JPH066602B2 - グルコシル−サイクロデキストリン類の分離精製法 - Google Patents

グルコシル−サイクロデキストリン類の分離精製法

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JPH066602B2
JPH066602B2 JP8712587A JP8712587A JPH066602B2 JP H066602 B2 JPH066602 B2 JP H066602B2 JP 8712587 A JP8712587 A JP 8712587A JP 8712587 A JP8712587 A JP 8712587A JP H066602 B2 JPH066602 B2 JP H066602B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はグルコシル−サイクロデキストリン類の分離精
製方法に関し、更に詳細にはグルコシル−サイクロデキ
ストリン類、サイクロデキストリンおよびオリゴ糖類を
含む糖液を化学修飾されたシリカ担体に吸着させ、つい
で吸着されたサイクロデキストリン類を温水を用いて分
別溶出させ、グルコシル−サイクロデキストリン類とサ
イクロデキストリンを分離することからなる、グルコシ
ル−サイクロデキストリン類の分離精製法に関する。
〔従来の技術〕
サイクロデストリンは、デンプン又はデンプン分解物に
バチルス・マセランス(Bacillus macerans)等の微生
物が生産するサイクロデキストリン生産酵素を作用させ
て得られる分解生成物で、その包接作用を利用して食
品、医薬品、化粧品等の分野で幅広い用途が期待されて
いるものである。なかでも、サイクロデキストリンの母
核にグルコース等の分枝が結合した、いらゆる分岐サイ
クロデキストリンは、水への溶解性が著しく高いことか
ら、上記分野のみならず、一般工業分野等で更に広い応
用が期待されている。
このような背景から、最近、グルコシル−サイクロデキ
ストリン類の工業的な製造法を開発する努力が各方面で
行われている。しかしながら、これらグルコシル−サイ
クロデキストリン類はデンプンまたはデンプン分解物か
ら酵素の作用によって直接製造されるか又はサイクロデ
キストリンとオリゴ糖に酵素を作用させることにより製
造されるため、その生成液中には多量の直鎖あるいは分
岐オリゴ糖および非分岐のサイクロデキストリンガ混在
している。そのため、それら糖液中よりグルコシル−サ
イクロデキストリン類のみを分離採取することが極めて
困難であることから、未だグルコシル−サイクロデキス
トリン類含量の高い精製品の工業的製造に成功していな
いのが実状である。
これまでに知られているサイクロデキストリン類の精製
方法の代表的なものは次のものである。
糖液にアセトン等と有機溶媒を加えてサイクロデス
トリンを沈澱させる方法(特公昭52−8385号公報
参照)。
陰イオン交換樹脂を用いて精製する方法(特公昭4
6−9223号公報参照)。
多孔性ポリマーから疎水性の合成吸着樹脂を用いる
方法(特開昭56−85号公報参照)。
強酸性イオン交換樹脂のアルカリ金属塩で分画する
方法(特開昭57−30702号公報参照)。
しかしながら、これらの方法、サイクロデキストリン類
を他のオリゴ糖、デキストリン等から分離する場合に
は、ある程度の効果が認められるが、これを工業的に利
用するには効果が不十分である上に、サイクロデキスト
リンと分岐サイクロデキストリンの分離には殆ど使用で
きないという欠点がある。
〔発明が解決しようとする問題点〕
本発明者等は、このような実状を考慮し、効率が良くか
つ実用的なサイクロデキストリンの分離方法を見出すべ
く研究を重ねた結果、化学修飾されたシリカ担体がサイ
クロデキストリン類のみを選択的に吸着することを見出
し、これを利用してオリゴ糖類とサイクロデキストリン
類を分離することに成功し、「サイクロデキストリン類
の精製方法」として先に特許出願した(特願昭61−1
44781号明細書参照)。
しかしながら、この方法はサイクロデキストリン類の溶
出に通常80℃以上の熱水を使用しているため各種のサ
イクロデキストリンが殆ど同時に溶出されるので、サイ
クロデキストンリン類と他の糖類との分離は可能であっ
てもサイクロデキストリン相互の分離、特にサイクロデ
キストリンと分岐サイクロデキストリンとの分離が実質
的に不可能という欠点がある。
本発明者等は、サイクロデキストリンと精製品を得る方
法について種々研究を重ねた結果、化学修飾シリカ担体
に吸着されたサイクロデキストリン類を約20℃以上の
温水で溶出すると、サイクロデキストリンの種類によっ
て溶出速度にかなりの差が生ずることを発見した。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明は上記のごとき新知見に基づいて完成されたもの
で、グルコシル−サイクロデキトリン類、サイクロデキ
ストリンおよびオリゴ糖類を含有する糖液を化学修飾さ
れたシリカ担体に接触させて、サイクロデキストリン類
を当該シリカ担体に吸着させ、ついで吸着されたサイク
ロデキストリン類を好ましくは温度約20〜80℃の温
水を用いて分別溶出させ、グルコシル−サイクロデスト
リン類とサイクロデキストリンを分離することからなる
グルコシル−サイクロデキストリン類の分離精製法であ
る。
本発明の方法に使用される化学修飾シリカ担体は、シリ
カゲルのシラノール基がC〜C18の直鎖アルキルシリ
ル基で置換された構造を有するものである。特に好まし
いのはシリカ担体の炭素含有率が7〜20%になるよう
にC18の直鎖アルキルシリル基で置換されているもので
ある。また、当該シリカゲル(オクタデシルシリル基で
置換されたシリカゲル)の残存シラノール基を更にトリ
メチルシリル基で置換(エンドキャッピング)したも
の、更には前記オクタデシルシリル基の代わりにオクチ
ルシリル基で置換された構造を有するものを使用するこ
とが可能である。
これらの化学修飾シリカ担体は、シリカゲルにアルキル
クロロシランを反応させ、更に所望により、当該反応生
成物にトリメチルクロロシランを反応させることにより
製造することができる。しかしながら、このような化学
修飾シリカ担体は既にプレパラティブ−C18(ウォー
ターズ社製品)、YMC−ODS−ALL、YMC−G
EL−C8(以上、山村化学研究所製品)等の商品名で
市販されているので、それらを適宜購入して使用するの
が便利である。
本発明によれば、糖液と化学修飾シリカ担体との接触は
種々の形で行うことができる。最も好ましい方法はこれ
らのシリカ担体を充填したカラムに糖液を流下させる方
法であるが、その他に糖液中にシリカ担体を加えて混合
する方法も用いることが可能である。
化学修飾シリカ担体に接触させる糖液中には、グルコシ
ル−サイクロデキストリン類および非分岐のサイクロデ
キストリンのほか、他の糖類が単独もしくは2種以上共
存していてもよく、またサイクロデキストリン類として
は、グルコシル基が数個、分岐として結合したグルコシ
ル−サイクロデキストリン、β−サイクロデキストリ
ン、γ−サイクロデキストリンがどのような比率で含ま
れていても差支えない。これら糖液中のグルコシル−サ
イクロデキストリン類の含量は1重量%以下の低含量で
もよく、またサイクロデキストリン類の吸着を阻害しな
い限り、糖液中に酵素等が含まれていても差支えない。
シリカ担体に接触させる糖液の濃度は、上記のいずれの
方法においても例えば1重量%以下の低濃度から60重
量%以上の高濃度迄、極めて広い範囲で使用することが
できる。
本発明によれば、化学修飾シリカ担体に吸着されたサイ
クロデキストリン類の溶出は次のようにして行われる。
まず、必要により、化学修飾シリカ担体を所定量(担体
容積の2〜3倍量)の水で水洗してグルコース、マルト
ース等のオリガ糖類を除去する。次に、溶出液の温度を
好ましく温度約20〜80℃の間で連続的に上昇させてサイ
クロデキストリン類を分別溶出する。
本発明によれば、化学修飾シリカ担体に吸着されたサイ
クロデキストリン類は温水を使用して溶出させると、グ
ルコシルの分枝を有するものが速く溶出され、分枝を持
たないサイクロデキストリンは遅れて溶出される。この
ように、本発明の分別溶出では好ましくは温度約20〜80
℃の温水により殆どのサイクロデキストリン類が溶出さ
れるが、更に必要に応じて80℃以上の熱水によりシリ
カ担体に吸着しているサイクロデキストリンを溶出させ
ることもできる。
また、本発明においては、上述のように溶出液(温水)
を温度を好ましくは温度約20〜80℃の間で連続的に上昇
させて溶出を行う、いわゆるグラディエント溶出のほ
か、溶出液の温度を好ましくは約20〜80℃の間で段階的
に上昇させて溶出を行う方法を用いることも可能であ
る。尚、溶出液の温度を段階的に上昇させる溶出方法に
おいては、化学修飾シリカ担体からサイクロデキストリ
ン類を溶出させる速さが用いられる化学修飾シリカ担体
の種類によって多少異なるため、使用する担体に応じて
温水の温度を5〜10℃程度高くもしくは低くする必要
がある。従って、この溶出方法に於いては、上記の点を
考慮しながら、原料液中のサイクロデキストリン類の組
成に合わせて溶出液(温水)の温度を適宜調節して、好
ましい溶出パターンを得られるようにすることが必要で
ある。
溶出に使用される溶出液の量は、通常、化学修飾シリカ
担体の容積の数十倍量である。
本発明においては、溶出液の通液速度は分離効率には殆
ど影響なく、任意の速度で行うことができるが、通常は
作業の効率等を考慮してSV=3〜30の範囲が選ばれ
る。
本発明に従ってカラムから溶出される溶出液は溶出順に
フラクションコレクターに分取する。上記のように温水
のよる溶出では、グルコシル−サイクロデキストリン類
が早く溶出され、非分岐のサイクロデキストリンは遅れ
て溶出されてくるので、各フラクションコレクターに補
集された溶出液のサイクロデキストリン類の組成をHP
LC等により確認して、それぞれ同一成分ごとに集め、
濃縮し、更に必要に応じて、乾燥し粉末とすることがで
きる。また、大量処理の場合、分取装置により、RI検
出器を用いたピーク分画または溶出液量による分画によ
っても同様な分画・分取が可能である。
また、このようにして分離されたサイクロデキストリン
類について、上記の吸着・分離溶出の操作を反復実施す
れば、更に高純度のグルコシル−サイクロデキストリン
類を得ることが可能である。
〔発明の効果〕
本発明によれば、有機溶媒を使用することなくグルコシ
ル−サイクロデキストリン類と非分岐のサイクロデキス
トリンを効率よく分離できるだけでく、極めて高純度の
グリコシル−サイクロデキストリン類を得ることができ
るという特徴がある。従って、本発明はグルコシル−サ
イクロデキストリン類の工業生産を行う上で極めて有用
である。
〔実施例〕
次に実施例を示し、本発明を更に詳細かつ具体的に説明
するが、本発明の技術的範囲をこれらの実施例に限定す
るものでないことはいうまでもない。
実施例1 グルコシル−サイクロデキストリンを含むサイクロデキ
ストリン類のオリゴ等類の混合溶液(Bx.35.4%、組
成:グルコシル−α−サイクロデキストリン6.31%グル
コシル−β−サイクロデキストリン0.96%、α−サイク
ロデキトリン4.92%、グルコース等の糖類87.8%)21.6
gをオクタデシルシリル(ODS)担体のカラム(径2.
0cm×長さ6.0cm、担体量8g)上に負荷させた。次い
で、水40mlをSV=10でカラムに通液して、共存す
るオリゴ糖類を溶出除去した。
更に、同速度で通液しながらカラム溶出温度を60℃付
近まで徐々に上昇させ、担体に吸着されたサイクロデキ
ストリン類を溶出させた(溶出液は2.7mlごとにフラク
ションクレクターで分取した。)。
上記方法により分取した各フラクションの糖組成をHP
LCで確認し、第1図の溶出パターンを得た(図中、
の曲線はグルコシル−α−サイクロデキストリンを示
し、の曲線はグルコシル−β−サイクロデキストリン
を示し、の曲線はα−サイクロデキストリン示し、
の曲線は溶出液のカラム通過温度を示す)。
次に、これら各フラクションをサイクロデキストリン類
の組成に応じてグルコシル−α−サイクロデキストリン
とグルコシル−β−サイクロデキストリンを主成分とす
る画分(P1)、グルコシル−α−サイクロデキストリン
とα−サイクロデキストリンの混合画分(P2)に分けた
後、それぞれの画分を集め、濃縮、乾固して2種類の粉
末を得た。各粉末の収量およびサイクロデキストリン類
を組成を第1表に示した。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例1で得られたサイクロデキストリン類の
溶出パターンを示す曲線図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 酒井 重男 埼玉県新座市本多1−10−19 (72)発明者 吉田 収作 埼玉県川口市幸町1−4−19−701 (72)発明者 千輪 眞 千葉県八千代市勝田台6−20−12

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】グルコシル−サイクロデキストリン類、サ
    イクロデキストリンおよびオリゴ糖類を含む糖液を化学
    修飾シリカ担体に接触させて、液中のサイクロデキスト
    リン類を当該シリカ担体に吸着させ、ついで吸着された
    サイクロデキストリン類を温水により分別溶出させ、グ
    ルコシル−サイクロデキストリン類とサイクロデキスト
    リンを分離することを特徴とするグルコシル−サイクロ
    デキストリン類の分離精製法。
  2. 【請求項2】温水による分別溶出を溶出液の温度を段階
    的もしくは連続的に上昇させて行うことを特徴とする特
    許請求の範囲第1項記載のグルコシル−サイクロデキス
    トリン類の分離精製法。
JP8712587A 1987-04-10 1987-04-10 グルコシル−サイクロデキストリン類の分離精製法 Expired - Lifetime JPH066602B2 (ja)

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