JPH0660411B2 - 光プラズマ気相合成方法及び装置 - Google Patents

光プラズマ気相合成方法及び装置

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JPH0660411B2
JPH0660411B2 JP5631688A JP5631688A JPH0660411B2 JP H0660411 B2 JPH0660411 B2 JP H0660411B2 JP 5631688 A JP5631688 A JP 5631688A JP 5631688 A JP5631688 A JP 5631688A JP H0660411 B2 JPH0660411 B2 JP H0660411B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔概 要〕 ダイヤモンドや窒化ホウ素などを高速で気相合成する方
法及び装置に関し、 ダイヤモンドや窒化ホウ素の成膜速度を高めることを目
的とし、 集光された大出力レーザービームによる光アーク放電に
より発生させた熱プラズマをプラズマジェットとして、
トーチ先端のノズルから噴出させ、基板冷却、好ましく
は冷却ガス吹き付けで急冷させて被処理基板に接触せし
め、被処理基板上に目的の物質を高速に成長させるよう
に構成する。
〔産業上の利用分野〕
本発明はダイヤモンドや窒化ホウ素のように通常の方法
で合成できない物質を高速に気相合成する方法及び装置
に関する。例えば、ダイヤモンド膜は、熱伝導率が2000
W/mKと銅の4倍にも相当し、しかも硬度、絶縁性もす
ぐれており、半導体用のヒートシンク、回路基板材料と
して、理想的な材料である。また、広い波長範囲で透光
性にすぐれており、光学材料としてすぐれている。さら
に、ダイヤモンドは、バンドギャップが5.4eVと広
く、キャリア移動度の高い半導体でもあり高温トランジ
スタ、高速トランジスタ等の構性能デバイスとしても注
目されている。
〔従来の技術〕
従来、良質の結晶質ダイヤモンドの気相合成法として
は、熱フィラメント法(S.Matsumoto et al.:Jpn.J.App
l.Phys.21(1981)L183)、マイクロ波プラズマCVD法
(M.Kamo et al.:J.Cryst. Growth 62(1983)642)、電
子線照射CVD法(A.Sawabe et al.:Appl.Phys.Lett.4
6(1985)146)等のCVD法が知られている。
〔発明が解決しようとする課題〕
気相合成によって形成したダイヤモンド膜は、熱伝導
率、硬度、絶縁性、透光性、耐食性が優れているので、
半導体素子の高密度実装用の基板、各種工具の高硬度コ
ーティング膜、光学部品等として使用することが期待さ
れているが、上記いずれの製法によっても、成膜速度が
1μm/h以下と遅いので、コスト、生産性の上で問題
であった。
そこで、本発明は、上記の問題的を解決し、成膜速度の
高いダイヤモンドの気相合成法を提供することを目的と
する。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、上記課題を解決するために、集光させた大出
力レーザービームによる光アーク放電により発生させた
熱プラズマをプラズマジェットとして、トーチ先端のノ
ズルから噴出させ、急冷させて被処理基板に接触せし
め、被処理基板上に目的の物質を高速に成長させる光プ
ラズマ気相合成方法と、この方法を実施するための装置
として、大出力レーザービームを集光する手段と、該レ
ーザービームが集光される位置に放電ガスを供給する手
段と、該レーザービームを照射されて放電ガスが光アー
ク放電して発生する熱プラズマを被処理基板へ向ける手
段と、被処理基板を冷却可能な被処理基板を保持する基
板ホルダーとを具備してなる光プラズマ気相合成装置、
を提供する。
この光プラズマジェットCVD法は、例えば、ダイヤモ
ンドを高い速度で気相合成させるには、水素原子や炭化
水素ラジカル等の活性種を高い密度で基板上に供給させ
なければならない。このような高いラジカル濃度は熱プ
ラズマを発生させることによりえられるが、熱プラズマ
はその温度が5000℃以上と高いため、そのまま基板上に
供給することはできない。そこで熱プラズマを急冷さ
せ、高温での高いガス解離率をそのまま凍結させた、低
温でも高いラジカル濃度を有する非平衡プラズマを基板
上に供給させるという考えのもとに発明された。
この方法は、光アーク放電により発生させた熱プラズマ
をプラズマジェットとして水冷基板にぶつけることによ
り熱プラズマを急冷させダイヤモンドを高速合成させる
方法である。この方法では10μm/h以上の極めて高
い製膜速度が得られている。しかしこの方法では、熱プ
ラズマの急冷効果を上げるために、基板を十分に冷却し
なくてはならずそのため、基板に対しての制約が強かっ
た。すなわち基板としては熱伝導率が高く、薄いものし
か使用できなかった。そこで、上記の問題点を解決し、
どのような下地の上にでもダイヤモンド膜を高速に成長
させうるようにするために、本発明は、同様にして、集
光させた大出力レーザービームによる光アーク放電によ
り発生させた熱プラズマをプラズマジェットとして、ト
ーチ先端のノズルから噴出させ、このプラズマジェット
に冷却ガスを吹きつけ、熱プラズマを急冷させ、ラジカ
ルの濃度が高く活性な非平衡プラズマを生成し、この非
平衡プラズマに被処理基板を接触せしめ、被処理基板上
に目的の物質を高速に成長させることを特徴とする光プ
ラズマ気相合成方法,と、この方法を実施するための装
置として、大出力レーザービームを集光する手段と、該
レーザービームが集光される位置に放電ガスを供給する
手段と、該レーザービームを照射されて放電ガスが光ア
ーク放電して発生する熱プラズマを被処理基板へ向かわ
せる手段と、被処理基板へ向かう熱プラズマに冷却ガス
を吹き付ける手段とを具備することを特徴とする光プラ
ズマ気相合成装置、を提供する。
〔作用及び実施例〕
第1図に示すように、大出力レーザー1、たとえばCO
レーザーからのレーザービームAを集光レンズ2で、集
光コーン3の先端部に集光させて、極めて高い光強度を
得る。
原料ガスは、大気圧または、それ以上の圧力で導入し、
コーン3の先端部で集光されたレーザービームによって
加熱され、光アーク放電により、化学的活性度の高い高
温熱プラズマとなる。この際の急激な熱膨張を生じて、
プラズマジェットBとなり、ノズル6から噴出する。原
料ガスは、ダイヤモンド合成の場合には、従来よりCV
D法によるダイヤモンド合成に用いられている。たとえ
ば、H−1%CHを使用する。また、立方晶窒化ホウ
素(CBN) 合成の場合には、H−0.5% B2H6−1%
NHを使用する。
本発明によれば、従来法より活性度の高いプラズマをプ
ラズマジェットBとして得る。このプラズマジェットB
を水冷された基板7に吹きつけることにより、熱プラズ
マを急冷する効果が働き、従来のCVDに比べ格段に高
い速度でダイヤモンド、CBN等を合成することができ
る。
この方法において、プラズマの安定度を高めるために、
原料ガスにHe やAr 等の希ガスを加えても良い。ただ
し、希ガスの混合により製膜速度はいくぶん、低下す
る。
なお、第1図は本発明の光プラズマCVD法の原理を示
す模式図である。同図中、1はレーザー発生装置、2は
集光レンズ、3は集光コーン、4はガス導入管、5はノ
ズル、6,9は冷却管、7は基板、8は基板ホルダ、1
0は真空チャンバ、11は排気管である。
第2図は熱プラズマに冷却ガスを吹き付けて冷却する光
プラズマ気相合成の原理を示す模式図である。同図中、
21は大出力レーザー、22はレーザービーム、23は
集光レンズ、24は放電ガス、25はノズル冷却水、2
6は水冷トーチノズル、27はプラズマジェット、28
は冷却ガス、29は冷却ガス噴出口、30はコーン、3
1は非平衡プラズマ、32は基板、33はダイヤモンド
膜、34はアークである。
再び、ダイヤモンド合成の例で説明すると、水素ガスと
炭化化合物ガスからなる放電ガス24を集光コーン30
内に流し、集光されたレーザービーム22をあて、トー
チノズル付近で光アーク放電をおこすと、放電ガスは急
激に加熱され、10000℃以上の熱プラズマとなる。この
際、急激な温度上昇による体積膨張により、熱プラズマ
は超音速のプラズマジェット27となり、ノズル26か
ら噴出する。このプラズマジェットに冷却ガス28とし
て水素ガスを勢い良く吹き付け強制混合させることによ
り、熱プラズマを急冷させ、非平衡プラズマ31を発生
させる。この非平衡プラズマ中に基板27を置くと、そ
の表面にダイヤモンド膜33が成長する。
この方法では、熱プラズマを急冷させる手段として、基
板を冷却させるのではなく、プラズマジェットにガスを
吹きつける方法(ガス冷却法)を用いることが特徴であ
る。この方法は、プラズマジェットと室温程度のガスを
強制的に混合させることにより、瞬間的にプラズマを冷
却させるので、基板とはまったく無関係に、非平衡でプ
ラズマを作り出すことができる。したがって、この非平
衡プラズマ中に被処理物を、ダイヤモンドやCBNなど
が生成可能な温度になるように調整して保持しておくだ
けで、その表面にダイヤモンドやCBNなどを高速で合
成させることができる。
このようにこの方法では、前記の基板を冷却する光プラ
ズマジェットCVD法にくらべ、基板とまったく無関係
に熱プラズマを急冷できるために、基板にたいする制約
がなく、どのような基板上にでもダイヤモンドを高速に
成長させることができる利点がある。
この方法において、原料ガスとしては前記の光プラズマ
CVD法と同様であることができるが、原料ガスは放電
ガスとしてではなく、冷却ガスとして導入してもかまわ
ない。
放電ガスや冷却ガスに、Ar ,He 等の不活性ガスを混
合してもかまわない。この場合、プラズマの安定性は向
上するが、製膜速度は低下する。
また、放電ガスや冷却ガスに非晶質炭素等の目的外の炭
素のエッチング効果を上がるため、O2, H2O, H2O2, CO
等の酸化性ガスを少量混合させてもかまわない。
第3図は冷却ガスを用いて熱プラズマを冷却するタイプ
のガス冷却光プラズマジェットCVD法による気相合成
装置の模式図で、43はプラズマトーチ、44は放電ガ
ス供給管、45はレーザー、46はトーチ用冷却水配
管、47は基板ホルダ、48は基板、49は真空チャン
バ、50は排気系、51はレーザービーム、52は流量
計、53はガスボンベ、54は冷却ガス噴出口、55は
基板マニュプレータである。光源としては、下記実施例
2,3では、発信周波数10.6μm、出力20kW、ビーム
径80mmのフロー型COレーザーを用い、集光レンズに
は口径80mm、f1.5のものを用いた。基板ホルダは
マニュプレータにより、位置と向きをコントロールでき
るため、大面積の基板や複雑な表面形状の被処理物の上
にも均一に目的の物質を成長させることができる。また
本模式図には示していないが、基板温度を制御するため
に基板加熱用ヒータや水冷機構が取りつけられても良
い。
実施例1 発振波長10.6μm、出力20kW、ビーム径80mmのフロ
ー型COレーザー1を用いて発生させたプラズマビーム
Aを、第1図に示すように口径80mm、f1.5の集光
レンズ2から、集光コーン3に導入するとともに、ガス
導入管4からH5/min 、CH0.2/min の流
量で原料ガスを集光コーン3に導入して、熱プラズマジ
ェットBとして口径3mmのノズル5から噴出させた。ノ
ズル5は圧力 200Torrの真空チャンバ10内に開口して
おり、ノズル5から30mm隔たった20×20mm、厚み0.
5mmの基板7に向けて熱プラズマを吹き当てた。ノズル
5および基板ホルダ8は、それぞれ冷却水管6および9
によって冷却し、基板の温度が 900℃になるように調節
して熱プラズマを急冷した。30分間経過して厚み20
μmの無色透明の膜を生成した。この膜は、X線回析で
は、ダイヤモンドのみのピークが検出され、ラマン分光
では、ダイヤモンドのピークの他に非晶質炭素によるブ
ロードなピークもいくらか、検出された。
実施例2 第2図、第3図に示す装置を用いて、基板として5×5
×0.2mmのSi ウェハを用い、チャンバ内を2×10-3
Torrまで排気後、放電ガスとして水素を1kg/cm2の圧
力で10/min 、メタンを1kg/cm2の圧力で80ml
/min 冷却ガスとして水素を1kg/cm2の圧力で10
/min 流し、チャンバ内の圧力を 200Torrに保持した。
冷却ガスは、トーチノズルの3mm下に設置した4本の噴
出口からプラズマジェットにむけて噴出された。レーザ
ー発信器より、出力10kWのレーザービームを照射し光
アーク放電をおこし、プラズマジェットを発生させた。
次に、基板をゆっくりトーチに近ずけ、ノズル−基板間
距離を5mmで固定し、この状態で10分間製膜を行っ
た。
合成されたダイヤモンド膜は厚さ約15μmのはっきり
した自形を有する緻密な多結晶体であった。X線回析で
は、立方晶ダイヤモンドのシャープなピークのみが検出
された。ラマンスペクトルでは、1333cm-1のダイヤモン
ドのピークのみが検出され、グラファイトや非晶質炭素
によるピークは検出されなかった。また、ビッカース硬
度は荷重 500gで約 10000kg/cm2と天然ダイヤモンドと
同等の値であった。
以上の結果より、合成されたダイヤモンドは、良質の多
結晶膜であることがわかる。また、製膜速度は 100μm
/hにも達していることがわかる。
実施例3 放電ガスとして水素を1kg/cm2の圧力で10/min
、B2H6を1kg/cm2の圧力で50ml/min 、冷却ガスと
して水素を1kg/cm2の圧力で10/min 、NHを1k
g/cm2の圧力で90ml/min 流し、他の条件は実施例2
と同様にしてBNの合成を行ったところ、ウルツ鉱型BN
(w−BN) を含む厚さ約10μmの c−BNの膜が形成され
た。この膜のX線回折ではグラファイト構造の六方晶型
BN(h−BN) はまったく検出されなかった。
〔発明の効果〕
本発明の光プラズマジェットを利用する気相合成方法に
よれば、ダイヤモンドやCBNのように通常のCVD法
で合成できない薄膜を高速かつ連続的に形成し、コスト
および生産性を向上させることができる。
また、本発明のガス冷却光プラズマジェットCVD方法
及び装置を用いれば、極めて速い製膜速度でダイヤモン
ドや c−BN等の気相法では合成困難な材料を、基板の冷
却なしに形成させることができるため、これらの物質の
応用範囲を大幅に広げることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の方法を実施する光プラズマジェット気
相合成装置の説明図、第2図はガス冷却プラズマCVD
の原理を説明する図、第3図はガス冷却プラズマCVD
装置の模式図である。 A……レーザービーム、B……プラズマジェット、 1……レーザー、2……集光レンズ、 3……集光コーン、4……ガス導入管、 5……ノズル、6,9……冷却水管、 7……基板、8……基板ホルダ、 10……真空チャンバ、11……排気管、 21……レーザー、22……レーザービーム、 23……集光レンズ、24……放電ガス、 25……ノズル冷却水、 26……水冷トーチノズル、 27……プラズマジェット、 28……冷却ガス、 29……冷却ガス噴出ノズル、 30……集光コーン、31……非平衡プラズマ、 32……被処理基板、33……成長膜、 43……プラズマトーチ、44……放電ガス供給管、 45……レーザー、 46……トーチ用冷却水配管、 47……基板ホルダー、48……基板、 49……真空チャンバ、50……排気系、 52……流量計、53……ガスボンベ、 54……冷却ガス噴出口、 55……基板マニプレーター。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】集光させた大出力レーザービームによる光
    アーク放電により発生させた熱プラズマをプラズマジェ
    ットとして、トーチ先端のノズルから噴出させ、急冷さ
    せて被処理基板に接触せしめ、被処理基板上に目的の物
    質を高速に成長させる光プラズマ気相合成方法。
  2. 【請求項2】集光させた大出力レーザービームによる光
    アーク放電により発生させた熱プラズマをプラズマジェ
    ットとして、トーチ先端のノズルから噴出させ、このプ
    ラズマジェットに冷却ガスを吹きつけ、熱プラズマを急
    冷させ、ラジカルの濃度が高く活性な非平衡プラズマを
    生成し、この非平衡プラズマに被処理基板を接触せし
    め、被処理基板上に目的の物質を高速に成長させること
    を特徴とするプラズマ気相合成方法。
  3. 【請求項3】大出力レーザービームを集光する手段と、
    該レーザービームが集光される位置に放電ガスを供給す
    る手段と、該レーザービームを照射されて放電ガスが光
    アーク放電して発生する熱プラズマを被処理基板へ向け
    る手段と、被処理基板を冷却可能な被処理基板を保持す
    る基板ホルダーとを具備してなる光プラズマ気相合成装
    置。
  4. 【請求項4】大出力レーザービームを集光する手段と、
    該レーザービームが集光される位置に放電ガスを供給す
    る手段と、該レーザービームを照射されて放電ガスが光
    アーク放電して発生する熱プラズマを被処理基板へ向か
    わせる手段と、被処理基板へ向かう熱プラズマに冷却ガ
    スを吹き付ける手段とを具備することを特徴とする光プ
    ラズマ気相合成装置。
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