JPH0663131B2 - ポリエステル中空複合繊維の製造方法 - Google Patents

ポリエステル中空複合繊維の製造方法

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JPH0663131B2 JP31409886A JP31409886A JPH0663131B2 JP H0663131 B2 JPH0663131 B2 JP H0663131B2 JP 31409886 A JP31409886 A JP 31409886A JP 31409886 A JP31409886 A JP 31409886A JP H0663131 B2 JPH0663131 B2 JP H0663131B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は,サイドバイサイド型中空複合繊維の製造方法
に係り,さらに詳しくは溶融粘度の異なる二成分をサイ
ドバイサイド型に接合し,オリフイスより吐出するに際
し,オリフイス出口で斜向に吐出される状態になる(以
下ニーイングと称する。)のを抑制し,高中空度で,捲
縮発現性能の優れたポリエステル中空複合繊維を製造す
る方法に関するものである。
(従来の技術) 近年,布団綿等の分野で天然繊維にかわってポリエステ
ル繊維が急激に増加している。これは繊維のコストもさ
ることながら,天然繊維に比べてポリエステル繊維は崇
高性,防塵性等の優れた諸性能を有していることに起因
している。また,ポリエステル繊維の中でも,中心部を
空洞にした中空繊維は崇高性が優れている。この中空繊
維を得る方法として,例えば特開昭61−108707号公報に
は、スリツトの幅が異なるよう穿設した紡糸口金を用い
て中空繊維を製造する方法が提案されている。しかしな
がら,この方法は単一のポリマーを使用し,スリツト幅
の異なるオリフイスから同一極限粘度のポリマーを吐出
させ,冷却風を一方向から吹付けて冷却し,偏心中空繊
維を得るものなので,真円の中空繊維が得られず,この
ため崇高性の発現も乏しいものである。
さらに,コイルスプリング状の捲縮を有する複合繊維は
優れた崇高性および被覆性を有することは公知であり,
さらに加えて複合繊維の中心部を空洞にした中空複合繊
維は崇高性,保温性がさらに一段と向上することも公知
である。
しかしながら,消費者側の要望では,これらの諸性能を
さらに向上させることを要求しており,諸性能の中でも
崇高性向上の要望は一段と強い。
崇高性能を高くするには,捲縮発現性能および中空度を
高くすること,および繊維断面形状と中空形状をより真
円化する必要がある。
捲縮発現性を高くする方法として,サイドバイサイド型
に接合した複合繊維の二成分の極限粘度差および溶融粘
度差を大きくすることにより繊維の内部構造を大きく変
化させ,配向および収縮差を生じさせて高捲縮性能を有
した複合繊維を得ることは公知である。
しかしながら,溶融粘度の異なる二種のポリエステルを
あらかじめ接合させ,サイドバイサイド型にオリフイス
より吐出する場合,オリフイスより吐出直後にニーイン
グが発生し,二成分の粘度差が大きくなるほどニーイン
グ角度が大きくなって紡糸状態が不安定となり,極端な
場合はポリマー流が口金面に付着し,糸切れが発生して
紡糸が不可能となる。
ニーイングを防ぐための手段は従来より多く提案されて
いるが,サイドバイサイド型中空複合繊維についての提
案は少なく,非中空複合繊維を対象とするものが主であ
る。サイドバイサイド型中空複合繊維の場合には,粘度
差を大きくするとニーイングが発生し,中空度は低下
し,中空部が高粘度側に偏心した状態となり,捲縮発現
性能が低下して非中空繊維に比べても崇高性能が劣る。
このように,繊維形成工程で低粘度成分が存在すると中
空部比率を向上させることが困難である。
したがって,低粘度成分の影響を取り除き中空度を向上
させる方法として,二成分共に粘度を増大させ低粘度成
分側の粘度レベルを上げる方法および低粘度側のみの粘
度を上げ,両者の粘度差を少なくする方法があるが、前
者では重合反応のコストアツプが無視できないし,後者
では,捲縮の発現能力が低下し,満足する性能を有する
繊維が得られない。
本発明者等は,崇高性を向上させるために中空度,すな
わち中空複合繊維の中空部の繊維断面積に占める比率を
増大させ(中空度25〜40%のものが崇高性が最も良
い。),中空部の偏心が少なく,しかもニーイングの小
さい方法で崇高性の優れたポリエステル中空複合繊維を
製造する方法について検討し,すでに特開昭61−152824
号公報において,オリフイス一端側の広幅スリツト部に
高粘度ポリマーを,他端側の狭幅スリツト部に低粘度ポ
リマーをそれぞれ供給して,サイドバイサイド型中空繊
維を得る方法を提案した。
上記方法において,使用する溶融紡糸用オリフイスの製
作精度が良い場合には中空部の偏心が少なく,真円に近
い中空複合繊維が得られるが,オリフイスとして,対向
する半円弧状スリツトの円周の,外側面の中心点と内側
面の中心点とをわずかにずらして配置した形状のものを
使用するため,紡糸口金に多数のオリフイスを精度よく
均一に製作するのが困難であり,したがって紡出した繊
維の断面もばらついて崇高性を十分に発現できなという
欠点があった。
(発明が解決しようとする問題点) 本発明は上記の欠点を解消し,中空部の偏心が少なく,
しかもニーイングが小さい方法で崇高性の優れたポリエ
ステル中空複合繊維を製造できるのは勿論のこと,溶融
紡糸の際に使用する多数のオリフイスを精度よく均一に
製作できるポリエステル中空複合繊維の製造方法を提供
することを技術的な課題とするものである。
(問題点を解決するための手段) すなわち,本発明は,粘度の異なる二種のポリエステル
成分をサイドバイサイド型に配置したポリエステル中空
複合繊維を製造するに際し,二成分の極限粘度比
〔η〕/〔η〕(ここで〔η〕は高粘度成分の極
限粘度,〔η〕は低粘度成分の極限粘度)が1.13〜1.
45の範囲のポリエステルを用い,かつ略々半円弧状のス
リツト2個を対向させた円形スリツト状オリフイスであ
って,個々のスリツトをその中央部で段付き状となし,
一端を広幅封止部4,他端を狭幅封止部5で封止して形成
され,かつ下記(I),(II)式を満足する溶融紡糸用
オリフイスの,広幅スリツト部6には高粘度成分を,狭
幅スリツト部7には低粘度成分を供給して二種の成分を
接合させつつ,スリツト状オリフイスから吐出すること
を特徴とするポリエステル中空複合繊維の製造方法を要
旨とするものである。
ただし, SH:広幅スリツト部の面積(mm) SL:狭幅スリツト部の面積(mm) すなわち,本発明では広幅スリツト部と狭幅スリツト部
を有する半円弧状のスリツト2個を対向させた溶融紡糸
用オリフイスを用い,かつ二成分の極限粘度比が1.13〜
1.45である高粘度成分を広幅スリツト部,低粘度成分を
狭幅スリツトから紡糸することにより,ニーイングの発
生が小さく,しかも偏心のない高捲縮性能の複合繊維を
製造するものである。
本発明を図面を用いて更に詳細に説明する。
第1図は本発明を実施するための半円弧状のスリツトを
対向させた溶融紡糸用オリフイスの形状の一例を示す概
略図,第2図は従来から用いられている一般的な中空繊
維紡糸用オリフイスの概略図,第3図は本発明方法によ
って得られる複合繊維の断面図,第4図は後述する比較
例3の方法によって得られる複合繊維の断面図である。
また,第1,2図において,Aは相対する封止部間の距離,D
は外周面円弧の直径,dは従来のオリフイスの内周面円弧
の直径,dは狭幅スリツト部の内周面円弧の直径,d
広幅スリツト部の内周面円弧の直径を表わす。
本発明において,上記の溶融紡糸用オリフイスを用いて
複合紡糸する際には,狭幅スリツト部7に低粘度成分を
配置すると共に,広幅スリツト部6に高粘度成分を配置
しなければならない。狭幅スリツト部7に高粘度成分を
配置するとニーイングが著しいうえ,得られる糸条の断
面は中空部分が高粘度成分の方へ偏心し,中空度も低下
する。また,中空度が高く,しかも断面形状が真円化
し,かつ中空部の偏心の少ない断面形状の繊維を得るた
めには,二成分の極限粘度比とスリツト状オリフイスの
形状が, ただし, SH:広幅スリツト部の面積 SL:狭幅スリツト部の面積 を満足することが必要である。
すなわち,低粘度成分を吐出するオリフイス部分(狭幅
スリツト部7)を狭幅でかつ小面積に,高粘度成分を吐
出するオリフイス部分(広幅スリツト部分6)を広幅
で,かつ大面積とすることにより,低粘度成分と高粘度
成分の流速を近づけてニーイングを小さくし,冷却固有
化後の繊維外殻の肉厚を均一にすることが有効である。
上記の溶融紡糸用オリフイスを形成する2つのスリツト
の対向する封止部間の距離Aは,ポリマーの接着および
オリフイスの強度の面から0.08〜0.2mmが好ましい。
オリフイスの寸法D,d,dは,用いるポリエステルの
粘度,目標とする繊度および中空度により設定すればよ
いが,D/dは1.08〜1.35,D/dは1.12〜1.40が好ま
しい。D/dおよびD/dが上記範囲より小さけれ
ばオリフイスの加工が難しく,一方上記範囲より大であ
れば中空度が低下する傾向を示してくる。
また,本発明で使用する溶融紡糸用オリフイスは,外周
面円弧と狭幅スリツト部の内周面円弧および広幅スリツ
ト部の内周面円弧の中心点をずらす必要がなくて同心円
状に配置してよいから,紡糸口金に多数のオリフイスを
精度よく均一に製作することができる。
本発明において使用するポリエステルとしては,高粘度
成分,低粘度成分ともエチレンテレフタレート単位を85
%以上含むポリエステル,特にポリエチレンテレフタレ
ートが好ましいが,これらのポリエステルは,艶消剤,
着色剤等の添加剤を含んでいてもよい。
本発明において,曳糸性よくコイルスプリング状捲縮の
発現性がよい複合繊維を製造するためには,高粘度成分
と低粘度成分の極限粘度比が1.13〜1.45の範囲となるポ
リマーを選択する必要がある。2成分の極限粘度比が1.
13未満では,コイルスプリング状捲縮の発現が不十分と
なり,1.45を越えると低粘度成分の粘度が低い領域では
曳糸性が不良であり,一方,高粘度成分の粘度が高い領
域ではポリマーの重合コストが高騰するので好ましくな
い。
また,高粘度成分および低粘度成分の極限粘度がそれぞ
れ0.82〜0.64および0.72〜0.48のポリエステルを用い,
かつ粘度差を0.06〜0.22,好ましくは0.08〜0.2,280℃に
おける溶融粘度の差を700〜3,000ポイズ,好ましくは80
0〜2,500ポイズにすることが望ましい。
上記範囲の高粘度成分と低粘度成分を用いて得られる複
合繊維は極限粘度が0.55〜0.75,280℃における溶融粘度
が700〜3000ポイズとなる。
中空度が25〜40%となるように,D,dおよびdを設計
した溶融紡糸用オリフイスを用い,かつ二成分の固有粘
度比が1.13〜1.45である高粘度成分を広幅スリツト部,
低粘度成分を狭幅スリツト部から紡糸することにより,
ニーイングの発生が少なく,しかも偏心のない高捲縮性
能の繊維が得られるのである。得られた繊維は低温で延
伸することが好ましい。
すなわち,延伸温度はガラス転移転温度±20℃の範囲の
温度が好ましく,また延伸倍率は最高延伸倍率の65〜95
%が好適である。
また,捲縮発現処理は無緊張下,140〜180℃の温度で処
理するのが好ましい。
なお,本発明における極限粘度は,20℃,フエノール・
四塩化エタン等量混合溶媒中で測定した値である。
(実施例) 以下,実施例により本発明を具体的に説明する。
実施例中の崇高性の評価値は,試料綿をカード機で開繊
して積層したウエブ(20cm×20cm)80gを軽荷重(測定
板20cm×20cm,重さ170g)時,重荷重(測定板+荷重5k
g)時の比容積を測定した値である。
:軽荷重時の比容積 A:軽荷重時の比容積 中空度は次式によって求めた。
ニーイング角度はオリフイスより吐出されたポリマーの
流出角度である。
実施例1〜4,比較例1〜3 第1表に示した2種の限度粘度〔η〕,〔η〕のポ
リエチレンテレフタレートと,寸法(D,d,d,d,
A),面積(SH,SL)の溶融紡糸用オリフイスを使用し
て,狭幅スリツト部に低粘度成分が配置されるようにポ
リマーを吐出し,紡糸温度250℃,オリフイス数130,オ
リフイス単吐出量2.2g/min,紡糸速度1050m/minで紡糸
した後,延伸温度85℃,延伸倍率3.4で延伸し,次いで
無緊張下で170℃の熱処理を施した後,51mmに切断してポ
リエステル中空複合ステープルを得た。
代表的な繊維の断面形状は第3図に示すように繊維断面
および中空部ともに真円に近く,中空部の偏心もない形
状であった。
紡糸時ニーイング角度,得られた繊維の中空度およびウ
エブ崇高性を第2表に示す。
第2表から明らかなように,本発明の実施例1〜4では
ニーイング角度が小さく,得られたポリエステル中空複
合繊維は中空度,崇高性ともに大きいものであった。
一方,Kの値が大きな比較例1およびスリツトが均一径の
比較例3ではニーイング角度が大きく,得られた繊維の
中空度,崇高性ともに小さいものであった。また二成分
の極限粘度比とKの値が小さな比較例2では,ニーイン
グ角度が小さいにもかかわらず,得られた繊維は重荷重
時の崇高性が乏しいものであった。
実施例5 オリフイス数を164孔に変更した以外は実施例1と同様
の方法で紡糸,延伸してポリエステル中空複合繊維を得
た。得られた繊維を構成する164本の各単糸断面形状を
顕微鏡写真により判定したところ,164本全て中空度が高
く,偏心のない良好な断面形状であった。
比較例4 溶融紡糸用オリフイスの形状が,特開昭61−152824号公
報の実施例1と同一の口金(孔数164)を使用した以外
は全て実施例5と同様の方法で紡糸,延伸を行った結
果,得られたポリエステル中空複合繊維には中空部が破
れたり,あるいは中空部が変形した単糸が11本見られ
た。
(発明の効果) 以上述べたように,本発明方法を用いれば,従来方法に
比べニーイングが小さくて紡糸状態が安定するのは勿論
のこと,中空度が高く,かつ中空部の偏心もなくて断面
形状が安定し,捲縮発現性も良好であり,さらに軽荷重
時比容積,重荷重時比容積とも大きくて崇高性に優れた
ポリエステル中空複合繊維を得ることができる。
また,本発明で使用する溶融紡糸用オリフイスは,外周
面円弧と狭幅スリツト部の内周面円弧おおよび広幅スリ
ツト部の内周面円弧の中心点をずらす必要がなくて同心
円状に配置してよいから,紡糸口金に多数のオリフイス
を精度よく均一に製作することができ,これらのオリフ
イスから断面形状がほぼ均一な複合繊維を紡出すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明を実施するための半円弧状のスリットを
対向させた溶融紡糸用オリフイスの形状の一例を示す概
略図,第2図は従来から用いられている一般的な中空繊
維紡糸用オリフイスの概略図,第3図は本発明方法によ
って得られる複合繊維の断面図,第4図は比較例3の方
法によって得られる複合繊維の断面図である。 図中,1は半円弧状スリツトの外周面の円弧,2は広幅スリ
ツトの内周面の円弧,3は狭幅スリツトの内周面の円弧,4
は広幅封止部,5は狭幅封止部,6は広幅スリツト部,7は狭
幅スリツト部である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】粘度の異なる二種のポリエステル成分をサ
    イドバイサイド型に配置したポリエステル中空複合繊維
    を製造するに際し,二成分の極限粘度比〔η〕/〔η
    〕(ここで〔η〕は高粘度成分の極限粘度,
    〔η〕は低粘度成分の極限粘度)が1.13〜1.45の範囲
    のポリエステルを用い,かつ略々半円孤状のスリツト2
    個を対向させた円形スリツト状オリフイスであって,個
    々のスリツトをその中央部で段付き状となし,一端を広
    幅封止部,他端を狭幅封止部で封止して形成され,かつ
    下記(I),(II)式を満足する溶融紡糸用オリフイス
    の,広幅スリツト部には高粘度成分を,狭幅スリツト部
    には低粘度成分を供給して二種の成分を接合させつつ,
    スリツト状オリフイスから吐出することを特徴とするポ
    リエステル中空複合繊維の製造方法。 ただし, SH:広幅スリツト部の面積(mm) SL:狭幅スリツト部の面積(mm
  2. 【請求項2】〔η〕が0.82〜0.64,〔η〕が0.72〜
    0.48である特許請求の範囲第1項記載のポリエステル中
    空複合繊維の製造方法。
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