JPH066365B2 - 抗菌性を有する吸水性シート - Google Patents

抗菌性を有する吸水性シート

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JPH066365B2
JPH066365B2 JP4583088A JP4583088A JPH066365B2 JP H066365 B2 JPH066365 B2 JP H066365B2 JP 4583088 A JP4583088 A JP 4583088A JP 4583088 A JP4583088 A JP 4583088A JP H066365 B2 JPH066365 B2 JP H066365B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は抗菌性を有する吸水性シートに関し、更に詳し
くは生鮮食品の保存等に適した抗菌性吸水シートに関す
る。
[従来の技術] 従来、吸水シートとして、少くとも一方が通水性である
シート基材と他のシート基材との間に吸水剤である高吸
収性樹脂を含有するもの及びシート基材の面に高吸水性
樹脂を含有する塗工剤によってパターン状の吸水層を設
けるとともに、その非パターン部に接着剤層を形成して
他のシート基材を貼合したものが知られ、オムツ、生理
用品、食品用ドリップシート、結露防止材、ベッド用シ
ート、農園芸用資材等に使用されている。しかし抗菌性
を有する吸水シートはない。
[発明が解決しようとする問題点] 上記の従来の技術においてはシート中の高吸水性樹脂が
吸水するとシートの表面及び周囲にかびがはえたり、雑
菌が繁殖しやすくなる。例えば食品用ドリップシートと
して使用した場合、シートの表面にかびがはえる。結露
防止材として使用した場合、天井板、壁紙、建具等にか
びがはえると言う問題点がある。従来環境殺菌剤とし
て、ハロゲン系殺菌剤、酸素系殺菌剤、界面活性剤、ア
ルデヒド系殺菌剤、アルコール・フェノール系殺菌剤、
エポオキシド及びビグアニド系殺菌剤等があるが、これ
らはいずれも人体に対して有害である。またこれらは有
機系化合物なので耐熱性に乏しく、かつ揮発性を有する
ための加熱加工することは不可能であった。以上の問題
点を解決した抗菌性吸水シートが本出願人による出願に
おいてすでに提出されている(本願出願時に非公知の特
願昭61-301388)。すなわち、抗菌性金属イオンをイオ
ン交換して保持しているゼオライト系固体粒子と高吸水
性樹脂を2枚の膜によりサンドイッチしたシートがそこ
に記載されている。このシートは吸水性及び抗菌性の点
で優れているが、なお欠点を有している。大判のシート
の形で製造された物を、使用に適した大きさ、形状に切
断すると、使用時に吸水して膨潤した高吸水性樹脂が切
断面から脱落して被包装物を汚す危険性を有する。また
高吸水性樹脂を挟む2枚の膜を加熱圧着等によりあまり
強く接着し過ぎると吸水性樹脂の膨潤を妨げ、吸水性を
悪くさせる等の問題点を有している。
[問題点を解決する手段] 本発明者らは上記の問題点を一挙に解消するべく鋭意研
究を進めた結果、以下の本発明により問題点を解消する
に至った。
すなわち本発明は、少くとも1枚の通水性シート基材を
含む2枚以上のシート基材及び前記シート基材の間に存
在する抗菌性の高吸水性樹脂層より主としてなる吸水性
シートであって、前記高吸水性樹脂層が抗菌性を有する
金属イオンをイオン交換して保持している150m2/g以
上の比表面積及び14以下のSiO/Aモル比
を有するゼオライト系固体粒子及び高吸水性樹脂を含
み、前記シート基材のいずれか1枚の上にコーティング
されており、前記シート基材の周縁部には前記高吸水性
樹脂層がなく、該周縁部においてシート基材が相互にシ
ールされていることを特徴とする吸水性シートである。
本発明においていう抗菌性を有する高吸水性層は、自重
の数倍乃至数百倍の水を吸収しかつ抗菌性を発現し得る
層であり、従来公知の高吸水性樹脂と抗菌性を有するゼ
オライト系固体粒子を含む塗工剤から形成することがで
きる。
本発明に用いられる高吸水性樹脂としては、例えば、 (1)ビニルエステルとエチレン性不飽和カルボン酸又は
その誘導体との共重合体のケン化物、 (2)デンプン又はセルロースと不飽和カルボン酸又はそ
の誘導体との共重合体、 (3)デンプン又はセルロースと不飽和カルボン酸若しく
はその誘導体との共重合体と不溶化カルボキシメチルセ
ルロース塩との混合物、 (4)自己架橋型アクリル酸アルカリ金属塩重合体、 (5)ビニルエステルとアクリル酸エステル又はメタクリ
ル酸エステルとの共重合体のケン化物、 (6)低級オレフィンとエチレン−酢酸ビニル共重合体又
はポリブタジエンとの混合物、 (7)アクリル塩アルカリ金属塩又はアンモニウム塩とア
クリル酸との共重合体等が挙げられ、このような高吸水
性高分子は、例えば、サンウェット(三洋化成工業
製)、スミカゲル(住友化学製)、アクアキープ(製鉄
化学製)、アラーソープ(荒川化学製)等の商品名で市
場から入手できる。上記例は単なる例示であり、その他
の高吸水性材料も本発明で使用することができる。
以上のごとき高吸水性樹脂は通常粉末の形状であって、
0.1μm程度の微粉末から、350μm程度の粒径の粗い粒
子まで存在するが、本発明の好ましい実施態様におい
て、抗菌性を有する高吸水層を印刷方式によって形成す
る場合には、1μm乃至100μm程度の粒子径のものを
用いるのが望ましい。
本発明において、抗菌作用を有する金属イオンをイオン
交換して保持しているゼオライト(以下単に、抗菌作用
を有するゼオライトと云うことがある)は、特開昭59-1
33235に開示されるようなものである。
すなわち抗菌作用を有するゼオライト系固体粒子とは、
アルミノシリケートよりなる天然又は合成ゼオライトの
イオン交換可能な部分に抗菌効果を持つ金属イオンの1
種又は2種以上を保持しているものである。抗菌作用の
ある金属イオンの好適例として銀、銅、亜鉛、錫、鉛、
ビスマス、カドミウム、クロム及び水銀が挙げられ、好
ましくは銀、銅、亜鉛が用いられる。抗菌性のある上記
金属の単独又は混合での使用が可能である。
ゼオライトは一般に三次元的に発達した骨格構造を有す
るアルミノシリケートであって、一般にはA
基準にしてxM/nO・A・ySiO・z
Oで表わされる。Mはイオン交換可能な金属イオン
を表わし、通常は1価〜2価の金属であり、nはこの原
子価に対応する。一方x及びyはそれぞれ金属酸化物、
シリカの係数、zは結晶水の数を表わしている。ゼオラ
イトは、その組成比及び細孔径、比表面積等の異る多く
の種類のものが知られている。
しかし本発明で使用するゼオライト系固体粒子の比表面
積は150m2/g(無水ゼオライト基準)以上であって、
ゼオライト構成成分のSiO/Aモル比は14
以下好ましくは11以下でなければならない。
本発明で使用する抗菌作用を有する金属例えば銀、銅及
び亜鉛の水溶性塩類の溶液は、本発明で限定しているゼ
オライトとは容易にイオン交換するので、かかる現象を
利用して必要とする上記の金属イオンを単独又は混合で
ゼオライトの固定相に保持させることが可能であるが、
金属イオンを保持しているゼオライト系粒子は、比表面
積が150m2/g以上、かつSiO/Aモル比
が14以下であるという2つの条件を満たさなければなら
ない。もしそうでなければ効果的な抗菌作用を達成する
目的物が得られない。これは、効果を発揮できる状態で
ゼオライトに固定された金属イオンの絶対量が不足する
ためであると考えられる。つまり、ゼオライトの交換基
の量、交換速度、アクセシビリティ等の物理化学的性質
に帰因するものと考えられる。
従って、モレキュラーシーブとして知られているSiO
/Aモル比の大きなゼオライトは、本願発明
において全く不適当である。
またSiO/Aモル比が14以下のゼオライト
においては、抗菌作用を有する金属イオンを均一に保持
させることが可能であり、このためにかかるゼオライト
を用いることにより初めて充分な抗菌効果が得られる。
加えて、ゼオライトのSiO/Aモル比が14
を越えるシリカ比率の高いゼオライトの耐酸、耐アルカ
リ性はSiOの増大とともに増大するが、一方これの
合成にも長時間を要し、経済的にみてもかかる高シリカ
比率のゼオライトの使用は得策でない。前述したSiO
/A≦14の天然又は合成ゼオライトは本発明
の通常考えられる利用分野では、耐酸性、耐アルカリ性
の点よりみても充分に使用可能であり、また経済的にみ
ても安価であり得策である。この意味からもSiO
モル比は14以下でなければならない。
本発明で使用するSiO/Aのモル比が14以
下のゼオライト素材としては天然又は合成品のいずれの
ゼオライトも使用可能である。例えば天然のゼオライト
としてはアナルシン(Analcime:SiO/A
=3.6〜5.6)、チャバサイト(Chabazite:SiO
=3.2〜6.0及び6.4〜7.6)、クリノプチロラ
イト(Clinoptilolite:SiO/A=8.5〜1
0.5)、エリオナイト(Erionite:SiO/A
=5.8〜7.4)、フオジヤサイト(Faujasite:SiO
/A=4.2〜4.6)、モルデナイト(mordenit
e:SiO/A=8.34〜10.0)、フィリップ
サイト(Phillipsite:SiO/A=2.6〜4.
4)等が挙げられる。これらの典型的な天然ゼオライト
は本発明に好適である。一方合成ゼオライトの典型的な
ものとしてはA−型ゼオライト(SiO/A
=1.4〜2.4)、X−型ゼオライト(SiO/A
=2〜3)、Y−型ゼオライト(SiO/A
=3〜6)、モルデナイト(SiO/A
9〜10)等が挙げられるが、これらの合成ゼオライト
は本発明のゼオライト素材として好適である。特に好ま
しいものは、合成のA−型ゼオライト、X−型ゼオライ
ト、Y−型ゼオライト、クリノプチロライト及び合成又
は天然のモルデナイトである。
ゼオライトの形状は粉末粒子状が好ましく、粒子径は用
途に応じて適宜選べばよい。例えば数ミクロン〜数10ミ
クロンあるいは数100ミクロン以上、あるいは5ミクロ
ン以下、特に2ミクロン以下であることができる。
金属イオンはゼオライト系固体粒子にイオン交換反応に
より保持されなければならない。イオン交換によらず単
に吸着あるいは付着したものでは抗菌効果及びその持続
性が不充分である。金属イオンを保持させる方法として
は、本発明で定義した各種のゼオライトを本発明のAg
−ゼオライトに転換する場合を例にとると、通常Ag−
ゼオライト転換に際しては硝酸銀のような水溶性銀塩の
溶液が使用されるが、これの濃度は過大にならないよう
留意する必要がある。例えばA−型又はX−型ゼオライ
ト(ナトリウム−型)をイオン交換反応を利用してAg
−ゼオライトに転換する際に、銀イオン濃度が大である
と(例えば1〜2MAgMO使用時は)イオン交換に
より銀イオンは固相のナトリウムイオンと置換すると同
時にゼオライト固相中に銀の酸化物等が沈殿析出する。
このために、ゼオライトの多孔性は減少し、比表面積は
著しく減少する欠点がある。また比表面積は、さほど減
少しなくても、銀酸化物の存在自体によって殺菌力は低
下する。かかる過剰銀のゼオライト相への析出を防止す
るためには銀溶液の濃度をより希釈状態例えば0.3MA
gNO以下に保つことが必要である。もっとも安全な
AgNOの濃度は0.1M以下である。かかる濃度のA
gNO溶液を使用した場合には得られるAg−ゼオラ
イトの比表面積も転換素材のゼオライトとほぼ同等であ
り、抗菌作用の効果が最適条件で発揮できることが判っ
た。
次に本発明で定義したゼオライト類をCu−ゼオライト
に転換する場合にも、イオン交換に使用する銅塩の濃度
によっては、前述のAg−ゼオライトと同様な現象が起
る。例えばA−型又はX−型ゼオライト(ナトリウム−
型)をイオン交換反応によりCu−ゼオライトに転換す
る際に、1MCuSO使用時は、Cu2+は固相のN
と置換するが、これと同時にゼオライト固相中にC
(SO)(OH)のような塩基性沈殿が析出す
るためにゼオライトの多孔性は減少し、比表面積は著し
く減少する欠点がある。かかる過剰な銅のゼオライト相
への析出を防止するためには使用する水溶性銅液の濃度
をより希釈状態、例えば0.05M以下に保つことが好まし
い。かかる濃度のCuSO溶液の使用時には得られる
Cu−ゼオライトの比表面積も転換素材のゼオライトと
ほぼ同等であり、抗菌効果が最適な状態で発揮できる利
点があることが判った。
Ag−ゼオライトならびにCu−ゼオライトへの転換に
際して、イオン交換に使用する塩類の濃度によりゼオラ
イト固相への固形物の析出があることが述べたが、Zn
−ゼオライトへの転換に際しては、使用する塩類が2〜
3Mの付近では、かかる現象がみられない。通常本発明
で使用するZn−ゼオライトは上記濃度付近の塩類を使
用することにより容易に得られる。
金属の酸化物、塩基性沈殿等がゼオライト上に沈着する
ことを防ぐために、上記のように金属イオン濃度を低く
設定する代りに又はそれに加えて、金属イオン水溶液の
pHを鉱酸等によってpH7以下、例えば5〜7に調整する
ことも可能である。pHを低くすると、金属イオン濃度を
より高く設定できる。
上述のAg−ゼオライト、Cu−ゼオライト及びZn−
ゼオライトへの転換に際してイオン交換反応をバッチ法
で実施する際には、塩類溶液を用いてゼオライト素材の
浸漬処理を実施すればよい。ゼオライト素材中への金属
含有量を高めるためにはバッチ処理を繰返すことができ
る。一方、塩類溶液を用いてカラム法によりゼオライト
素材を処理する際には吸着塔にゼオライト素材を充填
し、これに塩類溶液を通過させれば容易に目的とする金
属−ゼオライトが得られる。
上記の金属−ゼオライト中に占める金属の量(無水ゼオ
ライト基準)は、銀については30重量%以下であり、好
ましい範囲は0.001〜5重量%にある。一方本発明で使
用する銅及び亜鉛については金属−ゼオライト中に占め
る銅又は亜鉛の量(無水ゼオライト基準)は35重量%以
下であり、好ましい範囲は0.01〜15重量%にある。銀、
銅及び亜鉛イオンを併用して利用することも可能であ
り、この場合は金属イオンの合計量は金属−ゼオライト
に対し35重量%(無水ゼオライト基準)以下でよく、好
ましい範囲は金属イオンの構成比により左右されるが、
およそ0.001〜15重量%にある。
また、上記以外の金属イオン、例えばナトリウム、カリ
ウム、カルシウムあるいは他の金属イオンが共存してい
ても抗菌効果を妨げることはないので、これらのイオン
の残存又は共存は何らさしつかえない。
本願発明の抗菌性を有する高吸水性樹脂層は、上記の高
吸水性樹脂及び抗菌性を有するゼオライト系固体粒子
を、塗料ベヒクル、印刷インキベヒクル等に分散させた
塗工剤(インキ、塗料等)を使用して形成することがで
きる。
塗工剤の溶剤としては、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水
素、アルコール類、ケトン類、エステル類、塩素含有炭
化水素、含窒素炭化水素あるいはそれらの混合物等、通
常の塗料や印刷インキに使用されているような有機溶剤
を使用する。ベヒクル中のバインダーとしては、例え
ば、アマニ油、シナキリ油、大豆油、脱水ヒマシ油、ス
チレン化油、ビニルトルエン化油、マレイン化油等の天
然又は合成乾性油、ロジン、コパール、ダンマル、シェ
ラック、硬化ロジン、ロジンエステル類等の天然樹脂又
はその加工樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニ
ル系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラー
ル、ポリスチレン系樹脂、アクリル系樹脂、フェノール
系樹脂、その変性樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、ア
ルキド系樹脂、ポリアミド系樹脂、エポキシ系樹脂、ポ
リウレタン系樹脂、アミノプラスト系樹脂、石油系樹脂
等の合成樹脂、ニトロセルロース、メチル−、エチル
−、カルボキシメチル−又はアセチルブチリル−セルロ
ース等の繊維素誘導体、塩化ゴム、環化ゴム等のゴム誘
導体、その他ニカワ、カゼイン、デキストリン等の1種
又は2種以上の混合物等のごとく、従来塗料や印刷イン
キに使用されているバインダーがいずれも使用すること
ができる。
本発明で使用する塗工剤は上記成分を必須成分とする
が、その他公知の種々の塗料や印刷インキの添加剤、例
えば、可塑剤、安定剤、ワックス、グリース、乾燥剤、
補助乾燥剤、分散剤、増粘剤、充填材、紫外線吸収剤、
吸湿剤等がいずれも必要に応じて使用することができ
る。
塗工剤中における高吸水性樹脂の量は塗工剤中で5乃至
70重量%を占める割合が一般的であり、この範囲未満
の量では形成される抗菌性を有する吸水層の吸水能力が
不充分であり、一方、上記範囲を超えると吸水性は充分
であるが、高吸水性樹脂のシート基材への接着性が不充
分となるので好ましくない。
また、抗菌性を有するゼオライト系固体粒子の量は0.5
〜80重量%を占める範囲内であり、この範囲未満では
抗菌性の発現が充分ではなく、また超えるとやはり接着
性が不充分となる。
バインダーの量は3乃至50重量%のごとく従来の塗料や
印刷インキにおけると同様でよい。
本発明で使用するシート基材は少くとも2枚であり、そ
のうち少くとも一方は通水性を有することが必要であ
る。本発明で云う通水性とは液状の水と水蒸気の双方が
通過し得ることを意味する。このような通水性シート基
材の例としては、充分に目の細かい無サイズ紙、不織
布、親水性化したポリエチレン、ポリプロピレン等の通
水性多孔シート、セロファン、ビニロンフィルムあるい
はこれらの紙や不織布との貼合体、サイズ紙や不織布に
ビスコースによってセルロース膜を形成させたものやセ
ルロース膜に微細な孔を形成したもの、熱可塑性フィル
ムであってフィルム製造時微細連通孔を持つように発泡
加工されたもの、無機物又は高融点の核発生剤を添加し
て延伸加工して微細連通孔を形成したもの、ポリエチレ
ンやポリプロピレンとパルプとの混抄紙等のごとくある
程度の通水性を有する限りいずれの材料でもよく、ま
た、その厚み等もある程度の強度や耐水性を有する限
り、いずれの厚みでもよい。
また、通水性を有さない基材シートとしては、種々の合
成フィルムやシート、金属箔等が使用できる。
以上のごとき2枚のシート基材の少くとも一方の相手の
シート基材に対して熱融着性を有することが好ましく、
熱融着性を有しないシート基材の場合にはその表面に予
め熱融着可能な樹脂からなる熱融着層予め形成しておく
ことが必要である。これらの合成樹脂シート又はフィル
ムはいずれの厚みでもよいが、通常は5μm程度以上の
厚みを有するのが強度上好ましく、しかしあまりに厚す
ぎると不経済となるので好ましくない。
本発明において上記のごときシート基材の片面又は両面
に前記の高吸水性樹脂及び抗菌性を有するゼオライト系
固体粒子を含む塗工剤により抗菌性を有する吸水層を形
成する。本発明のシートにおいて最も外側の露出してい
る面には吸水層を設けない。
抗菌性を有する吸水層を形成する方法は、いずれの塗工
方法でもよく、例えば、スクリーン印刷、グラビア印
刷、オフセット印刷、凸版印刷、ナイフコーター、ロー
ルコーター等がいずれも使用できるが、スクリーン印刷
及びグラビア印刷が好ましい。塗工層の厚みは、固形分
換算で約2乃至100g/m2程度が一般的である。
本発明の吸水性シートにおいて、2枚以上のシート基材
からなる積層シートの周縁部には高吸水性樹脂を設け
ず、該周縁部においてシート基材が相互にシールされて
いる。本発明の吸水性シートは、その1実施態様におい
て、シート基材の周縁部以外にも抗菌性を有する高吸水
性層が存在しない領域を有し、この領域においてもシー
ト基材がシールされている。
その領域は抗菌性を有する吸水層を包囲していることが
望ましい。
その領域の形状は特に限定されないが、好ましくは縦及
び/又は横方向に直線状である。この直線状の部分は必
要に応じて裁断されるラインとなるので、裁断に際して
裁断が容易でかつある程度裁断ラインがズレても裁断が
吸水層にまで及ばないようにある程度の幅、例えば、2
mm以上、好ましくは5mm乃至10mmの幅を有するのが好ま
しい。
前記高吸水性樹脂層が存在しない領域はシート基材相互
の接着を容易にし、また、その領域におけるシール(接
着)によって抗菌性を有する吸水シートをハサミ等で裁
断した場合、その裁断面から吸水した高吸水性樹脂及び
抗菌性を有するゼオライト系固体粒子が脱落して食品等
を汚染するのを防止することができる。
本発明の吸水性シートの抗菌性を有する高吸水性樹脂層
がシート基材の上にコーティングされている個所はシー
ル(接着)されていない。
従って高吸水性樹脂の膨潤、すなわち吸水作用が阻害さ
れることとがない。
前記高吸水性樹脂層は通水性のシート基材の上に形成し
てもよいし、非通水性のシート基材上に形成してもよ
く、特に限定されないが、非通水性シート基材上に形成
した場合には、それを覆うシート基材は通水性でなけれ
ばならない。
最も好ましくは、通水性シート基材上抗菌性を有する吸
水層を形成して、その上を非通水性かつ熱融着性の熱可
塑性合成樹脂層を形成し、非通水性シート基材とする。
このようにすることによって接着剤層の形成を省略する
ことができる。
好ましい1例は、抗菌性を有する高吸水性層を形成した
通水性シート基材上に熱可塑性合成樹脂を押出して被覆
する。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリア
ミド、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチ
ルアクリレート共重合体、エチレン(メタ)アクリス酸
共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重
合体、4−メチルペンテン−1重合体、エチレン−ビニ
ルアルコール共重合体、ポリエステル等のごとく押出コ
ーティング加工が可能な合成樹脂をシート状又はフィル
ム状に押出しながら積層することによって、これらの押
出物が高吸水性樹脂層が存在しない部分に熱融着して上
下の2枚のシート基材が接着される。
また、押出コーティングに代えて押出しラミネーション
してもよいし、また、両シートを熱ロール等で押圧して
ヒートシール加工しても同様である。更に別の好ましい
1例としては、不織布のように通水性と熱融着性とを有
するシート基材の面に抗菌性を有する高吸水層を形成
し、このシートを抗菌性を有する高吸水層が内側になる
ように折り重ね、又はこれらのシートの2枚を抗菌性を
有する高吸水性層が内側になるように重ねてヒートシー
ルする方法があり、これらの方法によれば、抗菌性を有
する高吸水性層の厚みを2倍とすることができるので、
更に高吸水性のシートが提供できる。
以上が本発明の好ましい例であるが、使用する2枚のシ
ート基材自体も単一層である必要はなく、装飾や風合の
目的でその表面に紙や織布、不織布等をラミネートした
り、各種印刷を施したものでもよいのは当然である。
また、抗菌性を有する高吸水性層に関しては、高吸水性
樹脂は吸水性に優れているものの、吸湿性が不充分な場
合もあるので、吸水層形成用塗工剤中に炭酸カルシウ
ム、ケイ酸カルシウム、シリカ、クレイ、ゼオライト、
多価アルコール等のごとく吸湿性の材料を混合して吸水
層の吸湿性を高めることができる。また、これらの吸湿
剤を含有する塗工剤を別に調製しておいて、抗菌性を有
する高吸水性層の上及び/又は下あるいはその周囲に吸
湿層を形成してもよい。
[発明の効果] 本発明により、吸水したシートの表面や周囲で、カビ、
細菌が増殖することがない、衛生的に好ましい抗菌性を
有する吸水シートが提供される。
また、本発明の吸水性シートはその周縁部に高吸水性樹
脂層が存在しない領域を有し、その領域が熱融着等によ
りシールされているので、吸水して膨潤した高吸水性樹
脂層がシートの周縁部から脱落することがない。更にシ
ートの周縁部以外にも高吸水性樹脂層が存在しない熱融
着等によりシールされた領域が存在する場合には、この
領域を裁断ラインと一致させることによって、シートを
裁断しても抗菌性を有する吸水層の成分の脱落を生ぜ
ず、食品等を汚染する心配がない。
以下、実施例により発明を更に説明する。
実施例及び比較例 以下の実施例で用いた抗菌性ゼオライトは、バクテキラ
ーA 350 BN(商標、シナネンニューセラミック社製)と
して市販されている物である。これは、A型ゼオライト
に銀3重量%、銅5重量%をイオン交換により付与した
ものであり、5乃至6μmの平均粒子径を有する。比表
面積は500〜600m2/g、SiO/Aモル比は
約2である。
[実施例1及び比較例1] 上記成分を均一に分散処理し、使用時に硬化剤(XEL
硬化剤D)を4部加えた塗工剤を使用して抗菌性を有す
る高吸水性樹脂層を形成した。
この塗工剤を80線/in.−80μm深度、格子幅10mm、
格子ピッチ50×50mmのグラビア版を用いて10g/m2の塗布
量でビスロース加工紙(37.5g/m2、サフロン535、三
唱製)に高吸水性樹脂層を形成しない領域を残して塗布
し、乾燥して溶剤を除去して抗菌性を有する高吸水性樹
脂層を形成した。その面に加熱溶融されたポリプロピレ
ンをT型ダイスから押し出し、連続的にコーティングし
て30μmの厚さのポリプロピレン層を形成し、巻き取っ
て本発明の抗菌性を有する吸水シートを得た。このシー
トの50×50mmの抗菌性を有する高吸水性層が形成されて
いない領域の中心を裁断して周縁部に5mm幅の高吸水性
樹脂が存在しない領域を有するサンプルを作成した。
比較の目的で、前記バクテキラーA 350 BNを加えない同
一のサンプルを作成した。
[実施例2及び比較例2] 実施例1と同じ組成の塗工剤及びグラビア版を用いて、
10g/m2の塗布量で延伸ポリエステル(PET)/未
延伸ポリプロピレン(CPP)積層フィルムのCPP面
高吸水性樹脂層を形成しない領域を残して塗布し、乾燥
して溶剤を除去して抗菌性を有する高吸水性樹脂層を形
成した。その面に片面ヒートシール性のあるPP混抄紙
(50g/m2、ニューソフロンH #500 国光製紙製)
を高吸水性樹脂層が形成されていない領域にてヒートシ
ールして、実施例1と同様に裁断してサンプルを得た。
比較用サンプルも実施例1と同様に得た。
抗菌性評価実験 上記4種類のシートを吸水させた後に抗菌効果を調べ
た。実験は各シートに枯草菌(Bacillus subtilis)、
及び黒カビ(Aspergillusniger)の胞子を各々スプレー
し、スプレー直後及び22℃、相対湿度90%で7日間保存
後の生残菌数を測定した。測定は以下の手順で行なっ
た。すなわち100mのTween 80 0.1%添加滅菌水中で
各シートの表面の菌を洗い落とし、この滅菌水中の生菌
数を、枯草菌の場合には普通寒天培地(栄研化学(株)
製)を用いて、黒カビの場合にはポテトデキストローズ
寒天培地(栄研化学(株)製)を用いて、通常の混釈平
板培養法により測定し、各シートに付着する生菌数を算
出した。結果を表に示す。
上記の表より、本発明の抗菌性を有する吸水シートが顕
著な抗菌性を有することが判明した。また、本発明の抗
菌性を有する吸水シートの製造時にはいずれのときも抗
菌性を有する吸水層の剥離や脱落はなく、上下のシート
の接着力は充分で、シートの裁断時及び吸水時にも何等
問題点は生じることがなかった。
フロントページの続き (72)発明者 萩原 善次 滋賀県草津市橋岡町3番地の2 (72)発明者 三田 浩三 東京都練馬区光が丘3―3―3―204 (72)発明者 黒木 潤一 埼玉県狭山市上広瀬591―14 松柏寮306 (72)発明者 長谷川 浩 東京都田無市南町6―6―16―302 (56)参考文献 特開 昭63−156540(JP,A)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少くとも1枚の通水性シート基材を含む2
    枚以上のシート基材及び前記シート基材の間に存在する
    抗菌性の高吸水性樹脂層より主としてなる吸水性シート
    であって、前記高吸水性樹脂層が抗菌性を有する金属イ
    オンをイオン交換して保持している150m2/g以上の比
    表面積及び14以下のSiO/Aモル比を有す
    るゼオライト系固体粒子及び高吸水性樹脂を含み、かつ
    前記シート基材の少くとも1枚の上にコーティングされ
    ており、前記シート基材の少くとも周縁部には前記高吸
    水性樹脂層がなく、少くとも該周縁部においてシート基
    材が相互にシールされていることを特徴とする吸水性シ
    ート。
  2. 【請求項2】前記周縁部以外にも高吸水性樹脂層が存在
    しない領域を有し、該部分においてシート基材が相互に
    シールされていることを特徴とする特許請求の範囲第1
    項の吸水性シート。
  3. 【請求項3】前記周縁部以外の高吸水性樹脂層が存在し
    ない領域が縦及び/又は横方向に直線状である特許請求
    の範囲第2項の吸水性シート。
  4. 【請求項4】抗菌性を有する金属イオンをイオン交換し
    て保持している150m2/g以上の比表面積及び14以下の
    SiO/Aモル比を有するゼオライト系固体
    粒子、高吸水性樹脂、ならびに溶剤及びバインダーを含
    むベヒクルを含む塗工剤をシート基材の所定箇所にコー
    ティングすることにより高吸水性樹脂層を形成すること
    を特徴とする特許請求の範囲第1項の吸水性シートの製
    造方法。
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