JPH0673372A - 光刺戟しうる貯蔵リン光体ならびに放射線写真法におけるその利用 - Google Patents

光刺戟しうる貯蔵リン光体ならびに放射線写真法におけるその利用

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JPH0673372A
JPH0673372A JP5164197A JP16419793A JPH0673372A JP H0673372 A JPH0673372 A JP H0673372A JP 5164197 A JP5164197 A JP 5164197A JP 16419793 A JP16419793 A JP 16419793A JP H0673372 A JPH0673372 A JP H0673372A
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Willem Schipper
ヴィレム・シッパー
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 共ドーピングにより、X線貯蔵能力とX線エ
ネルギー変換効率の改善を示す新しいユーロピウムドー
ピングしたアルカリ土類オルトリン酸塩リン光体にあ
る。 【構成】 下記式(I) の範囲内にある光刺戟しうる貯蔵
リン光体、 M3 (PO42 :xEu2+,yT3+,zZr4+ (I) 式中MはCa,Sr及びBaからなる群から選択したア
ルカリ土類金属の少なくとも一つであり、xは原子分率
値5×10-5≦x≦10-1に一致し、yは、原子分率値
0≦y≦10-1に一致し、T3+は、La3+,Lu3+,Y
3+及びGd3+からなる群から選んだ少なくとも1要素で
あり、Zは、原子分率値0≦z≦10-1に一致し、か
つ、5×10-5≦z+y≦10-1である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は、光刺戟しうるアルカリ土類オル
トリン酸塩リン光体ならびに、スクリーンまたはパネル
中に前記リン光体を含有するバインダー層によって、X
線パターンを記録し、再現する方法におけるその利用に
関するものである。
【0002】周知の通り、X線は、適当な物質を発光せ
しめることができる。X線の影響のもとに、発光現象を
示す物質はリン光体と称する。
【0003】X線パターンを記録し、再現する従来の方
法によれば、リン光体を使用して、ハロゲン化銀乳剤写
真材料が、放射される蛍光に極めて敏感であることと相
俟って放射線写真を形成する。
【0004】前記スクリーンに使用するリン光体は発光
性であるべきだが、しかし、X線源が切られた後は、さ
ほど長時間の発光を示すべきではない。もし、著しく長
時間発光するスクリーンを使用するとすれば、このスク
リーンはX線ビームが中止されていた後もその像を保存
するだろうし、またスクリーンと接触している新鮮な被
膜にゴースト画像が発生するだろうし、これは、次の画
像の形成を邪魔することになろう。この現象は蛍光性X
線変換スクリーンとの露光接触による放射性写真の作成
には好ましくなく、「アフタグロー」(after −glow)
及び「ラグ」(lag )という用語で知られている。
【0005】例えば米国特許第3859527号に開示
されているX線パターンの記録及び再現の別法によれ
ば、特種なタイプのリン光体が使用されており、これは
光刺戟しうるリン光体として知られており、かつ、パネ
ル中に混入されていて入射するパターンで変調されたX
線に露光されかつ、その結果、X線放射パターンに含ま
れるエネルギーを一時的に、その中に貯蔵する。露光
後、ある期間は、可視光線または赤外線のビームがパネ
ルを走査して、貯蔵エネルギーの光としての解放を刺戟
し、この光は検知されて、処理して可視画像を生じるよ
うにすることのできる順次電気信号に変換される。この
目的のために、リン光体は、走査ビームによって刺戟さ
れるまでは、出来るだけ大量の入射X線エネルギーを貯
蔵し、かつ、できるだけ少量のエネルギーを放射すべき
である。
【0006】公告された欧州特許出願第0102238
号においては、M3 (PO42 :yAなる組成のリン
酸塩型のリン光体が記載されており、式中、Mは、M
g,Ca,Sr,Ba,ZnまたはCdを表わし、A
は、独立に、Eu,Tb,Ce,Tm,Dy,Pr,H
o,Nd,Yb,Er,Sb,Tl,MnまたはSnで
あり、そしてyは、条件0≦y≦1を満足させる値であ
る。前記リン光体は、下記の工程で放射線写真像を変換
する方法での使用について述べられている。すなわち、 1) 刺戟しうるリン光体によって吸収されるように、放
射線を物体に透過させ、 2) 波長が500nmを下がらない刺戟線の光線または
赤外線によってリン光体を刺戟し、リン光体中に貯蔵さ
れた放射線を蛍光として解放し、かつ 3) 像を形成する蛍光を検知する。
【0007】定期刊行の放射線医学、1983年9月
号、p.834に記述の通り、刺戟しうるリン光体を含
有する像プレートを、これが含有する残留エネルギーを
払拭するために、光線を浴びせかけるだけで、X線像を
貯蔵するために繰返し使用することができる。
【0008】医療用放射線写真法では、X線放射線の線
量が出来るだけ低いことが重要である。したがって、高
効率X線エネルギー貯蔵能力と光刺戟能力を有するリン
光体の発見のため、徹底的な調査が、今もなお続けられ
ている。
【0009】共ドーピングによって、X線貯蔵能力とX
線エネルギー変換効率の改善を示す、新しい、ユーロピ
ウムをドーピングしたアルカリ土類オルトリン酸塩リン
光体を提供するのが 本発明の一つの目的である。
【0010】バインダー層内に分散した前記光刺戟しう
るリン光体を含有するX線パネルを提供することも本発
明のもう一つの目的である。
【0011】前記リン光体を像またはパターンで変調し
たX線照射に露光の後これを光刺戟することによるX線
パターンの記録及び再現するための方法を提供すること
も本発明のもう一つの目的である。
【0012】本発明のその他の目的ならびに長所は下記
の説明から明らかになるだろう。
【0013】本発明によれば、下記の式(I) M3 (PO42 :xEu2+,yT3+,zZr4+ (I) の範囲内において、新しい光刺戟しうる貯蔵リン光体が
提供されるが、式中、Mは、Ca,Sr及びBaからな
る群から選択されたアルカリ土類金属の少なくとも一つ
であり、xは、原子分率値5×10-5≦x≦10-1に一
致し、yは、原子分率値0≦y≦10-1に一致し、T3+
は、La3+,Lu3+ ,Y3+及びGd3+からなる群から選
択した少なくとも1要素であり、zは、原子分率値0≦
z≦10-1に一致し、かつ5×10-5≦z+y≦10-1
である。
【0014】更に、本発明によれば、バインダー層に分
散された前記、光刺戟しうるリン光体を含むX線スクリ
ーンまたはパネルが提供される。
【0015】更にまた、本発明によれば、下記の工程、
すなわち、(1) 光刺戟しうるリン光体に、像またはパタ
ーンで変調されたX線を吸収させ、(2) 可視光線と赤外
線とから選んだ刺戟性の電磁放射線により、前記リン光
体を光刺戟し、光刺戟に使用した放射線とは波長が異な
る電磁放射線を、吸収されたX線に従ってリン光体から
解放し、かつ(3) 光刺戟によって放射される前記電磁放
射線を検知する。を含み、X線像を記録しかつ再現する
ための方法において、前記リン光体が、前記式(I) の範
囲内にある光刺戟しうるリン光体であることを特徴とす
る方法が提供される。
【0016】図1に示すのは、本発明による、リン光体
のX線照射において放射される蛍光の「迅速」放射スペ
クトルを示す。前記スペクトルは、光刺戟の際に放射さ
れる蛍光のスペクトルと一致する。線図においては迅速
放射の相対的強さ(R.I.E.)は縦座標にあり、そ
して、刺戟光線の波長は横座標にnmで示してある。
【0017】図2及び図3〜図5はそれぞれ、実施例1
のリン光体、すなわち、Eu2+でのみドーピングした比
較例のリン光体に対して、また、リン光体がLa3+,Y
3+及びLu3+からなる群から選択した金属カチオンの一
つで、共ドーピングされている実施例2〜4に従って調
製された発明のリン光体に対して測定された熱発光に関
する線図(グロー曲線)を示している。かかる線図にお
いては、熱的に刺戟された蛍光放射の相対的な強さ、す
なわち相対発光(R.L.)を、摂氏で示す温度(℃)
との関係でプロットしてある。
【0018】上に定義された方法に従って使用するため
の好ましいリン光体は上記の式(I)の範囲内にあり、式
中、Mは、Ba及び/又はSrを表わし、xは、原子分
率値5×10-5≦x≦10-1に、更に、好ましくは10
-4≦x≦10-1に一致し、yは、原子分率値5×10-5
≦y≦10-1に、更に、好ましくは、10-4≦y≦10
-1に一致し、T3+は、La3+またはGd3+であり、z
は、原子分率値5×10-5≦z≦10-1に、更に、好ま
しくは、10-4≦z≦10-1に一致する。
【0019】本発明に従って使用するのに適した光刺戟
しうるリン光体は、Ca,Sr及び/又はBaの酸化物
または、酸素含有塩、例えば炭酸塩、しゅう酸塩、硝酸
塩及び硫酸塩の、アンモニウムオルソリン酸塩またはハ
イポリン酸塩との混合物を、ユーロピウム(Eu)及び
ランタン(La)、イットリウム(Y)、ルテチウム
(Lu)、ガドリニウム(Gd)、及び/又はジルコニ
ウム(Zr)の酸化物及び/又は酸素含有塩の存在にお
いて、500℃ないし1200℃の温度において、好ま
しくは還元性の雰囲気において、最高40時間、焼成す
ることにより調製することができる。任意ではあるが、
上式(I) においてMで表わされる選択されたアルカリ土
類元素(複数)と同時析出させながら、Eu及びLaを
混入することができる。
【0020】本発明による方法において使用するため
に、式(I) による光刺戟しうるリン光体は、好ましく
は、支持されていても、自己支持であってもよいバイン
ダー層中に分散状態で存在し、かつ、X線像貯蔵パネル
と称されるスクリーンまたはパネルを形成する。
【0021】バインダー層は、好ましくは、(一つの)
フィルム形成有機重合体(複数)、例えば、酢酸酪酸セ
ルロース、(メタ)アクリル酸ポリアルキル、例えば、
メタクリル酸ポリメチル、ポリビニル−n−ブチラール
例えば、米国特許明細書第3043710号に記載のよ
うな、コポリ(酢酸ビニル/塩化ビニル)及びコポリ
(アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン)または、
コポリ(塩化ビニル/酢酸ビニル/ビニルアルコール)
またはそれらの混合物中に分散状態で、前記リン光体を
混入している。
【0022】好ましいのは、最小量のバインダーを使用
して、高度のX線エネルギー吸収を得ることである。し
かし、結合剤の量が非常に少なければ、層が余りにも脆
弱となり、したがってある妥協が行われねばならない。
リン光体の被覆は約300ないし1500g/m2 の範
囲が好ましい。
【0023】前記式(I) によるリン光体の耐湿性は良好
であるから、例えば、米国特許第3023313号及
び、米国第4138361号に記載のようにリン光体
を、加水分解から守るために特別の処置をする必要はな
い。
【0024】好ましい一つの実施態様によれば、リン光
体層は、支持シート上に支持された層として使用され
る。適当な支持材料は、被膜形成有機樹脂、例えば、テ
レフタル酸ポリエチレンで出来ているが、しかし、任意
だが、アルファオレフィン樹脂層のような樹脂層で被覆
した紙製支持体やボール紙製支持体も、特に有用であ
る。更に、ガラス支持体や金属支持体も挙げられる。リ
ン光体層の厚さは、0.05mmないし0.5mmの範
囲であるのが好ましい。
【0025】光刺戟しうるリン光体スクリーンの調製の
ため、リン光体粒子を、バインダー溶液に十分に分散さ
せ、次に、支持体上に被覆し、そして乾燥する。本リン
光体バインダー層の被覆は、任意の普通の方法に従っ
て、例えば、スプレー、浸漬被覆または、ドクター被覆
によって実施してもよい。被覆後、被覆混合物の溶媒
(複数)は、例えば熱風気流(60℃)中で乾燥して、
蒸発して除去する。
【0026】充填密度を改善しかつ、リン光体−バイン
ダー組合せの脱気を実施するために超音波処理を採用す
ることができる。保護被覆の任意施行の前に、リン光体
−バインダー層はカレンダーかけして、充填密度を改善
してもよい(すなわち、乾いた被覆cm3 当りのリン光
体のグラム数)。
【0027】任意ではあるが、光反射層を、リン光体含
有層と、その支持体の間に設けて、光刺戟により放射さ
れる光の出力を増加させる。このような光−反射層は、
バインダー中に分散された白色顔料粒子、例えば、二酸
化チタン粒子(ルチルまたはアナターゼ及び、米国特許
第3023313号に記載の紫外線反射顔料)を含有し
ていてもよく、あるいは、これは蒸着金属層、例えば、
アルミニウム層でできていてもよく、あるいはこれは米
国特許第4380702号に記載のように、刺戟性放射
線は吸収するがしかし、放射された刺戟光線は反射する
着色顔料層であってもよい。
【0028】X線像を記録しかつ再現するための上記の
方法の一実施態様によれば、X線に像またはパターン通
りに露光されたリン光体−バインダー層の光刺戟は、走
査光線、好ましくは、例えば、633nmで放射するH
e−Neレーザー、514.5nmまたは488nmで
放射するアルゴンイオンレーザーのレーザー光線また
は、波長532nmの周波数倍増Nd:YAGレーザー
光線によって進行する。
【0029】光刺戟によって放射される光は、光エネル
ギーを電気エネルギーに変換する変換器、例えば計数化
しかつ貯蔵できる順次電気信号を提供する光電管(光電
子増倍管)によって検知するのが好ましい。貯蔵後、こ
れらの信号は計数処理を施すことができる。計数処理に
含まれるものには、例えば、像コントラスト強化、空間
周波数強化、像削減、像付加及び特定像部分の輪郭決定
がある。
【0030】記録されたX線像の再現についての一実施
態様によれば、随意に処理された計数信号がアナログ信
号に変換され、これは例えば、音響−光学的変調器によ
って、書込みレーザー光線を変調するのに使用される。
変調されたレーザー光線は、次に、像処理状態において
X線像が随意に、その上に再現されるハロゲン化銀乳剤
膜のような写真材料を走査するのに用いられる。前記実
施態様とこれに用いられている装置に対して、例えば、
定期刊行誌、放射線写真法、1983年9月号、p.8
33〜838が参考になる。
【0031】別の実施態様によれば、光刺戟によって得
られた光に対応する電気信号のアナログ−デジタル変換
で得られたデジタル信号は陰極線管上にデイスプレーさ
れる。デイスプレーの前に、信号はコンピュータで処理
してもよい。従来の像処理技術を適用して、像のノイズ
対信号比を低減させて、放射線写真の粗いまたは繊細な
像の特徴の像質を向上させることができる。
【0032】本発明のリン光体について、それらの光−
物理特性の確認のための測定を実施した。
【0033】先ず、X線を励起してリン光体の発光スペ
クトルを測定した。測定は分光蛍光計で実施するが、こ
れでは、X線照射による励起は、110kVpで操作さ
れるX線源によって実施される。連続的なX線励起の
際、放射光線は光電子倍増管に結合した単色光器によっ
て走査される。この発光スペクトルは、光刺戟において
得られるものと同じであり、かつ、すべての他の各測定
においてどのフィルターを使用すべきかを決定するのに
利用される。最初のフィルターは、光刺戟によって得ら
れた放射光線を伝達するが、しかし、刺戟光線の殆どす
べては濾過して取除く。
【0034】第二の測定では、与えられたX線線量に露
光された際、貯蔵された光刺戟しうる全エネルギーが測
定される。X線励起に先立って、リン光体スクリーンに
なお存在している残留エネルギーは、周波数倍増Nd:
YAGレーザー光線によって照射して除去する。リン光
体スクリーンは、次に、85kVp及び20mAで作動
するX線源で励起される。この目的のため、西独のジー
メンスAGのモノドールX線源を使用した。低エネルギ
ーX線は厚さ21mmのアルミニウムプレートを用いて
濾過して除去し、X線スペクトルを硬化する。X線励起
後、リン光体スクリーンは暗所へ移して、測定の準備を
する。この体制において、レーザー光線を使用して、X
線照射したリン光体スクリーンを光刺戟する。これらの
測定に使用したレーザー光線はアルゴンイオンレーザー
または周波数倍増Nd:YAGレーザー光線(532n
m)またはHe−Neレーザーの633nmレーザー光
線によって放射された488nmまたは514nm光線
であった。
【0035】レーザー光学装置には、電子シャッター、
ビーム拡大器及び2個のフィルターが含まれている。光
電子倍増管(浜松R1398)は光刺戟によって放射さ
れた光を捕集し、かつ、相当する電流を提供する。測定
手順は、HP6944マルチプログラマーに接続された
ヒュレットパッカードHP9826コンピューターによ
って制御される。電流−電圧変換器による増幅の後、テ
クトロニックス7D20デジタルオシロスコープが得ら
れた光電流を可視化する。電子シャッターが開となれ
ば、レーザー光線は、リン光体スクリーンを刺戟し始
め、デジタルオシロスコープは始動される。スクリーン
と接触して配置されたピンホールを用いて、僅か7mm
2 で放射された光線が捕集される。レーザー力の僅か半
分がスクリーン面に到達する。このようにして、刺戟光
線の強度はより均一となる。赤フィルター(3mmショ
ットOG590)がレーザーの直前に配置されていて、
レーザー放射中の弱い紫外線成分を除去する。光刺戟用
に、488nmのアルゴンイオンレーザー光線が使用さ
れた場合はショットGG455とBG39フィルターの
組合わせをレーザーの前に配置して、レーザー放射光線
の弱紫外線成分も赤外線成分も除去した。
【0036】光電子倍増管からの信号振幅は光刺戟光線
の強度ならびに貯蔵された光刺戟しうるエネルギーに比
例する。信号は指数的に減少する。信号曲線が入力され
ると、オシロスコープは第二回目の始動が行われ、一定
であって入力には無関係な、誤差の成分として定義され
る偏差(オフセット)を測定する。この定常偏差を控除
した後、信号が最大値の1/eに達する点を計算する。
この曲線以下の積分を、次に、出発点からこの1/e点
まで計算する。この関数は数学的にf(t)=A.e
-t/ τによって説明される。すなわち、式中、Aは振幅
であり、τは時定数であり、tは刺戟時間であり、そし
て、eは自然対数の底である。
【0037】1/e点に達するのは、貯蔵エネルギーの
63%が解放されたt=τの場合である。前記結果を得
るために、コンピューターは積分値に装置の感度を掛け
る。電子倍増管及び増幅器の感度は、従って、電子倍増
管の陽極−陰極電圧の関数として計算されねばならず、
かつリン光体の発光スペクトルと分離フィルターの透過
スペクトルのたたみ込みを計算しなければならない。放
射光線はあらゆる方向にばらまかれるから、放射光線の
ほんの一部分だけが、光電子倍増管によって検知される
にすぎない。パネルと光電子倍増管の位置では、全発光
の10%が光電子倍増管によって検知されるようにな
る。これらの補正がすべて実施された後は、変換効率値
(C.E.)はpJ/mm3 /mRで求められる。この
値はスクリーンの厚さと共に変動するし、従って、測定
値を比較しうるためには、これらの測定はリン光体被覆
を一定にして実施しなければならない。
【0038】刺戟エネルギーは、貯蔵エネルギーの63
%の解放に必要なエネルギーとして定義され、かつ、μ
J/mm2 で表わされる。
【0039】貯蔵能力の測定に関する第三の測定では、
X線の特定線量で照射した後、サンプルを一定速度で加
熱し、リン光体による発光現象の強度を温度の関数とし
て測定する。
【0040】すべての測定は、10K/minといった
加熱速度で実施した。
【0041】本発明は次の実施例によって例示するが、
この際、図1ないし図5を参考とする。
【0042】図1は、実施例2(本発明例)に記載のリ
ン光体の「迅速」発光スペクトルを示す。
【0043】図2は、実施例1(比較例)の、先行技術
のリン光体で測定した熱発光現象に関する線図を示す
(グロー曲線)が、この際、リン光体はEuだけでドー
プされている。
【0044】図3〜図5は、実施例2〜4の発明のリン
光体で測定した熱発光現象に関する線図(グロー曲線)
を示すが、実施例2のリン光体はLa3+で、共ドーピン
グを施されており、実施例3のリン光体は、Y3+で、共
ドープされており、そして、実施例4のリン光体は、L
3+で、共ドープされている。これらの線図において、
熱的に刺戟された蛍光放射の発光の相対的強度(R.
L.)は温度(℃)との関係でプロットされている。
【0045】実施例 1(比較例) BaCO3 ,(NH42 HPO4 及びEu23 の混
合物原料は、BaCO3 に対する(NH42 HPO4
のモル比を1対1.05とし、焼成中に(NH42
PO4 の部分的蒸発を補償するようにして調製した。E
uの分子濃度(原子分率値)はBaに対する%で表示し
たが、0.1%であった。
【0046】混合と焼成 上記成分の混合はボールミル中で実施した。得られた粉
体混合物を、アルミナ坩堝にいれて窯に入れかつ、最初
の焼成では500℃に16時間保持した。粉体は、粉砕
した後、6時間800℃で再焼成した。両焼成とも窒素
雰囲気中で実施した。最後の焼成をN2 95容量%、H
2 5容量%の雰囲気中で、900℃で、20時間実施し
た。冷却したサンプルは乳鉢内ですりつぶした。
【0047】得られたサンプルから、グロー曲線を作成
しかつ、相対的発光強度を摂氏で表示した温度(℃)に
対してプロットした。このグロー曲線を図2に示す。
【0048】変換効率の測定のために、リン光体を、酢
酸エチルに溶解したアクリル酸ポリエチルを含むバイン
ダー溶液に先ず分散させた。得られた分散液を、テレフ
タル酸ポリエチレンの厚さ100μmの透明なシート上
に被覆して被覆重量を500g/m2 とした。次にこの
スクリーンを、リン光体のエネルギー貯蔵特性を測定す
るのに使用した。周波数倍増Nd:YAGレーザー光線
(532nm)に露光して一切の残留貯蔵エネルギーを
払拭した後、スクリーンを与えられたX線線量で照射
し、次に、アルゴンイオンレーザーの488nmまたは
514nm光線、周波数倍増Nd:YAGレーザーの5
32nm光線または、He−Neレーザーの633nm
光線で刺戟した。
【0049】放射強度は余りにも低くて、前に記述した
実験装置では測定できなかった。
【0050】実施例 2〜6(本発明例) 実施例1(比較例)に記述のようにして調製した混合物
原料に、Ba−濃度に対して0.1モル%のLaをLa
23 の形で添加して実施例2(本発明例)の材料を調
製し、Ba−濃度に対して0.1モル%のYをY23
の形で添加して、実施例3(本発明例)の材料を調製
し、Ba−濃度に対して0.1モル%のLuをLu2
3 の形で添加して実施例4(本発明例)の材料を調製
し、Ba−濃度に対して0.1モル%のGdをGd2
3 の形で添加して実施例5(本発明例)の材料を調製
し、かつ、Ba−濃度に対して0.1モル%のZrをZ
rO2 の形で添加して、実施例6(本発明例)の材料を
調製した。前記サンプルの焼成は実施例1(比較例)に
記述のように実施した。
【0051】冷却して粉砕したサンプルのグロー曲線と
変換効率の測定方法は実施例1(比較例)と同じであっ
た。
【0052】特に、約60℃における熱刺戟時の放射強
度は、ユーロピウムで単独ドーピングを施した先行技術
のリン光体の場合よりも、それぞれ、ランタン、イット
リウム、ルテチウム、ガドリニウムまたはジルコニウム
で共ドーピングを施した本発明のリン光体の場合の方が
高い。低温ピーク(約60℃での)は先行技術のリン光
体には殆ど存在しない。熱発光現象の強度は貯蔵能力に
正比例するから、本発明によるリン光体の改良は明らか
に実証されている。
【0053】実施例2〜6(本発明例)により調製され
かつ、それぞれ、波長が488,514,532及び6
33nmの光線で光刺戟された前記リン光体の、pJ/
mm3 /mRで表示した変換効率(C.E.)を下表に
示す。
【0054】 表 実施例 C.E.(488nm) C.E.(514nm) C.E.(532nm) C.E.(633nm) 2 5.5 5.1 5.4 8.2 3 2.5 2.9 2.3 3.5 4 0.13 0.13 0.19 0.06 5 7.63 − − 0.01 6 4.71 − − 0.00
【0055】前記表のC.E.データと使用した共ドー
プ剤の種類から結論できることだが、共ドープしたリン
光体の変換効率は、3価の共ドープ剤カチオンの大きさ
に逆比例する。
【0056】最小のカチオン(Lu3+)の場合、最小の
C.E.値が得られるが、しかし、これはEu2+で単独
ドープしたリン光体材料のC.E.よりも尚、大きさが
数位大きいことが判明している。このことは図2ないし
図5に示すグロー曲線によって例証された熱発光現象と
一致しているが、この際、図2は、Eu2+で単独ドープ
したリン光体材料のグロー曲線を示し、かつ、図3〜図
5は、それぞれ、La3+,Y3+またはLu3+で共ドープ
した本発明のリン光体のグロー曲線を示す。
【0057】共ドープ剤、Gd3+及びZr4+は、488
nmのアルゴンイオンレーザー光線によって素晴らしい
光刺戟能力を提供するが、しかし、633nmのHe−
Neレーザー光線による刺戟能力効率ははるかに低い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のリン光体のX線照射により発生した蛍
光の「迅速」発行スペクトル図。
【図2】Eu2+ドープしたリン光体材料のグロー曲線。
【図3】La3+ドープしたリン光体材料のグロー曲線。
【図4】Y3+ドープしたリン光体材料のグロー曲線。
【図5】Lu3+ドープしたリン光体材料のグロー曲線。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ヴィレム・シッパー オランダ国3515 エックスビー、ユトレヒ ト、ジェイ・ヴイ・デイ、ボルシュストラ ート 39 (72)発明者 ジョルジュ・ブラス オランダ国3731 エルエイチ、デ、ビル ト、ティンベルジャンヴェク 76

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式(I) の範囲内の光刺戟しうる貯蔵
    リン光体、 M3 (PO42 :xEu2+,yT3+,zZr4+ (I) 式中、Mは、Ca,Sr及びBaからなる群から選択し
    たアルカリ土類金属の少なくとも一つであり、xは、原
    子分率値5×10-5≦x≦10-1に一致し、yは、原子
    分率値0≦y≦10-1に一致し、T3+は、La3+,Lu
    3+ ,Y3+及びGd3+からなる群から選択した少なくとも
    1要素であり、zは、原子分率値0≦z≦10-1に一致
    し、かつ5×10-5≦z+y≦10-1である。
  2. 【請求項2】 MがBa及び/又はSrを表わし、xは
    原子分率値10-4≦x≦10-1に一致し、yは、原子分
    率値10-4≦y≦10-1に一致し、かつ、T3+は、La
    3+またはGd3+であり、zは原子分率値10-4≦z≦1
    -1に一致することを特徴とする請求項1記載の光刺戟
    しうる貯蔵リン光体。
  3. 【請求項3】 当該リン光体が、下記式(I) M3 (PO42 :xEu2+,yT3+,zZr4+ (I) の範囲内にあり、式中、Mは、Ca,Sr及びBaから
    なる群から選択したアルカリ土類金属の少なくとも一つ
    であり、xは、原子分率値5×10-5≦x≦10-1に一
    致し、yは、原子分率値0≦y≦10-1に一致し、T3+
    は、La3+,Lu3+ ,Y3+及びGd3+からなる群から選
    択した少なくとも1要素であり、zは、原子分率値0≦
    z≦10-1に一致し、かつ5×10-5≦z+y≦10-1
    であることを特徴とする(一つの)有機質被膜を形成す
    る重合体(複数)中に分散された状態の光刺戟しうるリ
    ン光体を含む放射線像貯蔵パネル。
  4. 【請求項4】 MがBa及び/又はSrで、xが、原子
    分率値10-4≦x≦10-1に一致し、yが、原子分率値
    10-4≦y≦10-1に一致し、T3+が、La3+またはG
    3+であり、かつzが、原子分率値10-4≦z≦10-1
    に一致することを特徴とする請求項3記載の放射線像貯
    蔵パネル。
  5. 【請求項5】 リン光体が支持体シート上に被覆率とし
    て300ないし1500g/m2 の範囲に存在している
    ことを特徴とする請求項3記載の放射線像貯蔵パネル。
  6. 【請求項6】 該方法に下記の各工程、すなわち、 (1) 光刺戟しうるリン光体に、像または、パターンで変
    調されたX線を吸収させる、 (2) 可視光線及び赤外線から選択した刺戟性電磁放射線
    によって、前記リン光体を光刺戟して、吸収されたX線
    に従って、光刺戟において使用した放射線とは、波長特
    性が異なる電磁放射線をリン光体から解放し、かつ、 (3) 光刺戟によって放射された前記電磁放射線を検知す
    るを含み、X線像を記録しかつ、再現させるための方法
    において、前記リン光体が、下記式(I) 、すなわち M3 (PO42 :xEu2+,yT3+,zZr4+ (I) の範囲内にあり、式中、Mは、Ca,Sr及びBaから
    なる群から選択したアルカリ土類金属の少なくとも一つ
    であり、xは、原子分率値5×10-5≦x≦10-1に一
    致し、yは、原子分率値0≦y≦10-1に一致し、かつ
    3+は、La3+,Lu3+ ,Y3+及びGd3+からなる群か
    ら選んだ少なくとも1要素であり、zは、原子分率値0
    ≦z≦10-1に一致し、かつ5×10-5≦z+y≦10
    -1であることを特徴とする方法。
  7. 【請求項7】 前記式(I) において、MがBa及び/又
    はSrを表わし、xが、原子分率値10-4≦x≦10-1
    に一致し、yが、原子分率値10-4≦y≦10-1に一致
    し、かつT3+が、La3+またはGd3+であり、かつ、z
    が、原子分率値10-4≦z≦10-1に一致することを特
    徴とする請求項6記載の方法。
  8. 【請求項8】 光刺戟が、He−Neレーザーの633
    nm光線または、アルゴンイオンレーザーの488ない
    し514nm光線、または周波数倍増Nd:YAGレー
    ザーの532光線によって進行することを特徴とする請
    求項6記載の方法。
JP5164197A 1992-06-10 1993-06-08 光刺戟しうる貯蔵リン光体ならびに放射線写真法におけるその利用 Pending JPH0673372A (ja)

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