JPH068429B2 - 金属加工油 - Google Patents

金属加工油

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JPH068429B2
JPH068429B2 JP25562485A JP25562485A JPH068429B2 JP H068429 B2 JPH068429 B2 JP H068429B2 JP 25562485 A JP25562485 A JP 25562485A JP 25562485 A JP25562485 A JP 25562485A JP H068429 B2 JPH068429 B2 JP H068429B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は金属加工油に関するものであり、さらに詳しく
は、水素添加魚油を重合した重合油を用いて潤滑性に優
れ、経時安定性並びに魚臭を改良した金属加工油に関す
るものである。
〔従来の技術〕
従来、切削油、研削油、圧延油、プレス油、引抜油など
の金属加工油は、基油に鉱物油またはパーム油、牛脂、
豚脂等の動植物油脂あるいは脂肪酸エステルが用いられ
ている。しかし、これらの基油は金属加工技術の進展に
伴う性能を、十分満足するものでなくなり、その性能を
おぎなうために、油性向上剤、界面活性剤、錆止め剤、
極圧添加剤、消泡剤などさらに多くの添加剤を配合し用
いている。
添加剤によらずに基油の潤滑性等を改良する試みとして
は、活性白土の存在下に加熱処理した変性油脂を用いる
鋼板用冷間圧延油(特公昭51−6686)、不飽和脂肪酸を
含有するトリグリセライドを部分水素添加した油脂を用
いる冷間圧延油(特開昭60-81295)等が報告されてい
る。
〔発明が解決しようとする問題点〕
一方、魚油は常温で液体であり他の添加剤と配合し易
く、また安価であり、基油として多角的に利用できる可
能性を示唆している。
例えば魚油は重合して潤滑油の分野にも利用された歴史
はある。しかし、魚油が唯一の国産油脂でありながら、
近年その使用量は少なくなっている。これは魚油が他の
動植物油脂と異って、魚臭が激しく、完全な脱臭がむず
かしく、また脱臭しても時間が経つと臭いが戻り、さら
に他の油脂には含まれない高度不飽和酸を多量に含んで
いるために、熱に不安定であることなど、技術的に解決
しなければならないことが多く残っているためである。
即ち、魚油を従来の技術に従って他の動植物油脂と同様
に利用することは困難である。
例えば、魚油を加熱処理して得られる魚油の重合油は潤
滑性が向上するものの魚臭が激しく実用上使用できな
い。脱臭精製した魚油の重合油は時間が経つと魚臭が発
生し、あるいは着色して経時安定性が悪い。
また、水素添加する方法では、水素添加の度合が高くな
ると融点が上昇して取扱上溶解したりしなければならず
用途が限られ、また鉱油等との相溶性が悪くなり、魚油
を部分的に水素添加したものでは臭気および潤滑性が不
充分であるのみでなく、曇点が高くなり、例えば鉱物油
と配合した場合10〜20℃位で白濁するなど特に低温度領
域での製品安定性に欠ける等の問題点がある。
本発明は上記の点に着目しなされたもので、潤滑性に優
れ、経時安定性並びに魚臭を改良した金属加工油を提供
することを目的とする。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者らは上記課題を解決するため鋭意研究を行なっ
た結果、水素添加魚油の重合油を用いることにより、潤
滑性に優れ、経時安定性並びに魚臭を改良した金属加工
油が得られることを見出し本発明に至った。
即ち、本発明は沃素価60〜110の水素添加魚油を、加熱
または酸化により重合して得られる38℃で80〜3000セン
チポイズの粘度を有する重合油を含有するところの金属
加工油である。
本発明の重合油は魚油を沃素価60〜110に水素添加した
後、加熱または酸化により38℃で80〜3000センチポイズ
の粘度になるよう重合して得られる。
本発明に用いる魚油としては、例えばイワシ油、タラ
油、イカ油、ニシン油、アイザメ肝油、アブラザメ肝
油、サバ油及びこれらの魚油を混合して得られる混合魚
油等が挙げられる。また精製の如何によらず用いられる
が好ましくは常法により、苛性ソーダ水溶液で脱酸後水
洗し、活性白土、活性炭で脱色し精製した魚油が良い。
水素添加反応は通常の水添条件及び触媒が使用されて行
なわれる。例えば、ニッケル系触媒を対油脂の0.2〜
1.0重量%用い、水素圧1.0〜4.0kg/cm2
て、温度160〜200℃で水素添加反応を行ない、IV60〜11
0に水素添加した魚油を水素添加魚油として用いる。水
素添加魚油のIVが60以下では重合反応が進みにくく、水
素添加魚油の融点が高く得られる重合油が、特に低温に
おける鉱物油との相溶性が悪いものとなり、また潤滑性
も十分でない。IVが110以上では、得られる重合油に魚
臭が残るとともに時間が経つと臭気が強くなり、特に高
温度下での使用に問題が生じる。
本発明に用いる水素添加魚油を重合した重合油(以下
「重合油」と称する)の製造方法は加熱による方法また
は酸化による方法があり、38℃における粘度が80〜3000
センチポイズ(以下「CP」と記す)の範囲になるよう重
合反応を行なう。例えば加熱による方法では、窒素ガス
または二酸化炭素ガス等の不活性ガス雰囲気中で水素添
加魚油を280〜320℃に加熱し、同温度で2〜30時間撹拌
することにより重合することができる。また酸化による
方法では水素添加魚油を120〜200℃に加熱し、酸素また
は空気を導入しながら同温度で2〜30時間撹拌すること
により反応を行なうことができる。
ここで本願の重合油は38℃に於ける粘度が80〜3000CPの
範囲のものが魚臭、潤滑性、低温での鉱物油との相溶性
などの点で好ましく、粘度80以下では重合油に魚臭が若
干残り、さらに経日により残り臭を発生すること、低温
での鉱物油との相溶性が十分でないこと、近年の高速度
加工に対しての潤滑性が十分でない等の欠点がある。又
粘度が3000CP以上になると重合油の油性、溶解性の低
下、並びに炭化物の生成等が見られるようになり潤滑性
が低下し、また鉱物油との相溶性が低下する等から好ま
しくない。
本発明の重合油はそのまま、またはそれを基油としそれ
に他の添加剤、油性向上剤を加えて用いることができ、
また油性向上剤としての他の動植物油、エステル類、合
成油及び鉱物油と混合して使用することもできる。さら
に本発明の金属加工油は公知の潤滑油添加剤、例えば極
圧添加剤、酸化防止剤、消泡剤、防錆剤、界面活性剤等
をその目的に応じて添加することができる。
以下実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明の
範囲はこれらに限定されるものではない。
〔実施例〕
実施例1 常法に従い脱酸、脱色した精製魚油(主にタラ油を含む
混合魚油、IV 175)1000gをステンレス製2のオート
クレーブに仕込みNi系触媒0.4Wt%、水素圧1.5kg
/cm2、反応温度160±2℃で水素添加反応を行ない、IV
60の水素添加魚油980gを得た。
この水素添加魚油900gをステンレス製2の反応釜に仕
込み、窒素ガスを吹き込みながら撹拌し、1.5時間で
280℃まで昇温し、さらに同温度で7時間反応して粘度1
000CPの重合油800gを得た。
得られた重合油の臭気(重合油製造後および25℃で30日
経過後)、焼付荷重(30wt%スピンドル油溶液)、鉱油
との相溶性を測定し、その結果を表−1のNo.2に示
す。
上記で用いた精製魚油(IV 175)を上記と同様に水素添
加し各々IVが50、70、80、90、100、110、120である水
素添加魚油を得、これを窒素ガス導入下に加熱重合して
粘度約1000CPの重合油を得た。得られた重合油の臭気、
焼付荷重、鉱油との相溶性を測定し、その結果を表−1
のNo.1およびNo.3〜8に示す。
表−1のうち、IV50の水素添加魚油から得られた重合油
は鉱油との相溶性が悪く、またIV 110の水素添加魚油か
ら得られた重合油は臭気が悪く、それぞれ本発明の範囲
外である。
試験法 粘度:38℃の粘度をB型粘度計で測定した。
焼付荷重:シェル型高速四球摩擦試験機 ボール 1/2インチ 測定温度 70℃ 立軸回転数 800 rpm 試 料 重合油:60スピンドル油 (wt比30:70)の混合油 鉱油との相溶性:重合油を60スピンドル油に溶解し、30
wt%溶液を作り、それを0℃に7日間放置した後、分離
の程度を肉眼で判定した。
○:良好、 △:若干分離または下部に若干沈澱物あり、 ×:二層に分離している 臭気:重合反応後放冷し、常温での臭気及び室温で30日
間放置後の臭気を次の基準により判定した。
○:魚臭がない △:若干魚臭がある ×:魚臭が激しい 実施例2 脱酸、脱色した精製魚油(タラを主とする混合魚油、IV
170)10kgをステンレス製20のオートクレーブに仕込
み、Ni系触媒0.4wt%、水素圧1.8kg/cm2、反応
温度160±2℃で水添し、IV85.5、AV0.60の水素添加魚
油9.5kgを得た。
この水素添加魚油1000gをステンレス製2の反応釜に
仕込み、空気を吹き込みながら撹拌し、30分で160℃に
昇温後、同温度で1.5時間重合して、粘度(38℃)10
0 CPの重合油980gを得た。
得られた重合油の臭気、焼付荷重、鉱油との相溶性を測
定しその結果を表−2のNo.3に示す。
また上記水素添加反応で得たIV85.5、AV0.60の水素添加
魚油を用いて上記と同様の方法で重合し各々粘度(38
℃)が70CP、80CP、500CP、1000CP、2000CP、3000CP、3
300CPの重合油を合成し、得られた重合油の臭気、焼付
荷重、鉱油との相溶性を実施例1と同様に測定し、その
結果を表−2のNo.1、2及び4〜8に示す。
表−2で水素添加魚油の重合油(No.1〜8)のうち重
合油の粘度が70CPのものは鉱油との相溶性、臭気が悪
く、また粘度が3300CPのものは鉱油との相溶性が悪くと
もに本発明の範囲外である。
比較例1、2 実施例2に用いた精製魚油(IV 170)を実施例2と同様
に水素添加しIV8.7(比較例1)、IV85.5(比較例
2)の水素添加魚油を合成して、その諸物性を測定し、
その結果を表−2のNo.9、10に示す。
比較例3、4 実施例2に用いた精製魚油(IV 170)を実施例2と同様
に重合し38℃の粘度500 CP(比較例3)、1200CP(比較
例4)の重合油を合成し、得られた重合油の諸物性を測
定し、その結果を表−2のNo.11、12に示す。
実施例3 精製魚油(タラを主とする混合魚油、IV 170.2)及び精
製魚油(イワシを主とする混合魚油、IV 175.6)を用い
て実施例1と同様に水素添加反応し、得られた水素添加
魚油を実施例1と同じ条件で加熱重合、または実施例2
と同じ条件の下で酸化重合し表−3に示す重合油A〜D
を得た。
得られた重合油A〜Dを試料油として下記に示す切削試
験を行ない、その切削加工における潤滑性能を評価し
た。その結果を表−4に示す。
なお比較例としてナタネ油(IV 104.4)を用いて同様に
切削試験を行なった。
切削試験方法 試料油を60スピンドル油に溶解して20wt%の溶液とし、
この溶液を用いて立型内面引抜ブローチ試験機により切
削抵抗値を測定し、また切削した表面のアラサを触針式
アラサ測定機で切削方向に測定し切削加工時の潤滑性能
を評価した。
切削条件 試験機:3ton立型内面引抜きブローチ盤 工具:1刃当り切込み最大0.05mm、巾7mm、ピッチ
8mm、材質SKH55のキーブローチ工具 被削材質:S−45C 切削速度:2m/min 実施例4 実施例3で得た重合油A〜Dを試料油とし、この試料油
をパラフィン系鉱油(日石タービンオイル32)に溶解
し、3wt%の溶液とした。この溶液のアルミニウムの深
絞り加工試験における潤滑性能を、高速深絞り試験機に
より評価した。その結果を図−1に示す。
比較例としてオレイン酸の3wt%パラフィン系鉱油溶液
を用いて上記と同様にアルミニウムの深絞り加工試験を
行なった。
試験条件 試験機:東京試験機(株)製深絞り試験機 ポンチ径32mmφ、ダイス径35mmφ、加工速度1m/秒 加工材:アルミ板(JIS A1100.0厚さ1mm)の円盤を用
いて1試料油につき径62.4mmφ(絞り比1.95)から68.0
mmφ(絞り比2.125)までの8点(径の増加率0.8m
m)を試験 試料油塗布量:1g/m3、加工材の両面に塗布 実施例5 実施例3で得た重合油A〜Dを試料油とし、下記の圧延
試験を行ない圧延加工における潤滑性能を評価した。そ
の結果を図−2に示す。
比較例として牛脂(IV48.5)を用いて上記と同様に圧延
試験を行なった。
圧延試験方法 圧延前の鋼板に50mmの間隔(l)の2本の線を引き、
この鋼板に試料油を塗布し、これを圧延して圧延後、2
本の線の間隔(l)を測定し、次式により圧下率を求
めた。またその時の圧延荷重(ton)をロードセルにて
測定した。
圧延試験の条件は次の通り。
圧延機:四段ロール式圧延機 ワークロール 径150mm×巾140mm バックアップロール 径250mm×巾140mm ロール材質 クロム鋼 ロール周速 30m/min 圧延材料:SPC−C 厚さ0.6mm×巾50mm×長さ150mm 試料油の塗布量:1g/m2 〔発明の効果〕 以上説明したように本発明の金属加工油は、水素添加魚
油の重合油を含有するものであり、魚油を一定のIVに水
素添加した後、特定の粘度範囲に重合した重合油を基油
あるいは油性向上剤として用いるもので、本発明は従来
金属加工油の基油として用いられている牛脂、ラード等
と比べて、潤滑性に優れるため金属の切削、研削、圧
延、プレス、引抜等の金属加工に用いて仕上り表面の良
い加工物が得られ、少ない使用量で良好な性能を発揮し
経済性に優れる。また魚臭等の臭気が少なく、高温下で
の金属加工に用いることができるとともに労働環境を改
善することができ、本発明の金属加工油を長期間放置し
ても臭気の発生、着色が無い等の経時安定性が良く、保
存性、商品性が高い等の効果を有する。
【図面の簡単な説明】
図−1 …… 本発明の実施例4に係るアルミニウムの
深絞り加工試験結果を示す荷重−絞り比相関図。 図−2 …… 本発明の実施例5に係る圧延試験結果を
示す荷重−圧下率相関図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10N 30:08 40:20 Z 8217−4H

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】沃素価60〜110の水素添加魚油を、加熱ま
    たは酸化により重合して得られる38℃で80〜3000センチ
    ポイズの粘度を有する重合油を含有することを特徴とす
    る金属加工油。
JP25562485A 1985-11-14 1985-11-14 金属加工油 Expired - Lifetime JPH068429B2 (ja)

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