JPH0674620B2 - 鋼管で被覆拘束された鉄筋コンクリート柱 - Google Patents
鋼管で被覆拘束された鉄筋コンクリート柱Info
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- JPH0674620B2 JPH0674620B2 JP63100925A JP10092588A JPH0674620B2 JP H0674620 B2 JPH0674620 B2 JP H0674620B2 JP 63100925 A JP63100925 A JP 63100925A JP 10092588 A JP10092588 A JP 10092588A JP H0674620 B2 JPH0674620 B2 JP H0674620B2
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Description
【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、鉄筋コンクリート造の建築構造物における
柱、特に鋼管で被覆拘束された鉄筋コンクリート柱に関
する。
柱、特に鋼管で被覆拘束された鉄筋コンクリート柱に関
する。
従来の技術と発明の課題 従来、鉄筋コンクリート造の柱における最も一般的な配
筋は、主筋を平行状に配置し、それをとり囲む形に所定
間隔置きに閉鎖形のフープ筋等のせん断補強筋を設けて
いる。
筋は、主筋を平行状に配置し、それをとり囲む形に所定
間隔置きに閉鎖形のフープ筋等のせん断補強筋を設けて
いる。
ところで、特に高層、超高層の鉄筋コンクリート建造物
においてその柱は、常時高軸力が載荷された状態におい
て、繰返し、曲げ、せん断力等の外力作用を受けること
を予想しなければならない。この外力の大きさが柱の弾
性限度の領域内であれば、柱は弾性変形し、しかる後外
力がなくなれば元の状態に復元するが、外力が弾性限界
の範囲を超えて負荷されると、柱は塑性変形し、もはや
元の状態に自己復元せず、さらに大きな外力が加えられ
ると急激な強度劣化を起こし、脆性的な破壊を起して支
承構造物としての機能を失う。このため、建築物の安全
性を確保するために、柱は塑性変形能力において可及的
大きく、粘り強さ、靭性に優れているものであることが
強く求められる。殊に近時、建築物設計上の基本的な考
え方としては、柱の変形が塑性領域に及ぶことを許容し
た上で、該柱に十分な変形能力、即ち粘りまたは靭性を
もたせることにより、大地震時において少なくとも建物
の壊滅的な崩壊を防止し、もって人の安全だけはこれを
最優先に確保するという考え方が一般的なものとなって
きている。
においてその柱は、常時高軸力が載荷された状態におい
て、繰返し、曲げ、せん断力等の外力作用を受けること
を予想しなければならない。この外力の大きさが柱の弾
性限度の領域内であれば、柱は弾性変形し、しかる後外
力がなくなれば元の状態に復元するが、外力が弾性限界
の範囲を超えて負荷されると、柱は塑性変形し、もはや
元の状態に自己復元せず、さらに大きな外力が加えられ
ると急激な強度劣化を起こし、脆性的な破壊を起して支
承構造物としての機能を失う。このため、建築物の安全
性を確保するために、柱は塑性変形能力において可及的
大きく、粘り強さ、靭性に優れているものであることが
強く求められる。殊に近時、建築物設計上の基本的な考
え方としては、柱の変形が塑性領域に及ぶことを許容し
た上で、該柱に十分な変形能力、即ち粘りまたは靭性を
もたせることにより、大地震時において少なくとも建物
の壊滅的な崩壊を防止し、もって人の安全だけはこれを
最優先に確保するという考え方が一般的なものとなって
きている。
このような新しい耐震設計上の考え方に基づき、前記の
ような従来の一般的な配筋構成の柱においても、せん断
補強筋量を増加させて、せん断耐力の向上をはかること
が試みられており、ある程度の成果を上げ得ているが、
もとよりその限界値は比較的低く、十分な満足が得られ
るものではなかった。
ような従来の一般的な配筋構成の柱においても、せん断
補強筋量を増加させて、せん断耐力の向上をはかること
が試みられており、ある程度の成果を上げ得ているが、
もとよりその限界値は比較的低く、十分な満足が得られ
るものではなかった。
これに対し、近時開発された技術として、鉄筋コンクリ
ート柱の耐震性を向上するため、特にその脆性的な破壊
を防止して十分な強度と靭性が確保できるようにするた
め、主筋を柱の長さ方向において交叉形に配置する所謂
X形配筋法による方法が提案されている。このX形配筋
法は、これによって柱に加わる軸力支承と同時に、せん
断力を分散する機能を果し、耐震性能を飛躍的に向上せ
しめることに成功している。しかしながら、このX形配
筋も、作用軸力がある限界をこえて高軸力になると、X
形主筋に沿ったコンクリートの破壊が起こり、粘りない
し靭性の急激な低下による脆性的破壊を起こすことが報
告されている。
ート柱の耐震性を向上するため、特にその脆性的な破壊
を防止して十分な強度と靭性が確保できるようにするた
め、主筋を柱の長さ方向において交叉形に配置する所謂
X形配筋法による方法が提案されている。このX形配筋
法は、これによって柱に加わる軸力支承と同時に、せん
断力を分散する機能を果し、耐震性能を飛躍的に向上せ
しめることに成功している。しかしながら、このX形配
筋も、作用軸力がある限界をこえて高軸力になると、X
形主筋に沿ったコンクリートの破壊が起こり、粘りない
し靭性の急激な低下による脆性的破壊を起こすことが報
告されている。
一方、コンクリート柱の他の強度改善手段として、鋼管
被覆構法と呼ばれる方法も開発されている(例えば特開
昭61−126259号)。即ち、これは、上記脆性破壊が、柱
の主筋のかぶりコンクリートの剥落、柱内部の破砕され
たコンクリートの外部へのはらみ出しにより、柱が軸力
支承能力を失うことによるものである点に着目し、柱の
外周面を鋼管で被覆拘束して上記現象の発生を防止する
ことにより、大きな変形時においても柱形状を保ち、軸
力を支えることを可能にすることを意図したものであ
る。この鋼管被覆構法は、実験的に軸荷耐力の向上の有
効性が確認されているものゝ、繰返し曲げ、せん断力に
対しての耐力を含めた総合的な強度特性の向上効果につ
いては未だ不安を残すものであった。
被覆構法と呼ばれる方法も開発されている(例えば特開
昭61−126259号)。即ち、これは、上記脆性破壊が、柱
の主筋のかぶりコンクリートの剥落、柱内部の破砕され
たコンクリートの外部へのはらみ出しにより、柱が軸力
支承能力を失うことによるものである点に着目し、柱の
外周面を鋼管で被覆拘束して上記現象の発生を防止する
ことにより、大きな変形時においても柱形状を保ち、軸
力を支えることを可能にすることを意図したものであ
る。この鋼管被覆構法は、実験的に軸荷耐力の向上の有
効性が確認されているものゝ、繰返し曲げ、せん断力に
対しての耐力を含めた総合的な強度特性の向上効果につ
いては未だ不安を残すものであった。
本発明は、上記のような従来技術の背景のもとにおい
て、柔構造による新耐震設計法に適った大きな塑性変形
領域をもち、従って、粘り強さないし靭性に優れた特性
を有しつゝ、軸荷耐力にも優れた鉄筋コンクリート柱の
提供を目的としてなされたものである。
て、柔構造による新耐震設計法に適った大きな塑性変形
領域をもち、従って、粘り強さないし靭性に優れた特性
を有しつゝ、軸荷耐力にも優れた鉄筋コンクリート柱の
提供を目的としてなされたものである。
課題を解決するための手段 そして、本発明は、かゝる目的のもと、柱のせん断耐力
を増大する主筋のX形配筋構成と、コンクリートのせん
断破壊を拘束する鋼管被覆法とを組合わせたものとする
ことに着目し、種々実験と研究の結果、上記組合わせに
より効果面においても相乗的効果が実現されることを見
出すに至り、これを完成し得たものである。
を増大する主筋のX形配筋構成と、コンクリートのせん
断破壊を拘束する鋼管被覆法とを組合わせたものとする
ことに着目し、種々実験と研究の結果、上記組合わせに
より効果面においても相乗的効果が実現されることを見
出すに至り、これを完成し得たものである。
即ち、本発明は、鉄筋コンクリート造による柱主体内の
配筋構成において全主筋中の少なくとも一部に高さ方向
に斜行して中間部で交叉したX形主筋を包含すると共
に、前記柱主体の外周面に該柱本体を拘束する状態にそ
の高さ方向の略全長に亘って被覆鋼管が被覆され、しか
も該被覆鋼管は、柱頭柱脚の柱梁仕口部分において梁側
コンクリートと絶縁されて、該被覆鋼管に軸方向力等を
負担させないものとなされていることを特徴とする鋼管
被覆鉄筋コンクリート複合柱を要旨とするものである。
配筋構成において全主筋中の少なくとも一部に高さ方向
に斜行して中間部で交叉したX形主筋を包含すると共
に、前記柱主体の外周面に該柱本体を拘束する状態にそ
の高さ方向の略全長に亘って被覆鋼管が被覆され、しか
も該被覆鋼管は、柱頭柱脚の柱梁仕口部分において梁側
コンクリートと絶縁されて、該被覆鋼管に軸方向力等を
負担させないものとなされていることを特徴とする鋼管
被覆鉄筋コンクリート複合柱を要旨とするものである。
全主筋のうち、X形配筋構成をとるものは、その一部で
あっても、それに見合う効果を達成できる。従って、X
形主筋比β を考えた場合、この発明はβ>0をその範囲とし、設計
に応じて適宜その値を選定するものとするが、一般的に
所期効果を遺憾なく有効に実現するためにはβ=0.5以
上、即ちβ<0.5に設定することが望ましく、設計によ
っては全主筋をX形配筋とするβ=1に設定することが
推奨される。
あっても、それに見合う効果を達成できる。従って、X
形主筋比β を考えた場合、この発明はβ>0をその範囲とし、設計
に応じて適宜その値を選定するものとするが、一般的に
所期効果を遺憾なく有効に実現するためにはβ=0.5以
上、即ちβ<0.5に設定することが望ましく、設計によ
っては全主筋をX形配筋とするβ=1に設定することが
推奨される。
X形主筋の配筋方向は、柱の断面に対して左右方向また
は前後方向の1方向であっても良いし、両方向に混淆し
た2方向であっても良い。
は前後方向の1方向であっても良いし、両方向に混淆し
た2方向であっても良い。
被覆鋼管の厚さは、後述の実験例では、市販の材料のう
ち厚さの最も薄い4.5mmの厚さのものを使用した例を示
したが、また後述のように被覆鋼管はコンクリートに対
する拘束力を受け持ち、その反作用としてのリングテン
ションのみを受けさせるものとすれば良いことから、そ
の厚さは、運搬、設置等の作業上支障のない範囲内で薄
いもので足りる。種々の実験結果に鑑み、被覆鋼管の厚
さは、1.0mm以上程度であれば所期作用効果の達成の点
で必要かつ十分であり、実用的には2〜5mm程度が好ま
しいものと考えられるが、少なくとも過度に厚すぎる
と、例えば10mmをこえるような厚さのものは重量、コス
ト等の面での不利益の方が大きいものとなり好ましくな
い。
ち厚さの最も薄い4.5mmの厚さのものを使用した例を示
したが、また後述のように被覆鋼管はコンクリートに対
する拘束力を受け持ち、その反作用としてのリングテン
ションのみを受けさせるものとすれば良いことから、そ
の厚さは、運搬、設置等の作業上支障のない範囲内で薄
いもので足りる。種々の実験結果に鑑み、被覆鋼管の厚
さは、1.0mm以上程度であれば所期作用効果の達成の点
で必要かつ十分であり、実用的には2〜5mm程度が好ま
しいものと考えられるが、少なくとも過度に厚すぎる
と、例えば10mmをこえるような厚さのものは重量、コス
ト等の面での不利益の方が大きいものとなり好ましくな
い。
また、この発明に係る鋼管被覆鉄筋コンクリート複合柱
の構築は、所定の主筋配筋を施し、かつ鋼管を配設し
て、該鋼管内にコンクリート打設を行うことによって築
造するものである。この場合、配筋及び鋼管配備は、こ
れを現場で行うものとしても良いし、予め鋼管と配筋と
を組合わせた鋼管及び配筋先組み構体を製作し、これを
現場に搬入設置してコンクリート打設を行うものとして
も良い。いずれにしても、この発明においては鋼管が型
枠の役目を兼ね、別途の型枠を不要としうるものであ
る。現場において配筋後被覆鋼管を設置する場合、それ
が単体物である場合には作業が非常に困難である。従っ
て、かゝる場合は、被覆鋼管を予め分割形のものとして
製作しておき、これを現場で相互に連結して所定の管状
一体化物に組立てるものとすることが望ましい。この場
合、この分割方向は所謂縦割り、即ち軸線方向の分割線
に沿って周方向に複数個の分割鋼管部材に分割し、相互
の側縁の接合用フランジ部をボルト・ナット等の締結部
材で締結して組立てるものとするのが有利である。
の構築は、所定の主筋配筋を施し、かつ鋼管を配設し
て、該鋼管内にコンクリート打設を行うことによって築
造するものである。この場合、配筋及び鋼管配備は、こ
れを現場で行うものとしても良いし、予め鋼管と配筋と
を組合わせた鋼管及び配筋先組み構体を製作し、これを
現場に搬入設置してコンクリート打設を行うものとして
も良い。いずれにしても、この発明においては鋼管が型
枠の役目を兼ね、別途の型枠を不要としうるものであ
る。現場において配筋後被覆鋼管を設置する場合、それ
が単体物である場合には作業が非常に困難である。従っ
て、かゝる場合は、被覆鋼管を予め分割形のものとして
製作しておき、これを現場で相互に連結して所定の管状
一体化物に組立てるものとすることが望ましい。この場
合、この分割方向は所謂縦割り、即ち軸線方向の分割線
に沿って周方向に複数個の分割鋼管部材に分割し、相互
の側縁の接合用フランジ部をボルト・ナット等の締結部
材で締結して組立てるものとするのが有利である。
被覆鋼管の外面は、一般の建築物においてそれがそのま
ゝ露出していることは好ましくない。それ故、被覆鋼管
の外面には、それ自体に予め耐火材からなる被覆層を形
成したものとすることが推奨される。かゝる耐火材被覆
層は、もちろん鉄筋コンクリート柱の築造後の左官工事
において被覆形成するものとしても良い。
ゝ露出していることは好ましくない。それ故、被覆鋼管
の外面には、それ自体に予め耐火材からなる被覆層を形
成したものとすることが推奨される。かゝる耐火材被覆
層は、もちろん鉄筋コンクリート柱の築造後の左官工事
において被覆形成するものとしても良い。
また、この発明に係る複合柱は、それにかゝる圧縮力す
なわち軸方向力等を鋼管に負担せしめないものとするこ
と、従ってコンクリートを拘束する目的のみに機能させ
るものとすることを必要とする。即ち、柱に加わる軸方
向の圧縮力によって鋼管とコンクリートが一体となって
挙動するものとする場合には、鋼管の局部座屈によって
そのコンクリートに対するコンファインド効果が減殺さ
れ、該鋼管によるコンクリートの耐圧縮力を増大する効
果が十分実現できなくなってしまう。従って、軸方向の
圧縮力はコンクリート柱本体のみに働かせるものとし、
鋼管には圧縮力を作用せしめないものとしてコンファイ
ンド効果を与える反作用としてのリングテンションのみ
を受けさせるものとするものである。このように、鋼管
に軸方向の圧縮力を作用せしめないものとするために、
柱頭柱脚の柱梁仕口部分において梁側のコンクリートと
絶縁せしめたものとする。このための手段としては、鋼
管の長さをコンクリート柱本体の長さよりも僅かに小な
るものとし、柱の上下少なくとも一端部において鋼管に
よる非被覆部分を残すものとする方法、即ち、鋼管の上
下端と梁または床スラブとの間に僅かの間隔を存置せし
めたものとする方法の採用が推奨される。また特開昭61
−204455号のようにコンクリートと鋼管とをアンボンド
状態に相接せしめて両者が一体挙動をしないように物理
的に絶縁したものとする方法等も有益に併用しうる。
なわち軸方向力等を鋼管に負担せしめないものとするこ
と、従ってコンクリートを拘束する目的のみに機能させ
るものとすることを必要とする。即ち、柱に加わる軸方
向の圧縮力によって鋼管とコンクリートが一体となって
挙動するものとする場合には、鋼管の局部座屈によって
そのコンクリートに対するコンファインド効果が減殺さ
れ、該鋼管によるコンクリートの耐圧縮力を増大する効
果が十分実現できなくなってしまう。従って、軸方向の
圧縮力はコンクリート柱本体のみに働かせるものとし、
鋼管には圧縮力を作用せしめないものとしてコンファイ
ンド効果を与える反作用としてのリングテンションのみ
を受けさせるものとするものである。このように、鋼管
に軸方向の圧縮力を作用せしめないものとするために、
柱頭柱脚の柱梁仕口部分において梁側のコンクリートと
絶縁せしめたものとする。このための手段としては、鋼
管の長さをコンクリート柱本体の長さよりも僅かに小な
るものとし、柱の上下少なくとも一端部において鋼管に
よる非被覆部分を残すものとする方法、即ち、鋼管の上
下端と梁または床スラブとの間に僅かの間隔を存置せし
めたものとする方法の採用が推奨される。また特開昭61
−204455号のようにコンクリートと鋼管とをアンボンド
状態に相接せしめて両者が一体挙動をしないように物理
的に絶縁したものとする方法等も有益に併用しうる。
実施例 次に、この発明の実施例を添附図面について説明する。
第1図及び第2図はこの発明に係る鋼管被覆鉄筋コンク
リート複合柱の構造を示す。
リート複合柱の構造を示す。
図中(1)はこの発明による鋼管被覆鉄筋コンクリート
複合柱であって、内部に主筋(4)を配したコンクリー
ト柱本体(2)と、その外周面を拘束状態に被覆した鋼
管(3)とよりなる。
複合柱であって、内部に主筋(4)を配したコンクリー
ト柱本体(2)と、その外周面を拘束状態に被覆した鋼
管(3)とよりなる。
鋼管(3)は、角形鋼管からなるもので、その上下端は
上方梁(5)下面及び下端の床スラブ(6)上面との間
に5〜10mm程度の僅かの間隙(S)を存置したものとな
されている。即ち、鋼管(3)はコンクリート柱本体
(2)よりも長さにおいて僅かに短いものが用いられ、
柱本体(2)上下端の一部に鋼管非被覆部分(7)を残
存せしめたものとなされている。従って、柱(1)に加
わる圧縮力すなわち軸力は、コンクリート柱本体(2)
の断面のみに作用し、被覆鋼管(3)には直接作用しな
いものとなされている。
上方梁(5)下面及び下端の床スラブ(6)上面との間
に5〜10mm程度の僅かの間隙(S)を存置したものとな
されている。即ち、鋼管(3)はコンクリート柱本体
(2)よりも長さにおいて僅かに短いものが用いられ、
柱本体(2)上下端の一部に鋼管非被覆部分(7)を残
存せしめたものとなされている。従って、柱(1)に加
わる圧縮力すなわち軸力は、コンクリート柱本体(2)
の断面のみに作用し、被覆鋼管(3)には直接作用しな
いものとなされている。
主筋(4)はいうまでもなく鉄筋が用いられるものであ
る。該主筋(4)の配筋構成は、所謂X形配筋によるも
のとなされている。即ち、主筋(4)のすべてが、柱本
体(2)の全長領域において長さ方向に対角方向に傾斜
し、中間部でX字状に交叉した配筋構成によるものとな
されている。従って、この主筋配筋部においては、平行
形配筋の場合に用いられるフープ筋等のせん断補強筋を
有しないものとなされ、鉄筋材料の節減をはかりつゝ、
上記X形配筋によって柱(1)のせん断耐力を増大し得
るものとしている。
る。該主筋(4)の配筋構成は、所謂X形配筋によるも
のとなされている。即ち、主筋(4)のすべてが、柱本
体(2)の全長領域において長さ方向に対角方向に傾斜
し、中間部でX字状に交叉した配筋構成によるものとな
されている。従って、この主筋配筋部においては、平行
形配筋の場合に用いられるフープ筋等のせん断補強筋を
有しないものとなされ、鉄筋材料の節減をはかりつゝ、
上記X形配筋によって柱(1)のせん断耐力を増大し得
るものとしている。
上記複合柱(1)の製作築造は、予め内部に主筋(4)
の配筋を施した鋼管(3)内に、コンクリートを注入充
填することによって行われる。こゝに、鋼管(3)及び
主筋(4)は、それらを現場に配筋組立てしたのち、コ
ンクリートの打設を行うものとしても良いし、あるいは
現場工事の簡素化による工期の短縮、人的労働力の節減
をはかる目的において、第3図に示すように鋼管(3)
内に予め主筋(4)を配設して仮組状態に組立てた配筋
先組構体(8)を工場で製作し、これを現場に搬入設置
してコンクリートの打設を行ういわばプレファブ化構法
によるものとしても良い。
の配筋を施した鋼管(3)内に、コンクリートを注入充
填することによって行われる。こゝに、鋼管(3)及び
主筋(4)は、それらを現場に配筋組立てしたのち、コ
ンクリートの打設を行うものとしても良いし、あるいは
現場工事の簡素化による工期の短縮、人的労働力の節減
をはかる目的において、第3図に示すように鋼管(3)
内に予め主筋(4)を配設して仮組状態に組立てた配筋
先組構体(8)を工場で製作し、これを現場に搬入設置
してコンクリートの打設を行ういわばプレファブ化構法
によるものとしても良い。
後者のプレファブ化構法による場合、それに用いる配筋
先組構体(8)は第3図及び第4図に一例が示されるよ
うに、所定の被覆鋼管(3)内に、配筋止め金具(9)
を介して主筋(4)を所定のX形配筋状態に止着して組
立てられたもので、必要に応じて各主筋(4)に、外部
の主筋との接続緊締のためにロックナット継手等の主筋
継手が付設装備される。配管止め金具(9)は、配筋先
組構体(8)の組立てのために鋼管(3)と主筋(4)
とを締結し、かつ鋼管内面と主筋(4)との間に所定の
間隔を存置して所定厚みのコンクリートのかぶりを得る
ためのスペーサとしての役目を果しうるものでなければ
ならないが、一方、コンクリートを打設したのちは前述
したような要請から鋼管(3)に対する主筋(4)の一
体的な結合を解いて、柱本体(2)と鋼管(3)とを絶
縁し、柱本体(2)の軸力、圧縮力に対する挙動を鋼管
(3)に及ぼしめないものとすることが望まれる。この
ような要請に基づき、配筋止め金具(9)は、第5図及
び第6図に示すように、主筋(4)を貫通的に保持する
リング体(10)の外周面の一部に短筒状の雌ねじ部(1
1)を形成し、該雌ねじ部(11)に鋼管(3)の外部か
ら締着用ボルト(12)を螺合して上記主筋(4)を鋼管
(3)の内面側に所定の離間状態に定着保持せしめうる
ものを用いるのが有利である。そして、現場において上
記鋼管(3)内にコンクリートの打設を行ったのちは、
望ましくはそれが十分に硬化されるまでに、第7図に示
すように上記締着用ボルト(12)を脱外除去し、主筋
(4)と鋼管(3)との一体的な結合関係を解くものと
することが望ましい。
先組構体(8)は第3図及び第4図に一例が示されるよ
うに、所定の被覆鋼管(3)内に、配筋止め金具(9)
を介して主筋(4)を所定のX形配筋状態に止着して組
立てられたもので、必要に応じて各主筋(4)に、外部
の主筋との接続緊締のためにロックナット継手等の主筋
継手が付設装備される。配管止め金具(9)は、配筋先
組構体(8)の組立てのために鋼管(3)と主筋(4)
とを締結し、かつ鋼管内面と主筋(4)との間に所定の
間隔を存置して所定厚みのコンクリートのかぶりを得る
ためのスペーサとしての役目を果しうるものでなければ
ならないが、一方、コンクリートを打設したのちは前述
したような要請から鋼管(3)に対する主筋(4)の一
体的な結合を解いて、柱本体(2)と鋼管(3)とを絶
縁し、柱本体(2)の軸力、圧縮力に対する挙動を鋼管
(3)に及ぼしめないものとすることが望まれる。この
ような要請に基づき、配筋止め金具(9)は、第5図及
び第6図に示すように、主筋(4)を貫通的に保持する
リング体(10)の外周面の一部に短筒状の雌ねじ部(1
1)を形成し、該雌ねじ部(11)に鋼管(3)の外部か
ら締着用ボルト(12)を螺合して上記主筋(4)を鋼管
(3)の内面側に所定の離間状態に定着保持せしめうる
ものを用いるのが有利である。そして、現場において上
記鋼管(3)内にコンクリートの打設を行ったのちは、
望ましくはそれが十分に硬化されるまでに、第7図に示
すように上記締着用ボルト(12)を脱外除去し、主筋
(4)と鋼管(3)との一体的な結合関係を解くものと
することが望ましい。
また、前記前者の現場組立てによる場合、配筋組立後の
被覆鋼管(3)の設置作業の容易化するため、該鋼管
(3)は分割形のものとして製作することが望ましい。
この分割形被覆鋼管(3′)(3″)は、例えば第8図
及び第9図に2つの具体例を示すように、角形鋼管の各
平面部の中央部または角部において軸線方向に沿って複
数個の分割鋼管部材(3a)(3a)…または(3b)(3b)
…に分割し、それらの側縁に外方に曲折突設した接合用
フランジ部(13)(13)を締結用ボルト・ナット(14)
で締結一体化することにより、所定の角管状に組立てる
ものとすることが望ましい。これらの図示例ではいずれ
も4分割に構成したものを示したが、もちろん2分割あ
るいは必要に応じて5分割以上とすることも許容される
ものである。
被覆鋼管(3)の設置作業の容易化するため、該鋼管
(3)は分割形のものとして製作することが望ましい。
この分割形被覆鋼管(3′)(3″)は、例えば第8図
及び第9図に2つの具体例を示すように、角形鋼管の各
平面部の中央部または角部において軸線方向に沿って複
数個の分割鋼管部材(3a)(3a)…または(3b)(3b)
…に分割し、それらの側縁に外方に曲折突設した接合用
フランジ部(13)(13)を締結用ボルト・ナット(14)
で締結一体化することにより、所定の角管状に組立てる
ものとすることが望ましい。これらの図示例ではいずれ
も4分割に構成したものを示したが、もちろん2分割あ
るいは必要に応じて5分割以上とすることも許容される
ものである。
被覆鋼管(3′)(3″)の外面には、これに所要厚さ
の耐火材被覆層(15)が被覆形成されている。該被覆層
(15)は、例えばガラスウール、ロックウール等を主材
とする耐火性舗設材からなるもので、分割鋼管部材(3
a)(3b)の外面には、接合用フランジ(13)部分を避
けて予め被覆形成され、該部材の接合部上においては接
合後において接合部を覆う状態同様の材料により爾後に
補填部(15a)として被覆形成されるものである。
の耐火材被覆層(15)が被覆形成されている。該被覆層
(15)は、例えばガラスウール、ロックウール等を主材
とする耐火性舗設材からなるもので、分割鋼管部材(3
a)(3b)の外面には、接合用フランジ(13)部分を避
けて予め被覆形成され、該部材の接合部上においては接
合後において接合部を覆う状態同様の材料により爾後に
補填部(15a)として被覆形成されるものである。
この発明の適用による上記実施例のような鋼管被覆鉄筋
コンクリート複合柱(1)は、柱本体(2)内の主筋
(4)のX形配筋構成により、それ自体が高耐せん断力
を保有するものとなるのに加えて、被覆鋼管(3)によ
るコンクリート柱本体(2)のコンファインド効果によ
り、圧縮力、軸力に伴うコンクリート柱本体(2)の脆
性破壊を防止して高い耐圧縮力、軸荷耐力を実現し、両
効果の累積による相乗作用をもって、コンクリート柱の
弾性領域をこえた塑性領域範囲を拡大し、その粘り、な
いし靭性の増大により、断面積を増大することなく柔構
造の高層建築物用の柱として一層卓越した性能を発揮し
得られるものとなしうる。
コンクリート複合柱(1)は、柱本体(2)内の主筋
(4)のX形配筋構成により、それ自体が高耐せん断力
を保有するものとなるのに加えて、被覆鋼管(3)によ
るコンクリート柱本体(2)のコンファインド効果によ
り、圧縮力、軸力に伴うコンクリート柱本体(2)の脆
性破壊を防止して高い耐圧縮力、軸荷耐力を実現し、両
効果の累積による相乗作用をもって、コンクリート柱の
弾性領域をこえた塑性領域範囲を拡大し、その粘り、な
いし靭性の増大により、断面積を増大することなく柔構
造の高層建築物用の柱として一層卓越した性能を発揮し
得られるものとなしうる。
なお、上記実施例においては角型柱によるものを示した
が、断面円形の丸形柱、あるいは断面多角形の多角柱に
ついてもこの発明は同様に適用しうるものである。ま
た、鋼管(3)は、単一の柱においてその全長、全周に
亘って必ずしも一体物である必要はない。長さ方向にお
いて複数個に分割された鋼管部材を用い、あるいは周方
向に分割された複数個の鋼管部材を用いて、それらを適
宜公知の接合構造で接合することにより、結果的に全体
を一体化した被覆鋼管を構成するものとしても良い。
が、断面円形の丸形柱、あるいは断面多角形の多角柱に
ついてもこの発明は同様に適用しうるものである。ま
た、鋼管(3)は、単一の柱においてその全長、全周に
亘って必ずしも一体物である必要はない。長さ方向にお
いて複数個に分割された鋼管部材を用い、あるいは周方
向に分割された複数個の鋼管部材を用いて、それらを適
宜公知の接合構造で接合することにより、結果的に全体
を一体化した被覆鋼管を構成するものとしても良い。
(実験例) 次に、この発明の効果を確認するために行った実験例に
ついて説明する。
ついて説明する。
試験体としては、X形主筋比β を実験変数として、X形主筋比βを、β=0、β=0.
5、β=1.0とした第1ないし第3の3種類の試験体(S
P)(SPX)(SX)を製作して使用した。即ち、この3種
類の試験体(SP)(SPX)(SX)は、それぞれ第10図
(イ)(ロ)、第11図(イ)(ロ)、第12図(イ)
(ロ)に示すようなもので、第1試験体(SP)は、主筋
のすべてを平行配筋のみのものとし、第2試験体(SP
X)は全主筋のうち半分を平行配筋、残り半分をX形配
筋によるものとし、第3試験体(SX)は、すべての主筋
をX形配筋のみによるものとして構成したものである。
こゝに、各試験体の共通事項としては次のとおりとし
た。
5、β=1.0とした第1ないし第3の3種類の試験体(S
P)(SPX)(SX)を製作して使用した。即ち、この3種
類の試験体(SP)(SPX)(SX)は、それぞれ第10図
(イ)(ロ)、第11図(イ)(ロ)、第12図(イ)
(ロ)に示すようなもので、第1試験体(SP)は、主筋
のすべてを平行配筋のみのものとし、第2試験体(SP
X)は全主筋のうち半分を平行配筋、残り半分をX形配
筋によるものとし、第3試験体(SX)は、すべての主筋
をX形配筋のみによるものとして構成したものである。
こゝに、各試験体の共通事項としては次のとおりとし
た。
全主筋量 :8本−D−13コンクリート強度(Fc) :0.21tf/cm2 鋼 管 :角形、200mm×200mm×4.5mm 長さ()=590mm 柱本長さ(h) :600mm 柱定着部 :主筋……平行 補強筋……4.5mmφ、間隔25mm 鋼管と柱定着部の 間の間隔 :5mm そして、更にもう1つの実験変数として、作用軸力比n
(=N/bDFc、N:作用軸力、bD:柱断面積、Fc;コンクリー
ト破壊強度)を考え、上記3種類の試験体について作用
軸力比nをそれぞれn=0.2、n=0.4、n=0.6の3種
類に設定して合計9体の試験体(SP−2、4、6)(SP
X−2、4、6)(SX−2、4、6)とし、実験は、各
試験体に一定軸方向力を載荷した状態のもとに繰返し曲
げ・せん断力を加力することによって行った。
(=N/bDFc、N:作用軸力、bD:柱断面積、Fc;コンクリー
ト破壊強度)を考え、上記3種類の試験体について作用
軸力比nをそれぞれn=0.2、n=0.4、n=0.6の3種
類に設定して合計9体の試験体(SP−2、4、6)(SP
X−2、4、6)(SX−2、4、6)とし、実験は、各
試験体に一定軸方向力を載荷した状態のもとに繰返し曲
げ・せん断力を加力することによって行った。
実験時のコンクリートの圧縮強度および作用軸力の大き
さ、並びに実験から求められた各試験体の終局耐力の大
きさは下記の第1表に示すとおりである。
さ、並びに実験から求められた各試験体の終局耐力の大
きさは下記の第1表に示すとおりである。
また、各試験体の履歴特性は、第13図ないし第15図の各
(イ)(ロ)(ハ)の履歴曲線に示すとおりである。こ
れらの図において縦軸はせん断力Q(tf)、横軸は柱部
材角R(10-2rad.)を表し、Qu1、Qu2は、計算値に基づ
く理論耐力を示す。
(イ)(ロ)(ハ)の履歴曲線に示すとおりである。こ
れらの図において縦軸はせん断力Q(tf)、横軸は柱部
材角R(10-2rad.)を表し、Qu1、Qu2は、計算値に基づ
く理論耐力を示す。
履歴曲線の全般的な傾向として認められるように、被覆
鋼管を用いた鉄筋コンクリート複合柱は、主筋の配筋状
態および作用軸力の大きさのいかんにかゝわらず、本実
験の最終変位振幅であるR=5%rad.に達しても、その
耐力低下が見られず、極めて優れた靭性を有することが
認められる。また、作用軸力の影響は、n=0.6までの
範囲であれば、主筋の配筋状態のいかんにかゝわらず作
用軸力が増加するに従って耐力は増加する傾向を示し、
それに対して主筋の配筋状態を変数とした場合、その履
歴曲線の形状に著しい差異を生じていることがわかる。
すなわち、平行配筋のみの第1試験体(SP)では、作用
軸力の大きさいかんにかゝわらず、エネルギー消費能力
の少ない逆S字形の履歴曲線を示し、いかに高密にコン
クリート拘束を行っても主筋のすべりによりエネルギー
消費量の大きい紡錘形の履歴曲線を得ることは極めて困
難であることを示している。これに対して、主筋を交叉
させて配置したX形配筋によるものでは、X形主筋比が
増大するに従って、即ち、X形主筋比β=0.5の第2試
験体(SPX)よりも更に全主筋をX形配筋としたβ=1.0
の第3試験体(SX)の方が、X形主筋のそのものには付
着力を必要としないことにより作用軸力の大きさのいか
んにかゝわらず、その履歴曲線が次第にエネルギー消費
量の大きい紡錘形の履歴曲線に改善される傾向を示すこ
とが認められる。而して、特に全主筋をX形配筋とした
第3試験体(SX)で、作用軸力が最も大きいn=0.6の
試験体(SX−6)が、9体の試験体の中でも最も優れた
履歴曲線形状を示すことが確認され得た。
鋼管を用いた鉄筋コンクリート複合柱は、主筋の配筋状
態および作用軸力の大きさのいかんにかゝわらず、本実
験の最終変位振幅であるR=5%rad.に達しても、その
耐力低下が見られず、極めて優れた靭性を有することが
認められる。また、作用軸力の影響は、n=0.6までの
範囲であれば、主筋の配筋状態のいかんにかゝわらず作
用軸力が増加するに従って耐力は増加する傾向を示し、
それに対して主筋の配筋状態を変数とした場合、その履
歴曲線の形状に著しい差異を生じていることがわかる。
すなわち、平行配筋のみの第1試験体(SP)では、作用
軸力の大きさいかんにかゝわらず、エネルギー消費能力
の少ない逆S字形の履歴曲線を示し、いかに高密にコン
クリート拘束を行っても主筋のすべりによりエネルギー
消費量の大きい紡錘形の履歴曲線を得ることは極めて困
難であることを示している。これに対して、主筋を交叉
させて配置したX形配筋によるものでは、X形主筋比が
増大するに従って、即ち、X形主筋比β=0.5の第2試
験体(SPX)よりも更に全主筋をX形配筋としたβ=1.0
の第3試験体(SX)の方が、X形主筋のそのものには付
着力を必要としないことにより作用軸力の大きさのいか
んにかゝわらず、その履歴曲線が次第にエネルギー消費
量の大きい紡錘形の履歴曲線に改善される傾向を示すこ
とが認められる。而して、特に全主筋をX形配筋とした
第3試験体(SX)で、作用軸力が最も大きいn=0.6の
試験体(SX−6)が、9体の試験体の中でも最も優れた
履歴曲線形状を示すことが確認され得た。
発明の効果 この発明によれば、上記の実験例の結果からも明らかな
ように、高圧縮力、高せん断力に対して超高性能をもつ
柱を提供でき、ひいては耐震特性に優れて、急激な柱の
壊滅的な脆性破壊を防止した安全性の高い柔構造コンク
リート構造物の構築を可能とする。かつ、コンクリート
柱主体内のせん断補強筋の配筋を必要としないことによ
り、材料の節減をはかり得るのはもとより、被覆鋼管を
コンクリート打設用の型枠として機能せしめることがで
きるので、型枠材料の節減と工期の短縮をはかることが
できる。
ように、高圧縮力、高せん断力に対して超高性能をもつ
柱を提供でき、ひいては耐震特性に優れて、急激な柱の
壊滅的な脆性破壊を防止した安全性の高い柔構造コンク
リート構造物の構築を可能とする。かつ、コンクリート
柱主体内のせん断補強筋の配筋を必要としないことによ
り、材料の節減をはかり得るのはもとより、被覆鋼管を
コンクリート打設用の型枠として機能せしめることがで
きるので、型枠材料の節減と工期の短縮をはかることが
できる。
第1図はこの発明の実施例を示す鋼管被覆鉄筋コンクリ
ート複合柱の施工状態を示す一部破砕斜視図、第2図は
同縦断面図、第3図は上記実施例の複合柱の築造に用い
る配筋先組構体の一部破砕斜視図、第4図は同じくその
上面図、第5図は上記配筋先組構体における配筋止め金
具の取付部分の斜視図、第6図は同取付部分の水平断面
図、第7図はコンクリート打設後において締結用ボルト
を取外した状態を示す上記配筋止め金具取付部分の縦断
面図、第8図及び第9図は、それぞれ被覆鋼管を、現場
組立てのために分割形のものとして構成する場合の各実
施例を示す横断面図である。 第10図ないし第12図は第1ないし第3試験体の配筋構成
を示すもので、それぞれ図(イ)は柱の横断面による配
筋構成図、図(ロ)は同縦断面による配筋構成図であ
る。 第13図(イ)(ロ)(ハ)、第14図(イ)(ロ)
(ハ)、および第15図(イ)(ロ)(ハ)はそれぞれ第
1ないし第3試験体について作用軸力比をn=0.2、n
=0.4、n=0.6の変数に設定した場合のそれぞれの履歴
曲線図である。 (1)……鋼管被覆鉄筋コンクリート複合柱、(2)…
…コンクリート柱本体、(3)(3′)(3″)……被
覆鋼管、(3a)(3b)……分割鋼管部材、(4)……主
筋、(8)……配筋先組構体、(9)……配筋止め金
具、(14)……締結部材、(15)……耐火材被覆層。
ート複合柱の施工状態を示す一部破砕斜視図、第2図は
同縦断面図、第3図は上記実施例の複合柱の築造に用い
る配筋先組構体の一部破砕斜視図、第4図は同じくその
上面図、第5図は上記配筋先組構体における配筋止め金
具の取付部分の斜視図、第6図は同取付部分の水平断面
図、第7図はコンクリート打設後において締結用ボルト
を取外した状態を示す上記配筋止め金具取付部分の縦断
面図、第8図及び第9図は、それぞれ被覆鋼管を、現場
組立てのために分割形のものとして構成する場合の各実
施例を示す横断面図である。 第10図ないし第12図は第1ないし第3試験体の配筋構成
を示すもので、それぞれ図(イ)は柱の横断面による配
筋構成図、図(ロ)は同縦断面による配筋構成図であ
る。 第13図(イ)(ロ)(ハ)、第14図(イ)(ロ)
(ハ)、および第15図(イ)(ロ)(ハ)はそれぞれ第
1ないし第3試験体について作用軸力比をn=0.2、n
=0.4、n=0.6の変数に設定した場合のそれぞれの履歴
曲線図である。 (1)……鋼管被覆鉄筋コンクリート複合柱、(2)…
…コンクリート柱本体、(3)(3′)(3″)……被
覆鋼管、(3a)(3b)……分割鋼管部材、(4)……主
筋、(8)……配筋先組構体、(9)……配筋止め金
具、(14)……締結部材、(15)……耐火材被覆層。
Claims (6)
- 【請求項1】鉄筋コンクリート造による柱主体内の配筋
構成において全主筋中の少なくとも一部に高さ方向に斜
行して中間部で交叉したX形主筋を包含すると共に、前
記柱主体の外周面に該柱本体を拘束する状態にその高さ
方向の略全長に亘って被覆鋼管が被覆され、しかも該被
覆鋼管は、柱頭柱脚の柱梁仕口部分において梁側コンク
リートと絶縁されて、該被覆鋼管に柱の軸方向力を負担
させないものとなされていることを特徴とする鋼管で被
覆拘束された鉄筋コンクリート柱。 - 【請求項2】配筋構成中、X形主筋比β が、β=0.5以上に設定されてなる請求項(1)記載の
鋼管で被覆拘束された鉄筋コンクリート柱。 - 【請求項3】配筋構成中、X形主筋比βが、β=1に設
定されてなる請求項(1)記載の鋼管で被覆拘束された
鉄筋コンクリート柱。 - 【請求項4】被覆鋼管が軸線方向に沿う分割線によって
周方向に分割された複数個の分割鋼管部材からなり、該
部材相互がボルト・ナット等の締結部材で結合されて管
状に構成されたものである請求項(1)ないし(3)の
いずれか1に記載の鋼管で被覆拘束された鉄筋コンクリ
ート柱。 - 【請求項5】被覆鋼管の外面に、耐火材被覆層が形成さ
れてなる請求項(1)ないし(4)のいずれか1に記載
の鋼管で被覆拘束された鉄筋コンクリート柱。 - 【請求項6】被覆鋼管は、1.0mm以上の厚さを有する請
求項(1)ないし(5)のいずれか1に記載の鋼管で被
覆拘束された鉄筋コンクリート柱。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP63100925A JPH0674620B2 (ja) | 1988-04-22 | 1988-04-22 | 鋼管で被覆拘束された鉄筋コンクリート柱 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP63100925A JPH0674620B2 (ja) | 1988-04-22 | 1988-04-22 | 鋼管で被覆拘束された鉄筋コンクリート柱 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH01271565A JPH01271565A (ja) | 1989-10-30 |
| JPH0674620B2 true JPH0674620B2 (ja) | 1994-09-21 |
Family
ID=14286927
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP63100925A Expired - Fee Related JPH0674620B2 (ja) | 1988-04-22 | 1988-04-22 | 鋼管で被覆拘束された鉄筋コンクリート柱 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0674620B2 (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR101858557B1 (ko) * | 2017-11-10 | 2018-05-16 | 주식회사 옥타곤엔지니어링 | 다중 x형 보강철근체가 구비된 철근콘크리트 기둥 |
Families Citing this family (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2619685B2 (ja) * | 1988-05-12 | 1997-06-11 | 東急建設株式会社 | 鉄筋コンクリート製柱の施工方法 |
| JP2583384Y2 (ja) * | 1993-06-25 | 1998-10-22 | 新日本製鐵株式会社 | 補強鋼板被覆rc柱 |
| CN109898655A (zh) * | 2019-03-26 | 2019-06-18 | 上海息数建筑科技有限公司 | 支撑骨架以及支撑架 |
| JP2020190089A (ja) * | 2019-05-20 | 2020-11-26 | 株式会社向山工場 | コンクリート充填円形鋼管柱 |
| JP7515187B2 (ja) * | 2022-04-15 | 2024-07-12 | 穰二 林 | 補強鋼管 |
| CN116220277B (zh) * | 2023-04-13 | 2024-06-14 | 燕山大学 | 钢管束混凝土下空式预拱梯度梁的连接结构及施工工艺 |
Family Cites Families (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS50628A (ja) * | 1973-05-07 | 1975-01-07 | ||
| JPS5921305U (ja) * | 1982-07-31 | 1984-02-09 | 永松 建治 | 耐火構造材 |
| JPS62170636A (ja) * | 1986-01-23 | 1987-07-27 | 三菱重工業株式会社 | 鋼管鉄筋コンクリ−ト柱 |
| JPH066824B2 (ja) * | 1986-01-28 | 1994-01-26 | 株式会社長谷川工務店 | Rc造部材の配筋構造 |
-
1988
- 1988-04-22 JP JP63100925A patent/JPH0674620B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR101858557B1 (ko) * | 2017-11-10 | 2018-05-16 | 주식회사 옥타곤엔지니어링 | 다중 x형 보강철근체가 구비된 철근콘크리트 기둥 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH01271565A (ja) | 1989-10-30 |
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