JPH0685001B2 - 多層反射防止膜を有する光学物品 - Google Patents

多層反射防止膜を有する光学物品

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JPH0685001B2
JPH0685001B2 JP61020167A JP2016786A JPH0685001B2 JP H0685001 B2 JPH0685001 B2 JP H0685001B2 JP 61020167 A JP61020167 A JP 61020167A JP 2016786 A JP2016786 A JP 2016786A JP H0685001 B2 JPH0685001 B2 JP H0685001B2
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武 斉藤
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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の技術分野] 本発明は密着強度に優れた多層反射防止膜を有する光学
物品に関する。さらに詳しくは眼鏡用レンズ、カメラ用
レンズなどの光学用レンズ、ワードプロセッサーなどの
ディスプレイやテレビのブラウン管などに付設する光学
フィルター、自動車などの窓ガラスなどに有用な多層反
射防止膜を有する光学物品に関する。
[従来技術] プラスチックレンズに代表されるプラスチック成形体
は、極めて優れた耐衝撃性及び透明性を有しかつ軽量で
あり、染色も容易であることから、近年大巾に需要が増
えている。しかしプラスチック光学製品は無機ガラスに
較べて表面硬度が低く、傷が付き易いという欠点があ
る。
前者の傷つき易さの欠点を改良しようとする試みはすで
に数多く提案されている。例えばプラスチック基材表面
にSiO2などの無機物を真空蒸着により被覆する方法(特
開昭58−204031号公報)やプラスチック基材の表面にポ
リオルガノシラン系ハードコート膜やアクリル系ハード
コート膜を設ける方法(USP3,986,997、USP4,211,823、
特開昭57−168922号公報、特開昭59−38262号公報、特
開昭59−51908号公報、特開昭59−51954号公報、特開昭
59−78240号公報、特開昭59−89368号公報、特開昭59−
102964号公報、特開昭59−109528号公報、特開昭59−12
0663号公報、特開昭59−155437号公報、特開昭59−1746
29号公報、特開昭59−193969号公報、特開昭59−204669
号公報など)が開示されている。
前記従来技術であるSiO2などの無機物の真空蒸着による
表面硬度の改良は高硬度である反面、基材との密着性、
耐熱性、耐衝撃性、耐熱水性、耐光性などを低下させる
大きな問題がある。
またプラスチックの表面硬度と反射防止性の両者を向
上、改良する目的でプラスチック基材上に1ミクロン前
後のSiO2を真空蒸着により被覆し、さらにその上に多層
膜の反射防止膜をコートする方法が開示されている。
(特開昭56−113101号公報)。
さらには特開昭59−48702号公報、特開昭59−78301号公
報、特開昭59−78304号公報にはプラスチック基材の表
面にポリオルガノシラン系ハードコート膜あるいは、エ
ポキシ樹脂硬化膜を施した上に、無機物からなる反射防
止膜をコートする方法が開示されている。
また特開昭56−113101号公報に開示されている技術は、
高硬度で反射防止性を有している反面、密着性、耐熱
性、耐衝撃性、耐熱水性、耐候性などを低下させ大きな
問題がある。
また特公昭45−6193号公報、特開昭59−48702号公報、
特開昭59−78301号公報、特開昭59−78304号公報に開示
されている技術は、反射防止性を有する反面、基材に対
する密着性が不充分で傷が深く、かつ太く発生し使用上
において大きな欠点を有する。さらには水、アルコール
などに浸されやすい、熱水浸漬後の密着性、耐候密着性
などに大きな問題がある。
以上従来技術をレビューしたが、これらの技術はいずれ
も基材の上のハードコート層と、その表層の蒸着膜(反
射防止膜)との密着性に問題があり、長期間使用ると蒸
着膜(反射防止膜)が鱗片状に剥離してくるという欠点
を有していた。
[発明が解決しようとする問題点] 本発明者らは、上記問題点を解決するために鋭意検討し
た結果、以下に述べる本発明に到達した。
すなわち本発明は特に密着強度、及び耐久性に優れ、耐
すり傷性、耐摩耗性、耐衝撃性、耐薬品性、可撓性、耐
熱性、耐光性、耐候性、帯電防止性などにも優れた多層
反射防止膜を有する光学物品を提供するものである。
[問題点を解決するための手段] すなわち本発明は、次の構成からなる。
「プラスチック透明基材の上に耐擦禍性を有するハード
コート層を設け、その表層に基材側から表面に向って順
番に、 第1層;酸化ジルコニウムを主成分とする層 第2層;二酸化ケイ素を主成分とする層 第3層;酸化チタンを主成分とする層 第4層;二酸化ケイ素を主成分とする層 を設け、かつに、前記第1層と第2層とを等価膜とした
ことを特徴とする多層反射防止膜を有する光学物品。」 本発明においては、プラスチック透明基材の上に耐擦禍
性を有するハードコート層を設けることがまず必要であ
る。ここでプラスチックとは、公知のいかなるものであ
ってもよい。また透明基材とは、光が通過し得るもので
あればいかなるものであってもよい。ワードプロセッサ
ーなどのディスプレーの前面に使用するものにあって
は、原着、または染色により可視光線透過率を25〜70%
としたものが好ましい。目の疲労を減少するためであ
る。また耐擦禍性を有するハードコート層とは、ポリオ
ルガノシロキサン、シリカ、アルミナなどの硬度の高い
コーティング層、またはアクリル成分を含む層をいう。
プラスチック製品の表面は一般に傷がつき易いので、こ
れを改良するため、及び表層に蒸着、またはスパッタリ
ングする多層反射防止膜のアンダーコートして密着性を
高めるためである。そして特に好ましくは、ハードコー
ト層はメチルトリメトキシシラン、およびビニルトリエ
トキシシラン、またはこれらの加水分解物をコーティン
グした後に、架橋、加熱縮合させたポリオルガノシロキ
サンである。
そしてハードコート層の好ましい膜厚は、1〜10μm程
度である。
またアクリル系ハードコート層とは、メタクリル酸など
のアクリル化合物と、ペンタエリスリトール、グリセリ
ンなどの多官能グリコールとのエステル化合物を架橋さ
せたものなどをいう。
次に本発明においては、前記のハードコート層の表層に
まず第1層として、酸化ジルコニウムを主成分とする層
を設ける。酸化ジルコニウムを主成分とする層は、下の
ハードコート層と上の二酸化ケイ素を主成分とする層の
双方に対し、バインダーとして密着強度を向上させる効
果を発揮すると同時に、第2層の二酸化ケイ素を主成分
とする層と組み合わせて等価膜とすることにより、第3
層、第4層と比べて中屈折率とするためである。
次に本発明においては、前記の第1層の表層に第2層と
して、二酸化ケイ素を主成分とする層を設ける。第1層
と第3層の双方の層に対して密着強度を向上させる効果
を発揮すると同時に、第1層の酸化ジルコニウムを主成
分とする層と組み合わせて等価膜とすることにより、第
3層、第4層と比べて中屈折率とするためである。
以上第1層と第2層は全体として中屈折率の層となる。
次に第3層として、酸化チタンを主成分とする層を設
け、その上に第4層として二酸化ケイ素を主成分とする
層を設ける。第3層に高屈折率層を、第4層に低屈折率
層を設ければ、第1、2層の中屈折率層と相俟って全体
として反射防止機能に優れた膜が達成されるからであ
る。
本発明において前記第1〜4層は、真空蒸着、またはス
パッタリングによって設けることができる。より好まし
くは真空蒸着である。イオンビームアシストなどの方法
も適宜応用してもよい。また第1層の酸化ジルコニウム
には、本発明の効果を低下させない範囲において酸化チ
タンなどを加えてもよく、同様に第3層の酸化チタンの
層にはTa2O5などを混合してもよい。
膜厚は可視光線を反射防止できる程度の厚さであればい
かなる厚さでもよい。好ましい光学的膜厚は、設計波長
λとしたとき、450〜550nmの範囲において 第1層;0.05〜0.15λ 第2層;0.05〜0.15λ 第3層;0.36〜0.49λ 第4層;0.15〜0.35λ である。このうちとくに第4層は0.25λであることが
好ましい。
本発明においては、上記の多層反射防止膜をプラスチッ
ク基材の1面または2面に設ける。1面に設けた場合
は、反対面の傷付防止をするため、少くとも上記で説明
したハードコートを設けることが好ましい。また本発明
の多層反射防止膜を1面に設け、反対面にはハードコー
ト層、酸化インジウム・酸化スズ層(いわゆるITO膜)
を設けるか、またはこのITO膜の上に二酸化ケイ素を主
成分とする層を設け、片面は反射防止層、他の片面は電
磁波シールド性を有する層とすることもできる。前記に
おいて、最外層にITO層を設けた場合は比較的薄い膜(1
00〜500Å程度)が好ましく、ITO膜の上に二酸化ケイ素
を主成分とする層を設けるときは比較的厚い膜(たとえ
ば500〜1000Å程度)が好ましい。
なお本発明品には静電気を除去するためにアースを取り
つけてもよい。この場合、前記ITO膜があるときはアー
スはITO膜から直接取るか、または導通状態にしてこと
おくことが好ましい。また他の手段として、本発明品の
周囲に金属製の枠を取りつけ、静電気を放電させてもよ
い。この場合も、前記ITO膜があるときは金属枠はITO膜
と直接接するか、または導通状態にしておくことが好ま
しい。
以下図面により説明する。
第1図は本発明の好ましい多層反射防止膜を有する光学
物品の1実施態様の断面を示す。プラスチック透明基材
10の上に耐擦禍性を有するハードコート層11を設け、さ
らにその表層に前記多層反射防止膜1〜4を順番に設け
たものである。
第2図は従来技術のうち最も近似した例である。すなわ
ち多層反射防止膜の第1層が酸化イットリウムであった
ので、ハードコート層、酸化チタン層の双方の界面にお
いて剥離し易いものであった。
本発明の多層反射防止膜を有する光学物品の用途は、テ
レビやディスプレーの画面のフィルター(いわゆる光学
フィルター)に特に有効である。その他眼鏡などのレン
ズや、フィルム、成形物としての用途も期待できる。
なお本発明の多層膜は「オージェ電子分光測定法」によ
って行うことができる。この方法は、高真空中に置いた
試料表面に電子ビームを照射し、表面から出たオージェ
電子をアナライザーでエネルギー分割して検出する。測
定条件としては、下記のとおりである。
測定装置:日本電子株式会社製“JAMP−10S" 最表面分析時:1×10-7Pa 深さ方向分析時:6×10-6Pa(Ar雰囲気) サンプリング:試料の端を銅板で押さえて試料台に固定
する。
加速電圧:3.0KV 試料電流:1×10-8A ビーム径:1μm スリット:No.5 試料傾斜角度:40〜70度 Arイオンエッチング条件 加速電圧:3.0KV 試料電圧:3×10-7A エッチング速度:200Å/min(SiO2の場合) [実施例] 以下実施例により説明する。
実施例1 基材として市販のポリメタクリレート板(三菱レイヨン
株式会社製、商標“アクアライト"LN−084、グレー原
着、厚さ約2mm)を使用した。ハードコート用塗料とし
ては、特開昭59−114501号公報の実施例1の記載のとお
り、ビニルトリエトキシシラン氷酢酸で加水分解したも
のと、メチルトリエトキシシランを氷酢酸で加水分解し
たものを混合して用いた。この混合溶解物に硬化剤であ
る酢酸ナトリウムを加え、さらにシリコーン系表面平滑
剤を加えて塗料とした。
この塗料を基材の表面(表裏面)に2μmの厚さに塗布
し、90℃で3時間加熱キュアした。
次いでこのこのハードコートしたプラスチック基板を真
空蒸着槽にセットし、設定温度60℃で、1×10-5TORRま
で排気した後、カオフマンタイプのイオンビーム発生装
置によりアルゴンイオンビームを発生させ、加速電圧50
0Vで基板のクリーニングを実施した。引き続いて基板側
から順にエレクトロンビーム法により、次の条件で表裏
面に4層膜を形成した。
(1) 第1層;酸化ジルコニウムを主成分とする層、光
学的膜厚(nd)約42nm、真空度3×10-5TORR(酸素導
入) (2) 第2層;二酸化ケイ素を主成分とする層、光学的
膜厚(nd)約42nm、真空度1×10-5TORR (3) 第3層;酸化チタンを主成分とする層、光学的膜
厚(nd)約216nm、真空度4×10-5TORR(酸素導入) (4) 第4層;二酸化ケイ素を主成分とする層、光学的
膜厚(nd)約120nm、真空度1×10-5TORR (ただし上記(1)〜(4)において光学的膜厚は設計波長48
0nm使用。) 上記の方法及び条件で得られた本発明品は、青紫色の反
射干渉色を有し、550nmにおける表面反射率は約0.2%と
極めて優れた反射防止性を有していた。
また表面が硬く、1辺が2cmの正方形のポリエステル編
物に水道水をたらしたものを表面に置き、2kgの荷重を
かけて2,000往復擦過するテストを行ったが、全く損傷
を認めなかった。
更に屋外に1月間放置し暴露試験をしたが、反射防止膜
の剥離等、表面の損傷はなかった。
さらにこれをワードプロセッサーの光学フィルターとし
て使用したところ、反射防止機能に優れ、使用者の目が
疲れない点において著るしい効果があった。
また耐久性に富むものであった。
さらに帯電防止性能を次のように測定した。すなわちパ
ソコン(NEC株式会社製PC−9801E)に接続されたCRT(N
EC−KD551K)の前面53mmの位置に静電気測定器(シシド
静電気株式会社“スタチロンM")を設定し、パソコンの
スイッチをONしたときの静電位を測定した結果、ブラン
クは、9KV以上であった。次にCRTと“スタチロンM“と
の間であって、“スタチロンM"からの距離30mmの位置
に、アースを取りつけた本発明品を設置し、スイッチを
ONしたときの静電位を測定した。この結果、30秒以内に
0.2KV以下に低下し、帯電防止効果は極めて優れたもの
であった。
比較例 実施例1において、4層膜に代えて下記の条件で3層膜
を作成した。
(1) 第1層;酸化イットリウムを主成分とする層、光
学的膜厚(nd)約120nm、真空度3×10-5TORR(酸素導
入) (2) 第2層;酸化チタンを主成分とする層、光学的膜
厚(nd)約216nm、真空度4×10-5TORR(酸素導入) (3) 第3層;二酸化ケイ素を主成分とする層、光学的
膜厚(nd)約120nm、真空度1×10-5TORR 以上の方法で得られた比較品は、その反射防止特性は本
発明品と比べて若干劣る程度であった。しかし本発明品
と同様にして評価した布摩擦テストでは、約100回で反
射防止膜の部分剥離が発生した。また屋外暴露テストで
は約1週間でスポット状の外観以上が発生した。
さらに実施例1と同様に帯電防止性能を測定したとこ
ろ、スイッチを入れ10分後であっても静電位は約1KVま
でしか下がらなかった。
[発明の効果] 本発明は上記のとおりの技術であるので、特に多層反射
防止膜の密着強度、及び耐久性に優れ、耐すり傷性、耐
摩耗性、耐衝撃性、耐薬品性、可撓性、耐熱性、耐光
性、耐候性、帯電防止性などにも優れた多層反射防止膜
を有する光学物品とすることができた。
とくに耐久性については、著るしい耐寿命性を示し、長
期間安定した状態で使用することができるようになっ
た。
また予期できない効果として帯電防止効果にも極めて優
れた性能を示した。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の好ましい多層反射防止膜を有する光学
物品の1実施態様の断面を示す。 第2図は従来技術のうち最も近似した公知例である。 1〜4;多層反射防止膜 10;プラスチック透明基材 11;ハードコート層

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】プラスチック透明基材の上に耐擦禍性を有
    するハードコート層を設け、その表層に基材側から表面
    に向って順番に、 第1層;酸化ジルコニウムを主成分とする層 第2層;二酸化ケイ素を主成分とする層 第3層;酸化チタンを主成分とする層 第4層;二酸化ケイ素を主成分とする層 を設け、かつ、前記第1層と第2層とを等価膜としたこ
    とを特徴とする多層反射防止膜を有する光学物品。
  2. 【請求項2】第1層〜第4層の光学的膜厚が、設計波長
    λとしたとき、450〜550nmの範囲において 第1層;0.05〜0.15λ 第2層;0.05〜0.15λ 第3層;0.36〜0.49λ 第4層;0.15〜0.35λ であることを特徴とする特許請求の範囲第(1)項記載の
    多層反射防止膜を有する光学物品。
  3. 【請求項3】第1層〜第4層が蒸着膜、またはスパッタ
    リング膜であることを特徴とする特許請求の範囲第(1)
    項記載の多層反射防止膜を有する光学物品。
  4. 【請求項4】ハードコート層が有機ポリシロキサンを含
    む層であることを特徴とする特許請求の範囲第(1)項記
    載の多層反射防止膜を有する光学物品。
JP61020167A 1986-02-03 1986-02-03 多層反射防止膜を有する光学物品 Expired - Lifetime JPH0685001B2 (ja)

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