JPH0677798B2 - 部分的に合金化された鋳物の製造方法 - Google Patents

部分的に合金化された鋳物の製造方法

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JPH0677798B2 JP59238066A JP23806684A JPH0677798B2 JP H0677798 B2 JPH0677798 B2 JP H0677798B2 JP 59238066 A JP59238066 A JP 59238066A JP 23806684 A JP23806684 A JP 23806684A JP H0677798 B2 JPH0677798 B2 JP H0677798B2
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【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、鋳物の製造方法に係り、更に詳細には部分的
に合金化された鋳物の製造方法に係る。
従来の技術 鋳物の特定の部分に或る特性が要求される場合には、そ
の特性を満足する金属材料にて鋳物全体を形成すること
が考えられるが、この場合には湯流れ性などの関係から
複雑な形状の鋳物を製造することができなかったり、鋳
物が高コストになるなどの問題がある。かかる理由から
レーザービーム、TIGアークなどを熱源として鋳物の特
定の部分の表面を再溶融し、再溶融された部分に合金元
素を添加することにより部分的に合金化された鋳物を製
造する方法が開発されている。
発明が解決しようとする問題点 しかし上述の如き再溶融を利用した方法は複雑なプロセ
スを要する方法であるため、部分的に合金化された鋳物
を低廉に製造することが困難であり、また鋳物の表面部
のみしか合金化することができず、鋳物の特定の部分を
均一に合金化することが困難であり、更には形成された
合金相の結晶の成長方向に極度の異方性があるため、鋳
物の合金化された強度等の性質に異方性が生じることが
避けられないなどの問題がある。
本発明は、部分的に合金化された鋳物を製造する従来の
方法に於ける上述の如き問題に鑑み、部分的に合金化さ
れた鋳物を低廉に且能率よく製造することのできる方法
を提供することを目的としている。
問題点を解決するための手段 上述の如き目的は、本発明によれば、第一の金属よりな
る鋳物であってその一部が前記第一の金属よりも高い融
点を有し且前記第一の金属と合金化する第二の金属にて
合金化された鋳物の製造方法にして、前記第二の金属の
細片を前記一部の形状と実質的に等しい形状に成形する
ことにより前記第二の金属の細片よりなる多孔質の成形
体を形成し、前記成形体のみを鋳型のモールドキャビテ
ィの前記一部を鋳造する部分に配置し、前記モールドキ
ャビティ内に前記第一の金属の溶湯を注湯し、前記溶湯
を前記成形体内に浸透させることにより元の成形体の領
域全体に於て前記第一の金属と前記第二の金属とを合金
化させ、前記溶湯を前記モールドキャビティ内にて凝固
させ、これにより元の成形体の領域全体に亘り合金を形
成することを特徴とする鋳物の製造方法によって達成さ
れる。
発明の作用及び効果 本発明によれば、第二の金属の細片が合金化されるべき
部分の形状と実質的に等しい形状に成形されることによ
り第二の金属の細片よりなる多孔質の成形体が形成さ
れ、該成形体のみが鋳型のモールドキャビティの合金化
されるべき部分を鋳造する部分に配置され、モールドキ
ャビティ内に第一の金属の溶湯が注湯され、該溶湯が成
形体内に浸透せしめられることにより元の成形体の領域
全体に於て第一の金属と第二の金属とが合金化され、し
かる後溶湯がモールドキャビティ内にて凝固せしめら
れ、これにより元の成形体の領域全体に亘り合金が形成
される。
従って成形体の大きさや形状、成形体が配置されるモー
ルドキャビティ内の位置等を適宜に設定することによ
り、成形体の大きさや形状等に対応して鋳物の所望の特
定の部分を所望の範囲に亙り合金化させることができ、
これにより所望の部分が所望の範囲に亘り実質的に均一
に合金化された鋳物を容易に且低廉に製造することがで
き、またレーザビーム等により鋳物の表面を再溶融し該
再溶融部に合金元素を添加する場合の如く、合金化され
た部分の性質に異方性が生じるなどの問題の発生を確実
に回避することができる。
本発明によれば、第二の金属の細片よりなる多孔質の成
形体の体積率(かさ密度)や種類などを調整することに
より、合金化される部分の組成を比較的自由に設定する
ことができる。更に本発明の方法に於ては、同一又は互
に異なる第二の金属の細片よりなる二つ以上の成形体を
用いることにより、鋳物の二つ以上の部分に所望の性質
を付与すべくそれらの部分を同時に合金化することがで
きる。
尚本発明の方法に於ける多孔質の成形体を構成する第二
の金属の細片は粉末、切粉、薄片、繊維、細線などであ
ってよく、細片が粉末、切粉、薄片などである場合には
これらが圧縮成形などの方法により成形体に形成されて
よく、細片が繊維や細線などである場合には結束等の方
法により成形体に形成されてよい。
以下に添付の図を参照しつつ、本発明を実施例について
詳細に説明する。
実施例1 平均粒径25μ、純度99.4wt%のFe粉末を用意し、該粉末
を大気中にて350℃に5分間加熱することにより粉末の
表面を強制酸化させ、しかる後Fe粉末1を第1図に示さ
れている如く圧縮成形装置2の型3内に導入し、アッパ
パンチ4及びロアパンチ5によって2700kg/cm2の圧力に
て圧縮することにより、直径80mm、高さ10mmの形状及び
寸法に圧縮成形して多孔質の成形体6を形成した。尚こ
の場合Fe粉末の表面の酸素量は1.53wt%であり、成形体
のかさ密度は4.7g/ccであった。
次いで成形体6を真空炉内にて600℃に予熱した後に、
第2図に示されている如く高圧鋳造装置7の鋳型8のモ
ールドキャビティ9内にその底面上に配置し、モールド
キャビティ9内に湯温800℃の純アルミニウム(純度99.
7wt%)の溶湯10の注湯し、該溶湯をプランジャ11によ
り1000kg/cm2の圧力に加圧し、その加圧状態を溶湯が完
全に凝固するまで保持した。溶湯が完全に凝固した後ノ
ックアウトピン12により鋳型8より円柱状の鋳物13を取
出した。この鋳物13は直径80mm、高さ100mmの寸法を有
し、第3図に示されている如く、一端より10mmの範囲の
Feにて合金化された部分14と、純アルミニウムのみより
なる部分15とよりなっており、元の成形体の領域全体が
Feにて合金化されていることが認められた。
第4図は合金化された部分14の断面の光学顕微鏡組織を
示している。この合金化された部分についてEPMA分析及
びX線回折試験を行ったところ、aにて示された部分は
Feであり、bにて示された部分はAlFeとAlFe3との混合
相であり、cにて示された部分はAl2Feであり、純アル
ミニウムのみよりなる部分は殆ど残存していないことが
認められた。また第4図より上述の各相が均一に分散し
ていることが解る。
また上述の合金化された部分14について450℃にて引張
り試験を行ったところ、該部分の引張り強さは45kg/cm2
であり、強度及び耐熱性に優れていることが認められ
た。尚具体的な実施例としては示されていないが、純ア
ルミニウム製の鋳物の場合、Fe粉末に代えて、ニッケ
ル、バナジウム、コバルト、タングステン、チタニウ
ム、ニオブ、タンタル、ケイ素、モリブデン、銅又はこ
れらを主成分とする合金の粉末が使用された場合にも、
それらの粉末と純アルミニウム溶湯との間に於て合金化
が生じ、強度及び耐熱性に優れた合金化層が得られるこ
とが認められた。また特にケイ素、モリブデン、マンガ
ン、又はこれらを主成分とする合金の粉末が使用された
場合には、強度及び耐熱性に優れているだけでなく、耐
摩耗性にも優れた合金化層が得られることが認められ
た。
実施例2 溶湯が純度99.8wt%の純マグネシウムに置換えられ、該
溶湯の湯温が750℃であった点を除き、上述の実施例1
の場合と同一の要領及び同一の条件にて部分的に鉄にて
合金化された純マグネシウム製の鋳物を製造した。
第5図は、多孔質の成形体を構成する粉末として平均粒
径25μ、純度99.7wt%のニッケル粉末が使用されること
により形成された合金化層の断面の光学顕微鏡組織を示
している。この合金化層についてEPMA分析及びX線回折
試験を行ったところ、aにて示された部分はニッケルで
あり、cにて示された部分はMg2NiとMgNi2との混合相で
あり、この合金化層中には純マグネシウムのみの部分は
実質的に残存していないことが認められた。また合金化
層は実質的に元の成形体の領域全体に形成されているこ
とが認められた。
また純マグネシウム製の鋳物の場合にも多孔質の成形体
を構成する粉末として下記の表1に示されている如き種
々の粉末を使用することにより、純マグネシウム製鋳物
の一部の耐熱性、耐摩耗性、熱伝導性などの特性を大き
く改善し得ることが認められた。
実施例3 平均粒径7μ、純度99.9wt%のAu粉末を第1図に示され
た圧縮成形装置によって圧縮成形することにより、直径
80mm、高さ10mm、かさ密度5.4g/ccの多孔質の成形体を
形成した。次いでこの成形体を真空炉内にて600℃に予
熱した後、第2図に示された高圧鋳造装置の鋳型8のモ
ールドキャビティ9内にその底壁上に配置し、モールド
キャビティ内に純度99.5wt%、湯温400℃の純スズ溶湯
を注湯し、該溶湯を500kg/cm2の圧力にて加圧しつつ凝
固させるとにより、直径80mm、高さ100mmの寸法を有
し、一端より10mmの範囲の部分が金にて合金化された純
スズよりなる鋳物を製造した。
また粒径10μ以下の純度97.6wt%のチタニウム粉末を第
1図に示された圧縮成形装置を用いて直径80mm、高さ10
mm、かさ密度2.7g/ccの多孔質の成形体を形成した。次
いでその成形体を真空炉内にて600℃に予熱した後、該
成形体を第2図に示された高圧鋳造装置の鋳型8のモー
ルドキャビティ9内にその底壁上に配置し、モールドキ
ャビティ内に純度99.9wt%、湯温1250℃の純銅の溶湯を
注湯し、該溶湯を1000kg/cm2の圧力にて加圧しつつ凝固
させることにより、直径80mm、高さ100mmの寸法を有
し、一端より10mmの部分、即ち元の成形体の領域全体が
チタニウムにて合金化された純銅製の鋳物を製造した。
第6図は上述の如く製造された純スズ製の鋳物の金にて
合金化された部分の断面の光学顕微鏡組織を示してい
る。この合金層についてEPMA分析及びX線回折試験を行
ったところ、aにて示された部分はAuであり、cにて示
された部分はAuSnとAuSn2との混合相であることが解っ
た。また第7図は上述の如く製造された純銅製の鋳物の
チタニウムにて合金化された部分の断面の光学顕微鏡組
織を示している。この部分についてEPMA分析及びX線回
折試験を行ったところ、aにて示された部分はTiであ
り、cにて示された部分はTi2CuとTiCuとの混合相であ
ることが認められた。また第7図より使用されたTi粉末
が微細であったため、得られた合金化層の組織の非常に
微細であることが解る。
また上述の金にて合金化された部分は他の部分に比して
熱伝導性に優れており、またチタニウムにて合金化され
た部分は他の部分に比して耐熱性に優れていることが認
められた。
尚具体的な実施例としては示されていないが、下記の表
1に示されている如く、純スズ製の鋳物及び純銅製の鋳
物の場合上述のAu粉末及びTi粉末以外の表1に示された
粉末を使用することにより、また亜鉛製鋳物及び鉛製鋳
物の場合下記の表1に示された種々の粉末を使用するこ
とにより、各鋳物の一部の耐熱性、熱伝導性などを改善
し得ることが認められた。
実施例4 直径0.5mm、純度99.8wt%のNi線を大気中にて800℃に1
時間加熱することによりその表面を強制酸化し、これに
より表面の酸素量を0.73wt%とした。次いでそのNi線16
を図には示されていない棒体に30回巻付けることにより
外径80mm、内径77mm、長さ5mmの第8図に解図的に示さ
れている如き円筒状の多孔質の成形体7を形成した。
次いで成形体17を真空炉内にて600℃に予熱した後、該
成形体を第9図に示されている如きダイカスト鋳造装置
18の固定ダイス19と可動ダイス20とにより郭定されたモ
ールドキャビティ21内に配置し、注入口22を経て鋳込み
スリーブ23内に導入された純度99.7wt%、湯温780℃の
純アルミニウム溶湯24をプランジャ25によって500kg/cm
2の圧力にて加圧し、その加圧状態にて溶湯を凝固させ
ることにより、第10図に示されている如く、直径80mm、
長さ100mmの寸法を有し、一端より5mm、円筒状外周面よ
り1.5mmの範囲、即ち元の成形体の領域のニッケルにて
合金化された部分26と、純アルミニウムのみよりなる部
分27とよりなる円柱状の鋳造28を製造した。
第11図は、ニッケルにて合金化された部分のNi線に垂直
な断面の光学顕微鏡組織を示している。ニッケルにて合
金化された部分についてEPMA分析及びX線回折試験を行
ったところ、aにて示された部分はNiであり、bにて示
された部分はNi2Al3であり、cにて示された部分はAlと
Al3Niとの共晶組織であることが認められた。
この実施例より多孔質の成形体を構成する細片は粉末に
限らず、細線や繊維であってもよく、細線や繊維が使用
される場合には特定の方向性をもった合金層を得ること
ができると共に、成形体に於ける細線や繊維の方向を適
宜に設定することにより合金層の方向性を任意に設定す
ることができることが解る。またこの実施例より多孔質
の成形体を構成する細片は切粉や薄片などであってもよ
いことが推認される。
以上に於ては本発明を幾つかの実施例について詳細に説
明したが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はなく、本発明の範囲内にて種々の実施例が可能である
ことが当業者にとって明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
第1図及び第2図はそれぞれ本発明による鋳物の製造方
法の圧縮成形工程及び高圧鋳造工程を示す断面図、第3
図は部分的に鉄にて合金化された純アルミニウム製の円
柱状の鋳物を示す斜視図、第4図は第3図に示された鋳
物の鉄にて合金化された部分の断面の光学顕微鏡組織を
示す写真、第5図は純マグネシウム製の鋳物のニッケル
にて合金化された部分の断面の光学顕微鏡組織を示す写
真、第6図は純スズ製の鋳物の金にて合金化された部分
の断面の光学顕微鏡組織を示す写真、第7図は純銅製の
鋳物のチタニウムにて合金化された部分の断面の光学顕
微鏡組織を示す写真、第8図はNi線よりなる筒状の多孔
質の成形体を示す斜視図、第9図は第8図に示された成
形体を用いてダイカスト鋳造装置にて行われる鋳造工程
を示す断面図、第10図は第9図に示された鋳造工程によ
り得られた円柱状の鋳物を示す斜視図、第11図は第10図
に示された純アルミニウム製の鋳物のニッケルにて合金
化された部分のNi線に垂直な断面の光学顕微鏡組織を示
す写真である。 1…Fe粉末、2…圧縮成形装置、3…型、4…アッパパ
ンチ、5…ロアパンチ、7…高圧鋳造装置、8…鋳型、
9…モールドキャビティ、10…溶湯、11…プランジャ、
12…ノックアウトピン、13…鋳物、14…合金化された部
分、15…純アルミニウムのみよりなる部分、16…Ni線、
17…成形体、18…ダイカスト鋳造装置、19…固定ダイ
ス、20…可動ダイス、21…モールドキャビティ、22…注
入口、23…鋳込みスリーブ、24…溶湯、25…プランジ
ャ、26…合金化された部分、27…純アルミニウムのみよ
りなる部分、28…鋳物
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 久保 雅洋 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (56)参考文献 特開 昭60−121237(JP,A) 特開 昭51−28528(JP,A)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第一の金属よりなる鋳物であってその一部
    が前記第一の金属よりも高い融点を有し且前記第一の金
    属と合金化する第二の金属にて合金化された鋳物の製造
    方法にして、前記第二の金属の細片を前記一部の形状と
    実質的に等しい形状に成形することにより前記第二の金
    属の細片よりなる多孔質の成形体を形成し、前記成形体
    のみを鋳型のモールドキャビティの前記一部を鋳造する
    部分に配置し、前記モールドキャビティ内に前記第一の
    金属の溶湯を注湯し、前記溶湯を前記成形体内に浸透さ
    せることにより元の成形体の領域全体に於て前記第一の
    金属と前記第二の金属とを合金化させ、前記溶湯を前記
    モールドキャビティ内にて凝固させ、これにより元の成
    形体の領域全体に亘り合金を形成することを特徴とする
    鋳物の製造方法。
  2. 【請求項2】特許請求の範囲第1項の鋳物の製造方法に
    於て、前記第一の金属はアルミニウム、マグネシウム、
    亜鉛、銅、スズ、鉛、及びそれらを主成分とする合金よ
    りなる群より選択された金属であることを特徴とする鋳
    物の製造方法。
  3. 【請求項3】特許請求の範囲第1項又は第2項の鋳物の
    製造方法に於て、前記第二の金属はタングステン、バナ
    ジウム、鉄、ニッケル、コバルト、チタニウム、ジルコ
    ニウム、モリブデン、マンガン、クロム、ケイ素、銅、
    銀、金、ニオブ、タンタル及びこれらを主成分とする合
    金よりなる群より選択された金属であることを特徴とす
    る鋳物の製造方法。
  4. 【請求項4】特許請求の範囲第1項乃至第3項の何れか
    の鋳物の製造方法に於て、前記溶湯を前記成形体内に浸
    透させる過程に於ては、前記溶湯は加圧されることを特
    徴とする鋳物の製造方法。
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