JPH0667540B2 - ヒータ装置 - Google Patents

ヒータ装置

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JPH0667540B2
JPH0667540B2 JP63314779A JP31477988A JPH0667540B2 JP H0667540 B2 JPH0667540 B2 JP H0667540B2 JP 63314779 A JP63314779 A JP 63314779A JP 31477988 A JP31477988 A JP 31477988A JP H0667540 B2 JPH0667540 B2 JP H0667540B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はヒータ装置に関する。このヒータ装置は、例え
ば、金属溶湯に浸漬されて金属溶湯を加熱する際に利用
することができる。
[従来の技術] 従来より使用されているヒータ装置について連続鋳造法
を例にとって説明する。即ち、連続鋳造方法では、とり
べから例えば1400〜1600℃程度の鉄鋼の溶湯をタンデッ
シュに1次的にうけ、タンデッシュの吐出口から溶湯を
冷却鋳型に注入して冷却固化し、冷却スプレー帯による
冷却の後、冷却固化した部分をピンチロールで引張り、
所定の長さに切断し、これによりスラブやビレットなど
を製造している。上記した連続鋳造方法では、分塊圧延
法に比較して製造される鉄鋼製品の品質は向上してお
り、歩留も向上している。しかし、近年、鉄鋼製品では
一層の高品質化が要求されているため、連続鋳造方法で
も鉄鋼製品の高品質化のための開発が鋭意進められてい
る。
上記した連続鋳造方法では、鉄鋼の溶湯をタンデッシュ
に1次的に受ける関係上、タンデッシュ内で鉄鋼の溶湯
の温度が低下しがちであった。特に連続鋳造する際、鋳
造開始から時間が例えば50〜80分間経過した鋳造末期で
は、溶湯の温度が数〜数10℃程度場合によってはそれ以
上低下する。ここで、タンデッシュは溶湯が凝固する直
前の最終容器であるため、タンデッシュ内の溶湯温度は
鉄鋼製品の表層下介在物指数、炭素の中心偏析指数に大
きな影響を与え、従って、鉄鋼製品の高品質化に大きな
影響を与える。故に、タンデッシュ内の溶湯が数〜数10
℃程度低下する場合であっても、品質管理上好ましくな
い。
そこで、近年、タンデッシュ内で鉄鋼の溶湯の温度を調
整するべく、タンデッシュ内の溶湯に炭素電極を浸漬
し、タンデッシュ内の溶湯自体に電流を直接流し、溶湯
に発生するジュール熱で溶湯自体を発熱させるヒータ装
置が提供されている。しかし、この場合には溶湯の電気
抵抗率は小である。ここで、溶湯が発生するジュール熱
は溶湯の電気抵抗値と溶湯を流れる電流値の2乗との積
であることから、前述したように溶湯の電気抵抗率が小
であると、所要のジュール熱を確保するためには、溶湯
に流す電流としてはかなり大きな電流量を必要とする問
題があり、更に大電流化ため電気設備も大型化する問題
がある。
なお、タンデッシュ内の金属溶湯を加熱する他のヒータ
装置としては、従来より、タンデッシュ内の溶湯を誘導
加熱する誘導加熱式装置も提供されている。更にタンデ
ッシュの上方にプラズマトーチを設置して、タンデッシ
ュ内の金属溶湯をプラズマ加熱するプラズマ加熱装置も
提供されている。
[発明が解決しようとする課題] 本発明者は、溶湯に流す電流を小電流化すべく、鋭意研
究を重ねた結果、発熱体と電極部とからなるヒータ装置
を用い、ヒータ装置の発熱体を金属溶湯と浸漬し、ヒー
タ装置と金属溶湯との間に電圧を印加することによりヒ
ータ装置の発熱体を発熱させ、以て金属溶湯を加熱する
手段を開発した。
本発明は上記したヒータ装置の開発の一環として完成さ
れたものであり、その目的は、発熱体を発熱させること
により金属溶湯等の被加熱物を加熱することができ、し
かも発熱体を外層部と内層部とで形成することにより、
発熱体を形成する発熱材料の種類、発熱材料の配合割合
を選択する際の自由度を確保するのに有利なヒータ装置
を提供することにある。
[課題を解決するための手段] 本発明にかかるヒータ装置は、発熱材料を基材とし外周
面が通電面とされた円筒形状の外層部と、外層部の内側
に配置された外層部よりも低い固有抵抗値をもつ材料で
形成され且つ外周面が通電面とされた少なくとも1層の
内層部とで形成された発熱体と、 発熱体の内層部に電気的接触する電極部とで構成され、
発熱体の通電経路は、発熱体の半径方向にそう様にされ
ていることを特徴とするものである。
発熱体は、発熱材料を基材とし所要の発熱特性をもつ外
層部と、外層部よりも低い固有抵抗値をもつ材料で形成
された少なくとも1層の内層部とで構成されている。
ここで発熱材料を基材するとは、発熱材料のみで形成さ
れていても、発熱材料以外の他の充填材を含有していて
もよいという意味である。内層部は、必要に応じて1層
でも2層でもよく、場合によってはそれ以上でもよい。
外層部の肉厚は、発熱の均一性を確保する意味で、実質
的に均一の肉厚とすることができるが、発熱材料のいか
んによっては肉厚変動部があってもよい。内層部につい
ても同じである。
発熱体は筒形状であり、この形態では金属溶湯に浸漬す
るタイプとして使用でき、この場合には外層部および内
層部の双方を筒形状または筒形状に近似した形状とする
ことができる。ここで、発熱体を筒形状にした場合に
は、後述の実施例で示すように、発熱体の長さ方向の中
央部の外径を長さ方向にわたり実質的に同一寸法とし、
かつ、中央部の内径を長さ方向にわたり実質的に同一寸
法とすることにより、発熱体の長さ方向の中央部の肉厚
を実質的に均一とすることが望ましく、この場合、発熱
体の長さ方向の中央部の外径と内径との関係は、内径寸
法は外径寸法の30〜80%とすることができ、殊に50〜70
%が望ましい。その理由は外径に対して内径の比が小さ
いと、内径部の発熱量が外径部に対して大きくなり、そ
の結果内径部が溶融する心配がある。また、内径の比が
大きくなると、実質的な発熱層の厚みが小さくなり、溶
鋼による溶損の影響を受けやすいからである。
本発明にかかるヒータ装置では、発熱体の外層部を形成
する発熱材料、内層部を形成する発熱材料は非金属系、
金属系のいずれでもよい。この場合、外層部を形成する
発熱材料の種類またはその配合割合は、内層部を形成す
る発熱材料の種類またはその配合割合よりも、電気抵抗
値の高いものを採用する。このようにすれば、発熱体の
外層部に接触したり外層部に対面したりする被加熱物
(例えば、金属溶湯等の液体、空気等の気体)に近い部
分での発熱が盛んとなり、被加熱物を効果的に加熱し加
熱効率を高めるのに有利である。
また、外層部は通常、金属溶湯、空気、予熱時における
バーナ火炎等に接触するため、外層部を形成する発熱材
料の種類またはその配合割合は、発熱特性の他に耐溶損
性、耐熱衝撃性、耐酸化性、耐腐蝕性、耐経年性等の種
々の要因を考慮して選択する必要があるが、内層部は金
属溶湯、空気、バーナ火炎等に実質的に接触しないの
で、内層部を形成する発熱材料の種類またはその配合割
合を選択する場合には、そのような配慮を少なくしたり
無視したりすることができ、従って、内層部を形成する
発熱材料の種類またはその配合割合は、外層部を形成す
る発熱材料の種類またはその配合割合に比較して選択の
自由度が増す。
本発明にかかるヒータ装置では、発熱体を形成する前記
した金属系の発熱材料としては、例えば、ニッケル−ク
ロム系合金、鉄−クロム−アルミニウム系合金、タング
ステン、モリブデン、タンタル等を必要に応じて採用で
きる。
また、発熱体を形成する前記した非金属系の発熱材料と
しては、酸化物系、窒化物系、ホウ化物系等のうち使用
温度域で導電性をもつセラミックスを採用できる。導電
性をもつセラミックスとしては、被加熱物が鉄鋼の溶湯
である場合には、溶鋼の抵抗が低いために発熱体のRを
大きくする必要がある等の理由により固有抵抗値が高い
ものが望ましく、この場合、固有抵抗値は1500℃付近
で、1Ωcm以上であることが望ましく、特に200Ωcm以
上であることが望ましく、例えば、その固有抵抗値が36
0(Ωcm)程度のものを採用することができる。なお、
発熱体を形成する外層部、内層部の固有抵抗値は導電性
セラミックスに非導電性セラミックスまたは難導電性セ
ラミックスを配合し、配合割合を調節することにより変
えることができる。
本発明にかかるヒータ装置では、外層部を形成する導電
性をもつセラミックスとしては、鉄鋼の溶湯を加熱する
場合には、マグネシア(MgO)、ジルコニア(ZrO2)、
アルミナ(Al2O3)、マグネシアとジルコニアとの混合
体、マグネシアとジルコニアとアルミナとの混合体を使
用することができる。ここで、マグネシアは常温付近で
は、通常、導電性をもたないが、鉄鋼の溶湯の加熱温度
域である1500〜1650℃付近では所定の導電性を帯びる。
マグネシアとジルコニアとの混合体を、外層部を形成す
る導電性をもつセラミックスとして用いる場合には、そ
の配合割合は、必要とする抵抗値等を考慮して適宜選択
されるが、例えば、重量%で、マグネシアが60〜100
%、特に85〜95%が好ましく、ジルコニアが0〜40%、
特に5〜25%が好ましく、アルミナが0〜40%、特に2.
5〜15%が好ましい。
また本発明にかかるヒータ装置では、鉄鋼の溶湯を加熱
する場合には、内層部を形成する導電性をもつセラミッ
クスとしては、例えば、ホウ化ジルコニウム、窒化ボロ
ン、炭化珪素等を必要に応じて採用できる。また内層部
を形成する導電性をもつセラミックスとしては、外層部
と同様に、マグネシア(MgO)、ジルコニア(ZrO2)、
アルミナ(Al2O3)、マグネシアとジルコニアとの混合
体、マグネシアとジルコニアとアルミナとの混合体を使
用することができるが、外層部よりも発熱量を減らすた
めにその配合割合を変更でき、例えばマグネシアを減少
させて、重量%で、マグネシア40〜70%、ジルコニア、
アルミナ、CaO、クロミア、ベリリア、トリア、セリア
を主成分とする材料を1種又は2種以上、含有量で30〜
60%以上配合することができる。更には炭素粉末、黒鉛
等により炭素量として1〜5%含有することもできる。
更には、金属溶湯の溶融点によっては、外層部、内層部
を形成する導電性をもつセラミックスとして、炭化けい
素(SiC)、ランタンクロメート(LaCrO3)、酸化ベリ
リウム(BeO)、酸化トリウム(ThO2)、ケイ化モリブ
デン(MoSi2)、更に、窒化チタニウム(TiN)、炭化チ
タニウム(TiC)等を主成分としたものも使用すること
ができる。なお参考として、使用温度と固有抵抗との関
係を第8図、第9図に示す。なお、鉄鋼の溶湯の場合に
は、前述したように発熱体を形成するセラミックスの固
有抵抗値は、特に外層部を形成する場合には、目標値と
しては使用温度域で200Ωcm以上が望ましい。
ただし、上記した各種の発熱材料の中から金属溶湯等の
被加熱物の加熱温度、更にはヒータ装置の使用場所の酸
性、還元性などの雰囲気、発熱材料の耐熱性、発熱材料
の高温における耐衝撃性、価格、更には毒性の有無等を
考慮して適宜選択すべきである。
なお、発熱体がジルコニアを主成分とする場合には、酸
化カルシウム(CaO)、マグネシア(MgO)、酸化イット
リウム(Y2O3)、酸化イッテルビウム(Yb2O3)、酸化
スカンジウム(Sc2O3)を数%〜数10%程度添加し、転
移を回避した安定化ジルコニア、準安定ジルコニアを使
用することができる。このようにすれば転移に伴う膨脹
を回避することができ、発熱体の歪みを抑制するのに有
利である。
発熱材料を導電性セラミックスとした場合には、導電性
セラミックスの粒径は抵抗値に影響を与えることがあ
り、そのためその最大粒径は1〜5mm程度が望ましく、
特に1.5〜3mm程度が望ましい。その主たる理由は、粒径
があまり大きいと、電流が偏流化する傾向にあるからで
ある。なお、外層部と内層部とで粒径を変更し、これに
より外層部と内層部との発熱特性を調整することも可能
である。
発熱体を形成する外層部および内層部の発熱材料は、他
に支障がない限り、使用温度が変化しても発熱体の抵抗
値は変化しないか、あるいは、抵抗値が増大する正性を
示すものを用いることができる。このように温度の上昇
につれて発熱材料の抵抗値が増大する正性を示す場合に
は、発熱体に高温部が生じた場合に、その高温部は抵抗
値が高くなる。そのため、高温部よりも温度の低い部分
を電流は流れ、したがって発熱体の全体にわたって均一
に発熱させるのに都合がよい。もし、発熱材料が、温度
が上昇すると抵抗値が大きく低下する大きな負性をもつ
場合には、発熱体に高温部が生じた場合に、その高温部
は抵抗値が低くなる。そのため、高温部よりも温度の低
い部分は、電流が流れにくくなり、抵抗値の低い高温部
に電流は流れやすくなる。したがって高温部は増々高温
となり、発熱体の発熱暴走の一因となり易い。
発熱体を形成する外層部、内層部の全抵抗R(Ω)は、
導電性セラミックス等の発熱材料の固有抵抗値ρ(Ωc
m)と発熱体の肉厚t(cm)と発熱体の面積S(cm2)と
に影響される。このとき、外層部および内層部を筒形状
とする場合には、次の事項を考慮して発熱体の抵抗値を
選択する必要がある。即ち、発熱体の外径が大きい程、
放熱面積を確保できるが、成形時に亀裂が生じやすく、
熱衝撃に弱くなり易い。一方、発熱体の外径が小さい
程、放熱面積は小さくなる。また、発熱体の内径が大き
い程、電極部が径大となり、電極部からの伝熱ロスが大
きい。一方、発熱体の内径が小さい程、電極部が小径化
し、電極部からの伝熱ロスが小さくなるものの、発熱の
不均一が生じ易い。また、発熱体の肉厚が厚い程、熱が
内部に溜りやすく、発熱体内部の最高温度が上昇して内
部が溶けることがあり、発熱の安定性を維持するのに不
利である。一方、発熱体の肉厚が薄い程、熱が発熱体の
内部に溜りにくいが、必要な発熱量が得られないし、発
熱の暴走の一因となり易い。
本発明にかかるヒータ装置では、発熱体は例えば次のよ
うに製造できる。即ち、外層部用の原料セラミックス粉
末をボールミル、振動ミルなどで充分に粉砕、混合して
所定の組成に調整した後、原料セラミックス粉末と水と
を混合したスラリを型のキャビティに流し込んで外層部
用の所定形状に成形し成形体を得る成形工程を実施し、
更に外層部用の成形体を所定温度に加熱して焼結する焼
結工程を実施する。焼結工程に先立って、必要ならば養
生工程、乾燥工程を実施する。なお成形工程では、型に
振動を付与しつつ成形する振動成形を行うことができ
る。同様な工程を経て内層部も形成する。そして、外層
部および内層部を組付けて一体的とする。
また、発熱体は次のようにしても製造できる。即ち、外
層部用の原料セラミックス粉末をボールミル、振動ミル
などで充分に粉砕、混合して原料セラミックス粉末を調
整する。そして、その原料セラミックス粉末を加圧成形
して外層部用の圧密体を形成すう。その後、必要の場合
には乾燥工程を行ない、高温に加熱して焼結する。なお
加圧成形は、プレス加圧法、静水加圧法、ホットプレス
法などの公知の手段を採用することができる。内層部に
ついても同様な工程で形成できる。そして、外層部およ
び内層部を組付けて一体的とする。
本発明にかかるヒータ装置では、発熱体を形成する他の
製造方法としては、外層部と内層部とを一体的に成形
し、そのまま外層部と内層部とを一体的に焼成すること
も可能であり、この場合には一体的であるから、外層部
と内層部との電気的接触度、熱的接触度を確保するのに
有利である。
本発明にかかるヒータ装置では、最外側の内層部と外層
部との接触度は高い方が望ましい。そのため、内層部と
外層部との間に粉粒体、液体を装入し、粉粒体、液体の
電流拡散機能、熱拡散機能を利用して内層部と外層部と
の電気的接触度、熱的接触度を向上させることもでき
る。この場合、外層部と内層部との境界に隙間が生じ易
い場合であっても、あるいは、外層部と内層部との熱膨
脹度が異なる場合であっても、両者の電気的接触性、熱
的接触性を確保するのに有利である。なお、粉粒体とし
ては、発熱性をもつもの、例えば炭素粉末、黒鉛粉末、
炭化珪素粉末を採用でき、液体としては、導電性に優れ
かつ低融点のもの、例えばスズ、鉛、ビスマス、ナトリ
ウム等の低融点金属、場合によっては銅系金属を採用で
きる。炭素粉末は発熱性確保の観点からは細粒径の方が
好ましく、その粒径範囲は例えば10μ〜2mmなかでも50
μ〜100μとすることができる。なお、低融点金属や銅
系金属からなる固体状の粉粒体を内層部と外層部との間
に装入すれば、使用時の温度がその融点以上であれば固
体状の粉粒体が溶けて液体となり、電気的接触度、熱的
接触度を確保するのに有利である。
また本発明にかかるヒータ装置では、内層部が2層以上
であり、2層以上の内層部をそれぞれ別々に形成して後
で一体的に組付ける場合には、一の内層部とこれと隣設
する他の内層部との間の境界部分に、前記したような粉
粒体、液体を介在させて内層部同志の接触度を向上させ
ることもできる。
本発明にかかるヒータ装置では、後述する実施例に例示
するように、内層部および外層部の長さ方向の先端部は
角部がないように3次元曲面形状、例えば半球状、また
は半球状に近似した形状であることが望ましい。その理
由は、角部は成形時の不均一が生じやすく、耐熱衝撃性
を確保しにくいからである。また、角部には電流が集中
しやすいため角部は発熱温度が高くなり、発熱の暴走の
原因の一つとなりやすいからである。なお、先端部を半
球状とした場合、タンディシュ内の溶湯に浸漬するタイ
プでは、外層部の半球状の先端部の半径は例えば30〜10
0mmとすることができ、内層部の半球状の先端部の半径
は例えば20〜85mm程度とすることができる。
本発明にかかるヒータ装置では、電極部は、発熱体に電
気を流すためのものであり、通常、内層部に接続され
る。電極部の材質は導電率、熱伝達率等を考慮して選択
する。この場合、導電率を高くし、伝熱ロスを少なくす
べく熱伝達率を小さくすることができる。但し、物質は
一般的には、導電率が高くなると、熱伝達率も高くなる
傾向にあるので、単一の材料で電極部を形成するより
も、導電率の高い材料と熱伝達率の小さい材料とを適宜
組合せて、電極部の所要の導電性を確保しつつ、電極部
の見掛けの熱伝達度合を小さくすることができる。
また電気抵抗の小さい導電性セラミックスで電極部を形
成することもできる。このような場合には、電極部と外
層部と内層部とを一体的に成形し、そのまま焼成するこ
とも可能である。
本発明にかかるヒータ装置では、電極部からの伝熱ロス
を少なくする意味では、電極部は細い方が望ましい。
また電極部と発熱体との電気的接触度は高い方が望まし
い。そのため、電気的接触度を高めるべく発熱体と電極
部とを一体成形することができる。また、発熱体と電極
部とを別体で形成して後で組付ける場合には、電極部と
発熱体との境界部分に、前記したような炭素粉末や黒鉛
粉末等のような粉粒体、あるいは、スズ、鉛、ビスマス
等の導電性をもちかつ低融点の液体を装入し、粉粒体、
液体を利用して電極部と発熱体との接触度を向上させる
こともできる。この場合、発熱体と電極部との熱膨脹度
が異なる場合であっても、両者の電気的接触性、熱的接
触性を確保するのに有利である。
なお本発明にかかるヒータ装置では、容器に保持した金
属溶湯を加熱するものとして使用する場合には、発熱の
貯溜量を検出するγ線レベル計などのセンサを配設する
とともに、センサの信号に応じて発熱体への電流を制御
する制御装置を配設することもできる。このようにすれ
ば、容器に保持されている金属溶湯の変動量に応じて発
熱体へ流す電流量を制御するので、溶湯の温度調整をよ
り一層精度よくできる。
[実施例] 本発明にかかるヒータ装置の第1実施例について第1図
および第2図を参照して説明する。
本実施例にかかるヒータ装置1を第1図および第2図に
示す。このヒータ装置1は2層タイプであり、ほぼフラ
スコ形状の発熱体2と、棒状電極部3とで構成されてい
る。発熱体2は、ほぼフラスコ形状の外層部20と、ほぼ
フラスコ形状の内層部25とで形成されている。外層部20
は、重量%で、マグネシア90%、ジルコニア5%、アル
ミナ5%、不可避の不純物を含有する混合セラミックス
で形成されている。内層部25は、重量%で、マグネシア
が60%、ジルコニアが40%、不可避の不純物を含有する
混合セラミックスで形成されている。
第1図及び第2図に示すように外層部20は、径大な基端
部200と、基端部200につながる中央部210と、中央部210
につながる3次元曲面形状つまり半球状の先端部220と
から構成されている。中央部210の肉厚、先端部220の肉
厚は実質的に均一であり、肉厚のばらつきは±1mm程度
である。ここで本実施例では、外層部20の軸方向の全体
の長さL1が85cm程度、中央部210の長さL2が65cm程度、
先端部220の長さL3が6cm程度、中央部210の外径が12cm
程度、中央部210の内径が8.4cm程度、先端部220の径R1
が6cm程度である。なお基端部200が径大であるのはヒー
タホルダに載せるためである。
一方、内層部25は、基端部250と、基端部250につながる
中央部260と、中央部260につながる3次元曲面形状つま
り実質的に半球状の先端部270とから構成されている。
内層部25の肉厚は実質的に均一であり、肉厚のばらつき
は±1mm程度である。ここで本実施例では、内層部25の
うち、中央部260の外径が8cm程度、中央部260の内径が4
cm程度、先端部270の径R2が4cm程度である。本実施例で
は後述の第4図(溶鋼浸漬状態を示す)から理解できる
様に、発熱体2の通電経路は、発熱体2の半径方向にそ
う様にされる。従って外層部20の外周面20xは通電面と
なり、内層部25の外周面25xも通電面となり、外層部20
及び内層部25の厚み方向に電流は流れる。
棒状電極部3は炭素で形成されており、その外周径は3.
8cm程度、その全長が85mm程度である。本実施例のヒー
タ装置は次のように製造した。即ち、外層部20用の原料
セラミックス粉末を所定の配合割合で調整した後、水を
加えてスラリを形成する調整工程、そのスラリを型のキ
ャビティに流し込んで成形する成形工程、成形した外層
部20用の成形体を型から外した後に養生し、更に150℃
で15時間乾燥する乾燥工程、乾燥した外層部20用の成形
体を1650℃で10時間加熱して焼結する焼結工程とを順に
実施して製造した。なお、調整工程で使用した外層部20
用の原料セラミックス粉末の最大粒径は3mm程度であ
る。同様な手順で内層部25用の型を用いて、内層部25を
形成した。そして、焼結した外層部20の底付近の内面に
炭素粉末をスペーサとして散らした後に、外層部20内に
内層部25を挿入して外層部20と内層部25とを互いに重ね
る。更に、外層部20と内層部25との境界部分に炭素粉末
を装入させ、外層部20と内層部25との微小隙間を炭素粉
末で充填し、これにより厚み2mm程度の充填層20aを形成
する。このとき、必要ならば、内層部25と外層部20とを
周方向に相対回転させつつ行うことができる。なお、内
層部25の内周面で区画された孔に電極部3を装入する。
電極部3と内層部25との境界部分にも炭素粉末を装入
し、厚み1mm程度の充填層20bを形成する。
前記したように製造したヒータ装置1を例えば2個用
い、各ヒータ装置1の棒状電極部3の上端部に導線をバ
ンドで固定して電源につなぐと共に、発熱体2にバーナ
の火炎をあてて予熱する。そして、予熱した後に、第4
図に示すように2個のヒータ装置1を容器4内の鉄鋼の
溶湯Wに浸漬した。この状態で2個の電極部3と溶湯W
との間に0〜440Vの電圧を印加し、周波数60Hzの電流を
0〜800A程度流す。すると、一方のヒータ装置1の発熱
体2を形成する内層部25及び外層部20が発熱すると共
に、他方のヒータ装置1の発熱体2を形成する内層部25
及び外層部20が発熱するので溶湯Wが加熱される。
本実施例では、ヒータ装置1の発熱体2の発熱量で溶湯
を加熱するため、従来より提供されている溶湯自体に直
接電流を流して溶湯自体に発生したジュール熱で溶湯を
発熱させる場合に比較して、必要とする電流量は小であ
り、したがってその電気的制御も行ない易く、電気設備
も小型化し得る。い。
本実施例では、マゲネシアとジルコニアを主要成分、抵
抗値が高くなるようにその配合割合を選択した発熱材料
で外層部20を形成しているので、溶湯Wに接触している
部位で発熱が盛んとなり、加熱効率が向上する。しか
も、内層部25は溶湯に接触しないので、発熱特性も外層
部20ほどは必要とせず、むしろ発熱体2の内部での「熱
たまり」を抑制すべく発熱特性を抑さえた方が好まし
く、またバーナで予熱するときバーナの火炎に内層部25
は直接接触しないので、内層部25を形成する発熱材料の
配合割合を選択するにあたり、外層部20程の大きな発熱
量を確保せずともよく、更に耐溶損性、耐酸化性等に大
きな配慮をはらわなくともよく、従って、内層部25を形
成する発熱材料の種類またはその配合割合の選択の自由
度を増し得る。
更に、本実施例では、所要の発熱量を確保すべく発熱体
2の肉厚を所要の厚みとした場合、外層部20の肉厚自
体、内層部25の肉厚自体は薄くし得るので、それだけ外
層部20、内層部25自体には、成形するとき、焼結すると
き、予熱するときに、亀裂が発生しにくくなる。
しかも本実施例では、第3図に示すように外層部20と内
層部25との境界部分に装入された炭素粉末からなる充填
層20a、内層部25と棒状電極部3との境界部分に装入さ
れた炭素粉末からなる充填層20bは、電流拡散層として
の機能と、熱拡散層としての機能を果すので、外層部20
と内層部25との電気的接触度を高めると共に熱的接触度
も高めるので、局部的発熱を抑え、従って発熱体2は発
熱の暴走が生じにくく、均一発熱に有利な利点が得られ
る。
更にまた本実施例では炭素粉末を装入して形成した充填
層20a、20bも発熱するので、発熱体2の所要の発熱量を
確保するにあたり、外層部20、内層部25の肉厚をやたら
と肉厚化することを排除できる。
更に本実施例では、発熱体2を形成する外層部20の肉
厚、内層部25の肉厚は実質的に均一であるため、電極部
3から発熱体2を通して溶湯Wへと流れる電流の偏流化
防止に有効である。
また本実施例では、発熱体2を形成する外層部20の先端
部220、内層部25の先端部270はそれぞれ3次元曲面形状
としての半球状であり、電流が集中しやすい角部が形成
されていないので、電流の偏流化防止に一層有利であ
る。
次に、本発明にかかるヒータ装置の第2実施例について
第5図および第6図を参照して説明する。第2実施例の
ヒータ装置は基本的には第1実施例と同じ構成である。
ただし、内層部は2層であり、第5図に示すように、棒
状電極部3側の第1の内層部27と第2の内層部28とが積
層されている。第1の内層部27は基端部270と中間部271
と実質的に半球状の先端部272とで形成されている。ま
た第2の内層部28は基端部280と中間部281と実質的に半
球状の先端部282とで形成されている。そして、第1の
内層部27と第2の内層部28との間には、炭素粉末が装入
されて充填層20aが形成されており、第1の内層部27と
第2の内層部28との間の電気的接触度、熱的接触度を確
保している。勿論、外層部20と第2の内層部28との境界
部分には、炭素粉末からなる充填層20aが設けられてお
り、電極部3と第16内層部27との境界部分にも、炭素粉
末からなる充填層20bが設けられている。
第2実施例のヒータ装置においても、前記第1実施例の
場合と同じ作用、効果が得られる。
また、上記した各実施例では、第1図、第5図から明ら
かなように内層部の外周面と外層部の内周面とは平滑面
状であるが、特殊な例では、図示はしないが、内層部の
外周面にねじ部を形成し、外層部の内周面にねじ部を形
成し、そして、外層部のねじ部と内層部のねじ部とを互
いに螺合することにより、内層部と外層部とを一体的に
組付てもよく、この場合にも、両者の境界部分に炭素粉
末、溶融スズ等を装入することができる。
[適用例] 次に、上記した実施例にかかるヒータ装置を、連続鋳造
方法に適用した例について説明する。まず、連続鋳造方
法で使用する連続鋳造装置について説明する。この連続
鋳造装置は、第7図に示すように、鉄鋼溶湯を保持する
容器としてのタンデッシュ50と、タンデッシュ50よりも
下方に配置された水冷鋳型51と、冷却スプレー帯52と、
ピンチロール53と、整直ロール54とで構成されている。
なお、タンデッシュ50は、溶湯を5t程度保持する容量で
ある。
次に連続鋳造する際について説明する。まず、第1図お
よび第2図に示すヒータ装置1を2個用い、各ヒータ装
置1の発熱体2をバーナの火炎で加熱して800〜1200℃
程度に予熱する。
このようにヒータ装置1を予熱した状態で、とりべ55か
ら移されてタンディシュ50に保持されている1400〜1600
℃程度の高温の鉄鋼の溶湯に2個のヒータ装置1を先端
部220から浸漬する。とりべから移されたタンディシュ5
0内の溶湯は第7図に示す吐出口50aに向けて流れ、水冷
鋳型51に落下する。
前記のように溶湯を浸漬する前にヒータ装置1を予熱す
れば、発熱体2の急熱を防止でき、発熱体2に亀裂が生
じることを極力抑制することができる。又、上記した予
熱により、発熱体2、特に、マグネシアを主要成分とす
るため高温度領域で初めて導電性を帯びる外層部20の導
電性を確保できる。
なお発熱体2に亀裂が生じた場合には、亀裂に侵入した
金属溶湯と電極部3とが直接に導通し、発熱体2の発熱
量が小さくなり、ヒータ装置1を有効に利用できない不
具合が生じる。
本適用例では、上記のようにヒータ装置1をタンデッシ
ュ50内の溶湯に浸漬した状態で、2個の電極部3の端子
を交流電源に接続し、端子間に100〜600Vの電圧を印加
する。これによりタンデッシュ50に保持されている溶湯
を介してヒータ装置1の発熱体2の間で、周波数60Hzの
電流を流す。電流量は0〜800A程度である。このとき発
熱体2の内層部25および外層部20は高温に発熱する。し
たがってタンデッシュ50内に保持された溶湯は、加熱さ
れて約1〜30℃昇温し、温度調節される。
このようにタンディシュ50内で温度調整された溶湯は、
タンディシュ50の吐出口50aから吐出され、水冷鋳型51
で冷却固化され、さらに冷却スプレー帯52からの冷却水
の噴出で冷却され、冷却固化したものはピンチロール53
で下方に引張られる。その後は切断機により所定の長さ
に切断される。
本適用例では、ヒータ装置1の発熱体2の発熱量でタン
ディシュ50内の溶湯を加熱するため、従来より提供され
ているタンディシュ50内に保持されている溶湯自体に直
接電流を流して溶湯自体に発生したジュール熱で溶湯を
発熱させる場合に比較して、必要とする電流量は小であ
り、したがってその電気的制御も行ない易く、電気設備
も小型化し得、従って既存の電気設備を有効に使用し得
る。
上記のように本適用例では、ヒータ装置1でタンデッシ
ュ50内に保持した溶湯を加熱して溶湯の温度調整できる
ので、タンデッシュ50に保持した溶湯の温度を適切な値
に維持することができ、連続鋳造方法で製造したブルー
ム、ビレットなどの製品の品質を向上するのに有利であ
る。
[発明の効果] 本発明にかかるヒータ装置によれば、発熱体で金属溶湯
等の被加熱物を加熱することができ、したがって金属溶
湯等の被加熱物の温度調整を行なうことができる。特
に、発熱体が外層部と内層部とで形成されているので、
金属溶湯や空気等に接触しない、内層部を形成する発熱
材料の種類、その配合割合の選択の自由度を増し得る。
更に本発明にかかるヒータ装置によれば、内層部を外層
部より発熱特性の小さいつまり固有抵抗値の小さい発熱
材料で形成しているので、発熱体の内部の「熱たまり」
を抑えるのに有利である。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第4図は本発明にかかる第1実施例を示し、第
1図は発熱体の断面図、第2図はヒータ装置の断面図で
ある。第3図は充填層付近の拡大断面図、第4図はヒー
タ装置と溶湯との間で通電している状態の概略断面図で
ある。 第5図および第6図は本発明にかかる第2実施例を示
し、第5図は発熱体の断面図、第6図はヒータ装置の断
面図である。 第7図は連続鋳造方法で使用する装置の概略断面図であ
る。第8図、第9図は導電材料の使用温度と固有抵抗と
の関係を示すグラフである。 図中、1はヒータ装置、2は発熱体、3は棒状電極部、
20は外層部、200は基端部、210は中央部、220は先端
部、25は内層部、250は基端部、260は中央部、270は先
端部を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山田 忠政 愛知県東海市荒尾町ワノ割1番地 愛知製 鋼株式会社内 (72)発明者 有賀 喜久雄 岐阜県瑞浪市土岐町51―1 (72)発明者 加藤 吉成 岐阜県瑞浪市寺河戸町1113―2 (72)発明者 小島 榮蔵 愛知県東海市加木屋町小家ノ脇4―11 (56)参考文献 特公 昭61−59274(JP,B2)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】発熱材料を基材とし外周面が通電面とされ
    た円筒形状の外層部と、前記外層部の内側に配置され外
    層部よりも低い固有抵抗値をもつ材料で形成され且つ外
    周面が通電面とされた少なくとも1層の内層部とで形成
    された発熱体と、 前記発熱体の内層部に電気的接触する電極部とで構成さ
    れ、 前記発熱体の通電経路は、前記発熱体の半径方向にそう
    様にされていることを特徴とするヒータ装置。
JP63314779A 1988-12-13 1988-12-13 ヒータ装置 Expired - Lifetime JPH0667540B2 (ja)

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