JPH0687066A - 銅被覆鋼線の製造方法 - Google Patents

銅被覆鋼線の製造方法

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JPH0687066A
JPH0687066A JP24163992A JP24163992A JPH0687066A JP H0687066 A JPH0687066 A JP H0687066A JP 24163992 A JP24163992 A JP 24163992A JP 24163992 A JP24163992 A JP 24163992A JP H0687066 A JPH0687066 A JP H0687066A
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JP
Japan
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steel wire
copper
diameter
nozzle
wire
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JP24163992A
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English (en)
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Haruo Tominaga
晴夫 冨永
Teruyuki Takayama
輝之 高山
Kenichi Miyauchi
賢一 宮内
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Fujikura Ltd
Original Assignee
Fujikura Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 るつぼ底部に配設され種線が挿通するノズル
の破壊及び種線の断線等を回避できて、被覆層の厚さが
均一であり且つ被覆層と種線との密着性が良好な銅被覆
鋼線を製造する。 【構成】 溶融銅を保持するるつぼ1の底部に配置され
るノズル21に設けられた孔の等径直線部21bの孔径
を、種線7としての鋼線の直径よりも0.05乃至0.40mmだ
け大きく設定し、この等径直線部21bの長さを5乃至3
0mmとする。また、鋼線の表面を清浄化してからるつぼ
1に入るまでの種線7の通路雰囲気を絶対圧で160乃至6
00mmHgの不活性ガス又は弱還元性ガス雰囲気とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はディップフォーミング法
による銅被覆鋼線の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、銅荒引線の製造方法としてデ
ィップフォーミング法が知られている。図1はこのディ
ップフォーミング法による銅荒引線の製造方法を示す模
式的断面図である。
【0003】るつぼ1は黒鉛等の耐火物からなり、その
底部には種線7が挿通する種線挿入部2が設けられてい
る。また、このるつぼ1には、溶解炉3から溶融銅供給
口4を経て溶融銅5が供給されるようになっている。更
に、るつぼ1の下方にはキャプスタン8を備えたハウジ
ング12が設けられている。種線7は、ハウジング12
の入口部に配設された皮剥ぎダイ6によりその表面層が
除去された後、キャプスタン8に巻取られ、このキャプ
スタン8から種線挿入部2を通り、るつぼ1内に入るよ
うになっている。るつぼ1内では、種線7の周囲に溶融
銅が付着し、銅被覆線9が形成される。
【0004】るつぼ1の上方には冷却塔10がるつぼ1
に連結して設けられている。るつぼ1から引き上げられ
た銅被覆線9は、この冷却塔10において水冷され所定
の温度にまで降温される。そして、この冷却塔10から
出た銅被覆線9は、熱間圧延機(図示せず)により連続
的に圧延され、所定の直径に仕上げられる。
【0005】ところで、特開昭39-18204号には、皮剥ぎ
ダイ6で表面層が除去された種線7の表面を清浄に保
ち、銅被覆線9の表面にふくれ及びピンホール等の欠陥
が発生することを防止するために、ハウジング12に設
けられた排気口13に真空ポンプを接続し、ハウジング
12内を真空雰囲気に保持して銅被覆線を製造する技術
が開示されている。また、特開昭60-184461号には、真
空ポンプ等の設備コスト及びメンテナンスコストを低減
するために、ハウジング12内を大気圧以上の圧力の不
活性ガス又は弱還元性ガス雰囲気とすることが開示され
ている。更に、高温に曝され且つ種線7が摺動する種線
挿入部2には、耐熱性及び耐磨耗性が優れていることか
ら一般的にMo基合金等からなるブシュ部材(ノズル)
が設けられているが、特開昭60-255255号には、特に鋼
線を種線とした場合に、種線7の摺動によりブシュ部材
から発生する微細な破片が種線と銅被覆層との間に混入
して伸線加工時における断線及び伸線工程の効率が低下
の原因となることを防止するために、前記ブシュ部材と
して、ジルコニア系セラミックス、炭化珪素系セラミッ
クス又は窒化珪素系セラミックスを主成分とするセラミ
ックス材料により形成することが開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た方法を組み合わせて銅被覆鋼線を製造しようとする
と、以下に示す問題点がある。
【0007】図2はるつぼの種線挿入部を示す断面図で
ある。るつぼ本体1aの底部には種線挿通孔を有するノ
ズル21が取り付けられている。種線挿通孔は、その下
部部分が種線7を案内するために下方に広がった円錐状
のテーパー部21aとなっており、上部部分が円筒状の
空間である等径直線部21bとなっている。この等径直
線部21bは、通常、その孔径が種線7の直径よりも0.
50mm程度大きく設定されており、長さ(上下方向の長
さ)が約20mmに設定されている。
【0008】従来のディップフォーミング法において銅
被覆鋼線を製造する場合に、図1に示すハウジング12
内を真空とすると、るつぼ底部の溶融銅には、るつぼ内
の湯丈に相当する圧力と外気圧(1気圧)との合計の圧
力が加わる。即ち、通常、るつぼ内には約800mmの湯丈
があるから、純銅溶湯の場合、るつぼ底部の溶融銅には
圧力にして湯丈分で約0.7気圧の圧力が加わっており、
対真空にすれば約1.7気圧の圧力が加わっていることに
なる。このように、ハウジング内を真空とすると、約1.
7気圧もの大きな圧力がるつぼ底部の溶融銅に加わるた
め、ハウジング内が真空でない場合に比してノズル21
の内面と種線7との間の空隙に溶融銅が差し込む深さが
大きくなる。
【0009】ところで、銅被覆鋼線を製造するには、M
o基合金製のノズルでは鋼線の摺動によって焼き付きが
生じるため、セラミックス製ノズルを使用することが必
要である。ノズルを例えば窒化珪素系セラミックスで形
成したとすると、セラミックスはMo基合金に比して熱
伝導率が著しく低いため、るつぼ内の溶融銅が種線とノ
ズル内面との間に差し込みやすくなる。即ち、Mo基合
金からなるノズルのようにノズル自体の熱伝導率が高け
れば、ノズル内面と種線との間の空隙に差し込んだ溶融
銅はノズルの放熱冷却効果によって直ちに凝固し、凝固
した金属は種線の周囲に付着した状態で種線の上方への
走行に伴って再びるつぼ内へ戻って、その凝固金属上に
さらに溶融銅が凝固するから、ノズルのテーパー部まで
溶融銅が差し込んでしまうようなことはない。しかしな
がら、ハウジング内を真空とし且つ窒化珪素系セラミッ
クスの如く熱伝導率が低い材料をノズルに用いた場合
は、ノズルの放熱冷却効果が悪いため、ノズル内面と種
線との間に差し込んだ溶融銅がテーパー部にまで至り、
このテーパー部で溶融銅が凝固すれば、凝固金属はテー
パー部の面に沿った楔状となる。この楔状凝固金属が種
線の周囲に付着した状態で種線の走行に伴って上方に引
き上げられれば、ノズルが破壊されてしまうか又は種線
が破断してしまう虞れがあり、その結果、操業の続行が
不可能となることもある。
【0010】また、セラミックス製のノズルを使用し且
つハウジング内を大気圧以上の不活性ガス又は弱還元性
ガス雰囲気とした場合は、前述のようにるつぼ内の溶融
銅がノズル内面と種線との間に差し込まれることがな
く、従って長時間安定した操業を行なうことができて、
ブローホール等の欠陥を生じることを回避できるもの
の、種線がるつぼ内に入った瞬間に溶融銅と種線との間
にガスの巻き込みが発生し、このガスのために熱交換さ
れにくくなって溶融銅の凝固量が減少するため、被覆層
の厚さが不均一になったり、被覆層と種線との密着性が
低下するなど品質が低下する原因になるという問題点が
ある。
【0011】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
のであって、ノズル内面と種線との間に溶融銅が差し込
むことに起因するノズルの破壊及び種線の断線等を回避
できて、被覆層の厚さが均一であり且つ被覆層と種線と
の密着性が良好な銅被覆鋼線を製造できる銅被覆鋼線の
製造方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明に係る銅被覆鋼線
の製造方法は、鋼線の表面を清浄化し、この鋼線をるつ
ぼ内に保持された溶融銅中に浸漬してその周囲に溶融銅
を付着凝固させ、その後熱間圧延加工を施して銅被覆鋼
線を得る銅被覆鋼線の製造方法において、前記鋼線の表
面を清浄化してから前記溶融銅中に浸漬するまでの間の
前記鋼線の通路雰囲気を絶対圧で160乃至600mmHgの不活
性ガス又は弱還元性ガス雰囲気とし、前記るつぼの底部
に前記鋼線が挿通する挿通孔を備えたセラミックス製ノ
ズルを配置し、前記挿通孔の等径直線部の長さを5乃至3
0mmとし、前記等径直線部の孔径を前記鋼線の直径より
も0.05乃至0.40mmだけ大きく設定したことを特徴とす
る。
【0013】なお、本願において銅とは、純銅及び銅合
金のことをいう。
【0014】
【作用】本願発明者等は、銅被覆鋼線を製造する際のハ
ウジング内の不活性ガス又は弱還元性ガスの圧力及びセ
ラミックス製ノズルの等径直線部の形状(孔径及び直線
長さ)と、操業の安定性、凝固量の均一性及び被覆層と
種線との密着性との関係を調べた。その結果、以下のこ
とが判明した。
【0015】即ち、ハウジング内の圧力が絶対圧にして
160mmHg未満では、るつぼ底部に配設されるノズルの挿
入孔の等径直線部における孔径を種線の直径よりも0.05
mmだけ大きくし、この等径直線部の長さを5乃至30mmと
しても、ノズルへの湯(溶融銅)の差し込みが認められ
た。また、差し込みを回避せんとして前記等径直線部の
長さを35mmにしたり、又は孔径を種線径+0.04mmとした
場合は、鋼線が等径直線部を通過するときに鋼線の曲が
りによる抵抗のためノズルの欠損に至ることがあった。
そして、ハウジング内の圧力を絶対圧にして160mmHg以
上とし、且つ、等径直線部の孔径を種線の直径より0.05
乃至0.40mmだけ大きくし、等径直線部の長さを5乃至30m
mとすることによって、ノズル欠損を回避できると共に
種線挿入部への湯の差し込みが実質的に無視できるよう
になり、被覆層厚さの均一性及び鋼線と被覆層との密着
性が良好な銅被覆鋼線を製造できることが判明した。
【0016】一方、更にハウジング内の圧力を上昇させ
て銅被覆鋼線の製造を試みたところ、ハウジング内の絶
対圧力が600mmHgを超え、620mmHg付近になると、製造さ
れた銅被覆鋼線の鋼線と銅被覆層の密着性に不具合が生
じた。つまり、クリッパーで切断したときの端面で鋼線
と銅被覆層との剥離を生じ始めることが判明した。更
に、ハウジング内の絶対圧力が760mmHgを超えた場合
(即ち、大気圧を超えた場合)には、被覆層の厚さが不
均一な部分が生じることが判明した。この密着性不良及
び被覆層厚さが不均一になるメカニズムは、種線である
鋼線の表面の微小な凹凸(キャプスタンでの線同士のこ
すれによる凹凸及びピンチローラでの圧痕等)に巻き込
まれたガスが、溶融銅中を通過する際に断熱材として作
用して種線の周囲に付着した溶融銅の凝固を遅らせ、鋼
線と溶融銅との間で十分に熱交換されない部分を生じ、
その部分は銅被覆層が薄くなるか又は密着性が悪くなる
ためと考えられる。本発明はこのような実験結果に基づ
いてなされたものである。
【0017】即ち、本発明においては、鋼線(種線)の
表面を清浄化してからこの鋼線を溶融銅中に浸漬するま
での間の前記鋼線の通路雰囲気を絶対圧で160乃至600mm
Hgの範囲とし、且つ、るつぼ底部に配設するノズルの挿
通孔の等径直線部の孔径を前記鋼線の直径よりも0.05乃
至0.40mmだけ大きく設定し、この等径直線部の長さを5
乃至30mmとすることによって、ノズルの内面と鋼線との
間に溶融銅が差し込むことを防止する。これによって、
挿入孔下部(テーパー部)で溶融銅が凝固することによ
るノズルの破壊及び種線としての鋼線の断線を有効に防
止することが可能となり、更には、鋼線と銅被覆層との
密着性不良及び銅被覆層厚さが不均一になることを防止
できる。
【0018】溶融銅の差し込みを回避することだけを考
慮すれば、前記鋼線の通路雰囲気のガスの種類は任意で
あるが、鋼線の酸化防止の観点から、前記鋼線の通路雰
囲気は不活性ガス又は弱還元性ガス雰囲気とすることが
必要である。また、鋼線の酸化防止は、鋼線が皮剥ぎ等
によって清浄化された段階から行なう必要がある。そこ
で、本発明では、鋼線の表面を清浄化してから種線挿入
部までの間の雰囲気を前述のような所定の圧力の不活性
ガス又は弱還元性ガス雰囲気とする。
【0019】なお、ノズルの材質としては、溶融銅に対
する耐溶損性及び耐熱衝撃性が優れていることから、炭
化珪素系セラミックス、窒化珪素系セラミックス及びジ
ルコニア系セラミックスからなる群から選択された少な
くとも1種のセラミックスを主成分とするセラミックス
材料を使用することが好ましい。
【0020】
【実施例】次に、本発明の実施例についてその比較例と
比較して説明する。
【0021】図1,2に示す装置を使用して、以下に示
す条件で銅被覆鋼線の製造を試みた。
【0022】実施例1 0.15重量%のCを含有する直径が12.70mmの鋼線を種線
とし、等径直線部の孔径が12.75mm(鋼線径+0.05m
m)、長さが30mmの窒化珪素系セラミックス製ノズルを
用い、ハウジング内をN2 ガスで満たすと共に、このハ
ウジング内の圧力を絶対圧で160mmHgとし、るつぼ内に
は湯丈が800mmとなるように純銅溶湯を供給しつつ、鋼
線を連続走行させて、銅被覆鋼線を製造した。その結
果、ノズル欠損も溶融銅の差し込みも生じず、10時間
を超える長時間に亘って安定した操業を行うことができ
た。また、製造後の銅被覆鋼線の被覆層の厚さの均一性
は良好であり、鋼線と銅被覆層との密着性も良好であっ
た。
【0023】実施例2 ノズルの等径直線部の孔径を13.10mm(鋼線径+0.40m
m)とし、長さを5mmとした以外は実施例1と同様にして
操業を行った。その結果、実施例1と同様に、10時間
を超える長時間に亘って安定した操業を行うことができ
た。また、製造後の銅被覆鋼線の被覆層の厚さの均一性
は良好であり、鋼線と銅被覆層との密着性も良好であっ
た。
【0024】実施例3 ハウジング内の圧力を絶対圧で600mmHgとした以外は実
施例2と同一の条件で操業を行った。その結果、実施例
1,2と同様に、10時間を超える長時間に亘って安定
した操業を行うことができた。また、製造後の銅被覆鋼
線の被覆層の厚さの均一性は良好であり、鋼線と銅被覆
層との密着性も良好であった。
【0025】比較例1 ノズルの等径直線部の孔径を12.75mm(鋼線径+0.05m
m)とし、長さを5mmとし、ハウジング内の圧力を絶対圧
で150mmHgとした以外は実施例1と同一条件で操業を試
みた。その結果、るつぼ予熱の段階では鋼線走行による
ノズル欠損を生じなかったものの、出湯時に種線挿入孔
への湯の差し込みにより、ノズルのテーパー部で溶融銅
がテーパー部の面に沿って楔状に凝固し、この楔状凝固
部分が種線周囲に付着した状態で種線の走行に伴って上
方へ引き上げられて、ノズルの破壊及び種線の破断が発
生し、操業の続行が不可能となった。
【0026】比較例2 ノズルの等径直線部の長さを30mmとした以外は比較例1
と同一の条件で操業を試みた。その結果、比較例1と同
様に、ノズルの欠損は生じないものの、湯の差し込みに
起因するノズルの破壊及び種線の破断が発生した。
【0027】比較例3 ノズルの等径直線部の長さを35mmとした以外は比較例1
と同一の条件で操業を試みた。その結果、るつぼ予熱の
段階で鋼線走行によってノズル欠損が生じ、操業するに
至らなかった。
【0028】比較例4 ノズルの等径直線部の孔径を12.74mm(鋼線径+0.04m
m)とし、長さを30mmとした以外は比較例1と同一の条
件で操業を試みた。その結果、るつぼ予熱の段階で鋼線
走行によってノズル欠損が生じ、操業するに至らなかっ
た。
【0029】比較例5 ノズルの等径直線部の長さを4mmとした以外は実施例1
と同一の条件で操業を試みた。その結果、比較例1と同
様に、ノズルの欠損は生じないものの、湯の差し込みに
起因するノズルの破壊及び種線の破断が発生した。
【0030】比較例6 ノズルの等径直線部の孔径を13.15mm(種線径+0.45m
m)とした以外は実施例2と同一の条件で操業を試み
た。その結果、比較例1と同様に、ノズルの欠損は生じ
ないものの、湯の差し込みに起因するノズルの破壊及び
種線の破断が発生した。
【0031】比較例7 ハウジング内の圧力を絶対圧で600mmHgとし、ノズルの
等径直線部の孔径を13.15mm(種線径+0.45mm)とした
以外は実施例1と同一の条件で操業を試みた。その結
果、比較例1と同様に、ノズルの欠損は生じないもの
の、湯の差し込みに起因するノズルの破壊及び種線の破
断が発生した。
【0032】比較例8 ハウジング内の圧力を絶対圧で620mmHgとした以外は実
施例1と同一の条件で操業を行なった。その結果、出湯
時の差し込みも生じず、安定して操業できて、銅被覆層
の均一性も良好であった。しかし、製造後の銅被覆鋼線
における鋼線と銅被覆層との密着性は、クリッパーでの
切断面から芳しくないことが判明した。
【0033】比較例9 ハウジング内の圧力を絶対圧で762mmHgとした以外は実
施例1と同一の条件で操業を行なった。その結果、出湯
前のるつぼ予熱時の種線走行時にはノズル欠損及び出湯
時の湯の差し込みも生じず、安定して操業できた。しか
し、銅被覆層厚さはところどころにおいて不均一となっ
ており、当然ながらそのような箇所においては、鋼線と
銅被覆層との密着性は悪かった。
【0034】これらの実施例及び比較例におけるハウジ
ング内の絶対圧力、ノズルの等径直線部の孔径及び長さ
を下記表1に、操業の安定性及び品質を下記表2にまと
めて示す。但し、表1のノズル孔径の欄は、種線の直径
との差で示した。また、表2のノズル欠損の欄は、ノズ
ル欠損がない場合を○、ノズル欠損が発生した場合を×
で示した。また、湯差し込みの欄は、溶融銅の差し込み
によりノズルの破壊又は種線の破断が発生した場合を
×、いずれも発生しない場合を○で示した。更に被覆均
一性の欄は、銅被覆層の厚さが均一である場合を○、不
均一である場合を×で示した。更に、密着性の欄は、銅
被覆層と種線との密着性が良好の場合を○、密着性が十
分でない場合を×で示した。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】この表1,2から、ハウジング内の圧力が
絶対圧で160乃至600mmHgであり、且つ、種線挿入部ノズ
ルの等径直線部の孔径が種線の直径よりも0.05乃至0.40
mmだけ大きく、長さが5乃至30mmの場合においてのみ、
安定した操業が行え、銅被覆層の均等性及び密着性も良
好であることがわかる。
【0038】なお、上述の実施例では溶融金属として純
銅を使用し、種線として鋼(炭素鋼)を使用した場合に
ついて説明したが、種線がFe−Cr合金(ステンレス
鋼)である場合、又は溶融金属として銅合金を用いた場
合においても、同様の効果が得られることは勿論であ
る。また、ノズルの材質としては、前述の実施例では窒
化珪素系セラミックスを用いた場合について説明した
が、炭化珪素系セラミックス又はジルコニア系セラミッ
クスの場合でも同様の効果を得ることができる。更に、
上述の実施例では、いずれもハウジング内を窒素ガス雰
囲気としたが、アルゴンガス等の不活性ガス及び水素ガ
スを各1体積%、一酸化炭素を4体積%を含有し残部が
窒素ガスからなる弱還元性ガスでも同様の効果を得るこ
とができる。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、溶
融銅を保持するるつぼの底部に、所定の形状の等径直線
部を有するセラミックス製ノズルを配置し、鋼線の表面
を清浄化した後から溶融銅浸漬までの間の鋼線の通路雰
囲気を絶対圧で160乃至600mmHgの不活性ガス又は弱還元
性ガス雰囲気として銅被覆鋼線を製造するから、ノズル
の破壊及び種線の断線等を回避できて、被覆層の厚さが
均一であり且つ被覆層と種線との密着性が良好な銅被覆
鋼線を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ディップフォーミング法による銅荒引線の製造
方法を示す模式的断面図である。
【図2】るつぼの種線挿入部を示す断面図である。
【符号の説明】
1;るつぼ 2;種線挿入部 3;溶解炉 4;溶融銅供給口 5;溶融銅 6;皮剥ぎダイ 7;種線 8;キャプスタン 9;鋼被覆線 10;冷却塔 12;ハウジング 21;ノズル 21a;テーパー部 21b;等径直線部

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼線の表面を清浄化し、この鋼線をるつ
    ぼ内に保持された溶融銅中に浸漬してその周囲に溶融銅
    を付着凝固させ、その後熱間圧延加工を施して銅被覆鋼
    線を得る銅被覆鋼線の製造方法において、前記鋼線の表
    面を清浄化してから前記溶融銅中に浸漬するまでの間の
    前記鋼線の通路雰囲気を絶対圧で160乃至600mmHgの不活
    性ガス又は弱還元性ガス雰囲気とし、前記るつぼの底部
    に前記鋼線が挿通する挿通孔を備えたセラミックス製ノ
    ズルを配置し、前記挿通孔の等径直線部の長さを5乃至3
    0mmとし、前記等径直線部の孔径を前記鋼線の直径より
    も0.05乃至0.40mmだけ大きく設定したことを特徴とする
    銅被覆鋼線の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記ノズルは、炭化珪素系セラミック
    ス、窒化珪素系セラミックス及びジルコニア系セラミッ
    クスからなる群から選択された少なくとも1種のセラミ
    ックスを主成分とするセラミックス材料からなることを
    特徴とする請求項1に記載の銅被覆鋼線の製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114558998A (zh) * 2022-03-24 2022-05-31 北京市金合益科技发展有限公司 一种结晶器、熔铜炉及具有其的铜覆钢生产线

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