JPH0686706B2 - 羊毛の防縮加工法 - Google Patents

羊毛の防縮加工法

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JPH0686706B2
JPH0686706B2 JP3040099A JP4009991A JPH0686706B2 JP H0686706 B2 JPH0686706 B2 JP H0686706B2 JP 3040099 A JP3040099 A JP 3040099A JP 4009991 A JP4009991 A JP 4009991A JP H0686706 B2 JPH0686706 B2 JP H0686706B2
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宏 米山
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大津毛織株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、羊毛の防縮加工法に関
し、詳しくは、羊毛繊維表面のスケールをポリマーでカ
バーすることにより、スケールエッジによる繊維相互の
引掛りを減少させる方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】現在工
業化されている羊毛の防縮加工法は、羊毛繊維表面の化
学処理、一般的には各種酸化処理、によって表面を改質
した後に樹脂加工するか、又は、ポリウレタン系の樹脂
を用いて羊毛繊維間を結合し、繊維相互の動きを抑止し
て、防縮効果を得るのが主流である。
【0003】第1番目の羊毛繊維の酸化処理には、塩素
ガス、次亜塩素酸ソーダ、ジクロルイソシアヌル酸、過
マンガン酸カリ等の強酸化剤を利用するため、加工条件
のコントロールが厳格になされない限り、羊毛に致命的
なダメージを与える危険性を絶えず伴なっている。この
危険性を回避するため、加工対象素材形態(バラ毛、ト
ップ、織物等)それぞれに連続化装置が開発されている
が、投資額は莫大である。
【0004】第2番目の単なる樹脂加工法では、樹脂の
みによる処理であるから、羊毛繊維自体への攻撃はない
ので、羊毛のダメージはまぬがれるが、最低限2〜3%
程度の樹脂固形分の付着がないと、満足できる防縮効果
は得られない。従って、高濃度の樹脂液の使用が不可欠
となり、それに伴なって、風合いの硬化が生じるととも
に、パッディング後の加工素材上での樹脂分の移行(マ
イグレイション)による、硬さのバラツキ(風合いのバ
ラツキ)発生の危険性が大きいだけでなく、樹脂の表面
付着や必要以上の樹脂付着の危険、パッディング用ロー
ル(マングルロール)表面への樹脂皮膜生成の危険など
が心配される。又、ウレタン樹脂間の自己架橋反応の進
行によって、ウレタン樹脂膜が生成して目的を達する
が、この反応の進行には適度の水分保持を必要とするこ
とから、予備乾燥、高温キュアリング(樹脂の架橋反応
を進行させ、樹脂を硬化させるための熱処理)などの工
程を必要とし、これらの設備とパッディング装置との連
続化が必須であるなどの問題点があり莫大な設備投資が
必要となる。
【0005】又、丸編ニットにパッディング加工する場
合には、開反(丸編みを切開して布状にする)後にパッ
ディングする必要があり、加工設備にはカーリング防止
装置やテンション調整装置を装着することも必要にな
る。
【0006】以上のような各種防縮加工方法の問題点を
回避するには、現有染色設備(液流染色機・ウインス
等)の利用による効率的な吸収法の開発と、樹脂を効率
的に吸収させて羊毛繊維内への固着に貢献させ、羊毛繊
維のダメージをミニマム化できる前処理方法の開発が重
要である。
【0007】羊毛ニット製品(主としてセーター類)に
対して主にシリコン系樹脂を用いる、吸収法による防縮
加工法として、モノ過硫酸カリのようなマイルドな酸化
剤で前処理した羊毛にシリコン系樹脂を吸着させるクロ
シル(Crosil)加工法が著名であるが、加工工程
が複雑である。
【0008】又、ポリウレタン樹脂を吸収法で使用しよ
うとする試みは過去においてテストされてきていること
は文献にいくつか見られるし、バイエル(Bayer)
社も塩化マグネシウムとポリウレタン樹脂を併用するニ
ット製品向けの方法を提案しているが、工程が複雑なこ
とや満足できる効果が得られないなどの問題がある。
【0009】
【課題を解決するための手段及び作用】発明者は前述の
問題点を踏まえ、防縮効果の向上と工程の簡素化を目指
して、テトラキスヒドロキシメチルホスホニウムサルフ
ェート(THPS)の還元性を応用し、羊毛繊維を還元
処理して、羊毛シスチンのシスチン結合(−S−S−結
合)を開裂させてチオール基(−SH)を生成せしめ、
水洗後、塩化マグネシウム(MgCl・6HO)を
触媒としてポリウレタン樹脂を吸収させ、その後、必要
ならば柔軟剤により風合い調整することにより、羊毛繊
維のダメージを最小限におさえながら、最高の防縮効果
と合わせて良好なピリング防止効果を得ることができ
た。
【0010】しかも、この方法によれば、染色加工前で
の防縮加工及び均染性酸性染料(レベリング型酸性染
料)染色物を除く染色物の後加工が可能である。
【0011】又、染色前後にかかわらず、ニットの場合
に丸編み状で加工できるというメリットがある。
【0012】THPSは、次の化学式を有する有機燐化
合物である。 (HOCH・1/2(SO 2−) このTHPSは、羊毛繊維に対して強い還元剤として働
き、還元によりチオール基を生成させる。
【0013】還元処理後に吸収させるポリウレタン樹脂
としては水溶性ポリエーテル系ウレタン樹脂が好まし
い。このような樹脂としては、シンサプレットBAP
(Synthappret BAP、バイエル社製)、
エラストロンBAP(第一工業製薬社製)などが市販さ
れている。これらは、次式で示されるように、官能基が
重亜硫酸ソーダ(NaHSO)でブロックされてい
る、低温解離型イソシアネートである。
【0014】
【化1】
【0015】このようにSynthappret BA
Pは1分子中に3つのカルバモイルスルホネート基を有
しており、アルカリ条件下で急速に反応して自己架橋が
進む。
【0016】又、この分子中のカルバモイルスルホネー
ト基が上記THPSの還元作用によって生成した羊毛の
チオール基と次のように反応するものと考えられる。
【0017】 W−SH + NaSOCONH−ポリマー → W−S−CONH−ポリマー 処理浴中においてはW−SHとの反応が先行し、反応が
進むにつれてポリマーの吸尽が進み、50℃程度の浴温
ではポリマーの自己架橋は遅れて進むものと考えられ
る。時間の経過と共に自己架橋レベルは増大し、後の工
程でも容易には脱落しなくなり、処理後の乾燥及び12
0℃程度のキュアリングで自己架橋は完結すると考えら
れる。
【0018】かくして、パッディング法による単なる樹
脂付与や吸収法における単なる吸収と大きく異なり、均
一な吸収に加えて吸尽が可能であり、吸収後の水洗でも
脱落せず耐久性が得られる。
【0019】一般的な方法によって精練・洗浄済みの織
物・丸編ニット等を、染色前若しくは染色後に、本発明
の方法により防縮加工する。この精練・洗浄は種々の型
式の洗浄機や染色機(ウインス染色機・液流染色機・ド
ラム染色機・パドル染色機等)中で行なわれる。洗浄機
を利用して洗浄された場合のみ、素材は十分水洗された
後に取り出されて染色機に投入される。時には乾燥済み
のものが染色機に投入される。
【0020】次に、本発明を工程別に詳細に説明する。
【0021】THPS前処理 素材を染色機に投入後、鉄分を含まない常温水を注入
し、最初に湿潤・脱気・抑泡剤を1%o.w.f(加工
素材重量に対する重量%)投入する。次いで、THPS
0.5〜3.0%o.w.f、好ましくは0.6〜
1.5%o.w.fを冷水で十分に溶解し、希釈して投
入する。更に、炭酸ソーダ(NaCO)0.8〜
1.5%o.w.f若しくは重炭酸ソーダ(NaHCO
)5.0〜10.0%o.w.fを溶解投入して処理
浴のpHを8.0〜9.8、好ましくは8.8〜9.1
に調整し、最終浴量を浴比(加工素材重量に対する総処
理浴量の割合)を1:15〜40(ウインス染色機やド
ラム染色・パドル染色機の場合は1:20〜40、液流
染色機の場合は1:15〜30)に調整する。好ましい
浴比は1:20〜30である。浴の調整は機械を運転し
ながら行なうことは当然である。
【0022】調整終了後5分間運転を続けた後、1〜
1.5℃/分で、30〜50℃、好ましくは35〜40
℃に昇温し、15〜50分間処理を続ける。処理が終了
すれば排液し、40℃の新浴で湯洗いと水洗を行ない排
水する。
【0023】ポリウレタン樹脂吸収 常温水を処理機械に注入し、機械を運転しながら塩化マ
グネシウム(MgCl・6HO)水溶液を4〜10
g/リットルとなるように投入する。次いで、重炭酸ソ
ーダ水溶液を1g/リットルとなるように投入し、処理
浴のpHを7.0〜8.0に調整する。全体の浴比を
1:15〜40(ウインス染色機・ドラム染色機・パド
ル染色機の場合は1:20〜40、液流染色機の場合は
1:15〜30)、好ましくは1:20〜30とする。
【0024】調整後5分経過後、1〜1.5℃/分で、
40〜60℃まで、好ましくは50℃まで昇温し、5〜
10分間処理した後にポリウレタン樹脂(Syntha
ppret BAP、エラストロンBAPとImpra
nil DLH・DLN・DLP dispersio
n、スーパーフレックスE−2000・E−4000と
を、30/70〜50/50の混合比で使用)0.5〜
3.0%o.w.fを、それぞれ単独に冷水または40
℃以下のぬるま湯で十分に溶解希釈して投入する。特
に、Synthappret BAP、エラストロンB
APの溶解には十分な注意が必要である。処理浴温を4
0〜60℃、好ましくは50℃でキープすると、約20
〜30分で吸尽に近づく状況が液の透明化により観察で
きる。
【0025】浴比が大きい時、例えば1:25以上の場
合には吸尽が不足することがあるが、この時は塩化マグ
ネシウムを2g/リットル加えるか、浴温を10℃程度
上昇させると吸尽が進む。樹脂を投入して40〜90分
経過後、排液し、新浴で水洗する。これがパッディング
法や従来の吸収法との大きな相違点である。
【0026】必要に応じ、新浴を仕立てるか最終水洗浴
中で、シリコン系柔軟剤を用いて柔軟加工をする。
【0027】乾燥・キュアリング パッディング法と異なり、吸収法では樹脂が羊毛と反応
しているので、樹脂移行の危険性はない故、工程の連続
化は必要でない。
【0028】丸編みニットの場合は、開反工程を経て8
5〜100℃の温度で乾燥した後、120℃で5分程度
のキュアリングにより、加工表面のベトツキなく加工で
きる。
【0029】乾燥・キュアリングを120℃×10分程
度で同時に行なうことも可能である。
【0030】かくして、後染めの場合は再び染色機へ、
染済みの場合は仕上工程へ送られる。
【0031】以上のように、本発明の方法の最大のポイ
ントは、THPSにより前処理を行なうことである。T
HPS処理では浴のpHが重要であり、pH値が上昇す
るに従って羊毛の還元が増加、すなわちシスチン結合の
開裂が増加する。従って、羊毛へのダメージが大きくな
る。反対に、pHが低いとチオール基の生成が少なく、
後のポリウレタン樹脂の吸収に影響を与え、所期の防縮
効果が得られ難くなる。以上のことから、pH値は8.
8〜9.1位が好ましい。加工終点でのpHは7.7〜
8.0となる。
【0032】又、THPSの使用量の影響も大きい。過
剰に使用、例えば2.5%o.w.f以上使用すると、
羊毛にピンク系の着色が見られることがある。従って、
使用量は0.6〜1.5%o.w.f位が好ましい。
【0033】処理温度及び処理時間も影響を与える。
【0034】以上のように、THPS処理は羊毛に対す
るダメージは酸化剤利用法に比べて小さいとはいえ、条
件を誤まればダメージは大きくなるので慎重な条件コン
トロールが必要であるが、従来の強酸化剤による処理の
場合は加工の季節(特に夏季)によっては雰囲気温度よ
りも低温で処理することが必要となるのに比べ、THP
S処理だと処理温度の管理が格段に有利である。
【0035】
【実施例】実施例1 加工素材として1/40ウ−ル100%スムース丸編み
ニット生地を用い、THPS(日本化学工業社製)1.
0%o.w.f、NaCO 1.1%o.w.f、
L14(中性リン酸エステル系の湿潤・脱気・抑泡剤、
大阪ケミカル工業社製)1.0%o.w.fからなる処
理浴(pH8.8、浴比1:20)で、40℃×30分
間THPS処理を行なった。これを湯洗・水洗した後に
脱水した。
【0036】次に、MgCl・6HO 6.0g/
リットル、NaHCO 1.0g/リットルからなる
処理浴(pH7.8、浴比1:20)で50℃×10分
間処理した後に、シンサプレットBAP(Syntha
ppret BAP)1.0%o.w.fとインプラニ
ルDLPディスパージョン(Impranil DLP
dispersion、バイエル社製)1.0%o.
w.fを加えて、50℃×60分間処理した。これを水
洗及び脱水した後に、85℃×15分間乾燥し、120
℃×10分間キュアリングした。
【0037】このようにして防縮加工した生地につい
て、以下に示す方法(A法)で面積収縮率を求め防縮効
果を評価したところ、5時間の洗濯時間で面積収縮率は
8.8%であった。
【0038】[A法]IWS TM185に準じた。た
だし、試験装置は家庭用電気洗濯機を用い、NaH
4.5g/リットル、NaHPO 8g/リ
ットルよりなる試験液で、浴比1:30、40℃で1回
に60分間洗濯し、排水した後、常温の水に替えて、同
一の浴比で12分間のすすぎ洗いを1回毎に水を替えて
2回行なった。脱水後、平干し、自然乾燥した後、面積
収縮率を測定した。これを繰返して、面積収縮率が10
%を超えるまでの洗濯時間を測定した。
【0039】実施例2 ポリウレタン樹脂としてSynthappret BA
P 1.0%o.w.fとImpranil DLN
dispersion 1.0%o.w.fを用いた以
外は実施例1と同様にして防縮加工を施した。
【0040】面積収縮率をA法で求めたところ、5時間
の洗濯時間で4.48%であった。
【0041】比較例1 防縮加工を施していない1/40ウ−ル100%スムー
ス丸編みニット生地の面積収縮率をA法で求めたとこ
ろ、1時間の洗濯時間で36.41%であった。
【0042】比較例2 THPSによる前処理を施さずに、Synthappr
et BAP 1.0%o.w.fとImpranil
DLP dispersion 1.0%o.w.f
により処理した。
【0043】面積収縮率をA法で求めたところ、1時間
の洗濯時間で23.89%であった。
【0044】比較例3 THPSによる前処理を施さずに、Synthappr
et BAP 1.0%o.w.fとImpranil
DLN dispersion 1.0%o.w.f
により処理した。
【0045】面積収縮率をA法で求めたところ、1時間
の洗濯時間で16.28%であった。
【0046】実施例3 加工素材として1/30ウ−ル100%強撚梳毛クレー
プ織物を用い、THPS 0.8%o.w.f、Na
CO 1.1%o.w.f、L14 1.0%o.
w.fからなる処理浴(pH8.9、浴比1:15)
で、40℃×30分間THPS処理を行なった。これを
湯洗・水洗した後に脱水した。
【0047】次に、MgCl・6HO 6.0g/
リットル、NaHCO 1.0g/リットルからなる
処理浴(pH7.8、浴比1:15)で50℃×10分
間処理した後に、Synthappret BAP
1.0%o.w.fとImpranil DLN di
spersion 1.0%o.w.fを加えて、50
℃×60分間処理した。これを水洗及び脱水した後に、
85℃×15分間乾燥し、120℃×10分間キュアリ
ングした。
【0048】このようにして防縮加工した織物の面積収
縮率をA法で求めたところ、3時間の洗濯時間で1.0
%であった。また、ピリングテスト(ICI法)を行な
ったところ、防縮加工前より2級程度の向上が見られ
た。
【0049】実施例4 ポリウレタン樹脂としてSynthappret BA
P 0.5%o.w.fとImpranil DLN
dispersion 0.5%o.w.fを用いた以
外は実施例3と同様にして防縮加工を施した。面積収縮
率をA法で求めたところ、3時間の洗濯時間で8.33
%であった。また、ピリングテスト(ICI法)を行な
ったところ、防縮加工前より2級程度の向上が見られ
た。
【0050】この防縮加工を施したクレープ織物を、ク
ロム染料(酸性媒染染料)を用いて、一般羊毛染色法に
より黒色に染色した。仕上り品の面積収縮率をA法で求
めたところ、3時間の洗濯時間で8.68%であった。
【0051】比較例4 防縮加工を施していない1/30ウ−ル100%強撚梳
毛クレープ織物の面積収縮率をA法で求めたところ、1
時間の洗濯時間で13.05%であった。
【0052】実施例5 加工素材としてタテ糸が2/48ウ−ル100%梳毛糸
・密度272本/10cmでヨコ糸が1/20ウ−ル1
00%紡毛糸・密度193本/10cmの織物を用い、
ポリウレタン樹脂としてSynthappret BA
P 0.5%o.w.fとImpranil DLN
dispersion 0.5%o.w.fを用いた以
外は実施例3と同様にして防縮加工を施した。面積収縮
率をA法で求めたところ、3時間の洗濯時間で4.85
%であった。
【0053】この防縮加工を施した織物を、実施例4と
同様にしてクロム染色し、仕上り品の面積収縮率をA法
で求めたところ、3時間の洗濯時間で11.3%であっ
た。
【0054】比較例5 実施例5で用いた加工素材(織物)に防縮加工を施さず
にA法で面積収縮率を求めたところ、1時間の洗濯時間
で18.48%であった。
【0055】実施例6 加工素材として2/60ウ−ル100%天竺丸編みニッ
ト生地を用い、THPS 1.0%o.w.f、Na
CO 1.1%o.w.fからなる処理浴(pH8.
8、浴比1:20)で、40℃×30分間THPS処理
を行なった。これを湯洗・水洗した後に脱水した。
【0056】次に、MgCl・6HO 6.0g/
リットル、NaHCO 1.0g/リットルからなる
処理浴(pH7.0)で50℃×10分間処理した後
に、Synthappret BAP 2.0%o.
w.fを加えて、50℃×60分間処理した。これを水
洗及び脱水した後に、85℃×15分間乾燥し、120
℃×10分間キュアリングした。
【0057】このようにして防縮加工した生地につい
て、以下に示す方法(B法)で面積収縮率を求め防縮効
果を評価したところ、面積収縮率は2.99%であっ
た。
【0058】[B法]JIS L 0217 103法
に準じ、家庭用電気洗濯機を用いて、弱アルカリ性衣料
用合成洗剤2g/リットル・浴比1:30で40℃×3
0分間処理した後、運転を止めて排水した。次に、常温
の新しい水に替えて、同一の浴比で12分間のすすぎ洗
いを、1回毎に水を替えて2回行ない、脱水後、平干
し、自然乾燥した。以上の操作をもう一度繰返した後に
面積収縮率を測定した。
【0059】実施例7 ポリウレタン樹脂としてSynthappret BA
P 1.0%o.w.fとImpranil DLN
dispersion 1.0%o.w.fを用いた以
外は実施例6と同様にして防縮加工を施した。
【0060】面積収縮率をB法で求めたところ、1.5
%であった。
【0061】比較例6 防縮加工を施していない2/60ウ−ル100%天竺丸
編みニット生地の面積収縮率をB法で求めたところ、1
9.41%であった。
【0062】実施例8 加工素材として24ゲ−ジ1/48ウ−ル100%スム
ース丸編みニット生地縮絨加工品を用いた以外は実施例
1と同様にして防縮加工を施した。
【0063】面積収縮率をB法で求めたところ、1.0
%であった。
【0064】実施例9 加工素材として24ゲ−ジ1/48ウ−ル100%スム
ース丸編みニット生地縮絨加工品を用い、ポリウレタン
樹脂としてSynthappret BAP1.0%
o.w.fとImpranil DLN disper
sion 1.0%o.w.fを用いた以外は実施例1
と同様にして防縮加工を施した。
【0065】面積収縮率をB法で求めたところ、0.5
%であった。
【0066】比較例7 防縮加工を施していない24ゲ−ジ1/48ウ−ル10
0%スムース丸編みニット生地縮絨加工品の面積収縮率
をB法で求めたところ、21.15%であった。
【0067】実施例10 加工素材として1/24ウ−ル100%天竺丸編みニッ
ト生地ミリング型酸性染料えんじ色染色品を用い、TH
PS 0.8%o.w.f、NaCO 1.0%
o.w.f、L14 1.0%o.w.fからなる処理
浴(pH8.95)で、40℃×30分間THPS処理
を行なった。これを湯洗・水洗した後に脱水した。
【0068】次に、MgCl・6HO 6.0g/
リットル、NaHCO 1.0g/リットルからなる
処理浴(pH7.0)で50℃×10分間処理した後
に、Synthappret BAP 0.75%o.
w.fとImpranil DLP dispersi
on 0.75%o.w.fを加えて、50℃×60分
間処理した。これを水洗及び脱水した後に、85℃×1
5分間乾燥し、120℃×10分間キュアリングした。
【0069】このようにして防縮加工した生地の面積収
縮率をA法で求めたところ、3時間の洗濯時間で6.5
%であった。また、防縮加工前後の色相差を測色機マク
ベスカラ−アイ2020プラスを用いて測色したとこ
ろ、実用上支障のない色相差であった。
【0070】比較例として、防縮加工を施さずに面積収
縮率をA法で求めたところ、1時間の洗濯時間で20.
44%であった。
【0071】実施例11 加工素材として22ゲ−ジ1/48ウ−ル100%スム
ース丸編みニット生地レベリング型酸性染料グレー色染
色品を用い、THPS 0.68%o.w.f、Na
CO 0.85%o.w.f、L14 1.0%o.
w.fからなる処理浴で、40℃×30分間THPS処
理を行なった。これを湯洗・水洗した後に脱水した。
【0072】次に、MgCl・6HO 6.0g/
リットル、NaHCO 1.0g/リットルからなる
処理浴で50℃×10分間処理した後に、Syntha
ppret BAP 0.5%o.w.fとImpra
nil DLP dispersion 0.5%o.
w.fを加えて、50℃×60分間処理した。これを水
洗及び脱水した後に、85℃×15分間乾燥し、120
℃×10分間キュアリングした。
【0073】このようにして防縮加工した生地の面積収
縮率をA法で求めたところ、3時間の洗濯時間で10.
45%であった。また、防縮加工前後の色相差を測色機
マクベス カラ−アイ2020プラスを用いて測色した
ところ、実用上支障のない色相差であった。
【0074】比較例として、防縮加工を施さずに面積収
縮率をA法で求めたところ、1時間の洗濯時間で26.
0%であった。
【0075】なお、レベリング型染料ブラウン色染色品
に同様の防縮加工を施し、防縮加工前後の色相差を測色
したところ、実用上支障のない色相差であった。
【0076】
【発明の効果】以上のように、本発明の防縮加工法によ
れば、羊毛の防縮効果が著しく向上するとともに、工程
が簡素化できる。また、羊毛のダメージ及び樹脂付着に
よる風合の硬化を最小限に抑えることができるととも
に、良好なピリング防止効果を得ることができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 羊毛繊維にポリマーを吸収法により付着
    させて防縮加工を施すに際し、羊毛繊維を予めテトラキ
    スヒドロキシメチルホスホニウムサルフェートで処理す
    ることを特徴とする羊毛の防縮加工法。
  2. 【請求項2】 羊毛繊維に付着させるポリマーがポリウ
    レタン樹脂であることを特徴とする請求項1記載の羊毛
    の防縮加工法。
  3. 【請求項3】 pHを8.0〜9.8に調整したテトラ
    キスヒドロキシメチルホスホニウムサルフェート水溶液
    で羊毛繊維を処理することを特徴とする請求項1又は2
    記載の羊毛の防縮加工法。
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