JPH0671184A - 自動車排ガス浄化触媒用メタル担体 - Google Patents

自動車排ガス浄化触媒用メタル担体

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JPH0671184A
JPH0671184A JP4103277A JP10327792A JPH0671184A JP H0671184 A JPH0671184 A JP H0671184A JP 4103277 A JP4103277 A JP 4103277A JP 10327792 A JP10327792 A JP 10327792A JP H0671184 A JPH0671184 A JP H0671184A
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foil
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Takuzo Kako
卓三 加古
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐熱性、耐熱サイクル性に優れた通電加熱装
置付きの排ガス浄化触媒用メタル担体を提供するもの。 【構成】 平板状ステンレス箔と波付加工されたステン
レス箔を積層したハニカム構造体を陽、陰両極を備えた
筒内に装填してなる通電加熱装置付き自動車排ガス浄化
触媒用メタル担体において、前記ハニカム構造体におけ
る平板状ステンレス箔間、あるいは平板状ステンレス箔
と波付ステンレス箔間に、融点800℃以上、1400
℃以下、厚さ1mm以下の酸化物を介在させてステンレス
箔対を形成し、このステンレス箔対を前記ハニカム構造
体を構成するステンレス箔の間に配置したのち焼成し
て、絶縁層を形成したことを特徴とする。従来技術のメ
タル担体に比較し耐熱サイクル性を著しく向上できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は自動車用の排ガス浄化触
媒メタル担体、詳しくは耐熱性、耐熱サイクル性に優れ
た通電加熱装置付の排ガス浄化触媒用メタル担体(以
下、単にメタル担体という)に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車の排気ガスを浄化する装置として
前述したメタル担体が用いられていることは周知の通り
である。このメタル担体は、平板状のステンレス箔と波
付加工されたステンレス箔を積層してハニカム構造体と
し、このハニカム構造体を排ガスを導通せしめる筒体の
内部に装填して構成することが一般的である。
【0003】図15は前述した周知のメタル担体の一例
を示す断面構造図である。図15において21が排ガス
を導通せしめる筒体であり、この筒体21内に平板状ス
テンレス箔22と波付加工されたステンレス箔(以下、
単に波付ステンレス箔と言う)23を積層して構成され
たハニカム構造体24が、螺旋状に装填され、メタル担
体20を構成している。平板状ステンレス箔22と波付
ステンレス箔23は拡散接合あるいはろう付けで接合さ
れ、高温かつ高速の排ガスおよび急速な加熱、冷却に耐
える構造とされている。筒体21としては、本例の断面円
形のみでなく、図16に示す如き楕円形、あるいは図示
はしないけれども角形等種々の形状のものが従来より提
案されている。
【0004】前述したメタル担体20は、例えば図17
に示すようにその両端にコーン状導気筒体25と溶接等
により接合され、この導気筒体25とメタル担体20と
からなる担体26をマニホールド27に連結して用いる
ことが普通である。28は浄化された排気ガスを排出す
る排気管を示す。
【0005】ところで、従来の一般的なメタル担体で
は、エンジン始動時から約30秒間はメタル担体が加熱
されず、触媒が十分機能する温度に達しないため、エン
ジン始動直後の排ガスが十分に浄化できないという欠点
があった。この欠点を克服するにはメタル担体を予め加
熱し、エンジン始動前に触媒が機能する温度まで高めて
おくことが効果的であり、例えば特開平2−22162
1号公報に開示されるようにメタル担体外周にヒーター
を巻き付ける技術手段、あるいは特開平2−22362
2号公報に開示されるように前述したハニカム構造体に
電極を形成して通電することにより加熱する技術手段等
が従来より提案されている。
【0006】しかしながら前記メタル担体外周にヒータ
ーを巻き付ける技術手段では、発熱部が外周部のみであ
るため、内部まで加熱するのに時間を要する欠点を有し
ていた。またハニカム構造体に電極を形成する技術手段
では、絶縁層を設けて電流路を形成する手段がないため
に、ハニカム構造体の中心と外周部に通電する場合、中
央部の電流密度のみが高くなるため、メタル担体を均一
に加熱するのは困難であり、一方、外周部どうしを加熱
する場合は、外周部のみが加熱され、やはり、均一加熱
できないという欠点を有していた。
【0007】通電手段による前記欠点を解決するため
に、例えば特表平3−500911号公報に開示され、
かつ前記図15に示すように筒体21内に装填されたハ
ニカム構造体24に絶縁層29を形成すると共に筒体2
1に電極40a,40b(本例では40aが陽極であ
り、41bが陰極である)、絶縁材41a,41bを設
け、電気的加熱に適した抵抗を有する電流路を形成する
技術手段も公知である。絶縁層29を形成する絶縁材料
として前記特表平3−500911号公報には粒状セラ
ミック、あるいはセラミック繊維マット等が開示されて
いる。図15において矢印xは電流の流れ方向を示すも
のである。
【0008】このようなメタル担体の提供により、エン
ジン始動直後の排ガス浄化効率は高められたものの、メ
タル担体はエンジンの運転と停止の繰り返しという、熱
サイクルに加えて、高温の排気ガスがメタル担体内を高
速で通過するという厳しい環境下で使用されるので、メ
タル担体自体の耐久性が極めて低く、実用化する上での
大きな障害となっていた。
【0009】特にメタル担体は前記図17に示すように
排気マニホールド27にできる限り近い位置の方が、排
ガス温度が高く、触媒の機能性からは有利であるが、マ
ニホールド27に近ければ近いほど、前述した耐熱性、
耐熱サイクル性の要求が厳しくなる。而して前述した粒
状セラミック、あるいはセラミック繊維マット等を用い
た従来技術における絶縁層では、熱サイクルによる熱衝
撃に非常に弱いという致命的な欠点があり、実用化は困
難であった。
【0010】粒状セラミック、あるいはセラミック繊維
マットに代えてアルミナまたはシリカ等の酸化物を絶縁
層として用いることも、例えば特開平2−227135
号公報等で開示されている。しかしながらアルミナまた
はシリカ等を単純に被覆させるのみでは前記欠点の抜本
的な解決にはならないことを本発明者等は多くの実験で
確認した。
【0011】すなわち前記従来手段では、絶縁層が形成
されてはいても、その絶縁層とハニカム構造体を形成す
るステンレス箔の接合が不完全であることから耐熱サイ
クル性が得られず、実用に耐え得る耐久性を確保するこ
とはできなかった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前述した平板
状ステンレス箔と波付ステンレス箔を積層したハニカム
構造体を陽、陰両極を備えた筒内に装填してなるメタル
担体において、前記問題点の抜本的な解決を図り、80
0℃以上の高温に対する耐熱性、室温と800℃以上の
高温の間で温度差800℃以上という苛酷な熱サイクル
に耐え得る耐熱サイクル性、接合された絶縁材とハニカ
ム構造体の接合部の電気絶縁性の3つの特性を同時に満
足するメタル担体の提供をその課題とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決する本発
明のメタル担体は、平板状ステンレス箔と波付ステンレ
ス箔を積層したハニカム構造体を陽、陰両極を備えた筒
体内に装填してなるメタル担体において、前記ハニカム
構造体における相隣合う平板状ステンレス箔と平板状ス
テンレス箔の間、あるいは平板状ステンレス箔と波付ス
テンレス箔の間、あるいは波付ステンレス箔どうしの間
に、融点が800℃以上で、かつ1400℃以下、厚さ
1mm以下の酸化物を介在させてステンレス箔対を形成
し、このステンレス箔対を前記ハニカム構造体を構成す
るステンレス箔の間に配置したのち焼成して、絶縁層を
形成したことを特徴とするものである。
【0014】また前記メタル担体における酸化物を介在
させたステンレス箔対とハニカム構造体の接合法が、ろ
う付けによって行われていることを他の特徴とする。
【0015】さらにまた、前記メタル担体におけるステ
ンレス箔対を構成するステンレス箔が、予め酸化処理さ
れていること、あるいはさらにこの酸化処理されたステ
ンレス箔対をろう付けするにあたり、ろう材箔とステン
レス箔対を構成するステンレス間に、TiあるいはZr
の箔が介在していることを特徴とする。
【0016】さらにまた前記ステンレス箔対を構成する
ステンレス箔が、少なくともAlを1%以上含有してい
ることを他の特徴とし、さらにまた前記ステンレス箔対
を構成するステンレス箔が、少なくともCr10%以
上、Alが3%以上含有していることを、あるいは前記
ステンレス箔対を構成するステンレス箔が、少なくとも
Cr10%以上、Al3%以上、ランタノイド元素0.
01重量%以上を含有されていることを他の特徴とする
ものである。
【0017】
【作用】本発明は、前述した3つの特性、その中でも特
にエンジンの運転・停止という厳しい熱サイクルに耐え
得るメタル担体を提供するために、ハニカム構造体内の
絶縁層を、前述したステンレス箔対を構成する相隣合う
平板状ステンレス箔と平板状ステンレス箔の間、あるい
は平板状ステンレス箔と波付ステンレス箔の間、あるい
は波付ステンレス箔と波付ステンレス箔間に、融点が8
00℃以上で、かつ1400℃以下、厚さ1mm以下の酸
化物を介在させた後、焼成して形成することを主要な特
徴とする。
【0018】即ち、前記ステンレス箔間に介在せしめる
酸化物の融点の最適範囲、及び最適厚み等を解明して、
酸化物を挟んで相対するステンレス箔を強固に接合し、
しかもこの2枚のステンレス箔を電気的に確実に絶縁さ
せることにより、メタル担体に要求される電気絶縁性、
耐熱性、耐熱サイクル性の3つの特性を同時に満足させ
ることを可能としたものである。
【0019】図1は本発明に基づくメタル担体の基本構
成を説明するための斜視図であり、図2は図1A−A′
の断面構造図、図3は図2におけるA部の部分拡大図で
ある。
【0020】本実施例のメタル担体1は、断面形状が円
形の筒体2にハニカム構造体3が螺旋状に装填されてい
る。筒体2は陽極端子4及び陰極端子5を備えており、
陽極端子4は、導電体4aを介して筒体2のほぼ中心部
に配設された電極棒4bに連接されている。6は前記陽
極端子4、導電体4a等と筒体2を電気的に絶縁する絶
縁碍子である。ハニカム構造体3は平板状ステンレス箔
7と波付ステンレス箔8を積層して構成されている。
【0021】9は絶縁層であり、本実施例では相隣合う
平板状ステンレス箔7aと7aの間に後述する酸化物1
0を介在させ、この酸化物10を焼成することによって
形成される。この絶縁層9は、筒体2内に装填されたハ
ニカム構造体3に電流路を形成する機能を発揮する。矢
印yは前記電流路の電流導通方向を示す。尚、前記酸化
物10を介在させて相対する平板状ステンレス箔7aと
7aを、本発明においてはステンレス箔対と言う。
【0022】ステンレス箔対11aは、前記図2,図3
の実施例では平板状ステンレス箔7aと7aとで構成し
ているが、例えば図4に示すように相隣合う平板状ステ
ンレス箔7aと波付ステンレス箔8aの間に酸化物10
を介在させてステンレス箔11bを、あるいは図5及び
図6に示すように相隣合う波付ステンレス8aと8aの
間に酸化物10を介在させてステンレス箔対11c,1
1dを構成しても後述する本発明の機能を発揮すること
が十分可能である。
【0023】ステンレス箔対11(前記種々のステンレ
ス箔対を総称して言うときは以下ステンレス箔対11と
言う)は、ハニカム構造体3を構成する他のステンレス
箔7,8の間に適宜間隔で配置される。このハニカム構
造体3と、ハニカム構造体3内に配置されるステンレス
箔対11を総称して以下ハニカムコア30と言う。
【0024】次に、前記ハニカム構造体3及びステンレ
ス箔対11の形成手段について具体的に説明する。図
1,図2の実施例では筒体2の中心部に位置する電極棒
4bが陽極となり、筒体2の外周に位置する端子5が陰
極としての機能を有し、端子4bから端子5の間に電圧
を印加することにより、ハニカム構造体3を矢印yに示
す方向に電流が流れ、メタル担体1を均一に加熱する。
【0025】さて、ハニカム構造体3及びステンレス箔
対11は、以下の手順で効率的に形成することができ
る。先ず図7に示すように、ステンレス箔(本実施例で
は平板状ステンレス箔7a)の片表面に、有機ビークル
で混練してペースト状にした酸化物10を塗布し、この
酸化物10の塗布層を有する平板状ステンレス箔70を
用意する。
【0026】次いで、図8に示すように、ハニカム構造
体3を構成する通常の平板状ステンレス箔7、及び波付
ステンレス箔8を順次積層する。前記酸化物10の塗布
層を有する平板状ステンレス箔70は、酸化物10どう
しが接するよう逆向きに積層することによってステンレ
ス箔対11aを構成し、前記平板状ステンレス箔7、及
び波付ステンレス箔8の適宜の部分に配置し積層する。
【0027】平板状ステンレス箔7の表裏面には設定間
隔で箔状のろう材(以下ろう材箔と言う)12を接着剤
あるいはスポット溶接等によって予め貼着しておくこと
が好ましい。尚、平板状ステンレス箔7bは筒体2とハ
ニカムコア30をろう付けするために他の平板状ステン
レス箔7よりハニカムコア30の円周長だけ長く形成さ
れている平板状ステンレス箔である。
【0028】一方、前述した電極棒4bには図9に示す
ように十字形の切込み溝4cを形成しておく。この切込
み溝4cに前記図8に示す如く積層され、ハニカムコア
を形成する束状になったステンレス箔7,8及びステン
レス箔対11a(この積層された状態のステンレス箔を
総称して以下ステンレス箔束と言う)の端部を嵌挿し、
固定する。図10は相対する2個の切込み溝4cに2組
の前記ステンレス箔束をそれぞれ嵌挿した状態を示す断
面図である。尚、前記ステンレス箔束端部の嵌挿を効率
的に行わせるために図8に示す如くそれぞれのステンレ
ス箔端部には折れ込み7e,8e,70eを設けておく
ことが効果的な手段である。また前述した筒体2とハニ
カムコア30をろう付けするための平板状ステンレス7
bは片側のみに装入される。
【0029】次いで電極棒4bを中心として図11に示
すようにステンレス箔束を巻き上げる。この巻き上げに
よってハニカム構造体3が形成されるとともに、ハニカ
ム構造体3の内部に螺旋状の酸化物10の層が形成さ
れ、ハニカムコア30が構成される。その後巻き上げら
れたハニカムコア30の外径を調整するために、各ステ
ンレス箔の端部を適宜切断し、その長さを調節し、図1
に示すように筒体2に装填する。しかる後電極棒4bに
導電体4a、陽極端子4、陰極端子5を接続するととも
に、絶縁碍子6を装着すればメタル担体1が形成され
る。
【0030】前記実施例では電極棒4bの切込み溝4c
に2組の前記ステンレス箔束をそれぞれ嵌挿したことか
ら図2に示すように電極棒4bを基点とする2系列の螺
旋状酸化物10の層が形成される。これに対し片側の切
込み溝4cのみに前記ステンレス箔束を嵌挿すると図1
2に示すように1系列の螺旋状酸化物10の層を形成す
ることができる。
【0031】前述の手段で形成されたメタル担体1を、
例えば真空雰囲気、1200℃で加熱し、焼成する。こ
の焼成によってろう材箔12が溶解し、平板状ステンレ
ス箔7a及び波付ステンレス箔8bが接合され、またス
テンレス箔対11aも酸化物10が溶融し、ステンレス
箔7aと反応して相対する平板状ステンレス箔7aどう
しを強固に接合するとともに平板状ステンレス箔7aと
7aの間に焼成された酸化物の絶縁層9を形成する。
【0032】以上のようにステンレス箔対11の間に介
在した酸化物10は焼成されることによって絶縁層9を
形成するとともに、酸化物10を挟んで相対して配置さ
れるステンレス箔を強固に接合せしめる機能を発揮す
る。
【0033】ところで、メタル担体1においては、エン
ジン運転中にハニカムコア30内を排ガスが高速で通過
するため、特に、絶縁層9とステンレス箔の接合強度が
低いとガス流によってハニカムコア30がガス流方向に
ずれる現象が生ずる。このずれが大きいと、ハニカムコ
ア30を構成するステンレス箔の切断による通電不能、
あるいは絶縁層9とステンレス箔の接合部の破壊による
絶縁不良等によってメタル担体1を均一に加熱すること
ができなくなる。
【0034】本発明が対象としている使用環境は約80
0℃以上の高温環境であるため、融点の低い酸化物、例
えば鉛を多量に含有している低融点ガラス等の酸化物は
使用できない。本発明者らは多くの実験研究を重ねた結
果、800℃以上の融点をもつ酸化物を使用することに
よって、ハニカムコア30のズレが大きくならず、しか
も耐熱性の得られることを知見した。
【0035】また前述したようにエンジンの運転−停止
に伴い、熱サイクルが発生するが、絶縁層9が熱サイク
ルにより破壊するとハニカムコア30のずれの原因とな
る。而して先ず絶縁層9の耐熱サイクル性を得るには、
酸化物それ自体を薄くする必要がある。この上限の値は
1mmである。また室温と800℃の熱サイクルに耐える
ためには、酸化物の融点を1400℃以下にする必要が
ある。
【0036】酸化物の厚みが1mmを超えた場合は酸化物
とステンレス箔の熱膨張差から破壊が生じ易くなる。ま
た酸化物の融点を1400℃以下にすると、酸化物が比
較的低温で変形可能になることによって、熱衝撃を吸収
することができるが、融点が1400℃を超えると、酸
化物の変形能が不十分であるため、熱サイクルによって
絶縁層9が破壊してしまい、ハニカムコア30のズレ量
が大きくなる。
【0037】前記特性を満たす酸化物の例としては、A
2 3 −SiO2 系、MgO−SiO3系、Al2
3 −MgO系、Al2 3 −CaO系、CaO−SiO
2 系、Al2 3 −CaO−SiO2 系、SrO−Al
2 3 −SiO2 系、MgO−Al2 3 −SiO
2 系、BaO−Al2 3 −SiO2 系等の酸化物をベ
ースにして、B2 3 やMnOなどの酸化物を融点調節
のために添加したものが挙げられる。ただし、これ以外
のものでも融点範囲800〜1400℃を満たしている
ものであれば使用できる。
【0038】前述した酸化物10とステンレス箔との接
合効果を高めるために、ステンレス箔対11を構成する
ステンレス箔を予め酸化処理しておくことが効果的であ
る。このような酸化処理をした場合、酸化されたステン
レス箔とろう材の濡れ性が悪くなる恐れがある。これを
解決するために前記図8に示すように酸化されたステン
レス箔70と接するろう材箔12の表面にTiあるいは
Zrの箔13を介在させることが効果的な手段である。
【0039】また、ステンレス箔対を構成するステンレ
ス表面が凹凸加工されていることは、メタル担体の耐熱
サイクル性を向上するのに有効である。
【0040】本発明において使用するステンレスとし
て、特にステンレス箔対を構成するステンレス箔におい
ては、Alが1重量%以上含有されていると、表面に緻
密なアルミナ皮膜が形成される。鉄やニッケルの酸化物
は、酸化物形成箇所が酸化物と気相の界面であり、従っ
て外側へ膜が成長するため、金属素地との密着性があま
り良くないのに対し、前記アルミナは金属内部へ向かっ
て成長する酸化皮膜であるため、ステンレス箔自体の金
属素地との密着性が非常によくなる。このため絶縁層を
形成する酸化物とステンレス箔の接合強度が向上し、ハ
ニカムコアのズレ量を低減するのに有利である。
【0041】さらにまた、ステンレス箔対を構成するス
テンレス箔が、少なくともCrを10%以上、Alを3
%以上含有しているとステンレス箔表面の酸化皮膜の密
着性が、Crが含有されていない場合と比較して極めて
優れた機能を発揮する。また、前記CrとAlに加えて
ランタノイド元素0.01重量%以上を含有していると
ランタノイド元素が偏析している部分だけ酸化皮膜が厚
くなり、結果として酸化皮膜の形状が、ステンレス箔素
地内に楔を打ち込んだ形になるため、酸化皮膜の密着性
がさらに向上する点でさらに優れた効果を発揮する。
【0042】さて、本発明のメタル担体は、前記実施例
に限定されるものではなく、例えば図13に示す如き断
面形状が角形をしたメタル担体1aにも適用が可能であ
る。図13の実施例は、角形の筒体2aにハニカム構造
体3aを装填してメタル担体1aを構成している平面図
を示している。筒体2aには陽極電極4及び陰極電極5
が直接取付けられており、この陽極電極4と陰極電極5
に電圧を印加した際、筒体2aを電流が流れないように
するため、絶縁体14,14aが設けられている。
【0043】本発明の絶縁層9aは、平板状ステンレス
箔7と波付ステンレス箔8を積層して形成されたハニカ
ム構造体3aの適宜な間隔にステンレス箔対(本実施例
では平板状ステンレス箔7aと波付ステンレス箔8aの
間に酸化物10を介在せしめて形成されたものを適用)
11bを配置し、前述と同様にして焼成することによっ
て形成されている。
【0044】而して本実施例のメタル担体1aでは、陽
極端子4に連接された筒体上板2a1から絶縁層9aで
区分けされたハニカム構造体3aを経由して陰極端子5
に連接された筒体下板2a2に電流が流れ、メタル担体
1aを加熱する。
【0045】図14は、前記図13と同様の角形のメタ
ル担体1bの実施例を示すもので、筒体2bは絶縁性を
有する例えばセラミックス板等で構成されている、この
筒体2b内には、図13と同様に平板状ステンレス箔7
と波付ステンレス箔8を積層して形成されたハニカム構
造体3bが装填されている。絶縁層9bは、絶縁層9b
で区分けされたハニカム構造体3bの端部が交互に接触
するよう開放されている。このような絶縁層9bはステ
ンレス箔対(本実施例では2枚の平板状ステンレス箔7
aの間に酸化物10を介在せしめて形成されたものを適
用)11aの長さを調整し、ハニカム構造体3b内に配
置することによって容易に形成することが可能である。
また陽極端子4および陰極端子5は、ハニカム構造体3
bと電気的に導通している。
【0046】
【実施例】
[実施例1]前述した図7〜図11の形成手段により、
図2に示すメタル担体1を製造し、この製造されたメタ
ル担体1で実際のエンジンテストを行い、ハニカムコア
30の排ガス流方向のズレ量を調査した。
【0047】ステンレス箔対11を形成するステンレス
箔は、50μm厚、幅17mmのSUS430相当の平板
状ステンレス箔7aであり、この平板状ステンレス箔7
aを1100℃で60分間、大気中で酸化処理し、表面
に酸化皮膜を形成させた。この平板状ステンレス箔7a
に図7に示すように、種々の融点をもつペースト状にし
た酸化物を、種々の厚さで塗布した。
【0048】酸化物10は、Al2 3 −SiO2 系酸
化物に、硼素、マンガン、カルシウム、マグネシウム等
を添加し融点を調整したものを用いた。本実施例におい
ては融点を700〜1500℃の範囲に調整された平均
粒径10μmの粉末状のものを、有機ビークルで混練す
ることによりペースト化したものをスプレー印刷法によ
ってその厚みを調整しつつ塗布した。
【0049】また、ハニカム構造体3を構成する平板状
ステンレス箔7及び波付ステンレス箔8として厚さ50
μm、幅17mmのSUS430相当のステンレス箔(長
さ約500mm)を用意し、図8に示すように積層した。
平板状ステンレス箔7の表裏面には10×10mm、厚さ
25μmのNi基ろう材箔(BNi−5)12を15mm
間隔で貼着した。前記酸化物10を塗布し、この酸化物
塗布面を相接するよう配置してステンレス箔対11を形
成したステンレス箔70に接する前記ろう材箔12は、
前述と同様10×10mm、厚さ25μmのNi基ろう材
箔が40mm間隔で貼着してあり、さらにその外側に10
×10mm、厚さ5μmのTi箔13を貼着した。すべて
のステンレス箔の片端部は、3mm分上側に直角に折り曲
げられ、折れ込み7e,8e,70eが形成されてい
る。
【0050】前記積層されたステンレス箔束を前述した
図9〜図11の要領でハニカムコア30に形成し、筒体
2に装填してメタル担体1を製造した。尚、電極棒4b
は直径8mm、長さ50mmのNi棒で構成し、この電極棒
4bの一端に、幅1mm、長さ17mmの十字形の切込み溝
4cが形成されている。
【0051】以上のようにして製造されたメタル担体1
を真空中、1200℃の温度で10分間焼成し、その後
導電体4a、陽極端子4、陰極端子5、絶縁碍子6を装
着し、最終製品としてのメタル担体1に仕上げた。
【0052】前記メタル担体1を、図17と同様な試験
装置に取付け、熱サイクル負荷後のコアのズレ量を調査
した。この試験装置に取付けるためにメタル担体1の両
端には導気筒体25を溶接によって固着した。
【0053】試験条件は、エンジンを運転して10分間
でメタル担体1を850℃まで昇温し、その後エンジン
を停止し、14分間で100℃まで冷却するという温度
パターンであり、エンジン運転中のガス流量は毎秒約8
0リットルである。
【0054】耐熱サイクル性の評価は、ハニカムコア30
の元の位置からの変位量(ズレ量)で評価した。表1は
この調査結果の一例を示すもので、前記熱サイクル負荷
を900回加えた後の前記ズレ量を調査したもので、こ
のズレ量が1mm以内のものを合格(○)、1mmを超えた
ものを不合格(×)として表している。
【0055】比較例として、酸化物に代えて市販の無機
接着剤を用いてメタル担体を製造し、同様の試験を行っ
た結果も示している。
【0056】
【表1】
【0057】表1から明らかなように、無機接着剤(融
点1600℃)や融点1500℃の酸化物を用いたもの
では、900サイクル後でコアが大きくずれこんだ。そ
れに対し、本発明のメタル担体では、いずれもズレ量が
1mm以内であり、実用に充分耐えるものであることが確
認された。
【0058】また、本発明のメタル担体では、通電によ
る昇温性能も、2.5kWの電力を用いた場合、400℃
に達する時間が7秒であり、この点でも実用に充分耐え
るものであることが確認された。
【0059】[実施例2]実施例1において、ステンレ
ス箔対11を構成するステンレス箔をFe−10Cr−
3Al系に変更するとともに、このステンレス箔に、そ
れぞれサンドブラストによる機械的凹凸加工、硫酸中に
おける陽極酸化、あるいはイットリウムイオン注入を施
し、該処理後、そのまま介在酸化物のペーストを塗布す
るか、あるいは1100℃で60分間予備酸化した後、
酸化物10を塗布し、その他は実施例1と同様にしてメ
タル担体1を製造し、前記試験を実施した。尚、酸化物
10の厚さは40μmに固定した。表2にその調査結果
の一例を示す。
【0060】表2の結果から、表1と同様に本発明範囲
の融点を有する酸化物を用いたものはズレが発生しても
1mm以内に止まっており、また予備酸化したものは、そ
れを行わないものに比して優れていることがわかる。
【0061】
【表2】
【0062】
【発明の効果】以上述べたように、本発明のメタル担体
により、従来は不可能であった、エンジンの運転停止の
熱サイクルに対する、高い耐熱サイクル性を有し、同時
に耐熱性を有し、かつ均一加熱が可能であるメタル担体
を得ることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に基づくメタル担体の基本構造の一例を
示す斜視図。
【図2】図1のA−A′線断面構造図。
【図3】図2のA部分拡大図。
【図4】本発明に基づく絶縁層の他の例を示す部分断面
図。
【図5】本発明に基づく絶縁層の別の例を示す部分断面
図。
【図6】本発明に基づく絶縁層のさらに別の例を示す部
分断面図。
【図7】平板状ステンレス箔表面に酸化物が塗布された
状態を示す断面図。
【図8】平板状ステンレス箔、波付ステンレス箔、ステ
ンレス箔対の積層状態を示す模式図。
【図9】電極棒の一例を示す斜視図。
【図10】ステンレス箔束が電極棒に装着された状態を
示す模式図。
【図11】ステンレス箔束が電極棒に巻き付けられてい
る状態を示す模式図。
【図12】絶縁層が1系列であるメタル担体の基本構造
を示す断面構造図。
【図13】本発明に基づくメタル担体の他の例を示す断
面構造図。
【図14】本発明に基づくメタル担体の別の例を示す断
面構造図。
【図15】従来のメタル担体の一例を示す断面図。
【図16】従来のメタル担体の他の例を示す断面図。
【図17】メタル担体の使用状況の一例示す模式図。
【符号の説明】
1,1a,1b メタル担体 2,2a,2b 筒体 3,3a,3b ハニカム構造
体 30 ハニカムコア 4 陽極端子 4a 導電体 4b 電極棒 4c 切込み溝 5 陰極端子 6 絶縁碍子 7,7a,7b,70 平板状ステン
レス箔 7e 折れ込み 8,8a 波付ステンレ
ス箔 8e 折れ込み 9,9a,9b 絶縁層 10 酸化物 11,11a,11b,11c,11d ステンレス箔
対 12 ろう材箔 13 Tiあるいは
Zrの箔 14,14a 絶縁体 20 メタル担体 21 筒体 22 平板状ステン
レス箔 23 波付ステンレ
ス箔 24 ハニカム構造
体 25 導気筒体 26 担体 27 マニホールド 28 排気管 29 絶縁層 40a 陽極端子 40b 陰極端子 41a,40b 絶縁体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C04B 37/02 Z C22C 38/00 302 Z

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平板状ステンレス箔と波付加工されたス
    テンレス箔を積層したハニカム構造体を陽、陰両極を備
    えた筒体内に装填してなる通電加熱装置付の自動車用排
    ガス浄化触媒メタル担体において、前記ハニカム構造体
    における相隣合う平板状ステンレス箔間、あるいは平板
    状ステンレス箔と波付ステンレス箔間、あるいは波付ス
    テンレス箔間に、融点800℃以上1400℃以下、厚
    さ1mm以下の酸化物を介在させてステンレス箔対を形成
    し、このステンレス箔対を前記ハニカム構造体を構成す
    るステンレス箔の間に配置したのち焼成して絶縁層を形
    成したことを特徴とする通電加熱装置付の自動車排ガス
    浄化触媒用メタル担体。
  2. 【請求項2】 ステンレス箔対とハニカム構造の接合
    が、ろう付けによって行われていることを特徴とする請
    求項1記載の自動車排ガス浄化触媒用メタル担体。
  3. 【請求項3】 ステンレス箔対を構成するステンレス箔
    が、予め酸化処理されていることを特徴とする請求項1
    あるいは2の何れか記載の自動車排ガス浄化触媒用メタ
    ル担体。
  4. 【請求項4】 ステンレス箔対とハニカム構造の接合が
    ろう付けでなされ、ろう材箔とステンレス箔対を構成す
    るステンレス間に、TiあるいはZrの箔が介在してい
    ることを特徴とする請求項3記載の自動車排ガス浄化触
    媒用メタル担体。
  5. 【請求項5】 ステンレス箔対を構成するステンレス箔
    が、少なくともAlを1%以上含有していることを特徴
    とする請求項1,2,3あるいは4の何れか記載の自動
    車排ガス浄化触媒用メタル担体。
  6. 【請求項6】 ステンレス箔対を構成するステンレス箔
    が、少なくともCrを10%以上、Alを3%以上含有
    していることを特徴とする請求項1,2,3あるいは4
    の何れか記載の自動車排ガス浄化触媒用メタル担体。
  7. 【請求項7】 ステンレス箔対を構成するステンレス箔
    が、少なくともCr10%以上、Al3%以上、ランタ
    ノイド元素0.01重量%以上を含有していることを特
    徴とする請求項1,2,3あるいは4の何れか記載の自
    動車排ガス浄化触媒用メタル担体。
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