JPH0657408A - 窒化ホウ素膜の形成方法 - Google Patents
窒化ホウ素膜の形成方法Info
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- JPH0657408A JPH0657408A JP21590292A JP21590292A JPH0657408A JP H0657408 A JPH0657408 A JP H0657408A JP 21590292 A JP21590292 A JP 21590292A JP 21590292 A JP21590292 A JP 21590292A JP H0657408 A JPH0657408 A JP H0657408A
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- boron nitride
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- nitride film
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-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C04—CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
- C04B—LIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
- C04B41/00—After-treatment of mortars, concrete, artificial stone or ceramics; Treatment of natural stone
- C04B41/45—Coating or impregnating, e.g. injection in masonry, partial coating of green or fired ceramics, organic coating compositions for adhering together two concrete elements
- C04B41/50—Coating or impregnating, e.g. injection in masonry, partial coating of green or fired ceramics, organic coating compositions for adhering together two concrete elements with inorganic materials
- C04B41/5053—Coating or impregnating, e.g. injection in masonry, partial coating of green or fired ceramics, organic coating compositions for adhering together two concrete elements with inorganic materials non-oxide ceramics
- C04B41/5062—Borides, Nitrides or Silicides
- C04B41/5064—Boron nitride
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 複雑な形状の基材に対しても密着性のよいc
BN膜を形成できる窒化ホウ素膜の形成方法を提供す
る。 【構成】 真空チャンバ1中に設置した基材4Aに対し
てホウ素9の蒸気10を蒸着すると同時にイオン源5か
ら窒素イオン又は窒素・希ガス混合イオン7を照射する
際に、まず、イオン7の加速電圧を主として立方晶から
なる窒化ホウ素膜を形成する条件より高めると共に基材
4Aに回転運動を与えて当該基材4Aに対するイオンの
照射方向を垂直方向から±90度の間で漸次変化させて
表面にて純粋な窒化ホウ素である傾斜組成層を形成し、
その後、主として立方晶からなる窒化ホウ素膜を形成す
る。
BN膜を形成できる窒化ホウ素膜の形成方法を提供す
る。 【構成】 真空チャンバ1中に設置した基材4Aに対し
てホウ素9の蒸気10を蒸着すると同時にイオン源5か
ら窒素イオン又は窒素・希ガス混合イオン7を照射する
際に、まず、イオン7の加速電圧を主として立方晶から
なる窒化ホウ素膜を形成する条件より高めると共に基材
4Aに回転運動を与えて当該基材4Aに対するイオンの
照射方向を垂直方向から±90度の間で漸次変化させて
表面にて純粋な窒化ホウ素である傾斜組成層を形成し、
その後、主として立方晶からなる窒化ホウ素膜を形成す
る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、その結晶構造が主とし
て立方晶からなる窒化ホウ素膜を複雑な形状の基材上に
密着性よく形成する窒化ホウ素膜の形成方法に関する。
て立方晶からなる窒化ホウ素膜を複雑な形状の基材上に
密着性よく形成する窒化ホウ素膜の形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】立方晶窒化ホウ素は硬質で熱伝導性、電
気絶縁性等に優れると共に反応性が低く、優れた耐摩耗
性材料である。従来、この立方晶窒化ホウ素を主として
含む窒化ホウ素(以下、cBNという)を膜として基材
上に形成する方法として、イオンを利用した蒸着法(以
下、イオン蒸着法という)、イオンプレーティング法、
あるいはプラズマCVD(化学蒸着)法などが研究され
ている。
気絶縁性等に優れると共に反応性が低く、優れた耐摩耗
性材料である。従来、この立方晶窒化ホウ素を主として
含む窒化ホウ素(以下、cBNという)を膜として基材
上に形成する方法として、イオンを利用した蒸着法(以
下、イオン蒸着法という)、イオンプレーティング法、
あるいはプラズマCVD(化学蒸着)法などが研究され
ている。
【0003】例えば、イオン蒸着法によるcBNの形成
法が提案されている(特開平2−259059号公
報)。この形成法は図6に示す装置を用いるものであ
る。
法が提案されている(特開平2−259059号公
報)。この形成法は図6に示す装置を用いるものであ
る。
【0004】図6に示す装置において、チャンバ1は排
気口2を備え、排気口2は図示しない真空源に連通して
いる。チャンバ1の上部には天井に取付けられている基
材ホルダ3が設けられており、この基材ホルダ3には基
材4が保持されている。一方、基材4に相対向するよう
に設置されているイオン源5は、例えばマイクロ波放電
型イオン源である。イオン源5はガス導入管6から供給
される窒素ガス又は窒素・希ガスの混合ガスをイオン化
して電界により加速し、上記基材4にイオン7として照
射するものである。また、チャンバ1の下部、基材ホル
ダ3の下方に配置されている蒸発源8は、例えば電子ビ
ーム蒸発源であって、その中に保持される蒸発材料であ
るホウ素9を溶融・蒸発させ、蒸気10を発生させるも
のである。さらに、チャンバ1の上部には、ホウ素蒸発
速度を測定する膜厚モニタ11が設けられている。
気口2を備え、排気口2は図示しない真空源に連通して
いる。チャンバ1の上部には天井に取付けられている基
材ホルダ3が設けられており、この基材ホルダ3には基
材4が保持されている。一方、基材4に相対向するよう
に設置されているイオン源5は、例えばマイクロ波放電
型イオン源である。イオン源5はガス導入管6から供給
される窒素ガス又は窒素・希ガスの混合ガスをイオン化
して電界により加速し、上記基材4にイオン7として照
射するものである。また、チャンバ1の下部、基材ホル
ダ3の下方に配置されている蒸発源8は、例えば電子ビ
ーム蒸発源であって、その中に保持される蒸発材料であ
るホウ素9を溶融・蒸発させ、蒸気10を発生させるも
のである。さらに、チャンバ1の上部には、ホウ素蒸発
速度を測定する膜厚モニタ11が設けられている。
【0005】かかる装置により、基材4に対し、ホウ素
9の蒸気10の蒸着とイオン7の照射を同時に行うこと
により、cBN膜を基材4上に形成することができる。
なお、この方法によるcBN膜の合成条件の一例を示す
と、混合ガス組成及び流量はAr65%,N2 35%で
3SCCM,混合イオンの加速電圧は0.5kV,混合
イオン電流密度は200μA/cm2 ,ホウ素蒸着速度は
0.5Å/sとなる。
9の蒸気10の蒸着とイオン7の照射を同時に行うこと
により、cBN膜を基材4上に形成することができる。
なお、この方法によるcBN膜の合成条件の一例を示す
と、混合ガス組成及び流量はAr65%,N2 35%で
3SCCM,混合イオンの加速電圧は0.5kV,混合
イオン電流密度は200μA/cm2 ,ホウ素蒸着速度は
0.5Å/sとなる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
たような従来の方法により形成したcBN膜は、内部応
力が大きい上に基材との反応性に乏しいため、密着性が
悪い。したがって、かかる方法で金属やセラミックス等
の基材上にcBN膜を形成しても剥離が生じ易いという
問題がある。
たような従来の方法により形成したcBN膜は、内部応
力が大きい上に基材との反応性に乏しいため、密着性が
悪い。したがって、かかる方法で金属やセラミックス等
の基材上にcBN膜を形成しても剥離が生じ易いという
問題がある。
【0007】そこで、図6に示すような装置を用い、c
BN膜を形成する前段階において、窒素イオン又は窒素
・希ガスの混合イオンの加速電圧を5〜200kVに上
げると共に同時にホウ素を蒸着することにより、基材中
に窒素及びホウ素原子を侵入させて窒化ホウ素の傾斜組
成層を形成するという方法を共に提案した(特開平4−
120267号公報)。
BN膜を形成する前段階において、窒素イオン又は窒素
・希ガスの混合イオンの加速電圧を5〜200kVに上
げると共に同時にホウ素を蒸着することにより、基材中
に窒素及びホウ素原子を侵入させて窒化ホウ素の傾斜組
成層を形成するという方法を共に提案した(特開平4−
120267号公報)。
【0008】一般に実用的な工具や耐摩耗部材等は平面
的な形状とは限らず、曲面や傾斜面の組合せ等の複雑な
形状である。上述した方法では平面的な基材に対しては
密着性のよいcBN膜が得られるものの複雑な形状の基
材に対しては形成されたcBN膜が剥離し易いという問
題がある。
的な形状とは限らず、曲面や傾斜面の組合せ等の複雑な
形状である。上述した方法では平面的な基材に対しては
密着性のよいcBN膜が得られるものの複雑な形状の基
材に対しては形成されたcBN膜が剥離し易いという問
題がある。
【0009】本発明はこのような事情に鑑み、複雑な形
状の基材に対しても密着性のよいcBN膜を形成するこ
とができる窒化ホウ素膜の形成方法を提供することを目
的とする。
状の基材に対しても密着性のよいcBN膜を形成するこ
とができる窒化ホウ素膜の形成方法を提供することを目
的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成する本発
明に係る窒化ホウ素膜の形成方法は、真空中に設置した
基材に対してホウ素を蒸着すると同時にイオン源から窒
素イオン又は窒素・希ガスの混合イオンを照射するイオ
ン蒸着法により当該基材上にその結晶構造が主として立
方晶からなる窒化ホウ素膜を形成する方法において、ま
ず、上記イオンの加速電圧を主として立方晶からなる窒
化ホウ素膜を形成する条件より高めると共に基材に回転
あるいは揺動等の運動を与えて当該基材に対するイオン
の照射方向を垂直方向から±90度の間で漸次変化させ
ることにより、当該基材の内部から表面にかけて窒化ホ
ウ素の濃度が零から連続的に増加して表面にて純粋な窒
化ホウ素であるような傾斜組成層を形成し、その後、該
傾斜組成層上に主として立方晶からなる窒化ホウ素膜を
形成することを特徴とする。
明に係る窒化ホウ素膜の形成方法は、真空中に設置した
基材に対してホウ素を蒸着すると同時にイオン源から窒
素イオン又は窒素・希ガスの混合イオンを照射するイオ
ン蒸着法により当該基材上にその結晶構造が主として立
方晶からなる窒化ホウ素膜を形成する方法において、ま
ず、上記イオンの加速電圧を主として立方晶からなる窒
化ホウ素膜を形成する条件より高めると共に基材に回転
あるいは揺動等の運動を与えて当該基材に対するイオン
の照射方向を垂直方向から±90度の間で漸次変化させ
ることにより、当該基材の内部から表面にかけて窒化ホ
ウ素の濃度が零から連続的に増加して表面にて純粋な窒
化ホウ素であるような傾斜組成層を形成し、その後、該
傾斜組成層上に主として立方晶からなる窒化ホウ素膜を
形成することを特徴とする。
【0011】
【作用】窒素イオン又は窒素・希ガスの混合イオンの加
速電圧を、主として立方晶からなる窒化ホウ素膜を形成
する条件より高め、例えば10〜100keVとすると、
窒素原子が基材中に注入されると同じに基材原子及びホ
ウ素原子の基材中への押し込み又は基材原子、ホウ素原
子及び窒素原子のはじき出しが生じる。このとき、照射
するイオンの密度とホウ素の蒸着速度を適切に選ぶと、
基材中の表面から約2000Å程度の深さの範囲に窒化
ホウ素の傾斜組成層が形成される。但し、この傾斜組成
層の形成は基材へのイオンの照射方向に対する依存性が
大きいが、基材に回転あるいは揺動等の運動を与えて当
該基材に対するイオンの照射方向を垂直方向から±90
度の間で漸次変化させると、イオンの照射方向に対する
依存性が平均化され、良好な傾斜組成層が形成される。
速電圧を、主として立方晶からなる窒化ホウ素膜を形成
する条件より高め、例えば10〜100keVとすると、
窒素原子が基材中に注入されると同じに基材原子及びホ
ウ素原子の基材中への押し込み又は基材原子、ホウ素原
子及び窒素原子のはじき出しが生じる。このとき、照射
するイオンの密度とホウ素の蒸着速度を適切に選ぶと、
基材中の表面から約2000Å程度の深さの範囲に窒化
ホウ素の傾斜組成層が形成される。但し、この傾斜組成
層の形成は基材へのイオンの照射方向に対する依存性が
大きいが、基材に回転あるいは揺動等の運動を与えて当
該基材に対するイオンの照射方向を垂直方向から±90
度の間で漸次変化させると、イオンの照射方向に対する
依存性が平均化され、良好な傾斜組成層が形成される。
【0012】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて説明する。
【0013】図1には本発明方法を実施する装置の一例
を示す。なお、図6と同一作用を示す部材には同一符号
を付してある。
を示す。なお、図6と同一作用を示す部材には同一符号
を付してある。
【0014】図1に示す装置において、チャンバ1は排
気口2を備え、排気口2は図示しない真空源に連通して
いる。チャンバ1の上部には天井に取付けられている基
材ホルダ3Aが設けられており、この基材ホルダ3Aに
は基材4Aが保持されている。基材ホルダ3Aが回転駆
動機構を有し、円筒状の基材4Aをイオン7の照射方向
に対して垂直な基材ホルダ3Aの表面に平行な軸を中心
として回転駆動できるようになっている。一方、基材4
Aに相対向するように設置されているイオン源5は、例
えばマイクロ波放電型イオン源である。イオン源5はガ
ス導入管6から供給される窒素ガス又は窒素・希ガスの
混合ガスをイオン化して電界により加速し、上記基材4
Aにイオン7として照射するものである。また、チャン
バ1の下部、基材ホルダ3Aの下方に配置されている蒸
発源8は、例えば電子ビーム蒸発源であって、その中に
保持される蒸発材料であるホウ素9を溶融・蒸発させ、
蒸気10を発生させるものである。さらに、チャンバ1
の上部には、ホウ素蒸発速度を測定する膜厚モニタ11
が設けられている。
気口2を備え、排気口2は図示しない真空源に連通して
いる。チャンバ1の上部には天井に取付けられている基
材ホルダ3Aが設けられており、この基材ホルダ3Aに
は基材4Aが保持されている。基材ホルダ3Aが回転駆
動機構を有し、円筒状の基材4Aをイオン7の照射方向
に対して垂直な基材ホルダ3Aの表面に平行な軸を中心
として回転駆動できるようになっている。一方、基材4
Aに相対向するように設置されているイオン源5は、例
えばマイクロ波放電型イオン源である。イオン源5はガ
ス導入管6から供給される窒素ガス又は窒素・希ガスの
混合ガスをイオン化して電界により加速し、上記基材4
Aにイオン7として照射するものである。また、チャン
バ1の下部、基材ホルダ3Aの下方に配置されている蒸
発源8は、例えば電子ビーム蒸発源であって、その中に
保持される蒸発材料であるホウ素9を溶融・蒸発させ、
蒸気10を発生させるものである。さらに、チャンバ1
の上部には、ホウ素蒸発速度を測定する膜厚モニタ11
が設けられている。
【0015】基材4Aとして、外径10mm,長さ20mm
の円筒形鋼材の外周面に窒化チタンを3μmの厚みで被
覆したものを用い、これを基材ホルダ3Aに取り付けた
後、チャンバ1内を1×10-6torrに排気する。そし
て、イオン源5に純窒素ガスを1SCCMの流量で導入
してイオン化し、加速電圧70kVでイオン7を基材4
Aに向けて照射した。このとき、イオン電流密度は20
μA/cm2 であった。また、同時に蒸発源8よりホウ素
9の蒸気10を0.4Å/sの蒸着速度で蒸着した。基
材4Aを1rpm の回転速度で回転させながら、この状態
を窒素イオン照射量が1×1018個/cm2 となるまで約
1時間保持した。このときのチャンバ1内の圧力は1×
10-6torrであった。これにより、基材4A表面に、窒
化ホウ素の傾斜組成層が形成された。
の円筒形鋼材の外周面に窒化チタンを3μmの厚みで被
覆したものを用い、これを基材ホルダ3Aに取り付けた
後、チャンバ1内を1×10-6torrに排気する。そし
て、イオン源5に純窒素ガスを1SCCMの流量で導入
してイオン化し、加速電圧70kVでイオン7を基材4
Aに向けて照射した。このとき、イオン電流密度は20
μA/cm2 であった。また、同時に蒸発源8よりホウ素
9の蒸気10を0.4Å/sの蒸着速度で蒸着した。基
材4Aを1rpm の回転速度で回転させながら、この状態
を窒素イオン照射量が1×1018個/cm2 となるまで約
1時間保持した。このときのチャンバ1内の圧力は1×
10-6torrであった。これにより、基材4A表面に、窒
化ホウ素の傾斜組成層が形成された。
【0016】次に、イオン源5に導入するガスを純窒素
ガスから、64vol %アルゴンと36vol %窒素ガスと
の混合ガスに切り換え、流量を3SCCMとし、加速電
圧を0.5kVとして窒素アルゴン混合イオン7を基材
4Aに向けて照射した。また、同時に、蒸発源8よりホ
ウ素9の蒸気10を0.5Å/sの蒸着速度で蒸着し
た。このとき、窒素アルゴン混合イオンの電流密度は約
200μA/cm2 であり、チャンバ1内の圧力は1×1
0-4torrであった。基材4Aを1rpm で回転させながら
この状態を約3時間維持することにより、約1μmの厚
みの窒化ホウ素膜が得られた。
ガスから、64vol %アルゴンと36vol %窒素ガスと
の混合ガスに切り換え、流量を3SCCMとし、加速電
圧を0.5kVとして窒素アルゴン混合イオン7を基材
4Aに向けて照射した。また、同時に、蒸発源8よりホ
ウ素9の蒸気10を0.5Å/sの蒸着速度で蒸着し
た。このとき、窒素アルゴン混合イオンの電流密度は約
200μA/cm2 であり、チャンバ1内の圧力は1×1
0-4torrであった。基材4Aを1rpm で回転させながら
この状態を約3時間維持することにより、約1μmの厚
みの窒化ホウ素膜が得られた。
【0017】得られた膜はIR吸収スペクトル及び電子
線回折により、主として立方晶の結晶構造を有する窒化
ホウ素膜であることが確認された。このcBN膜の硬度
は荷重10gfに対してビッカース硬度4000〜500
0kg/mm2 であった。また、剥離はまったく発生せず、
スクラッチ試験では臨界荷重20〜50Nを示し、密着
性は良好であった。
線回折により、主として立方晶の結晶構造を有する窒化
ホウ素膜であることが確認された。このcBN膜の硬度
は荷重10gfに対してビッカース硬度4000〜500
0kg/mm2 であった。また、剥離はまったく発生せず、
スクラッチ試験では臨界荷重20〜50Nを示し、密着
性は良好であった。
【0018】次に、傾斜組成層の形成におけるイオン7
の照射方向に対する依存性についての試験結果を説明す
る。まず、図2に示すように、例えば窒化チタンからな
る基材4Bの法線oとイオン7の照射方向とのなす角θ
を45°とし、窒素イオン電流密度を20μA/cm 2 ,
ホウ素蒸着速度を0.4Å/s、及びイオン照射量を1
×1018個/cm2 の条件で傾斜組成層を形成した。この
傾斜組成層のオージェ分析による深さ方向組成プロファ
イルを図3に示す。同図によれば、傾斜組成層の深さは
約2000Åであり、最表面はほぼ純粋な窒化ホウ素で
あった。
の照射方向に対する依存性についての試験結果を説明す
る。まず、図2に示すように、例えば窒化チタンからな
る基材4Bの法線oとイオン7の照射方向とのなす角θ
を45°とし、窒素イオン電流密度を20μA/cm 2 ,
ホウ素蒸着速度を0.4Å/s、及びイオン照射量を1
×1018個/cm2 の条件で傾斜組成層を形成した。この
傾斜組成層のオージェ分析による深さ方向組成プロファ
イルを図3に示す。同図によれば、傾斜組成層の深さは
約2000Åであり、最表面はほぼ純粋な窒化ホウ素で
あった。
【0019】次いで、θを0°及び70°と変化した以
外は同じ条件でそれぞれ傾斜組成層を形成した。この深
さ方向の組成プロファイルは図4及び図5に示す通りで
ある。θ=0°の場合は、θ=45°の場合と比較して
加速イオンによる基材4B表面原子のはじき出し効果が
小さくなるためか、窒素に対するホウ素原子比がやや多
い層が基材4B表面に形成されている。また、θ=70
°の場合は、θ=45°の場合と比較して逆にはじき出
し効果が大きくなるため、表面において基材成分である
チタンが若干検出されるものの、約1800Åと、θ=
0°及び45°で得られる厚みに近い厚みの傾斜組成層
が形成されている。
外は同じ条件でそれぞれ傾斜組成層を形成した。この深
さ方向の組成プロファイルは図4及び図5に示す通りで
ある。θ=0°の場合は、θ=45°の場合と比較して
加速イオンによる基材4B表面原子のはじき出し効果が
小さくなるためか、窒素に対するホウ素原子比がやや多
い層が基材4B表面に形成されている。また、θ=70
°の場合は、θ=45°の場合と比較して逆にはじき出
し効果が大きくなるため、表面において基材成分である
チタンが若干検出されるものの、約1800Åと、θ=
0°及び45°で得られる厚みに近い厚みの傾斜組成層
が形成されている。
【0020】そこで、上記条件、つまりθ=45°の場
合に表面が純粋な窒化ホウ素である傾斜組成層が形成さ
れる条件で、基材4Bをθが0°から90°まで一定速
度で変化するように一定速度、例えば1rpm で回転させ
ながら、窒化ホウ素の傾斜組成層を形成したところ、図
3で示したものとほぼ同じ組成プロファイルをもつ傾斜
組成層が均一に得られた。
合に表面が純粋な窒化ホウ素である傾斜組成層が形成さ
れる条件で、基材4Bをθが0°から90°まで一定速
度で変化するように一定速度、例えば1rpm で回転させ
ながら、窒化ホウ素の傾斜組成層を形成したところ、図
3で示したものとほぼ同じ組成プロファイルをもつ傾斜
組成層が均一に得られた。
【0021】このような傾斜組成は、加速イオンによる
表面原子のはじき出し効果の基材面法線とイオン照射方
向とのなす角θに対する依存性が適度である場合、つま
り、加速電圧が10〜100kV、好ましくは30〜1
00kVの範囲で得られるものである。加速電圧がこれ
より小さいと、はじき出し効果が大きすぎて傾斜組成層
が形成されにくくなり、一方、加速電圧が大きすぎる
と、はじき出し効果が大きく、表面に窒素に対してホウ
素原子比の大きな層が形成され、共に好ましくないから
である。そして、このように形成した傾斜組成層上にイ
オン蒸着法によりcBN膜を形成すると、基材からcB
N膜まで組成的になだらかになるので、密着性の良好な
ものとなる。
表面原子のはじき出し効果の基材面法線とイオン照射方
向とのなす角θに対する依存性が適度である場合、つま
り、加速電圧が10〜100kV、好ましくは30〜1
00kVの範囲で得られるものである。加速電圧がこれ
より小さいと、はじき出し効果が大きすぎて傾斜組成層
が形成されにくくなり、一方、加速電圧が大きすぎる
と、はじき出し効果が大きく、表面に窒素に対してホウ
素原子比の大きな層が形成され、共に好ましくないから
である。そして、このように形成した傾斜組成層上にイ
オン蒸着法によりcBN膜を形成すると、基材からcB
N膜まで組成的になだらかになるので、密着性の良好な
ものとなる。
【0022】上記実施例では円筒状鋼材からなる基材4
Aをその軸中心に回転しながら、窒化ホウ素の傾斜組成
を形成しているので、図2に示すθに対応する角度が0
°から±90°の範囲で連続的に変化しながら傾斜組成
層が形成される。したがって、その組成プロファイルは
図3に示すものと同様であり、よって、この傾斜組成層
上に形成したcBN膜は密着性の良好なものであった。
Aをその軸中心に回転しながら、窒化ホウ素の傾斜組成
を形成しているので、図2に示すθに対応する角度が0
°から±90°の範囲で連続的に変化しながら傾斜組成
層が形成される。したがって、その組成プロファイルは
図3に示すものと同様であり、よって、この傾斜組成層
上に形成したcBN膜は密着性の良好なものであった。
【0023】実用的な工具、耐摩耗部材等の形状は、曲
面、傾斜面の組合せ等複雑なものが多いが、これらを基
材として、cBN膜を形成する場合であっても本発明に
よれば、基材を回転することにより複雑な形状のどの部
分にも均一に窒化ホウ素の傾斜組成層が形成でき、その
上にcBN膜が形成されるので、均一で良好な密着性を
得ることができる。
面、傾斜面の組合せ等複雑なものが多いが、これらを基
材として、cBN膜を形成する場合であっても本発明に
よれば、基材を回転することにより複雑な形状のどの部
分にも均一に窒化ホウ素の傾斜組成層が形成でき、その
上にcBN膜が形成されるので、均一で良好な密着性を
得ることができる。
【0024】
【発明の効果】以上述べたように、本発明に係る窒化ホ
ウ素膜の形成方法によれば、複雑な形状の基材に対して
も密着性良く高硬度な、主として立方晶からなる窒化ホ
ウ素膜を形成することができるので、工具、軸受け等の
耐摩耗性部材へ適用して実用に耐え、工業的に利用価値
の大きいものである。
ウ素膜の形成方法によれば、複雑な形状の基材に対して
も密着性良く高硬度な、主として立方晶からなる窒化ホ
ウ素膜を形成することができるので、工具、軸受け等の
耐摩耗性部材へ適用して実用に耐え、工業的に利用価値
の大きいものである。
【図1】本発明方法を実施するための装置の一例を示す
概略図である。
概略図である。
【図2】本発明の試験例を説明する説明図である。
【図3】試験例における深さ方向組成プロファイルを示
す説明図である。
す説明図である。
【図4】試験例における深さ方向組成プロファイルを示
す説明図である。
す説明図である。
【図5】試験例における深さ方向組成プロファイルを示
す説明図である。
す説明図である。
【図6】従来の窒化ホウ素膜の形成方法を実施するため
の装置を示す概略図である。
の装置を示す概略図である。
1 チャンバ 2 排気口 3A 基板ホルダ 4A,4B 基材 5 イオン源 6 ガス導入管 7 窒素イオン又は窒素・希ガス混合イオン 8 蒸発源 9 ホウ素 10 蒸気 11 膜厚モニタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡辺 俊哉 神奈川県横浜市金沢区幸浦一丁目8番地1 三菱重工業株式会社基盤技術研究所内
Claims (1)
- 【請求項1】 真空中に設置した基材に対してホウ素を
蒸着すると同時にイオン源から窒素イオン又は窒素・希
ガスの混合イオンを照射するイオン蒸着法により当該基
材上にその結晶構造が主として立方晶からなる窒化ホウ
素膜を形成する方法において、まず、上記イオンの加速
電圧を主として立方晶からなる窒化ホウ素膜を形成する
条件より高めると共に基材に回転あるいは揺動等の運動
を与えて当該基材に対するイオンの照射方向を垂直方向
から±90度の間で漸次変化させることにより、当該基
材の内部から表面にかけて窒化ホウ素の濃度が零から連
続的に増加して表面にて純粋な窒化ホウ素であるような
傾斜組成層を形成し、その後、該傾斜組成層上に主とし
て立方晶からなる窒化ホウ素膜を形成することを特徴と
する窒化ホウ素膜の形成方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP21590292A JPH0657408A (ja) | 1992-08-13 | 1992-08-13 | 窒化ホウ素膜の形成方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP21590292A JPH0657408A (ja) | 1992-08-13 | 1992-08-13 | 窒化ホウ素膜の形成方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0657408A true JPH0657408A (ja) | 1994-03-01 |
Family
ID=16680150
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP21590292A Withdrawn JPH0657408A (ja) | 1992-08-13 | 1992-08-13 | 窒化ホウ素膜の形成方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0657408A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US6092004A (en) * | 1996-01-24 | 2000-07-18 | Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha | Robot speed computing apparatus and method |
| CN113621929A (zh) * | 2020-05-08 | 2021-11-09 | 武汉光谷创元电子有限公司 | 微波器件的制造设备和制造方法 |
-
1992
- 1992-08-13 JP JP21590292A patent/JPH0657408A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US6092004A (en) * | 1996-01-24 | 2000-07-18 | Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha | Robot speed computing apparatus and method |
| CN113621929A (zh) * | 2020-05-08 | 2021-11-09 | 武汉光谷创元电子有限公司 | 微波器件的制造设备和制造方法 |
| CN113621929B (zh) * | 2020-05-08 | 2023-04-11 | 武汉光谷创元电子有限公司 | 微波器件的制造设备和制造方法 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 19991102 |