JPH066349B2 - 形状記憶性管体及びその施工方法 - Google Patents

形状記憶性管体及びその施工方法

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、形状記憶機能を有する熱可塑性ポリウレタン
エラストマーで形成した管体及びその管体の施工方法に
関する。
(従来の技術) 一般に、ポリウレタンは、極低温にガラス転移点を設定
して、低温時においても通常の天然ゴムや合成ゴムのよ
うな低弾性率を有するものか、約100〜110℃という極高
温にガラス転移点を設定して、高温時においても高弾性
率、耐摩耗性等の特性を生かした人工木材等に利用され
てきた。
本発明者等は、先に形状記憶性ポリウレタンエラストマ
ーを提案した(特開昭61-293214号公報)。
形状記憶性ポリマー成形体とは、成形温度未満の温度で
変形を与え、そのままガラス転移点以下まで冷却して変
形を固定し、また、ガラス転移点以上で成形温度未満の
温度に加熱して、再び元の形状に復帰させるもので、温
度操作により変形形状と元の成形形状を使い分けること
のできるポリマー成形体である。
上記の形状記憶性ポリウレタンエラストマーとしては、
イソフォロン系イソシアネート、ポリオール及び鎖延長
剤としてトリメチロールプロパンのトリレンジイソシア
ネートアダクトを配合したもの、及び、2,4−トリレン
ジイソシアネート、ポリオール及び鎖延長剤として1.4
−ブタンジオールを配合したものの、2種のポリウレタ
ンエラストマーが記載されている。これらのポリウレタ
ンエラストマーは、ガラス転移点以上でゴム弾性を発現
させるために、いずれも末端に余剰の[NCO]を多量に保
有させ、前者の配合においては更に3官能の鎖延長剤を
用いることにより、積極的に分子間を架橋させている。
このように分子間架橋が進むと熱硬化性ポリマーとな
り、その加工性の自由度は極めて小さくなる。具体的に
は、射出成形、押出成形、吹き込み成形等の成形法を適
用することは、極めて困難であった。
(発明が解決しようとする課題) 本発明は、熱可塑性を有し、室温前後のガラス転移点以
上でゴム弾性を保持し、射出成形、押出成形等の溶融成
形を可能とする形状記憶性ポリウレタンエラストマーで
成形した管体及びその施工方法を提供しようとするもの
である。
(課題を解決するための手段) 本発明は、(1)2官能のジイソシアネート、2官能のポ
リオール及び活性水素基を含む2官能の鎖延長剤を原料
とし、モル比で、ジイソシアネート:ポリオール:鎖延
長剤=2.00〜1.10:1.00:1.00〜0.10と配合してプレポリ
マー法により重合したポリウレタンエラストマーで、ポ
リマーの末端には[NCO]と[OH]をほぼ等量含有し、-50〜
60℃の範囲のガラス転移点及び3〜50重量%の結晶化度
を有する形状記憶性ポリウレタンエラストマーを用い、
管状に成形して基本形状を記憶させ、ポリマーのガラス
転移点より高く、成形温度より低い温度で上記管体に変
形を加え、そのままの状態でガラス転移点より低い温度
に冷却することにより固定化した第2の形状を採ること
のできる形状記憶性管体、及び(2)上記(1)記載の基本形
状を記憶する管体をガラス転移点より高く、成形温度よ
り低い温度で変形を加えて、そのままの状態でガラス転
移点より低い温度に冷却して第2の形状を固定化し、該
管体を他の部材と組み合わせた後、ガラス転移点より高
い温度に加熱することにより、基本形状を回復させ、管
体と部材とを強固に接合することを特徴とする形状記憶
性管体の施工方法である。
(作用) 従来の形状記憶ポリウレタンエラストマー成形体が、ガ
ラス転移点以上でゴム弾性を発現するために、ポリマー
の末端に余剰の[NCO]を多量に保有させ、末端[NCO]とウ
レタン結合部とを反応させて分子間架橋を積極的に進行
させ、剛直なアロファネート結合を形成するのに対し
て、本発明では、2官能のイソシアネート、ポリオール
及び鎖延長剤を用い、一定の原料配合を行い、特に、ポ
リマーの末端に余剰の[NCO]を保有させず、また、所定
の結晶化度を付与することにより、室温前後でガラス転
移点を有し、該ガラス転移点前後で一定の弾性率比を示
し、かつ、熱可塑性の鎖状ポリマーである形状記憶ポリ
ウレタンエラストマーを得ることができるのである。か
かるポリウレタンエラストマーは、分子間架橋を抑制す
る代わりに部分結晶を保持することにより、鎖状高分子
で熱可塑性ポリマーではあるが、ガラス転移点以上でゴ
ム弾性を保持し、かつ、ガラス転移点前後で成形体を変
形形状と成形形状の間を移行させることのできる形状記
憶性を有するものである。このように、熱可塑性を有す
るこのポリウレタンエラストマーは、射出成形、押出成
形等の溶融成形が可能となり、管体製品を容易に形成す
ることができるようになった。
ここで、結晶化度は3〜50重量%の範囲にあることが好
ましい。結晶化度が3重量%以下とするとガラス転移点
以上の温度でゴム弾性が小さくなり、結晶化度が50重
量%以上とするとガラス転移点以上の温度でゴム弾性が
高くなり、ガラス転移点前後±10℃での弾性率の比が小
さくなる。
本発明で使用可能な原料を次に例示するが、これに限定
されるものではない。
まず、2官能のイソシアネートの例としては、一般式で
OCN-R-NCOと表記することができ、Rにはベンゼン環を
1、2個有するものと全く有しないものがあるが、いず
れも使用可能であり、具体的には、2.4−トルエンジイ
ソシアネート、4.4′−ジフェニルメタンジイソシアネ
ート、カルボジイミド変成の4.4′−ジフェニルメタン
ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等
を挙げることができる。
2官能のポリオールの例としては、一般式でOH-R′-OH
と表記することができ、R′にはベンゼン環を1、2個
有するものと全く有しないもの、更には上記の2官能の
ポリオールに2官能のカルボン酸若しくは環状エーテル
を反応させた生成物など、いずれも使用可能であり、具
体的には、ポリプロピレングリコール、1.4−ブタング
リコールアジペート、ポリテトラメチレングリコール、
ポリエチレングリコール、ビスフェノール−A+プロピ
レンオキサイド等を挙げることができる。
活性水素基を含む2官能の鎖延長剤の例としては、一般
式でOH-R″-OHと表記することができ、R″には(CH2
基、ベンゼン環を1、2個有する基など、いずれも使
用可能であり、具体的には、エチレングリコール、1.4
−ブタングリコール、ビス(2−ハイドロキシエチル)
ハイドロキノン、ビスフェノール−A+エチレンオキサ
イド、ビスフェノール−A+プロピレンオキサイド等を
挙げることができる。
これらの原料から合成したポリウレタンエラストマー
は、一般式で次のように表記することができる。
HOR″OCONH(RNHCOOR′OCONH)nRNHCOOR″OCO
NH−(RNHCOOR′OCONH)mRNHCOOR″OH m=1〜16, n=0〜16。
これらの形状記憶性ポリウレタンエラストマーの製造例
を以下に示す。イソシアネート成分とポリオール成分を
第1表に記載のように配合し、無触媒で反応させてプレ
ポリマーを合成し、次いで、鎖延長剤を第1表の配合で
添加し、加熱することによりキュアリングを施し、形状
記憶性を有するポリウレタンエラストマーを得た。
このポリウレタンエラストマーの基本的物性は第1表の
通りである。
表中のTgはガラス転移点(℃)を、E/E′は(ガラ
ス転移点より10℃低い温度における引張弾性率)/(ガ
ラス転移点より10℃高い温度における引張弾性率)を示
す。また、結晶化度(重量%)はX線回折法により測定
した。
本発明の管体は、このような形状記憶性ポリウレタンエ
ラストマーを用い、その成形の際に基本形状を記憶させ
たもので、その管体をガラス転移点より高く、成形温度
より低い温度で変形を加えて、そのままの状態でガラス
転移点より低い温度に冷却して第2の形状を固定化し、
該管体を他の部材と組み合わせた後、ガラス転移点より
高い温度に加熱することにより、基本形状を回復させ、
管体と部材とを強固に接合させることができるものであ
る。
(実施例1) 第1図に示す手順で配管内に形状記憶性ポリウレタンエ
ラストマーの内管を装着させた。
図(a)は内径10cmの鋼管であり、図(b)は第1表のサンプ
ルNo.40の原料配合によりプレポリマー法で合成したポ
リマー(Tg=48℃)を用いて押出成形法で作った、外径1
0.4cmで肉厚5mmの円筒形管体である。この管体を約65
℃に加熱して側面から加圧して図(c)のように圧し潰
し、そのまま約40℃まで冷却してこの形状を固定化し
た。そして、この管体を鋼管内に挿入した状態を示した
のが図(c)である。その後、内管内に約65℃の加熱空気
を送って、内管の形状を当初の円筒形に回復させて、鋼
管内に密着させて一体化させた。
従来は、このように内径の小さな鋼管の内面にポリウレ
タンエラストマーをコーティングすることは、極めて困
難であったが、上記のように形状記憶機能を活用するこ
とにより、容易にポリウレタンエラストマー内管を装着
することができた。
(実施例2) 第2図に示すように、形状記憶性管体を用いて配管を接
続した。第1表のサンプルNo.39の原料配合によりプレ
ポリマー法で合成したポリマー(Tg=40℃)を用い、外
径5cm、肉厚3mmの直胴管体を形成し、直胴形状を記憶
させた。この管体の端部を約60℃に加熱し、端部3cmを
外径4cmまで絞り込み、その状態を保持して約35℃まで
冷却し固定化して、図に示した管体1を得た。
次いで、内径4.5cmの配管2内に上記の管体1の端部を
挿入し、約60℃に加熱することにより、管体は直胴形状
の記憶を回復して配管に強固に密着して結合することが
できた。
これは形状記憶性管体と配管との接続の例であるが、エ
ルボを形状記憶性ポリマーで形成して、鋼管の接続に使
用することもできる。
(発明の効果) 本発明は、上記の構成を採用することにより、形成記憶
機能を有する熱可塑性のポリウレタンエラストマーを用
いて管体を形成することができ、射出成形、押出成形、
吹き込み成形等の溶融成形が可能となり、成形体の形状
に制約されることなく自由に製作することができるよう
になった。また、管体の基本形状を記憶させることがで
きるので、該管体を一度別の形状、例えば、管径を小さ
くしたり、拡大したり、折り曲げたりして第2の形状を
付与し、管体を他の部材と組み合わす過程で、基本形状
の記憶を回復させて強固な結合を可能とした。
【図面の簡単な説明】
第1図及び第2図は本発明の実施例を説明するための図
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 E03C 1/12 7005−2D F16L 11/12 // B29L 23:22 4F

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】2官能のジイソシアネート、2官能のポリ
    オール及び活性水素基を含む2官能の鎖延長剤を原料と
    し、モル比で、ジイソシアネート:ポリオール:鎖延長
    剤=2.00〜1.10:1.00:1.00〜0.10と配合してプレポリマ
    ー法により重合したポリウレタンエラストマーで、ポリ
    マーの末端には[NCO]と[OH]をほぼ等量含有し、-50〜60
    ℃の範囲のガラス転移点及び3〜50重量%の結晶化度を
    有する形状記憶性ポリウレタンエラストマーを用い、管
    状に成形して基本形状を記憶させ、ポリマーのガラス転
    移点より高く、成形温度より低い温度で上記管体に変形
    を加え、そのままの状態でガラス転移点より低い温度に
    冷却することにより固定化した第2の形状を採ることの
    できる形状記憶性管体。
  2. 【請求項2】請求項(1)記載の基本形状を記憶する管体
    をガラス転移点より高く、成形温度より低い温度で変形
    を加えて、そのままの状態でガラス転移点より低い温度
    に冷却して第2の形状を固定化し、該管体を他の部材と
    組み合わせた後、ガラス転移点より高い温度に加熱する
    ことにより、基本形状を回復させ、管体と部材とを強固
    に接合することを特徴とする形状記憶性管体の施工方
    法。
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