JPH067652A - 中空糸型非対称多孔質膜及びその製造方法 - Google Patents

中空糸型非対称多孔質膜及びその製造方法

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JPH067652A
JPH067652A JP8859593A JP8859593A JPH067652A JP H067652 A JPH067652 A JP H067652A JP 8859593 A JP8859593 A JP 8859593A JP 8859593 A JP8859593 A JP 8859593A JP H067652 A JPH067652 A JP H067652A
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JP
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hollow fiber
oligomer
liquid
polymerizable solution
monomer
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Application number
JP8859593A
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English (en)
Inventor
Kazunari Sakai
一成 酒井
Kosei Chiyou
滬生 張
Takanori Anazawa
孝典 穴澤
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DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 エネルギー線の照射により重合可能なモノマ
ー及び/またはオリゴマーにエネルギー線を照射するこ
とにより生成したポリマーからなり、エネルギ−線の照
射による重合の際に形成された連通細孔を有し、架橋構
造を有する中空糸型非対称多孔質膜およびその製造方
法。 【効果】 本発明は、優れた強度、耐クリープ性、耐熱
性、耐薬品性を有し、更に任意の分子量分画能が得ら
れ、濾過速度が速く目詰まりを起こしにくい中空糸型非
対称多孔質膜及び該中空糸型非対称多孔質膜の優れた製
造方法を提供できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、食品工業、医薬品工
業、電子工業、排水処理、人工臓器、医療等の種々の分
離プロセスにおいて塵挨、タンパク、コロイド、バクテ
リア、等の濾過分離の目的で使用される精密濾過膜、限
外濾過膜、気液接触用隔膜、脱気膜、給気膜等の中空糸
多孔質膜に関する。
【0002】
【従来の技術】中空糸多孔質膜の製造方法としては、ポ
リマーを溶剤に溶かして中空糸状に押し出し、非溶剤と
接触させることによりポリマーを凝固させる、いわゆる
湿式法によるもの、ポリマーと、ポリマーの非溶剤で抽
出可能な物質を混合し、中空糸状に製膜した後に抽出を
行うものなどがあった。しかし、これらの方法では、生
産速度が遅いという欠点の他に、ポリマーの溶液を作る
必要上、溶剤に可溶な非架橋性のポリマーを使用する必
要があり、強度、耐クリ−プ性、耐熱性、の点で問題が
あった。
【0003】一方、結晶性ポリマーを溶融押出し製膜
後、延伸により多孔質化する、いわゆる溶融法によるも
のもあるが、材料は熱可塑性高分子である必要があるた
め同様の欠点があり、また限外濾過膜程度の孔径の膜を
製造するのは困難であった。膜に強度、耐クリープ性、
耐熱性、耐薬品性を付与する方法として、架橋構造の導
入が知られており、それを可能にする方法として例えば
特開昭64−27607号公報に見られるような、直鎖
状ポリマーを用いて製膜した後、電離放射線などにより
架橋させる方法が知られている。
【0004】しかしながらこれらの後架橋による方法
は、大がかりな装置と複雑な工程が必要であり、極めて
生産性が低いものであった。一方、特公昭56−343
29号公報、特公昭63−65220号公報に重合可能
なモノマーおよび/またはオリゴマーを、これらモノマ
ーおよび/またはオリゴマーを溶解することができ、か
つこれらモノマーから生成するポリマーを膨潤させない
液体の存在下で重合させることにより、架橋構造を有す
る多孔質の平膜を作成する方法が記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特公昭56−
34329号公報および特公昭63−65220号公報
に記載の方法では、膜の厚み方向に均一な孔径分布を有
する多孔質膜しか得られない為、任意の分子量分画能を
有する多孔質膜を得るためには、非常に狭い範囲の製膜
条件の選択が必要であり、また、該多孔質膜を用いて濾
過分離を行う際には、濾液の透過速度が非常に小さく、
膜の目詰まりをはなはだしく起こし易いという問題点を
有していた。
【0006】さらに、これらの方法では硬化前の原液を
支持体上にキャスト製膜する必要上、膜はフィルム状の
平膜しか得られなかった。そのため、モジュールにした
とき、体積当りの膜面積が小さくなり、装置体積の割り
に処理量が少なくなるという欠点があった。本発明の目
的は、架橋構造の導入により強度、耐クリープ性、耐熱
性、耐薬品性などの機械的、熱的特性に優れ、膜の厚み
方向の孔径分布の導入により濾過速度が速く、目詰まり
を起こしにくく、任意の分子量分画能が比較的容易に得
られるといった特徴をもつ中空糸型多孔質膜、及びそれ
を高い生産速度で製造する方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成す
るに至った。即ち、本発明は、エネルギー線の照射によ
り重合可能なモノマー及び/またはオリゴマー(A)に
エネルギ−線を照射することにより生成したポリマーか
らなり、エネルギー線の照射による重合の際に形成され
た連通細孔を有する中空糸型非対称多孔質膜及びその製
造方法からなる。
【0008】本発明の膜は、外径0.05〜10mmの中
空糸状もしくは管状(以下これ等を総称して中空糸と記
述する)であって、中空糸壁が分離膜機能を持つもので
ある。外径は0.1〜3mmが好ましく、0.3〜1mmが
更に好ましい。中空糸がこれより細いと製造に困難を来
たすし、これより太いと体積当りの表面積が小さくなる
上、強度も低くなる。内径は、外径の30〜85%とす
るのが好ましく、55〜75%が更に好ましい。外径に
比して内径が小さすぎる、即ち膜厚が厚すぎると膜透過
抵抗が増す上、中空糸内側を流れる流体の圧力損失が高
くなり好ましくない。外径に比して内径が大き過ぎる
と、即ち膜厚が薄すぎると耐圧強度が低下したり膜断面
形状の変形が生じやすくなる。
【0009】本発明の連通細孔を有するとは、膜中の個
々の微小な空隙が互いに連絡しており、液体が膜の一方
の側から他の側へ透過できるものをいう。非対称多孔質
膜とは、膜の厚み方向における他の部分に比べて孔径の
小さな層(以下、緻密層と称する)と膜の厚み方向にお
ける他の部分に比べて孔径の大きな層で、緻密層を支持
する層(以下、支持層と称する)とからなる膜を言う。
即ち、中空糸膜の外表面、内表面、および/または表面
以外の膜の内部に緻密層を有する多孔質膜である。
【0010】本発明の緻密層は、その厚みが5μm以下
であることが望ましい。厚みが5μm以上であると、濾
過速度が極端に低下し実用性が無い。また、厚みの薄い
方には、おのずと達しうる限界があるが、薄いこと自体
による不都合はないので、その下限を設ける必要はな
い。本発明の多孔質支持層における細孔の孔径は0.0
5μm以上20μm以下であることが望ましい。孔径が
0.05μm以下であると、濾過速度が極端に低下し実
用性が無い。孔径が20μm以上であると膜の強度が極
端に低下し実用性が無い。また緻密層における細孔の平
均孔径は0.0005μm以上0.015μm以下であ
ることが望ましい。
【0011】即ち、緻密層の孔径が、支持層の平均孔径
の、1/1000000〜1/10の範囲にあるもので
ある。緻密層と支持層は明確に判別できる場合もある
し、孔径分布の勾配が連続的である場合もある。いずれ
にしても、本発明の膜における空隙細胞は、各層につい
てみれば、それぞれその平均値は縦、横、奥行方向にほ
ぼ等方的な形状を持つか、等方的に析出した重合体粒子
の間隙として与えられるか、あるいは繊維方向に長い形
状をもっており、湿式法で製造された膜に見られるよう
な、直径が10μm以上あり膜の厚み方向に長い、所謂
マクロボイドは存在しない。これらの平均孔径や孔の形
状は、通常0.01μm以上の場合には、断面や表面の
電子顕微鏡観察で判定できるし、それ以下の場合には、
膜の分画分子量から計算することができる。
【0012】緻密層の孔の孔径が0.0005μm〜
0.015μmの場合は、分子量分画能を有し、即ち液
体に溶解されている高分子物質、低分子物質またはイオ
ンを液体から分離できる。このため、この場合には、限
外濾過膜、逆浸透膜等に適する。緻密層の孔径が0.0
2〜20μmの場合は、分子量分画能を有さず、即ち液
体に溶解されている高分子物質、低分子物質またはイオ
ンを通過させることができる。また、本発明の膜に存在
する孔の密度、即ち体積空孔率は、10〜70%が好ま
しい。空孔率が10%以下であると、濾過速度が極端に
低下し実用性が無い。また、70%を越えると膜の強度
が極端に低下し実用性が無い。
【0013】本発明に用いられるモノマーおよび/また
はオリゴマー(A)は有機、無機を問わず、エネルギー
線の照射により重合し、ポリマーとなる物であればよ
く、ラジカル重合性、アニオン重合性、カチオン重合性
など任意のものであってよいが、1分子内に、ビニル
基、アクリル基、メタアクリル基からなる群から選ばれ
た1種以上の官能基1〜6個を有するもの及びそれらの
混合物が好ましく、エネルギー線の照射による重合速度
が速いものが好ましい。
【0014】例えば、本発明に用いられるモノマー
(A)としては、エチル(メタ)アクリレート、ヒドロ
キシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル
(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレー
ト、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシ
ル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレー
ト、フェニルセロソルブ(メタ)アクリレート、n−ビ
ニルピロリドン、イソボルニル(メタ)アクリレート、
ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペ
ンテニロキシエチル(メタ)アクリレート等の単官能モ
ノマー、
【0015】ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレ
ート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレー
ト、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレー
ト、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
2,2’−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシポリ
エチレンオキシフェニル)プロパン、2,2’−ビス
(4−(メタ)アクリロイルオキシポリプロピレンオキ
シフェニル)プロパン等の2官能モノマー、
【0016】トリメチロールプロパントリ(メタ)アク
リレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレ
ート等の3官能モノマー、ペンタエリスリトールテトラ
(メタ)アクリレート等の4官能モノマー、ジペンタエ
リスリト−ルヘキサアクリレート等の6官能モノマー等
が挙げられる。これらのモノマーを混合して用いること
も可能である。
【0017】本発明に用いられるオリゴマー(A)とし
ては、例えば、エネルギー線照射で重合可能で、重量平
均分子量が500〜50000のものであり、具体的に
は、例えば、エポキシ樹脂のアクリル酸エステルまたは
メタクリル酸エステル、ポリエーテル樹脂のアクリル酸
エステルまたはメタクリル酸エステル、ポリブタジエン
樹脂のアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステ
ル、分子末端にアクリル基またはメタクリル基を有する
ポリウレタン樹脂等を挙げることができる。もちろんこ
れらのオリゴマ−同士を混合して用いることもできる
し、モノマーと混合して用いることもできる。
【0018】本発明者らは、重合性溶液を、エネルギ−
線照射によって、膜の厚み方向に孔径分布を有する多孔
質中空糸状に重合するには、種々の方法があることを見
いだした。以下、本発明者の5つの製造方法について順
次説明する。本発明の第1の製造方法は、エネルギー線
の照射により重合可能なモノマー及び/またはオリゴマ
ー(A)と、該モノマー及び/またはオリゴマー(A)
と相溶しかつこれらモノマー及び/またはオリゴマー
(A)にエネルギー線を照射することにより生成したポ
リマーと相溶せずかつエネルギー線に対し実質的に不活
性な液体(B)とを混合した均一な重合性溶液を、中空
糸状に押し出し、押し出された中空糸の表面から液体
(B)の一部を除去し、次いでエネルギー線を照射した
後、必要に応じ残余の液体(B)を除去する方法であ
る。
【0019】以下、本発明の第1の製造方法について説
明する。モノマー及び/またはオリゴマ−(A)につい
ては、本発明の中空糸非対称多孔質膜に於いて説明した
物と同様である。これらの選択については、中空糸状押
し出し時の溶液粘度、中空糸膜の寸法、生成する中空糸
膜の強度、柔軟性、耐熱性、耐膨潤性、分画分子量、分
画選択性等により決定することができる。例えば、耐熱
性に優れた中空糸膜を得る為には、多官能のモノマー及
び/またはオリゴマ−を選択する。逆に、耐熱性を必要
としない場合には、単官能のモノマー及び/またはオリ
ゴマ−のみを選択しても良い。透過速度を上げるために
は、高分子量のオリゴマーを選択し、溶液の粘度の低下
を防ぎつつ濃度を下げて、膜の空孔率を大きく設計する
ことが望ましい。
【0020】また、用途目的に応じて、親水性または撥
水性の膜を得るため、カルボキシル基やアンモニウム塩
またはフッ素やシリル基を含有する原料を選択し得る。
また、逆浸透膜の領域において分画分子量を小さくする
場合には、架橋点間距離が小さくなるように選択するこ
とも好ましい。本発明に用いられる液体(B)とは、本
発明に用いるモノマーおよび/またはオリゴマーと相溶
しかつこれらモノマーおよび/またはオリゴマーがエネ
ルギー線の照射を受けて生成するポリマーと相溶せず、
かつエネルギー線に対して実質的に不活性なものであれ
ばいかなるものでもよい。
【0021】したがって、モノマーおよび/またはオリ
ゴマーの種類により変わり得るものであり、例えば、重
合性オリゴマーとして分子末端にアクリル基を有するポ
リウレタン樹脂を用いる場合には、カプリン酸メチル、
カプリン酸エチル、ラウリン酸メチル、カプリル酸メチ
ル、カプリル酸エチル、アジピン酸ジイソブチルなどの
アルキルエステル類、ジイソブチルケトンなどのジアル
キルケトン類、液状ポリエチレングリコ−ル、ポリエチ
レングリコ−ルのモノエステル、ポリエチレングリコー
ルソルビタンエステル類、ポリエチレングリコールモノ
エーテル、グリセリンのモノ、ジ、及びトリエステル、
水酸基を有するアルキルエステル類、アルキルアミン
類、およびポリエチレングリコ−ルアミン等を好適に用
いることができる。
【0022】中でも液状ポリエチレングリコ−ル、ポリ
エチレングリコ−ルのモノエステル、ポリエチレングリ
コールソルビタンエステル類、ポリエチレングリコール
モノエーテル、グリセリンのモノ、ジ及びトリ エステ
ル、水酸基を有するアルキルエステル類、アルキルアミ
ン類、またはポリエチレングリコ−ルアミンなどを使用
すると、モノマーおよび/またはオリゴマー(A)の溶
解度を低下させること無く重合性溶液の粘度を高くする
ことができるため、中空糸を製造できる条件範囲が広く
なると同時に、エネルギー線の照射により析出したポリ
マーが網目状となり易く、膜強度が高くなる。
【0023】また、中空糸の表面から液体(B)の一部
を除去する方法としては、蒸発吸収等任意の方法を用い
ることが出来るが、蒸発の場合には液体(B)として適
切な沸点を有するものを選択する必要がある。液体
(B)は単一組成であってもよいし、混合物であっても
よい。混合物の場合には、その構成溶剤単独の性状は特
に限定されない。即ち、混合溶剤を用いる場合は、個々
の構成溶剤は、モノマーおよび/またはオリゴマーと相
溶せず、かつ、そのポリマーも膨潤または溶解させない
物であってもよいし、逆にモノマーおよび/またはオリ
ゴマーから生成するポリマーと相溶するものであっても
よいが、混合物としての液体(B)は、ポリマーと相溶
せず、かつエネルギー線に対し実質的に不活性な性質を
有することが必要である。
【0024】液体(B)は、膜の製造方法の違い、モノ
マーおよび/またはオリゴマー(A)の種類、必要とさ
れる重合性溶液の粘度、ポリマーその他の添加剤の溶解
性、膜に必要とされる孔径や細孔の形状などにより適宜
選択することができる。また液体(B)は、エネルギー
線として紫外線を用いる場合には、紫外線吸収の少ない
ものが好ましい。液体(B)の、モノマーおよび/また
はオリゴマー(A)に対する比率については、モノマー
および/またはオリゴマ−(A)1重量部に対して0.
1〜4.0重量部の範囲が望ましい。0.1以下では、
膜の空隙率が低くなり充分な透過量が得られず、4.0
以上では膜の強度が不充分となる。
【0025】本発明の第1の製造方法においては、液体
(B)の揮発性と非対称構造の形状や程度には相関関係
があり、また、非対称構造の程度は、分子量分画能及び
濾過液の透過量と相関関係を有する。従って、液体
(B)の沸点の選択は、得られる高分子膜の濾過性能を
決定する重要な因子と成り得るが、液体(B)の除去方
法の選択によって、使用できる液体(B)の沸点選択の
幅を広げることが出来る。
【0026】液体(B)の沸点の選択に関し一例を挙げ
るならば、室温以下の温度で液体(B)の一部を蒸発さ
せる部分乾燥を実施する場合や、部分乾燥を行うための
気流の速度が小さい場合や、ごく短時間のうちに液体
(B)を揮発させる必要がある場合には、液体(B)と
して沸点が80℃以下のものを用いるのが好適である。
また、加温された気流中で部分乾燥を行う場合や、ある
程度の時間を掛けて液体(B)を蒸発させる場合には、
液体(B)として沸点が60℃以上のものを用いること
が出来る。
【0027】重合性溶液、即ちモノマーおよび/または
オリゴマ−(A)と液体(B)との混合液には、必要に
応じ、重合開始剤、増感剤、増粘剤、ポリマーなどを添
加することも可能である。重合性溶液の粘度は特に制約
を設ける必要はなく、任意に調節し得る。重合性溶液の
粘度は、細孔の形状に影響し、一般的には、重合性溶液
が低粘度であると、細孔の形状が、互いに接着した粒状
ポリマーの間隙として与えられることが多く、逆に高粘
度であると網状に析出したポリマーの間隙として与えら
れることが多い。また高粘度ほど孔径が小さくなる傾向
がある。
【0028】重合性溶液の粘度は、モノマーおよび/ま
たはオリゴマ−(A)の種類、液体(B)の種類、添加
剤、およびこれらの混合比等により調節することができ
る。重合性溶液の粘度が0.5〜100cpsであり、
かつ芯剤として用いる非重合性液体が重合性溶液より界
面張力が大きい液体であることが好ましい。
【0029】孔径はまた、モノマーおよび/またはオリ
ゴマ−(A)と液体(B)との混合比の影響も大きく、
モノマーおよび/またはオリゴマー(A)の比率が、あ
る程度以上高くなると孔径が小さくなる傾向がある。勿
論これらの挙動はモノマーおよび/またはオリゴマー
(A)や液体(B)の種類により変わり得るものであ
り、これらの材質の組み合わせや膜の目的性能により適
宜決定することができる。本製造方法においては、重合
性溶液を中空糸状に押し出す場合の芯剤に、気体、液体
のどちらを用いることも可能である。気体を使用する場
合には、気体種には特に制約はなく、空気、窒素、炭酸
ガス、ヘリウムその他任意のものを使用することができ
る。
【0030】モノマーおよび/またはオリゴマー(A)
がエネルギー線照射による重合に際し、酸素による反応
阻害を受ける場合には、芯剤気体として酸素濃度の低い
あるいは酸素を含有しない気体を用いることも好まし
い。この場合、気体中の酸素濃度は、好ましくは10%
以下、さらに好ましくは5%以下、最も好ましくは1%
以下である。反応阻害剤濃度を低下させることにより、
エネルギー線強度を下げることが可能になる。
【0031】しかしながら、芯剤には液体を用いること
がより好ましい。芯剤に気体を用いると、ごく限られた
製造条件、即ち重合性溶液のノズルからの吐出速度が
1.0m/秒以上であり、かつドラフトが4以下である
条件以外では、中空糸の太さの変動が極端に大きくなる
か、中実糸となり、良好な中空糸が得られない。芯剤と
して使用する液体についても、エネルギー線の照射によ
り重合することのない物であれば特に制約を設ける必要
はない。
【0032】モノマーおよび/またはオリゴマー(A)
や液体(B)と混和するものであっても混和しないもの
であってもかまわないが、芯剤液体がモノマーおよび/
またはオリゴマー(A)や液体(B)と良く混和しすぎ
る場合には、中空糸膜の内表面が荒れて孔径の揃った表
面が形成されず、内圧型の濾過膜として不適となった
り、中空糸内側の細孔径が極端に小さくなりフラックス
が低下したり、膜に連通細孔が形成されなくなるなどの
不都合が生じる。この点で本製造法は、芯剤液体として
ポリマーの溶剤と混和する液体を使用する必要のある湿
式製膜法とは異なる。また、気体の場合と同様、芯剤液
体は重合反応阻害剤を含有しないものであることが好ま
しい。
【0033】例えば、モノマーおよび/またはオリゴマ
ー(A)がエネルギー線照射による重合に際し、酸素に
よる反応阻害を受ける場合には、芯剤液体中の酸素濃度
が3重量ppm以下であることが好ましく、1重量pp
m以下であることがさらに好ましい。芯剤液体は、重合
性溶液の粘度が100センチポアズ(cps)以下の比
較的低粘度であって、中空糸の直径が直径200μm以
下であるような小径の中空糸を製造する場合や膜厚が直
径の10%以下であるような薄い中空糸を製造する場合
には、重合性溶液より界面張力の高いものであることが
好ましい。
【0034】重合性溶液より界面張力が低いと、中空糸
を安定して製造できる製造条件の制約が強くなる。ま
た、芯剤液体の粘度は10〜100000センチポアズ
(cps)が好ましく、100〜10000cpsがさ
らに好ましい。これより低粘度であると中空糸形状を形
成する条件の幅が狭くなり、これより高粘度であると細
い中空糸を形成する条件の幅が狭くなる。
【0035】得られた中空糸膜は、細孔内に液体(B)
が充填された状態にあるため、必要に応じ膜を洗浄し、
液体(B)を除去することによって細孔を発生せしめ
る。洗浄は、溶剤抽出、揮発、吸収など任意の方法が採
用される。液体(B)が水溶性である場合などには液体
(B)を除去すること無く用に供する事も可能である。
本発明の製造方法において、重合性溶液を押し出すノズ
ルは、円環型、C型、スリット型など、通常中空糸製造
に用いられるものを使用することができるが、膜性能の
点からは円環型が最も好ましい。
【0036】重合性溶液のノズルからの押し出し(吐出
ともいう)速度は、溶融法や湿式法と云ったこれまで知
られている製膜方法に比べて高くすることができる。吐
出速度(吐出線速度)は、単位時間当りの吐出量をノズ
ル口面積で除した値である。好ましい吐出速度は、ドラ
フト(溶液状態での延伸)、芯剤の種類、ノズル回りが
液体か気体か、などによって変わり得るが、例えば芯剤
を液体とし、気体中に押し出す場合について述べると、
本発明の第1の製造方法においては、1〜3000cm
/秒とすることができ、3〜1000cm/秒が好まし
く、5〜100cm/秒がさらに好ましい。
【0037】吐出速度の上限は、エネルギー線の強度と
モノマーおよび/またはオリゴマー(A)の重合反応性
で決定され、上限を越えると硬化不十分となる。一方吐
出速度の下限より低速では中空糸状の膜が得られない。
吐出速度の下限は、重合性溶液の粘度と粘弾性特性、芯
剤の粘度、ノズル回りが液体か気体かなどにより決定さ
れる。
【0038】ノズルから押し出された中空糸状溶液は、
固化する前に重力または機械的延伸操作によりドラフト
を掛けることができる。この点で本発明は、重合性溶液
をキャストした後エネルギー線を照射する製膜方法と異
なる。また、本製造方法に於けるドラフトは、溶融製膜
法や湿式製膜法ににおけるドラフトとは全く異なるもの
である。
【0039】溶融製膜法や湿式製膜法の場合には、吐出
液は溶融ポリマーまたは溶解ポリマーであるため粘弾性
液体であり、中空糸の引き取り速度を変えることによ
り、比較的自由にドラフト比(中空糸引き取り速度/ノ
ズルからの吐出速度)を決定できる(尤も、湿式法の場
合には通常ドラフトは1に近い)のに対し、本製造方法
においては、吐出液はモノマーおよび/またはオリゴマ
ーの溶液であるためほとんど粘弾性的性質を有せず、中
空糸の機械的引き取りによって延伸することは不可能で
ある。
【0040】即ち、吐出液の落下速度より速い速度で中
空糸を引き取ると、その点で切断されるし、逆に落下速
度より遅い速度で引き取ろうとすると、後から落下して
きた重合性溶液が積み重なり、中空糸状を呈しなくな
る。従って本製造方法で云うドラフトとは、あくまで自
重による落下によるものであり、中空糸の落下速度に合
致させるように引き取り速度が決定される。本製造方法
においては、ドラフト比は1.0〜100が好ましく、
3〜50がさらに好ましく、5〜15が最も好ましい。
【0041】本発明に於いては、ドラフト比は、重合性
溶液の粘度、芯剤液体の粘度、重合性溶液の吐出速度、
ノズルとエネルギー線照射位置間の距離、ノズル回りの
流体の種類、ノズルと中空糸引き取り装置間の距離、な
どにより設定することができる。また、例えばドラフト
比を小さく設定したい場合などにおいて、ノズル回りを
気体とし、その下一定距離のところに液面を設置す方法
を採ることも可能である。
【0042】ところで、湿式製膜法の場合に通常ドラフ
ト比を2以上にすることは行われない。ドラフト比を大
きくすると細孔形状が延伸方向に長いスリット状とな
り、孔径分布の広がりや中空糸強度の低下など好ましく
ない現象が生じる。それに対し、本製造方法において
は、ドラフト比を高くすることによるこれらのデメリッ
トは生じない。本発明においては、膜の多孔質構造は実
質上ドラフトの有無と程度に影響されない。このため目
的とする中空糸径をドラフトにより調節することがで
き、高度の製作精度が必要な小径ノズルを使用すること
無く、細い中空糸を製造することが可能である。
【0043】押し出された中空糸の表面から、液体
(B)の一部を除去する方法としては、液体(B)の蒸
発(部分乾燥という場合もある)や他の液体との接触に
よる液体(B)の吸収等の方法を採ることが出来るが、
蒸発が好ましい。蒸発は、中空糸状溶液に気流を当てて
もよいし、あるいは、液体(B)の沸点が比較的低い場
合には、特に乾燥操作を行わなくとも、ノズルから押し
出された中空糸状溶液が、照射位置まで走行する間に自
走により行わしめることも可能である。
【0044】重合性溶液が液体中に押し出される場合に
は、液体(B)の一部除去は重合性溶液に含まれる液体
(B)が液状媒体中に抽出されることにより行われる。
本発明において、膜の厚み方向に孔径分布を有する多孔
質膜が得られる理由や機構については、未解明である
が、液体(B)の一部を揮発させることによりモノマー
及び/またはオリゴマ−の濃度分布が形成された状態、
あるいは液体(B)との濃度分布が形成された状態にお
いて重合が進行し、膜の厚み方向に不均一に相分離が起
こることが理由であると推定される。
【0045】本発明の膜および製造方法に用いられるエ
ネルギー線としては、電子線、γ線、X線、紫外線、可
視光線等を挙げることが出来る。なかでも装置および取
扱いの簡便さから紫外線が最も好ましい。照射する紫外
線の強度は、10〜5000mw/cm2が好ましく、
照射時間は、0.01〜10秒程度である。ノズルから
押し出された中空糸状の重合性溶液にエネルギー線を
照射し連続的に中空糸膜を製造する工程に於て、照射時
間は、照射範囲における中空糸の滞留時間となる。
【0046】紫外線の照射を不活性ガス雰囲気下で行う
ことによって、重合速度を速めることも好ましい。エネ
ルギ−線として紫外線を用いる場合には、重合速度を速
める目的で、重合性溶液に紫外線重合開始剤を含有させ
ることも好ましい。
【0047】本発明に使用される紫外線重合開始剤とし
ては特に制約を設ける必要は無いが、重合性溶液に溶解
可能な物が好ましく、例えばp−tert−ブチルトリ
クロロアセトフェノン、2,2’−ジエトキシアセトフ
ェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプ
ロパン −1−オン、等のアセトフェノン類;
【0048】ベンゾフェノン、4,4’−ビスジメチル
アミノベンゾフェノン、2−クロロチオキサントン、2
−メチルチオキサントン、2−エチルチオキサントン、
2−イソプロピルチオキサントン等のケトン類;
【0049】ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、
ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチ
ルエーテル等のベンゾインエーテル類;ベンジルジメチ
ルケタール、ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン
等のベンジルケタール類等を挙げることができる。
【0050】電子線もまた本発明に用いることのできる
好ましいエネルギー線である。電子線を用いると、液体
(B)その他の添加剤などの柴外線吸収の有無の影響を
受けないため、これらの選択の幅が広がると共に、製膜
速度も向上する。さらに重合開始剤が不要であるため、
この残留が問題となる用途への適用が容易となる。本発
明の製造方法において、重合性溶液は、中空糸ノズルか
ら気体中、液体中、あるいは真空中に押し出され、エネ
ルギー線を照射されることにより、溶液中のモノマーお
よび/またはオリゴマー(A)が重合あるいは架橋し、
実際上それと同時に相分離が生じて生成ポリマーが多孔
質状に析出し、固化する。
【0051】重合性溶液を中空糸状に押し出す雰囲気、
あるいはエネルギー線照射を行う雰囲気は、気体である
ことが簡便で、その後の乾燥操作が不要であるため好ま
しいが、径の太い中空糸状膜あるいは管状膜を製造する
場合には、液体中に押し出すことにより、あるいは、気
体中に押し出された中空糸状物が短い走行距離の後液体
中に入るようにして、ドラフトを小さくすることも可能
である。また、モノマーおよび/またはオリゴマー
(A)がエネルギー線照射による重合に際し、酸素によ
る反応阻害を受ける場合には、雰囲気気体の酸素濃度が
10%以下であることが好ましく、5%以下であること
が更に好ましく、1%以下であることが最も好ましい。
【0052】ノズルとエネルギー線照射位置間の距離は
10〜1000mmが好適であり、50〜300mmが
さらに好適である。距離が過大であると、中空糸径のむ
らを生じる。過小であると、エネルギー線の漏洩により
ノズル面での重合による汚れが生じ易くなる。エネルギ
ー線の照射区間長は特に制約はなく、光源の寸法、強
度、中空糸の紡糸速度などにより適宜定めればよい。し
かし、ノズル面から中空糸が固化するまでの距離は50
0mm以下であることが好ましい。これ以上であると、
中空糸径のむらや膜性能の低下が生じがちである。中空
糸の固化後、架橋密度を増したり、未反応モノマーを減
らすなどの目的で、さらに長い区間や別工程で照射する
ことも可能である。
【0053】固化した中空糸膜は、台、もしくは容器上
または水中に落下させて集積してもよいし、ロールやベ
ルトコンベアにて引き取っても良い。また、外周に垂直
もしくは中心方向に傾斜した壁を有する皿状容器を回転
させ、内壁部分に中空糸膜を落下させることにより、中
空糸膜を集積させることも可能である。
【0054】得られた中空糸膜は、必要に応じ、細孔内
に充填された液体(B)、未反応のモノマーおよび/ま
たはオリゴマー(A)、紫外線重合開始剤、その他の添
加剤などを除去する。しかし、例えば液体(B)が水溶
性である場合などには、これらを除去すること無く、用
に供する事も可能である。また、得られた中空糸膜は、
必要に応じ熱処理を行い、細孔径の調節や、耐熱性や寸
法安定性の増加を計ることも可能である。
【0055】本発明の第2の製造方法は、エネルギー線
の照射により重合可能なモノマー及び/またはオリゴマ
ー(A)と、該モノマー及び/またはオリゴマー(A)
と相溶し、かつこれらモノマー及び/またはオリゴマー
(A)にエネルギー線を照射することにより生成するポ
リマーと相溶しない液体(B)と、該モノマー及び/ま
たはオリゴマー(A)を溶解させ、かつ該モノマー及び
/またはオリゴマー(A)にエネルギー線を照射するこ
とにより生成するポリマーを膨潤または溶解させる溶剤
(C)とを混合した均一な重合性溶液を中空糸状に押し
出した後、押し出された中空糸の表面から溶剤(C)の
一部を除去し、次いでエネルギー線を照射した後、必要
に応じ残余の液体(B)及び溶剤(C)を除去すること
を特徴とする中空糸型非対称多孔質膜の製造方法であ
る。
【0056】以下、本発明の第2の製造方法について説
明する。モノマー及び/またはオリゴマー(A)につい
ては本発明の第1の製法の場合と同様である。また液体
(B)についても、エネルギー線照射に先立ち一部を除
去する必要がないことを除いては、第1の製法と同様で
ある。従って、液体(B)の沸点に関して制約はない。
溶剤(C)は、モノマー及び/またはオリゴマー
(A)と液体(B)の混合液と実質的に均一に混合で
き、かつこれらのモノマー及び/またはオリゴマー
(A)から生成するポリマーを膨潤または溶解できるも
のであればいかなるものでもよい。
【0057】例えば、オリゴマー(A)として分子末端
にアクリル基を有するポリウレタン樹脂を用いる場合に
は、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、ジメ
チルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチル
ピロリドン、イソプロパノール、エタノール等を好適に
用いることができる。モノマー及び/またはオリゴマー
(A)の種類、必要とする分子量分画能、必要とする非
対称構造の程度によりその溶解性及び沸点を適切に選択
することができる。
【0058】溶剤(C)の一部を中空糸表面から除去す
る方法としては、蒸発や液体による吸収などがあるが、
蒸発が好ましい。蒸発による場合には、溶剤(C)の沸
点の選択は、本発明の第1の製法における液体(B)の
沸点と同様に、得られる高分子膜の濾過性能を決定する
重要な因子と成り得るものであり、本発明の第1の製法
における液体(B)の場合と同様の基準で選択する必要
がある。この時、液体(B)より低い沸点を持つ溶剤
(C)を選択する場合もあるし、逆に、液体(B)より
高い沸点を持つ溶剤(C)を選択する場合もある。即
ち、溶剤(C)とともに液体(B)の一部を除去するこ
とも可能である。
【0059】また、溶剤(C)を複数種類を用いること
も可能である。押し出された中空糸の部分乾燥法は、第
1の製造方法の場合と同様である溶剤(C)のモノマー
及び/またはオリゴマー(A)に対する溶解性と、得ら
れる高分子膜の分子量分画能には、相関関係が存在する
場合が多い。一例を挙げるならば、比較的分子量の小さ
なものを濾別できる高分子膜を得る為には、溶解性の高
い溶剤(C)を用い得る。また、比較的分子量の大きな
ものを濾別できる高分子膜を得る為には、溶解性の低い
溶剤(C)を用い得る。
【0060】重合性溶液は、溶剤(C)を含むこと以外
は、本発明の第1の製法と同様のことが云える。その他
の製造条件、例えば芯剤、ノズル、吐出速度、ドラフ
ト、エネルギー線の種類・強度・照射時間・照射位置・
照射雰囲気、開始剤、中空糸押し出し先が気体であるか
液体であるか、洗浄等についても第1の製法と同様であ
る。
【0061】本発明の第3の製造方法は、エネルギー線
の照射により重合可能なモノマー及び/またはオリゴマ
ー(A)と、該モノマー及び/またはオリゴマー(A)
を溶解させ、かつ該モノマー及び/またはオリゴマー
(A)にエネルギー線を照射することにより生成するポ
リマーを膨潤または溶解させる溶剤(C)と、該モノマ
ー及び/またはオリゴマー(A)を溶剤(C)に溶解さ
せた液に溶解するポリマー(D)とを混合した均一な重
合性溶液を中空糸状に押し出し後、押し出された中空糸
の表面から溶剤(C)の一部を除去し、次いでエネルギ
ー線を照射した後、必要に応じ残余の溶剤(C)及びポ
リマ−(D)を除去する方法である。
【0062】本方法に用いることのできるポリマー
(D)は、液状の該モノマーおよび/またはオリゴマー
(A)と溶剤(C)との均一溶液に溶解し、エネルギー
線照射に対し実質的に不活性なものであれば特に制約を
設ける必要はない。
【0063】ポリマー(D)は、例えば酢酸セルロー
ス、エチルセルロース、ニトロセルロース、キトサン、
ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリカ−ボネ−ト、ポ
リスルホン、ポリエ−テルスルホン、ポリウレタン、ポ
リアクリロニトリル、ポリアクリル酸エステル、ポリア
クリル酸、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリルア
ミド、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリド
ン、ポリビニルアルコール、等やこれらの誘導体や共重
合体を例示することができ、なかでもポリエチレングリ
コール、ポリビニルピロリドンが好ましい。
【0064】またポリマー(D)は複数のポリマーであ
ってもよい。モノマーおよび/またはオリゴマー(A)
が、分子量が低く溶解性の高いものであるほど、ポリマ
ー(D)の選択の幅が広くなる。そのため、モノマーお
よび/またはオリゴマー(A)に、分子量100〜25
0のモノマーが20%以上含有されることも好ましい。
【0065】第3の製法に用いられる溶剤(C)は、モ
ノマー及び/またはオリゴマー(A)を均一に溶解する
事が出来、かつこれらのモノマー及び/またはオリゴマ
ー(A)から生成する重合体を膨潤または溶解できるも
のであればいかなるものでもよい。例えば、オリゴマー
(A)として分子末端にアクリル基を有するポリウレタ
ン樹脂を用いる場合、アセトン、メチルエチルケトン、
酢酸エチル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトア
ミド、N−メチルピロリドン、イソプロパノール、エタ
ノール等を好適に用いることができる。
【0066】モノマー及び/またはオリゴマー(A)の
種類、必要とする分子量分画能、必要とする非対称構造
の程度によりその溶解性及び沸点を適切に選択すること
ができる。押しだされた中空糸の表面から溶剤(C)の
一部を蒸発により除去する場合には、溶剤(C)の沸点
は、得られる高分子膜の濾過性能を決定する重要な因子
と成り得るものである。
【0067】溶剤(C)の沸点の選択に関し一例を挙げ
るならば、室温以下の温度で溶剤(C)の一部を蒸発さ
せる部分乾燥を実施する場合や、部分乾燥を行うための
気流の速度が小さい場合や、ごく短時間のうちに溶剤
(C)を揮発させる必要がある場合には、溶剤(C)と
して沸点が80℃以下のものを用いるのが好適である。
また、加温された気流中で部分乾燥を行う場合や、ある
程度の時間を掛けて溶剤(C)を揮発させる場合には、
溶剤(C)として沸点が60℃以上のものを用いるのが
好適である。
【0068】溶剤(C)の溶解性と、得られる高分子膜
の分子量分画能には、相関関係が存在する場合が多い。
一例を挙げるならば、比較的分子量の小さなものを濾別
できる高分子膜を得る為には、溶解性の高い溶剤(C)
を用い得る。また、比較的分子量の大きなものを濾別で
きる高分子膜を得る為には、溶解性の低い溶剤(C)を
用い得る。
【0069】重合性溶液は、モノマーおよび/またはオ
リゴマー(A)、溶剤(C)との均一溶液にポリマー
(D)が均一に溶解した混合溶液であり、中空糸状に押
し出された状態でエネルギー線照射され、モノマーおよ
び/またはオリゴマー(A)が重合するとほぼ同時にポ
リマー(D)と相分離する。その後膜を洗浄し、ポリマ
ー(D)を除去することによって細孔を発生せしめる。
洗浄は、溶剤抽出、分解など任意の方法が採用される。
分解は液相で行っても気相で行ってもよい。また、この
洗浄操作によりポリマー(D)が完全に除去される必要
はなく、部分的に残留することも可能である。
【0070】例えば、ポリマー(D)に高分子量の水溶
性ポリマーを使用し、一部残留させることにより膜の親
水化を計ることができる。本法は重合性溶液の粘度を高
くすることが容易であるため、中空糸状に押し出す際の
芯剤として気体を使用することが容易であり、芯剤液体
の抽出洗浄を不要とすることができる。重合性溶液の粘
度は特に制約を設ける必要はないが、例えば10〜10
00000cpsに調節可能であり、中空糸芯剤として
気体を使用する場合には、1000cps以上であるこ
とが好ましい。
【0071】また、芯剤が気体、液体に係わらず、重合
性溶液の粘度が高いほど吐出時のドラフトを高くするこ
とができ、細い中空糸を製造する場合に有利である。ま
た、重合性溶液の粘度が1000cps以上と高い場合
には、芯材液体の粘度の制約が小さくなり、例えば10
cps以下の低粘度の芯剤も好ましく用いることができ
る。重合性溶液には、必要に応じ、重合開始剤、増感剤
などを添加することも可能である。モノマー及び/また
はオリゴマー(A)の選択に関しては、本発明の第1の
製造方法の場合と同様である。
【0072】本発明の第3の製造方法においては、ノズ
ルからの重合性溶液の吐出速度は、第1の製法より低く
する事ができ、0.1〜3000cm/秒とすることが
好ましく、0.5〜1000cm/秒がさらに好まし
く、1〜100cm/秒が最も好ましい。本発明の第3
の製造方法においては、重合性溶液は湿式製膜法の吐出
液と同程度の粘弾性を持たせることが可能であるため、
機械的引き取りによりドラフトを設定することが可能で
ある。本法においては、ドラフト比は1.0〜1000
が好ましく、3〜300がさらに好ましく、5〜50が
最も好ましい。
【0073】第3の製法に於けるその他の製造条件、例
えばエネルギー線の種類・強度・照射時間・照射位置・
照射雰囲気、開始剤、中空糸押し出し先が気体であるか
液体であるか、洗浄等に関しては第2の製法と同様であ
る。
【0074】本発明の第4の製法は、重合性溶液と、芯
剤とを、重合性溶液のノズルとの間のずり速度と重合性
溶液の粘度との積が5000[cps/秒]以上、及び
/または重合性溶液と芯剤との押し出し速度の差が10
[cm/秒]以上の条件で、ノズルから中空糸状に押し
出し、次いでエネルギー線を照射した後、必要に応じ液
体(B)を除去することを特徴とする中空糸型非対称多
孔質膜の製造方法である。
【0075】本法における重合性溶液は、エネルギー線
の照射に先だって、ノズルから押し出した中空糸から如
何なる成分も除去する必要がないこと以外は、第1また
は第3の製法の場合と同様である。従って、液体
(B)、溶剤(C)のいずれも揮発性である必要はな
い。
【0076】本法においては、重合性溶液をノズルから
押し出す際のずり速度と重合性溶液の粘度との積が50
00[cps/秒]以上、好ましくは10000〜10
0000[cps/秒]となるようコントロールする事
で非対称構造を形成することができる。ここで云うずり
速度とは、重合性溶液がノズルから押し出される吐出速
度(吐出線速度)[cm/秒]をノズルのスリット幅
[cm]の1/2で除した値である。
【0077】吐出速度は単位時間当たりの重合性溶液の
吐出体積をノズル断面積で除した値である。また、重合
性溶液の粘度はセンチポアズ(cps)単位での値であ
る。重合性溶液のずり速度は、単位時間当たりの重合性
溶液の押し出し(吐出)量、ノズル断面積およびノズル
のスリット幅でコントロールすることができる。ずり速
度と重合性溶液の粘度の積がこの範囲未満の場合には、
表面緻密層の形成が不完全となり分離性能に劣った膜と
なり、この範囲を越えると緻密層の厚みが厚くなりす
ぎ、フラックスに劣った膜となる。
【0078】第4の製法に於けるこれ以外の部分、例え
ば重合性溶液の吐出速度、ドラフト比、芯剤、エネルギ
ー線の種類・強度・照射時間・照射位置・照射雰囲気、
開始剤、中空糸押し出し先が気体であるか液体である
か、中空糸引き取り方法、洗浄等に関しては重合性溶液
の組成に応じ、それぞれ対応する第1または第3の製法
と同様である。本製法に於いては、中空糸外表面に緻密
層が形成される。本製法は、第1〜第3の製法と重複し
て実施することも可能である。
【0079】本発明の第5の製造方法は、重合性溶液
を、液体を芯として、芯剤液体の吐出線速度との速度差
が10[cm/秒]以上、好ましくは20〜200[c
m/秒]の条件で中空糸状に押し出し、エネルギー線を
照射することを特徴とする中空糸型非対称多孔質膜の製
造方法である。
【0080】本法における重合性溶液は、エネルギー線
の照射に先だって、ノズルから押し出した中空糸から如
何なる成分も除去する必要がないこと以外は、第1また
は第3の製法の場合と同様である。従って、液体
(B)、溶剤(C)のいずれも揮発性である必要はな
い。本製法に於いては、芯剤として液体が使用され、重
合性溶液と芯剤液体の吐出速度差をコントロールする事
で非対称構造を形成することができる。
【0081】この際、重合性溶液と芯剤液体のどちらの
吐出速度を速くするかは任意である。重合性溶液および
芯剤の吐出速度は、それぞれの単位時間当たりの押し出
し量と、ノズルのそれぞれの吐出口面積によりコントロ
ールする事ができる。吐出速度の差がこの範囲未満の場
合には、内表面緻密層の形成が不完全となり分画性能に
劣った膜となり、この範囲を越えると緻密層の厚みが厚
くなりすぎ、フラックスに劣った膜となる。本製法に於
ける芯剤液体の粘度は1〜100000[cps]が好
ましく、100〜10000[cps]がさらに好まし
い。
【0082】本法においては特に、芯剤として用いる非
重合性液体が、重合性溶液の構成成分のいずれとも混和
しないものであることが好ましい。第5の製法に於ける
これ以外の部分、例えば重合性溶液の吐出速度、ドラフ
ト比、芯剤、エネルギー線の種類・強度・照射時間・照
射位置・照射雰囲気、開始剤、中空糸押し出し先が気体
であるか液体であるか、中空糸引き取り方法、洗浄等に
関しては重合性溶液の組成に応じ、それぞれ対応する第
1または第3の製法と同様である。本法における非対称
構造形成の機構は不明であるが、中空糸内表面に緻密層
が形成される。本製法は第1〜第4の製法と重複して実
施することも可能である。
【0083】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明するが、本発明の範囲がこれにより限定されるもの
ではない。
【0084】[実施例1] (重合性溶液の調整)モノマー及び/またはオリゴマー
(A)として数平均分子量700、1分子内に平均して
3個のアクリル基を有するウレタンアクリレ−トオリゴ
マ−100部、液体(B)としてジイソブチルケトン7
0部、紫外線重合開始剤イルガキュア−184(1ーヒ
ドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、チバガイギ−
社製)4部、を混合し、23℃における粘度が20cp
sの重合性溶液1を得た。
【0085】(中空糸膜の作製)直径6mm、スリット
幅0.4mm、芯剤注入孔径2mmの円環ノズルを使用
し、芯剤としてポリプロピレングリコール(分子量40
00、粘度655cps)を注入しつつ、重合性溶液1
を80ml/分(吐出速度19cm/秒)で空気中に押
し出し、ノズル下30〜60cmの範囲を、6KWメタ
ルハライドランプにより波長360nmの紫外線を集光
ミラーを用いて照射した。
【0086】硬化した中空糸は、ノズル下150cmの
位置にある台上に落下させた。得られた湿潤中空糸は外
径0.8mm、内径0.4mmであり、乳白色を呈して
いた。中空糸の生成速度は350cm/秒であり、ドラ
フト比は18と計算される。照射前には透明であった重
合性溶液が照射後には、乳白色の中空糸として得られ
た。得られた乳白色の中空糸をメチエチルケトン中に3
0分間浸すことにより非溶剤、未反応のモノマー及びオ
リゴマ−、芯剤、紫外線重合開始剤を洗い出した。
【0087】洗浄後の中空糸を減圧下充分に乾燥させる
ことにより表面に光沢を有する外径0.78mm内径
0.47mmの白色の中空糸1を得た。中空糸1を走査
型電子顕微鏡(SEM)で観察した結果、中空糸の外表
面には孔が観測されず内表面には互いに接着したポリマ
ー粒子と、その間隙として与えられる直径約2μmの細
孔が観察された。また、断面の観察より外表面の孔が観
察されない部分は、厚み1μm以下の一層のみであるこ
とが分かった。本実施例では、液体(B)のジイソブチ
ルケトンの一部が蒸発したことにより、膜厚み方向に孔
径分布を有する中空糸膜が得られた。
【0088】(濾過性能の評価)この中空糸1を使用し
て膜面積(外表面積)0.05m2の試験モジュールを
作製し、内圧型の全濾過法で、25℃の水を透過させた
ところ、フラックス(膜透過流束)は640l/m2
hr(圧力差3Kg/cm2)であった。圧力差3Kg
/cm2での 濾過試験を室温にて24時間継続したとこ
ろ、フラックスの低下率は2%と殆ど低下しなかった。
【0089】また、この中空糸膜を80℃水中にて1時
間熱処理した膜の、70℃の水のフラックスは1600
l/m2・hr(圧力差3Kg/cm2)であり、圧力差
3Kg/cm2、70℃での濾過試験を24時間継続し
たときのフラックスの低下率は3%であった。この試験
モジュールを使用して、分子量50000および600
0のポリエチレングリコ−ルの0.3%水溶液により、
濾過圧力0.5Kg/cm2にて外圧型濾過実験を行っ
た。25℃における水のフラックス及びポリエチレング
リコ−ルの阻止率を表1に示す。
【0090】分子量50000のポリエチレングリコー
ルが阻止され分子量6000のポリエチレングリコール
が透過していることから中空糸1の緻密層の孔径は、
0.01μm以下0.005μm以上程度の孔を有する
ことがわかる。以下の実施例、比較例においても同様の
評価を行った。
【0091】(耐圧試験、膨潤試験)また、この試験モ
ジュールを使用し、粘ちょう液体にて中空糸膜に内圧を
かけて耐圧試験を行ったところ、中空糸膜の破裂強度は
12.6Kg/cm2であった。 一方、この中空糸膜を
アクリル系ポリマーの溶剤であるジメチルホルムアミ
ド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホオキシドな
どに浸漬したところ、いずれの場合も膨潤し透明になっ
たが、溶解することはなかった。
【0092】[実施例2] (重合性溶液の調整)モノマーおよび/またはオリゴマ
ー(A)として数平均分子量3000、1分子内に平均
して3個のアクリル基を有するウレタンアクリレ−トオ
リゴマ−60部および1,6−ヘキサンジオールジアク
リレート20部、液体(B)としてジイソブチルケトン
20部およびポリエチレングリコールモノラウレート7
0部、紫外線重合開始剤としてイルガキュアー651
(ベンジルジメチルケタール、チバガイギー社製)4部
を混合し、23℃における粘度が260cpsの重合性
溶液2を得た。
【0093】(中空糸膜の作製)実施例1と同様の操作
を行うことにより表面に光沢を有する白色の中空糸2を
得た。中空糸2をSEMで観察した結果、中空糸の外表
面および内表面には孔が観測されず、表面以外の膜内部
には直径2μmの細孔が観察された。また、断面の観察
より内外表面の孔が観察されない部分は、厚み1μm以
下のそれぞれ一層のみであることが分かった。本実施例
では、液体(B)のジイソブチルケトンの一部が蒸発し
たことにより、膜厚み方向に孔径分布を有する中空糸膜
が得られた。
【0094】(濾過性能の評価)実施例1と同様に25
℃の水のフラックスおよび、分子量50000および6
000のポリエチレングリコ−ルの0.3%水溶液の内
圧型濾過実験を行った。
【0095】[実施例3] (重合性溶液の調整)モノマーおよび/またはオリゴマ
ー(A)として数平均分子量1000、1分子内に平均
して2個のアクリル基を有するウレタンアクリレ−トオ
リゴマ−50部、エポキシ当量190のエポキシ樹脂の
アクリル酸エステル30部およびフェニルセロソルブア
クリレ−ト20部の混合物、液体(B)としてポリエチ
レングリコールソルビタンモノラウレート70部、溶剤
(C)としてアセトン30部、紫外線重合開始剤として
イルガキュア−184、4部を混合し、23℃における
粘度が160cps重合性溶液3を得た。
【0096】(中空糸膜の作製)実施例1と同様の操作
を行うことにより表面に光沢を有さない白色の中空糸3
を得た。中空糸3をSEMで観察した結果、中空糸の内
表面には孔が観測されず、中空糸の外表面以外の膜内部
には直径2μmの細孔が観察された。また、断面の観察
より内表面の孔が観察されない部分は、厚み1μm以下
の一層のみであることが分かった。本実施例では、溶剤
(C)のアセトンの一部が蒸発したことにより、膜厚み
方向に孔径分布を有する中空糸膜が得られた。
【0097】(濾過性能の評価)実施例1と同様に25
℃の水のフラックスおよび、分子量50000および6
000のポリエチレングリコ−ルの0.3%水溶液の内
圧型濾過実験を行った。
【0098】[実施例4] (重合性溶液の調製)モノマーおよび/またはオリゴマ
ー(A)として分子量800で1分子内に平均して3個
のアクリル基を有するウレタンアクリレートオリゴマー
50部およびトリメチロールプロパントリアクリレート
50部、ポリマー(D)として重量平均分子量1000
0のポリビニルピロリドン100部、溶剤(C)として
N−メチルピロリドン150部、紫外線重合開始剤とし
てイルガキュアー651を2部、を混合し、23℃にお
ける粘度3000cpsの重合性溶液4を得た。
【0099】(中空糸膜の作製)重合性溶液4を用いた
こと、芯剤として窒素ガスを用いたこと、ノズル下およ
び紫外線照射部が80℃の窒素雰囲気であること、およ
び、引き取り速度350cm/秒でローラーにて引き取
ったこと以外は実施例1と同様にして中空糸を紡糸し
た。得られた湿潤中空糸は外径0.93mm、内径0.
64mmであった。ドラフトは19.6と計算される。
この中空糸を水及びエタノールで洗浄し、減圧下に十分
乾燥させて、表面に光沢を有しない白色の中空糸4を得
た。中空糸4をSEMで観察した結果、中空糸の外表面
には孔が観測されず内表面には互いに接着したポリマー
粒子と、その間隙として与えられる直径約2μmの細孔
が観察された。
【0100】また、断面の観察より外表面の孔が観察さ
れない部分は、厚み1μm以下の一層のみであることが
分かった。本実施例では、溶剤のN−メチルピロリドン
の一部が揮発したことにより、膜厚み方向に孔径分布を
有する中空糸膜が得られた。
【0101】(中空糸膜の特性)この中空糸膜は外径
0.91mm、内径0.66mmであり、実施例1と同
様にして測定したフラックスは120l/m2・hrで
あった。圧力差3Kg/cm2での 濾過試験を室温にて
24時間継続したところ、フラックスの低下率は2%と
殆ど低下しなかった。また、この中空糸膜を80℃水中
にて1時間熱処理した膜の、70℃の水のフラックス
は,380l/m2・hr(圧力差3Kg/cm2)であ
り、圧力差3Kg/cm2、70℃での濾過試験を24
時間継続したときのフラックスの低下率は3%であっ
た。
【0102】また、この試験モジュールを使用し、粘ち
ょう液体にて中空糸膜に内圧をかけて耐圧試験を行った
ところ、中空糸膜の破裂強度は15.4Kg/cm2
あった。一方、この中空糸膜をアクリル系ポリマーの溶
剤であるジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミ
ド、ジメチルスルホオキシドなどに浸漬したところ、い
ずれも膨潤し透明になったが溶解することはなかった。
実施例1と同様に、分子量50000および6000の
ポリエチレングリコ−ルの0.3%水溶液の内圧型濾過
実験を行った。
【0103】[実施例5] (重合性溶液の調製)モノマーおよび/またはオリゴマ
ー(A)として分子量800で1分子内に平均して3個
のアクリル基を有するウレタンアクリレートオリゴマー
15部、1,6−ヘキサンジオールジメタアクリレート
40部およびn−ブチルアクリレート20部、ジペンタ
エリスリトールヘキサアクリレート5部の混合物、液体
(B)としてポリエチレングリコール(重量平均分子量
10000)50部およびジメチルホルムアミド150
部、紫外線重合開始剤としてイルガキュアー651、2
部を混合し、23℃における粘度4400cpsの重合
性溶液5を得た。
【0104】(中空糸膜の作製)重合性溶液5を用いた
こと以外は実施例4と同様にして中空糸を紡糸した。得
られた湿潤中空糸は外径0.95mm、内径0.66m
mであった。ドラフトは19と計算される。この中空糸
を水およびエタノールで洗浄し、減圧下に十分乾燥させ
て、表面に光沢を有しない白色の中空糸膜を得た。中空
糸4を電子顕微鏡で観察した結果、中空糸の外表面には
孔が観測されず内表面には互いに接着したポリマー粒子
と、その間隙として与えられる直径2μmの細孔が観察
された。また、断面の観察より外表面の孔が観察されな
い部分は、厚み1μm以下の一層のみであることが分か
った。本実施例では、溶剤のジメチルホルムアミドの一
部が揮発したことにより、膜厚み方向に孔径分布を有す
る中空糸膜が得られた。
【0105】(濾過性能の評価)実施例1と同様に25
℃の水のフラックスおよび、内圧型濾過実験を行った。
結果を表1に示す。
【0106】[実施例6]本実施例では、液体(B)の
一部が蒸発することにより、低ずり速度の押し出し条件
にもかかわらず、膜厚み方向に孔径分布を有する中空糸
膜が得られることを示す。
【0107】(重合性溶液の調製)実施例1で使用した
同じ重合性溶液1を用いた。
【0108】(中空糸膜の作製)使用したノズルが、直
径8.0mm、スリット幅1.5mm、芯剤注入孔径
4.0mmであること、重合性溶液の吐出量が80ml
/分であること、芯剤がアルギン酸ナトリウムの1.8
%水溶液(粘度約2000cps)であること、芯剤の
吐出量が80ml/分であること、およびノズル直下か
ら紫外線照射位置の下端までの範囲を風速0.1m/秒
の上向き窒素気流としたこと以外は、実施例1と同様の
操作を行うことにより中空糸を紡糸した。
【0109】この時の、重合性溶液の吐出速度、重合性
溶液の吐出ずり速度、ずり速度×粘度、芯剤の吐出速度
および重合性溶液と芯剤との吐出速度差を表3に示す。
得られた湿潤中空糸は外径0.65mm、内径0.46
mmであった。この中空糸をn−ヘキサン、エタノール
および水で洗浄し、減圧下に十分乾燥させて、表面に光
沢を有する白色の中空糸6を得た。中空糸6を走査型電
子顕微鏡(SEM)で観察した結果、中空糸の外表面に
はSEMの解像度以上の寸法の孔は観測されず、内表面
には互いに接着したポリマー粒子と、その間隙として与
えられる直径1μmの細孔が観察された。
【0110】また、断面の観察より、外表面の孔が観察
されない部分は、厚み約1μmの一層のみであることが
分かった。本実施例では、液体(B)であるジイソブチ
ルケトンの一部が蒸発したことにより、膜厚み方向に孔
径分布を有する中空糸膜が得られた。
【0111】(濾過性能の評価)実施例1と同様にし
て、水のフラックスおよび内圧型濾過実験を行った。結
果を表1に示す。
【0112】[実施例7]本実施例では、溶剤(C)の
一部が蒸発することにより、低ずり速度の押し出し条件
にもかかわらず、膜厚み方向に孔径分布を有する中空糸
膜が得られることを示す。
【0113】(重合性溶液の調製)実施例3で使用した
同じ重合性溶液3を用いた。
【0114】(中空糸膜の作製)重合性溶液3を使用し
たこと、重合性溶液の吐出量が60ml/分であるこ
と、および芯剤の吐出量が60ml/分であること以外
は、実施例6と同様の操作を行うことにより中空糸を紡
糸した。この時の、重合性溶液の吐出速度、重合性溶液
の吐出ずり速度、ずり速度×粘度、芯剤の吐出速度およ
び重合性溶液と芯剤との吐出速度差を表3に示す。得ら
れた湿潤中空糸は外径0.69mm、内径0.485m
mであった。
【0115】この中空糸をn−ヘキサン、エタノールお
よび水で洗浄し、減圧下に十分乾燥させて白色の中空糸
7を得た。中空糸7をSEMで観察した結果、中空糸の
内表面には孔が観測されず、外表面には互いに接着した
ポリマー粒子と、その間隙として与えられる直径約1μ
mの細孔が観察された。また、断面の観察より外表面の
孔が観察されない部分は、厚み1μm以下の一層のみで
あることが分かった。本実施例では、溶剤(C)である
アセトンの一部が蒸発したことにより、膜厚み方向に孔
径分布を有する中空糸膜が得られた。
【0116】(濾過性能の評価)実施例1と同様にして
水のフラックスおよび内圧型濾過実験を行った。結果を
表1に示す。
【0117】[実施例8]本実施例では、液体(B)の
代わりにポリマー(D)を含有する系に於いて、溶剤
(C)の一部が蒸発することにより、低ずり速度の押し
出し条件にもかかわらず、膜厚み方向に孔径分布を有す
る中空糸膜が得られることを示す。
【0118】(重合性溶液の調製)実施例4で使用した
と同じ重合性溶液4を用いた。
【0119】(中空糸膜の作製)重合性溶液4を使用し
たこと、重合性溶液の吐出量が10ml/分であるこ
と、および芯剤の吐出量が10ml/分であること、お
よび紫外線照射位置がノズル下10〜40cmであるこ
と以外は、実施例6と同様の操作を行うことにより中空
糸を紡糸した。この時の、重合性溶液の吐出速度、重合
性溶液の吐出ずり速度、ずり速度×粘度、芯剤の吐出速
度および重合性溶液と芯剤との吐出速度差を表3に示
す。得られた湿潤中空糸は外径0.675mm、内径
0.48mmであった。この中空糸をn−ヘキサン、エ
タノールおよび水で洗浄し、減圧下に十分乾燥させて白
色の中空糸8を得た。
【0120】中空糸8をSEMで観察した結果、中空糸
の外表面には孔が観測されず内表面には互いに接着した
ポリマー粒子と、その間隙として与えられる直径2μm
の細孔が観察された。また、断面の観察より外表面の孔
が観察されない部分は、厚み1μm以下の一層のみであ
ることが分かった。本実施例では、溶剤(C)であるN
−メチルピロリドンの一部が蒸発したことにより、膜厚
み方向に孔径分布を有する中空糸膜が得られた。
【0121】(濾過性能の評価)実施例1と同様にし
て、水のフラックスおよび内圧型濾過実験を行った。結
果を表1に示す。
【0122】[実施例9]本実施例では、液体(B)が
不揮発性であるにもかかわらず、ノズルとのずり速度の
コントロールにより、膜厚み方向に孔径分布を有する中
空糸膜が得られることを示す。
【0123】(重合性溶液の調整)モノマーおよび/ま
たはオリゴマー(A)として数平均分子量2000、1
分子内に平均して3個のアクリル基を有するウレタンア
クリレ−トオリゴマ−80部と分子量512、エチレン
オキサイド変性ビスフェノールAジアクリレート20部
の混合物、液体(B)としてカプリン酸メチル110部
とラウリン酸メチル50部の混合物、紫外線重合開始剤
イルガキュアー184(チバガイギー社製)4部を混合
し、25℃における粘度が19cpsの重合性溶液6を
得た。
【0124】(中空糸膜の作製)使用したノズルが、直
径8.0mm、スリット幅0.4mm、芯剤注入孔径
3.5mmであること、重合性溶液の吐出量が180m
l/分であること、芯剤がアルギン酸ナトリウムの1.
8%水溶液であること、芯剤の吐出量が180ml/分
であること以外は、実施例1と同様の操作を行うことに
より得られた湿潤中空糸は外径0.75mm、内径0.
54mmであった。この中空糸をn−ヘキサン、エタノ
ールおよび水で洗浄し、減圧下に十分乾燥させて白色の
中空糸9を得た。この時の押し出し条件を表3に示す。
得られた中空糸9をSEMで観察した結果、中空糸の外
表面には孔が観測されず、内表面および膜内部には直径
0.5μmの細孔が観察された。また、外表面の孔が観
察されない部分は、厚み1μm以下の一層のみであっ
た。
【0125】(濾過性能の評価)実施例1と同様にし
て、水のフラックスおよび外圧型濾過実験を行った。結
果を表1に示す。
【0126】[実施例10]本実施例では、液体(B)
が不揮発性であるにもかかわらず、重合性溶液と芯剤の
吐出速度差のコントロールにより、膜厚み方向に孔径分
布を有する中空糸膜が得られることを示す。
【0127】(重合性溶液の調整)実施例9で使用した
と同じ重合性溶液6を使用した。
【0128】(中空糸膜の作製)使用したノズルが、直
径8.0mm、スリット幅1.5mm、芯剤注入孔径
2.0mmであること以外は実施例6と同様の操作を行
うことにより得られた湿潤中空糸は外径0.75mm、
内径0.54mmであった。この中空糸をn−ヘキサ
ン、エタノールおよび水で洗浄し、減圧下に十分乾燥さ
せて白色の中空糸10を得た。この時の押し出し条件を
表3に示す。中空糸10をSEMで観察した結果、中空
糸の内表面は波状の模様が認められ、細孔は観測されな
かった。
【0129】外表面および断面における膜内部には直径
0.5μmの細孔が観察された。また、内表面の孔が観
察されない部分は、厚み約1μmの一層のみであった。
本実施例では、液体(B)が不揮発性であるにもかかわ
らず、重合性溶液と芯剤の吐出速度差を10cm/秒以
上にすることにより、膜厚み方向に孔径分布を有する中
空糸膜が得られた。
【0130】(濾過性能の評価)実施例1と同様にし
て、水のフラックスおよび内圧型濾過実験を行った。結
果を表1に示す。
【0131】[実施例11]本比較例では、溶剤(C)
が不揮発性であるにもかかわらず、重合性溶液の吐出ず
り速度をコントロールすることで、膜厚方向に孔径分布
を有する中空糸を成形できることを示す。
【0132】(重合性溶液の調整)モノマー及び/また
はオリゴマー(A)として分子量894、1分子内に3
個のアクリル基を有するウレタンアクリレ−トオリゴマ
−100部、ポリマー(D)として重量平均分子量10
000のポリビニルピロリドン100部、溶剤(C)と
してジメチルアセトアミド250部、紫外線重合開始剤
イルガキュア−184、4部、を混合し、23℃におけ
る粘度73cpsの重合性溶液7を得た。
【0133】(中空糸膜の作製)使用したノズルが、直
径8.0mm、スリット幅1.5mm、芯剤注入孔径
4.0mmであること、芯剤が分子量4000のポリプ
ロピレングリコール(粘度655cps)であること以
外は、実施例6と同様の操作を行うことにより得られた
湿潤中空糸は外径0.69mm、内径0.48mmであ
った。この中空糸をn−ヘキサン、エタノールおよび水
で洗浄し、減圧下に十分乾燥させて白色の中空糸11を
得た。この時の押し出し条件を表3に示す。中空糸11
をSEMで観察した結果、中空糸の外表面には孔が観測
されず、内表面および膜内部には直径0.2μmの細孔
が観察された。また、外表面の孔が観察されない部分
は、厚み1μm以下の一層のみであった。
【0134】(濾過性能の評価)実施例1と同様にし
て、水のフラックスおよび外圧型濾過実験を行った。結
果を表1に示す。
【0135】[実施例12]本実施例では、溶剤(C)
が不揮発性であるにもかかわらず、重合性溶液と芯剤の
吐出速度差のコントロールにより、膜厚み方向に孔径分
布を有する中空糸膜が得られることを示す。
【0136】(重合性溶液の調整)実施例11で使用し
たと同じ重合性溶液7を使用した。
【0137】(中空糸膜の作製)使用したノズルが、直
径8.0mm、スリット幅1.5mm、芯剤注入孔径
2.0mmであること以外は実施例11と同様の操作を
行うことにより得られた湿潤中空糸は外径0.69m
m、内径0.48mmであった。この中空糸をn−ヘキ
サン、エタノールおよび水で洗浄し、減圧下に十分乾燥
させて白色の中空糸12を得た。この時の押し出し条件
を表3に示す。中空糸12をSEMで観察した結果、中
空糸の内表面には波状の模様が観察されるものの、孔は
観測されず、外表面および断面における膜内部には直径
0.5μmの細孔が観察された。また、内表面の孔が観
察されない部分は、厚み約1μmの一層のみであった。
【0138】(濾過性能の評価)実施例1と同様にし
て、水のフラックスおよび内圧型濾過実験を行った。結
果を表2に示す。
【0139】[比較例1]本比較例では、湿式法により
作製された中空糸膜は、耐クリープ性や耐熱性に劣るこ
とを示す。 (中空糸膜の作製)ポリスルホン(アモコ製、P−18
00NT)30部をN−メチルピロリドン70部に溶解
させたド−プを、直径2mm、スリット幅0.2mm、
芯剤注入孔径0.8mmの円環ノズルを使用し、芯剤と
して水を注入しつつ、0.75ml/分(吐出線速度
1.1cm/秒)で水中に押し出し、ローラーにて1.
25cm/秒(ドラフト比1.15)で引き取りつつ水
中に約10分間滞留させた後、取り出し、水洗、乾燥し
て、外径1.8mm、内径1.45mmの中空糸膜13
を得た。
【0140】(中空糸膜の特性)この中空糸膜を電子顕
微鏡観察したところ、網目状のポリマーと、断面が円に
近い細孔とが観察された。細孔の形状および直径は中空
糸膜の内表面、外表面、および膜断面におけるどの位置
においてもほぼ等しかった。長さ1cmに切断した中空
糸膜0.3gを水銀ポロシメーター(カルロエルバ社
製)にて測定したところ、孔径分布のピークは2.5μ
m、体積空孔率は49.1%であった。
【0141】(濾過性能の評価)実施例1と同様にして
測定したフラックスは100000l/m2・hr(圧
力3Kg/cm2)であり、この濾過試験を24時間継
続した時のフラックスの低下率は33%であった。ま
た、この中空糸膜を80℃水中にて1時間熱処理した膜
の、70℃の水のフラックスは70000l/分・m2
であり、さらに70℃での濾過試験を24時間継続した
ときのフラックスの低下率は5%であった。
【0142】実施例1と同じ方法による中空糸膜の耐圧
強度は8.1Kg/cm2であった。 この膜を、ジメ
チルホルムアミド、塩化メチレン、アセトンなどに浸漬
したところ、いずれの場合も完全に溶解した。実施例1
と同様に25℃の水のフラックスおよび、分子量500
00および6000のポリエチレングリコ−ルの0.3
%水溶液の内圧型濾過実験を行った。結果を表2に示
す。
【0143】[比較例2]本比較例では、液体(B)ま
たはポリマー(D)を使用しないと多孔質膜とならない
ことを示す。
【0144】(重合性溶液の調整)モノマー及び/また
はオリゴマー(A)として、数平均分子量3000、1
分子内に平均して2個のアクリル基を有するのウレタン
アクリレ−トオリゴマ−60部、トリメチロ−ルプロパ
ントリアクリレ−ト20部およびネオペンチルグリコ−
ルジアクリレ−ト20部の混合物、溶剤(C)としてエ
タノール200部、および紫外線重合開始剤イルガキュ
ア−184、4部、を混合し、23℃における粘度が3
0cpsの重合性溶液8を得た。
【0145】(中空糸膜の作製)芯剤としてヒドロキシ
プロピルメチルセルロースの2重量%水溶液を用いるこ
と、得られた無色透明な中空糸をエタノールに30分間
浸すことにより溶剤、未反応のモノマー及びオリゴマ
−、芯剤、紫外線重合開始剤を洗い出したこと以外は、
実施例1と同様の操作を行うことにより表面に光沢を有
する無色透明な中空糸14を得た。中空糸14をSEM
で観察した結果、中空糸の内外表面、および膜断面には
孔が観察されなかった。 (濾過性能の評価)実施例1と同様に濾過性能の評価を
行ったが、フラックスは0であった。
【0146】[比較例3]本比較例では、液体(B)が
不揮発性であり、膜厚方向に孔径分布を有する中空糸と
ならない場合を示す。 (重合性溶液の調整)実施例9で用いたと同じ重合性溶
液6を使用した。
【0147】(中空糸膜の作製)使用したノズルが、直
径8.0mm、スリット幅1.5mm、芯剤注入孔径
4.0mmであること、重合性溶液の吐出量が80ml
/分であること、芯剤がアルギン酸ナトリウムの1.8
%水溶液(粘度約2000cps)であること、芯剤の
吐出量が80ml/分であること以外は、実施例1と同
様の操作を行うことにより表面に光沢を有さない白色の
中空糸15を得た。この時の、押し出し条件を表3に示
す。中空糸15を電子顕微鏡で観察した結果、互いに接
着したポリマー粒子と、その間隙として与えられる直径
1μmの細孔が観察された。細孔径および細孔形状は中
空糸膜の内表面、外表面、および膜断面におけるどの位
置においてもほぼ同じであった。
【0148】重合性溶液が揮発成分を含有せず、吐出ず
り速度が小さく、また重合性溶液と芯剤の吐出速度差が
十分小さい場合には、等方性の多孔質膜が形成されるこ
とが判る。 (濾過性能の評価)実施例1と同様にして、水のフラッ
クスおよび外圧型濾過試験を行った。結果を表2に示
す。
【0149】[比較例4]本比較例では、溶剤(C)が
不揮発性であることにより、膜厚方向に孔径分布を有す
る中空糸が得られないことを示す。 (重合性溶液の調整)実施例11で用いたと同じ重合性
溶液7を使用した。
【0150】(中空糸膜の作製)重合性溶液7を使用し
たこと、ノズルが、直径8.0mm、スリット幅1.5
mm、芯剤注入孔径4.0mmであること、重合性溶液
の吐出量が80ml/分であること、芯剤が分子量40
00のプロピレングリコール(粘度655cps)であ
ること、および芯剤の吐出量が80ml/分であること
以外は、実施例1と同様の操作を行うことにより表面に
光沢を有さない白色の中空糸16を得た。この時の押し
出し条件を表3に示す。
【0151】中空糸16をSEMでで観察した結果、中
空糸膜の外表面および内表面に不完全な緻密層が部分適
に形成されていることが観察され、また断面には互いに
接着したポリマー粒子と、その間隙として与えられる直
径0.5μmの細孔が観察された。細孔径および細孔形
状は中空糸膜の内表面、外表面の多孔質部分、および膜
断面におけるどの位置においてもほぼ同じであった。重
合性溶液が揮発成分を含有せず、吐出ずり速度が小さ
く、また重合性溶液と芯剤の吐出速度差が十分小さい場
合には、等方性の多孔質膜が形成されることが判る。
【0152】(濾過性能の評価)実施例1と同様にし
て、水のフラックスおよび内圧型濾過実験を行った。結
果を表2に示す。
【0153】
【表1】
【表2】
【表3】
【0154】
【発明の効果】本発明の膜は中空糸構造を有するため、
体積当りの膜面積が大きく取れること、モジュール化が
簡単であること、モジュールに流入する未処理流体と処
理流体との混合が生じにくく、高性能の膜分離が可能で
あること等の特長を有する。本発明の中空糸非対称多孔
質膜は架橋構造を有する為、強度、耐クリープ性、耐熱
性、耐薬品性に優れるとともに、膜の用途目的に応じた
最適な素材特性の設計が容易であり、選択の幅も広い。
また、生産速度が高く、中空糸寸法や孔径の設計範囲を
広く取れる。本発明の中空糸型非対称性多孔質膜は、膜
の断面方向に孔径分布を有する為、任意の分子量分画能
が容易に得られ、また、濾過速度が速く目詰まりを起こ
しにくい、従って、限外濾過膜、逆浸透膜、精密濾過膜
等へ有効に応用することが可能である。

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エネルギー線の照射により重合可能なモ
    ノマー及び/またはオリゴマー(A)にエネルギー線を
    照射することにより生成したポリマーからなり、エネル
    ギ−線の照射による重合の際に形成された連通細孔を有
    する中空糸型非対称多孔質膜。
  2. 【請求項2】 エネルギー線を照射することにより生成
    したポリマーが、架橋ポリマーである請求項1記載の中
    空糸型非対称多孔質膜。
  3. 【請求項3】 エネルギー線の照射により重合可能なモ
    ノマー及び/またはオリゴマー(A)が、1分子内に
    (メタ)アクリル基1〜6個を有する請求項1記載の中
    空糸型非対称多孔質膜。
  4. 【請求項4】 緻密層の平均孔径が0.0005〜0.
    015μmであり、支持層の平均孔径が0.05〜20
    μmである請求項1記載の中空糸型非対称多孔質膜。
  5. 【請求項5】 エネルギー線の照射により重合可能なモ
    ノマー及び/またはオリゴマー(A)と、該モノマー及
    び/またはオリゴマー(A)と相溶しかつこれらモノマ
    ー及び/またはオリゴマー(A)にエネルギー線を照射
    することにより生成したポリマーと相溶せずかつエネル
    ギー線に対し実質的に不活性な液体(B)とを混合した
    均一な重合性溶液を、中空糸状に押し出し、押し出され
    た中空糸の表面から液体(B)の一部を除去し、次いで
    エネルギー線を照射した後、必要に応じ残余の液体
    (B)を除去することを特徴とする中空糸型非対称多孔
    質膜の製造方法。
  6. 【請求項6】 エネルギー線の照射により重合可能なモ
    ノマー及び/またはオリゴマー(A)と、該モノマー及
    び/またはオリゴマー(A)と相溶しかつこれらモノマ
    ー及び/またはオリゴマー(A)にエネルギー線を照射
    することにより生成するポリマーと相溶せずかつエネル
    ギー線に対し実質的に不活性な液体(B)と、該モノマ
    ー及び/またはオリゴマー(A)を溶解させかつ該モノ
    マー及び/またはオリゴマー(A)にエネルギー線を照
    射することにより生成するポリマーを膨潤または溶解さ
    せ、かつエネルギー線に対し実質的に不活性な溶剤
    (C)とを混合した均一な重合性溶液を中空糸状に押し
    出した後、押し出された中空糸の表面から溶剤(C)の
    一部を除去し、次いでエネルギー線を照射した後、必要
    に応じ残余の液体(B)及び溶剤(C)を除去すること
    を特徴とする中空糸型非対称多孔質膜の製造方法。
  7. 【請求項7】 エネルギー線の照射により重合可能なモ
    ノマー及び/またはオリゴマー(A)と、該モノマー及
    び/またはオリゴマー(A)と相溶し、かつこれらモノ
    マー及び/またはオリゴマー(A)にエネルギー線を照
    射することにより生成したポリマーと相溶せず、かつエ
    ネルギー線に対し不活性な液体(B)とを混合した均一
    な重合性溶液と、芯剤とを、重合性溶液のノズルとの間
    のずり速度と重合性溶液の粘度との積が5000[cp
    s/秒]以上、及び/または重合性溶液と芯剤との押し
    出し速度の差が10[cm/秒]以上の条件で、ノズル
    から芯剤を芯として中空糸状に押し出し、次いでエネル
    ギー線を照射した後、必要に応じ液体(B)を除去する
    ことを特徴とする中空糸型非対称多孔質膜の製造方法。
  8. 【請求項8】 重合性溶液と、芯剤とを、重合性溶液の
    ノズルとの間のずり速度と重合性溶液の粘度との積が1
    0000〜100000[cps/秒]、及び/または
    重合性溶液と芯剤との押し出し速度の差が20〜200
    [cm/秒]の条件で、ノズルから芯剤を芯として中空
    糸状に押し出す請求項7記載の製造方法。
  9. 【請求項9】 液体(B)がアルキルカルボン酸エステ
    ル、ジアルキルケトン、ポリエチレングリコ−ルのモノ
    エステル、ポリエチレングリコールソルビタンエステル
    類、ポリエチレングリコールモノエーテルからなる群か
    ら選ばれた1種以上の液体である請求項5〜8のいずれ
    か1つに記載の製造方法。
  10. 【請求項10】 エネルギー線の照射により重合可能な
    モノマー及び/またはオリゴマー(A)と、該モノマー
    及び/またはオリゴマー(A)を溶解させかつ該モノマ
    ー及び/またはオリゴマー(A)にエネルギー線を照射
    することにより生成するポリマーを膨潤または溶解させ
    る溶剤(C)と、該モノマー及び/またはオリゴマー
    (A)を溶剤(C)に溶解させた液に溶解するポリマー
    (D)とを混合した均一な重合性溶液を中空糸状に押し
    出し後、押し出された中空糸の表面から溶剤(C)の一
    部を除去し、次いでエネルギー線を照射した後、溶剤
    (C)及びポリマ−(D)を除去することを特徴とする
    中空糸型多孔質膜の製造方法。
  11. 【請求項11】 エネルギー線の照射により重合可能な
    モノマー及び/またはオリゴマー(A)と、該モノマー
    及び/またはオリゴマー(A)を溶解させかつ該モノマ
    ー及び/またはオリゴマー(A)にエネルギー線を照射
    することにより生成するポリマーを膨潤または溶解させ
    る溶剤(C)と、該モノマー及び/またはオリゴマー
    (A)を溶剤(C)に溶解させた液に溶解するポリマー
    (D)とを混合した均一な重合性溶液と、芯剤とを、重
    合性溶液のノズルとの間のずり速度と重合性溶液の粘度
    との積が5000[cps/秒]以上及び/または重合
    性溶液と芯剤との線速度の差が10[cm/秒]以上の
    条件で、ノズルから液状の芯剤を芯として中空糸状に押
    し出し、次いでエネルギー線を照射した後、溶剤(C)
    及びポリマ−(D)を除去することを特徴とする中空糸
    型多孔質膜の製造方法。
  12. 【請求項12】 重合性溶液と、芯剤とを、重合性溶液
    のノズルとの間のずり速度と重合性溶液の粘度との積が
    10000〜100000[cps/秒]及び/または
    重合性溶液の芯剤との間の押し出し速度の差が20〜2
    00[cm/秒]の条件で、ノズルから芯剤を芯として
    中空糸状に押し出すことを特徴とする請求項11記載の
    製造方法。
  13. 【請求項13】 ポリマー(D)が、ポリビニルピロリ
    ドン及び/またはポリエチレングリコ−ルである請求項
    10または11記載の製造方法。
  14. 【請求項14】 重合性溶液の粘度が、100〜100
    00cpsである、請求項10または11記載の製造方
    法。
  15. 【請求項15】 芯剤が非重合性液体で、重合性溶液の
    構成成分のいずれとも混和しないものである請求項10
    または11記載の製造方法。
  16. 【請求項16】 芯剤の粘度が100〜10000cp
    sである請求項15記載の製造方法。
  17. 【請求項17】 重合性溶液の粘度が0.5〜100c
    psであり、かつ芯剤として用いる非重合性液体が重合
    性溶液より界面張力が大きい液体である請求項5、6、
    7、10または11のいずれか一つに記載の製造方法。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0824603A (ja) * 1994-07-08 1996-01-30 Chikyu Kankyo Sangyo Gijutsu Kenkyu Kiko 気体分離膜及びその製造方法
JP2010527766A (ja) * 2007-05-24 2010-08-19 フジフィルム・マニュファクチュアリング・ヨーロッパ・ベスローテン・フエンノートシャップ 膜、その製造方法、及び使用
JP2010527765A (ja) * 2007-05-24 2010-08-19 フジフィルム・マニュファクチュアリング・ヨーロッパ・ベスローテン・フエンノートシャップ オキシエチレン基を含む膜
JP2013031851A (ja) * 2012-11-09 2013-02-14 Nitto Denko Corp エポキシ樹脂多孔質膜
JP2015011292A (ja) * 2013-07-02 2015-01-19 住友ベークライト株式会社 液状感光性樹脂組成物の製造方法

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