JPH0685696B2 - 石細胞を含有する果実ゼリー菓子の製造法 - Google Patents

石細胞を含有する果実ゼリー菓子の製造法

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JPH0685696B2
JPH0685696B2 JP2229939A JP22993990A JPH0685696B2 JP H0685696 B2 JPH0685696 B2 JP H0685696B2 JP 2229939 A JP2229939 A JP 2229939A JP 22993990 A JP22993990 A JP 22993990A JP H0685696 B2 JPH0685696 B2 JP H0685696B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は石細胞を含有する果実ゼリー菓子の製造法に
係り、その目的は天然の食物繊維である石細胞を豊富に
含有した果実ピューレを、製造工程中で褐変を起こすこ
となくゼリー基質中に均一に分散させることができ、し
かも石細胞独特の新規なテクスチュアを持った、品質の
よい果実ゼリー菓子を製造することのできる方法を提供
することにある。
(発明の背景) 従来より果実加工品、特に果実飲料等の製造においては
その果肉中に含有される石細胞(Stone cell)を取り除
くことが重要な工程とされていた。
石細胞(Stone cell)とは植物、特に果実細胞において
認められる柔細胞が木化し、繊維質となったリグニン、
ペントザンからなる厚膜細胞である。
この石細胞が豊富に認められる代表的な果実としては梨
(Pyrus serotina REHDER var. culta REHDER)が挙げ
られ、梨果肉独特のザラザラした感触をかもし出す茶褐
色の粒状物が、一般に石細胞と称される細胞群である。
梨果実は真夏から初秋の果物としてその爽快な甘味、み
ずみずしい肉質及び風味といった特徴から広く生食に共
されている。
ところが、このような梨果実の加工品は極めて少ない。
この理由は、生食する場合においては梨果実独特の食用
価値を発現する石細胞が、果物加工品、特に果実飲料と
した場合には、ざらざらした感触により、食感・食味を
悪化してしまうからである。
従って、梨果実加工時には石細胞を除去する工程が必要
とされ、その煩雑さが梨果実加工品の普及を妨げる要因
となっていた。
梨(西洋梨、日本梨)以外に石細胞を豊富に含有する果
実としてはグアバ(ばんじろう)(Psidium spp.)、か
りん(Chaenomeles sinensis KOEHNE)、マルメロ(Chd
oniaoblonga)等が挙げられるが、このような果実から
石細胞を除去して調整した果実加工品は、果実そのまま
の自然の風味と舌ざわりが損なわれてしまい、しかも豊
富な天然の食物繊維を充分に利用できないという欠点が
あった。
(従来の技術) 近年、果実の食感、風味を有する果実加工品として、果
汁あるいは果肉入りゼリー菓子が急速に普及してきてい
る。
ところが、このゼリー菓子についても、果汁入りの場合
では、石細胞が除去されているので果実独特の食感・テ
クスチャーを発現することは不可能であるという欠点が
存在した。
また、果肉入りゼリー菓子は、ゼリー内に適宜な大きさ
に切断された生の果実が混入されているだけであるので
腐敗しやすく日持ちが悪いという欠点があった。
しかも、この果肉入りゼリーは果肉部とゼリー部とがは
っきりと分離されているのでゼリー全体をもって収穫時
の果実そのままの風味と食感を与えることは不可能であ
った。
また、梨果実を用いたゼリー菓子についても特開昭61-1
32146号公報及び特開昭63-279757号公報においてそれぞ
れ開示されている。
特開昭61-132146号公報開示の技術は、梨肉をジューサ
ーにて果汁とし、この果汁約300重量部を鍋に入れ、加
熱させながらゼリー素約75重量部を泡立て器などでよく
混ぜ加え、これを好みのカップに注ぎ分けて冷却してゼ
リー化する梨ゼリーの製造法であった。
一方、特開昭63-279757号公報開示の技術は、梨をジュ
ーサーにてピューレとした後、このピューレにクエン酸
を混合し、この混合物を、別に果糖とゼリー化剤とクエ
ン酸ナトリウムを混合し、水を加えて加熱しておいた加
熱体に加えてゼリー状生地とし、この生地をカップに充
填し、シールした後、加熱殺菌、冷却してなる梨入りゼ
リー菓子の製造方法であった。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、前記既創出の製造方法では、梨果実の特
性を利用した優れた品質のゼリー菓子を得ることはでき
ないという課題が存在した。
すなわち、前記製造方法では、梨ピューレとゼリー化剤
とを沸騰状態又は加熱状態で混合するため、この混合時
に梨ピューレに褐変現象が生じてしまい、菓子としての
外観、品質の低下を招きやすいという課題が存在した。
しかも、これら方法により出来上がったゼリー菓子で
は、その摂食時に梨果実特有の風味を充分に感じること
はできず、美味ではないという課題も存在した。
すなわち、もともと梨果実、特に日本梨は他の果実と比
較すると果実特有の香気が乏しいため、前記したような
沸騰状態で梨ピューレをゼリー化剤と混合することによ
って香気成分が失われてしまい、ゼリー菓子として摂食
する際には、天然の香気を感じることができず、菓子と
しての価値が低くなってしまうという課題が存在した。
一方、前記特開昭63-279757号公報では、梨ピューレの
調製時に洋梨からなる洋酒を添加する構成が開示されて
いるが、ピューレ調製時に洋酒を添加しても、続く沸騰
水との混合により洋酒による香気の一部が失われてしま
うため、ゼリー菓子摂食時には、その香気を充分に楽し
むことはできないという課題が存在した。
そこで、このような実情に鑑み、業界では収穫時の果実
そのままの自然の風味と舌ざわりを維持することのでき
る果実加工品、及びその製造法の創出が望まれていた。
(問題を解決するための手段) この発明では、梨(Pyrus serotina REHDER var. bulta
REHDER)、グアバ(Psidium spp.)、かりん(Chaenom
eles sinensis KOEHNE)、マルメロ(Chdoniaobonga)
の中から選択される少なくとも一種の果実を水洗し、該
果実から果肉中の石細胞を0.2〜10.0重量部含有する果
実ピューレを調製し、この果実ピューレを、あらかじめ
ゼリー化剤と糖分に水を加えて98℃以下の温度で加熱し
ながら撹拌、溶解して調製しておいたゾル状ゼリー基質
中に、該ゼリー基質の温度を約70〜75℃に維持しながら
クエン酸、香料と共に加え混合してゼリー生地とした
後、このゼリー生地をカップに充填し、この充填時に前
記果実ピューレと同一果実からなる果実酒を添加し、封
蓋後加熱殺菌し、冷却してなることを特徴とする石細胞
を含有する果実ゼリー菓子の製造法を提供することによ
り、上記従来の課題を悉く解消する。
(発明の構成) 以下、この発明の構成について詳述する。
この発明においては、ゼリー菓子の原料の一つとして石
細胞を豊富に含有する特定果実が使用される。
この果実としては、梨(Pyrus serotina REHDER var. c
ulta REHDER)、グアバ(Psidium spp.)、かりん(Cha
enomeles sinensis KOEHNE)、マルメロ(Chdoniaoblon
ga)が例示され、これら果実の中から選択される任意の
一種又は二種以上の果実が原料の一つとして使用され
る。
ここで、特にこれら果実を原料果実として用いるのは、
果肉中に天然の食物繊維である石細胞を豊富に含み、新
規なテクスチュアを有する栄養的に優れたゼリー菓子を
得ることができるからである。
以上のような原料果実の中から任意の一種又は二種以上
について、まず、前処理として果実の選別、水洗を行
い、ジューサーを用いて石細胞を0.2〜0.3重量部含有す
る果実ピューレを調製する。
ここで、特に果実ピューレ中の石細胞含有量を0.2〜0.3
重量部としたのは、果実ピューレ中の石細胞含有量が0.
2重量部未満であると、石細胞特有の舌ざわりをゼリー
菓子に発現させることが困難となり、収穫時の果実その
ままの自然の風味と舌ざわりを発現させることが困難と
なり、一方、0.3重量部を超えて含有されると逆にゼリ
ー菓子におけるテクスチュアーや食感を低下させ、且つ
ゼリー形成能に不都合が生じるからである。
次いで、あらかじめ作成しておいたゾル状ゼリー基質74
重量部に、前記果実ピューレ25.6重量部と適量の香料、
クエン酸を共に加え、混合してゼリー生地100重量部と
する。
ゾル状ゼリー基質は、ゼリー化剤2.5重量部と糖分19.4
重量部に水78.1重量部を加えて98℃まで加熱を行いなが
ら撹拌、溶解して調製される。
このゼリー化剤としては海草抽出物であるカラギーナン
が好適に用いられる。
その理由はペクチンゼリー状のなめらかなテクスチャー
をもち、果実ゼリーに最も適しているからである。
加熱温度を98℃までとしたのはゼリー化剤であるカラギ
ーナンが完全に溶解し、完全なゼリー化を行うことが可
能となるからである。
また、このゾル状ゼリー基質に果実ピューレを混合する
際には、ゾル状ゼリー基質の温度を約70〜75℃に維持し
ながら行う。
ここで、この混合時の温度を特に約70〜75℃としたの
は、約70℃以下となるとゼリー化剤であるカラギーナン
が凝固を開始し、果実ピューレを均一に分散させること
が困難となり、一方、75℃以上とすると、特に梨果実を
用いた場合において、果実の生理障害として褐変現象が
起こり、ゼリー菓子としての外観を損ない、ひいては品
質劣化を引き起こす原因となるからである。
このゾル状ゼリー基質に石細胞含有果実ピューレ、クエ
ン酸、香料を混合し、ゼリー生地とした後、このゼリー
生地をカップに充填するわけであるが、この時同時に果
実ピューレと同一果実からなる果実酒約0.75重量部程度
をゼリー生地に添加し、果実特有の香りをゼリー菓子に
与える。
ここで特にこの果実酒の添加をゼリー生地のカップ充填
時と同時としたのは、このようにカップ充填時に果実酒
を添加することにより、ゼリー菓子の摂食時に、その果
実の風味を最も良く引き出すことができるからである。
この果実酒の添加はこの発明に係る石細胞を含有する果
実ゼリー菓子の目的とする収穫時の果実そのままの自然
の風味を発現するためには重要な工程である。
このゼリー生地をカップに充填した後はこのカップを封
蓋し、冷却を行う。
この冷却時の温度はゼリー菓子の風味を保持するために
30℃以下で行う必要がある。
冷却後、このゼリー菓子の保存性を高めるため約85℃、
25分の条件にて加熱殺菌し、再び30℃以下に冷却後、品
質検査を行い、包装する。
第1図にカップ(1)にこのゼリー菓子(2)を充填し
た状態の外観斜視図を示す。
図中、(3)はこの発明に係る石細胞を含有する果実ゼ
リー菓子(2)中に分散する石細胞である。
尚、石細胞を含有する果実が梨(Pyrus serotina REHDE
R var. culta REHDER)の場合は石細胞が0.2〜0.3重量
部、グアバ(Psidium spp.)の場合は10重量部含まれて
おり、それぞれの果実に応じてゼリー中の石細胞の配合
量を0.01〜3.0重量部の間で適宜定めればよい。
以下、この発明に係る石細胞を含有する果実ゼリー菓子
の製造例の一例と、この製造例で得られたゼリー菓子の
官能試験を記載することによってこの発明の効果をより
一層明確なものとする。
(製造例) 二十世紀梨2500gを水洗後、皮をむき、四つ切りにして
芯を取り除いた後ジューサーにてピューレ2000gを得
る。
あらかじめカラギーナン136gと、上白糖1005g、水4220g
を混合し、約98℃にて加熱溶解したゾル状ゼリー基質50
00gを作成しておき、このゾル状ゼリー基質を温度約70
〜75℃に維持しながら前記果実ピューレ1850gをクエン
酸6g、天然香料(適量)とともに加え、混合してゼリー
生地6900gとする。
得られたゼリー生地をカップに充填し、この時同時に梨
ワイン(商品名:梨花一輪)を1カップ当たり約0.75ml
滴下する。
カップ充填後、このカップを封蓋し、30℃以下に冷却
し、冷却後約85℃、25分の条件にて加熱殺菌し、殺菌後
再び30℃以下に冷却して石細胞を含有する果実ゼリー菓
子を得る。
得られたゼリー菓子を用いて男女各10名合計20名に試食
させ、官能検査をおこなった。
結果は第1表の通りである。
(発明の効果) 以上詳述した如くこの発明は梨(Pyrus serotina REHDE
R var.bulta REHDER)、グアバ(Psidium spp.)、かり
ん(Chaenomeles sinensis KOEHNE)、マルメロ(Chdon
iaobonga)の中から選択される少なくとも一種の果実を
水洗し、該果実から果肉中の石細胞を0.2〜10.0重量部
含有する果実ピューレを調製し、この果実ピューレを、
あらかじめゼリー化剤と糖分に水を加えて98℃以下の温
度で加熱しながら撹拌、溶解して調製しておいたゾル状
ゼリー基質中に、該ゼリー基質の温度を約70〜75℃に維
持しながらクエン酸、香料と共に加え混合してゼリー生
地とした後、このゼリー生地をカップに充填し、この充
填時に前記果実ピューレと同一果実からなる果実酒を添
加し、封蓋後加熱殺菌し、冷却してなることを特徴とす
る石細胞を含有する果実ゼリー菓子の製法であるから以
下の効果を奏する。
すなわち、梨(Pyrus serotina REHDER var. culta REH
DER)、グアバ(Psidium spp.)、かりん(Chaenomeles
sinensis KOEHNE)、マルメロ(Chdoniaoblonga)とい
った石細胞を豊富に含有した果実ピューレを、その製造
工程中に褐変を起こすことなくゼリー基質中に均一に分
散させることができ、優れた品質のゼリー菓子を得るこ
とができるとともに、梨等の香気の弱い果実を原料とし
ても、ゼリー菓子摂食時にはその原料果実特有の香気を
充分に楽しむことができる優れたゼリー菓子を製造する
ことができるという効果を奏する。
しかも、天然の食物繊維である石細胞を豊富に含有し、
栄養的に優れ、且つ石細胞特有の新規なテクスチュアを
もったゼリー菓子を得ることができるという効果を奏す
る。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明に係る製法で得られた石細胞を含有す
る果実ゼリー菓子をカップに充填した状態を示す外観斜
視図である。 (1)……カップ(2) ……石細胞を含有する果実ゼリー菓子 (3)……石細胞 (4)……ゼリー生地

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】梨(Pyrus serotina REHDER var. bulta R
    EHDER)、グアバ(Psidium spp.)、かりん(Chaenomel
    es sinensis KOEHNE)、マルメロ(Chdoniaobonga)の
    中から選択される少なくとも一種の果実を水洗し、該果
    実から果肉中の石細胞を0.2〜10.0重量部含有する果実
    ピューレを調製し、この果実ピューレを、あらかじめゼ
    リー化剤と糖分に水を加えて98℃以下の温度で加熱しな
    がら撹拌、溶解して調製しておいたゾル状ゼリー基質中
    に、該ゼリー基質の温度を約70〜75℃に維持しながらク
    エン酸、香料と共に加え混合してゼリー生地とした後、
    このゼリー生地をカップに充填し、この充填時に前記果
    実ピューレと同一果実からなる果実酒を添加し、封蓋後
    加熱殺菌し、冷却してなることを特徴とする石細胞を含
    有する果実ゼリー菓子の製造法。
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