JPH0678585B2 - 高珪素鋼帯の製造方法 - Google Patents
高珪素鋼帯の製造方法Info
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- JPH0678585B2 JPH0678585B2 JP61165645A JP16564586A JPH0678585B2 JP H0678585 B2 JPH0678585 B2 JP H0678585B2 JP 61165645 A JP61165645 A JP 61165645A JP 16564586 A JP16564586 A JP 16564586A JP H0678585 B2 JPH0678585 B2 JP H0678585B2
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Description
【発明の詳細な説明】 〔発明の技術分野〕 この発明は、品質、磁気特性および表面形状の優れた、
電磁材料用の電気鉄板として使用される、高珪素鋼帯の
製造方法に関するものである。
電磁材料用の電気鉄板として使用される、高珪素鋼帯の
製造方法に関するものである。
変圧器、発電機、電動機などの電磁材料用の電気鉄板と
して、高珪素鋼帯が使用されている。高珪素鋼板は、珪
素の含有量が多いほど鉄損が低減し、珪素の含有量が6.
5wt.%になると、磁歪が0となり且つ最大透磁率もピー
クになる優れた磁気特性を有している。
して、高珪素鋼帯が使用されている。高珪素鋼板は、珪
素の含有量が多いほど鉄損が低減し、珪素の含有量が6.
5wt.%になると、磁歪が0となり且つ最大透磁率もピー
クになる優れた磁気特性を有している。
このような高珪素鋼板の製造方法として、次の方法が知
られている。即ち、母材板としての普通鋼板または4wt.
%以下の珪素を含有する低珪素鋼板に対し、4塩化珪素
ガスを含有する蒸着用ガスによつて、高温度で化学気相
蒸着処理(以下、「蒸着処理」という)を施すことによ
り、鋼板の表面に珪素を蒸着し、次いで、無酸化雰囲気
中において、蒸着処理の施された鋼板を均熱することに
よつて、蒸着した珪素を鋼板中に拡散さ、かくして、鋼
板中に珪素を均一に浸透させる。
られている。即ち、母材板としての普通鋼板または4wt.
%以下の珪素を含有する低珪素鋼板に対し、4塩化珪素
ガスを含有する蒸着用ガスによつて、高温度で化学気相
蒸着処理(以下、「蒸着処理」という)を施すことによ
り、鋼板の表面に珪素を蒸着し、次いで、無酸化雰囲気
中において、蒸着処理の施された鋼板を均熱することに
よつて、蒸着した珪素を鋼板中に拡散さ、かくして、鋼
板中に珪素を均一に浸透させる。
しかしながら上述した方法は、次に述べるような問題を
有している。
有している。
(1) 蒸着処理が施された鋼板の、珪素の蒸着層中
に、カーケンダル・ボイドと称する多数のボイドが発生
する。このようなボイドが発生する原因は、次のように
推定されている。即ち、珪素の蒸着層と母材との間の珪
素濃度が大きく異なるため、母材中に珪素が急激に拡散
する。このときの、蒸着層の珪素が母材中に拡散する速
度よりも、母材中の鉄が蒸着層中に拡散する速度の方が
遅いために、珪素が母材中に移動した後の蒸着層中にボ
イドが発生する。このようなボイドは、拡散処理が施さ
れた後も残留する。
に、カーケンダル・ボイドと称する多数のボイドが発生
する。このようなボイドが発生する原因は、次のように
推定されている。即ち、珪素の蒸着層と母材との間の珪
素濃度が大きく異なるため、母材中に珪素が急激に拡散
する。このときの、蒸着層の珪素が母材中に拡散する速
度よりも、母材中の鉄が蒸着層中に拡散する速度の方が
遅いために、珪素が母材中に移動した後の蒸着層中にボ
イドが発生する。このようなボイドは、拡散処理が施さ
れた後も残留する。
上述のボイドが製品中に残留すると、クラツクが発生す
る原因となつて品質が劣化し、且つ、磁気特性にも悪影
響を及ぼす。
る原因となつて品質が劣化し、且つ、磁気特性にも悪影
響を及ぼす。
(2) 蒸着処理によつて、鋼板表面にSiO2が生成する
結果、製品の表面光沢が失われて、くすんだ灰色とな
り、且つ、表面が粗くなる。
結果、製品の表面光沢が失われて、くすんだ灰色とな
り、且つ、表面が粗くなる。
上述のボイドの発生を防止する方法として、特公昭38−
26263号公報においてて、下記からなる高珪素鋼板の製
造方法が開示されている。母材板としての炭素含有量が
0.15wt.%以下の鋼板に対し、4塩化珪素ガスを含有す
る蒸着用ガスによつて、1200〜1250℃の温度で蒸着処理
を施し、次いで、無酸化雰囲気中において、1200〜1300
℃の温度で拡散処理を施す。
26263号公報においてて、下記からなる高珪素鋼板の製
造方法が開示されている。母材板としての炭素含有量が
0.15wt.%以下の鋼板に対し、4塩化珪素ガスを含有す
る蒸着用ガスによつて、1200〜1250℃の温度で蒸着処理
を施し、次いで、無酸化雰囲気中において、1200〜1300
℃の温度で拡散処理を施す。
上述の方法によれば、1200〜1250℃の高温によつて蒸着
処理が施されるため、鋼板の表層は、半溶融状態とな
る。従つて、蒸着層中に生じたボイドは融着し消滅す
る。
処理が施されるため、鋼板の表層は、半溶融状態とな
る。従つて、蒸着層中に生じたボイドは融着し消滅す
る。
しかしながら、上述した方法は、次に述べるような問題
を有している。
を有している。
(1) 鋼板の表層が半溶融状態になるために、製品の
板厚が不均一になりやすい。
板厚が不均一になりやすい。
(2) 鋼板の表層が半溶融状態になるために、片面ず
つしか蒸着処理ができず効率が悪い。更に、製品に変形
が生じやすい。
つしか蒸着処理ができず効率が悪い。更に、製品に変形
が生じやすい。
(3) 鋼板の板厚が薄い場合は、表層のみでなく、鋼
板全体が半溶融状態になりやすい。従つて、僅かの張力
で破断するため、帯状の鋼板を連続的に蒸着処理するこ
とは不可能である。
板全体が半溶融状態になりやすい。従つて、僅かの張力
で破断するため、帯状の鋼板を連続的に蒸着処理するこ
とは不可能である。
また、上述のボイドの発生を防止する方法として、特公
昭45−21181号公報において、下記からなる電気鉄板の
磁性を改良する方法が開示されている。酸化物層のない
鋼板に対し、重量百分率で4までの4塩化珪素ガスを含
有する蒸着用ガスによつて、1100〜1250℃の温度で蒸着
処理を施し、次いで、無酸化雰囲気中において、1150〜
1300℃の温度で拡散処理を施す。
昭45−21181号公報において、下記からなる電気鉄板の
磁性を改良する方法が開示されている。酸化物層のない
鋼板に対し、重量百分率で4までの4塩化珪素ガスを含
有する蒸着用ガスによつて、1100〜1250℃の温度で蒸着
処理を施し、次いで、無酸化雰囲気中において、1150〜
1300℃の温度で拡散処理を施す。
上述の方法によれば、蒸着処理のために使用される蒸着
用ガス中の4塩化珪素ガスの含有量が、重量百分率で4
以下(mol分率で約1%以下)であつて極めて少ないか
ら、蒸着反応が緩慢に行なわれる。従つて、ボイドの発
生を防止することができる。
用ガス中の4塩化珪素ガスの含有量が、重量百分率で4
以下(mol分率で約1%以下)であつて極めて少ないか
ら、蒸着反応が緩慢に行なわれる。従つて、ボイドの発
生を防止することができる。
しかしながら、上述した方法は、次に述べるような問題
を有している。
を有している。
(1) 蒸着反応が緩慢なために、蒸着処理に長時間を
要する。従つて、工業的な方法ではない。
要する。従つて、工業的な方法ではない。
(2) 蒸着処理温度が1100〜1200℃の場合は、完全に
ボイドの発生を防止することができない。
ボイドの発生を防止することができない。
(3) 蒸着処理温度が1200〜1250℃の場合は、前述し
たように、鋼板の表層が半溶融状態になるため、板厚が
不均一になり且つ鋼板に変形が生ずる。
たように、鋼板の表層が半溶融状態になるため、板厚が
不均一になり且つ鋼板に変形が生ずる。
このようなことから、蒸着処理時に蒸着層中に生じたボ
イドが製品中に残留して、製品の品質、磁気特性および
表面性状が劣化することのない、電磁材料用の電気鉄板
として使用される高珪素鋼板を、工業的に製造するため
の方法の開発が強く望まれているが、かかる方法は、ま
だ提案されていない。
イドが製品中に残留して、製品の品質、磁気特性および
表面性状が劣化することのない、電磁材料用の電気鉄板
として使用される高珪素鋼板を、工業的に製造するため
の方法の開発が強く望まれているが、かかる方法は、ま
だ提案されていない。
従つて、この発明の目的は、蒸着処理時に蒸着層中に生
じたボイドが製品中に残留して、製品の品質、磁気特性
おおよび表面性状が劣化することのない、電磁材料用の
電気鉄板としてて使用される高珪素鋼帯を、工業的に製
造するための方法を提供するこことある。
じたボイドが製品中に残留して、製品の品質、磁気特性
おおよび表面性状が劣化することのない、電磁材料用の
電気鉄板としてて使用される高珪素鋼帯を、工業的に製
造するための方法を提供するこことある。
本発明者等は、上述した観点から、蒸着処理時に蒸着層
中に生じたボイドが製品中に残留して、製品の品質、磁
気特性および表面性状が劣化することのない、電磁材料
用の電気鉄板ととし使用される高珪素鋼帯を工業的に製
造するための方法を開発すべく鋭意研究を重ねた。
中に生じたボイドが製品中に残留して、製品の品質、磁
気特性および表面性状が劣化することのない、電磁材料
用の電気鉄板ととし使用される高珪素鋼帯を工業的に製
造するための方法を開発すべく鋭意研究を重ねた。
本発明者等は、先づ、蒸着処理後のボイドの発生状態お
よび発生したボイドが拡散処理によつても消滅しない原
因についてwt.%調べた。
よび発生したボイドが拡散処理によつても消滅しない原
因についてwt.%調べた。
第6図は、厚さ0.5mmで珪素を3含有する母材板として
の鋼板に対し、mol分率で15%のSiCl4ガスと85%のArガ
スとからなる蒸着用ガスによつて、1150℃の温度により
蒸着処理を施した直後の鋼板の断面の金属組織を示す顕
微鏡写真(200倍)である。第6図から明らかなよう
に、鋼板両面の珪素の蒸着層中に、多数のボイドが列状
に発生している。第7図は、上述の蒸着処理が施された
鋼板に対し、1200℃の温度により真空下で1時間拡散処
理を施した後の鋼板断面の金属組織を示す顕微鏡写真
(200倍)である。第7図からわかるように、鋼板両面
の蒸着層中に発生したボイドは、消滅していない。この
ボイドは、上述した拡散処理を1時間を超える長時間施
した場合においても残留してている。
の鋼板に対し、mol分率で15%のSiCl4ガスと85%のArガ
スとからなる蒸着用ガスによつて、1150℃の温度により
蒸着処理を施した直後の鋼板の断面の金属組織を示す顕
微鏡写真(200倍)である。第6図から明らかなよう
に、鋼板両面の珪素の蒸着層中に、多数のボイドが列状
に発生している。第7図は、上述の蒸着処理が施された
鋼板に対し、1200℃の温度により真空下で1時間拡散処
理を施した後の鋼板断面の金属組織を示す顕微鏡写真
(200倍)である。第7図からわかるように、鋼板両面
の蒸着層中に発生したボイドは、消滅していない。この
ボイドは、上述した拡散処理を1時間を超える長時間施
した場合においても残留してている。
上述のように蒸着処理および拡散処理が施された鋼板の
表面光沢および表面粗さを調べた。表面光沢は常温下に
おける表面放射率によつて測定した結果0.9であり、表
面粗さ(Rz)は3.5μmであつて、蒸着処理および拡散
処理を施すよりも劣化していた。
表面光沢および表面粗さを調べた。表面光沢は常温下に
おける表面放射率によつて測定した結果0.9であり、表
面粗さ(Rz)は3.5μmであつて、蒸着処理および拡散
処理を施すよりも劣化していた。
次に、蒸着処理直後の鋼板の、板厚方向の鉄、珪素およ
び酸素の濃度分布を、電子線回析法(EPMA)によつて測
定した。第8図は、その測定結果である。第8図からわ
かるように、蒸着処理直後における鋼板の珪素濃度は、
蒸着層部分に多く、一方、鉄濃度は、蒸着層部分に少な
い。そして、蒸着層の界面に、酸素濃度のピークが存在
している。
び酸素の濃度分布を、電子線回析法(EPMA)によつて測
定した。第8図は、その測定結果である。第8図からわ
かるように、蒸着処理直後における鋼板の珪素濃度は、
蒸着層部分に多く、一方、鉄濃度は、蒸着層部分に少な
い。そして、蒸着層の界面に、酸素濃度のピークが存在
している。
このように、蒸着層の界面に酸素濃度のピークが存在す
る原因は、次の通りである。即ち、例えば鋼帯は、鋼片
を熱間圧延し次いで冷間圧延した後、電解洗浄すること
によつて製造されるが、製造工程中に大気によつて鋼帯
の表面が酸化することは避けられず、この結果、30〜50
Åの酸化膜が鋼帯表面に生成する。このような酸化膜を
有する鋼帯を蒸着処理する結果、蒸着層の界面に酸素濃
度のピークが存在する。
る原因は、次の通りである。即ち、例えば鋼帯は、鋼片
を熱間圧延し次いで冷間圧延した後、電解洗浄すること
によつて製造されるが、製造工程中に大気によつて鋼帯
の表面が酸化することは避けられず、この結果、30〜50
Åの酸化膜が鋼帯表面に生成する。このような酸化膜を
有する鋼帯を蒸着処理する結果、蒸着層の界面に酸素濃
度のピークが存在する。
従つて、蒸着層中に発生したボイドの内面にも酸化膜が
生成する結果、拡散処理を施しても、この酸化膜によつ
てボイドが消滅しない。更に、蒸着層の表面にSiO2が生
成するため、表面の光沢が失われてくすんだ灰色とな
り、且つ、表面が粗くなる。
生成する結果、拡散処理を施しても、この酸化膜によつ
てボイドが消滅しない。更に、蒸着層の表面にSiO2が生
成するため、表面の光沢が失われてくすんだ灰色とな
り、且つ、表面が粗くなる。
上述したことから、本発明者は、蒸着処理前に母材板と
しての鋼板の表面に生成した酸化膜を除去すれば、蒸着
処理に際し、鋼板の表層を半溶融状態にしたり、また
は、蒸着反応を緩慢にしなくても、拡散処理によつてボ
イドが消滅することを知見した。
しての鋼板の表面に生成した酸化膜を除去すれば、蒸着
処理に際し、鋼板の表層を半溶融状態にしたり、また
は、蒸着反応を緩慢にしなくても、拡散処理によつてボ
イドが消滅することを知見した。
本発明者等は、更に、上述した知見に基づき、蒸着処理
前に酸化膜を除去した場合におけるボイドの残留状態を
調べた。
前に酸化膜を除去した場合におけるボイドの残留状態を
調べた。
C:0.005wt.%,Al:0.05wt.%,Si:3.0wt.%を含有する鋼
板に対して、フツ酸酸洗を酸洗程度を変えて施し、残留
酸化膜厚の異なる複数枚の試験片を調製した。この試験
片を、1150℃の温度に加熱した後、試験炉において、Si
Cl4:mol分率で15%,Ar:mol分率で85%からなる蒸着用ガ
スにより蒸着処理し、次いで、1200℃の温度で20分間均
熱して拡散処理を施した。このようにして、蒸着処理お
よび拡散処理からなる滲珪処理が施された試験片のボイ
ド残留率(η)を調べた。ボイド残留率(η)は、下記
により算出した。
板に対して、フツ酸酸洗を酸洗程度を変えて施し、残留
酸化膜厚の異なる複数枚の試験片を調製した。この試験
片を、1150℃の温度に加熱した後、試験炉において、Si
Cl4:mol分率で15%,Ar:mol分率で85%からなる蒸着用ガ
スにより蒸着処理し、次いで、1200℃の温度で20分間均
熱して拡散処理を施した。このようにして、蒸着処理お
よび拡散処理からなる滲珪処理が施された試験片のボイ
ド残留率(η)を調べた。ボイド残留率(η)は、下記
により算出した。
第1図は、その結果を示すグラフである。第1図に示す
ように、試験片表面の酸化膜の厚さが20Åになると、ボ
イド残留率は約15%になり、酸化膜の厚さが10Åになる
と、ボイド残留率は約5%になる。ボイド残留率が15%
以下であれば、実用上問題はないから、酸化膜の厚さを
20Å以下にすれぱ、ボイドによる悪影響の無くなること
がわかつた。
ように、試験片表面の酸化膜の厚さが20Åになると、ボ
イド残留率は約15%になり、酸化膜の厚さが10Åになる
と、ボイド残留率は約5%になる。ボイド残留率が15%
以下であれば、実用上問題はないから、酸化膜の厚さを
20Å以下にすれぱ、ボイドによる悪影響の無くなること
がわかつた。
この発明は、上述の知見に基づいてなされたものであつ
て、母材板としての鋼帯に対し、所定量の4塩化珪素ガ
スを含有する蒸着用ガスにより、所定温度で蒸着処理を
施して、前記鋼板の表面に珪素を蒸着し、次いで、表面
に珪素が蒸着された鋼帯を、無酸化雰囲気中において所
定温度で均熱することによつて、蒸着された珪素を前記
鋼帯中に拡散させ、かくして、高珪素の鋼帯を製造する
方法において、 連続処理ライン中で、化学気相蒸着処理を施す前の、前
記鋼帯表面の酸化膜を、その厚さが20Å以下となるよう
に除去し、次いで、酸化膜が除去された前記鋼帯を、1,
023℃以上、1,200℃未満の範囲内の温度で加熱し、次い
で、mol分率で5〜35%の量の4塩化珪素ガスを含有す
る蒸着用ガスにより、前記範囲内の温度で前記鋼帯に対
し化学気相蒸着処理を施し、次いで、無酸化雰囲気中で
均熱することにより、前記鋼帯の蒸着層中に残留するボ
イドの量を15%以下となしたことに特徴を有するもので
ある。
て、母材板としての鋼帯に対し、所定量の4塩化珪素ガ
スを含有する蒸着用ガスにより、所定温度で蒸着処理を
施して、前記鋼板の表面に珪素を蒸着し、次いで、表面
に珪素が蒸着された鋼帯を、無酸化雰囲気中において所
定温度で均熱することによつて、蒸着された珪素を前記
鋼帯中に拡散させ、かくして、高珪素の鋼帯を製造する
方法において、 連続処理ライン中で、化学気相蒸着処理を施す前の、前
記鋼帯表面の酸化膜を、その厚さが20Å以下となるよう
に除去し、次いで、酸化膜が除去された前記鋼帯を、1,
023℃以上、1,200℃未満の範囲内の温度で加熱し、次い
で、mol分率で5〜35%の量の4塩化珪素ガスを含有す
る蒸着用ガスにより、前記範囲内の温度で前記鋼帯に対
し化学気相蒸着処理を施し、次いで、無酸化雰囲気中で
均熱することにより、前記鋼帯の蒸着層中に残留するボ
イドの量を15%以下となしたことに特徴を有するもので
ある。
この発明において、母材板としての鋼板の成分組成は特
に限定されないが、優れた磁気特性を得るためには、以
下に述べる成分組成を有していることが望ましい。
に限定されないが、優れた磁気特性を得るためには、以
下に述べる成分組成を有していることが望ましい。
(1) 3〜6.5%Si−Fe合金からなる高珪素鋼板を製
造する場合における、母材板としての鋼板の成分組成: カーボン:0.01wt.%以下、シリコン:4wt.%以下、マン
ガン2wt.%以下であつて、不可避不純物はできるだけ少
ない方が望ましい。
造する場合における、母材板としての鋼板の成分組成: カーボン:0.01wt.%以下、シリコン:4wt.%以下、マン
ガン2wt.%以下であつて、不可避不純物はできるだけ少
ない方が望ましい。
(2) 10〜14%Si−3〜8%Al−Fe合金からなる高珪
素鋼板を製造する場合における、母材板としての鋼板の
成分組成: カーボン:0.1wt.%以下,シリコン:4wt.%以下,アルミ
ニウム:3〜8wt.%,ニツケル:4wt.%以下,マンガン:2w
t.%以下,クロムおよびチタン等の耐食性を増す元素:
各々5wt.%以下であつて、不可避不純物はできるだけ少
ない方が望ましい。
素鋼板を製造する場合における、母材板としての鋼板の
成分組成: カーボン:0.1wt.%以下,シリコン:4wt.%以下,アルミ
ニウム:3〜8wt.%,ニツケル:4wt.%以下,マンガン:2w
t.%以下,クロムおよびチタン等の耐食性を増す元素:
各々5wt.%以下であつて、不可避不純物はできるだけ少
ない方が望ましい。
母材板としての鋼帯の製造方法は、鋼片を熱間圧延し次
いで冷間圧延する方法であつても、溶鋼から直接鋼板を
鋳造する方法であつてもよい。また、電気鉄板用とし
て、既に方向性が付与された方向性珪素鋼板を使用して
もよい。
いで冷間圧延する方法であつても、溶鋼から直接鋼板を
鋳造する方法であつてもよい。また、電気鉄板用とし
て、既に方向性が付与された方向性珪素鋼板を使用して
もよい。
なお、蒸着処理時に鋼帯の板厚が減少するから、母材板
としての鋼帯は、上述した減少板厚分を付加した板厚の
ものを使用する必要がある。
としての鋼帯は、上述した減少板厚分を付加した板厚の
ものを使用する必要がある。
この発明において、蒸着処理前における鋼帯表面の酸化
膜の除去手段は、酸洗でも、グラインダ等による機械的
研磨でもよく、その手段は任意に選ぶことができる。酸
洗によつて酸化膜を除去するに当り、母材板としての鋼
帯の珪素含有量が2wt.%未満であつて、いわゆる珪素の
選択酸化が問題とならない場合には、塩酸系の酸洗で十
分であるが、母材板としての鋼帯の珪素含有量が2wt.%
以上の場合には、フツ酸等の強酸による酸洗が必要であ
る。グラインダ等による機械的研磨によつて酸化膜を除
去する場合には、#800〜#1500の砥石を使用して研磨
することが好ましい。粗すぎる砥石を使用すると、製品
の表面形状が悪化する。
膜の除去手段は、酸洗でも、グラインダ等による機械的
研磨でもよく、その手段は任意に選ぶことができる。酸
洗によつて酸化膜を除去するに当り、母材板としての鋼
帯の珪素含有量が2wt.%未満であつて、いわゆる珪素の
選択酸化が問題とならない場合には、塩酸系の酸洗で十
分であるが、母材板としての鋼帯の珪素含有量が2wt.%
以上の場合には、フツ酸等の強酸による酸洗が必要であ
る。グラインダ等による機械的研磨によつて酸化膜を除
去する場合には、#800〜#1500の砥石を使用して研磨
することが好ましい。粗すぎる砥石を使用すると、製品
の表面形状が悪化する。
上述した酸化膜の除去は、蒸着処理の直前に行なうこと
が好ましい。従つて、連続ラインで鋼帯を製造する場合
には、酸化膜の除去装置と蒸着炉とを直結することが好
ましく、両者を直結できない場合には、酸化膜が除去さ
れた鋼帯を蒸着炉に導くまでの間、鋼帯が大気によつて
酸化されない手段を設ける必要がある。
が好ましい。従つて、連続ラインで鋼帯を製造する場合
には、酸化膜の除去装置と蒸着炉とを直結することが好
ましく、両者を直結できない場合には、酸化膜が除去さ
れた鋼帯を蒸着炉に導くまでの間、鋼帯が大気によつて
酸化されない手段を設ける必要がある。
なお、酸化膜はこれを完全に除去することが望ましい
が、前述したように酸化膜の厚さが20Å以下であれば、
ボイドによる悪影響を実質的に無くすことができる。
が、前述したように酸化膜の厚さが20Å以下であれば、
ボイドによる悪影響を実質的に無くすことができる。
蒸着用ガス中の4塩化珪素ガスの含有量は、mol分率で
5〜35%の範囲内に限定すべきである。即ち、4塩化珪
素ガスの含有量が、mol分率で5%未満では、蒸着反応
が緩慢になつて、蒸着処理に長時間を要する問題が生ず
る。一方、4塩化珪素ガスの含有量が、mol分率で35%
を超えると、珪素の蒸着層が厚くない過ぎ且つボイドの
生成が著しく、従つて、蒸着処理前に酸化膜を除去して
も、製品中にボイドが残留する問題が生ずる。
5〜35%の範囲内に限定すべきである。即ち、4塩化珪
素ガスの含有量が、mol分率で5%未満では、蒸着反応
が緩慢になつて、蒸着処理に長時間を要する問題が生ず
る。一方、4塩化珪素ガスの含有量が、mol分率で35%
を超えると、珪素の蒸着層が厚くない過ぎ且つボイドの
生成が著しく、従つて、蒸着処理前に酸化膜を除去して
も、製品中にボイドが残留する問題が生ずる。
蒸着処理温度は、1023℃以上1200℃未満の範囲内に限定
すべきである。即ち、鋼板に対する蒸着処理反応式は、
下記の通りである。
すべきである。即ち、鋼板に対する蒸着処理反応式は、
下記の通りである。
5Fe+SiCl4→Fe3Si+2FeCl2 上記反応式において、2FeCl2は、その沸点である1023℃
以上の温度において、気体状態で鋼板表面から放散す
る。従つて、蒸着処理温度が1023℃未満では、2FeCl2が
鋼板の表面から気体状態で放散されず、鋼板の表面に液
体状に付着する結果、蒸着反応が阻害される問題が生ず
る。一方、蒸着処理温度が1200℃以上では、鋼板の表面
が半溶融状態になる結果、板厚が不均一になり且つ鋼板
が変形する問題が生ずる。
以上の温度において、気体状態で鋼板表面から放散す
る。従つて、蒸着処理温度が1023℃未満では、2FeCl2が
鋼板の表面から気体状態で放散されず、鋼板の表面に液
体状に付着する結果、蒸着反応が阻害される問題が生ず
る。一方、蒸着処理温度が1200℃以上では、鋼板の表面
が半溶融状態になる結果、板厚が不均一になり且つ鋼板
が変形する問題が生ずる。
第2図は、この発明の方法を実施するための装置の1例
を示すブロツク図である。第2図に示すように、巻戻し
機2および巻取り機3の間には、酸洗槽4と洗浄槽5と
加熱炉6と蒸着炉7と均熱炉8とそして冷却室9とがこ
の順序で配置されている。酸洗槽4および洗浄槽5は、
互いに連結されている。洗浄槽5、加熱炉6、蒸着炉
7、均熱炉8および冷却室9の各々の間は、フード10に
よつて互いに接続されている。酸洗槽4の入側および洗
浄槽5の出側には、張力制御用ローラ11が設けられてい
る。
を示すブロツク図である。第2図に示すように、巻戻し
機2および巻取り機3の間には、酸洗槽4と洗浄槽5と
加熱炉6と蒸着炉7と均熱炉8とそして冷却室9とがこ
の順序で配置されている。酸洗槽4および洗浄槽5は、
互いに連結されている。洗浄槽5、加熱炉6、蒸着炉
7、均熱炉8および冷却室9の各々の間は、フード10に
よつて互いに接続されている。酸洗槽4の入側および洗
浄槽5の出側には、張力制御用ローラ11が設けられてい
る。
巻戻し機2から巻取り機3に向う鋼帯1は、酸洗槽4、
洗浄槽5、加熱炉6、蒸着炉7、均熱炉8および冷却室
9を連続的に移動する。酸洗槽4は、フツ酸、塩酸等の
酸洗液によつて、鋼帯1の表面の酸化膜を除去する。洗
浄槽5は、鋼帯1の表面に付着した酸洗液を除去する。
加熱炉6は、鋼帯1を蒸着処理温度である1023℃以上、
1200℃未満の温度に加熱する。蒸着炉7は、鋼帯1の表
面に向けてノズルから所定量の4塩化珪素ガスを含有す
る蒸着用ガスを吹き付け、鋼帯1の表面に珪素を蒸着す
る。均熱炉8は、表面に珪素が蒸着された鋼帯1を、無
酸化雰囲気中において例えば1200℃の温度で均熱し、表
面に蒸着された珪素を鋼帯1中に拡散させて浸透させ
る。冷却室9は、鋼帯1を所定温度まで強制的に冷却す
る。
洗浄槽5、加熱炉6、蒸着炉7、均熱炉8および冷却室
9を連続的に移動する。酸洗槽4は、フツ酸、塩酸等の
酸洗液によつて、鋼帯1の表面の酸化膜を除去する。洗
浄槽5は、鋼帯1の表面に付着した酸洗液を除去する。
加熱炉6は、鋼帯1を蒸着処理温度である1023℃以上、
1200℃未満の温度に加熱する。蒸着炉7は、鋼帯1の表
面に向けてノズルから所定量の4塩化珪素ガスを含有す
る蒸着用ガスを吹き付け、鋼帯1の表面に珪素を蒸着す
る。均熱炉8は、表面に珪素が蒸着された鋼帯1を、無
酸化雰囲気中において例えば1200℃の温度で均熱し、表
面に蒸着された珪素を鋼帯1中に拡散させて浸透させ
る。冷却室9は、鋼帯1を所定温度まで強制的に冷却す
る。
第3図は、この発明の方法を実施するための装置の他の
例を示すブロツク図である。第3図に示すように、巻戻
し機2および巻取り機3の間には、ロール式のグライン
ダ12が設けられている研磨室13、洗浄槽14、乾燥炉15、
加熱炉6、蒸着炉7、均熱炉8および冷却室9が、この
順序で配置されている。研磨室13、洗浄槽14および乾燥
炉15は互いに連結されており、乾燥炉15、加熱炉6、蒸
着炉7、均熱炉8および冷却室9の各々の間は、フード
10によつて互いに接続されている。洗浄槽14の出口に
は、鋼帯1の両面に向けてパージ用のガスを噴射するた
めのノズル16が設けられている。乾燥炉15内には、鋼帯
1の両面に向けて、N2,Ar,He等の不活性ガス、または、
前記不活性ガス中にH2,CH4,CO等の還元ガスが微量混合
されている混合ガスからなる乾燥用ガスを噴射するため
のノズル17が設けられている。
例を示すブロツク図である。第3図に示すように、巻戻
し機2および巻取り機3の間には、ロール式のグライン
ダ12が設けられている研磨室13、洗浄槽14、乾燥炉15、
加熱炉6、蒸着炉7、均熱炉8および冷却室9が、この
順序で配置されている。研磨室13、洗浄槽14および乾燥
炉15は互いに連結されており、乾燥炉15、加熱炉6、蒸
着炉7、均熱炉8および冷却室9の各々の間は、フード
10によつて互いに接続されている。洗浄槽14の出口に
は、鋼帯1の両面に向けてパージ用のガスを噴射するた
めのノズル16が設けられている。乾燥炉15内には、鋼帯
1の両面に向けて、N2,Ar,He等の不活性ガス、または、
前記不活性ガス中にH2,CH4,CO等の還元ガスが微量混合
されている混合ガスからなる乾燥用ガスを噴射するため
のノズル17が設けられている。
巻戻し機2から巻取り機3に向う鋼帯1は、研磨室13、
洗浄槽14、乾燥炉15、加熱炉6、蒸着炉7、均熱炉8お
よび冷却室9を連続的に移動する。研磨室13は、グライ
ンダ12によつて、鋼帯1の表面を研磨し、表面の酸化膜
を除去する。洗浄槽14は、脱気された洗浄液によつて鋼
帯1の表面を洗浄する。乾燥炉15は、ノズル17から噴射
される100〜200℃の温度の乾燥用ガスによつて、鋼帯1
の表面を乾燥する。加熱炉6、蒸着炉7、均熱炉8およ
び冷却室9は前述した通りである。
洗浄槽14、乾燥炉15、加熱炉6、蒸着炉7、均熱炉8お
よび冷却室9を連続的に移動する。研磨室13は、グライ
ンダ12によつて、鋼帯1の表面を研磨し、表面の酸化膜
を除去する。洗浄槽14は、脱気された洗浄液によつて鋼
帯1の表面を洗浄する。乾燥炉15は、ノズル17から噴射
される100〜200℃の温度の乾燥用ガスによつて、鋼帯1
の表面を乾燥する。加熱炉6、蒸着炉7、均熱炉8およ
び冷却室9は前述した通りである。
実施例1 母材板として、珪素を0.8wt.%含有する、板厚0.35mm、
板幅900mmの鋼帯Aと、珪素を3.0wt.%含有する、同じ
く板厚0.35mm、板幅900mmの鋼帯Bとを使用した。鋼帯
Aを、第2図に示す装置を使用し、酸洗槽4において塩
酸酸洗して酸化膜を除去した後、下記の条件で、蒸着処
理と拡散処理とからなる滲珪処理を施し、本発明の供試
体No.1を調製した。鋼帯Bを、同じく酸洗槽4において
フッ酸酸洗し、酸化膜を除去した後、同じ条件で滲珪処
理を施し、本発明の供試体No.2を調製した。鋼帯Bを、
第3図に示す装置を使用し、研磨室13においてグライン
ダ12により酸化膜を除去した後、同じ条件で滲珪処理を
施し、本発明の供試体No.3を調製した。
板幅900mmの鋼帯Aと、珪素を3.0wt.%含有する、同じ
く板厚0.35mm、板幅900mmの鋼帯Bとを使用した。鋼帯
Aを、第2図に示す装置を使用し、酸洗槽4において塩
酸酸洗して酸化膜を除去した後、下記の条件で、蒸着処
理と拡散処理とからなる滲珪処理を施し、本発明の供試
体No.1を調製した。鋼帯Bを、同じく酸洗槽4において
フッ酸酸洗し、酸化膜を除去した後、同じ条件で滲珪処
理を施し、本発明の供試体No.2を調製した。鋼帯Bを、
第3図に示す装置を使用し、研磨室13においてグライン
ダ12により酸化膜を除去した後、同じ条件で滲珪処理を
施し、本発明の供試体No.3を調製した。
比較のために、鋼帯AおよびBを、酸化膜の除去を行な
わずに、同じ条件で滲珪処理を施し、比較共供試体No.1
およびNo.2を調製した。
わずに、同じ条件で滲珪処理を施し、比較共供試体No.1
およびNo.2を調製した。
(1) 加熱炉6における加熱温度:1150℃ (2) 蒸着炉7における蒸着用ガス: SiCl4:mol分率で15% Ar:mol分率で85% (3) 均熱炉8における拡散温度:1200℃ (4) 均熱炉8における拡散時間:20分 上述の条件で滲珪処理が施された本発明の供試体No.1〜
3および比較用供試体No.1〜2の珪素含有量は、6.5wt.
%である。
3および比較用供試体No.1〜2の珪素含有量は、6.5wt.
%である。
第2表に、本発明の供試体No.1〜3および比較用供試体
No.1〜2の、滲珪処理前における表面粗さおよび酸化膜
の厚さ、ならびに、滲珪処理後における表面粗さ、ボイ
ド残留率、表面放射率および最大透磁率を示す。
No.1〜2の、滲珪処理前における表面粗さおよび酸化膜
の厚さ、ならびに、滲珪処理後における表面粗さ、ボイ
ド残留率、表面放射率および最大透磁率を示す。
第2表から明らかなように、本発明の供試体No.1〜3の
ボイド残留率は5または7%であつて著しく低く、且
つ、表面放射率および最大透磁率は極めて優れていた。
これに対して、比較用供試体No.1および2の残留ボイド
率は75または85%であつて高く、且つ、表面放射率およ
び最大透磁率も劣つていた。
ボイド残留率は5または7%であつて著しく低く、且
つ、表面放射率および最大透磁率は極めて優れていた。
これに対して、比較用供試体No.1および2の残留ボイド
率は75または85%であつて高く、且つ、表面放射率およ
び最大透磁率も劣つていた。
第4図は、本発明の供試体No.2の断面の金属組織を示す
顕微鏡写真である。第4図から明らかなように、鋼帯両
面の蒸着層中には、ほとんどボイドが認められない。
顕微鏡写真である。第4図から明らかなように、鋼帯両
面の蒸着層中には、ほとんどボイドが認められない。
実施例2 母材板として、前述した鋼帯Bを使用し、第2図に示す
装置を使用し、酸洗槽4においてフツ酸酸洗し、酸化膜
を除去した後、蒸着炉7における蒸着時間を変えて滲珪
処理を施し、3.5〜8.0wt.%の範囲内で珪素の含有量が
異なる数種類の本発明の供試体を調製した。比較のため
に、酸化膜を除去しないほかは上記と同じ条件で滲珪処
理を施した数種類の比較用供試体を調製した。
装置を使用し、酸洗槽4においてフツ酸酸洗し、酸化膜
を除去した後、蒸着炉7における蒸着時間を変えて滲珪
処理を施し、3.5〜8.0wt.%の範囲内で珪素の含有量が
異なる数種類の本発明の供試体を調製した。比較のため
に、酸化膜を除去しないほかは上記と同じ条件で滲珪処
理を施した数種類の比較用供試体を調製した。
上述のようにして調製した本発明の供試体および比較用
供試体の最大透磁率を測定した。第5図は、その測定結
果を示すグラフである。第5図において、〇印は本発明
の供試体を示し、×印は比較用供試体を示す。第5図か
ら明らかなように、本発明の供試体の最大透磁率は、比
較用供試体の最大透磁率に比較して著しく優れていた。
供試体の最大透磁率を測定した。第5図は、その測定結
果を示すグラフである。第5図において、〇印は本発明
の供試体を示し、×印は比較用供試体を示す。第5図か
ら明らかなように、本発明の供試体の最大透磁率は、比
較用供試体の最大透磁率に比較して著しく優れていた。
以上詳述したように、この発明の方法によれば、蒸着処
理時に蒸着層中に生じたボイドは、拡散処理によつて消
滅し、製品中に残留することがなく、且、鋼帯表面にSi
O2が生成しない。従つて、品質、磁気特性および表面性
状の優れた電気鉄板として使用される高珪素鋼帯を製造
することができる。更に、蒸着用ガス中の4塩化珪素ガ
スの含有量はmol分率で5〜35%であるから短時間に蒸
着処理を行なうことができ、且つ、蒸着処理温度は1023
℃以上、1200℃未満であるから、板厚の不均一や鋼帯の
変化が生ずることなく蒸着処理を効率的に行なうことが
できる。このように、この発明の方法によれば、幾多の
工業上有用な効果がもたらされる。
理時に蒸着層中に生じたボイドは、拡散処理によつて消
滅し、製品中に残留することがなく、且、鋼帯表面にSi
O2が生成しない。従つて、品質、磁気特性および表面性
状の優れた電気鉄板として使用される高珪素鋼帯を製造
することができる。更に、蒸着用ガス中の4塩化珪素ガ
スの含有量はmol分率で5〜35%であるから短時間に蒸
着処理を行なうことができ、且つ、蒸着処理温度は1023
℃以上、1200℃未満であるから、板厚の不均一や鋼帯の
変化が生ずることなく蒸着処理を効率的に行なうことが
できる。このように、この発明の方法によれば、幾多の
工業上有用な効果がもたらされる。
第1図は鋼板の酸化膜の厚さとボイド残留率との関係を
示すグラフ、第2図はこの発明の方法を実施するための
装置の一例を示すブロツク図、第3図はこの発明の方法
を実施するための装置の他の例を示すブロツク図、第4
図はこの発明の方法で製造された高珪素鋼板の断面の金
属組織を示す顕微鏡写真、第5図は本発明の供試体およ
び比較用供試体の最大透磁率を示すグラフ、第6図は蒸
着処理直後の従来の鋼板の断面の金属組織を示す顕微鏡
写真、第7図は拡散処理後の鋼板の断面の金属組織を示
す顕微鏡写真、第8図は蒸着処理直後の鋼板の断面の
鉄、珪素および酸素の濃度分布を示すグラフである。図
面において、 1……鋼帯、2……巻戻し機 3……巻取り機、4……酸洗槽 5……洗浄槽、6……加熱炉 7……蒸着炉、8……均熱炉 9……冷却室、10……フード 11……張力制御用ローラ 12……グラインダ、13……研磨室 14……洗浄槽、15……乾燥炉 16,17……ノズル。
示すグラフ、第2図はこの発明の方法を実施するための
装置の一例を示すブロツク図、第3図はこの発明の方法
を実施するための装置の他の例を示すブロツク図、第4
図はこの発明の方法で製造された高珪素鋼板の断面の金
属組織を示す顕微鏡写真、第5図は本発明の供試体およ
び比較用供試体の最大透磁率を示すグラフ、第6図は蒸
着処理直後の従来の鋼板の断面の金属組織を示す顕微鏡
写真、第7図は拡散処理後の鋼板の断面の金属組織を示
す顕微鏡写真、第8図は蒸着処理直後の鋼板の断面の
鉄、珪素および酸素の濃度分布を示すグラフである。図
面において、 1……鋼帯、2……巻戻し機 3……巻取り機、4……酸洗槽 5……洗浄槽、6……加熱炉 7……蒸着炉、8……均熱炉 9……冷却室、10……フード 11……張力制御用ローラ 12……グラインダ、13……研磨室 14……洗浄槽、15……乾燥炉 16,17……ノズル。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山路 常弘 東京都千代田区丸の内1丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 福田 脩三 東京都千代田区丸の内1丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (56)参考文献 特開 昭61−129803(JP,A) 特公 昭45−21181(JP,B1)
Claims (1)
- 【請求項1】母材板としての鋼帯に対し、所定量の4塩
化珪素ガスを含有する蒸着用ガスにより、所定温度で化
学気相蒸着処理を施して、前記鋼帯の表面に珪素を蒸着
し、次いで、表面に珪素が蒸着された鋼帯を、無酸化雰
囲気中において所定温度で均熱することによって、蒸着
された珪素を前記鋼帯中に拡散させ、かくして、高珪素
鋼帯を製造する方法において、 連続処理ライン中で、化学気相蒸着処理を施す前の、前
記鋼帯表面の酸化膜を、その厚さが20Å以下となるよう
に除去し、次いで、酸化膜が除去された前記鋼帯を、1,
023℃以上、1,200℃未満の範囲内の温度で加熱し、次い
で、mol分率で5〜35%の量の4塩化珪素ガスを含有す
る蒸着用ガスにより、前記範囲内の温度で前記鋼帯に対
し化学気相蒸着処理を施し、次いで、無酸化雰囲気中で
均熱することにより、前記鋼帯の蒸着層中に残留するボ
イドの量を15%以下となしたことを特徴とする、高珪素
鋼帯の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP61165645A JPH0678585B2 (ja) | 1986-07-16 | 1986-07-16 | 高珪素鋼帯の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP61165645A JPH0678585B2 (ja) | 1986-07-16 | 1986-07-16 | 高珪素鋼帯の製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS6324035A JPS6324035A (ja) | 1988-02-01 |
| JPH0678585B2 true JPH0678585B2 (ja) | 1994-10-05 |
Family
ID=15816298
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP61165645A Expired - Fee Related JPH0678585B2 (ja) | 1986-07-16 | 1986-07-16 | 高珪素鋼帯の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0678585B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| DK162961C (da) * | 1989-11-20 | 1992-05-25 | Haldor Topsoe As | Braendselscellekraftvaerk |
| JP2015105416A (ja) * | 2013-11-29 | 2015-06-08 | Jfeスチール株式会社 | 高珪素鋼板の製造方法 |
| CN110158062A (zh) * | 2018-02-12 | 2019-08-23 | 宝山钢铁股份有限公司 | 带钢用化学气相沉积炉 |
Family Cites Families (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS4893522A (ja) * | 1972-03-13 | 1973-12-04 | ||
| NL7714540A (nl) * | 1977-11-08 | 1979-05-10 | Balzers Hochvakuum | Werkwijze voor de voorbehandeling van substra- ten uit koperzink-legeringen. |
-
1986
- 1986-07-16 JP JP61165645A patent/JPH0678585B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS6324035A (ja) | 1988-02-01 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |