017】また、極性を有する高分子も極性基となり
得る。極性を有する高分子としては、ポリエチエングリ
コール、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリド
ン、ポリアクリル酸ソーダ、ポリメタクリル酸ソーダ等
の親水性高分子が例示できる。また、本発明で用いられ
るベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤は、分子量が30
0〜1000のものである。分子量が300未満のもの
は、分子サイズが小さく、上述の酸素透過性樹脂のポリ
マーメッシュの間隙を分子移動し易い。このため、光学
レンズを形成した場合に、紫外線吸収剤が溶出又はブリ
ードアウトし易くなる。また、同様の理由、特に紫外線
吸収剤の分子運動が大きくなることにより紫外線吸収剤
が分解し易くなり、光学レンズにおいて紫外線吸収能が
低下し易い。逆に、分子量が1000を超える場合は、
分子サイズが大きくなるため、紫外線吸収剤の溶出やブ
リードアウトが起こりにくくなるという利点はあるが、
酸素透過性樹脂あるいはそのモノマー原液との相溶性が
低下する。この結果、光学レンズは、透明性が低下した
り白濁する場合がある。
【0018】本発明で用いられるベンゾトリアゾール系
紫外線吸収剤の具体例としては、2−〔2′−ヒドロシ
キシ−3′−(3″,4″,5″,6″−テトラヒドロ
フタルイミド−メチル)−5′−メチルフェニル〕−ベ
ンゾトリアゾール、メチル−3−〔3−t−ブチル−5
(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロ
キシフェニル〕プロピオネート−ポリエチレングリコー
ル、2−〔2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジ
メチルベンジル)フェニル〕−2H−ベンゾトリアゾー
ル、2,2−メチレンビス〔4−(1,1,3,3−テ
トラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール
−2−イル)フェノール等が挙げられる。
【0019】上述の各種紫外線吸収剤はそれぞれ単独で
用いられても良いし、より多様な紫外線吸収特性を得る
ために2種以上組み合わせて用いられても良い。上述の
紫外線吸収剤を酸素透過性樹脂に添加する方法は、特に
限定されないが、酸素透過性樹脂の合成時に予め添加す
る方法、軟化又は溶融した酸素透過性樹脂に添加して混
練りする方法等が採用され得る。
【0020】紫外線吸収剤の添加量は、本発明の光学レ
ンズ組成物により形成される光学レンズの利用目的によ
って異なる。例えば、コンタクトレンズや眼内レンズと
して用いる場合は、200〜400nmの紫外線領域内
の最大吸収波長における透過率が20%未満になるよう
添加量を調整するのが好ましい。この添加量は、透過率
の他に光学レンズの厚さとの関係で決定され得る。
【0021】なお、紫外線吸収剤の一般的な添加量は、
酸素透過性樹脂の原料モノマーの混合液の重量に対して
0.01〜10重量%である。0.01重量%未満の場
合は、十分な紫外線吸収特性を得ることができない。逆
に、添加量が10重量%を超えると、酸素透過性樹脂の
重合率の低下、機械的強度の低下をもたらす場合があ
る。他の成分 本発明の光学レンズ組成物は、上述の酸素透過性樹脂及
び紫外線吸収剤の他に、光学レンズの可視光線領域の吸
収特性を調整するために着色剤を含んでいても良い。着
色剤としては、直接染料、油溶性染料、酸性染料、塩基
性染料、分散染料、バット染料等が用いられる。また、
モノアゾ系、ビスアゾ系、アントラキノン系、キノナフ
タロン系、キサンテン系、ピラゾール系、トリフェニル
メタン系、インジゴイド系、フルオラン系、キノリン系
等の有機染料が用いられても良い。光学レンズ組成物の用途 本発明の光学レンズ組成物は、キャスト重合、射出成
形、押出し成形等の一般的な成形方法により所定の光学
レンズ形状に成形され得る。なお、酸素透過性樹脂が三
次元架橋を有する場合は、キャスト重合が好ましい。ま
た、所定の光学レンズ形状を得るために、適当なモール
ドを用いて成形と同時に所望の形状を形成することもで
きる。コンタクトレンズ、眼内レンズ等のように多種多
様な形状を作成する必要がある場合は、まず円柱状ない
しは平板状成形品を作成し、この成形品を切削や研磨等
の手法により所望の形状に形成するのが好ましい。
【0022】本発明の組成物により得られたコンタクト
レンズや眼内レンズは、ケイ素原子を含む酸素透過性樹
脂からなるため、柔軟性及び酸素透過性を有している。
また、紫外線吸収剤の溶出、ブリードアウト及び紫外線
吸収特性の劣化を起こしにくいので、安全性が高い。
【0023】
【実施例】実施例1 攪拌装置、温度計、還流冷却器、窒素ガス導入口を備え
た4つ口フラスコを用意し、このフラスコに2,6−ジ
イソシアナートカプロン酸−β−イソシアナートエチル
エステル53.4部と、2−ヒドロキシエチルメタクリ
レート52部と、ジ−n−ブチル錫ジラウレート0.0
1部とを仕込み、赤外線吸収スペクトルで水酸基の吸収
が消失するまで50℃に加熱しながら窒素雰囲気下で攪
拌した。
【0024】次に、次の一般式(1)で示される、平均
分子量が946の両末端アルコール変性ポリジメチルシ
ロキサン94.6部を上述のフラスコ中に添加し、赤外
線吸収スペクトルのイソシアナート基の吸収が消失する
まで50℃に加熱しながら窒素雰囲気下で攪拌した。こ
れにより、両末端に各2個の二重結合を有するシロキサ
ンマクロマーを主成分とする反応生成物を得た。
【0025】
【化1】
【0026】次に、この反応生成物10部に対して、メ
チルメタクリレート3部と、トリメチールプロパントリ
メタクリレート0.055部と、アゾビスメチルバレロ
ニトリル0.004部とを添加した。さらに、このモノ
マー混合液に対して、紫外線吸収剤である2−〔2′−
ヒドロキシ−3′−(3″,4″,5″,6″−テトラ
ヒドロフタルイミド−メチル)−5′−メチルフェニ
ル〕−ベンゾトリアゾールを0.5重量%添加し、混合
・溶解して均一な透明原液を得た。
【0027】次に、得られた透明原液を棒状のガラス容
器内に入れ、この容器を窒素置換した後に密栓した。こ
のガラス容器を恒温水槽中で40℃−40時間、50℃
−24時間、60℃−16時間、70℃−4時間、90
℃−2時間の5種類の条件で処理した。その後、更に1
30℃の循環乾燥器中で3時間加熱し、棒状の重合体を
得た。得られた重合体は、ショアーD硬度が80であ
り、硬度、切削性及び研磨性が共に良好であった。
【0028】得られた重合体をミキサーにより細片と
し、この細片1gを蒸留水50gに浸漬して100℃で
30時間加熱した。その後、蒸留水に含まれる紫外線吸
収剤の溶出量を分光学的に調べたところ、細片1gに含
まれる紫外線吸収剤のうちの1.7%しか溶出していな
いことが確認できた。また、重合体を直径17mm、厚
さ5mmのディスクに加工した。そして、このディスク
を真空減圧下において120℃で16時間加熱処理し、
紫外線吸収剤のブリードアウトによる吸光度の減少を分
光学的に調べたが、吸光度の減少は認められなかった。
【0029】さらに、重合体を直径9mm、厚さ0.2
mmのディスクに加工し、このディスクを真空減圧下に
おいて120℃で16時間加熱処理した。このディスク
に対して、常温においてフェードメーターを用いて20
0時間の照射試験を行った。照射後の吸光度は照射前の
吸光度の92%であり、このディスクは優れた耐光性を
有していることが確認できた。
【0030】なお、重合体の酸素透過係数は、製科研式
フィルム酸素透過率計を用いて調べたところ、37℃で
20×10-11 cm3 (STP)・cm/cm2 ・se
c・mmHgであった。実験例2 トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルメタクリ
レート50重量部と、トリフロロエチルメタクリレート
50重量部と、アソビスイソブチロニトリル0.05重
量部と、アソビスシクロヘキサンカルボニトリル0.1
5重量部とを含むモノマー混合液を作成した。このモノ
マー混合液に対し、紫外線吸収剤として2,2−メチレ
ンビス〔4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)
−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノ
ールを0.09重量%添加して溶解し、均一な透明の重
合原液を得た。
【0031】次に、得られた重合原液を試験管に封入し
た。そして、この試験管を60℃から110℃まで24
時間かけて昇温し、その後110℃で4時間保持したと
ころ重合体が得られた。得られた重合体について、実施
例1と同様の方法により紫外線吸収剤の溶出量、紫外線
吸収剤のブリードアウトによる吸光度の減少及び耐光性
を調べた。紫外線吸収剤の溶出量は、重合体の細片1g
に含まれる紫外線吸収剤のうちの1.4%と極めて少な
いことが確認できた。また、ブリードアウトによる吸光
度の減少率は、3.6%であり、極めて少なかった。耐
光性は、光照射前の吸光度に対する光照射後の吸光度が
87%であり、優れていることが確認できた。実施例3 両末端に二重結合を有するポリジメチルシロキサン45
重量部と、トリフルオロエチルメタクリレート47.5
重量部と、メタクリル酸3重量部と、トリメチロールプ
ロパントリメタクリレート4.5重量部とを均一に混合
し、さらにアゾビスイソブチロニトリル0.05重量部
及びアゾビスシクロヘキシルカルボニトリル0.15重
量部を添加した。
【0032】このモノマー混合液に、さらに紫外線吸収
剤として2−〔2′−ヒドロキシ−3′−(3″,
4″,5″,6″−テトラヒドロフタルイミド−メチ
ル)−5′−メチルフェニル〕−ベンゾトリアゾールを
0.5重量%添加して混合・溶解し、均一な透明原液を
得た。得られた原液を棒状のガラス容器に入れ、ガラス
容器の内部を窒素置換した後に密栓した。このガラス容
器を65℃から110℃まで24時間かけて加熱し、さ
らに110℃で4時間保持すると、重合体が得られた。
この重合体は、ショアーD硬度が70であり、硬度、切
削性及び研磨性が共に良好であった。
【0033】得られた重合体について、実施例1の場合
と同様の方法により、紫外線吸収剤の溶出量、紫外線吸
収剤のブリードアウトによる吸光度の減少、耐光性及び
酸素透過係数を調べた。紫外線吸収剤の溶出量は、重合
体の細片1gに含まれる紫外線吸収剤のうちの1.7%
と極めて少ないことが確認できた。また、ブリードアウ
トによる吸光度の減少は認められなかった。耐光性は、
照射後の吸光度が照射前の吸光度の92%であり、優れ
ていることが確認できた。さらに、酸素透過係数は、1
30×10-11 cm3 (STP)・cm/cm2 ・se
c・mmHgであった。
【0034】また、重合体は、レンズ系9.0mm、ベ
ースカーブ8.0mm及びレンズパワー−3.00Dの
コンタクトレンズに加工でき、切削研磨性も良好なこと
が確認できた。参考として、耐光性の試験に用いた厚さ
0.2mmのディスクの紫外可視吸収スペクトル(透過
率)を図1に示す。図1から明らかなように、このディ
スクは、300〜400nmの範囲で紫外線吸収特性が
良好である。
【0035】
【発明の効果】本発明に係る光学レンズ組成物は、極性
基を有しかつ分子量が300〜1000のベンゾトリア
ゾール系紫外線吸収剤を含んでいるため、酸素透過性、
柔軟性及び安定な紫外線吸収特性を兼ね備えた人体に安
全な光学レンズを形成できる。本発明に係る光学レン
ズ、コンタクトレンズ及び眼内レンズは、本発明の光学
レンズ組成物からなるため、酸素透過性、柔軟性及び安
定な紫外線吸収特性を兼ね備え、しかも人体への安全性
が高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例3で作成したディスクの紫外線吸収スペ
クトル。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ケイ素原子を含む酸素透過性樹脂と、 極性基を有しかつ分子量が300〜1000のベンゾト
    リアゾール系紫外線吸収剤と、を含む光学レンズ組成
    物。
  2. 【請求項2】前記酸素透過性樹脂は、酸素透過係数が1
    0×10-11 cm3 (STP)・cm/cm2 ・sec
    ・mmHg以上である請求項1に記載の光学レンズ組成
    物。
  3. 【請求項3】前記酸素透過性樹脂は、二重結合を有する
    シロキサン化合物とアクリロイル基を有する化合物との
    共重合体である請求項1又は2に記載の光学レンズ組成
    物。
  4. 【請求項4】前記ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤
    は、添加量が0.01〜10.0重量%である請求項
    1、2又は3に記載の光学レンズ組成物。
  5. 【請求項5】ケイ素原子を含む酸素透過性樹脂と、極性
    基を有しかつ分子量が300〜1000のベンゾトリア
    ゾール系紫外線吸収剤とを含む光学レンズ組成物からな
    る光学レンズ。
  6. 【請求項6】ケイ素原子を含む酸素透過性樹脂と、極性
    基を有しかつ分子量が300〜1000のベンゾトリア
    ゾール系紫外線吸収剤とを含む光学レンズ組成物からな
    るコンタクトレンズ。
  7. 【請求項7】ケイ素原子を含む酸素透過性樹脂と、極性
    基を有しかつ分子量が300〜1000のベンゾトリア
    ゾール系紫外線吸収剤とを含む光学レンズ組成物からな
    る眼内レンズ。
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