JPH0672019B2 - 磁気記録用板状複合フェライト微粒子粉末及びその製造法 - Google Patents

磁気記録用板状複合フェライト微粒子粉末及びその製造法

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JPH0672019B2
JPH0672019B2 JP1119743A JP11974389A JPH0672019B2 JP H0672019 B2 JPH0672019 B2 JP H0672019B2 JP 1119743 A JP1119743 A JP 1119743A JP 11974389 A JP11974389 A JP 11974389A JP H0672019 B2 JPH0672019 B2 JP H0672019B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、大きな磁化値と適当な抗磁力とを有し、且
つ、0.1μm未満の微粒子であり、しかも、温度に対す
る抗磁力の変化が−3.0Oe/℃〜+0.5Oe/℃の範囲にあ
り、且つ、大きな異方性磁界を有する磁気記録用板状複
合フェライト微粒子粉末及びその製造法に関するもので
ある。
〔従来の技術〕
近年、例えば、特開昭55-86103号公報にも述べられてい
る通り、強磁性の非針状粒子が記録用磁性材料、特に垂
直磁気記録用磁性材料として要望されつつある。
一般に、強磁性の非針状粒子としてはBaを含む板状フェ
ライト粒子がよく知られている。
従来から板状フェライトの製造法の一つとして、Baイオ
ンとFe3+とが含まれたアルカリ性懸濁液を反応装置とし
てオートクレーブを用いて水熱処理をする方法(以下、
これを単に水熱処理という。)が知られている。
磁気記録用板状フェライト微粒子粉末は、粒度が出来る
だけ微細であると共に、磁気特性について言えば、適当
な抗磁力と大きな磁化値を有し、しかも、温度に対する
抗磁力の変化がほとんどないか、又は低下する傾向にあ
り、且つ、大きな異方性磁界を有することが要求され
る。この事実について以下に詳述する。
先ず、磁気記録用板状フェライト微粒子粉末の粒度につ
いて言えば、出来るだけ微細な粒子であることが要求さ
れている。
この事実は、例えば、電子通信学会技術研究報告MR81−
11第27頁23−9の「Fig.3」等に示されている通りであ
る。即ち、「Fig.3」は、Co被着針状晶マグヘマイト粒
子粉末における粒子の粒度とノイズレベルとの関係を示
す図であり、粒子の粒度が小さくなる程、ノイズレベル
は直線的に低下している。
この関係は、Baを含む板状フェライト粒子粉末について
も同様に言えることである。
次に、磁気特性について言えば、磁気記録用板状フェラ
イト微粒子粉末の抗磁力は、一般に300〜2000Oe程度の
ものが要求されており、板状フェライト微粒子粉末の抗
磁力を低減させ適当な抗磁力とする為に前記水熱処理法
においてフェライトの中のFe3+の一部をTi及びCo又はCo
並びにMn、Zn等の2価の金属イオンM2+で置換すること
が提案されている。
磁化値について言えば、出来るだけ大きいことが必要で
あり、この事実は、例えば特開昭56-149328号公報の
「‥‥磁気記録媒体材料に使われるマグネトプランバイ
トフェライトについては可能な限り大きな飽和磁化‥‥
が要求される。」と記載されている通りである。
また、Baを含む板状フェライト粒子粉末は、例えば、ア
イイーイーイー トランザクション オン マグネティ
ックス(IEEE TRANSACTIONS ON MAGNETICS)MAG−18NO.
6第1123頁の「Fig.4」からも明らかな通り、温度が高く
なる程抗磁力が上昇する傾向にある。記録再生時、磁気
ヘッドや媒体は相互の摩擦によって温度上昇を伴うが、
その為磁気ヘッドは、記録の書き込み能力が低下し、一
方Baを含む板状フェライト粒子粉末を磁性粒子粉末とし
て含む媒体は、温度上昇に伴って、抗磁力が高くなり、
磁気ヘッドからの書き込みが困難となる。その結果、出
力低下やオーバーライト特性の低下が生起することとな
る。そこで、磁気ヘッドの書き込み能力が低下しても記
録の書き込みを可能とする為には、媒体の抗磁力が温度
上昇に伴ってほとんど変化しないか、むしろ、低下する
傾向にあることが要求されており、その為には、使用さ
れるBaを含む板状フェライト粒子粉末の抗磁力が温度上
昇に伴ってほとんど変化しないか、むしろ、低下する傾
向にあることが必要である。しかし、一方、必要以上に
低下すると記録の安定性の面から好ましくないことも指
摘されている。
更に、Baを含む板状フェライト粒子粉末は、高い周波数
領域においても出力の低下が生起せず高密度記録が可能
となる為、大きな異方性磁界を有することが要求され
る。
この事実は、例えば、株式会社シーエムシー発行「高密
度メモリ技術と材料」(1984年)第67〜68頁の「図2、
3、12は‥‥垂直異方性磁界Hkの大きなCo−Cr単層媒体
を用いてリング型ヘッドで記録/再生したときの出力対
波長特性を示すが、D50=135KBPIという優れた高密度特
性を得ている。‥‥」なる記載の通りである。
〔発明が解決しようとする課題〕
粒度が出来るだけ微細であり、大きな磁化値と適当な抗
磁力とを有し、しかも温度に対する抗磁力の変化がほと
んどないか、又は低下する傾向にあり、且つ、大きな異
方性磁界を有するBaを含む板状フェライト微粒子粉末
は、現在最も要求されているところであるが、上述した
通りの水熱処理法においては、反応条件を選ぶことによ
って各種のフェライト粒子が沈澱してくる。この沈澱粒
子は通常六角板状を呈しており、生成条件によってその
粒度分布や平均径等の粉体特性及び抗磁力、磁化値、温
度に対する抗磁力の変化、異方性磁界等の磁気的特性が
異なる。
先ず、例えば、抗磁力を低減させ適当な抗磁力とする為
にフェライト中のFe3+の一部をCo及びTiで置換したCo−
Tiを含有する板状Baフェライト微粒子を水熱処理法によ
って生成させ、当該粒子を加熱焼成することにより得ら
れたCo−Tiを含有する板状複合フェライト微粒子粉末
は、Co−Tiの抗磁力低減効果が大きく、従って、少量の
添加量で適当な抗磁力に制御することできる為、添加物
による磁化値の低下は小さく、50〜60emu/g程度と比較
的大きな磁化値を有するものではあるが、温度に対する
抗磁力の変化は、+2.5Oe/℃〜6.0Oe/℃であり、前述し
た通り、温度が高くなる程抗磁力が上昇する傾向にあ
る。この現象は、ジャーナル オブ マグネティズム
アンド マグネティック マテリアルス(Journal of M
agnetism and Magnetic Materials)15−18号(1980
年)第1459頁の「Fig.1」からも推定される。
また、抗磁力を低減させ適当な抗磁力とする為にフェラ
イト中のFe3+の一部を等モルのNi及びTiで置換したNi−
Tiを含有する板状複合フェライト微粒子を水熱処理法に
より生成させた場合には、粒度が0.1μm以上の粒子し
か得られず、また、当該粒子を加熱焼成することにより
得られた等モルのNi−Tiを含有する板状複合フェライト
微粒子粉末は、Ni−Tiの抗磁力低減効果が小さく、従っ
て、適当な抗磁力に制御する為には添加量を多量にする
必要があり、その結果、磁化値の低下は大きく、高々47
emu/g程度と磁化値が低いものであった。また、温度に
対する抗磁力の変化は、前出ジャーナル オブ マグネ
ティズム アンド マグネティック マテリアルスの
「Fig.1」から推定される通り、上記のCo−Tiを含有す
る板状フェライト微粒子粉末に比べ比較的優れてはいる
が、+1.0〜+3.0Oe/℃程度であり、未だ十分なものと
は言い難い。
次に、Baを含む板状フェライト粒子粉末の磁化値を向上
させる発明として、例えば、Baを含む板状フェライト粒
子の粒子表面をスピネルフェライトで変成させる方法
(特開昭60-255628号公報、特開昭60-255629号公報、特
開昭62-139121号公報、特開昭62-139122号公報、特開昭
62-139123号公報、特開昭62-139124号公報)がある。し
かし、この発明による場合には、異方性磁界Hkが2〜3K
Oe程度と小さいものであった。
そこで、本発明は、一層大きな磁化値と適当な抗磁力と
を有し、且つ0.1μm未満の微粒子であり、しかも、温
度に対する抗磁力の変化がほとんどないか、又は低下す
る傾向にあり、且つ、大きな異方性磁界を有するBaを含
む板状複合フェライト微粒子粉末を得ることを技術的課
題とするものである。
〔問題を解決する為の手段〕
本発明者は、一層大きな磁化値と適当な抗磁力とを有
し、且つ、0.1μm未満の微粒子であり、しかも、温度
に対する抗磁力の変化がほとんどないか、又は低下する
傾向にあり、且つ、大きな異方性磁界を有するBaを含む
板状複合フェライト微粒子粉末を得るべく種々検討を重
ねた結果、本発明に到達したものである。
即ち、本発明は、Fe3+に対し3〜5原子%のTiとモル比
で1<Ni/Ti≦4のNiとを含有するBaを含む板状複合フ
ェライト微粒子であって、該微粒子の粒子表面近傍に亜
鉛が固溶されており、且つ、粒子表面がスピネル型酸化
物(M2+xFe2+yO・Fe2O3但し、M2+はCo2+、Ni2+、Mn2+、Mg
2+及びZn2+から選ばれた金属の1種又は2種以上、0≦
x≦1、0≦y≦1、0<x+y≦1)によって被覆さ
れている平均径0.01μm以上0.1μm未満であって、−2
0〜120℃の温度範囲における抗磁力の変化が−3.0Oe/℃
〜+0.5Oe/℃の範囲内であるBaを含む板状複合フェライ
ト微粒子からなる磁気記録用板状複合フェライト微粒子
粉末及びBaイオンを含むアルカリ性水酸化鉄(III)懸
濁液を100〜300℃の温度範囲において水熱処理すること
によりBaを含む板状複合フェライト微粒子を生成させる
にあたり、前記アルカリ性水酸化鉄(III)懸濁液にあ
らかじめFe3+に対し3〜5原子%のTi化合物とモル比で
1<Ni/Ti≦4のNi化合物とを添加し、且つ、前記Baイ
オンの添加量をFe3+1原子に対し0.125〜0.25原子の範
囲内で選ぶことによって、平均径0.01μm以上0.1μm
未満の範囲内で前記Baイオンの添加量に対応した粒度を
有するBaを含む板状複合フェライト微粒子を生成させ、
次いで、当該微粒子を、pH4.0〜12.0の亜鉛を含む水溶
液中に懸濁させ、粒子表面に亜鉛の水酸化物が沈着して
いる前記Baを含む板状複合フェライト微粒子を得、当該
微粒子を別、水洗、乾燥した後、600〜900℃の温度範
囲で加熱焼成することにより、Fe3+に対し3〜5原子%
のTiとモル比で1<Ni/Ti≦4のNiとを含有するBaを含
む板状複合フェライト微粒子であって、該粒子の粒子表
面近傍に亜鉛が固溶されている微粒子を得、当該微粒子
と、該粒子中のFe3+とNi及びTiとの総和に対し、Fe2+
又はCo2+、Ni2+、Mn2+、Mg2+及びZn2+から選ばれた金属塩
の1種又は2種以上若しくは当該両金属塩を1.0〜35.0
原子%の割合で含むpH8.0〜14.0のアルカリ性懸濁液と
を混合し、該混合液を50〜100℃の温度範囲で加熱処理
することにより、前記粒子表面近傍に亜鉛が固溶してい
るTi及びNiを含有するBaを含む板状複合フェライト微粒
子の粒子表面をスピネル型酸化物(M2+xFe2+yO・Fe2O3
但し、M2+はCo2+、Ni2+、Mn2+、Mg2+及びZn2+から選ばれた
金属の1種又は2種以上、0≦x≦1、0≦y≦1、0
<x+y≦1)によって被覆することからなる磁気記録
用板状複合フェライト微粒子粉末の製造法である。
〔作用〕
先ず、本発明において最も重要な点は、Baイオンを含む
アルカリ性水酸化鉄(III)懸濁液を100〜300℃の温度
範囲において水熱処理することによりBaを含む板状複合
フェライト微粒子を生成させるにあたり、前記アルカリ
性水酸化鉄(III)懸濁液にあらかじめFe3+に対し3〜5
4原子のTi化合物とモル比で1<Ni/Ti≦4のNi化合物と
を添加し、且つ、前記Baイオンの添加量をFe(III)1
原子に対し0.125〜0.25原子の範囲内とした場合には、
平均径0.01μm以上0.1μm未満の範囲内で前記Baイオ
ンの添加量に対応した粒度を有するBaを含む板状複合フ
ェライト微粒子を生成させるとが出来、次いで、当該微
粒子をpH4.0〜12.0の亜鉛を含む水溶液中に懸濁させ、
粒子表面に亜鉛の水酸化物が沈着している前記Baを含む
板状複合フェライト微粒子を得、当該微粒子を別、水
洗、乾燥した後、600〜900℃の温度範囲で加熱焼成した
場合には、Ni及びTiを含有するBaを含む板状複合フェラ
イト微粒子の粒子表面近傍に亜鉛を固溶させることがで
き、その結果、前記0.1μm未満の粒度を保持してお
り、且つ、大きな磁化値と適当な抗磁力とを有するBaを
含む板状複合フェライト微粒子を得ることができ、更
に、前記粒子表面近傍に亜鉛が固溶されているNi及びTi
を含有するBaを含む板状複合フェライト微粒子粉末の粒
子表面をスピネル型酸化物(M2+xFe2+yO・Fe2O3但し、M
2+はCo2+、Ni2+、Mn2+、Mg2+及びZn2+から選ばれた金属の
1種又は2種以上、0≦x≦1、0≦y≦1、0<x+
y≦1)によって被覆した場合には、一層大きな磁気値
を有すると同時に、温度に対する抗磁力の変化が−3.0O
e/℃〜+0.5Oe/℃の範囲にあり、且つ、大きな異方性磁
界を有するBaを含む板状複合フェライト微粒子が得られ
るという事実である。
本発明においては、粒子表面近傍に亜鉛を固溶させるこ
とによって、Baを含む板状複合フェライト粒子の磁化値
を900℃以下の加熱焼成温度で効果的に大きくすること
ができ、しかも抗磁力を低下させることができる。
その結果、Ni−Tiのように抗磁力低減効果が小さいもの
であっても、大きな磁化値を維持しながら効果的に適当
な抗磁力に制御することができる。
本発明においては、温度に対する抗磁力の変化が−3.0O
e/℃〜+0.5Oe/℃の範囲にあるBaを含む板状複合フェラ
イト微粒子を得ている。
本発明においては、異方性磁界が3.6KOe以上のBaを含む
板状複合フェライト微粒子を得ている。
Baを含む板状フェライト微粒子をスピネル型酸化物で被
覆した場合には、一般に異方性磁界が小さくなるにもか
かわらず、本発明に係る粒子表面近傍に亜鉛が固溶され
ているNi及びTiを含有するBaを含む板状複合フェライト
微粒子の場合には大きな異方性磁界を有数。その理由
は、未だ明らかではないが、本発明者は、被処理粒子と
して特定のBaを含む板状複合フェライト粒子を用い、当
該粒子をスピネル型酸化物によって被覆したことによる
相乗効果によるものであろうと考えている。
今、本発明者が行った数多くの実験例から、その一部を
抽出して説明すれば、次の通りである。
図1は、TiをFe3+に対し3原子%及びNiをモル比でNi/T
i=3添加して、後出実施例1の条件に従って反応を行
った場合のFe3+に対するBaの添加割合(モル比)と生成
したBaを含む板状複合フェライト微粒子の粒度との関係
を示したものである。図1から明らかな通り、Fe3+に対
するBaの添加割合が0.125以上の場合に、生成するBaを
含む板状複合フェライト微粒子は0.1μm未満の微細粒
子となり、Fe3+に対するBaの添加割合が大きくなる程生
成するBaを含む板状複合フェライト微粒子は微細化する
傾向にある。
従来、例えば、特開昭56-149328号公報に記載されてい
る通り、水熱処理法により板状Baフェライト粒子を生成
するにあたり、Ni化合物及びTi化合物を添加する方法が
ある。
しかしながら、この方法による場合には、Fe3+イオンの
価数と添加物の価数が等しくなるように価数を調整する
ことによって保磁力を低減させることを目的とするもの
であるから、Ni化合物とTi化合物の添加量は等モルであ
ることが必要であり、従って、Ni化合物とTi化合物の添
加量が相違しており、生成板状Baフェライト微粒子の粒
度を制御することを目的とする本発明とはその技術的手
段及び目的並びに効果が全く相違するものである。
次に、本発明実施にあたっての諸条件について述べる。
本発明におけるFe3+塩としては、硝酸鉄、塩化鉄等を使
用することができる。
本発明におけるBaイオンとしては、水酸化バリウム、塩
化バリウム、硝酸バリウム等を使用することができる。
Baイオンの添加量は、Fe3+1原子に対し0.125〜0.25原
子の割合である。0.125原子未満の場合には、生成するB
aを含む板状複合フェライト粒子の平均径が0.1μm以上
となる。0.25原子を越える場合にも、0.1μm未満の微
粒子が生成するが、当該微粒子を加熱焼成して得られる
粒子の磁化値が小さく、本発明の目的とする磁気記録用
磁性粒子粉末を得ることができない。
本発明におけるTi化合物としては、四塩化チタン、硫酸
チタニル等を使用することができる。
Ti化合物の添加量は、Fe3+に対し3〜5原子%の範囲で
ある。3原子%未満の場合には、得られるBaを含む板状
複合フェライト粒子の抗磁力を制御することが困難とな
る。5原子%を越える場合には、Baを含む板状複合フェ
ライト粒子中にBaTiO3が混在してくる。
本発明における反応温度は、100〜300℃である。100℃
未満の場合には、Baを含む板状複合フェライト粒子が生
成しない。300℃を越える場合には、生成するBaを含む
板状複合フェライト粒子の平均径が0.1μm以上とな
る。
本発明におけるNi化合物としては、塩化ニッケル、硝酸
ニッケル、酢酸ニッケル等を使用することができる。
Ni化合物の添加量は、モル比で1<Ni/Ti≦4の範囲で
ある。
モル比で1以下の場合には、生成するBaを含む板状複合
フェライト粒子の平均径が0.1μm以上となる。モル比
で4を越える場合でも、本発明の目的とする適度な抗磁
力を有するBaを含む板状複合フェライト粒子を得ること
ができるが必要以上に添加する意味がない。
本発明における亜鉛の水酸化物の沈着は、Baを含む板状
複合フェライト微粒子をpH4.0〜12.0の亜鉛を含む水溶
液中に懸濁させればよい。
亜鉛を含む水溶液としては、塩化亜鉛、臭化亜鉛、ヨウ
化亜鉛等のハロゲン化物、硝酸亜鉛、硫酸亜鉛、酢酸亜
鉛等を使用することができる。
pHが4未満又は12を越える場合には亜鉛の沈着が困難と
なる。
本発明における添加焼成温度は、600〜900℃である。
600℃未満である場合には、Baを含む板状複合フェライ
ト粒子の粒子表面への亜鉛の固溶が十分ではない。
900℃を越える場合には、粒子及び粒子相互間の焼結が
顕著となる。
本発明における加熱焼成にあたっては、Baを含む板状複
合フェライト微粒子の粒子表面をあらかじめ、焼結防止
効果を有するSi化合物、Al化合物、P化合物等により被
覆しておいてもよい。
加熱焼成に際しては、周知の融剤を使用してもよく、融
剤としては、例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属
のハロゲン化物及び硫酸塩等の一種又は二種以上を用い
ることができる。
融剤の量は、加熱焼成物微粒子に対し、3〜400重量%
である。3重量%未満である場合には、加熱焼成時に粒
子及び粒子相互間で焼結が生起し、好ましくない。400
重量%を越える場合にも本発明の目的を達成することが
できるが必要以上に添加する意味がない。
本発明における融剤の洗浄は、水や塩酸、硝酸、硝酸等
の酸水溶液の一種又は二種以上を用いて行うことができ
る。
本件発明における粒子表面近傍に亜鉛が固溶しているBa
を含む板状複合フェライト微粒子への亜鉛の固溶量はZn
換算で0.2〜5.0重量%である。
0.2重量%未満である場合には、本発明の目的を十分達
成することができない。
5.0重量%を越える場合にも本発明の目的を達成するこ
とはできるが必要以上に添加することは意味がない。
本発明のスピネル型酸化物による被覆は、被処理粒子で
あるBaを含む板状複合フェライト微粒子とFe2+塩又はFe
2+以外の金属M2+塩若しくは当該両金属塩とを含むアル
カリ性懸濁液を混合することによって行う。
Fe2+塩としては、硫酸第一鉄、塩化第一鉄、硝酸第一鉄
等を使用することができる。
金属M2+塩としては、Co2+、Ni2+、Mn2+、Mg2+及びZn2+から
選ばれた金属塩の1種又は2種以上であり、これら金属
の塩化物、硝酸塩、硫酸塩等を使用することができる。
Fe2+塩又は金属M2+塩若しくは当該両金属塩の量は、Ba
を含む板状複合フェライト微粒子中の全Fe3+とNi及びTi
との総和に対し、1.0〜35.0原子%である。
1.0原子%未満である場合には、スピネル型酸化物によ
る被覆効果が十分ではなく、また、一層大きな磁化値を
有すると同時に、大きな異方性磁界を有するBaを含む板
状複合フェライト微粒子が得られ難い。35.0原子%を越
える場合には、スピネル型酸化物が単独で分離して生成
する。
本発明におけるBaを含む板状複合フェライト微粒子とFe
(II)塩又は金属M2+塩若しくは当該両金属塩を含むア
ルカリ性懸濁液との混合順序は、いずれが先でも、ま
た、同時でもよい。
本発明におけるpHは、8.0〜14.0である。pHが8.0未満で
ある場合にはFe2+又は金属M2+若しくは当該両金属の水
酸化物が安定して存在し難い。また、強アルカリ性であ
ればFe2+又は金属M2+若しくは当該両金属の水酸化物は
安定して存在し、同時にこれらの水酸化物からのスピネ
ル型酸化物の生成反応も生起するので工業性、経済性を
考慮すればpHは14.0以下で十分本発明の目的は達成でき
る。
本発明における加熱温度は、50〜100℃である。50℃未
満である場合には、本発明におけるFe2+又は金属M2+
しくは当該両金属の水酸化物からのスピネル型酸化物生
成反応は生起し難くなる。また、100℃を越える場合で
もスピネル型酸化物生成反応は生起するが、水溶液中で
行われることを考慮すれば、100℃以下の温度で十分に
本発明の目的を達成することができる。
〔実施例〕
次に、実施例及び比較例により本発明を説明する。
尚、以下の実施例並びに比較例における粒子の平均径
は、電子顕微鏡写真により測定した値である。
また、磁化値及び抗磁力は粉末状態で10KOeの磁場にお
いて測定したものである。
温度安定性は、120℃における抗磁力値と−20℃におけ
る抗磁力値との差を120℃と−20℃との温度差(140℃)
で除した値をOe/℃で示した。
異方性磁界Hkは、ジャーナル オブ アプライド フィ
ジィクス(Journal of Applid Pyhsics)第63巻第8号
(1988年)第3433頁の左欄第21行〜右欄第10行に記載さ
れている方法により求めた値で示した。
即ち、異方性磁界は、トルク磁力計「Model 1600」(DI
GITAL MEASUREMENT SYSTEMS,INC製)を用い、試料片を3
60°回転させた時に得られるトルクカーブから求めたエ
ネルギーロスの値Wr(Rotational Hysteresis Loss)を
磁場(H)の逆数1/Hに対してプロットした座標(縦軸W
r、横軸1/H)を作成し、この時に描く曲線のうち、横軸
に対し最も大きな傾きをなす傾斜を求め、当該傾斜の延
長線が横軸1/Hと交わる点から求めた値で示したもので
ある。
尚、試料片は、Baを含む板状複合フェライト粒子粉末と
エポキシ樹脂との混練物を紙の上に塗布して作成した。
〈水溶液中からのBaを含む板状複合フェライト微粒子粉
末の製造〉 実施例1〜8、比較例1〜3; 実施例1 FeCl314mol、NiCl21.26mol(モル比でNi/Ti=3に該当
する。)、TiCl40.42mol(Fe3+に対し3原子%に該当す
る。)及びBaCl22.33mol(Fe3+に対し0.166原子%に該
当する。)とNaOH171molとのアルカリ性懸濁液をオート
クレーブ中で200℃まで加熱し、機械的に撹拌しつつこ
の温度を3時間保持し、強磁性茶褐色沈澱を生成させ
た。
室温にまで冷却後、強磁性茶褐色沈澱を別し、十分水
洗した後乾燥した。
得られた強磁性茶褐色粉末は、電子顕微鏡観察の結果、
平均径0.05μmの板状粒子であり、螢光X線分析及びX
線回折の結果、Fe3+に対し9.0原子%のNi及び3.0原子%
のTiを含有するBaを含む複合フェライト粒子であった。
実施例2〜8、比較例1、3 第二鉄塩水溶液の種類、Ba塩水溶液の種類並びに量、Ni
化合物の種類並びに量、Ti化合物の種類並びに量及び反
応温度並びに時間を種々変化させた以外は、実施例1と
同様にしてBaを含む板状複合フェライト微粒子粉末を得
た。この時の主要製造条件及び諸特性を表1に示した。
実施例2、実施例2及び比較例3で得られたBaを含む板
状複合フェライト微粒子粉末の電子顕微鏡写真(×100,
000)をそれぞれ図2乃至図4に示す。
比較例2 TiCl4の添加量をFe3+に対し5.5原子%とした以外は実施
例1と同様にして粒子の生成反応を行った。
得られた粒子は図5に示す電子顕微鏡写真(×100,00
0)から明らかな通り、板状粒子と立方状粒子が混在し
ており、X線回折の結果、マグネトプランバイト構造を
示すピークとBaTiO3を示すピークが認められた。
〈加熱処理して得られるBaを含む板状複合フェライト微
粒子粉末の製造〉 実施例9〜16、比較例4〜6; 実施例9 実施例1で得られたNi及びTiを含有するBaを含む板状複
合フェライト粒子粉末100gを0.06molの塩化亜鉛水溶液
中に分散混合し、pH9において粒子表面に亜鉛の水酸化
物を沈着させた後、別、乾燥し、次いで850℃におい
て1.5時間加熱焼成した。
加熱焼成して得られた微粒子は、電子顕微鏡観察の結
果、平均径0.05μmの板状粒子であった。また、磁性
は、抗磁力Hcが1050Oe、磁化値が57.0emu/gであり、温
度に対する抗磁力の変化は+0.4Oe/℃であった。この微
粒子は、螢光X線分析の結果、Feに対し9.0原子%のNi
及び3.0原子%のTiと3.2重量%のZnを含有していた。
また、この微粒子は、化学分析の結果、アルカリ水溶液
中で加熱抽出される亜鉛酸化物、亜鉛水酸化物が検出さ
れないことから亜鉛が固溶したものと認められた。
実施例10〜16、比較例4〜6 Znの種類並びに添加量、加熱処理温度並びに時間及び融
剤の有無、種類並びに添加量を種々変化させた以外は、
実施例9と同様にしてBaを含む板状複合フェライト微粒
子粉末を得た。
この時の主要製造条件及び諸特性を表2に示す。
〈スピネル型酸化物による被覆処理〉 実施例17〜20 実施例17 実施例9により得られた粒子表面近傍に亜鉛が固溶して
いるNi及びTiを含有するBaを含む板状複合フェライト微
粒子粉末100gと0.37molのFe(OH)2及び0.041molのCo(OH)
2とを含むアルカリ性懸濁液とを混合(Fe3+とNi及びTi
との総和に対しFe2+及びCo2+が34.3原子%に該当す
る。)し、次いで、水を添加することにより全容2.0l
(pH12.0)とした後、該混合液の温度を加熱によって80
℃とし、この温度で1.0時間液を攪拌し、黒褐色沈澱を
生成させた。黒褐色沈澱は別、水洗し、アセトン処理
した後、室温で乾燥した。
得られた黒褐色粒子粉末は、電子顕微鏡観察の結果、平
均径0.5μmであり、X線回折結果、Baフェライトのピ
ークとスピネルフェライトのピークを示した。
この黒褐色粒子粉末の磁気特性は、抗磁力Hcが750Oe、
磁化値σsが65.2emu/g、温度に対する抗磁力の変化が
−1.0Oe/℃及び異方性磁界Hkが3.9KOeであった。
実施例18 実施例11により得られた粒子表面近傍に亜鉛が固溶して
いるNi及びTiを含有するBaを含む板状複合フェライト微
粒子粉末100gと0.11molのFe(O)2を含むアルカリ性懸濁
液とを混合(Fe3+とNi及びTiとの総和に対しFe2+が9.2
原子%に該当する。)し、次いで、水を添加することに
より全容2.0l(pH12.5)とした後、該混合液の温度を加
熱によって90℃とし、この温度で1.0時間液を攪拌し、
黒褐色沈澱を生成させた。黒褐色沈澱は別、水洗し、
アセトン処理した後、室温で乾燥した。
得られた黒褐色粒子粉末は、電子顕微鏡観察の結果、平
均径0.08μmであり、X線回折結果、Baフェライトのピ
ークとスピネルフェライトのピークを示した。
この黒褐色粒子粉末の磁気特性は、抗磁力Hcが960Oe、
磁化値σsが61.3emu/g、温度に対する抗磁力の変化が
−1.9Oe/℃、異方性磁界Hkが3.7Oeであった。
実施例19 実施例12により得られた粒子表面近傍に亜鉛が固溶して
いるNi及びTiを含有するBaを含む板状複合フェライト微
粒子粉末100gと0.22molのFe(OH)2、0.017molのCo(OH)2
及び0.007molのZn(OH)2とを含むアルカリ性懸濁液とを
混合(Fe3+とNi及びTiとの総和に対しFe2+、Co2+及びZn
2+の総和が20.3原子%に該当する。)し、次いで、水を
添加することにより全容2.0l(pH12.0)とした後、該混
合液の温度を加熱によって90℃とし、この温度で1.0時
間液を攪拌し、黒褐色沈澱を生成させた。黒褐色沈澱は
別、水洗し、アセトン処理した後、室温で乾燥した。
得られた黒褐色粒子粉末は、電子顕微鏡観察の結果、平
均径0.05μmであり、X線回折結果、Baフェライトのピ
ークとスピネルフェライトのピークを示した。
この黒褐色粒子粉末の磁気特性は、抗磁力Hcが690Oe、
磁化値σsが63.8emu/g、温度に対する抗磁力の変化が
−2.4Oe/℃、異方性磁界Hkが3.9Oeであった。
実施例20 実施例14により得られた粒子表面近傍に亜鉛が固溶して
いるNi及びTiを含有するBaを含む板状複合フェライト微
粒子粉末100gと0.29molのFe(OH)2及び0.072molのMn(OH)
2とを含むアルカリ性懸濁液とを混合(Fe3+とNi及びTi
との総和に対しFe2+及びMn2が30.2原子%に該当す
る。)し、次いで、水を添加することにより全容2.0l
(pH11.5)とした後、該混合液の温度を加熱によって85
℃とし、この温度で1.5時間液を攪拌し、黒褐色沈澱を
生成させた。黒褐色沈澱は別、水洗し、アセトン処理
した後、室温で乾燥した。
得られた黒褐色粒子粉末は、電子顕微鏡観察の結果、平
均径0.03μmであり、X線回折結果、Baフェライトのピ
ークとスピネルフェライトのピークを示した。
この黒褐色粒子粉末の磁気特性は、抗磁力Hcが610Oe、
磁化値σsが64.2emu/g、温度に対する抗磁力の変化が
−0.8Oe/℃、異方性磁界Hkが3.7Oeであった。
〔発明の効果〕 本発明に係るBaを含む板状複合フェライト微粒子粉末
は、0.1μm未満の微粒子であり、大きな磁化値と適当
な抗磁力とを有し、しかも、温度に対する抗磁力の変化
が−3.0Oe/℃〜+0.5Oe/℃の範囲にあり、且つ、大きな
異方性磁界を有する粒子粉末であるので、現在、最も要
求されている磁気記録用板状複合フェライト粒子粉末と
して最適である。
また、本発明に係るBaを含む板状複合フェライト微粒子
粉末は、粒子表面を被覆しているスピネル型酸化物に起
因して、電気抵抗が低くなる傾向にある為、磁性塗料の
製造にあたり、カーボン量の低減化や分散性の容易化等
が期待される。
【図面の簡単な説明】
図1は、Fe3+に対するBaの添加割合(モル比)と生成し
たBaを含む板状複合フェライト微粒子の粒度との関係を
示したものである。 図2乃至図5は、いずれも電子顕微鏡写真(×100,00
0)である。図2乃至図4は、それぞれ実施例2、実施
例3及び比較例3で得られたBaを含む板状複合フェライ
ト微粒子粉末の粒子構造を示す電子顕微鏡写真であり、
図5は比較例2で得られた板状複合フェライト微粒子粉
末と立方状BaTiO3粒子粉末との混合粒子粉末の粒子構造
を示す電子顕微鏡写真である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Fe3+に対し3〜5原子%のTiとモル比で1
    <Ni/Ti≦4のNiとを含有するBaを含む板状複合フェラ
    イト微粒子であって、該微粒子の粒子表面近傍に亜鉛が
    固溶されており、且つ、粒子表面がスピネル型酸化物
    (M2+xFe2+yO・Fe2O3但し、M2+はCo2+、Ni2+、Mn2+、Mg2+
    及びZn2+から選ばれた金属の1種又は2種以上、0≦x
    ≦1、0≦y≦1、0<x+y≦1)によって被覆され
    ている平均径0.01μm以上0.1μm未満であって、−20
    〜120℃の温度範囲における抗磁力の変化が−3.0〜+0.
    5Oe/℃の範囲であるBaを含む板状複合フェライト微粒子
    からなる磁気記録用板状複合フェライト微粒子粉末。
  2. 【請求項2】Baイオンを含むアルカリ性水酸化鉄(II
    I)懸濁液を100〜300℃の温度範囲において水熱処理す
    ることによりBaを含む板状複合フェライト微粒子を生成
    させるにあたり、前記アルカリ性水酸化鉄(III)懸濁
    液にあらかじめFe3+に対し3〜5原子%のTi化合物とモ
    ル比で1<Ni/Ti≦4のNi化合物とを添加し、且つ、前
    記Baイオンの添加量をFe(III)1原子に対し0.125〜0.
    25原子の範囲内で選ぶことによって、平均径0.01μm以
    上0.1μm未満の範囲内で前記Baイオンの添加量に対応
    した粒度を有するBaを含む板状複合フェライト微粒子を
    生成させ、次いで、当該微粒子を、pH4.0〜12.0の亜鉛
    を含む水溶液中に懸濁させ、粒子表面に亜鉛の水酸化物
    が沈着している前記Baを含む板状複合フェライト微粒子
    を得、当該微粒子を別、水洗、乾燥した後、600〜900
    ℃の温度範囲で加熱焼成することにより、Fe3+に対し3
    〜5原子%のTiとモル比で1<Ni/Ti≦4のNiとを含有
    するBaを含む板状複合フェライト微粒子であって、該粒
    子の粒子表面近傍に亜鉛が固溶されている微粒子を得、
    当該微粒子と、該粒子中のFe3+とNi及びTiとの総和に対
    し、Fe2+塩又はCo2+、Ni2+、Mn2+、Mg2+及びZn2+から選ば
    れた金属塩の1種又は2種以上若しくは当該両金属塩を
    1.0〜35.0原子%の割合で含むpH8.0〜14.0のアルカリ性
    懸濁液とを混合し、該混合液を50〜100℃の温度範囲で
    加熱処理することにより、前記粒子表面近傍に亜鉛が固
    溶しているTi及びNiを含有するBaを含む板状複合フェラ
    イト微粒子の粒子表面をスピネル型酸化物(M2+xFe2+yO
    ・Fe2O3但し、M2+はCo2+、Ni2+、Mn2+、Mg2+及びZn2+から
    選ばれた金属の1種又は2種以上、0≦x≦1、0≦y
    ≦1、0<x+y≦1)によって被覆することを特徴と
    する磁気記録用板状複合フェライト微粒子粉末の製造
    法。
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