JPH0665298B2 - 新規アルコ−ルデヒドロゲナ−ゼ複合体およびその製造法 - Google Patents

新規アルコ−ルデヒドロゲナ−ゼ複合体およびその製造法

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JPH0665298B2
JPH0665298B2 JP61156142A JP15614286A JPH0665298B2 JP H0665298 B2 JPH0665298 B2 JP H0665298B2 JP 61156142 A JP61156142 A JP 61156142A JP 15614286 A JP15614286 A JP 15614286A JP H0665298 B2 JPH0665298 B2 JP H0665298B2
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賢二 多山
正裕 深谷
暖子 田上
一 奥村
▲吉▼也 川村
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株式会社中埜酢店
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は4,5−ジヒドロ−4,5−ジオキソ−1H−
ピロロ〔2,3−f〕キノリン−2,7,9−トリカル
ボン酸(以下PQQと略す)を含有し、炭素数2以上の
アルコール,ホルムアルデヒドおよびアセトアルデヒド
を広範囲のpHで酸化することができる安定性の著しく高
い新規なアルコールデヒドロゲナーゼ複合体およびその
製造方法に関する。
〔従来技術とその問題点〕
アルコールは人類と長い接触の歴史を持つ物質であり、
本物質の定量法としては多くの方法がある。ガスクロマ
トグラフや酵素を用いる方法も実用化されてきたが、近
年バイオエレクトロニクスの進歩により酵素センサーな
るものも研究され始め、エタノールの定量にもアルコー
ルデヒドロゲナーゼを固定化したセンサーを用いる方法
が提案されている。しかし、これまでのものは安定性に
乏しく、この点が酵素センサー実用化の最も大きな問題
として残されてきた。
一方、従来広く知られている動物,植物,酵母由来のア
ルコールデヒドロゲナーゼはニコチンアミドアデニンジ
ヌクレオチド(NAD)あるいはニコチンアミドアデニ
ンジヌクレオチドリン酸(NADP)を補酵素としてい
るが、(イ)反応のpHがアルカリ側であること、(ロ)反応が
可逆的であり、共存するアルデヒドによって測定に大き
な誤差が生じること、(ハ)比較的効果なNAD,NAD
Pを使用することなどの点で、強い酸性を示す酢酸発酵
過程でのエタノール定量や酸性域で強い緩衝能を有する
醸造食品中や清酒発酵中のエタノール定量の際には不適
当であった。
近年、酸性域でのみ活性を示し、反応がアルコールの酸
化方法にのみに偏った新しいアルコールデヒドロゲナー
ゼが酢酸菌(Acetobacter属細菌およびGluconobacter属
細菌)より得られているものの(Agric.Biol.Chem.,42,2
045〜2056(1978);同42,2063〜2069(1978);同42,2331
〜2340(1978))、強い酸性域での酵素の安定性に問題が
ある。上記の既に知られている酢酸菌のアルコールデヒ
ドロゲナーゼをpH3,温度4℃、4日放置すると、残存
活性は0〜10%まで低下する。したがって、通常pH3前
後の非常に低いpHで行なわれる酢酸発酵でのアルコール
連続長期定量には使用できない。
本発明者らは上述のアルコールデヒドロゲナーゼが実際
の食酢醸造には用いられていない酢酸菌から得られてい
る事実に着目し、高濃度の酢酸存在下でも高い酢酸発酵
能を示す酢酸菌であるならば、従来の酵素よりもはるか
に耐酸性に優れたアルコールデヒドロゲナーゼを生産す
るものと予想した。そこで、広範囲のpH域でアルコール
に作用し、かつ安定性の高いアルコールデヒドロゲナー
ゼの探索を目的として、比較的高濃度の酢酸存在下でも
良好な生育を示し、しかも高い酢酸発酵能(アルコール
酸化能)を有する酢酸菌のアルコールデヒドロゲナーゼ
について検討した。その結果、アセトバクター・アルト
アセチゲネス(Acetobacteraltoacetigenes)MH-24(FERM
BP-491)やアセトバクター・キシリナム(Acetobacter xy
linum)(IFO3288)に代表されるアセトバクター属に属す
る一群の酢酸菌が広いpH領域で変わらぬ活性を示し、さ
らにpH3を含む広範囲のpH域で活性を安定に保持する新
規なアルコールデヒドロゲナーゼを生成する事実を見出
した。本発明はこれらの知見に基いて完成されたもので
ある。
〔問題を解決するための手段〕
本発明は、以下の性質を有する新規アルコールデヒドロ
ゲナーゼ複合体、 (1)SDS−ポリアクリルアミド電気泳動法により測定
した分子量が約72,000および約44,000の蛋
白質を含む酵素複合体であり、 (2)4,5−ジヒドロ−4,5−ジオキソ−1H−ピロ
ロ〔2,3−f〕キノリン−2,7,9−トリカルボン
酸を含有し、 (3)作用 本酵素は炭素数2以上のアルコールに作用して相当する
アルデヒドに酸化する。また、ホルムアルデヒド,アセ
トアルデヒドにも作用し、相当するカルボン酸に酸化す
る。
(4)基質特異性 本酵素は直鎖の1級アルコール、すなわちエタノール,
n−プロパノール,n−ブタノールなどを良好な基質と
して作用する。また、ホルムアルデヒド,アセトアルデ
ヒド,グリセルアルデヒドも酸化することができる。し
かし、メタノール,3−ブタノール,プロピオンアルデ
ヒド,ベンズアルデヒドなどのアルコール,アルデヒド
類には作用せず、各種糖類および有機酸にも作用しな
い。
(5)至適pH 本酵素の至適pHはエタノールを基質とした場合、pH5.
5付近にある。
(6)安定pH範囲 本酵素はpH3.0から8.0で5℃,15時間放置後、
ほとんどすべての活性を有している。5℃,100時間
放置後ではpH3.0で約15%失活し、5℃,240時
間放置後ではpH3.0で約50%失活するものの、pH
4.0以上ではほとんど失活しない。
(7)作用適温の範囲 作用温度範囲は10〜50℃であり、特に40℃に最適
温度を有する。
(8)pH,温度による失活の条件 pH6.0で各温度10分間処理すると、40℃までは失
活せず、50℃で約80%失活する。
(9)阻害 1mM濃度の水銀,銅,カドミウムなどの重金属イオン
により阻害される。
一方、アジ化ナトリウム,亜ヒ酸ナトリウム,エチレン
ジアミン四酢酸によっては阻害されない。
(10)色 本酵素溶液は赤色を呈する。
(11)可視部吸収スペクトル 還元型のチトクローム成分は553nm,522nm,
417nmに、酸化型のチトクローム成分は409nm
にそれぞれ吸収極大を示す。
(12)Km値 本酵素の反応速度定数Kmはエタノールを基質とした場
合、約1.2×10-3Mである。
(13)電子受容体 フェナジンメソサルフェイト,2,6−ジクロロフェノ
ールインドフェノール,ニトロブルーテトラゾリウムク
ロライド,フェリシアン化カリウムなどが本酵素の電子
受容体となりうるが、NAD,NADP,分子状酸素は
電子受容体と成り得ない。
を提供し、さらにアセトバクター属に属し、上記酵素複
合体を生産する能力を有する微生物を培養し、培養物か
ら該複合体を採取することを特徴とする上記酵素複合体
の製造法を提供するものである。
次に、本発明のアルコールデヒドロゲナーゼ複合体の性
質を示す。
1)作用 本酵素は炭素数2以上のアルコールに作用して相当する
アルデヒドに酸化する。また、ホルムアルデヒド,アセ
トアルデヒドにも作用し、相当するカルボン酸に酸化す
る。
2)基質特異性 本酵素の基質特異性の例を第1表に示す、本酵素は直鎖
の1級アルコール、すなわちエタノール,n−プロパノ
ール,n−ブタノールなどを良好な基質として作用す
る。また、ホルムアルデヒド,アセトアルデヒド,グリ
セルアルデヒドも酸化することができる。しかし、メタ
ノール,3−ブタノール,プロピオンアルデヒド,ベン
ズアルデヒドなどのアルコール,アルデヒド類には作用
せず、各種糖類および有機酸にも作用しない。
3)至適pH 本酵素の至適pHはエタノールを基質とした場合、第1図
に示すように、pH5.5付近にある。
4)安定pH範囲 第2図に示すように、本酵素はpH3.0から8.0で5
℃,15時間放置後、ほとんどすべての活性を有してい
る。5℃,100時間放置後ではpH3.0で約15%失
活し、5℃,240時間放置後ではpH3.0で約50%
失活するものの、pH4.0以上ではほとんど失活せず、
きわめて安定な酵素である。なお、第2図の安定pH曲線
は各pHに放置後の残存活性をpH6.0で測定したもので
ある。
既知の酵素の例としてはアセトバクター・アセチ(Aceto
bacter aceti)IFO 3284およびグルコノバクター・サブ
オキシダンス(Gluconobacter suboxydans)IFO 12528か
ら得られたアルコールデヒドロゲナーゼを挙げることが
できるが(Agric.Biol.Chem.,42,2045〜2056(1978);同4
2,2063〜2069(1978);同42,2331〜2340(1978))、これ
らのアルコールデヒドロゲナーゼはpH3,4℃,4日
(約100時間)放置するとほとんど失活し、残存活性
は0〜10%まで低下する。以上の点から、本酵素は従来
の酢酸菌のアルコールデヒドロゲナーゼよりも明らかに
耐酸性に優れている。
5)作用適温の範囲 第3図に示すように、作用温度範囲は10〜50℃であ
り、特に40℃に最適温度を有する。
6)pH,温度による失活の条件 第4図に示すように、pH6.0で各温度10分間処理す
ると、40℃までは失活せず、50℃で約80%失活す
る。
7)阻害,活性化および安定化 1mM濃度の水銀,銅,カドミウムなどの重金属イオンに
より阻害される。
一方、アジ化ナトリウム,亜ヒ酸ナトリウム,エチレン
ジアミン四酢酸によっては阻害されない。
8)分子量 0.1%Triton X−100存在下、セファクリルS−3
00によるゲル濾過法から推定されるアルコールデヒド
ロゲナーゼ複合体の分子量は約340,000である。
9)サブユニット 本酵素はディスクゲル電気泳動により単一バンドとな
る。本酵素はドデシル硫酸ナトリウム(以下、SDSと
略称する。処理によって2成分に分けられる。SDS−
ポリアクリルアミド電気泳動法で分子量標準蛋白質とし
てホスホリラーゼb(分子量94,000),アルブミン(分
子量67,000),オブアルブミン(分子量43,000),カル
ボニックアンヒドラーゼ(分子量30,000),トリプシン
インヒビター(分子量20,100)およびα−ラクトアルブ
ミン(分子量14,400)を含むファルマシア製のキャリブ
レーションキットを用いた場合に、本酵素の2成分の分
子量は約72,000および約44,000であった。また、本酵素
はチトクロームに特有な吸収スペクトルを示すことから
チトクロームを構成成分として含んでいることも明らか
である。
上述したように、本発明の酵素は分子量約72,000および
約44,000の2種類のサブユニットから構成されているた
め、本酵素は複合酵素と見なされる。したがって、本酵
素はアルコールデヒドロゲナーゼ複合体と呼ぶのがふさ
わしい。
既知の酵素の例としてはアセトバクター・アセチIFO 32
84およびグルコノバクター・サブオキシダンスIFO 1252
8から得られたアルコールデヒドロゲナーゼを挙げるこ
とができるが(Agric.Biol.Chem.,42,2045〜2056(197
8);同42,2063〜2069(1978);同42,2331〜2340(197
8))、前者のアルコールデヒドロゲナーゼは分子量63,0
00,44,000,29,000および13,500の4種のサブユニットか
ら構成されており、後者のアルコールデヒドロゲナーゼ
は分子量85,000,49,000および14,400の3種のサブユニ
ットから構成されている。以上の点から、本酵素は従来
の酢酸菌のアルコールデヒドロゲナーゼとは明らかに異
なる新規な酵素である。
10)色 本酵素溶液は赤色を呈する。
11)可視部吸収スペクトル 本酵素の可視部吸収スペクトルを第5図に示す。
還元型のチトクローム成分は553nm,522nm,
417nmに、酸化型のチトクローム成分は409nm
にそれぞれ吸収極大を示す。
12)熱水注出画分の蛍光スペクトル 本酵素の熱水抽出物の蛍光スペクトルを第6図に示す。
本スペクトルおよびバイオアッセイにより、熱水抽出物
に4,5−ジヒドロ−4,5−ジオキソ−1H−ピロロ
〔2,3−f〕キノリン−2,7,9−トリカルボン酸
(PQQ)が含まれていることが示された。
13)Km値 本酵素の反応速度定数Kmはエタノールを基質とした場
合、約1.2×10-3Mである。
14)電子受容体 フェナジンメソサルフェイト(PMS),2,6−ジク
ロロフェノールインドフェノール(DCIP),ニトロ
ブルーテトラゾリウムクロライド(NBT),フェリシ
アン化カリウムなどが本酵素の電子受容体となりうる
が、NAD,NADP,分子状酸素は電子受容体と成り
得ない。
以上の性質から、本発明のアルコールデヒドロゲナーゼ
複合体は、今までに知られているいずれのアルコールデ
ヒドロゲナーゼとも異なる新規な酵素である。
15)精製方法 精製方法は製造方法に記載した。
次に、本酵素の製造方法について説明する。
本発明のアルコールデヒドロゲナーゼ複合体の製造に使
用する細菌は、本酵素を生産するものであればいずれで
もよく、例えばアセトバクター(Acetobacter)属細菌を
挙げることができる。具体例としてアセトバクター・ア
ルトアセチゲネス(Acetobacter altoacetigenes)MH-24
(FERM BP-491),アセトバクター・キシリナム(Acetobac
ter xylinum)(IFO 3288)などを挙げることができる。
本発明のアルコールデヒドロゲナーゼ複合体の製造に際
して使用する培地は前記の細菌が生育して、本酵素を生
産するものであればどのようなものでもよい。炭素源と
しては、たとえばグルコース,グリセロール,フラクト
ース,マンニトール,酢酸等を使用することができ、窒
素源としては、例えば酵母エキス,カゼイン加水分解
物,コーンスティープリカー,ペプトンなどの天然物や
アンモニウム塩などが使用できる。必要に応じて無機塩
や各種の有機物,ビタミン類,核酸関連化合物等を添加
することができる。好ましくは培地にさらにエタノール
を添加して酢酸発酵を行わせしめれば、酵素の含量が増
大し、容易に大量の酵素を得ることができる。
培養に当っては固体培地を使用することもできるが、多
量の菌体を得るには液体培地を用いて通気攪拌培養また
は振とう培養を行うのが好ましい。液体培養に当っては
添加したエタノールが消費しつくされないようにコント
ロールすること、酸素の供給を充分に行うことが本酵素
を効率よく蓄積するのに効果的な場合がある。培養にお
いては、はじめから本培養を行うこともできるが、大量
培養を行う場合には、まず小規模な前培養を行い、得ら
れた培養物を本培地に接種するのが好ましい。
培養温度,培養期間,培地の組成等は本発明の酵素の生
産量が最大になるように適当に選択、調節すればよい
が、通常は好気的条件下で25〜35℃において1〜3
日培養するのが好ましい。
本発明のアルコールデヒドロゲナーゼ複合体は細菌菌体
内に蓄積されるため、本酵素の回収,精製のためにはま
ず菌体を集めて破砕する。本酵素は細胞質膜画分に局在
するため、適当濃度の界面活性剤、例えば非イオン性界
面活性剤を加えることにより可溶化する。可溶化された
本酵素は界面活性剤存在下でジエチルアミノエチル−セ
ファロース(以下、DEAE−セファロースと云う。)
などの各種イオン交換剤によるクロマトグラフィー,ハ
イドロキシアパタイト等の吸着クロマトグラフィーある
いはセファデックスなどを用いたゲル濾過法に代表され
る通常の酵素精製手段を単独もしくは適宜組合せて適用
し、任意に精製された本発明の酵素を得ることができ
る。
次に、本発明の酵素の酵素活性測定方法について説明す
る。
本酵素の活性の測定は、前記の電子受容体のいずれを用
いても可能であるが、以下にそのうちの1例を示す。
0.1Mのフェリシアン化カリウム溶液0.1ml.McIl
vaine氏緩衝液(pH6.0)0.7mlおよび適当量の本
酵素を加え、水で0.9mlとする。さらに、1Mエタノ
ール溶液を0.1ml加えて反応を開始させ、30℃で5
〜15分後、Ferricsulfate-Dupanol試薬(W.A.Wood
他,“Method in enzymology"Vol.V.287(1962)参照)
0.5mlを加え反応を停止させた後、直ちに水を加えて
5mlとする。37℃,30分放置後、660nmの吸光度
を測定する。基質であるエタノールを加えないで上記と
同様に反応せしめたサンプルとの吸光度の差が酵素の活
性を意味する。1μmoleのエタノールを1分間に酸化す
る酵素量を1単位とする。
〔実施例〕
次に、本発明を実施例により詳しく説明する。
実施例1 グルコース3%,酵母エキス0.5%およびポリペプト
ン0.2%の液体培地を500ml容の振とうフラスコに
100mlずつ分注し、オートクレーブ中で120℃,1
5分間殺菌した。冷却後、エタノールと酢酸をエタノー
ルは5%,酢酸は6%になるように添加した。この培地
にアセトバクター・アルトアセチゲネスMH-24(FERM BP-
491)を5白金耳接種し、往復振とう機上で30℃にて4
日間培養した。同じ組成の培地20を30のジャー
ファーメンターで作製し、前記の培養液2を接種して
20/分で通気し、攪拌しながら30℃にて2日間培
養した。培養終了後、培養液を5℃にて遠心分離するこ
とにより湿重量約2gの菌体を得た。
この菌体を0.01Mリン酸カリウム緩衝液(pH6.
0)に懸濁し、20,000psiでフレンチプレスを通し菌体
を破砕した後、68,000×gで60分間超遠心分離し、膜
画分を沈澱として得た。この沈澱を0.01Mリン酸カ
リウム緩衝液(pH6.0)に懸濁した後、20%Triton
X-100を最終濃度が1.5%になるように加え、3時間
攪拌した。この液を再度68,000×gで60分間超遠心分
離を行い、本酵素が可溶化された上清を得た。この溶液
を0.1%Triton X-100を含有する0.01Mリン酸カ
リウム緩衝液で平衡化したDEAE-セファロースCL-6Bを充
てんしたカラムに注入し、本酵素を吸着したのち0.0
1Mから0.1Mまでのリン酸カリウム緩衝液で傾斜溶
出した。0.03M付近のリン酸カリウム緩衝液で溶出
する活性画分を集め、0.1%Triton X-100を含む0.
01Mリン酸カリウム緩衝液に対して透析した。この透
析液を0.1%Triton X-100を含む0.01Mリン酸カ
リウム緩衝液で平衡化したハイドロキシアパタイトを充
てんしたカラムに注入、吸着させた。次いで、0.01
Mから0.1Mまでのリン酸カリウム緩衝液で傾斜溶出
した。0.05M付近のリン酸カリウム緩衝液で溶出す
る活性画分を集めて濃縮し、本酵素の精製標品2mgを収
率22%で得た。なお、本精製酵素標品の力価は200
単位/mg蛋白質であった。また、本酵素は前記性質を有
していた。
実施例2 実施例1においてアセトバクター・アルトアセチゲネス
MH-24(FERM BP-491)の代りにアセトバクター・キシリナ
ム(IFO 3288)を用いたことおよび培地の酢酸濃度を0.
1%としたこと以外は同様にして行い、本発明の酵素の
精製標品0.7mgを収率7%で得た。本精製酵素標品の
力価は190単位/mg蛋白質であった。また、本酵素は
前記性質を有していた。
〔発明の効果〕
本発明のアルコールデヒドロゲナーゼ複合体は広いpH域
で高い活性を示し、さらにpH3を含む高範囲のpH域で活
性を安定に保持できるため、臨床診断用試薬として従来
のアルコールデヒドロゲナーゼよりも優れている。ま
た、本発明の酵素は安定性の高いものが強く要求される
酵素センサーにも従来のアルコールデヒドロゲナーゼよ
りも優位に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は反応pHと本発明酵素の相対活性との関係を示す
グラフであり、第2図は本発明酵素のpH安定性を示すグ
ラフであり、第3図は反応温度と本発明酵素の相対活性
との関係を示すグラフであり、第4図は本発明酵素の温
度安定性を示すグラフであり、第5図は本発明酵素の可
視部吸収スペクトルを示す図であり、第6図は本発明酵
素の熱水抽出物の蛍光スペクトルを示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 J.Ferment.Techno l.,60(1)(1982)P.41−50

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】以下の性質を有する新規アルコールデヒド
    ロゲナーゼ複合体。 (1)SDS−ポリアクリルアミド電気泳動法により測定
    した分子量が約72,000および約44,000の蛋
    白質を含む。 (2)4,5−ジヒドロ−4,5−ジオキソ−1H−ピロ
    ロ〔2,3−f〕キノリン−2,7,9−トリカルボン
    酸を含有する。 (3)作用 本酵素は炭素数2以上のアルコールに作用して相当する
    アルデヒドに酸化する。また、ホルムアルデヒド,アセ
    トアルデヒドにも作用し、相当するカルボン酸に酸化す
    る。 (4)基質特異性 本酵素は直鎖の1級アルコール、すなわちエタノール,
    n−プロパノール,n−ブタノールなどを良好な基質と
    して作用する。また、ホルムアルデヒド,アセトアルデ
    ヒド,グリセルアルデヒドも酸化することができる。し
    かし、メタノール,3−ブタノール,プロピオンアルデ
    ヒド,ベンズアルデヒドなどのアルコール,アルデヒド
    類には作用せず、各種糖類および有機酸にも作用しな
    い。 (5)至適pH 本酵素の至適pHはエタノールを基質とした場合、pH5.
    5付近にある。 (6)安定pH範囲 本酵素はpH3.0から8.0で5℃,15時間放置後、
    ほとんどすべての活性を有している。5℃,100時間
    放置後ではpH3.0で約15%失活し、5℃,240時
    間放置後ではpH3.0で約50%失活するものの、pH
    4.0以上ではほとんど失活しない。 (7)作用適温の範囲 作用温度範囲は10〜50℃であり、特に40℃に最適
    温度を有する。 (8)pH,温度による失活の条件 pH6.0で各温度10分間処理すると、40℃までは失
    活せず、50℃で約80%失活する。 (9)阻害 1mM濃度の水銀,銅,カドミウムなどの重金属イオン
    により阻害される。 一方、アジ化ナトリウム,亜ヒ酸ナトリウム,エチレン
    ジアミン四酢酸によっては阻害されない。 (10)色 本酵素溶液は赤色を呈する。 (11)可視部吸収スペクトル 還元型のチトクローム成分は553nm,522nm,
    417nmに、酸化型のチトクローム成分は409nm
    にそれぞれ吸収極大を示す。 (12)Km値 本酵素の反応速度定数Kmはエタノールを基質とした場
    合、約1.2×10-3Mである。 (13)電子受容体 フェナジンメソサルフェイト,2,6−ジクロロフェノ
    ールインドフェノール,ニトロブルーテトラゾリウムク
    ロライド,フェリシアン化カリウムなどが本酵素の電子
    受容体となりうるが、NAD,NADP,分子状酸素は
    電子受容体と成り得ない。
  2. 【請求項2】アセトバクター属に属し、以下の性質を有
    する新規アルコールデヒドロゲナーゼ複合体 (1)SDS−ポリアクリルアミド電気泳動法により測定
    した分子量が約72,000および約44,000の蛋
    白質を含む酵素複合体である。 (2)4,5−ジヒドロ−4,5−ジオキソ−1H−ピロ
    ロ〔2,3−f〕キノリン−2,7,9−トリカルボン
    酸を含有する。 (3)作用 本酵素は炭素数2以上のアルコールに作用して相当する
    アルデヒドに酸化する。また、ホルムアルデヒド,アセ
    トアルデヒドにも作用し、相当するカルボン酸に酸化す
    る。 (4)基質特異性 本酵素は直鎖の1級アルコール、すなわちエタノール,
    n−プロパノール,n−ブタノールなどを良好な基質と
    して作用する。また、ホルムアルデヒド,アセトアルデ
    ヒド,グリセルアルデヒドも酸化することができる。し
    かし、メタノール,3−ブタノール,プロピオンアルデ
    ヒド,ベンズアルデヒドなどのアルコール,アルデヒド
    類には作用せず、各種糖類および有機酸にも作用しな
    い。 (5)至適pH 本酵素の至適pHはエタノールを基質とした場合、pH5.
    5付近にある。 (6)安定pH範囲 本酵素はpH3.0から8.0で5℃,15時間放置後、
    ほとんどすべての活性を有している。5℃,100時間
    放置後ではpH3.0で約15%失活し、5℃,240時
    間放置後ではpH3.0で約50%失活するものの、pH
    4.0以上ではほとんど失活しない。 (7)作用適温の範囲 作用温度範囲は10〜50℃であり、特に40℃に最適
    温度を有する。 (8)pH,温度による失活の条件 pH6.0で各温度10分間処理すると、40℃までは失
    活せず、50℃で約80%失活する。 (9)阻害 1mM濃度の水銀,銅,カドミウムなどの重金属イオン
    により阻害される。 一方、アジ化ナトリウム,亜ヒ酸ナトリウム,エチレン
    ジアミン四酢酸によっては阻害されない。 (10)色 本酵素溶液は赤色を呈する。 (11)可視部吸収スペクトル 還元型のチトクローム成分は553nm,522nm,
    417nmに、酸化型のチトクローム成分は409nm
    にそれぞれ吸収極大を示す。 (12)Km値 本酵素の反応速度定数Kmはエタノールを基質とした場
    合、約1.2×10-3Mである。 (13)電子受容体 フェナジンメソサルフェイト,2,6−ジクロロフェノ
    ールインドフェノール,ニトロブルーテトラゾリウムク
    ロライド,フェリシアン化カリウムなどが本酵素の電子
    受容体となりうるが、NAD,NADP,分子状酸素は
    電子受容体と成り得ない。 を生産する能力を有する微生物を培養し、培養物から該
    複合体を採取することを特徴とする新規アルコールデヒ
    ドロゲナーゼ複合体の製造法。
  3. 【請求項3】アセトバクター属に属する新規アルコール
    デヒドロゲナーゼ複合体生産菌がアセトバクター・アル
    トアセチゲネスMH−24(FERM BP−491)
    またはアセトバクター・キシリナム(IFO 328
    8)である特許請求の範囲第2項記載の方法。
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