JPH0654746B2 - 高エネルギで高直流電圧の放電コンデンサ - Google Patents

高エネルギで高直流電圧の放電コンデンサ

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JPH0654746B2
JPH0654746B2 JP59063444A JP6344484A JPH0654746B2 JP H0654746 B2 JPH0654746 B2 JP H0654746B2 JP 59063444 A JP59063444 A JP 59063444A JP 6344484 A JP6344484 A JP 6344484A JP H0654746 B2 JPH0654746 B2 JP H0654746B2
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オ−・デ・ア−・エム−オフイス・ドウ・デイストリビユ−シヨン・ダアツパレイユ・メデイカウツクス
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、複数の合成樹脂フィルムとこれ等のフィル
ムで分離されている二枚の導電層とを備え、前記合成樹
脂フィルムと前記導電層を一緒に巻装してケースに装填
し、少なくとも 0.4 J/cm3のエネルギ密度、600 〜 6,0
00 Vの使用電圧および10〜500 Jの電気エネルギ蓄積能
力とを有する細動除去器用の高エネルギで高直流電圧の
放電コンデンサに関する。
〔従来の技術〕
この種の細動除去器コンデンサは、大体2種の例が知ら
れている。古い例では、通常の細動除去器、即ち心室の
微動を抑制するのに必要な 4,200V で静電容量が約 45
μF のコンデンサが誘電体としてポリエチレンテレフタ
レート・フィルムと約 2,000〜 3,000 cm3の体積を有
し、ケースと一般にある液状誘導体の充填物とを考慮し
て、約 2.3kgの重量を有する。
こら等の公知コンデンサは、約 10,000 回の放電の統計
的な寿命を有する。約1%のコンデンサは、相当少ない
放電回数、例えば 50 回の放電で使用不能になる。これ
等のコンデンサは大電流と高電圧のため誘電体の強い電
気的および機械的な応力によりコンデンサの両方の導電
層の間で絶縁破壊を起こして故障する。この絶縁破壊は
導電層の間に短絡を与え、しばしばケースを破損させ
る。これは、極めて強い急鋭な圧力がケース内に生じる
ためである。この場合、コンデンサは爆発し、コンデン
サを組み込んだ装置を機械的に破壊する原因になる。こ
の種の爆発は約 10 J のエネルギを貯えるコンデンサで
は、殆ど生じない。約 20J 以上のエネルギを貯えると
この危険を無視できず、貯えるエネルギが大きくなれば
危険は更に増す。
特に持ち運びできる細動除去器では、コンデンサの重量
と体積が相当大きいのが欠点で、既にコンデンサを小型
化する試みは成功している。細動除去器用のこの種の小
型コンデンサは、カタログ資料“K-Film Defibrillator
Capacitor Information,Tech note No.111”Capacit
or Specialisits Incorporated 社,Escondido,Califo
rnia,USA によって知られている。この公知のコンデン
サは導電層としてアルミニューム・フィルムを、また誘
電体としてポリビニリデンフロライドのフィルムを有
し、後者のフィルムは K-Film として知られている。こ
の材料の有利な利点は、ポリエチレンテレフタレートの
3.2という値に比べて 10.4 という高い誘電率にある。
従って、この種のコンデンサはコンデンサ中に約 400 J
の電荷を貯えることができる細動除去器に必要なような
電圧 4,200 Vで約 45 μF の静電容量に対して、約 700
cm3の体積を必要とする。ケースと流体を充填すること
を考慮に入れると、重量は約1kgになる。しかし、誘電
体には約 30 〜 40 %の高い誘電損失があると言う欠点
がある。その結果、完全に充電されたコンデンサの電荷
を得るには、常に大きなエネルギ量を導入する必要があ
り、そうでなければ、このコンデンサは数秒内で著し放
電する。その場合、コンデンサを完全に充電するのに、
更に充電装置で供給する電流を誘電損失で失う電流より
大きくなるように、充電装置がある程度の最低電流を供
給する必要がある。
上記コンデンサは、約 5,000回の放電の統計的な寿命を
有するが、ここでも約1%のコンデンサで早期破損が生
じる。このコンデンサの場合にも、破損が生じる際に爆
発する恐れがある。
誘電体(ポリエチレンテレフタレートないしはポリビニ
リデンフロライド)が 500 V/μm,350V/μmの電圧強
度を有する二種の公知細動除去コンデンサでは、使用中
破損が生じないように、合成樹脂フィルムの厚さを選択
している(但し、上記の早期破壊とコンデンサの寿命に
近づき、その時、場合によっては、絶縁破壊して機械的
に完全に破壊する場合を除く)。
〔発明の課題〕
この発明の課題は、相当高い使用電圧と相当大きい静電
容量で、誘電体としてポリビニリデンフロライドを有す
る二番目に挙げたコンデンサより大きくない容積で、よ
り多くの放電に耐え、特に早期破損を防止でき、しかも
重量も軽い、冒頭に述べた種類の高直流電圧と高エネル
ギの放電コンデンサを提供することにある。
〔課題を解決する手段〕
上記の課題は、この発明により、 冒頭に述べた種類の放電コンデンサにあって、 好ましくはポリエステル、ポリエチレンテレフタレート
製の複数の合成樹脂フィルム6,7;86,87,88
を導電層4の各々に密着させ、 各導電層4を 2〜 30 Ωの表面抵抗を有する金属化処理
部で形成し、 自己回復作用を助長する補助絶縁フィルム5の上に前記
金属化処理部を装着し、前記補助絶縁フィルム5を前記
合成樹脂フィルム6,7;86,87,88の一方の上
に装着し、 動作電圧を印加した時、230 〜 360 V/μmの平均電界
強度となるように、前記合成樹脂フィルム6,7;8
6,87,88と前記補助絶縁フィルム5の全体の厚さ
を選び、前記合成樹脂フィルム6,7;86,87,8
8と前記補助絶縁フィルム5の各々に対してほぼ等しい
電界強度となるように、両者の厚さを選んで、自己回復
型コンデンサに形成されている、 ことによって解決されている。
この発明による他の有利な構成は特許請求の範囲の従属
請求項に記載されている。
〔作用と効果〕
この発明によるコンデンサでは、ポリエステル誘電体の
電界強度が 300 V/μmあるいはそれ以上に上昇する
が、公知のコンデンサでは約 150 V/μmの電界強度し
かない。このような電界強度では、どうしてもコンデン
サを通常のように使用すると、絶縁破壊が生じる。電界
強度に応じて、この種の絶縁破壊は、例えば平均で約 2
5 回充放電した後にのみ生じるか、より高い使用電圧で
充電する毎に少なくとも1回の絶縁破壊が生じる。しか
し、コンデンサを自己回復コンデンサとして形成してあ
るので、絶縁破壊はコンデンサを破損することになら
ず、意外なことに、これ等の絶縁破壊はコンデンサを組
み込んだ機器の通常の機能を損なわない。即ち、この種
の絶縁破壊によって、例えば充電に 4,000 Vで 10 sec
かかるコンデンサの充電時間が著しく長くなることはな
い。電圧もこの種の絶縁破壊により、例えば 4,000 Vか
ら 3,900 Vに極く僅か低下するに過ぎない。この種の電
圧損失は細動除去器内で使用するのに重要ではない。電
気エネルギの損失は 45 μF の静電容量で約 2 J(ジュ
ール)で、機能にも影響を与えない。
このコンデンサは自己回復性を有するので、絶縁破壊で
破損することがなく、従って早期破損の問題も解決され
る。このコンデンサは 10,000回の放電以上の寿命を有
し、この寿命は細動除去器にとって充分である。コンデ
ンサの寿命の終わりは、コンデンサの突然の故障によっ
て判明するのでなく、100 A 以下の比較的大きい電流が
流れる放電によってコンデンサの金属化処理部が損傷す
ること、および自己回復効果によるコンデンサ表面積の
僅かな部分が壊れる絶縁破壊が生じる毎に、コンデンサ
の有効静電容量がゆっくりと減少することによって判明
する。
従って、この発明によるコンデンサは、万一の場合に何
らかの理由のため、真新しい代替コンデンサの提供が間
に合わないなら、想定される使用時間以上機器内に留め
ておくことができる。
絶縁破壊の場所で生じる一回の絶縁破壊では、コンデン
サのケースに液状誘電体を完全に満たしている時でも、
熱となる電気エネルギがケースを開放するほど強力な圧
力スパイクが生じない程度に小さい(上記の例で、2
J)。このことは、コンデンサに例えば 400 Jと言う極
めて多量のエネルギを蓄えることができ、 10 J 〜 20
J のエネルギを著える従来のコンデンサでは、コンデン
サの絶縁破壊がケースを破損させることを考えると以外
である。
この発明によるコンデンサにとって、上記のコンデンサ
をそれ自体公知の形態で巻装コンデンサとして形成し、
付属する合成樹脂フィルムと両方の導電層が長さに比べ
て非常に狭い幅を有することが大切である。実施例で
は、幅が約8 cm で、長さが約 40 m 以上である。そう
すると、一つの絶縁破壊箇所に流れる電流に対する金属
化処理部の表面抵抗は、相当高い平均抵抗となる。何故
なら、電流はただ一つの層の金属化処理部を流れるから
である。これに反して、コンデンサの通常の放充電電流
は金属化処理部の長手縁部に接続する接触部を経由して
流れる。つまり、ほぼ円筒状のコンデンサ巻装体の端面
に付けた金属層を介してその時々に流れ、個々の金属化
処理部の全ての抵抗部分が平行に接続される。従って、
全抵抗は小さくなる。
多数の合成樹脂フィルムがそれぞれの導電層に対して付
属している場合には、更に誘電体の電圧強度をより良く
利用できる。何故なら、偶然存在する誘電体中の欠陥箇
所は多くのフィルムで正確に重なった位置に来ないから
である。従って、絶縁破壊の数が比較的少なくなる。個
々の絶縁破壊はコンデンサを傷めるのでなく、コンデン
サの静電容量は一枚のフィルムの損傷のために充電毎に
非常に多くの絶縁破壊が生じる時には、長い間に不利な
影響を受ける。
上記の表面抵抗は金属の種類や金属層の厚さによって異
なる。この表面抵抗は単位正方表面要素に対して定義さ
れ、表面抵抗の値は正方形の表面要素の実際の大きさに
無関係である。
コンデンサで使用する種々の誘電体(例えば、ポリエス
テルや含浸紙)は種々の電気絶縁破壊強度を有し、この
ことは限界電界強度が異なることと同じである。ここ
で、限界電界強度とは、誘電体のどんな任意の箇所でも
絶縁破壊が確実に生じる電界強度を意味する。この発明
によれば、コンデンサはこれ等の異なる限界強度がほぼ
同じ強さで、例えば誘電体が絶縁破壊する電界強度の 8
0%で利用されるような構造にしてある。
コンデンサの高い直流電圧は極端に短い時間のみ作用す
るのでなく、通常数秒の間、誘電体のオーム抵抗が種々
の誘電体中で生じる電界強度に対して明らかに役割を演
じている。ここで、絶縁抵抗を表す値は誘電体の厚さが
厚い程大きく、誘電体の表面が広い程小さい。従って、
コンデンサがただ一つの誘電体を使用して作製されてい
る場合には、絶縁抵抗とコンデンサの静電容量との積が
一つの材料係数となり、この係数が各測定条件、例えば
温度や電圧に強く依存する。この誘電体によって特別な
コンデンサを作製する場合、誘電体の表面と厚さから、
つまり誘電体の両面に導電層を付けたとき生じる静電容
量ら、オームないしはメガオームの範囲で測定される絶
縁抵抗が定まる。前記材料係数はここでは比絶縁抵抗と
名付ける。
コンデンサ中の電界強度分布に及ぼす絶縁抵抗の影響
は、例えばポリエステルフィルムと紙の層から成る誘電
体を有するコンデンサを二つのコンデンサの直列回路と
して考えると明確になる。そのうちの一方がポリエステ
ルのみの誘電体を有し、他方が紙のみの誘電体を有す
る。どのコンデンサも抵抗が並列に接続され、その抵抗
は特別なポリエステルフィルムないしは紙の層の絶縁抵
抗に一致している。同じように直列接続された等価回路
の抵抗はコンデンサの電圧分布に、従って異なる誘電体
中の電界強度に影響を与える。
絶縁抵抗(上に定義した)に対する限界電界強度(上に
定義した)の比が個々の誘電体でほぼ等しくなるよう
に、誘電体の材料とその厚さを選ぶと有利である。この
場合、種々の誘電体の絶縁破壊強度を同じように利用す
ることも望ましい。文献によると、比絶縁抵抗の既知の
値は極めて低い電圧、例えば数 Vに相当する。この発明
のコンデンサの場合のように、発生する電界強度が限界
電界強度に近い場合、上記の比絶縁抵抗は低電圧の場合
の値の数分の1の値になる。コンデンサ中の種々の誘電
体では、比絶縁抵抗が同じ係数ほど減少したかどうかは
確かではない。実施例で説明するコンデンサでは、誘電
体の電圧強度あるいは限界電界強度の約 80 %まで利用
される。絶縁破壊が極く稀にしか生じないと言う事実
は、電界強度が非常に大きい場合、比絶縁抵抗がこの応
用例に対して充分な正確さで同じ係数ほど低減している
ことを示唆している。電界強度が大きい場合、絶縁抵抗
が減少することは、既にコンデンサを充電している間に
生じる。誘電体の一つが絶縁破壊強度に近づくと、その
絶縁抵抗が減少するので、他の誘電体の電界強度が急速
に上昇する。このことは、前記の等価回路図を考慮する
と明らかになる。従って、充電中絶縁抵抗の前記の電圧
依存性によって電界強度に対する実際の電界強度の比は
種々の誘電体でこの発明の目的が達成さない程大きく異
なってはいない。電界強度が限界電界強度に近い程、絶
縁抵抗が小さい。
総じて、この発明によるコンデンサは誘電体がポリビニ
リデンフロライドである。冒頭に説明したコンデンサと
比べて、誘電損失が僅か約 0.1〜 0.5%と少ない利点を
有する。特に細動除去器に一般に利用されているような
電池で動作させている時には、ただ一回の電池充電から
多くのショックが生じる。誘電体としてポリエチレンテ
レフタレートを有する上記の公知コンデンサに比べて、
エネルギ密度が非常に大きい、つまり体積が非常に小さ
いと言う利点がある。
この発明の利点は、公知の放電コンデンサに比べて、重
量が非常に軽い点にもある。公知のコンデンサは、導電
層として分離した金属層を使用し、これ等の金属層は非
常に厚いので、金属化処理部より相当大きい重量を有す
る。
自己回復に好都合な層は、特にセルローズを含んでいる
か、セルローズ化合物を基礎にして作製されている。こ
の種の材料は、例えばセルローズアセテートブチレート
やセルローズアセテートであるこの種の材料は絶縁破壊
時に生じる高温に耐える。そのような高温は金属化処理
部が蒸発する絶縁破壊箇所の周りの一定範囲でも生じ
る。これに反して、ポリエステルフィルムは金属化処理
部の支持体としては適していない。何故なら、ポリエス
テルフィルムは絶縁破壊が発生すると破損するからであ
る。
この発明の実施態様では、導電層は金属化紙の金属化処
理部である。金属化紙は、自明のように、蒸着された錫
あるいはアルミニウムを有するラッカー紙で、しかも液
状誘電体、特にシリコンオイルが含浸させてある。シリ
コンオイルは、通常の使用で生じる絶縁破壊の数を抑制
するから、特に好都合であることが実証されている。そ
れに反して、例えばヒマシ油を用いた実験では、この種
の材料が多数の絶縁破壊を誘起することを示している。
コンデンサの個々の絶縁破壊は有害でないとは言え、一
般に絶縁破壊の回数を相当少なく抑える努力が払われて
いる。何故なら、この種の絶縁破壊は何れも非常に大き
くないが、騒音が聞こえるからである。
金属化紙を用いる実施態様の利点は、支持体として金属
化処理部を用いる紙、即ちラッカー紙は本体に高温に耐
えるので、絶縁破壊が生じるとき、コンデンサの破損に
対して安全性が高い。両方の導電層に金属化紙を使用し
て、コンデンサは高い確実性で自己回復する。つまり、
電圧絶縁破壊が生じた場合、絶縁破壊箇所の周囲で金属
化紙の金属層が蒸発することによって持ち堪える。前記
の誘電体の少なくとも2枚の、特に正確に2枚の合成樹
脂フィルムを使用すると、ただ1枚のフィルムを使用す
る場合と比べて、絶縁破壊に対する安全性を相当高める
ことができる。何故なら、合成樹脂フィルム中の欠陥箇
所が正確に同じ位置で現れる可能性は非常に少ないから
である。
約2〜 15 Ωの表面抵抗の範囲で、外部の細動除去器に
適しているコンデンサを約 400 Jの蓄積エネルギで実現
できる。これは単巻としてあるいは数層巻の並列回路と
して作製できる。そのようなコンデンサの全静電容量は
約 10 〜 50 μF であり、印加された直流電圧は約 4,0
00〜 6,000Vになる。しかし、内部細動除去器の場合の
ような、単一の場合には、それ以下 600 Vまでの直流電
圧を利用することもできる。多数のコンデンサ巻装体あ
るいは約 400 Jの前記蓄積エネルギを与える仕上コンデ
ンサを並列接続すると、コンデンサ巻装体あるいはコン
デンサを太い導線で接続するようなエネルギ分割を行う
特別な処置を施さなくてもよい。
金属化処理部に最大 30 Ωまでの表面抵抗を用いると有
利である。しかし、金属化処理部の縁部分、即ち接続導
線に接続する吹付金属層への接続部があるところで、金
属化処理部を幾らか厚くし、表面抵抗も2〜 15 Ωで形
成すると効果的である。
この発明は蓄積可能エネルギが 200 J〜 500Jのエネル
ギ範囲にある公知技術と比べて優れた利点を有する。こ
のエネルギ範囲のコンデンサは、成人の外部細動除去に
必要とされる。しかし、この発明は 50 J 〜 200 J間の
蓄積可能なエネルギを有するコンデンサに使用すること
もできる。これ等のコンデンサは、子供の外部細動除去
に必要であり、心臓の状況に必要とされる。即ち、心室
の鼓動以外のリズムの乱れを処理することにある。結
局、この発明は内部細動除去、つまり挿入された細動除
去器に必要であるように、蓄積可能なエネルギの 10 J
〜 50 J の範囲内のコンデンサに適している。
上に説明したように、金属化紙と2枚の合成樹脂フィル
ムを有するコンデンサで得られるエネルギ密度は、約
1.2 J/cm3で、その時の紙とフィルムの厚さはそれぞれ
6μmである。例えば、電気的に並列接続されている、
それぞれ 11 μF の2個の巻装体を有するコンデンサ
は、 6 KV の電圧で 400 Jの電気エネルギを有し、 350
cm3のケースを占めている。
同じ構造の構成であるが、異なった誘電体の厚さで同じ
エネルギ密度の場合、以下の特性を有する挿入可能な細
動除去器用コンデンサを形成できる。蓄積エネルギは 1
0 J 〜 500 J(主に 20 J〜 50 J)の場合、広範囲に任
意な静電容量と電圧値を有する。
この発明によるコンデンサでは、2枚の合成樹脂フィル
ムを用い、紙(ラッカー紙)と各合成樹脂フィルムの厚
さが約6μmであると有利である。その場合、錫製の金
属化処理部の厚さは、約2〜 15 Ωの前記表面抵抗を実
現するため、約 0.01〜 0.02 μmとなる。この種のコ
ンデンサで実現できるエネルギ密度は、使用電圧で約
0.5 J/cm3〜 1.2 J/cm3である。従って、この発明の実
施態様で誘電体は全体の厚さが約 18 μmである。これ
は約 6,000 Vの電圧で 333 V/μmの全誘電体にわたる
平均電界強度を与え、市販のコンデンサの負荷は 150 V
/μm以下である。即ち、この発明では誘電体の電界強
度が従来の技術の場合より遥かに多く活用されている。
表面抵抗が約 2〜 15 Ωになる上に述べた実施態様で
は、主に約 5〜 10Ωの範囲が使用される。その理由
は、この範囲を技術的に特に容易に実現させることがで
きるからである。表面抵抗が約 2〜 15 Ωの前記実施態
様では、この表面抵抗を選ぶことによって、金属化処理
部の自己回復性に消費されるエネルギを小さくし、絶縁
破壊作用の生じないことが保証される。これ等の実施態
様では、コンデンサの負荷特性や、充放電の反復回数で
表される寿命は、制限されている。計算と実験の結果
は、約 2〜 15 Ωの上記表面抵抗と前記に近いコンデン
サの静電容量の場合、約 100 Aのピーク電流と約 100,0
00の発生可能なパルス数に対する限界を与える。上記の
負荷とパルス数以上で、無視できない金属化処理部の破
壊と、それによる静電容量の減少が生じる。細動除去器
では、 100 Aのコンデンサのピーク電流は決して流れ
ず、20,000 個のパルスまたは衝撃に対して充分な寿命
があることが知られている。
〔実施例〕
以下では、この発明によるコンデンサとコンデンサバッ
テリーを実施例に基づき図面の助けを借りてより詳しく
説明する。
第1図には、全く同じように形成された2つの多重層1
と2が示してある。どの多重層も錫製の金属層4,4′
を有する紙5,5′とポリエチレンテレフタレート製の
2枚の合成樹脂フィルム6,7とで構成されている。金
属層4,4′を有する紙5,5′は、所謂金属化紙と言
われるものである。この紙5,5′自体はラッカー紙で
ある。ラッカー層はセルローズアセテートでできている
が、例えばアセチルブチルセルローズを使用できる。ラ
ッカーは表面が滑らかで、約 0.5μmの厚さに塗布され
ている。金属層4は紙5の右縁部まで達していないが、
左縁部まで達している。他方、金属層4′は紙5′の右
縁部まで達しているが、左縁部まで達していない。どち
らの側でもその間隔は3mmである。紙5,5′と合成樹
脂フィルム6,7は同じ幅である。多重層1と2を巻き
付けて形成されるコンデンサ10の第1図の左右の端面
には、亜鉛製の金属被膜11と12が吹き付けてあり、
この金属被膜11と12は金属層5,5′に接続し、金
属被膜11と12に接続導線をハンダ付けできる。金属
層4,4′は 7.5Ωの表面抵抗を有し、それぞれ 15 nm
の厚さである。亜鉛の下側には、0.2 〜 0.5 nmの厚さ
の銀の被膜がある。
乾燥紙は 10,000 〜 15,000 MΩ×μF (低電界強度で
測定して)の比絶縁抵抗を有する。シリコンオイルを含
浸させた場合、この紙は約 25,000 MΩ×μF の比絶縁
抵抗を有する。限界電界強度は約 250 V/μmになる。
使用するポリエステルの比絶縁抵抗は 50,000 MΩ×μF
になる。紙の層5,5′と両方の合成樹脂フィルム6
と7はそれぞれ6μmの厚さである。この比較的大きい
表面抵抗によって、第2図のコンデンサバッテリーがエ
ネルギ分離のために特別な処置を必要としない、つまり
抵抗またはインダクタンスを必要としない程度に、電圧
破壊時のピーク電流を強く低減する。第1図の中で見え
る紙の層と合成樹脂フィルムの幅は、この実施例の場
合、 80 mmで、第1図の中で見えない長さは 48 m であ
る。この場合、巻装体では層およびフィルムが相互に密
着し、仕上がりコンデンサに液状の誘電体、つまりシリ
コンオイルが充填されているが、このコンデンサ巻装体
は 11 μF の静電容量を有する。コンデンサ巻装体の外
側に巻き付けた、約 70 μmの厚さの自己接着性ポリエ
ステルテープによって、この巻装体が自然に解けること
が防止されている。巻装されたコンデンサでは、フィル
ムは 20 〜 25N(ニュートン)の力で引っ張られている。
ポリエチレンテレフタレートの誘電率は 3.2,液状誘電
体を含浸させた紙の誘電率は 4.8である。全体では、こ
のように形成された混合誘電体に対して 4.2の平均誘電
率となる。
仕上個別コンデンサまたはコンデンサ巻装体10を形成
するため、多重層1と2を合成樹脂の巻心15に巻き付
ける。幾つかの実施例では、この巻心15は合成樹脂の
円管で形成されているので中空である。この個別コンデ
ンサはケースに組み込むことができる。
しかし、第2図の実施例では、アルミニューム製の引抜
金属キャップ21によって形成されたケース60に絶縁
層22を介在させた二個の個別コンデンサ10が組み込
んである。ケース60の中心部で両方の個別コンデンサ
10を対向させる金属被膜11と12は、ハンド付け箇
所25で接続導線24によって互いに接続され、導線2
6は導線24に接続され、第2図で右の個別コンデンサ
10も巻心15を通って右に案内され、ケース60を閉
じる金属カバー28のところで絶縁組み込みされた接続
ソケットに通してある。左の個別コンデンサ10の金属
被膜11は両方の巻心15の中を通っている中継導線3
2を介して右の個別コンデンサ10の金属被膜12に接
続し、カバー28の中を貫通して外向きに接続端子34
に通じている。
コンデンサバッテリ20は金属キャップ21の中に組み
込まれ、ケースに液状誘電体36が充填されている。こ
の場合、充填は紙に空気が混入するのを防止するため、
それ自体公知の方法を用いて真空中で行われる。次い
で、カバー28を気密装着する。ケースの内部の中継導
線は接続端子26と34を保持しているカバーを閉じる
前に接続させるため、充分長くしてある。こうして、コ
ンデンサバッテリ20は使用可能で、任意の極性の直流
電流に接続できる。ケースの中継導線の抵抗は無視でき
る。
第2図のコンデンサは直径 50 mm,長さ 180mm,重さ 5
10 gのケースの諸元を有する。このコンデンサは 22 μ
F の静電容量である。重さに対するエネルギ密度は、使
用電圧が 6,000 Vの場合、0.77 J/gで、明らかにポリエ
ステル誘電体を有する従来のコンデンサより高い。使用
電圧が5,700V の場合には、稀にしか絶縁破壊は生じな
い(平均 25 回の充電を生じる)。6,500 V では、充電
する毎に少なくとも1回の絶縁破壊が生じる。シリコン
オイルとしてはフランスのローヌ・プーラン(Rhone-Po
ulenc)のメチルポリシロキサン 47V 100 を使用してい
る。
このコンデンサは、使用電圧が 6,000 Vの場合、333 V/
μmの平均電界強度を有する。紙の中では、電界強度は
150 V/μmで、ポリエステル中では電界強度は 400 V/
μmなる。これ等の値は計測技術で求めたものである。
第1図と第2図に示すコンデンサの変形では、それぞれ
厚さ 6μmの2枚の合成樹脂層の代わりに、それぞれ厚
さ 4μmの同じポリエステルの2枚の合成樹脂フィルム
が使用されている。そうすると、使用電圧が 4,400 Vの
場合、紙の中で電界強度が 2,000V/μmで、合成樹脂中
で 400V/μmである。ここでは、両方の誘電体の限界電
界強度を 80 %まで利用している。
このコンデンサは 40 μF の静電容量を有し、上記電圧
で約 400 Jのエネルギを蓄積する。
従って、コンデンサの体積がケースを含めてコンデンサ
巻装体の体積より約 10 〜 15 %大きい。第1図と第2
図の例では、それぞれ 6μmの厚さの合成樹脂フィルム
を有する説明したコンデンサは、使用電圧が 5,700 Vの
場合、約 1 J/cm3のエネルギ密度を有する。 4μmの合
成樹脂フィルムの厚さを有する改良されたコンデンサ
は、使用電圧が4,400 V の場合、約 1.1 J/cm3のエネル
ギ密度を有する。
第3図に示すコンデンサは、第1図の2枚のフィルム
6,7の代わりに、それぞれ 2μmの厚さの同じ材料の
3枚のフィルム86,87,88を有する。ここでは、
多重層に符号81,82が付けてある。このコンデンサ
は、第1図のコンデンサとは、約 50 μF の静電容量、
4,000 V の使用電圧および 400 Jのエネルギを有する点
で電気的に異なっている。
ポリエチレンテレフタレートまたは他のポリエステルの
代わりに、他の合成樹脂を使用することもできる。
これ等の実施例は、この発明の説明にのみ使用され、そ
れに限定するものではない。特に、この発明を用いるこ
とによって、これ等の実施例より高いエネルギ密度を実
現させることもできる。
【図面の簡単な説明】
第1図、巻き付けた状態でコンデンサを形成する個別コ
ンデンサの両方の多重層の横断面図。 第2図、1個の金属ケース中に2つのコンデンサを有す
るコンデンサバッテリの縦断面図。 第3図、第1図に似た他のコンデンサの断面図である。 図中参照符号: 1,2……多重層 4,4′……導電層 5,5′……紙の層 6,7,86,87,88……合成樹脂フィルム 10……コンデンサ 11,12……金属被膜 60……ケース
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭57−78126(JP,A) 実開 昭52−59248(JP,U) 実開 昭56−46242(JP,U) 実開 昭55−181334(JP,U) 実開 昭49−4932(JP,U) 実開 昭56−134735(JP,U) 実開 昭56−78549(JP,U)

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の合成樹脂フィルムと、これ等のフィ
    ルムで分離されている二枚の導電層(4)とを備え、前
    記合成樹脂フィルムと前記導電層を一緒に巻装してケー
    ス(60)に装填し、少なくとも 0.4 J/cm3のエネルギ
    密度、600 〜 6,000 Vの使用電圧および10〜 500 Jの電
    気エネルギ蓄積能力を有する細動除去器用の高エネルギ
    で高直流電圧の放電コンデンサにおいて、 好ましくはポリエステル、ポリエチレンテレフタレート
    製の複数の合成樹脂フィルム(6,7;86,87,8
    8)を導電層(4)の各々に密着させ、 各導電層(4)を 2〜 30 Ωの表面抵抗を有する金属化
    処理部で形成し、 自己回復作用を助長する補助絶縁フィルム(5)の上に
    前記金属化処理部を装着し、前記補助絶縁フィルム
    (5)を前記合成樹脂フィルム(6,7;86,87,
    88)の一方の上に装着し、 動作電圧を印加した時、230 〜 360 V/μmの平均電界
    強度となるように、前記合成樹脂フィルム(6,7;8
    6,87,88)と前記補助絶縁フィルム(5)の全体
    の厚さを選び、前記合成樹脂フィルム(6,7;86,
    87,88)と前記補助絶縁フィルム(5)の各々に対
    してほぼ等しい電界強度となるように、両者の厚さを選
    んで、自己回復型コンデンサに形成されている、 ことを特徴とする放電コンデンサ。
  2. 【請求項2】前記合成樹脂フィルム(6,7;86,8
    7,88)と前記補助絶縁フィルム(5)の各々に対し
    て絶縁抵抗に対する限界電界強度の比がほぼ等しくなる
    ように、それぞれのフィルムの材料とその厚さが選択さ
    れていることを特徴とする特許請求の範囲第1項に記載
    のコンデンサ。
  3. 【請求項3】ケース(60)には液状の誘電体が満たし
    てあることを特徴とする特許請求の範囲第1項または第
    2項に記載のコンデンサ。
  4. 【請求項4】自己回復作用を助長する補助絶縁フィルム
    (5)はセルローズまたはセルローズ化合物の基体で形
    成されていることを特徴とする特許請求の範囲第1〜3
    項の何れか1項に記載のコンデンサ。
  5. 【請求項5】導電層(4)は金属紙の金属化処理部であ
    ることを特徴とする特許請求の範囲第4項に記載のコン
    デンサ。
  6. 【請求項6】導電層(4)の各々には二枚の合成樹脂フ
    ィルム(6,7)が密着していることを特徴とする特許
    請求の範囲第1〜5項の何れか1項に記載のコンデン
    サ。
  7. 【請求項7】前記補助絶縁フィルム(5)と前記合成樹
    脂フィルム(6,7)の各々の厚さは約 6μmであるこ
    とを特徴とする特許請求の範囲第6項に記載のコンデン
    サ。
  8. 【請求項8】導電層(4)の各々には少なくとも三枚の
    合成樹脂フィルム(86,87,88)が密着している
    ことを特徴とする特許請求の範囲第1〜5項の何れか1
    項にに記載のコンデンサ。
  9. 【請求項9】導電層(4)の厚さは約 6μmで、合成樹
    脂フィルム(86,87,88)の各々の厚さが約 4μ
    mであることを特徴とするする特許請求の範囲第5項ま
    たは第8項に記載のコンデンサ。
  10. 【請求項10】導電層(4)の表面抵抗は 5〜 10 Ωで
    あることを特徴とする特許請求の範囲第1〜9項の何れ
    か1項に記載のコンデンサ。
  11. 【請求項11】導電層(4)の表面抵抗は 10 〜 30 オ
    ームであり、導電層(4)のには5〜 10 オームの表面
    抵抗を有する補強縁部があることを特徴とする特許請求
    の範囲第1〜9項の何れか1項に記載のコンデンサ。
  12. 【請求項12】使用電圧は 4,200 V,静電容量は約 45
    μF,蓄積エネルギは約 400 Jであることを特徴とする
    特許請求の範囲第1〜11項の何れか1項に記載のコン
    デンサ。
  13. 【請求項13】液状誘電体(36)はシリコンオイルで
    あることを特徴とする特許請求の範囲第1〜12項の何
    れか項に記載のコンデンサ。
  14. 【請求項14】蓄積エネルギは 10 J と 50 J の間にあ
    ることを特徴とする特許請求の範囲第1項に記載のコン
    デンサ。
  15. 【請求項15】蓄積エネルギは 50 J と 200 Jの間にあ
    ることを特徴とする特許請求の範囲第1項に記載のコン
    デンサ。
  16. 【請求項16】蓄積エネルギは 200 Jと 500 Jの間にあ
    ることを特徴とする特許請求の範囲第1項に記載のコン
    デンサ。
JP59063444A 1983-04-02 1984-04-02 高エネルギで高直流電圧の放電コンデンサ Expired - Lifetime JPH0654746B2 (ja)

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