JPH0655748B2 - 不斉ビスホスフィン - Google Patents

不斉ビスホスフィン

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JPH0655748B2
JPH0655748B2 JP63243267A JP24326788A JPH0655748B2 JP H0655748 B2 JPH0655748 B2 JP H0655748B2 JP 63243267 A JP63243267 A JP 63243267A JP 24326788 A JP24326788 A JP 24326788A JP H0655748 B2 JPH0655748 B2 JP H0655748B2
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は(+)又は(−)−トランス−4,5−ビス
[ビス(4−メトキシ−3,5−ジメチルフェニル)ホ
スフイノメチル]−2,2−ジメチル−1,3ジオキソ
ランである不斉ビスホスフィンに関する。
この不斉ビスホスフィンは光学活性リグナン類などの医
薬品中間体として有用な光学活性α−ベンジルコハク酸
ハーフエステル誘導体及びβ−ベンジル−γ−ブチロラ
クトン誘導体を製造する際の不斉水素化反応の触媒配位
子としての用途がある。
[従来の技術] 一般式: (式中、Aはアリール基、*は不斉炭素を表わす) で示される光学活性α−ベンジルコハク酸ハーフエステ
ル誘導体及びこのもののエステル部分を選択的に還元し
て得られる 一般式: (式中、Aはアリール基、*は不斉炭素を表わす) で示される光学活性β−ベンジル−γ−ブチロラクトン
誘導体は制癌作用などの生理活性を示す光学活性リグナ
ン類の重要な合成中間体であるが、このものを得るため
に不斉ビスホスフィン配位子と遷移金属との錯体を触媒
とした不斉水素化反応が利用されてきた。
即ち、ストッベ(Stobbe)反応により得られるα−ベンジ
リデンコハク酸ハーフエステル誘導体を、BPPM−ロ
ジウム錯体触媒を用いる不斉水素化反応により光学活性
α−ベンジルコハク酸ハーフエステル誘導体に導く方法
(Heterocycles,Vol.12,515(1979))がそれである。
この不斉水素化反応を用いる方法は、上記中間体を得る
他の方法、例えばL−グルタミン酸を出発物質とする多
段階の不斉合成(Tetrahedron Letters,4687(1978))、ま
たはα−ベンジルコハク酸ハーフフェステルを光学分割
する方法((Tetrahedron Letters,Vol.26,3997(1985))等
に比べ工程が短く、かつ高収率で目的とする中間体が得
られることから大量生産可能な方法として期待されるも
のである。
このように上記したBPPM−ロジウム錯体は上記中間
体の大量生産可能な触媒として有望視されている。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、従来のBPPM類を配位子としたロジウ
ム錯体を触媒とする不斉水素化反応の場合、光学収率7
8%e.e.程度であり、実操業上満足できる水準には
達していない。この方法を実用性のあるものとするに
は、より高い光学収率および活性を示す水素化触媒、特
にそれらの主要因となる不斉触媒配位子の開発が必要と
されるところである。
そこで、本発明者は、光学活性α−ベンジルコハク酸誘
導体を製造する際の不斉水素化反応の触媒配位子の開発
を目的とし、1,3−ジオキソラン骨格を有する不斉ビ
スホスフィン類について種々検討した結果、特定の化学
式を有する新規な不斉ビスホスフィンを上記触媒配位子
として使用する時、1,3−ジオキソラン骨格を有する
不斉ビスホスフィンとして従来よりよく知られているD
IOPより格段に高い光学収率を示すばかりでなく、B
PPM類に比べても高い光学収率を示すことを見出し本
発明を完成したものである。
本発明は上記新規な不斉ビスホスフィンを提供すること
を目的とする。
[課題を解決するための手段] 本発明は、一般式; (式中、*は不斉炭素を表わす) で表わされる(+)又は(−)−トランス−4,5−ビ
ス[ビス(4−メトキシ−3,5−ジメチルフェニル)
ホスフイノメチル]−2,2−ジメチル−1,3−ジオ
キソランである不斉ビスホスフィンである。
(+)又は(−)−トランス−4,5−ビス[ビス(4
−メトキシ−3,5−ジメチルフェニル)ホスフイノメ
チル]−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン(以
下、(+)、又は(−)−不斉ビスホスフィンという)
は上記式中4個のホスフィノ基以外の骨格がそれぞれ下
式: で示す対称型不斉分子になっている。
本発明の新規な不斉ビスホスフィンはL−(+)−及び
D−(−)−酒石酸ジエチルより公知の方法により得ら
れる(−)および(+)−トランス−4,5−ビス(ト
シロキシメチル)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキ
ソランに、新規物質であるビス(4−メトキシ−3,5
−ジメチルフェニル)ホスフィンをノルマルブチルリチ
ウムと処理して得られるリチウムホスファイドを低温で
反応せしめることにより得られる。
本発明の新規な不斉ビスホスフィンを、例えば水素化反
応の触媒に使用する場合は、不斉ビスホスフィンを配位
子としたロジウムカチオン錯体、又はロジウム中性錯体
にして用いられる。
そして、これらのロジウム錯体は光学活性α−ベンジル
コハク酸ハーフエステル誘導体を製造する際の不斉化水
素反応において次のような特徴を示す。
87%e.e.以上の高い光学収率を与える。
触媒使用量が基質に対して0.2モル%、及び常温、
常圧下で還元が略完全に進行する。
カチオン錯体、中性錯体のどちらでもほぼ同様の光学
収率および活性を示す。
[発明の効果] 本発明の新規な不斉ビスホスフィンは光学活性α−ベン
ジルコハク酸ハーフェステル誘導体、及びβ−ベンジル
−γ−ブチロラクトン誘導体を工業的に製造する際の有
用な触媒配位子となり得る。
[実施例] 本発明の新規な不斉ビスホスフィンは例えば次に示す製
造例によって製造される。
製造例1 (+)−不斉ビスホスフィンの製造 1−(1)、4−メトキシ−3,5−ジメチルブロモベン
ゼンの合成 4−ブロモ−2,6−ジメチルフェノール20g(9
9.5ミリモル)ジメチル硫酸25g(198ミリモ
ル)、50%テトラブチルアンモニウムブロマイド水溶
液3.3gをベンゼン100mlに溶解し、室温攪拌下4
8%水酸化ナトリウム水溶液21gを滴下した。滴下
後、室温で1時間攪拌を続け、次いで1.5時間加熱還
流し、反応を完結させた。室温まで冷却し、水50mlを
加え分離したベンゼン層をさらに水50ml飽和食塩水1
00mlで洗浄した。ベンゼン層を硫酸マグネシウムで乾
燥した後、ベンゼンを減圧下留去し、黄色液体20.8
5gを得た。このものは、NMR等により4−メトキシ
−3,5−ジメチルブロモベンゼン(I)であることを
確認した。この化合物(I)は収率97%であった。
1−(2)ビス(4−メトキシ−3,5−ジメチルフェニ
ル)ホスフィンオキサイドの合成 前工程で得た化合物(I)9.67g(45ミリモル)
をテトラヒドロフラン(30ml)中でマグネシウム粉末
1.12g(46ミリモル)と処理しグリニャール試薬
を調整し、次いで、このものに亜リン酸ジブチル2.9
1g(15ミリモル)のテトラヒドロフラン(25ml)
溶液を滴下し、室温で1時間攪拌した後、2時間加熱還
流した。室温まで冷却後、減圧下テトラヒドロフランを
留去して得られた灰色の残渣をエーテルに溶解し、次い
でこのものに氷冷下10%塩酸50mlをゆっくり滴下
し、加水分解した。エーテル層を分離し、水層をさらに
エーテルで抽出し(50ml2回)、先のエーテル層と合
わせ飽和重曹水50mlで洗浄し、無水硫酸マグネシウム
で乾燥した。エーテルを減圧下留去後、得られた黄色の
油状物をシリカゲルクロマトグラフィー(展開溶媒;酢
酸エチル:エタノール=10:1)で精製し、粘稠な無
色油状物2.96gを得た。このものはNMR等により
ビス(4−メトキシ−3,5−ジメチルフェニル)ホス
フィンオキサイド(II)であることを確認した。この化合
物(II)は収率62%であった。
1−(3) ビス(4−メトキシ−3,5−ジメチルフェ
ニル)ホスフィンの合成 アルゴンガス雰囲気下、前工程で得た化合物(III)1.
60g(5.0ミリモル)のトルエン溶液(18ml)に
トリクロルシラン3.39g(25.0ミリモル)を加
え、80〜90℃の油浴中で12時間加熱攪拌した。次
いで、氷冷下、脱気した25%水酸化ナトリウム水溶液
20mlをゆっくり滴下した。滴下後、生成した白色固体
が完全に溶解し、トルエン層が透明になるまで室温で攪
拌を続けた。トルエン層を分離し、水層を脱気したベン
ゼン50mlで抽出し、これを先のトルエン層と合わせて
脱気した水50mlで洗浄すると共に、次いで脱気した飽
和食塩水で洗浄した後、アルゴンガス雰囲気下無水硫酸
マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧下留去し、得られ
た淡黄色油状物を減圧蒸留し、無色透明油状物901mg
を得た。このものはNMR等によりビス(4−メトキシ
−3,5−ジメチルフェニル)ホスフィン(III)である
ことを確認した。
沸点210−215℃(浴温)/2Torr、収率59%で
あった。
1−(4)(+)−不斉ビスホスフィンの合成 アルゴンガス雰囲気下、前工程で得た化合物(III)1.
50g(4.96ミリモル)のテトラヒドロフラン(1
5ml)溶液を−30〜−35℃に冷却し、攪拌下ノルマ
ルブチルリチウム(1.59M)ヘキサン溶液)3.1
ml(4.96ミリモル)を滴下した。得られた赤色の溶
液を同温度でさらに10分間攪拌した後、(−)−トラ
ンス−4.5−ビス(トシロキシメチメル)−2,2−
ジメチル−1,3−ジオキソラン701mg(1.49ミ
リモル)のテトラヒドロフラン(10ml)溶液を滴下し
た。同温度で一晩攪拌後、生成した不溶物をセライトで
吸引ろ別し、ろ液を減圧下濃縮した。得られた淡黄色油
状物をトルエン−5%酢酸エチルを展開溶媒としてシリ
カゲルクロマトグラフィーで分離生成し白色固体736
mgを得た。このものは以下のデータにより(+)−不斉
ビスホスフィンであることを確認した。このときの収率
は68%であった。
このものの物性値及び分析結果を示すと以下の通りであ
る。
物性値:融点128〜129℃(エタノールにより再結
晶) 施光度▲[α]21 ▼+14.4°(C=
1.08,ベンゼン) 元素分析(C435662) C H 計算値 70.67 7.72 実測値 70.81 7.62 製造例2(−)−不斉ビスホスフィンの製造 製造例1の1−(4)の工程と同様の操作により(+)−
トランス−4.5−ビス(トシロキシメチル)−2,2
−ジメチル−1,3−ジオキソランより白色固体を収率
45%で得た。このものは以下のデータより(−)−不
斉ビスホスフィンであることを確認した。このものの物
性値及び分析結果を示すと以下の通りである。
物性値:融点128.5-129.5℃(エタノールより再結晶) 施光度▲[α]27 ▼=−14.4°(C=1.0
2、ベンゼン) 元素分析(C435662) C H 計算値 70.67 7.72 実測値 70.35 7.63 使用例1、ロジウムカチオン錯体を触媒とした不斉水素
化反応 1−(1)ロジウムカチオン錯体の合成 アルゴンガス雰囲気下、製造例1で得た(+)−不斉ビ
スホスフィン125mg(0.171ミリモル)、クロロ
(1,5−ジクロオクタジエン)ロジウム(I),ダイ
マー[Rh(COD)C1]242mg(0.085ミリ
モル)にメタノール13ml加え室温で30分攪拌した。
次いで、このものにほうふっ化ナトリウム3.76g
(34.2ミリモル)の水(10ml)溶液をゆっくり滴
下した。滴下後、反応液は一時均一になり、その後黄色
の固体が析出してきた。さらに、1時間攪拌した後、反
応懸濁液を氷冷し、これに水70mlを加え攪拌した後、
析出した黄色固体をグラスフィルターで吸引ろ取し、さ
らに水で洗浄した。減圧乾燥し、黄色の固体170mgを
得た。
このものの分析結果は以下に示す通りである。
元素分析(C5168BF462Rh) 計算値 C=59.54 H=6.66 実測値 C=58.85 H=6.32 1−(2)不斉水素化反応 反応は下式に従って行われる。
(式中、Aはアリール基、*は不斉炭素を表わす) 50ml三方コック付ナスフラスコにストッベ(Stob
be)反応により合成したα−ベンジリデンコハク酸モ
ノメチルエステル誘導体(IV)を1ミリモル、トリエチル
アミン101mg(1ミリモル)、前記使用例1−(1)で
調整したロジウムカチオン錯体2.1mg(2×10-3
リモル)を秤取し、溶媒としてメタノール2mlを加え、
系内を充分に水素で置換した後、水素圧1気圧30℃の
温度で40時間反応させた。NMRより反応が完結した
ことを確認した後、メタノールを減圧下留去し、残渣に
氷冷下0.5規定の水酸化ナトリウム水溶液2mlを加え
攪拌した。次いで、このものに塩化メチレン4mlを加
え、触媒を抽出除去した後、水層を6規定の塩酸0.4
mlで酸性にした。エーテル60mlで抽出し、硫酸マグネ
シウムで乾燥した後、減圧下エーテルを留去し、α−ベ
ジルコハク酸モノメチルエステル誘導体(V)を得た。
収率はほぼ定量的であった。
この化合物(V)の光学収率は次の方法で決定した。
化合物(V)0.5ミリモルを塩化メチレン1.5mlに
溶解し、氷冷攪拌下ジシクロヘキシルカルボジイミド1
03mg(0.5ミリモル)(DCC)を加え、同温度で
15分間攪拌した後、モルホリン44mg(0.5ミリモ
ル)を加え、室温で1時間攪拌した。減圧下、塩化メチ
レンを留去し、次いで酢酸エステル10mlを加えた。不
溶物をグラスフィルターで吸引ろ別し、ろ液を減圧濃縮
し、アミド体を得た。このものをHPLC(カラム;Ch
iralcel OCダイセル化学工業(株)製、展開溶媒;
イソプロパノール:ノルマルヘキサン=1:1)で分析
し、光学収率を決定した。その結果は第1表の通りであ
る。
使用例2 ロジウム中性錯体を触媒とした不斉水素化反
応 20mlナスフラスコに製造例1で得た不斉ビスホスフィ
ン3.5mg(4.8×10-3ミリモル)[Rh(CO
D)Cl]21.0mg(2×10-3ミリモル)をはかり
取り、アルゴン雰囲気下脱気したメタノール1mlを加
え、30分間攪拌し、均一にさせ、黄色のロジウム中性
錯体溶液を調整した。反応は下式に従って行われる。
(式中、Arは *は不斉炭素を表わす) アルゴンガス雰囲気下50ml三方コック付ナスフラスコ
に上記式に示す化合物(VI)528mg(2ミリモル)、ト
リエチルアミン202mg(2ミリモル)を秤取し、脱気
したメタノールを加え溶解させ、これに先に調整した中
性錯体溶液を加え、系内を水素で充分置換した後、水素
圧1気圧、温度30℃で40時間反応させた。
次に、使用例1と同様の操作により処理精製し、NMR
より反応が完結していることを確認した後、使用例1と
同様の操作によりアミドとしHPLCにて光学収率を決
定した。このものの光学収率は93.6%e.e.であ
り、施光度は−27.3°(C=2.02、メタノー
ル)であった。
使用例3(−)−不斉ビスホスフィンを配位子とした錯
体を触媒として使用した不斉水素化反応 また、製造例2で得た(−)−不斉ビスホスフィンを配
位子として合成したロジウムカチオン錯体及びロジウム
中性錯体を触媒とした不斉水素化反応を前記した使用例
1及び2と同様な条件下で行った。その結果プラスの施
光度を持つα−ベンジルコハク酸誘導体を与え(+)−
不斉ビスホスフィンの錯体と同様な光学収率及び活性を
示すことを確認した。
比較例 従来の不斉ビスホスフィンを配位子としたロジウムカチ
オン錯体[Rh(COD)(−)−DIOP]BF
を触媒として用い、使用例1と同様の方法により下式
の反応を行った。
(式中、Aを、(−)−DIOPは を、*は不斉炭素を表わす) その結果、転化率100%、光学収率は56.3%e.
e.であった。施光度は-17.2°(C=2.04,メタノー
ル)であった。
以上のように本発明の(+)又は(−)−不斉ビスホス
フィンを配位子としたロジウム錯体は光学活性α−ベン
ジルコハク酸モノメチルエステル誘導体を製造する際の
不斉水素化反応において、87%e.e.以上の高い光
学収率を与えることができる。また、その触媒量も基質
に対して0.2モル%、及び常温、常圧下で還元が略完
全に進行し、かつカチオン錯体、中性錯体のどちらでも
略同様の光学収率及び活性が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 67/303 69/612 9279−4H C07F 15/00 B 9155−4H

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 (式中、*は不斉炭素を表わす) で表わされる(+)又は(−)−トランス−4,5−ビ
    ス[ビス(4−メトキシ−3,5−ジメチルフェニル)
    ホスフイノメチル]−2,2−ジメチル−1,3−ジオ
    キソランである不斉ビスホスフィン。
JP63243267A 1988-09-28 1988-09-28 不斉ビスホスフィン Expired - Lifetime JPH0655748B2 (ja)

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