JPH0678242B2 - プロリルエンドペプチダーゼ阻害剤 - Google Patents

プロリルエンドペプチダーゼ阻害剤

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JPH0678242B2
JPH0678242B2 JP62302989A JP30298987A JPH0678242B2 JP H0678242 B2 JPH0678242 B2 JP H0678242B2 JP 62302989 A JP62302989 A JP 62302989A JP 30298987 A JP30298987 A JP 30298987A JP H0678242 B2 JPH0678242 B2 JP H0678242B2
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淳 古川
忠 芳本
幸義 味澤
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、一般式 (式中のAはアミノ酸残基であり、 は結合窒素原子以外の異項原子を含むこともある5〜6
員環の飽和異項環である)で表される化合物を有効成分
として含有することを特徴とするプロリルエンドペプチ
ダーゼ阻害剤に関するものである。
〔従来の技術〕
人工の高齢化に伴って老人医療に関する問題が重要視さ
れてきている。なかでも老人性痴呆は社会的にも深刻な
問題であり、効果的な治療剤の早急な開発が望まれてい
る。
これまで、健忘症や痴呆の治療剤としては、脳血管拡張
などの作用による脳循環改善剤、酸素消費量亢進などの
作用による脳代謝賦活剤などが専ら用いられている。
また、近年、コリン作動系に作用する薬物、サイロトロ
ピン放出ホルモン(Thyrotropin-Releas-ing Hormone,
以下TRHという)様作用物質など新しい作用による抗痴
呆剤も種々見出されてきている。
プロリルエンドペプチダーゼ(Prolyl Endo-peptidas
e、以下PEPという)はプロリンを含む生理活性ペプチド
や合成基質に作用し、プロリンのカルボキシル側を特異
的に切断する酵素として知られている。この酵素は記憶
と関係があるとされているバゾプレシン(Vasopressi
n)やTRHなどを分解することからこの酵素の阻害活性と
抗健忘効果の関連性について種々検討が行われ、その結
果、PEP阻害剤は痴呆や健忘の治療剤となり得ることが
示唆され(生化学,55巻,8号,831ページ,1983年)、注目
を集めてきている。
これまで、PEPを阻害する化合物としては、C末端に2
−ホルミルピロリジン、2−クロロメチルカルボニルピ
ロリジン、2−ジアゾメチルカルボニルピロリジンをも
つアミノ酸誘導体が知られているが、いずれも未だ実用
に共されるに至っていない。(日本特許公開公報昭60−
188317号、同60−172929号)。
一方、本発明のような化合物として、既に式 (式中のRは水酸基、アミノ基、アルコキシ基である)
で表される化合物、 (R2は水素原子またはアルキル基である)で表される化
合物および などの化合物が知られている。〔スイス特許614699(ケ
ミカルアブストラクツ92巻、21号、215783t)、米国特
許3973006(ケミカルアブストラクツ86巻、3号、16960
z)、ヨーロッパ特許出願173510(ケミカルアブストラ
クツ105巻、5号、43340q)、日本特許出願公開公報61
−145198(ケミカルアブストラクツ105巻、25号、22734
1x)、インターナショナル ジャーナル オブ ペプチ
ド アンド プロティン リサーチ (Int.J.Pept.Pro
tein Res)、18巻、2号、180ページ、1981年(ケミカ
ルアブストラクツ95巻、16977f 1981年)、同20巻、3
号、276ページ、1982年(ケミカルアブストラクツ98
巻、54464w 1982年)〕。
しかしながら、これらはいずれもペプチド化合物の合成
中間体として製造されており、それ自体の薬理作用は何
ら報告されていない。
〔発明が解決しようとする問題点〕
従来PEP阻害活性を有する化合物はほとんどC末端に2
−ホルミルピロリジン、2−クロロメチルカルボニルピ
ロリジン、2−ジアゾメチルカルボニルピロリジンなど
を有するアミノ酸誘導体であり、これらは安全性の面で
実用に供され難いものであった。
このため、より安全なPEP阻害剤の開発が望まれてい
た。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者らはより安全で阻害作用の強いPEP阻害剤を見
出すべく検討した結果、ある種のプロリンの環状アミド
誘導体がPEP阻害活性を有し、目的が達成できることを
見出した。本発明はこのような知見に基づくものであ
る。
本発明の前記一般式(I)で表される化合物は牛脳由来
のPEPに対する阻害活性を示し、毒性も低く、健忘症等
の治療剤として有用である。
本発明の前記一般式(I)において の飽和異項環としては、ピロリジン、チアゾリジン、ピ
ペリジン、モルホリン、チオモルホリン等のような5〜
6員環の飽和異項環をあげることができる。これらの異
項環の中で5員環基項環が好ましく、特にチアゾリンが
最も好ましい。
本発明の前記一般式(I)の化合物は一部新規化合物も
含まれるが、前記文献(Bull.Chem.Soc.Jap.51巻,1号,2
01ページ,1978年;Polymer 18巻,1208ページ,1977年:
日本特許公開公報昭48−1078号)記載の方法あるいはそ
れらの類似方法により製造することができる。
例えば、式 (式中のAは前記と同じ意味をもつ)で表されるN−置
換プロリンまたはその反応性官能的誘導体と、一般式 (式中の は前記と同じ意味をもつ)で表される環状アミンとを反
応させることにより製造することができる。
本発明の製造方法において出発原料として用いられる式
(II)および一般式(III)の化合物はいずれも公知化
合物であり、市販品として入手できるか、あるいは文献
記載の方法により容易に製造することができる。
本発明の一般式(I)の化合物を式(II)の化合物と一
般式(III)の化合物を用いて製造する場合は、概ね縮
合剤の存在下に反応を行うが、このような縮合剤として
はペプチド合成において一般に用いられる縮合剤、例え
ば、N,N′−ジシクロヘキシルカルボジイミドなどが用
いられる。
また、本発明の一般式(I)の化合物を式(II)の化合
物の反応性官能的誘導体を用いて製造する場合、そのよ
うな誘導体としては、酸ハロゲン化物、酸無水物、混合
酸無水物、活性エステルなどをあげることができる。
本発明の一般式(I)の化合物は常法に従い、種々の医
薬品製剤とすることができる。すなわち、必要に応じて
賦形剤、崩壊剤、縮合剤、滑沢剤等の医薬品添加物を加
え、常法に従って調剤することにより、種々の製剤、例
えば錠剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤等とすることがで
きる。
本発明の前記一般式(I)の化合物を健忘症等の治療に
用いる場合、その投与量は患者の年齢、体重、性別、症
状の度合等により適宜決定されるが、概ね成人1日当た
り経口投与の場合50〜1000mg、非経口投与の場合1〜50
0mgの範囲内で使用される。
〔発明の効果〕
本発明の前記一般式(I)の化合物はN−カルボベンゾ
キシ−L−グリシル−L−プロリル−β−ナフチルアミ
ド(以下Z−Gly−Pro−β−Naという)を基質とした牛
脳由来プロリルエンドペプチダーゼに対する阻害活性測
定試験において、概ね、1×10-3モル濃度で50%阻害活
性を示す。特に、1−(N−カルボベンゾキシ−β−ア
ラニル−L−プロリル)ピロリジンのIC50値は1.9×10
-5モルである。
このように、本発明の前記一般式(I)の化合物は強い
PEP阻害活性を示し、しかも毒性も低いので、安全で優
れた健忘症治療剤として有用である。
〔実施例〕
本発明を以下の実施例を用いてさらに詳細に説明する。
なお、各実施例中の化合物の融点はすべて未補正であ
る。
参考例 1 N−カルボベンゾキシ−β−アラニル−L−プロリン β−アラニン1.78gを2N−水酸化ナトリウム水溶液10ml
に溶解し、氷冷下に攪拌しつつ、塩化カルボベンゾキシ
4.1gと2N−水酸化ナトリウム水溶液15mlとを同時に滴下
した。滴下後さらに室温で2時間攪拌したのち、ジエチ
ルエーテルで洗い、氷冷下に濃塩酸を加えて酸性とし
た。30分間放置したのち酢酸エチルで抽出し、有機層を
飽和食塩水で洗い、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減
圧下に溶媒を留去し、N−カルボベンゾキシ−β−アラ
ニン3.45g(77.4%)を得た。この無水透明粘稠な液体
を冷却放置して固化させ、ジエチルエーテル−石油エー
テルより再結晶して、無色針状結晶を得た。
得られたN−カルボキシ−β−アラニン2.23gとN−ヒ
ドロキシコハク酸イミド1.15gとをジオキサン20mlに溶
解し、冷却下に攪拌しつつ、N,N′−ジシクロヘキシル
カルボジイミド2.06gとジオキサン5mlの溶液を滴下し
た。冷所に一夜放置した後、析出した結晶をろ去し、ろ
液を減圧下に濃縮した。残留油状物をジメトキシエタン
15mlに溶解し、氷冷下に攪拌しつつL−プロリン1.15g
を加えた。一夜放置した後、減圧下に溶媒を留去し、残
留物に水5mlを加え、30分間かきまぜた後、酢酸エチル
で抽出した。有機層を1N−酸塩、5%炭酸水素ナトリウ
ム水溶液および飽和食塩水で順次洗い、無水硫酸ナトリ
ウムで乾燥後減圧下に溶媒を留去した。残留物をシリカ
ゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:酢酸エチル
/ベンゼン=6/4)で精製して無色針状晶の、N−カル
ボベンゾキシ−β−アラニル−L−プロリンを得た。
参考例 2 β−アラニンの代わりにL−フェニルアラニンを用いた
以外は参考例1と同様にしてN−カルボベンゾキシ−L
−フェニルアラニル−L−プロリンを得た。
実施例 1 1−(N−カルボベンゾキシ−β−アラニル−L−プロ
リル)ピロリジン(化合物A) N−カルボベンゾキシ−β−アラニル−L−プロリン3.
30gとN−ヒドロキシコハク酸イミド1.15gとをジオキサ
ン20mlに溶解し、冷却下に攪拌しつつ、N,N′−ジシク
ロヘキシルカルボジイミド2.06gとジオキサン5mlの溶液
を滴下した。冷所に一夜放置したのち、析出した結晶を
ろ去し、ろ液を減圧下に濃縮した。残留油状物をジメト
キシエタン15mlに溶解し、氷冷下に攪拌しつつ、ピロリ
ジン0.71gを滴下した。一夜放置したのち減圧下に溶媒
を留去し、残留物に水5mlを加え、30分間かきまぜたの
ち、酢酸エチルで抽出した。有機層を1N−塩酸、5%炭
酸水素ナトリウム水溶液および飽和食塩水で順次洗い、
無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧下に溶媒を留去した。
残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶
媒:酢酸エチル/ベンゼン=6/4)で精製して無色針状
結晶の1−(N−カルボベンゾキシ−β−アラニル−L
−プロリル)ピロリジンを得た。
油状物 IR(KBr):νCO 1710,1630cm-1 ▲〔α〕24 D▼=−34.9゜(c=1,MeOH) MS(EI):C20H27O4N3=373.43 m/z 373(M+),275,206,143,91 元素分析値:(C20H27O4N3として) C% H% N% 計算値 64.32 7.29 11.25 実測値 62.94 7.38 10.54 実施例 2 対応する原料を用い、実施例1と同様に反応を行って下
記の化合物を合成した。
3−(N−カルボベンゾキシ−L−フェニルアラニル−
L−プロリル)チアゾリジン(化合物B) MS(FAB):C25H27O4N3S=467.56 m/z 468(M++1),379,210,120 1−(N−カルボベンゾキシ−L−フェニルアラニル−
L−プロリル)ピロリジン(化合物C) MS(FAB):C26H31O4N3=449.52 m/z 450(M++1),379,210,120 4−(N−カルボベンゾキシ−L−フェニルアラニル−
L−プロリル)チオモルホリン(化合物D) MS(FAB):C26H31O4H3S=481.58 m/z 482(M++1),379,210 実施例 3 PEP阻害活性測定実験 Z−Gly−Pro−β−NAを基質として用い、牛脳由来PEP
に対する阻害活性を測定した。
(測定方法) 10mMのEDTAと10mMの2−メルカプトエタノールを踏む20
mMトリス塩酸緩衝液(20mM−Tris HCl Buffer,pH=7.
0)0.7mlにPEP(約0.14u/ml)100μlおよび各濃度
(0、10-9〜10-4M)に調整した被験化合物の溶液100μ
lを加え、37℃で5分間プレインキュベーション(Prei
ncubation)した。次いでこれに100μlの40%ジオキサ
ンに溶かした各々の濃度(5.0、2.5、1.25、0.625、0.3
125mM)の基質を加え、再び37℃で15分間インキュベー
ションを行い、酵素反応を進行させた。25%トリクロル
酢酸で反応を停止させ、3000r.p.m.で10分間遠心分離を
行い、上清0.5mlを分取し、これに0.5mlの0.1%亜硝酸
を加え、さらに、3分後、0.05%のN−(1−ナフチ
ル)エチレンジアミンジヒドロクロリドエタノール溶液
を加えた。混合液を37℃で25分放置した後、570nmでの
吸光度を測定し、次式によって各濃度での酸素活性を試
算し、それぞれの活性値から50%阻害濃度(IC50値)を
求めた。
酵素活性単位(μmol/min/ml)=ΔOD×0.42×希釈率 (結 果) 化合物 IC50値 化合物A 19 μM 化合物B 34.7μM 化合物B 18.2μM 化合物B 1 mM 実施例 4 製 剤 以下のような処方に従い、各種製剤を製する。なお、剤
型の種類および処方は調剤例として挙げたものにかぎる
ものではない。
(A) 散剤 処 方 化合物 A 25g乳糖 975g 全量 1000g 以上をよく混和し、散剤を製する。
(B) 散剤 処 方 化合物 A 5g乳糖 495g 全量 500g 以上をよく混和し、散剤を製する。
(C) 錠剤 処 方 化合物 A 25g 乳糖 140g 6%HPC乳糖 110g バイレショデンプン 20gステアリン酸タルク 5g 全量 300g 以上をよく混和して打錠し、錠剤1000個を製する。
(D) 錠剤 処 方 化合物 A 5g 乳糖 150g 6%HPC乳糖 120g バイレショデンプン 20gステアリン酸タルク 5g 全量 300g 以上をよく混和して打錠し、錠剤1000個を製する。
(E) カプセル剤 処 方 化合物 A 25g 乳糖 220g バイレショデンプン 50gステアリン酸タルク 5g 全量 300g 以上をよく混和し、硬カプセルに充填し、カプセル剤10
00カプセルを製する。
(E) カプセル剤 処 方 化合物 A 25g 乳糖 235g バイレショデンプン 55gステアリン酸タルク 5g 全量 300g 以上をよく混和し、硬カプセルに充填し、カプセル剤10
00カプセルを製する。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 (式中のAはアミノ酸残基であり、 は結合窒素原子以外の異項原子を含むこともある5〜6
    員環の飽和異項環である)で表される化合物を有効成分
    として含有することを特徴とするプロリルエンドペプチ
    ダーゼ阻害剤
JP62302989A 1987-11-30 1987-11-30 プロリルエンドペプチダーゼ阻害剤 Expired - Lifetime JPH0678242B2 (ja)

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