JPH0668423A - 薄膜磁気ヘッド - Google Patents

薄膜磁気ヘッド

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JPH0668423A
JPH0668423A JP24146492A JP24146492A JPH0668423A JP H0668423 A JPH0668423 A JP H0668423A JP 24146492 A JP24146492 A JP 24146492A JP 24146492 A JP24146492 A JP 24146492A JP H0668423 A JPH0668423 A JP H0668423A
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JP
Japan
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thin film
magnetic
film
oxide substrate
magnetic head
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JP24146492A
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English (en)
Inventor
Hiroto Sato
博人 佐藤
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Eneos Corp
Original Assignee
Japan Energy Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 Fe−Si−Al合金などの軟磁性薄膜を用
いた薄膜磁気ヘッドにおいて、軟磁性薄膜と非磁性酸化
物基板との界面における反応層の形成を防止し、それに
よって、軟磁性薄膜の磁気特性の劣化、再生出力の低
下、更には、軟磁性薄膜と非磁性酸化物基板との界面の
残留応力の増大を防止し、磁気特性に優れた薄膜磁気ヘ
ッドを提供する。 【構成】 非磁性酸化物基板11と、この基板11上に
成膜される軟磁性薄膜12との間に反応防止膜40を形
成する。反応防止膜40は、非磁性酸化物基板11と軟
磁性薄膜12との界面に形成されて、両者の相互の反応
を防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、一般に、例えばFe−
Si−Al合金などからなる軟磁性薄膜を基板上に積層
することによって作製される薄膜磁気ヘッドに関するも
のであり、特に非磁性酸化物基板と軟磁性薄膜との反応
を防止し、磁気的に優れた薄膜磁気ヘッドに関するもの
である。
【0002】本発明の薄膜磁気ヘッドは、高周波用で且
つ高いS/N比が要求される高密度記録用ヘッド、主と
してビデオヘッド、デジタル用ヘッド等に使用される軟
磁性薄膜を有する薄膜磁気ヘッドとして好適に利用し得
る。
【0003】
【従来の技術】近年、磁気記録分野においては、記録信
号の高密度化に伴い、高い保磁力と残留磁束密度を有す
るメタル系の磁気記録媒体が使用されるようになり、こ
のため、磁気記録又は再生を行う磁気ヘッドのコア材料
には高い飽和磁束密度及び透磁率を有することが要求さ
れるようになった。
【0004】しかし、コア材料として最も広く使用され
ている軟磁性体のフェライトでは満足な特性が得難く、
最近では、例えばFe−Si−Al合金薄膜のような軟
磁性薄膜を用いた薄膜磁気ヘッドが急速に注目を浴びて
いる。斯かる薄膜磁気ヘッドの一例が図4及び図5に例
示される。
【0005】図5を参照すると、非磁性酸化物基板11
上にFe−Si−Al合金薄膜12がスパッタリングな
どにて膜厚3〜10μmにて成膜される。次いで、この
合金軟磁性薄膜12上にSiO2 から成る非磁性絶縁
膜、即ち、層間膜13が膜厚約0.5μmにて形成され
る。
【0006】更に、軟磁性薄膜12と非磁性絶縁膜13
が必要回数積層され、薄膜構造体14が形成される。斯
る軟磁性薄膜12と非磁性絶縁膜13の膜厚及び積層回
数は積層部の厚さがトラック幅(W)となるように適宜
設定される。
【0007】次いで、前記薄膜構造体14の上にガラス
膜15が形成され、その上に他の基板16が積層され
る。基板16は前記基板11と同じか、又は類似の材料
にて作製される。
【0008】このようにして作製された積層磁性体17
は、図4に図示されるように、積層した厚さ方向に切断
し、一対のコア半体ブロック18、19が形成され、少
なくとも片方のコア半体、本例ではコア半体18に巻線
溝20を形成する。
【0009】続いて、両コア半体ブロック18、19の
突合せ面の接合を強固なものとするために、従来、図4
に図示されるように、巻線溝20に対向した、本例では
コア半体19の両側面部に面取部22を形成し、又、両
コア半体の前記ギャップ部とは反対側にも凹所23を形
成した後、両コア半体ブロック18、19の突合せ面は
研摩加工後、SiO2 から成る非磁性のギャップスペー
サー21を形成する。
【0010】この後、両コア半体ブロック18、19を
突合せ面にて突合せ、該面取部及び凹所にモールドガラ
スを充填し両コア半体ブロック18、19を接合する。
【0011】最後に、テープ摺動面を形成するべくR研
摩加工及び他の成形加工並びに巻線加工を行ない、薄膜
磁気ヘッド10が得られる。
【0012】上記説明にて理解されるように、このよう
な薄膜磁気ヘッド10において、トラック幅(W)は、
基板11上にスパッタリングによってトラック幅に相当
する膜厚にて前記薄膜構造体14を形成すればよく、ト
ラック幅(W)を規制する加工が省略され、従って、フ
ェライトのようなブロック状コア材を用いて磁気ヘッド
を作製する場合に生ずる製造上の問題は解決される。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】上述した積層型薄膜磁
気ヘッドにおいては、非磁性酸化物基板11、16とし
ては、SiO2 −Li2 O−Al23 系結晶化ガラス
のようなガラス基板、SiO2 系酸化物基板、Al23
系酸化物基板、Mn−Ni−O系酸化物基板、Co−N
i−O系酸化物基板などが広く使用されており、又、F
e−Si−Al合金薄膜のような軟磁性薄膜12は、通
常上述したスパッタリング法や、更には、イオンプレー
ティング法、蒸着法等の真空薄膜技術にて上記非磁性酸
化物基板11上に被着形成される。
【0014】本発明者らの研究実験の結果によると、上
述したように、SiO2 から成る非磁性のギャップスペ
ーサー21を形成するために、両コア半体ブロック1
8、19の接合面は溶着処理されるが、このとき、非磁
性酸化物基板11と軟磁性薄膜12との界面は300〜
700℃の高温に曝らされることになり、そのために、
非磁性酸化物基板11を構成する酸化物が、Fe−Si
−Al合金などとされる軟磁性薄膜12の構成元素であ
るFe原子、Al原子、或はSi原子と反応して酸化物
を形成することが分かった。この結果、上記界面部の非
磁性酸化物基板11は還元された状態となり、反応層5
0が形成される。この反応層50の厚さ(t)は、通常
0.05〜1μm厚に形成される。
【0015】つまり、このような反応層50は、Al、
Siの欠乏したFe−Si−Al合金薄膜、Siの酸化
物、Alの酸化物、更には、非磁性酸化物基板11とし
てCo−Ni−O系酸化物基板を使用した場合はCo、
Ni金属などからなり、軟磁性薄膜12の磁気特性を劣
化させ、再生出力の低下を招くという問題を引き起こ
す。
【0016】又、Fe−Si−Al合金などの軟磁性薄
膜12の熱膨張係数は130×10-7/℃〜160×1
-7/℃であるが、その熱膨張係数より小さな値を持つ
物質が反応層50として形成された場合には、軟磁性薄
膜12と基板11との界面の残留応力が増大することと
なり、磁気特性に悪影響を及ぼすこととなる。
【0017】従って、本発明の目的は、Fe−Si−A
l合金などの軟磁性薄膜を用いた薄膜磁気ヘッドにおい
て、軟磁性薄膜と非磁性酸化物基板との界面における反
応層の形成を防止し、それによって、軟磁性薄膜の磁気
特性の劣化、再生出力の低下、更には、軟磁性薄膜と非
磁性酸化物基板との界面の残留応力の増大を防止し、磁
気特性に優れた薄膜磁気ヘッドを提供することである。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記目的は本発明に係る
薄膜磁気ヘッドにて達成される。要約すれば、本発明
は、非磁性酸化物基板上に軟磁性薄膜を積層して構成さ
れる薄膜磁気ヘッドにおいて、前記非磁性酸化物基板と
前記軟磁性薄膜との界面に、炭化物又は窒化物よりなる
反応防止膜を設けたことを特徴とする薄膜磁気ヘッドで
ある。
【0019】前記炭化物は、炭化珪素、炭化タンタル、
炭化チタン、炭化ジルコニウム、炭化アルミ、又は炭化
硼素であり、前記窒化物は、窒化アルミ、窒化チタン、
窒化ジルコニウム、窒化珪素、窒化タンタル、又は窒化
硼素とされ、前記反応防止膜の膜厚は1nm〜500n
mとされる。
【0020】又、前記非磁性酸化物基板は、ガラス基
板、SiO2 系酸化物基板、Al23系酸化物基板、M
n−Ni−O系酸化物基板、又はCo−Ni−O系酸化
物基板であり、又、前記軟磁性薄膜は、Fe−Si−A
l合金、アモルファス磁性体、窒化鉄、又は、Fe−M
e−N若しくはFe−Me−C合金(但し、Meが、T
a、Zr、Hf、Ti、B、Si、Al、Mn、Cr、
Mo、V、Wのいずれか1種以上)にて形成される。
【0021】
【実施例】以下、本発明に係る薄膜磁気ヘッドを図面に
則して更に詳しく説明する。
【0022】図1に、本発明に係る薄膜磁気ヘッドの積
層磁性体17の一例を示す。本実施例の薄膜磁気ヘッド
は、先に説明した、図4及び図5に示す構成と同様の構
成とされるが、本発明に従えば、非磁性酸化物基板11
と、この基板11上に成膜される軟磁性薄膜12との間
に反応防止膜40が形成される点において、従来のもの
とは大きく相違している。図1の本発明に係る薄膜磁気
ヘッドの積層磁性体17にて、図5に示す従来の積層磁
性体と同じ構成要素部分には同じ参照番号が付されてい
る。
【0023】本発明にて、反応防止膜40は、非磁性酸
化物基板11と軟磁性薄膜12との界面に形成されて、
両者の相互の反応を防止する作用を成すものであって、
この反応防止膜40としては、炭化珪素(SiC)、炭
化タンタル(TaC)、炭化チタン(TiC)、炭化ジ
ルコニウム(ZrC)、炭化アルミ(Al43 )、又
は炭化硼素(B4 C)のような炭化物、又は、窒化アル
ミ(AlN)、窒化チタン(TiN)、窒化ジルコニウ
ム(ZrN)、窒化珪素(Si34 )、窒化タンタル
(TaN)、窒化硼素(BN)のような窒化物とされ
る。これら炭化物又は窒化物は熱力学的に炭化物又は窒
化物の状態が安定であり、高温においてもFe−Si−
Al合金などの軟磁性薄膜12及び非磁性酸化物基板1
1との反応が少なく、又拡散も少ないことから反応防止
膜40として最適である。
【0024】反応防止膜40の膜厚は、1nm〜500
nm、より好ましくは、5nm〜100nmとされる。
1nmより薄いと、連続的に付着させることが難しく、
又、500nm以上は不必要であるからである。又、反
応防止膜40は、スパッタリング法や、更には、イオン
プレーティング法、蒸着法等の真空薄膜技術にて非磁性
酸化物基板11上に形成することができる。
【0025】本発明の薄膜磁気ヘッドに用いる非磁性酸
化物基板11は、従来使用されている、熱安定性、熱膨
張率が良好なものを同様に使用することができ、例え
ば、SiO2 −Li2 O−Al23 系結晶化ガラスの
ようなガラス基板、SiO2 系酸化物基板、Al23
酸化物基板、Mn−Ni−O系酸化物基板、Co−Ni
−O系酸化物基板などとすることができる。
【0026】更に、本発明の薄膜磁気ヘッドに用いる軟
磁性薄膜12としては、種々の軟磁性薄膜を使用するこ
とができ、例えばFe−Si−Al合金、アモルファス
磁性体、窒化鉄などからなる軟磁性薄膜を使用すること
ができるが、特に、Fe−Si−Al合金軟磁性薄膜
は、磁歪がゼロになり磁気異方性が極めて小さく、その
ために透磁率が高く、保磁力を小さくすることができ、
特に好ましい。
【0027】更に、Fe−Me−N或はFe−Me−C
合金であって、前記Meが、Ta、Zr、Hf、Ti、
B、Si、Al、Mn、Cr、Mo、V、Wなどとされ
る合金軟磁性薄膜も使用することができる。
【0028】又、軟磁性薄膜12は、単層とすることが
でき、この場合には、膜厚は1μm〜10μmとされ、
更に、図1に示すように、2層〜5層などのような多層
とされる場合には、膜厚が約0.5μmとされる層間膜
13をも含めて、薄膜構造体14の全厚さ(W)は10
μm〜100μmとされる。
【0029】次に、本発明に係る薄膜磁気ヘッドを実施
例について説明する。
【0030】実施例1 本実施例では、図1に図示される積層磁性体17にて、
軟磁性薄膜12が単層とされる、図4に示す構造をした
薄膜磁気ヘッドを作製した。
【0031】非磁性酸化物基板11としては、(Co
O)x (NiO)1-x (ただし、x=0.55)で表わ
される、直径が2インチのCo−Ni−O系酸化物基板
を、表面粗さ150Åにポリッシュして使用した。
【0032】先ず、RFマグネトロンスパッタ装置によ
り、直径4インチ、厚さ5mmのTiNターゲットを用
い、ターゲットと非磁性酸化物基板11との距離は60
mm、Ar圧力は6×10-3Torr、投入電力は20
0Wとして、前記非磁性酸化物基板11上に、反応防止
膜40を、30nm厚で形成した。基板温度は100℃
であり、成膜速度は約4nm/minであった。
【0033】次いで、DCスパッタ装置により、直径4
インチ、厚さ5mmの、Fe83〜94wt%、Si4
〜11wt%、Al2〜6wt%の組成のターゲットを
用い、ターゲットと非磁性酸化物基板11との距離は6
0mm、Ar圧力は6×10-3Torr、投入電力は5
00Wとして、前記非磁性酸化物基板11上の反応防止
膜40の上に、Fe−Si−Al合金軟磁性薄膜12を
形成した。基板温度は100℃であり、成膜速度は約5
0nm/minであった。
【0034】軟磁性薄膜12の膜厚は、磁気ヘッドに加
工する場合には5μmとし、オージェ分光分析法による
深さ方向の分析用には0.2μmの厚さに形成した。
【0035】次いで、高真空(10-6Torr台)中、
700℃の温度で1時間加熱を行った後に、分析用の試
料は、引き続いてオージェ分光分析を行った。
【0036】一方、磁気ヘッドのための試料は、更に続
いて、前記軟磁性薄膜構造体14の上にガラス膜15を
形成した。該ガラス膜15はSiO2 (50wt%)−
Na2 O(20wt%)−Al23 (10wt%)、
残部としてBaO、K2 O、CaO等を含んだ組成のガ
ラスを使用し、前記RFマグネトロンスパッタ装置によ
り、Ar圧力6×10-3Torr、投入電力100W、
基板温度100℃とした。斯かる条件にて膜厚1μmの
ガラス膜15を作製した。
【0037】次いで、前記基板11と同じ材料で形成さ
れた他の基板16を前記ガラス膜15の上に積層して積
層磁性体17を作製した。該積層磁性体17は、650
℃で15分の溶融圧着を行なった。
【0038】次に、このようにして作製された積層磁性
体17は、図4に図示されるように、積層した厚さ方向
に切断し、一対のコア半体ブロック18、19を形成
し、コア半体18に巻線溝20を形成した後、両コア半
体ブロック18、19の突合せ面の接合を強固なものと
するために、図4に図示されるように、巻線溝20に対
向した、コア半体19の両側面部に面取部を形成し、
又、両コア半体の前記ギャップ部とは反対側にも凹所を
形成し、同コア半体ブロック18、19の突合せ面は研
摩加工後、SiO2 から成る非磁性のギャップスペーサ
ー21をスパッタリングにより形成した。次いで、該面
取部及び凹所にモールドガラスを溶融充填した。
【0039】最後に、テープ摺動面を形成するべくR研
摩加工及び他の成形加工並びに巻線加工を行ない、図1
に示す構成の薄膜積層磁気ヘッド10を作製した。
【0040】実施例2 本実施例では、図1に図示されるように、軟磁性薄膜1
2が多層とされる積層磁性体17を備えた、図4に示す
構造をした薄膜磁気ヘッドを作製した。
【0041】実施例1と同じ材料及び方法にて、非磁性
酸化物基板11上に、反応防止膜40及びFe−Si−
Al合金軟磁性薄膜12を形成し、次いで、高真空(1
-6Torr台)中、700℃の温度で1時間加熱を行
った。
【0042】更に、このFe−Si−Al合金膜12の
上に層間膜13を形成した。層間膜の作製は、反応防止
膜作製に使用した前記RFマグネトロンスパッタ装置を
用い、ターゲットとして直径4インチ、厚さ5mmのS
iO2 を使用した。Ar圧力は6×10-3Torr、投
入電力は300W、基板温度100℃とした。斯る条件
にて基板の軟磁性薄膜上にSiO2 膜が膜厚0.5μm
にて形成された。
【0043】次いで、上記方法にて前記層間膜13上に
軟磁性薄膜12及び層間膜13の順に合計4回繰り返
し、軟磁性薄膜構造体14を得た。該軟磁性薄膜構造体
14の全膜厚は21.5μmであった。
【0044】更に、前記軟磁性薄膜構造体14の上にガ
ラス膜15を形成した。該ガラス膜15はSiO2 (5
0wt%)−Na2 O(20wt%)−Al23 (1
0wt%)、残部としてBaO、K2 O、CaO等を含
んだ組成のガラスを使用し、前記RFマグネトロンスパ
ッタ装置により、Ar圧力6×10-3Torr、投入電
力100W、基板温度100℃とした。斯かる条件にて
膜厚1μmのガラス膜15を作製した。
【0045】次いで、前記基板11と同じ材料で形成さ
れた他の基板16を前記ガラス膜15の上に積層して積
層磁性体17を作製した。該積層磁性体17は、650
℃で15分の溶融圧着を行なった。
【0046】次に、このようにして作製された積層磁性
体17は、図4に図示されるように、積層した厚さ方向
に切断し、一対のコア半体ブロック18、19を形成
し、コア半体18に巻線溝20を形成した後、両コア半
体ブロック18、19の突合せ面の接合を強固なものと
するために、図4に図示されるように、巻線溝20に対
向した、コア半体19の両側面部に面取部を形成し、
又、両コア半体の前記ギャップ部とは反対側にも凹所を
形成し、同コア半体ブロック18、19の突合せ面は研
摩加工後、SiO2 から成る非磁性のギャップスペーサ
ー21をスパッタリングにより形成した。次いで、該面
取部及び凹所にモールドガラスを溶融充填した。
【0047】最後に、テープ摺動面を形成するべくR研
摩加工及び他の成形加工並びに巻線加工を行ない、図1
に示す構成の薄膜積層磁気ヘッド10を作製した。
【0048】比較例1 実施例1と同じ材料及び方法にて、ただ反応防止膜40
を有さない薄膜磁気ヘッドを作製した。
【0049】比較例2 実施例2と同じ材料及び方法にて、ただ反応防止膜40
を有さない薄膜磁気ヘッドを作製した。
【0050】図2には、TiNの反応防止膜40を設け
た場合(実施例1)のオージェ分光分析の深さ方向の、
Fe、Al、Si、Ni、Ti、N、Oに関する元素分
析結果を示し、図3には反応防止膜がない場合(比較例
1)の元素分析結果を示す。
【0051】図2及び図3から、反応防止膜40がない
場合には、合金軟磁性薄膜と非磁性基板の界面の元素分
布変化が急峻でなく、軟磁性薄膜中への酸素の拡散が顕
著に見られる。又、界面付近のAlの濃度が高くなって
いるのも特徴である。そして、Alと酸素の元素比を算
出すると、2:3になり、Al23 が形成されている
ことを示している。この反応層50の厚さは、大略0.
1μmの厚さである。
【0052】これに対して、TiNの反応防止膜40を
設けた場合、元素の拡散が少なくなり、基板と反応防止
膜の界面、反応防止膜と合金軟磁性薄膜の界面の元素分
布の変化が急峻になることが分かった。
【0053】上記実施例では、反応防止膜40としては
TiNを使用した場合について説明したが、SiC、T
aC、TiC、ZrC、Al43 、B4 C、AlN、
TiN、ZrN、Si34 、TaN、BNである場合
においても、反応防止膜がTiNである場合と同様に元
素の拡散が少なくなり、基板と反応防止膜の界面、及び
反応防止膜と軟磁性薄膜の界面における元素分布の変化
が急峻になることが分かった。
【0054】更に、実施例1にて作製された薄膜磁気ヘ
ッドにて、界面状態をSEMにより観察した結果、反応
防止膜を設けた磁気ヘッドに関しては、金属層の析出は
見られず平滑な界面が保たれ、反応防止膜を設けない場
合に見られるような、界面の乱れは検出されなかった。
【0055】又、本発明に従った実施例1、2の軟磁性
薄膜は積層磁性体の状態において、極めて良好な磁気特
性を有するものであり、保磁力0.3 Oe 、1MHzで
の比初透磁率約2000が得られた。さらに、実施例
1、2及び比較例1、2においてそれぞれ、50個の磁
気ヘッドを作製したが、これらの薄膜磁気ヘッドをトラ
ック幅が膜厚方向とされるVTR用磁気ヘッドとし、ト
ラック幅5μm及び21.5μm、テープヘッド相対速
度5.8m/secとし、メタルテープを用いて、再生
出力を測定したところ、5MHzでの再生出力で、本発
明に従った磁気ヘッドは比較例の従来の磁気ヘッドより
優れていた。
【0056】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る薄膜
磁気ヘッドは、非磁性酸化物基板と軟磁性薄膜との界面
に、炭化物又は窒化物よりなる反応防止膜を設けた構成
とされるので、軟磁性薄膜中への酸素の拡散が防止で
き、軟磁性薄膜と非磁性酸化物基板との界面における反
応層の形成を防止し、それによって、軟磁性薄膜の磁気
特性の劣化、再生出力の低下、更には、軟磁性薄膜と非
磁性酸化物基板との界面の残留応力の増大が防止され、
磁気特性に優れているという特長を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る薄膜磁気ヘッドの積層磁性体の一
実施例の断面図を示す。
【図2】本発明に従って構成される軟磁性薄膜の深さ方
向の元素分析結果を示す。
【図3】従来の軟磁性薄膜の深さ方向の元素分析を示
す。
【図4】薄膜磁気ヘッドの斜視図である。
【図5】従来の薄膜磁気ヘッドの積層磁性体の断面図を
示す。
【符号の説明】
10 薄膜磁気ヘッド 11 非磁性酸化物基板 12 軟磁性薄膜 13 層間膜 14 薄膜構造体 15 ガラス膜 16 基板 17 積層磁性体 21 ギャップスペーサ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性酸化物基板上に軟磁性薄膜を積層
    して構成される薄膜磁気ヘッドにおいて、前記非磁性酸
    化物基板と前記軟磁性薄膜との界面に、炭化物又は窒化
    物よりなる反応防止膜を設けたことを特徴とする薄膜磁
    気ヘッド。
  2. 【請求項2】 前記炭化物は、炭化珪素、炭化タンタ
    ル、炭化チタン、炭化ジルコニウム、炭化アルミ、又は
    炭化硼素であり、前記窒化物は、窒化アルミ、窒化チタ
    ン、窒化ジルコニウム、窒化珪素、窒化タンタル、又は
    窒化硼素である請求項1の薄膜磁気ヘッド。
  3. 【請求項3】 前記反応防止膜の膜厚は1nm〜500
    nmである請求項1又は請求項2の薄膜磁気ヘッド。
  4. 【請求項4】 前記非磁性酸化物基板は、ガラス基板、
    SiO2 系酸化物基板、Al23 系酸化物基板、Mn−
    Ni−O系酸化物基板、又はCo−Ni−O系酸化物基
    板であり、又、前記軟磁性薄膜は、Fe−Si−Al合
    金、アモルファス磁性体、窒化鉄、又は、Fe−Me−
    N若しくはFe−Me−C合金(但し、Meが、Ta、
    Zr、Hf、Ti、B、Si、Al、Mn、Cr、M
    o、V、Wのいずれか1種以上)にて形成される請求項
    1、請求項2又は請求項3の薄膜磁気ヘッド。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102923636A (zh) * 2012-10-30 2013-02-13 上海丽恒光微电子科技有限公司 半导体结构及其制作方法

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