JPH0663134B2 - 窒素―酸素分離用分子篩炭素繊維の製法 - Google Patents

窒素―酸素分離用分子篩炭素繊維の製法

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JPH0663134B2
JPH0663134B2 JP59082819A JP8281984A JPH0663134B2 JP H0663134 B2 JPH0663134 B2 JP H0663134B2 JP 59082819 A JP59082819 A JP 59082819A JP 8281984 A JP8281984 A JP 8281984A JP H0663134 B2 JPH0663134 B2 JP H0663134B2
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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は分子篩炭素繊維の製法、より詳しく述べると簡
便、安価で、かつ分子篩特性が優れた分子篩炭素繊維の
製法に係る。
従来技術 分子篩炭素は、すでに圧力スイング吸着法(PSA法)に
もとずく空気分離、炭化水素分離あるいは水素精製に実
用化されている。例えば、窒素ガスは、加熱炉内雰囲気
を不活性にするためその他の目的で工業的に多量に利用
されている。窒素ガスの製造方法として空気を深冷し、
酸素と窒素の液体温度の相違を利用する深冷分離法が知
られているが、この方法で得られる窒素ガスは比較的高
価である。またゼオライト系無機質材料を用いた窒素ガ
ス発生装置が知られているが、ゼオライト自身が水に対
する吸着力が強いので、吸着塔の前の段階に乾燥装置を
設ける必要があり、装置が割高になる。一方、分子篩粒
状炭を用いた窒素ガス発生装置が市販されており、この
装置、即ち、分子篩窒素ガス発生法によれば、深冷分離
法による場合に比較して、特に多量の窒素ガスを使用す
る場合非常に安価な価格で窒素ガスを製造することがで
きる。しかし市販の窒素ガス発生装置に用いられている
代表的な分子篩材料はモレキュラーシーブカーボン(分
子篩炭)という粒状の炭素材である。こうした分子篩粒
状炭の製法としては、(1)多孔性炭素吸着剤にフェノ
ール系またはフラン系樹脂用原料物質を吸着して重合ま
たは(および)縮合した後、炭化して吸着剤に細孔構造
を形成する方法(特公昭49−37036号公報)、(2)コ
ークスに熱分解でカーボンを放出する炭化水素を添加し
た後、熱処理して放出されたカーボンをコークスの細孔
中に沈着させる方法(特公昭52−18675号公報)、
(3)微粒状石炭チャーに常温で粘着性を示す有機物質
を配合して造粒した後、炭化する方法(特開昭57−1757
15号公報)などが開示されている。
しかしながら、分子篩炭素はその特性上細孔径分布を厳
密に規定しなければならない。例えば窒素−酸素分離用
においては、細孔径を3.5〜5Å程度に相当に厳格に制
御しなければならず、そのために上記の如き製法では非
常に繁雑かつ高度にならざるを得ない。しかして分子篩
粒状炭は通常の活性粒状炭のように手軽に入手すること
はできず、また使用目的に適した各種の細孔径のものを
製造する技術は確立されていない。また分子篩粒状炭
は、その原料となる多孔性粒状炭の本質的特性に由来し
て、有効なミクロポアを粒状炭表面ではなく、その内部
に保有する。従って圧力スイング吸着法において比較的
高い吸着圧力と脱着真空度を必要とし、装置運転時に不
経済性を招来する。更に分子篩粒状炭を使用する場合、
圧力スイングにより粉化し粉塵が発生する恐れがある。
一方、分子篩粒状炭に対して、繊維状の分子篩炭素、即
ち分子篩炭素繊維の製法も開示されている(特開昭57−
101024公報)、これは特殊な製法による石炭解重合物を
溶融紡糸し、不融化後軽度に賦活することを特徴とする
ものである。このものでは特殊な紡糸原料の用いなけれ
ばならないこともさることながら、水蒸気等を用いた繊
維外部からの賦活で、狭い細孔径分布と大きな有効細孔
容積を実現することは、厳密な賦活条件の制御が要求さ
れる。
発明の目的 本発明の目的は、以上の如き従来技術に鑑み、高純度の
窒素ガスとして分離・精製可能で、かつ粉化等による性
能劣化の恐れのない窒素−酸素分離用分子篩炭素繊維の
製法を提供することである。
発明の構成 上記目的を達成するために、本発明では、炭化可能な有
機物質を原料として紡糸して生繊維を得る工程と、酸素
含有雰囲気中で該生繊維を処理して処理後の生繊維の重
量を基準にして、8〜28重量%の酸素を取り込む工程
と、該生繊維を500〜850℃で炭化することによって、酸
素を含む物質を繊維外へ放出させることのみによって、
細孔直径が5Å以下の複数のミクロポアを繊維表面に直
接形成させる工程とからなる窒素−酸素分離用分子篩炭
素繊維の製法を提供する。
発明の構成の具体的説明 本発明に依る分子篩炭素繊維の製法の第1の特徴は分子
篩炭素繊維が繊維状のものであることである。繊維状炭
素材は、それ自体が機械的強度にすぐれている、フレキ
シブルであるなどの長所を持っているほかに、分子篩能
を与えるために細孔を形成した場合に、繊維特有の結晶
性及び配向性のために非常に狭い細孔径分布が達成さ
れ、しかも有効なミクロポアが粒状炭と異なり繊維表面
に直接開孔される利点がある。
こうして、本発明では、先ず、石油系または石炭系残渣
(例えばコールタール、ピッチ)などの有機物質を紡糸
して生繊維を作成する。石油系残渣は原油蒸留時の残
分、石炭系残渣は石炭乾留時の残分である。紡糸法は慣
用的方法、通常、溶融紡糸法でよい。紡糸された生繊維
の径は5μm〜50μm程度が好ましい。繊維径が大きす
ぎると可撓性が失なわれて繊維がもろくなり、小さすぎ
ると取り扱いが不便になるからである。生繊維の長さは
特に限定されない。
次に、炭化の段階で繊維外に放出され得る物質、酸素を
生繊維に取り込み、含有させる。これは、酸素を含むガ
ス雰囲気中に生繊維を置き、通常、加熱することによっ
て達成される(雰囲気処理)。
雰囲気処理で取り込む物質は雰囲気処理後の生繊維全重
量を基準にして8〜28%重量パーセント含有させる。こ
の含有量は最終分子篩炭素繊維の細孔径及び細孔容積に
影響する。
この雰囲気処理として最も簡便な手法は空気中の熱処理
である。処理温度は一般に250〜450℃である。温度が高
すぎると酸素が繊維中に取り込まれると同時に繊維の酸
化消耗が起り収率が悪くなる。また、温度が低すぎると
一定量の酸素を繊維中に取り込むのに時間がかかりすぎ
て効率的ではない。また、オゾン雰囲気中で処理した後
上記と同様の処理を行ってもよい。この場合には、オゾ
ン処理温度として一般に50〜160℃、好ましくは65〜75
℃を利用することができる。
この酸素による雰囲気処理は、普通の炭素繊維の製造に
おける不融化処理と較べて、より大量の酸素を繊維中に
含有させる。不融化処理は炭化の段階で生繊維が溶融す
るのを防止すれば足り、しかも最終炭素繊維には細孔が
存在すべきではないので、その処理も比較的軽度であ
る。これに対して、本発明の方法では、例えば空気中の
熱処理で繊維内に取り込んだ酸素を炭化の段階に繊維外
へ放出することによって積極的に大量の細孔を形成する
ものであるから、不融化処理よりも処理の程度が進んで
いる。また、そのために同じ空気中での熱処理であって
も、好ましい態様では不融化処理におけるよりも高い処
理温度を利用するといった相違がある。
本発明の特別の目的である窒素−酸素分離用分子篩炭素
繊維を製造するためには、雰囲気処理後の生繊維の全重
量を基準にして8〜28重量パーセントの酸素を含有して
いることが好ましいことが判明した。
最後に、生繊維を炭化する。この炭化処理は先に生繊維
中に取り込んだ物質を繊維外に放出することによって繊
維に細孔を形成するとともに、一定の強度を持たせるた
めに行なうものである。この処理はどちらかといえば炭
素材の炭化よりも所望な細孔の形成に重点があり、従っ
て、分子篩に求める所望の細孔径に応じて処理の温度あ
るいは時間等を決める。一般に、低い温度で処理するほ
ど細孔径の小さい細孔が得られ、処理温度が高くなるに
つれて細孔径は大きくなる。大略ではあるが、約400〜4
50℃から約800〜900℃の温度に対応して約3.3Åから約1
0Åの細孔径を達成することが可能である。
再び、本発明の特別の目的である窒素−酸素分離用分子
篩を製造する場合について述べると、500〜750℃の処理
温度が好ましい。この条件と前記の酸素含有量8〜28重
量パーセントの条件とを結び付けると、PSA法にもとづ
く空気分離において製品出口の窒素濃度が98vol%以
上、更には99vol%以上、あるいは更に99.9vol%以上さ
えの性能を有した分子篩炭素繊維を製造することが可能
である。このような窒素−酸素分離効能を有する分子篩
は細孔径が実質的に約3.5〜5Å、更には4Å前後であ
る(窒素分子の寸法は約3.0Å×約4.1Å、酸素分子の寸
法は約2.8Å×約3.8Åである)。尚、このように、本発
明に依れば、所望な細孔径に非常に狭い分布を有する細
孔を形成できるが、これは繊維状炭素材を用いているこ
とによって容易に達成されていることは前に述べた通り
である。
また、炭化処理は不活性雰囲気中、即ち、処理温度で炭
素繊維材に対して不活性なガスの雰囲気中で行なう。一
般には、炭素繊維製造における炭化処理の場合と同様、
所謂不活性ガス、例えばアルゴン、窒素などを用いるこ
とができる。
なお、従来、粒状又は繊維状の活性炭分子篩を製造する
場合、賦活処理、即ち、賦活ガス(繊維と反応して繊維
に細孔を形成させる成分、例えば水蒸気)を含む雰囲気
中で熱処理して繊維に繊維外から細孔を形成している
が、本発明ではこのような賦活処理を行わない。本発明
では、不活性雰囲気中の特定の温度における炭化工程
で、生繊維中に予め取り込んでおいた酸素を繊維外に放
出させることにより細孔を形成する。賦活処理によって
細孔を形成すると、狭い細孔径分布にならず、分子篩と
しての分離性能に優れたものが得られない。
以上のように、本発明に依る分子篩炭素繊維の製造は非
常に簡単かつ安価な処理工程のみからなっている。しか
も、この方法によれば、所期の細孔径を有して優れた分
子篩性能を発揮する分子篩炭素繊維が得られる。
実施例 以下に実施例を用いて本発明を説明する。
例1 紡糸原料としてナフサ熱分解ピッチを熱処理して得られ
たピッチを用い、常法に従って溶融紡糸した生繊維を、
空気中、昇温速度2℃/minで300℃まで昇温し、2時間
保持した。その際、全繊維重量を基準として酸素含有率
は12.1wt%であった。さらに、不活性雰囲気(N)ガ
ス中昇温速度2℃/minで690℃まで昇温、10分間保持し
た後、冷却して、分子篩炭素繊維を製造した。
例2 例1と同様の原料を用い、紡糸後、得られた生繊維を、
空気中、昇温速度2℃/min270゜まで昇温し、2時間保
持し、その後、さらに昇温速度3℃/minで420℃まで昇
温した。その際酸素含有率は20.7wt%であった。さら
に、不活性雰囲気中、昇温速度4℃/minで600℃まで昇
温し、1時間保持して、分子篩炭素繊維を製造した。
例3 紡糸原料としてコールタールピッチを熱処理して得たピ
ッチを用い、遠心紡糸法により紡糸した生繊維を、空気
中、昇温速度2℃/minで300℃まで昇温し、1.5時間保
持した。その際、酸素含有率は13.2wt%であった。さら
に、不活性雰囲気中、昇温速度4℃/minで680℃まで昇
温し、1時間保持して分子篩炭素繊維を製造した。
例4 例1と同様の紡糸原料を用い、紡糸後、得られた生繊維
をオゾン濃度1000ppm、処理温度70℃で30分間オゾン処
理し、その後、昇温速度10℃/minで空気中、400℃まで
昇温した。その時の酸素含有率は19.8wt%であった。そ
して、不活性雰囲気中、昇温速度4℃/minで610℃まで
昇温し、1時間保持して分子篩炭素繊維を製造した。
例5 例1と同様のナフサピッチを用い、溶融紡糸した生繊維
を、空気中、昇温速度1℃/minで300℃まで昇温し、2
時間保持した後、さらに昇温速度3℃/minで450℃まで
昇温した。その際の酸素含有率は24wt%であった。さら
に不活性雰囲気中昇温速度5℃/minで680℃まで昇温
し、2時間保持して分子篩炭素繊維を製造した。
例6 例3と同じ紡糸原料を用い、遠心紡糸法により紡糸した
生繊維を空気中、昇温速度1℃/minで300℃まで昇温
し、2時間保持した後、さらに昇温速度3℃/minで380
℃まで昇温し、次に不活性雰囲気中昇温速度5℃/min
で750℃まで昇温し、2時間保持して分子篩炭素繊維を
製造した。
例7 例1と同じナフサピッチを用いて、溶融紡糸した生繊維
を空気中、1℃/minの昇温速度で300℃まで昇温し、2
時間保持した後、さらに5℃/minの昇温速度で480℃ま
で昇温した。その際の酸素含有率は28wt%であった。そ
して不活性雰囲気中、昇温速度4℃/minで820℃まで昇
温して2時間保持し、分子篩炭素繊維を製造した。
上記例1〜4は窒素−酸素分離用の分子篩炭素繊維であ
るが製造した分子篩炭素繊維の細孔径を調べるため、例
1による分子篩炭素繊維について炭酸ガス、ノルマルブ
タン、イソブタン(各々最小分子径は3.3,4.3,5.0Å)
を用いて吸着等温線(25℃)を求めた。第1図はその結
果を表わしたものであるが、炭酸ガス、ノルマルブタン
は多量に吸着されるが、イソブタンに関してはほとんど
吸着されない。従っえ、例1により製造された分子篩炭
素繊維は細孔径が5Å以上の細孔を有していないことが
確認される。また他の例2〜4により製造した分子篩炭
素繊維も同様の結果であった。
さらに、例1〜4により得られた分子篩炭素繊維の窒息
−酸素分離性能を下記の実験方法で調べてみた。実験は
PSA法(Pressure Swing Adsorption)に従った。実験装
置としては、分子篩炭素繊維を充填した吸着カラム(内
径40φ,長さ110mm)2本を並列に並べ、吸着カラム両
端に電磁弁を設けて、吸着脱離操作を行なった。カラム
出口側には微量調整バルブを設け、ガス流量を100ml/
分に調整し、酸素濃度計を用いて酸素濃度を連続的に測
定した。そして、酸素濃度が常に0.1〜0.2%以下の窒素
ガスを得ることを確認した。
以上の通り、本発明の方法に依れば、生繊維に含有させ
る物質(酸素)の量と、炭化温度を適当に選択すること
によって、簡単かつ安価に、優れた分子篩性能(細孔径
分布をかなり厳しく調整した分子篩)をもった窒素−酸
素分離用分子篩炭素繊維を製造することができる。
発明の効果 以上の説明から明らかなように、本発明に依り、所望の
細孔径分布を持った分子篩炭素繊維を非常に簡便かつ安
価に製造することができ、かつ得られる分子篩炭素繊維
は優れた分離性能、機械的強度その他の利点を有してい
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例1の方法に依り作成した分子篩
炭素繊維のガス吸着等温線図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C01B 31/08 Z (72)発明者 大山 尚久 愛知県西尾市下羽角町岩谷14番地 株式会 社日本自動車部品総合研究所内 (72)発明者 波多野 実 愛知県西尾市下羽角町岩谷14番地 株式会 社日本自動車部品総合研究所内 (56)参考文献 特開 昭60−227832(JP,A) 特開 昭57−101024(JP,A) 特開 昭57−129816(JP,A) 特開 昭58−136838(JP,A) 特開 昭59−68389(JP,A)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】炭化可能な有機物質を原料として紡糸して
    生繊維を得る工程と、 酸素含有雰囲気中で該生繊維を処理して処理後の生繊維
    の重量を基準にして、8〜28重量%の酸素を取り込む工
    程と、 該生繊維を500〜750℃で炭化することによって、酸素を
    含む物質を繊維外へ放出させることのみによって、細孔
    直径が5Å以下の複数のミクロポアを繊維表面に直接形
    成させる工程と、 からなることを特徴すとる窒素−酸素分離用分子篩炭素
    繊維の製法。
  2. 【請求項2】炭化可能な有機物質として、ピッチやコー
    ルタールのような石油系または石炭系残渣を用いる特許
    請求の範囲第1頁記載の窒素−酸素分離用分子篩炭素繊
    維の製法。
JP59082819A 1984-04-26 1984-04-26 窒素―酸素分離用分子篩炭素繊維の製法 Expired - Lifetime JPH0663134B2 (ja)

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