JPH0654744B2 - ビスマス置換磁性ガーネットの製法 - Google Patents

ビスマス置換磁性ガーネットの製法

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JPH0654744B2 JP27557484A JP27557484A JPH0654744B2 JP H0654744 B2 JPH0654744 B2 JP H0654744B2 JP 27557484 A JP27557484 A JP 27557484A JP 27557484 A JP27557484 A JP 27557484A JP H0654744 B2 JPH0654744 B2 JP H0654744B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、例えば光アイソレータに適用する磁性ガーネ
ット、特に 0.8μmの波長帯( 0.8μmの波長帯とは
0.8μmの波長を中心とする0.75〜0.85μm程度の波長
範囲を一般に指称するものであり、本明細書においても
この波長範囲を指称するものとする)に関して光吸収を
小さくしたビスマス(Bi)置換の磁性ガーネットとその
製法に係わる。
〔従来の技術〕
例えば光ディスク、光磁気ディスク等における情報の記
録或いは(及び)読み出しをはじめとして、各種用途に
半導体レーザーの利用が広まっている。
ところが、このように半導体レーザーを用いる場合、こ
れに戻り光があるとモードホッピングノイズが生じるな
どの不都合があることから、できるだけ、半導体レーザ
ーから発振した光が、再び半導体レーザーに戻ることが
ないように、この戻り光を遮断する光アイソレータの必
要性が高まっている。
この光アイソレータは、第1図にその概略的構成を示す
ように、ファラデー回転素子(1)を挾んで偏光子(2)と検
光子(3)とが配置されて成る。ファラデー回転素子(1)
は、マグネット(4)によって光軸方向に磁場が与えられ
て、光源(5)例えば半導体レーザーから偏光子(2)を通じ
て入射する直線偏光をその偏光面が45゜回転するように
なされる。検光子(3)はこのファラデー回転素子(1)によ
って45゜回転した偏光を通過することができるようにそ
の軸方向が選ばれていて、これを通過した光が被照射面
に照射するようになされている。そして、この場合被照
射面(6)からの反射光、すなわち戻り光がある場合、こ
の戻り光は、再び検光子(3)を通過してファラデー回転
素子(1)を通過し、この時再び45゜回転されて偏光子(2)
に向う。したがって、この偏光子(2)に向う戻り光は順
方向の入射光に対してその偏光面が90゜回転しているこ
とになり、この偏光子(2)を通過することができず、光
源(4)に向うことができない。このように光アイソレー
タによれば、一方向すなわち順方向に関しては、光透過
性を有するがこれとは逆の方向に関しては遮断効果を奏
することができる。
このように光アイソレータは、逆方向の光を遮断する機
能を有するものであるが、順方向の光損失を小さくする
上でファラデー回転素子自体の光透過率はできるだけ大
きいことが望まれる。この光透過率を大きくするには、
ファラデー回転素子の厚さtは、できるだけ小さいこと
が望まれるが、この厚さtは、所要の回転角、上述の例
では45゜の回転角を得るために、或る厚さを必要とす
る。
45゜回転する間の順方向損失L(dB)は、 (但し、αは光吸収係数、Fはファラデー回転能)で与
えられるので、Lを小さくするには、光吸収係数αが小
さいものが必要となる。
この光吸収係数αは、波長に依存するものであり、 1.3
μm波長帯で代表されるような長波長帯については、 Y
IG(イットリウム・鉄・ガーネット)によるファラデー
回転素子によって可成り満足するものが得られている。
ところが、上述したような光ディスク、或いは光磁気デ
ィスク等の光源としては、AlGaAs形半導体レーザーのよ
うな 0.8μm波長帯の半導体レーザーが用いられんとす
る方向にあり、この 0.8μm波長帯についてのファラデ
ー回転素子の開発が望まれている。
一方、このようなファラデー回転素子に用いる磁性ガー
ネット、すなわち希土類鉄ガーネットを育成する方法と
しては、液相エピタキシーによって結晶膜を得るという
方法、すなわち原料融液中に例えばGGG (ガドリニウム
・ガリウム・ガーネット)基板を浸漬し、この基板を引
上げることによってこの基板上に磁性ガーネット膜を育
成するという方法が量産性にすぐれているものである
が、この場合、この液相エピタキシーの融液には、フラ
ックスが添加される。このフラックスとしては、通常 P
bOが用いられる。ところが、このPbO をフラックスとし
て用いた場合、その育成された結晶膜中にPb2+の一部が
混入することは避けられないものであり、これによって
光の吸収損失を低めることが難しくなる。尚、 PbOフラ
ックスによる場合においても、その結晶膜の育成温度を
コントロールすることによって光吸収を下げることがで
きるという報告もなされている(ジャーナル オブ ア
プライド フィジックス(Journal of Applied Physic
s)Vol.45 P 2867〜2873 July 1974)ところであるが、
これについても、 0.8μm波長帯では有効なものではな
い。
そこでPb2+が混入することのないように、Bi2O3のみを
フラックスとする融液を用いて液相エピタキシーによっ
てBi置換の磁性ガーネット膜、すなわち希土類の一部を
Biで置換した磁性ガーネット膜を育成することが考えら
れる(ジャーナル オブ エレクトロ ケミカル ソサ
イアテイ(Journal of Electrochemical Society)Vol.
123 P 1248〜1249 1976)。
ところが、実際上、このような方法によってBi置換の磁
性ガーネットを育成しても、光吸収の低下は充分得られ
ない。これは、本来Bi置換の磁性ガーネットの組成は、
例えば (T▲m3+ 2.3▼B▲i3+ 0.7▼)(F▲e3+ 4.0▼G▲a3+
1.0▼)O12 …(2) であるべきものが、実際には、 T▲m3+ 2.3▼B▲i3+ 0.7▼F▲e3+ 4.0-2 δ▼G▲a3+ 1.0
▼▲O2- 12- δ▼…(3) で示されるような酸素空席の発生によって2価のFeイオ
ンが発生してこれにより光吸収が生じるものと思われ
る。
尚、液相エピタキシーによって磁気異方性を有するガー
ネット膜を得る方法として、フラックスにCaCOを添加
したものの報告(マティリアル リサーチ ブルテン
(Material Research Bulltein) VOl.11,PP337〜346
,1976)があるが、この場合、そのフラックスはBi2O
単独のものではなく、Bi2Oと共に、CeO2/ K2O,或い
はSiO2/Na2O等が添加されるものであり、しかも光吸収
についての究明はなされていない。
〔発明が解決しようとする問題点〕
前述したように従来方法によって得られるBi置換磁性ガ
ーネットによっても、 0.8μm波長帯に関して光吸収が
充分小さいものが得られていないことに問題点がある。
本発明は、このような問題点を解消するものであり、
0.8μm波長帯において高い透過率を有し、例えば光デ
ィスク、光磁気ディスクの記録・再生装置において、こ
の光源として 0.8μm波長帯の半導体レーザーを用いた
場合の戻り光防止の光アイソレータのファラデー回転素
子として用いて好適ならしめたBi置換磁性ガーネットと
その製法を提供するものである。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明においては、Bi2Oとガーネット構成元素のみか
らなる融液を用いて液相エピタキシャル成長によって形
成されたビスマス置換磁性ガーネットにおいて、 なる組成を有するBi置換磁性ガーネットを構成するもの
である。そして、そのxを、 0.5≦x≦2.0に選定し、
yを、0≦y≦2に選定し、2δを、 0.8μm波長帯の
光吸収が極小となる値を中心にその±15%の範囲に選定
するものである。
また、本発明においては、上述したビスマス置換磁性ガ
ーネットを育成するに、光吸収の小さいガーネット基板
上にBi2Oとガーネット構成元素のみよりなる融液から
液相エピタキシャル成長によって磁性ガーネットを育成
するものであり、この液相エピタキシャル成長にあたっ
て、融液中にIIA族元素イオン例えばCa,Be のいずれか
1種以上をその含有量が 0.8μm波長帯で極小の光吸収
を与える量の近傍の量となるように添加する。
このようにして本発明においては、最終的に例えば、 T▲m3+ 2.3-2 δ▼B▲i3+ 0.7▼C▲a2+ 2 δ▼F▲e3+ 4.0
▼G▲a3+ 1.0▼▲O12- δ▼…(4) のBi置換磁性ガーネットを得る。
〔作用〕
本発明によれば、例えば上記(4)式でみられるように、F
e2+が存在しないBi置換磁性ガーネットを構成するもの
であり、このようにすることによってFe2+の存在による
0.8μm波長帯における光吸収の増加を回避できる。
〔実施例〕
実施例1 GGG基板上に液相エピタキシャル成長によってBi置換の
磁性ガーネット膜を育成した。この場合、用いた融液
は、 の融液にCaCOを、TmとCaの偏折係数が同じであると仮
定したときの育成膜の組成が Tm2.3-2 δBi0.7Ca2 δ(Fe Ga)O12 となるように添加した。この場合育成された結晶膜の厚
さは、40〜50μmとした。この厚さは初期における GGG
基板の重量との重量変化による測定によって算出した。
そして、その組成において、2δを夫々 0.005,0.02
5,0.05,0.06,0.07,0.08,0.12に変えて夫々結晶膜、す
なわちBi置換の結晶膜を夫々成長させた。これら各組成
の結晶膜について夫々ゼーベック効果によって電気抵抗
率ρを測定した結果を第2図に示す。これにより2δ=
0.07で抵抗ρは極大を示し、これを境にその電導型がn
型からp型に移行していることがわかった。これは、x
=0.07のとき、Fe2+イオンがCa2+イオンに置換されて、
電気補償組成になったと考えられる。また、第3図は、
波長λ=0.81μmに対する各組成の吸収係数αを測定し
た結果を示し、この吸収係数αは、x=0.07のとき、60
cm-1の極小値を示すものであることがわかる。これは、
電荷補償組成では、Fe2+が存在しないためFe2+による光
吸収がなくなって吸収係数αが低下するものと思われる
(ジャーナル オブ アブライド フィジックス(Jour
nal of Applied Physics)Vol. 41 P 1211〜1217,197
0)。尚、2δが0.07より充分大となるとき、p型とな
って電気抵抗率ρが下がり、吸収係数も増大するが、こ
れは過剰なCa2+イオンよりFe4+が生じたためと考えられ
る。これよりすれば2δ=0.07±0.01、すなわちCa2+
0.06〜0.08モル/f.u(分子式当り)が低吸収係数を得
ることのできる望ましい範囲と言える。
また、上述の実施例1についての現象は、Bi2O3のみを
フラックスとした希土類鉄ガーネットについて共通する
ことであり、したがって希土類としてTmに代えて他の希
土類を用い、Feと置換するGaに代えて他の3価のAlを使
用する場合においてもCa2+の添加によって同様の効果が
期待できる。この場合、一般にCa2+の偏折係数は融液の
組成によって変るので、吸収係数の極小を与えるCa2+
は実施例1の場合と相違してくると考えられるが、Ca2+
量の選定によって必ず極小は得られるものであり、この
極小を与えるCa2+量の前後±15%のCa2+を添加すれば、
光吸収に顕著な減少を得られることができることが確認
された。
比較例 GGG基板上に下記組成の融液を用いて液相エピタキシー
を行って結晶膜の育成を行った。
このとき膜厚は46.6μmであり、波長λ=0.81μmにお
ける光吸収係数αは 300cm-1、電気抵抗率ρは1.39×10
Ω・cm、ゼーベック効果で測定した導電性式はn型で
あった。このような高い光吸収と低い抵抗率は、酸素空
席によるFe2+イオンが発生していることによると思われ
る。
実施例2 下記組成の融液によって GGG基板の両面に各面における
膜厚が96μmの結晶膜を育成して後、これを直径6mmに
打ち抜き第1図で説明したファラデー回転素子(1)を作
製した。
このときのフラデー回転角は45゜、ファラデー回転能F
は0.23゜/μm、光吸収係数αは59cm-1であった。この
ファラデー回転素子(1)を用いて第1図で説明した光ア
イソレータを構成したところ順方向の光吸収損は5dB,
アイソレーション(消光比)は34dBとなった。尚、ファ
ラデー回転能Fが更に大なる育成膜を形成することによ
って更に厚さtの減少化がはかられるので、順方向の
1.8μm波長帯の光の損失を、より小とすることができ
る。
〔発明の効果〕
上述したように本発明によれば、 0.8μm波長帯に対し
て光吸収の小さいBi置換磁性ガーネットを得るとができ
るので、これを例えば光アイソレータのファラデー回転
素子として用いることによって 0.8μm波長帯の半導体
レーザーを用いる場合において戻り光はこれを阻止して
半導体レーザーにおいて安定な動作をなさしめ、順方向
の光に関しては高い透過率、すなわち低光損失とするこ
とができるので、光ディスク、光磁気ディスク等の各種
情報の記録・再生光源系に用いることができ、実用上の
利益は大である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明によるBi置換磁性ガーネットを適用し得
る光アイソレータの構成図、第2図及び第3図は本発明
の説明に供する抵抗率ρ及び光吸収係数αの測定曲線図
である。 (1)はファラデー回転素子、(2)は偏光子、(3)は検光
子、(4)はマグネット、(5)は光源、(6)は被照射面であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山田 敏郎 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (56)参考文献 特開 昭56−22699(JP,A) 特開 昭57−50407(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Bi2Oと磁性ガーネット構成元素のみから
    なる融液を用い、 液相エピタキシャル成長によって なる組成を有し、上記xは、0.5 ≦x≦2.0 に選定さ
    れ、上記yは0≦y≦2に選定され、上記2δは0.8 μ
    m波長帯の光吸収が極小となる値を中心にその±15%の
    範囲に選定したビスマス置換磁性ガーネットを得ること
    を特徴とするビスマス置換磁性ガーネットの製法。
JP27557484A 1984-12-25 1984-12-25 ビスマス置換磁性ガーネットの製法 Expired - Fee Related JPH0654744B2 (ja)

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