JPH0668957B2 - 電子銃構体 - Google Patents

電子銃構体

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JPH0668957B2
JPH0668957B2 JP11874387A JP11874387A JPH0668957B2 JP H0668957 B2 JPH0668957 B2 JP H0668957B2 JP 11874387 A JP11874387 A JP 11874387A JP 11874387 A JP11874387 A JP 11874387A JP H0668957 B2 JPH0668957 B2 JP H0668957B2
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【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 (産業上の利用分野) この発明は、複数ビームを放出する電子銃構体に係り、
特にカラー受像管の3電子銃構体に好適な電子銃構体に
関する。
(従来の技術) 第8図に示すように、カラー受像管は、パネル(1)およ
びファンネル(2)からなる外囲器(3)を有し、そのパネル
(1)内面に3色蛍光体層からなる蛍光面(4)が形成され、
この蛍光面(4)に対向して、その内がわにシャドウマス
ク(5)が配設されている。また、ファンネル(2)のネック
(6)内に3電子ビームを放出する電子銃構体(7)が配設さ
れ、その3電子ビームをシャドウマスク(5)を介して3
色蛍光体層に正しく射突させることにより、蛍光面(4)
上に画像を表示するように構成されている。
かかるカラー受像管において、蛍光面(4)上の画像を良
好にするためには、各電子ビームを良好に集束して、蛍
光面(4)上の電子ビームのスポット径を小さくし、か
つ、3電子ビームを蛍光面(4)上に正しく集中させるこ
とが必要である。
ところで、このカラー受像管の電子銃構体(7)は、電子
ビームを発生し、かつこの電子ビームの発生を制御する
複数の電極からなる電子ビーム発生部と、この電子ビー
ム発生部から放出される電子ビームを集束し、加速し、
かつ蛍光面(4)上に集中させる複数の電極からなる主レ
ンズ部とから構成されている。通常、この主レンズ部
は、静電レンズを構成し、その電極の形状、配列、印加
電圧の相違などにより、いくつかの種類があるが、その
いづれにおいても、レンズ性能を良好にするためには、
電極の開口径を大きくして大口径レンズとするか、ある
いは電極間隔を大きくして、電極間の電位勾配がゆるや
かな長焦点レンズにする必要がある。
しかし、この電子銃構体(7)は、外囲器(3)の他の部分に
くらべて細いネック(6)内に封入されて用いられるた
め、電極の大口径化には制限がある。また、電極を十分
に大口径化して、それを封入できるようにネック(6)を
太くすると、電子ビームを偏向するための偏向装置の消
費電力が増大する。また、主レンズ部の電極間隔を大き
くすると、隣接電極との間の電界やネック(6)からの不
所望な電界の影響を受けやすくなり、電子ビームの軌道
が変化するので、無制限に長くすることはできない。ま
た、受像管が長大化する。
そのため、従来より上記問題点を解決する電子銃構体が
開発されている。特公昭55-48674号公報に開示された電
子銃構体はその一例である。この電子銃構体は、バイポ
テンシャル形の電子銃であり、第9図に示すように、主
レンズ部(9)が、電子ビーム発生部(10)からの電子ビー
ム放出方向に順次配置された第1、第2集束電極(11),
(12)およびこれら電極(11),(12)間に配置された複数の
中間電極(13)〜(18)から構成されている。そして、この
主レンズ部(9)の一側には抵抗体(19)が配設され、その
一端に第2集束電極(12)が、他端に第2集束電極(11)が
接続され、また、その中間に各中間電極(13)〜(18)が接
続されている。
この電子銃構体において、第2集束電極(12)に陽極電圧
を印加すると、第1集束電極(11)および各中間電極(13)
〜(18)には、抵抗体(19)により分圧された所定の電圧が
印加され、上記中間電極(13)〜(18)の介在によって、第
1集束電極(11)から第2集束電極(12)方向にゆるやかな
電位勾配の電界が形成され、それにより、第1、第2集
束電極(11),(12)間の静電レンズを実質的に長焦点レン
ズとすることができる。
しかし、この電子銃構体は、第2集束電極(12)に印加す
る陽極電圧を抵抗体(19)により分圧して、第1集束電極
(11)と各中間電極(13)〜(18)へ印加するため、第1集束
電極(11)の電圧を変化させると、中間電極(13)〜(18)の
電位も変化し、その結果、後述するように、3電子ビー
ムの集中が変化するという問題点がある。
一般に、3電子ビームの集中は、同一平面上に並列する
中央ビームおよび一対のサイドビームを放出するバイポ
テンシャル形のインライン方式3電子銃構体について述
べると、第10図に示すように、中央電子銃(20G)の中心
を通る3電子銃構体の中心軸(21)に対して、両側電子銃
(20B),(20R)の第1、第2集束電極(11),(12)の対向面を
傾斜させ、中央電子銃(20G)の第1、第2集束電極(11),
(12)間に形成される静電レンズ(22G)に対して、両側電
子銃(20B),(20R)の第1、第2集束電極(11),(12)間に形
成される静電レンズ(22B),(22R)を、両側が電子ビーム
の放出方向に前進するように傾斜させることにより得ら
れる。すなわち、かかる静電レンズ(22B),(22R)によ
り、一対のサイドビーム(23B),(23R)は、中央電子銃(20
G)の中心上を通る中央ビーム(23G)と交差する方向に軌
道が変化し、集中作用を受ける。
また、3電子ビーム(23B),(23G),(23R)の集中は、第11
図に示すように、両側電子銃(20B),(20R)(図面には一
方の電子銃(20B)のみ図示)の第2集束電極(12)の中心
軸(24)を第1集束電極(11)の中心軸(25)に対して、3電
子銃構体の中心軸(21)から遠去かる方向に偏心させても
おこなうことができる。この場合、両集束電極(11),(1
2)間に等電位曲線(26)で示す静電レンズが形成されて、
上記第10図に示した電子銃構体と同様に3電子ビームを
集中させる。
ところで、前記特公昭55-48674号公報には、第9図に示
した電子銃構体について、具体的に集中手段が開示され
ていないが、この電子銃構体から放出される3電子ビー
ムを蛍光面(4)上で集中させるためには、上記いづれか
の集中手段を用いなければならない。今仮に、第11図に
示した後者の集中手段が採用されているとすると、最適
な集束を得るために第1集束電極(11)の電圧を変化させ
るには、第2集束電極(12)に印加されている陽極電圧を
変化しなければならず、それにともなって、各中間電極
(13)〜(18)の電圧も変化し、3電子ビームの集中が変化
して所定の集中が得られなくなる。
かかる問題点を解決する電子銃構体として、特公昭55-5
3853号公報には、第12図に示す電子銃構体が開示されて
いる。この電子銃構体は、クオドラポテンシャル形電子
銃であって、順次配置された第3ないし第6グリッド(2
8)〜(31)を有し、第3、第5グリッド(28),(30)に同電
圧を印加するように接続して、第3ないし第5グリッド
(28)〜(30)、および第5、第6グリッド(30),(31)間
に、それぞれ静電レンズ(32),(33)が形成されるように
構成されている。また、この電子銃構体では、一対の両
側電子銃(20B),(20R)(図面には一方の電子銃(20B)のみ
図示)の第5および第6グリッド(30),(31)を順次電子
銃構体の中心軸(21)から遠去かる方向に偏心している。
そして、たとえば第3、第5グリッド(28),(30)に約7K
V、第4グリッド(29)に約600V、第6グリッド(31)に約2
5KVの電圧を印加して使用される。
ところで、3電子銃構体を上記のように構成すると、た
とえば第3、第5グリッド(28),(30)に印加する集束電
圧を高くしたとすると、静電レンズ(32)のレンズ作用が
強くなり、一対のサイドビーム(23B),(23R)(一方のサ
イドビーム(23B)のみ図示)の軌道を中央ビーム(23G)に
近づける方向に変化させるが、一方、静電レンズ(33)の
レンズ作用は、逆に弱まり、結果的に3電子ビームの集
中を変化させないようにすることができる。また、第
3、第5グリッド(28),(30)に印加する集束電圧を低く
すると、上記とは逆のレンズ作用により、3電子ビーム
の集中を変化させないようにすることができる。したが
って、この電子銃構体では、3電子ビームの集中を変化
させることなく、第3、第5グリッド(28),(30)の電圧
を変化させて、各電子ビームの集束を調整することがで
きる。
しかし、この電子銃構体では、サイドビームは、電極を
偏心させることにより形成される電気的に歪んだ静電レ
ンズ(32),(33)を2度通過するため、サイドビームの歪
みが大きくなりやすく、したがって、中央ビーム(23G)
と一対のサイドビームの集束状態が一様でなくなり、電
子銃構体の集束特性を劣化させる。
また、本願出願人に係る特願昭60-274958号特開昭62-13
6738号)には、第13図に示すように、主レンズ部を、集
束電極(35)、加速電極(36)およびこれら電極(35),(36)
間に1個の中間電極(37)を配置した構成とし、この主レ
ンズ部の外側に抵抗体(19)を配設して、その一端を高電
圧(陽極電圧)が印加される加速電極(36)に接続し、他
端を接地したものが示されている。この電子銃構体で
は、集束電極(35)には、抵抗体(19)を介することなく独
立に低電圧が印加され、中間電極(37)は、抵抗体(19)の
中間に接続されて、この抵抗体(19)により分圧された所
定の中電圧が印加されるようになっている。また、この
電子銃構体の一対の両側電子銃(20B),(20R)(図面には
(20B)のみ図示)は、加速電極(36)が中間電極(37)に対
して、電子銃構体の中心軸(21)から遠去かる方向に偏心
している。
ところで、電子銃構体をこのように構成すると、集束電
極(35)に他の電極(36),(37)とは別に独立して電圧を印
加するため、原理的に集束電極(35)の電圧を変化させて
も、他の電極(36),(37)の電位は変化せず、3電子ビー
ムの集中をほとんど変化させないようにすることができ
る。しかし、この電子銃構体では、何らかの原因により
抵抗体(19)の分岐点(38)から高電圧側に電子が放出され
ると、この分岐点(38)の電位が正常の場合より上昇し
て、中間電極(37)と加速電極(36)との間の電位差が小さ
くなり、分岐点(38)にリーク電流が流れこみ、それによ
り、これら電極(36),(37)間の静電レンズの作用が弱ま
って、3電子ビームの集中が変化することがある。
なお、米国特許2,859,378号には、複数の板状電極によ
る集束手段が示されている。この複数の板状電極は多段
偏心し、かつ外囲器外に配設された抵抗器により分割さ
れた電圧が印加されるようになっている。しかし、この
電子銃構体の複数の板状電極の偏心は、電子銃構体の中
心軸に近づく方向であり、一対のサイドビームの集中
は、この集中手段とは別の集中手段でおこなっており、
後述するこの発明の電子銃構体とは別異のものである。
(発明が解決しようとする問題点) 上記のように、カラー受像管において、蛍光面上に良好
な画像を表示するためには、電子銃構体から放出される
3電子ビームの集束、集中を良好にする必要がある。そ
のためには、電子銃構体の電極の開口径を大きくして大
口径レンズとするか、あるいは電極間隔を大きくして長
焦点レンズにすればよいが、単純に電極の開口径を大き
くしたり、電極間隔を大きくすると、それに付随して他
の不具合な問題点が発生する。そのため、従来より種々
改良された電子銃構体が開発されているが、これら電子
銃構体は、集束電圧を変化させると、電子ビームの集中
が変化したり、電子ビームの歪のために集束特性が劣化
したり、あるいは他の原因により集中が変化しやすいな
どの問題があり、まだ完全なものは存在しない。
この発明は、上記問題点にかんがみてなされたものであ
り、複数ビームを放出する電子銃構体について、その電
子ビームの集束、集中をともに良好にする電子銃構体を
構成することを目的とする。
〔発明の構成〕
(問題点を解決するための手段) 複数ビームを放出する電子ビーム発生部と、この電子ビ
ーム発生部に対してその電子ビーム放出方向に順次位置
してそれぞれ低電圧、高電圧が印加される第1、第2の
電極およびこれら電極間に位置して中電圧が印加される
複数の中間電極からなる主レンズ部と、一端が上記第2
の電極に接続され、かつ他端が接地されて、中間に上記
中間電極が接続される抵抗体からなる中電圧印加手段
と、この中電圧印加手段と独立して第1の電圧に低電圧
を印加する低電圧印加手段とを有する電子銃構体におい
て、上記主レンズ部の複数の中間電極を、第1の電極に
隣接する中間電極と第2の電極との間の2箇所、または
中間電極間のいずれかの1箇所で、隣接電極に対して偏
心または対向面を傾斜させて配置した。
(作用) 上記のように、低電圧が印加される第1の電極と高電圧
が印加される第2の電極との間に、中電圧が印加される
複数の中間電極を配置し、この中間電極に対する電圧印
加手段と独立して第1の電極に対する電圧印加手段を設
け、その複数の中間電極を、第1の電極に隣接する中間
電極と第2の電極との間の2箇所または上記複数の中間
電極間のいずれかの1箇所で隣接電極に対して偏心また
は対向面を傾斜させると、主レンズ部を集束特性良好な
長焦点レンズとすることができ、しかも、第1の電極の
集束電圧を変化させても、電子ビームの集中にほとんど
影響を与えないようにすることができる。また、何らか
の原因により抵抗体にリーク電流が生じても、電子ビー
ムの集中に影響を与えないようにすることができる。
(実施例) 以下、図面を参照してこの発明を実施例に基づいて説明
する。
第1図にこの発明の一実施例であるカラー受像管の電子
銃構体を、また第2図にその電極の電気的な接続を、ま
た第3図にその主レンズ部を模式的に示す。この電子銃
構体は、バイポテンシャル形のインライン方式の3電子
銃構体であって、陰極部(40)およびこの陰極部(40)上に
順次配置された第1、第2グリッド(41),(42)からなる
電子ビーム発生部と、上記第2グリッド(42)上に順次配
置された複数の電極からなる主レンズ部とで構成されて
いる。特にこの電子銃構体の主レンズ部は、上記第2グ
リッド(42)に隣接する第3グリッド(43)上に、通常中間
電極または補助電極といわれる第4、第5グリッド(4
4),(45)を介して第6グリッド(46)を配置することによ
り構成されている。しかも、この電子銃構体において
は、特に一対の両側電子銃の電極が第3グリッド(43)に
隣接する第4グリッド(44)と第6グリッド(46)との間の
2箇所、すなわち第4、第5グリッド(44),(45)間およ
び第5、第6グリッド(45),(46)間でそれぞれ第5、第
6グリッド(45),(46)が電子銃構体の中心軸(21)から遠
去かる方向に偏心している。そして、上記各電極(40)〜
(46)は、一対の絶縁支持体(47)により一体に固定されて
いる。
なお、上記電極(40)〜(46)のうち、陰極部(40)は、それ
ぞれヒータ(48)の内装された一列配置の3個の陰極(49)
で構成され、この陰極部(40)上に順次位置する第1ない
し第6グリッド(41)〜(46)はそれぞれ上記3個の陰極(4
9)に対応する3個の電子ビーム通過孔を有する一体化構
造(ユニタイズ構造)に形成されている。すなわち、陰
極部(40)に隣接する第1グリッド(41)およびこの第1グ
リッド(41)に隣接する第2グリッド(42)は平板状に、ま
た、この第2グリッド(42)上に順次配置される第3ない
し第6グリッド(43)〜(46)は、それぞれ2個のカップ状
電極の突合せで構成されている。特にこの電極構造にお
いて、中間電極としての第4、第5グリッド(44),(45)
については、比較的板厚の厚い有孔板を介して2個のカ
ップ状電極を突合せることにより構成してもよい。な
お、上記第6グリッド(46)には、コンバーゼンスカップ
(50)が一体に固定され、このコンバーゼンスカップ(50)
には、この電子銃構体をネック(6)内に装着したとき、
そのネック(6)内面に圧接してこの電子銃構体の第6グ
リッド(46)がわを支持するとともに、陽極端子に印加さ
れる20〜30KV程度の高電圧(陽極電圧)を内部導電膜(5
1)を介してコンバーゼンスカップ(50)および第6グリッ
ドに伝達する複数のバルブスペーサ(52)が取付けられて
いる。
また、上記一対の絶縁支持体(47)のうち、一方の絶縁支
持体(47)の背面には、板状の抵抗体(54)が取付けられて
いる。この抵抗体(54)は、一端が、上記高電圧が印加さ
れる第6グリッド(46)(またはコンバーゼンスカップ(5
0))に接続され、かつ他端が複数のステムピン(55)の一
つを介して、直接またはコンデンサや抵抗器などの回路
部品を介して接地され、その中間に上記第4、第5グリ
ッド(44),(45)が接続されている。そして、上記一端に
印加される高電圧を分圧して、第4、第5グリッド(4
4),(45)に印加するようになっている。
また、上記第6グリッド(46)および第4、第5グリッド
(44),(45)以外の電極は、それぞれステムピン(55)に接
続され、特に第3グリッド(43)については、フォーカス
調整のため、ステムピン(55)を介して外部設置の可変抵
抗(56)に接続される。
かかる構成の電子銃構体において、各電極には、たとえ
ばつぎのような電圧が印加される。すなわち、陰極(49)
には約150Vのカットオフ電圧が印加され、かつこれに変
調信号が加えられる。第1グリッド(41)は抵抗体(54)の
他端と同じく接地され、第2グリッド(42)には約700V、
第3グリッド(43)には約6〜8KV、第6グリッド(46)には
これと一体のコンバーゼンスカップ(50)を介して約25KV
の高電圧(陽極電圧)が印加される。そして、中間電極
である第4、第5グリッド(44),(45)には、それぞれ上
記第3、第6グリッド(43),(46)の中間電圧として、抵
抗体(54)により陽極電圧を分圧した約14KVおよび18KVの
電圧が印加される。
ところで、上記のように主レンズ部を構成すると、第
4、第5グリッド(44),(45)の介在によって第3グリッ
ド(43)から第6グリッド(46)方向に電位勾配のゆるやか
な電界を形成して実質的に焦点距離の長い静電レンズと
することができ、それにより、その球面収差を減少させ
てレンズ性能を向上させることができる。
また、この電子銃構体では、集束電極である第3グリッ
ド(43)に対して第4、第5グリッド(44),(45)が電気的
に独立しているので、第3グリッド(43)の集束電圧を変
化させても、第4,第5グリッド(44),(45)の電位変化
はなく、したがって、一対の両側電子銃の集中作用をほ
とんど変化させることがない。
また、この電子銃構体では、何らかの原因によって第5
グリッド(45)の電圧が変化しても、第3図に示すよう
に、抵抗体(54)の第5、第6グリッド(45),(46)間の抵
抗をR1、第4、第5グリッド(44),(45)間の抵抗をR2
第4グリッド(44)と抵抗体(54)の他端までの抵抗をR3
するとき、第4グリッド(44)の電圧は、 で与えられるので、第4グリッド(44)と第5グリッド(4
5)の電圧比は変化せず、したがって、一対の両側電子銃
の電子ビームに対する集中に変化を与えない。また、第
5グリッド(45)の電圧が変化すると、第5グリッド(45)
と第6グリッド(46)の電圧比が変化するが、この場合、
第4図(A)ないし(C)図に示すように、その電圧比の変化
にともなって、等電位曲線(58)の曲率も変化し、その曲
率の変化が電子ビームの集中に対して、第5、第6グリ
ッド(45),(46)間の電圧比の変化と逆に作用するように
なるので、集中にほとんど変化を与えない。なお、第4
図において、(A)図は電圧比が正常な場合、(B)および
(C)図はリーク電流のため、電圧比が変化した場合であ
る。
また、この電子銃構体では、電極を2箇所で偏心させて
いるが、この2箇所の偏心は、接近した位置でおこなわ
れるため、2段偏心に基づくサイドビームの歪を1段偏
心の場合と同程度におさえることができる。
さらに、この電子銃構体では、第4ないし第6グリッド
(44)〜(46)を抵抗体(54)を介して電気的に接続している
ため、この抵抗体(54)の総抵抗値をたとえば500MΩ〜5G
Ωと大きくすることにより、従来の単純に配置された電
極からなる主レンズ部を有する電子銃構体と比較して、
電極間のアーク放電をほぼ完全に抑制できる。また、仮
に電極間にアーク放電が発生しても、ステムピン(55)を
通って受像回路の流れる電流を小さくすることができ
る。すなわち、従来の電子銃構体では、アーク放電が発
生した場合、500〜1000A程度の大電流が流れるが、この
電子銃構体では、それを数μA〜数A程度にすることが
でき、受像回路に与える影響を少くすることができる。
したがって、この電子銃構体を使用すれば、現在ほとん
どの受像回路に採用されているアーク放電にともなう突
入電流から回路を保護するためのインダクタンス、コン
デンサ、抵抗などの回路素子を省略することができ、受
像機の簡略化およびその信頼性を向上することができ
る。
つぎに、他の実施例について述べる。
第5図はクオドラポテンシャル形電子銃に適用した例で
あり、この場合、中間電極は、第5、第6グリッド(6
0),(61)の間に配置されている。この図示例では、中間
電極は、2個の電極(62),(63)で構成され、第5グリッ
ド(60)に隣接する一方の電極(62)と他方の電極(63)、お
よびこの他方の電極(63)と第6グリッド(61)との間の2
箇所で、それぞれ電極(63)および第6グリッド(61)が電
子銃構体の中心軸から遠去かる方向に偏心している。
そして、これら電極(62),(63)は、一端が高電圧(陽極
電圧)が印加される第6グリッド(61)に接続され、他端
が接地された抵抗体(54)の中間に接続されている。ま
た、第5グリッド(60)は、図示しないステムピンを介し
て外部設置の可変抵抗(56)に接続されている。なお、こ
の第5図において、(49)は陰極、(41)は第1グリッド、
(42)は第2グリッド、(43)は第3グリッド、(44)は第4
グリッドである。
上記のようにクオドラポテンシャル形電子銃を構成する
と、従来のクオドラポンテシャル形電子銃と異なり、第
5グリッド(60)に印加される集束電圧を変化させても、
前記実施例と同様に3電子ビームの集中を全く不変とす
ることができる。また、中間電極である電極(63)の電位
が何らかの原因で変化しても、3電子ビームの集中をほ
とんど不変とすることができる。
第6図はバイポテンシャル形電子銃において、主レンズ
部を構成する第3、第6グリッド(43),(46)間に、前記
第1の実施例と同様に、中間電極として第4、第5グリ
ッド(44),(45)を配置したものであるが、特にこの例の
電子銃構体では、一対の両側電子銃の電極は、この第
4、第5グリッド(44),(45)間で電子銃構体の中心軸(2
1)から遠去かる方向に偏心している。なお、これら第
4,第5グリッド(44),(45)は一端が高電圧が印加され
る第6グリッド(46)に接続され、他端が接地された抵抗
体(54)の中間に接続されている。また、第3グリッド(4
3)は、図示しないステムピンを介して外部設置の可変抵
抗(56)に接続されている。
このように電子銃構体を構成すると、前記第1の実施例
と同様の効果を奏するばかりでなく、特に電極の偏心を
1箇所でおこなうだけであるから、2段偏心の場合にく
らべて、サイドビームの歪が少く、3電子ビームを良好
に集中することができる。
第7図は、第5図に示したクオドラポテンシャル形電子
銃に対応して、特に第5、第6グリッド(60),(61)間
に、中間電極として、2個の電極(62),(63)を配置し、
この2個の電極(62),(63)間で電極(63)を電子銃構体の
中心軸(21)から遠去かる方向に偏心させたものである。
この電子銃構体においても、3電子ビームの集中を全く
不変とすることができ、また、中間電極である電極(63)
の電位が何らかの原因により変化しても、3電子ビーム
の集中を不変とすることができる。
つぎに、上記実施例に示した電子銃構体の具体例につい
て述べる。
主レンズ部の開口直径が6.2mm、3電子銃構体の中心軸
と一対の両側電子銃の開口軸との間隔が6.6mmであるバ
イポテンシャル形インライン方式の電子銃構体を、主レ
ンズ部の中心が画面から390mmの距離になるようにカラ
ー受像管のネック内に装着し、この電子銃構体の第6グ
リッドに印加する電圧を100%として、第3、第4、第5
グリッドにそれぞれその28%、40%、65%の電圧を印加する
と、両側電子銃の第5、第6グリッド間で電極が0.33mm
偏心している従来の電子銃構体では、リーク電流が4μ
A流れたとき、3電子ビームの集中が画面上で約6〜8mm
変化したが、第4、第5グリッド間で第4グリッドに対
して第5グリッドを0.25mm、第5、第6グリッド間で第
5グリッドに対して第6グリッドを0.08mm偏心させたこ
の発明の電子銃構体では、リーク電流が4μAのとき、
画面上の3電子ビームの集中の変化を0.5mm以下にする
ことができた。
このような性能は、第3グリッドに隣接する第4グリッ
ドに印加する電圧を第6グリッドに印加する電圧の30〜
80%、第5グリッドに印加する電圧を第6グリッドに印
加する電圧の50〜80%とし、第4グリッドに対する第5
グリッドの偏心および第5グリッドに対する第6グリッ
ドの偏心を、それぞれ主レンズ部の電極の開口直径に対
して16×10−3〜80×10−3、6×10−3
33×10−3の範囲で変化させても、ほぼ同様の結果
が得られる。
また、同様のバイポテンシャル形インライン方式の電子
銃構体において、上記具体例と同様に、第6グリッドに
印加する電圧を100%として、第3、第4、第5グリッド
にそれぞれの28%、40%、65%の電圧を印加した場合、両側
電子銃の第4、第5グリッド間で第4グリッドに対して
第5グリッドを0.33mm偏心させた電子銃構体でも、リー
ク電流が4μAのとき、画面上の3電子ビームの集中の
変化を約0.5mm以下にすることができた。しかも、この
ような性能は、第3グリッドに隣接する第4グリッドに
印加する電圧を第6グリッドに印加する電圧の30〜80
%、第5グリッドに印加する電圧を第6グリッドに印加
する電圧の50〜80%とし、第4グリッドに対する第5グ
リッドの偏心を、主レンズの開口直径に対して16×1
−3〜80×10−3の範囲で変化させても、ほぼ同
様の結果が得られる。
なお、上記各実施例では、中間電極として2個の電極を
配置した場合について述べたが、この中間電極は2個以
上でもよい。
また、上記各実施例では、電子ビームの集中手段とし
て、電極を偏心させたが、この電極の偏心のかわりに、
電極の対向面を傾斜させることにより集中させるように
してもよい。
さらに、この発明は、バイポテンシャル形、クオドラポ
テンシャル形電子銃ばかりでなく、ユニポテンシャル形
など他の形式の電子銃にも適用でき、また、インライン
方式電子銃ばかりでなく、デルタ方式3電子銃にも適用
できる。
〔発明の効果〕
複数ビームを放出する電子ビーム発生部に対して、その
電子ビーム放出方向に順次位置する低電圧が印加される
第1の電極と高電圧が印加される第2の電極との間に、
これら電極に印加される高低両電圧の中間の中電圧が印
加される複数の中間電極を配置して主レンズ部を構成
し、上記中間電極に、一端が上記第2の電極に接続さ
れ、かつ他端が接地される抵抗体からなる中電圧印加手
段を介して、所定の中電圧を印加するとともに、第1の
電極に、この中電圧印加手段とは独立に低電圧印加手段
により低電圧を印加するように構成し、上記中間電極
を、第1の電極に隣接する中間電極と第2の電極との間
の2箇所、または複数の中間電極間のいずれかの1箇所
で、隣接電極に対して偏心または対向面を傾斜させて設
けると、主レンズ部を集束特性良好な長焦点レンズとす
ることができ、しかも、第1の電極に印加する集束電圧
を変化させても、電子ビームの集中をほとんど変化させ
ず、また、何らかの原因により電極間にアーク放電が発
生しても、電子ビームの集中にほとんど影響を与えない
電子銃構体とすることができる。またこの電子銃構体
は、電極間にアーク放電が発生しても、受像回路に流れ
る電流を小さくすることができ、従来、回路保護のため
に用いられていた回路素子を省略して、受像機を簡略化
し、かつその信頼性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
第1図ないし第7図はこの発明の実施例説明図で、第1
図はこの発明の一実施例であるバイポテンシャル形イン
ライン方式電子銃の構成図、第2図はその電極の電気的
な接続を示す図、第3図はその主レンズ部の構成を模式
的に示す図、第4図(A)ないし(C)図はそれぞれ上記主レ
ンズ部の電位分布と等電位曲線との関係を示す図、第5
図はクオドラポテンシャル形電子銃に適用した他の実施
例の図、第6図はバイポテンシャル形電子銃に適用した
他の実施例の図、第7図はクオドラポテンシャル形電子
銃に適用した異なる他の実施例の図、第8図はカラー受
像管の構成図、第9図は従来の改良されたバイポテンシ
ャル形電子銃の構成図、第10図および第11図はそれぞれ
3電子ビームの集中を説明するための図、第12図は従来
のクオドラポテンシャル形電子銃の主レンズ部の構成
図、第13図は本願の先願に係る電子銃の構成図である。 (40)……陰極部、(41)……第1グリッド (42)……第2グリッド、(43)……第3グリッド (44)……第4グリッド、(45)……第5グリッド (46)……第6グリッド、(54)……抵抗体 (56)……可変抵抗、(60)……第5グリッド (61)……第6グリッド、(62)……電極(中間電極) (63)……電極(中間電極)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数ビームを放出する電子ビーム発生部
    と、この電子ビーム発生部に対してその電子ビーム放出
    方向に順次位置して低電圧が印加される第1の電極およ
    びこの第1の電極より高電圧が印加される第2の電極お
    よびこれら第1、第2の電極間に位置して上記高低両電
    圧の中間の中電圧が印加される複数の中間電極からなる
    主レンズ部と、一端が上記第2の電極に接続されかつ他
    端が接地されて上記中間電極に所定の中電圧を印加する
    抵抗体を有する中電圧印加手段と、上記中電圧印加手段
    と独立して上記第1の電極に低電圧を印加する低電圧印
    加手段とを具備し、 上記複数の中間電極が上記第1の電極に隣接する中間電
    極と上記第2の電極との間の2箇所または上記複数の中
    間電極間のいずれかの1箇所で隣接電極に対して偏心ま
    たは対向面を傾斜させて設けられていることを特徴とす
    る電子銃構体。
  2. 【請求項2】隣接電極に対して2か所で偏心する隣接中
    間電極は第1の電極に近い箇所の中間電極に印加する電
    圧を第2の電極に印加する電圧の30〜80%とし、上記第
    2の電極に近い箇所の中間電極に印加する電圧を上記第
    2の電極に印加する電圧の50〜80%とするとき、主レン
    ズ部の電極の開口直径に対する偏心量が上記第1の電極
    に近い箇所の中間電極で16×10−3〜80×10
    −3であり、上記第2の電極に近い箇所の中間電極で6
    ×10−3〜33×10−3であることを特徴とする特
    許請求の範囲第1項記載の電子銃構体。
  3. 【請求項3】隣接電極に対して偏心する中間電極は第1
    の電極に近い中間電極に印加する電圧を第2の電極に印
    加する電圧の30〜80%とし、上記第2の電極に近い中間
    電極に印加する電圧を上記第2の電極に印加する電圧の
    50〜80%とするとき、主レンズ部の電極の開口直径に対
    する偏心量が16×10−3〜80×10−3であるこ
    とを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の電子銃構
    体。
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