JPH0652265B2 - 医療用徴小径可撓性チューブおよびその製造方法 - Google Patents

医療用徴小径可撓性チューブおよびその製造方法

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JPH0652265B2
JPH0652265B2 JP1015592A JP1559289A JPH0652265B2 JP H0652265 B2 JPH0652265 B2 JP H0652265B2 JP 1015592 A JP1015592 A JP 1015592A JP 1559289 A JP1559289 A JP 1559289A JP H0652265 B2 JPH0652265 B2 JP H0652265B2
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正紀 木村
一徳 山中
史治 大岡
隆雄 石戸
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平河ヒュ−テック株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は医療用微小径可撓性チューブおよびその製造方
法に関し、特に、赤血球の変形態を観察して、血液循環
系の疾患の診断を行う検査法に適用可能な数μの内径を
有した医療用微小径可撓性チューブおよびその製造方法
に関する。
〔背景技術〕
近年、赤血球の変形態を観察して、心臓病等の血液循環
系の病気を調べる画期的な検査方法が、西ドイツの重イ
オン協会(GSI)によって開発されている。この検査
方法は、人間の血液を採取して赤血球を取り出し、その
赤血球を人間の毛細血管の細い部分の内径と同じ孔を多
数有する薄膜で構成した容器に入れ、前記孔を赤血球が
通り抜ける際の時間や量を測定するものである。人間の
赤血球の大きさは7〜8μの範囲であり、毛細血管の細
い部分の内径は5μ前後である。健康な人の赤血球は、
このような細い部分(毛細血管)でも形を変えて通り抜
けるが、心臓や循環器系の疾患にかかっている人の赤血
球は、変形能力が乏しいので通り抜けるのが困難にな
る。これに基づいて、測定値から心臓や血液循環系の疾
患の診断を行うものである。
この検査方法に用いるプラスチックの薄膜は、前述した
ように毛細血管の細い部分の内径(5μ前後)と同じ内
径の孔を有する。具体的には、厚さ数十μの薄いプラス
チック(例えば、ポリカーボネイト)膜に、原子物理学
の研究に使用される線形加速器で加速した重イオン(重
粒子線)を当てて、孔径3〜5μの孔を形成したものが
使用されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
この方法によって数μの微細な孔を形成することが可能
であるものの、孔径の精度は10%以上の変動を有してお
り、多数の孔を一定の孔径で製造することは困難である
と言う問題があった。また、前記プラスチックの薄膜に
多数の微細孔をあける設備は未だ研究の段階であり、か
つ、原子物理学において利用されるため、一般化されて
おらず、従って、この検査方法に使用するプラスチック
の薄膜も入手が困難であると言う問題があった。さら
に、プラスチックの薄膜の孔径は不安定であるため、該
プラスチックの薄膜で構成した容器を使用して検査を行
っても、赤血球が通り抜ける時間や、変形態,粘度等の
測定にバラツキが生じて正確な病理診断が得られないと
言う欠点もあった。
従って、本発明の目的とするところは、赤血球の変形態
を観察して、血液循環系の疾患の診断を行う検査法に適
用可能な数μの内径を有した医療用微小径可撓性チュー
ブを提供することである。
本発明の他の目的は、血液循環系の疾患の診断を行う検
査が容易に行え、かつ、精度の高い検査結果が得られる
医療用微小径可撓性チューブを提供することである。
本発明の他の目的は、高精度の治工具を必要とせず、か
つ、容易に高い寸法精度を有した医療用微小径可撓性チ
ューブの製造方法を提供することである。
ところで、本発明の医療用微小径可撓性チューブは、従
来の押出成形方法によっては製造することができない。
即ち、25μより小さい内径を有するチューブを作成する
場合、治工具(ダイ,ニップル等)を微小なチューブ寸
法に応じた寸法で加工することが困難であり、かつ、そ
の加工精度がチューブ寸法の精度より低くなるため、内
径25μ以下の微小径可撓性チューブの製造は困難であ
る。微小径可撓性チューブとして、例えば、ゼウス社
(米国のプラスチック樹脂加工メーカー)によって製造
されるものがあるが、内径25μ,肉厚38μのフッ素系樹
脂の結晶性高分子樹脂からなるものが最小であった。ま
た、押し出し中空チューブを引き落として微小径可撓性
チューブを製造する場合、引き落とし精度によりチュー
ブの外径,内径,肉厚が変動すると言う不都合があり、
さらに、寸法精度の高いダイ,ニップル等を使用して製
造したとしても、単位長当たりの樹脂量が微小であるた
め、押出機から溶融押出される樹脂量の制御(押出機の
スクリューの回転数制御,および,ダイ部での制御)が
困難となり、チューブの外径,内径,肉厚が変動を起こ
して所定の寸法精度を有した微小径可撓性チューブを製
造することができない。また、特開昭55-125878号公報
等によって微小径カテーテルが提案されているが、内径
が80〜200μであるため、赤血球通過用微小径可撓性チ
ューブとして使用することができない。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は前述した目的を実現するため、微小外径を有す
る芯体に、結晶性高分子樹脂を所定の厚さに被覆して被
覆体を作成後、該被覆体から芯体を除去して、結晶性高
分子樹脂の可撓性チューブを作成し、さらに、該可撓性
チューブを長手方向に延伸して減径することにより数μ
の内径を有した可撓性チューブの製造を可能にし、これ
を心臓疾患等の診断に適用するものである。
即ち、本発明の医療用微小径可撓性チューブは、結晶性
高分子樹脂から成り、数μの内径,および,数十μの肉
厚を有し、さらに、その一端にチューブ内孔に赤血球を
通すための受具となるハウジングを設けたものである。
また、本発明の医療用微小径可撓性チューブの製造方法
は以下の工程を備えている。
(1)押出成形工程 所定の外径を有する芯体に、結晶性高分子樹脂を所定の
厚さに被覆して被覆体を作成する。ここで所定の外径を
有する芯体を用いるのは、内径精度を安定させるためで
あり、後述する芯体除去工程で取り除かれることによ
り、該芯体部分がチューブの内径部分となる。芯体とし
ては、押出成形時の張力によって破断しないように、抗
張力の大きなものを用いる(例えば、タングステンワイ
ヤを用いる)。結晶性高分子樹脂を用いるのは、後述す
る延伸工程において、チューブを延伸することにより減
径し、分子が延伸方向に配向して、透明度を増長するこ
とにより赤血球の観察をより容易にし、かつ、強度を増
すことにより微小径のチューブでも充分の強度が得られ
るためである。具体的には、PE(ポリエチレン),P
ET(ポリエチレンテレフタレート),PA(ポリアミ
ド),PP(ポリプロピレン),FEP(パーフロロエ
チレンプロピレン),PFA(パーフルオロアルコキ
シ),ETFE(エチレン−4弗化エチレン),PVD
F(ビニルデンフルオライド)等を用いることができ
る。
(2)芯体除去工程 被覆体から芯体を除去して、結晶性高分子樹脂の可撓性
チューブを作成する。具体的には、被覆体を所定の長さ
に切断後、その両端の被覆体を剥離して芯体を露出し、
露出した芯体の両端を把持して張力かけ、芯体を切断し
て除去する。
(3)延伸工程 被覆体から芯体を除去して作成した可撓性チューブを長
手方向に延伸させることにより、減径させて微小径可撓
性チューブを作成する。結晶性高分子樹脂は、弾性と粘
性の両方の性質を持っており、弾性領域の応力(延伸)
においては復元性があり、これを越えた応力を加え、粘
性領域にまで達すると分子間のスリップや分子破壊が生
じて復元できなくなる。降伏点はこの2つの領域の境に
あり、この境界域において降伏点が顕著に確認できるこ
とは周知である。結晶性高分子樹脂から成るチューブに
降伏点以上で、かつ、破断しない範囲で張力を付加する
とチューブは延伸により減径・減厚される。また、結晶
性高分子樹脂の成形体を延伸すると、延伸方向に分子が
配向し、分子結合の強い結晶部を増加させると共に、分
子間引力も大きくなり、延伸部は非延伸部に比較して極
端に伸び率が低下するものの強度が大きくなり、延伸部
が全て降伏点以上の状態に達すると外応力に対し変形し
なくなると言う特徴を有している。本発明はこの特徴を
利用して、延伸工程によって、減径することにより微小
径可撓性チューブを形成するものである。さらに、延伸
を容易にするために、結晶性高分子樹脂の融点以下の温
度で加熱しながら張力をかけると良い。例えば、結晶性
高分子樹脂としてFEP樹脂を用いた場合は、80〜100
℃の雰囲気で行う。
以下、本発明の医療用微小径可撓性チューブおよびその
製造方法を詳細に説明する。
〔実施例〕
第1図は本実施例の医療用微小径可撓性チューブを示
し、FEP樹脂を用いて、内径5μ,肉厚47.5μ,およ
び,外径100μのチューブ小径部1aと、チューブ小径部1
aの一端に設けられた内径10μ,肉厚95μ,および,外
径200μのチューブ大径部1bを有し、チューブ内孔に赤
血球を通すための受具10に接着剤11によって接着固定さ
れている。受具10には赤血球を収容した容器が接続され
る。
以上の構成において、押出成形工程,芯体除去工
程,延伸工程,受具の取付けの順に赤血球通過用微
小径可撓性チューブおよびその製造方法を第2図(a)〜
(e)および第3図(a),(b)に基づいて説明する。
押出成形工程 第2図(a)は、外径10±0.1μのタングステンワイヤの芯
体2aの外周に、FEP樹脂2bを押出成形で被覆して作成
した外径200μの被覆体2を示す。この押出成形方法
は、基本的にFEP樹脂被覆絶縁電線と同じであるが、
タングステンワイヤの外径精度を高くすることにより、
FEP樹脂2bの内径精度を高くする。ここで外径を200
μとしたのは、FEP樹脂押出成形における押出容量を
安定させて外径の寸法精度を安定させるためであり、押
出容量の安定する範囲であれば、出来るだけ肉厚(即
ち、外径)が薄い方が好ましい。芯体2aにタングステン
ワイヤを用いるのは押出成形時の張力によって破断しな
いようにするためであり、所定の抗張力を有するもので
あれば特に材質を限定するものではない。また、芯体2a
の外径(ここでは、10μ)は目的とする微小径可撓性チ
ューブの内径に基づいて決定される。押出成形した被覆
体2は冷却後巻取機に巻回される。
芯体除去工程 芯体除去工程は、前述した被覆体2から芯体2aを除去し
て、FEP樹脂の可撓性チューブを作成する工程であ
り、第2図(b)に示すように、被覆体2を100mm前後の長
さLに切断後、その両端のFEP樹脂をL1=10〜15mm剥
離して芯体2aを露出する(同図(c))。次に、露出した
芯体2aの両端を把持して張力かけて断線させる。芯体2a
の断線部分は張力によってその径が減径されて、被覆体
2との押出成形時の密着が解除される(同図(d))。そ
の後、被覆体2を破線Aで切断して、右方の芯体2aを抜
き取る(同図(e))。同様に、破線Bで切断して左方の
芯体2aを抜き取り、同図(f)に示す可撓性チューブ3
(FEP樹脂2bのチューブ)を形成する。
延伸工程 芯体除去工程で被覆体2から芯体2aを除去して作成した
可撓性チューブ3の一端を手に把持し、他端をラジオペ
ンチ等で挟持具で挟持し、張力をかけ延伸させる(第2
図(g))。延伸作業はFEP樹脂2bの融点以下の温度、
例えば、80〜100℃の雰囲気で加熱しながら行う。FE
P樹脂等の熱可塑性プラスチックは、延伸加工した温度
以上で、かつ、融点以下の温度で加熱すると原形に戻る
と言う特性があり、常温の範囲においての使用を保証す
るために本実施例では80〜100℃の雰囲気で延伸を行う
ものである。また、加熱により延伸作業を容易にするた
めでもある。チューブ内径10μの可撓性チューブ3を1/
2の5μまで減小させるのに必要な延伸量は次の式によ
って求められる。
ε:延伸比 l1:元チューブの長さ l2:延伸後の長さ d1:元チューブの内径 d2:延伸後の内径 従って、チューブの内径を1/2にする場合の延伸比は4
になり、この延伸はチューブの降伏点以上で破断しない
範囲で行われ、チューブが降伏状態に達すると外応力に
対して変形しなくなる。第2図(h)に示すように、延伸
比が所定の値に達したら、一端にチューブ大径部1b(可
撓性チューブ3の未延伸部分)を残して、CおよびDで
切断する。
受具の取付け 本実施例では、第3図(a)に示すように、その一端にチ
ューブ挿入部10a(D1=190μ)を有し、他端に赤血球の
流入を容易にするための大径部10b(D2=1000μ)を有す
るプラスチック(例えば、フッ素系樹脂)あるいはセラ
ッミク等から成る受具10を用いた。延伸加工後、両端を
切断した微小径可撓性チューブ1のチューブ大径部1b
を、第3図(b)に示すように、受具10のチューブ挿入部1
0aに係合させ、接着剤11を塗布して固着した。
以上のようにして製造した微小径可撓性チューブ1の内
径および外径を顕微鏡を用いて測定したところ、チュー
ブ大径部1bは内径10b,外径200μ、チューブ小径部1aは
内径5μ,外径100μ,肉厚47.5μであり、目的とした
寸法の微小径可撓性チューブが得られた。また、第4図
に示すように、アルコール液4aを満たした容器4に微小
径可撓性チューブ1を入れ、受具10の端から窒素ガスを
入れて、アルコール液4a中のチューブ1から発生する気
泡4bの位置によって、チューブ1の破損の有無をを確認
することができる。
本実施例の医療用微小径可撓性チューブおよびその製造
方法では、微小外径の芯体に結晶性高分子樹脂を押出成
形にて被覆するので被覆体の寸法精度が向上し、さら
に、芯体外周の樹脂を長手方向に延伸させるので微小径
可撓性チューブの内径が安定し、かつ、製造が容易であ
る。また、微小径可撓性チューブの一端を原形にしてそ
れに受具を固着したので赤血球流入が容易である。ま
た、微小径可撓性チューブをFEP樹脂で構成したため
取扱が容易で破損しにくい。実施例の微小径可撓性チュ
ーブは前述した赤血球の変形態を観察して心臓病等の血
液循環系の病気を調べる検査方法に適用され、チューブ
内径を通る赤血球の変形態粘度,および,通過時間等を
直視でき、データ採取が容易となり、また、そのバラツ
キも少なくなり、診断の精度を向上させることができ
る。さらに、プラスチックの薄膜(西ドイツの重イオン
協会の検査方法)による検査に比べて、診断のために必
要とする血液の量が少なくてすむと言う利点もある。
〔発明の効果〕
以上説明した通り、本発明の医療用微小径可撓性チュー
ブによると、所定の精度を有した数μの内孔を有するた
め、赤血球を通過させることにより、心臓病疾患等の診
断を容易に行うことができ、また、その製造方法による
と、微小外径を有する芯体に、結晶性高分子樹脂を所定
の厚さに被覆して被覆体を作成後、該被覆体から芯体を
除去して、結晶性高分子樹脂の可撓性チューブを作成
し、さらに、該可撓性チューブを長手方向に延伸させて
減径させるようにしたため、血液循環系の疾患の診断を
行う検査法に適用可能な数μの内径を有した微小径可撓
性チューブを作成することができる。また、高精度の治
工具を必要としないため、設備のコストアップを防ぐこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本実施例の医療用微小径可撓性チューブを示す
図。第2図(a)〜(h)は医療用微小径可撓性チューブの製
造方法を説明する図。第3図(a),(b)は受具および受具
の取付けを説明する図。第4図チューブの製品検査を説
明する図。 符号の説明 1……医療用微小径可撓性チューブ 1a……チューブ小径部 1b……チューブ大径部 2……被覆体 2a……芯体 2b……FEP樹脂 3……可撓性チューブ 4……容器 4a……アルコール液 4b……気泡 10……受具 11……接着剤
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石戸 隆雄 茨城県猿島郡総和町字東牛ケ谷1144番地 平河電線株式会社茨城第1工場内 (56)参考文献 特開 昭63−168564(JP,A) 特開 昭63−248404(JP,A) 特開 昭58−83232(JP,A) 特表 昭59−501961(JP,A)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】結晶性高分子樹脂から成り、数μの内径,
    および,数十μの肉厚を有することを特徴とする医療用
    微小径可撓性チューブ。
  2. 【請求項2】一端に少なくとも10μの内径の大径部を有
    する請求項第1項記載の医療用微小径可撓性チューブ。
  3. 【請求項3】チューブ内孔に赤血球を通すための受具を
    前記一端に設けた請求項第1項,および,第2項記載の
    医療用微小径可撓性チューブ。
  4. 【請求項4】所定の外径を有する芯体に、結晶性高分子
    樹脂を所定の厚さに被覆して被覆体を作成する押出成形
    工程と、 前記被覆体から前記芯体を除去して、結晶性高分子樹脂
    の可撓性チューブを作成する芯体除去工程と、 前記可撓性チューブを長手方向に延伸させることによ
    り、内径を数μに減径する延伸工程を備えたことを特徴
    とする医療用微小径可撓性チューブの製造方法。
  5. 【請求項5】前記芯体除去工程は、前記被覆体を所定の
    長さに切断後、その両端の被覆体を剥離して前記芯体を
    露出し、前記露出した芯体の両端を把持して張力をか
    け、前記芯体を切断して除去する請求項第4項記載の医
    療用微小径可撓性チューブの製造方法。
  6. 【請求項6】前記芯体は、10±0.1μの外径のタングス
    テンワイヤである請求項4項,あるいは,第5項記載の
    医療用微小径可撓性チューブの製造方法。
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