JPH0692917A - グリシンの改良合成法 - Google Patents

グリシンの改良合成法

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JPH0692917A
JPH0692917A JP4189494A JP18949492A JPH0692917A JP H0692917 A JPH0692917 A JP H0692917A JP 4189494 A JP4189494 A JP 4189494A JP 18949492 A JP18949492 A JP 18949492A JP H0692917 A JPH0692917 A JP H0692917A
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glycine
monochloroacetic acid
temperature
acid
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JP4189494A
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Meiho Chin
明峰 陳
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Original Assignee
HAKKO TSUSHO KK
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 従来のグリシン合成法に比べて、高純度のグ
リシン粗結晶を、90%以上の高収率で、しかも省エネ
ルギー、経済的に得ることのできるグリシンの改良合成
法を提供する。 【構成】 酢酸を中性の赤燐を触媒として塩素化し、モ
ノクロル酢酸を生成させる工程(A)反応生成物中の未
反応酢酸を溜去して溶融状粗モノクロル酢酸を得る工程
(B)、及び粗乃至精製モノクロル酢酸を溶融状のまま
合成反応槽に送入し、溶媒として低級アルカノールを添
加した後第3級アルキルアミンを加えて反応させ、引続
いて35乃至40℃の温度でパラホルムアルデヒドを加
え溶解させた後、反応系に40乃至45℃の温度でアン
モニアガスを導入して反応させ、導入後更に昇温して反
応を完結させ結晶状グリシンを晶出物として得る工程
(C)よりなるグリシンの改良合成方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はグリシンの改良合成法に
関するものであり、より詳細には、酢酸を出発原料とし
て使用し、これを塩素化して選択的にモノクロル酢酸を
合成し、これを結晶工程を経ることなく、蒸留により熔
融状で回収し、この熔融状のままのモノクロル酢酸にア
ルカノール溶媒中で第三級アミンを反応させて中間生成
物である酢酸第三級アンモニウムクロライドを生成させ
これに更にパラフォルムアルデヒド及びアンモニアを反
応させてグリシンを短時間でしかも高収率、高純度で得
るグリシンの改良合成法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来酢酸等を出発原料としてモノクロル
酢酸を製造し、これを用いてグリシンを合成する方法と
しては、先ず酢酸を塩素化してモノクロル酢酸を合成
し、このモノクロル酢酸を用いて下記に述べる種々の方
法により目的物であるグリシンを製造していた。この酢
酸を塩素化してモノクロル酢酸を合成する方法として
は、赤燐、硫黄、又は硫黄と無水酢酸塩化物の混合物等
を触媒とし、光線の存在下100乃至110℃の条件下
に酢酸を100%近くまで塩素化し、その後結晶化(徐
々に結晶化するため完全に結晶化させるのに数ケ月を要
することもある。)させてモノクロル酢酸粗結晶を得る
方法が一般に行われている。
【0003】しかしながら、このように酢酸を100%
近くまで塩素化すると、反応生成物中には、モノクロル
酢酸以外に副反応生成物としてジクロル酢酸やトリクロ
ル酢酸等が多量に生成し、又ポリマー等の他の不純物も
可成り生成する。このため投入酢酸当りの究極収率(原
単位)の低下を招くだけでなく、前記粗結晶の純度も低
く、この粗結晶をそのまま、グリシン製造用の原料とし
て用いることが出来ない場合が殆んどであった。
【0004】従って一般にはこの粗結晶モノクロル酢酸
を分別再結晶法により精製するか、蒸留法により精留す
るかしてより純度の高いモノクロル酢酸を得ることが行
われて来た。しかしながら、分別再結晶精製法は、多量
の分別再結晶用溶剤を必要とするだけでなく、再結晶槽
等の設備を必要とし、又固体結晶又はラリー等を取扱う
ため複雑な操作工程を必要とし、経済的に大きなコスト
負担増となる。
【0005】一方粗結晶モノクロル酢酸を蒸留により分
留精製する場合においても、これらの不純物、特にジ乃
至トリクロル酢酸はその沸点が各々192〜3℃、19
7.5℃とモノクロル酢酸の沸点(189.3℃)に近
似しているため蒸留法でこれらを分離するには多数のた
な段数を備えた精留塔が必要となる。
【0006】これら塩素化酢酸誘導体、特にジ及びトリ
クロル酢酸は金属に対する腐食性がモノ置換体に比べて
も著しく強く高価な耐食性合金又は特殊な耐食金属製の
精留塔を必要とする。又その操作においても人体との接
触を避けるための特別な防護設備の設置が必要となる等
種々の不利益を免れない。
【0007】次に、モノクロル酢酸からグリシンを合成
する方法としては、現在までに、下記に述べる種々の方
法がすでに知られている。その一つは、モノクロル酢酸
とアンモニア水よりグリシンを合成する古典的、実験室
的方法である(Organic Synthesis
Vol II )。又、米国特許3,190,914号に
は、モノクロル酢酸、ホルマリン液、アンモニア水より
グリシンを合成する方法が開示されている。又、特開昭
58−22055号公報には、NH4 Cl、(NH4 )
2 CO3 等を触媒として、モノクロル酢酸と該モノクロ
ル酢酸に対し約10倍量のアンモニア水を使用してグリ
シンを合成する方法の発明が開示されている。更に、モ
ノクロル酢酸と第三級アルキルアミンより酢酸第3級ア
ンモニウムクロライドを生成させ、これにアミノメタノ
ールをアルカノール溶媒中で反応させグリシンを合成す
る方法(中華民国特許発明No.45037号)も知ら
れている。
【0008】しかしながら上記した方法の内第4の方法
すなわち、酢酸第3級アンモニウムクロライドとアミノ
メタノールを反応させる方法を除いた他の方法は、いず
れも副生成物として多量の塩化アンモンを生ずるか、反
応に著るしく長時間を要するか、収率が低いかのいずれ
かの欠点を有し、少なくとも実用的なグリシンの製造方
法としては適当な方法ではない。
【0009】前記した第4番目の方法は、グリシンの収
率、純度共に良好であるが、該方法においてはモノクロ
ル酢酸と第3級アミンを反応させた反応物に60℃でア
ンモニアガスを通じて目的物であるグリシンを生成させ
る段階で、アンモニアガスの吸収が60℃と高温で実施
されるためホルムアルデヒドとアンモニアガスとの反応
が不十分となり導入アンモニアガスの大部分が固定化さ
れず未反応のまま排出されるため該未反応排出アンモニ
アガスの回収装置を必要とし、このため回収装置を製作
設置するための初期コスト、及び操作に要する経常コス
トが余分にかかる等の不利益があった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明者は上
記した従来の方法の諸欠点を改善し、酢酸から、短時間
に、高収率でしかも高純度の結晶グリシンを経済的に合
成する方法について鋭意研究を重ねた結果、以下に述べ
る方法によれば従来法の諸欠点が、解消され、上記した
諸目的が達成されることを見出し本発明を完成した。
【0011】
【問題点を解決するための手段】本発明によれば、酢酸
を触媒の存在下に95乃至110℃の温度で塩素化し主
反応生成物としてモノクロル酢酸を得るに際し、該触媒
として酸化物を除去した中性の赤燐を使用し、且つ該モ
ノクロル酢酸の酢酸基準転化率が90%以下で反応を停
止して反応生成物を得る工程(A)、該反応生成物中の
未反応酢酸を溜去して熔融状粗モノクロル酢酸を得る
か、又は反応生成物を精留するか、該粗モノクロル酢酸
を更に蒸留して熔融状精製モノクロル酢酸を得る工程
(B)、及び該粗乃至精製モノクロル酢酸を熔融状のま
ま合成反応槽に送入し、溶媒として炭素数1乃至4のア
ルカノールを添加した後炭素数2乃至3の第3級アルキ
ルアミンを加えて酢酸第3級アンモニウムクロライドを
生成させ、引続いて35乃至40℃の温度でパラホルム
アルデヒドを添加して溶解させた後、反応温度40乃至
45℃で反応系中にアンモニアガスを導入して反応さ
せ、該アンモニアガス導入後更に昇温して反応を完結さ
せ、結晶状グリシンを得る工程(C)、よりなることを
特徴とするグリシンの合成法が提供される。
【0012】
【作用】本発明は、酢酸を先発原料とし、該酢酸を塩素
化して得たモノクロル酢酸を使用してグリシンを合成す
る方法において、(A)工程である酢酸の塩素化におけ
る塩素化触媒として酸化物を除去した中性の赤燐を用い
反応温度95℃乃至110℃で塩素化反応を行うこと、
及び該反応を投入酢酸に対するモノクロル酢酸の転化率
が90%以内の状態で反応を停止し、反応生成混合物を
得るのが第1の特徴である。
【0013】酢酸を塩素化してモノクロル酢酸を合成す
るに際し赤燐或いは硫黄、又は硫黄と無水酢酸塩化物の
混合物又は三塩化燐等のいずれかを触媒として使用する
ことはすでに知られているが、本発明者がこれらの各触
媒についてその性能を比較実験したところ赤燐を触媒と
して使用した場合には、約4乃至5時間で目的とする反
応は完結するのに対し、硫黄あるいは硫黄と無水酢酸塩
化物との混合物等を触媒とした場合は、十数時間を要
し、塩素化速度に著るしい相違があることがわかった。
【0014】又触媒として用いる赤燐は、酸化物が除去
された中性のものを使用することが必要で、赤燐に酸化
物を含有しているものを触媒として使用した場合は、酢
酸の塩素化において、不純物であるポリマー等が多く生
成し、選択率が悪くなる。
【0015】市販の赤燐は表面が酸化され、酸化物を含
んでいるものが多く、これを使用する場合には水で煮沸
する等の処理により酸化物を酸にかえた後、熱水等で洗
浄水が中性になるまで数回洗浄し、これを触媒として使
用することが好ましい。このように酸化物が除去された
中性の赤燐を触媒として使用することにより、酢酸の塩
素化反応において選択的にモノクロル酢酸が生成でき、
転化率90%程度において、ポリマーの生成率は2%以
下に抑えられる。
【0016】本発明の酢酸塩素化反応工程(A)におい
ては、反応を酢酸基準のモノクロル酢酸転化率90%以
下の時点で停止し反応生成物を得る。上記した本発明の
触媒を使用し塩素化反応をこの時点で停止することによ
り、塩素化反応の副生成物であるジ乃至トリクロル酢酸
の生成を実質的にゼロに近く抑えることができ、又、不
純物であるポリマーの生成も2%以下に抑えることがで
きる。
【0017】従って、この反応生成混合物から未反応酢
酸を溜去して得た粗製モノクロル酢酸はその純度が可成
り高く、そのままでグリシン合成工程の原料として使用
することができる。もっとも、該粗製モノクロル酢酸は
なおごく少量のポリマーその他の不純物を含有している
ので、製品グリシンが特に高純度のものを要求される場
合には、上記粗製モノクロル酢酸を再蒸留して精製する
か、前記反応生成混合物を精留して高純度のモノクロル
酢酸を得ることが必要である。
【0018】次に本発明の方法の第2の特徴は、前記し
た反応生成混合物を粗蒸留により未反応酢酸を溜去した
熔融状粗モノクロル酢酸乃至は、再蒸留乃至精留工程を
経て得られた精製モノクロル酢酸を熔融状態のまま次の
グリシン合成反応工程(C)の反応槽に送入することで
ある。これにより、生成モノクロル酢酸を時間的ロスな
しに次の反応工程の原料として使用することが出来、酢
酸からグリシンを製造するのに要する時間を著るしく短
縮することが出来るだけでなく、結晶化工程を省略する
ことが出来ると共に相当の省エネルギー化を達成するこ
とができる。
【0019】本発明の方法の第3の特徴は、その(C)
工程すなわち、前記モノクロル酢酸からグリシンを一段
階の反応工程で合成する工程である。この(C)工程の
各素反応を反応式で示すと以下の通りとなる。
【0020】
【化1】
【0021】すなわち、(C)工程においては、前記熔
融状モノクロル酢酸を反応槽に熔融状態のまま送入し、
これにアルカノール溶剤を加えて溶解させ、60℃乃至
70℃で第3級アルキルアミンを徐々に加えて反応さ
せ、酢酸第3級アンモニウムクロライドを生成させる
(上記素反応(i)) 次いで温度を35乃至40℃まで下げ、パラホルムアル
デヒドを加えて十分に溶解させ、その後温度を40乃至
45℃に保ちながら、反応系中にアンモニアガスを導入
する。
【0022】導入されたアンモニアガスは、最初先ず系
中に溶解したパラホルムアルデヒドと反応し(素反応
(ii))アミノメタノールとなり、このアミノメタノー
ルはただちに系中に存在する酢酸第3級アンモニウムク
ロライドと反応してHOCH2NHCH2 COOHとR
3 N・HClを生成する(素反応(iii )但しこの時の
系中の温度は40〜45℃)。
【0023】生成したHOCH2 NHCH2 COOH
は、素反応(iv)で分離発生したHClの触媒作用によ
り、グリシンとHCHOとに分解する(素反応
(v))。この分解反応(v)により生成したHCHO
は反応活性に富み、ただちに系中に溶存している未反応
アンモニアガスと再び結合し、系中の溶存アンモニアガ
スを固定する(素反応(vi))。該反応系中で生成した
目的物であるグリシンは、アルカノール溶剤に実質的に
不溶性であるので、生成と同時に固相として相分離し、
従って反応溶液はグリシンの生成と共に白濁化し、やが
てスラリー状になる。投入モノクロル酢酸に対し約2.
0〜2.1当量のアンモニアガスが導入され、これらが
溶液中に固定された後に温度を約60℃乃至65℃程度
に昇温し、グリシン生成反応を完結させる(素反応(ii
i )の後の段階)。
【0024】上記した本発明の(C)工程においては、
第3級アンモニウムクロライドが十分に生成した後にこ
れにパラホルムアルデヒドを溶解させ、その後にアンモ
ニアガスを40乃至45℃の温度で導入することが特に
重要である。すなわち、上記反応系中に存在する酢酸第
3級アンモニウムクロライド(ClR3 N・CH2 CO
OH)はそのCl基が活性化されて反応性に富み、室温
程度の温度でもアミノメタノールの−NH2 基と十分に
反応する。従ってこの反応の進行(前記素反応(iii )
の前段)は、アミノメタノールの生成速度(濃度)に主
として依存する。
【0025】一方、アミノメタノールの生成は、導入さ
れたアンモニアガスの反応液中の溶解濃度に依存し、該
反応液の温度があまり高いと、アンモニアガスの液中へ
の溶解が十分でなくなり、従ってこのガス溶解段階が律
速となってアンモニアとパラホルムアルデヒドとの反応
乃至前記素反応(v)で脱離したホルムアルデヒドとの
再結合が十分な速度で進行しない。このためたとえばア
ンモニアガスの導入を60℃程度以上の高温度で行なう
と導入したアンモニアガスの大部分が未反応のまま排出
されてしまうという不都合を生ずる。
【0026】これに対し、アンモニアガスの導入を40
乃至45℃で行うと、導入アンモニアガスは暫時系中に
フリーな状態で溶解し、この間に溶解したパラホルムア
ルデヒド及び脱離ホルムアルデヒドと迅速に結合して固
定化される。
【0027】従って本発明における(C)工程では未反
応で排出されるアンモニアガスは実質的に殆んどなく、
従って未反応アンモニアガスの回収設備を必要としな
い。本発明の(C)工程においては、酢酸第3級アンモ
ニウムクロライドとアミノメタノールの反応に依りグリ
シンの生成をスムーズに進行させるために、反応液のp
Hが7.0〜10.0の範囲にあることが好ましく、p
Hが7.0以下になると、原因ははっきりしないが反応
はスムーズに進行しない。このpHの調整は第3級アミ
ンの量及びアンモニアガスの導入量で行う、pH調整の
ため他のアルカリ物質を添加することは好ましくない。
【0028】又本発明の(C)工程においては、酢酸第
3級アンモニウムクロライドとアミノメタノールとの反
応過程でHClが脱離発生するが、このHClは選択的
に直ちにアルキル第3級アミンと結合し、塩化アンモニ
ウムを生成しないことも本発明の方法の顕著な特徴であ
る。
【0029】
【発明の好適実施態様】以下本発明を更に詳細に説明す
る。 (I)酢酸の塩素化〔工程(A)〕 本発明の酢酸の塩素化工程では、触媒として、酸化物を
除去した中性の赤燐を使用する。赤燐、特に市販の赤燐
は表面が酸化されて酸化物を含んでいるものが多く、こ
のような酸化物を含んだ赤燐を触媒として使用すると塩
素化のときポリマー等の不純物が多く発生し反応選択率
が低下する。赤燐表面等からこの有害な酸化物を除去す
る方法としては、必ずしもこれに限定されるものではな
いが、たとえば、赤燐を水を用いて十分に煮沸し、該酸
化物を酸に変換し、その後洗浄水(熱水)のpHが中性
となるまで複数回熱水で洗浄する等の方法を用いる。
【0030】このように酸化物が完全に除去された中性
の触媒を用いて本発明の塩素化条件で反応を実施した場
合塩素化反応がスムーズに進行すると共に前記ポリマー
等の不純物の生成も2%以下と低く抑えられる。
【0031】本発明の塩素化工程においては、公知の方
法で一般に必要とされる光線の照射は必要でなく、光線
を照射しなくとも十分の速度で塩素化が進行する。本発
明の塩素化工程においては、前記した赤燐触媒は、必ず
しも限定的ではないが酢酸投入量に対して2乃至3%程
度使用することが好ましい。本発明の塩素化工程での反
応温度は95℃乃至110℃、好ましくは100乃至1
05℃で実施する。酢酸の塩素化は、75℃以上の温度
から始まるが、実用的な反応速度が得られるのは、95
℃以上である。又反応温度が110℃を越えた場合は、
反応生成物の選択率が低下するだけでなく、逆流冷却器
から酢酸が塩酸と共に逸流する等の不都合を生じる場合
があり好ましくない。塩素の導入は、塩素供給ボンベと
塩素化反応槽との間に塩素流量計及び塩素逆流防止用ト
ラップ等を設置して行うことが好ましい。塩素流量計で
塩素導入速度を一定に調節することにより塩素化の速
度、反応温度を適当な値に安定させることができ、又塩
酸発生速度の安定化を計ることができる。
【0032】本発明の塩素化工程においては、反応初期
における塩素導入速度は生成HClガスの中に塩素が混
ざらない速度に調整することが好ましく、塩素化の進行
状況は高速液体クロマトグラフィー(HPLC)に依り
毎時間毎に追跡し、モノクロル酢酸の生成が60%にな
った時点で塩素導入速度を半減し、最高90%、好まし
くは80乃至85%の転化率となった時点で塩素化反応
を停止終了させる。
【0033】本発明の方法における塩素化工程において
は、すでに前記した理由により反応をモノクロル酢酸転
化率が90%以下の時点で停止終結させることが重要
で、本発明の条件で塩素化し、反応を転化率90%以内
で停止した場合は、反応生成物の高速液体クロマトグラ
フィーでの分析結果によっても、ジクロル酢酸、トリク
ロル酢酸等は検出されない。
【0034】これに対し、モノクロル酢酸転化率が90
%を越えるとジクロル酢酸が生成し始め、完全に塩素化
した時にはジ及びトリクロル酢酸の生成率は、ジクロル
酢酸約7%、トリクロル酢酸約1%、に達する。この塩
素化反応においては副反応物として、約3%程度のアセ
チルクロライドが生成するが、これは塩素化後水を加え
ることにより酢酸にもどすことができ、酢酸として蒸留
回収が可能である。本発明の塩素化工程に要する所要時
間は反応条件により若干変化するが通常4乃至5時間で
ある。
【0035】〔II〕熔融状粗モノクロル酢酸、熔融状精
製モノクロル酢酸〔工程(B)〕 上記塩素化工程で生成した反応生成混合物を高速液体ク
ロマトグラフィーで分析した組成比は代表的組成比とし
てアセチルクロライド:酢酸:モノクロル酢酸=3〜
4:6〜15:80〜85程度である。この他にポリマ
ーが約1乃至2%生成する(ポリマーはHPLCでは分
析できず蒸留残渣として回収する)従来の公知の方法で
は酢酸塩素化後のモノクロル酢酸の分離は結晶法に依り
先ず粗結晶を晶出させ、これを更に再結晶或いは蒸留に
より精製してモノクロル酢酸を得ていた。これは、従来
の公知の方法では、モノクロル酢酸の他にジ乃至トリク
ロル酢酸等の副生物が多く生成し、モノクロル酢酸の粗
結晶中にこれらが夾雑物として混入して来るためそのま
までは次のグリシン合成工程での原料として使用し得な
いためである。
【0036】本発明においては塩素化をモノクロル酢酸
転化率90%以内、好ましくは80乃至85%で停めて
副反応の生成を抑え、塩素化完結後の反応液に水を加え
てアセチルクロライドを酢酸に換え、次にこの反応混合
液を蒸留して酢酸を溜去し、熔融状のままの粗モノクロ
ル酢酸を缶出液留分とし、それをそのまま次のグリシン
合成工程の原料として使用する。この際に溜去した酢酸
中には三塩化燐が含まれ、これは回収酢酸と共に次回の
塩素化原料として再使用できる。この場合の粗モノクロ
ル酢酸の純度は通常95乃至97%である。又製品グリ
シンとしてより高純度のものが必要な場合等において
は、この粗モノクロル酢酸を再蒸留するか、又は前記反
応混合物を精留して、純度99%以上の精製モノクロル
酢酸を得る。この場合にも精製モノクロル酢酸は熔融状
態のまま次工程に移し、原料として使用する。
【0037】〔III 〕グリシンの合成及びグリシンの分
離〔工程(C)〕 (III −1)溶剤 本発明のグリシン合成工程においては、炭素数1乃至4
のアルカノールを溶剤として使用する。本発明のグリシ
ン合成工程において使用される溶剤は、各反応原料、反
応試薬等と直接反応性を有しないこと、モノクロル酢
酸、アミノメタノール及び反応中に生成するホルムアル
デヒド、酢酸第3級アミンクロライド等の諸物質を熱溶
液状態で完全に溶解できること、しかも目的生成物であ
るグリシンに対しては殆んど溶解性を持たず、ほぼ完全
に固相状態で相分離できること、更に粘度が低く、濾
過、洗浄等の操作に便利であること等の要件を充足する
ことが求められ、しかも沸点が比較的低く、回収が容易
でありあまり高価でないものであることが好ましい。
【0038】本発明ではこのような目的に適合する溶剤
として炭素数1乃至4のアルカノールを使用する。具体
的には、メタノール、エタノール、プロパノール、イソ
プロパノール、ブタノール、イソブタノール、セカンダ
リーブタノール、ターシャリーブタノールを挙げること
ができる。溶剤の使用量は、モノクロル酢酸の量に対し
て、2.0倍(容量)以上が良く、2.0乃至3.0倍
(容量)の使用が特に好ましい。上記範囲内ではグリシ
ンは結晶性沈澱となるが他は完全に溶解した状態になっ
ており反応をスムーズに進行させるのに役立つ。上記し
たアルカノールの混合物を溶剤として使用することは勿
論可能である。
【0039】〔III −2〕第3級アミン 本発明のグリシン合成反応工程においては、モノクロル
酢酸に第3級アミンを加え酢酸第3級アンモニウムクロ
ライドを生成させる点が特徴の一つである。本発明にお
いて使用される第3級アミンに必要な条件は水に難溶で
あること、比重が水より軽いこと、沸点が低く精製し易
いこと及び低価格であることである。この目的のために
本発明においては炭素数2乃至3の第3級アルキルアミ
ンの中から選ばれた少なくとも一種が使用される。
【0040】このような第3級アルキルアミンとしては
具体的には、トリエチルアミン、トリプロピルアミン等
を例示することができる。上記第3級アルキルアミンは
モノクロル酢酸1モルに対して1.1乃至1.2モル、
好ましくは、1.02乃至1.05モル使用する。
【0041】第3級アルキルアミンの使用量を上記した
範囲にすることによりモノクロル酢酸の反応を完全に進
行させることができると同時に反応中の反応溶液のpH
を7.0乃至10の好適な状態に保持するのに役立つ。
又反応後生成した第三級アルキルアミン塩酸塩(R3 N
・HCl)は溶剤溜去後苛性ソーダ液を加えて水難溶性
の第3級アルキルアミンを回収、更に脱水して次回反応
に使用することが出来る。炭素数2乃至3の第3級アル
キルアミン以外の第3級アミン例えばトリエチルアミン
も使用可能であるが室温でガス状であること水に易溶で
あることのため実用的に好ましくない。又上記回収され
た第3級アルキルアミンは蒸留過程等を経て精製する必
要はなく、ソーダ液より分離後脱水剤で脱水してそのま
ま次回の反応に使用できる。
【0042】〔III −3〕グリシンの合成工程及び分離
工程 〔II〕の塩素化で得られた粗モノクロル酢酸或いは精製
モノクロル酢酸は熔融状のままグリセリン合成反応槽に
移送し、前記アルカノールを溶剤として加えて溶液状と
する。液温60乃至70℃好ましくは60乃至65℃で
引きつづき当量よりやや過剰(1.1乃至1.2モル/
モノクロル酢酸)の前記第3級アルキルアミンを徐々に
加え反応させる。該反応中は発熱による液温の上昇をさ
けるため外部より冷却する等の手段により常に反応液の
温度を60乃至70℃特に好ましくは60乃至65℃に
維持することが好ましい。
【0043】第3級アミンの添加が完了した後、更に2
0乃至30分間加熱攪拌して上記温度を維持しながら反
応生成物である酢酸第3級アンモニウムクロライドの生
成反応を完結させる。引続き温度を35乃至40℃まで
下げパラホルムアルデヒドを加えて溶解させる。このパ
ラホルムアルデヒドの溶解時には液温は40℃以下に保
つ、その後20乃至30分間攪拌してパラホルムアルデ
ヒドが完全に溶解された後、液温を40乃至45℃にし
アンモニアガスを導入する。温度はアンモニアガス導入
にともない徐々に少しづつ上昇するが冷却又はアンモニ
アガスの導入速度を調節する等の操作により反応温度は
40乃至45℃の範囲に保持する。
【0044】又このアンモニアガスの導入に際しては、
液温と共に反応液のpHが7.0乃至10.0、好まし
くは7.0乃至9.0更に好ましくは8.5乃至9.5
の範囲となるようにアンモニアガスの導入速度を調節す
る。この反応工程において、反応液のpHが7.0以下
すなわち酸性側になると理由ははっきり解明されていな
いが、反応は殆んど進行せず、従ってグリシンが殆んど
生成しない。反応液のpHの調整は、前記第3級アルキ
ルアミンの添加量とアンモニアガスの導入速度とにより
調整される。上記pH調節のため他のアルカリ性物質を
添加することは好ましくない。上記アンモニアガスの導
入総量はモノクロル酢酸投入量に対し2.0乃至2.1
当量の範囲が好ましい。
【0045】アンモニアガスの導入終了後、投入モノク
ロル酢酸の約60%がグリシンに転化した時点で反応液
の温度を60乃至65℃に上げ更に攪拌を続ける。モノ
クロル酢酸の転化率が50乃至60%程度に達した時点
では、反応系中に存在していた過剰の溶解アンモニアは
殆んどアミノメタノールに変換されており、フリーのア
ンモニアは殆んど存在せず、未反応のまま排出されるこ
とはない。グリシンの転化反応の完結の判定は反応液中
の残存モノクロル酢酸の量が高速液体クロマトグラフィ
ーで測定して0.5%以下となった時点を終点の目安と
して決定する。
【0046】上記グリシン合成工程における所要時間
は、反応温度、その他pHコントロール等の反応条件に
より異なり一律には定まらないが、通常標準的条件下に
おいて反応が遂行された場合は約2乃至3時間で終了す
る。反応温度が低くなるにつれて反応時間は長くなる。
反応完結後生成したグリシンを分離するには、必ずしも
これに限定されるものではないが、たとえば、反応終了
した生成物混合液を熱状態で濾過してグリシンを分離す
る等の方法が用いられる。60℃でのアルカノールに対
するグリシンの溶解度は約0.5%以下であるが、反応
に依り副生した不必要な物質、例えばアミノメタノー
ル、第3級アルキルアミン及び第3級アミン塩酸塩、少
量のポリマー等は全部熱アルカノールに易溶で、グリシ
ンの濾過後は熱アルカノール溶液中に溶解残存する。濾
過後のグリシンは従って熱アルカノールで1乃至2回洗
浄して夾雑物を除去し、粗結晶グリシンとして98%以
上の純度のグリシンを得ることができる。
【0047】本発明の方法では、グリシン収率が90%
以上で得られ、一段階操作で純度98%以上のグリシン
を収率90%以上で得られるということは本発明の方法
においてはじめて達成されたものであり、他の従来法に
おいては達成することができなかったものである。以上
述べた本発明の方法の反応手順、操作等をより理解しや
すくするために、本発明の方法の概略をブロック線図と
して表したものを〔図1〕として示す。次に、実施例に
より本発明を更に具体的に述べる。
【0048】
【実施例】
(分析法)以下に記載する実施例、比較例において、原
料である酢酸(以下の記載においてA.Aと略記する、
カッコ内以下同様)、モノクロル酢酸(MCA)、及び
反応中に生じたアミノメタノール、第3級アミン塩酸
塩、グリシン等は高速液体クロマトグラフィー(HPL
C)により下記条件で測定、同定した。なお上記各化合
物等の同定確認においては必要に応じHPLCによる同
定と同時に融点測定法を併用し確認した。
【0049】HPLC測定条件 (1)カラム:Zorbax Sax:強アニオン交換
樹脂(島津製 No:228−00764−91,46
mmID×15cm) (2)移動相 0.005モルKH2 PO4 のメタノール・水(4/9
6)溶液 (3)pH:2.0 (4)流速:1.0ml/min (5)温度:室温 (6)検出装置:UV210μm
【0050】実施例1 装置として500cc四ツ口フラスコに逆流冷却器、1
50℃温度計、塩素導入管(フラスコの底近くまでさし
込む)を附し、全体を磁石攪拌器の上に置く。逆流冷却
器の頂部出口よりポリエチレン管或いは銅管に依りブラ
ンク・フラスコに連結し、更に水を入れたHClガス吸
収瓶に連結し、最後に苛性ソーダ液を入れたガス吸収瓶
に通す。塩素ボンベと500ccフラスコの中間には塩
素逆流止め用のトラップ及び塩素流量計を置き、塩素化
反応の操作はドラフト内で行う。
【0051】この四ツ口500ccフラスコに99%純
度のA.A 200gmsを入れ、更に予じめ熱水で煮
沸、酸化物を分解した後、同じく熱水でpH6.0〜
7.0になるまで洗浄し、乾燥した赤燐6gmsを加え
て攪拌し乍ら95℃に加熱後塩素を300cc/min
の流速で通す。頂部出口よりHClガスが出始め、温度
は105℃以上になる故温度を100〜105℃に保持
してA.Aが溜出するのを防ぐ。この時逆流冷却器の冷
却が悪ければA.A及びアセチルクロライドは頂部出口
より溜出する。
【0052】約2時間でHPLCの検査の結果約50〜
60%がMCAに転化して居ることが確認出来る。塩素
化中生成したHClは水に吸収させ、最後にソーダ液で
捕集する。この時点で塩素の流量を150cc/min
に減じ、局部的なジクロライドの生成を防止する。それ
から約2時間この流量で塩素を通し、HPLCでMCA
への転化率が84.5%になったことを確認して塩素化
を停める。この時の液の色は淡黄色であった。秤量の結
果内容物の重量305gms、HPLCに依る純度検査
は82.6%、MCA計算量251.9gms、未反応
A.A25.5gms、Acetyl chlorid
e 10.5gms(A.A8.5gms相当)MCA
に転化したA.A量は計算で約166.5gms、A.
Aに対するMCAの転化率は
【0053】
【数1】
【0054】この塩素化完結液305gms(成分8
2.6%)をロータリーバキウムエバポレーターで水浴
温度80℃、真空度100mmHgで先ずアセチルクロ
ライドを溜出せしめて回収、更に溜出液が出なくなるま
で蒸留すると残留物240.5gms、溜出液55.0
gmsを得る。蒸留損失9.5gms、純度:残留物9
5.8%、溜出液A.A:MCA=63.4:36.
6。この残留物(即ち粗MCA)120gms、純度9
5.8%を水浴温度100℃、真空度20mmHgで更
に蒸留113.6gmsの無色MCA、純度99.1%
を得た。
【0055】実施例2 実施例1で得られた粗MCA49.5gms(純度9
5.8%,0.5M)の熔融液を500cc三ツ口フラ
スコ(逆流冷却器,温度計,100cc分液濾斗を附
す)に入れ、メタノール130ccを加え、トリエチル
アミン52gms(0.52M)を分液濾斗より徐々に
滴下すると温度は徐々に上り、60℃以上に上昇する
故、外部冷却し、60〜65℃に保ち滴下を完了、更に
30分同温度に保持攪拌する。
【0056】その後35℃に冷却パラホルムアルデヒド
24.5gms(純度92%,0.75M)を加えて攪
拌溶解した後、NH3 を通す。NH3 導入中40〜45
℃に保持する。NH3 導入量19gms(1.117
M)、吸収されずに排出されたNH3 をH2 SO4 溶液
に吸収計量したNH3 は約2gmsであった(60−6
5℃でNH3 導入した排出NH3 は約15gms)。こ
の時のpHは約9.0、その後温度を60−65℃に保
持約1.5時間攪拌すると、HPLC検査でMCAは
0.5%位になる故、この時点で反応を停める。液はス
ラリー状になる故、熱濾過更に熱メタノールで2回リン
ズ洗浄濾過乾燥して白色のグリシン結晶性粉末を得る。
収量36.0gms、純度98.7%、収率94.7
%、M.P.726.5〜729.0℃
【0057】実施例3 実施例1で得られた精製MCA47.7gms(純度9
9.1%,0.5M)の熔融液を逆流冷却器、温度計、
分液濾斗をつけた500cc三ツ口フラスコに入れ、引
き続きエタノール130ccを入れる。後は実施例2に
従って操作反応した結果次のようになった。収量35.
3gms、純度98.6%、収率92.7%、M.P.
126.5〜129.0
【0058】実施例4 実施例1で塩素化後蒸留して得られた溜出液55gms
(AA:MCA=63.4:36.6)を実施例1と同
様な500ccフラスコに入れ、更にA.A150gm
sを加え、pH6〜7まで洗浄乾燥した赤燐3gmsを
加え、実施例1と同様にして塩素化した。アセチルクロ
ライド:AA:MCA=3.5:14.5:82の塩素
化液31.0gmsを得た。之を蒸留して溜出液67g
ms、(A.A:MCA=61.3:38.7,別にC
H3 COCl 9gms回収)残留物(粗MCA)23
5gms(純度96.3%)を得た。
【0059】実施例5 実施例4で得られた粗MCA(純度96.3%)を熔融
して49.0gms(0.5M)を実施例1と同様な5
00ccフラスコにとり、ブタノール130ccを加え
る。第3級アルキルアミンとしてトリプロピルアミン7
6.5gms(0.52M)を加え、実施例1と同様に
して実験した結果次のようになった。グリシン収量3
5.0gms、純度98.4%、収率91.8%、M.
P.226.0〜229℃
【0060】実施例6 実施例5でグリシンを分離した後の濾液を3℃に一夜放
置、生じた結晶を濾過乾燥して22.1gを得た。HP
LCに依りモノアミノメタノール86%、トリプロピル
アミン塩酸塩7.0が含有されて居ることを確認した。
(残りは未知成分) 実施例1と同じ操作に依り実施例4で得られた粗MCA
49.0gms(純度96.3%,0.5M)より合
成された酢酸トリエチルアンモニウムクロライドのメタ
ノール溶液中に上記モノアミノメタノール22.5gm
s及びパラホルムアルデヒド5gmsを加えて溶かし、
40〜45℃でNH3 9gmsを通す。HPLCでMC
Aが少くとも50%生成したことを確認した後温度を6
0−65℃に上げて約1.5時間攪拌グリシン生成が完
結した後、熱濾過及熱洗浄してグリシンを得、乾燥後の
得量、純度、収量は次のようになった。収量:35.1
gms、純度:98.6%、収率92.2%、M.P.
226.7〜229.3℃
【0061】比較例 A.A200gmsを実施例と同様な方式で塩素化し、
HPLCの検査でA.Aのピークがなくなる迄塩素を通
した結果、HPLCのチャートに出現したピークはMC
Aの外アセチルクロライドが4.0%、ジクロル酢酸
7.3%、トリクロル酢酸1.3%で之を蒸留して溜去
したMCAはジクロル酢酸3.2%、トリクロル酢酸
0.6%、MCA96.2%、ポリマー(残渣)は1
3.5gms(対A.A6.75%)であった。
【0062】
【発明の効果】本発明によれば、酢酸からモノクロル酢
酸を経由して、純度98%以上のグリシン結晶を、収率
90%以上の高収率で、しかも、省エネルギー、経済的
に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の方法の工程、操作手順を図示したブ
ロック線図。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年8月27日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0002
【補正方法】変更
【補正内容】
【0002】
【従来の技術】従来酢酸等を出発原料としてモノクロル
酢酸を製造し、これを用いてグリシンを合成する方法と
しては、先ず酢酸を塩素化してモノクロル酢酸を合成
し、このモノクロル酢酸を用いて下記に述べる種々の方
法により目的物であるグリシンを製造していた。この酢
酸を塩素化してモノクロル酢酸を合成する方法として
は、赤燐、硫黄、又は硫黄と無水酢酸塩化物の混合物等
を触媒とし、光線の存在下100乃至110℃の条件下
に酢酸を100%近くまで塩素化し、その後結晶化(徐
々に結晶化するため完全に結晶化させるのに数日を要す
ることもある。)させてモノクロル酢酸粗結晶を得る方
法が一般に行われている。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0042
【補正方法】変更
【補正内容】
【0042】〔III −3〕グリシンの合成工程及び分離
工程 〔II〕の塩素化で得られた粗モノクロル酢酸或いは精製
モノクロル酢酸は熔融状のままグリシン合成反応槽に移
送し、前記アルカノールを溶剤として加えて溶液状とす
る。液温60乃至70℃好ましくは60乃至65℃で引
きつづき当量よりやや過剰(1.1乃至1.2モル/モ
ノクロル酢酸)の前記第3級アルキルアミンを徐々に加
え反応させる。該反応中は発熱による液温の上昇をさけ
るため外部より冷却する等の手段により常に反応液の温
度を60乃至70℃特に好ましくは60乃至65℃に維
持することが好ましい。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0056
【補正方法】変更
【補正内容】
【0056】その後35℃に冷却パラホルムアルデヒド
24.5gms(純度92%,0.75M)を加えて攪
拌溶解した後、NH3 を通す。NH3 導入中40〜45
℃に保持する。NH3 導入量19gms(1.117
M)、吸収されずに排出されたNH3 をH2 SO4 溶液
に吸収計量したNH3 は約2gmsであった(60−6
5℃でNH3 導入した排出NH3 は約15gms)。こ
の時のpHは約9.0、その後温度を60−65℃に保
持約1.5時間攪拌すると、HPLC検査でMCAは
0.5%位になる故、この時点で反応を停める。液はス
ラリー状になる故、熱濾過更に熱メタノールで2回リン
ズ洗浄濾過乾燥して白色のグリシン結晶性粉末を得る。
収量36.0gms、純度98.7%、収率94.7
%、M.P.226.5〜229.0℃
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0057
【補正方法】変更
【補正内容】
【0057】実施例3 実施例1で得られた精製MCA47.7gms(純度9
9.1%,0.5M)の熔融液を逆流冷却器、温度計、
分液濾斗をつけた500cc三ツ口フラスコに入れ、引
き続きエタノール130ccを入れる。後は実施例2に
従って操作反応した結果次のようになった。収量35.
3gms、純度98.6%、収率92.7%、M.P.
126.5〜129.0℃

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酢酸を触媒の存在下に95乃至110℃
    の温度で塩素化し、主反応生成物としてモノクロル酢酸
    を得るに際し、該触媒として酸化物を除去した中性の赤
    燐を使用し、且つ該モノクロル酢酸の酢酸基準転化率が
    90%以下で反応を停止して反応生成物を得る工程
    (A)、 該反応生成物中の未反応酢酸を溜去して熔融状粗モノク
    ロル酢酸を得るか、又は反応生成物を精留するか、該粗
    モノクロル酢酸を更に蒸留して熔融状精製モノクロル酢
    酸を得る工程(B)、及び該粗乃至精製モノクロル酢酸
    を熔融状のまま合成反応槽に送入し、溶媒として炭素数
    1乃至4のアルカノールを添加した後、炭素数2乃至3
    の第3級アルキルアミンを加えて酢酸第3級アンモニウ
    ムクロライドを生成させ、引続いて35乃至40℃の温
    度でパラホルムアルデヒドを添加して溶解させた後、反
    応温度40乃至45℃で反応系中にアンモニアガスを導
    入して反応させ、該アンモニアガス導入後更に昇温して
    反応を完結させ、結晶状グリシンを得る工程(C)、よ
    りなることを特徴とするグリシンの合成法。
  2. 【請求項2】 前記工程(C)において使用する炭素数
    1乃至4のアルカノール溶媒がメタノール、エタノー
    ル、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、セ
    カンダリーブタノール、イソブタノール、ターシャリー
    ブタノールの内から選ばれた少なくとも一種のアルカノ
    ール溶媒であり、炭素数2乃至3の第3級アルキルアミ
    ンがトリエチルアミン、トリプロピルアミンの内から選
    ばれた少なくとも一種である請求項1記載のグリシンの
    合成法。
  3. 【請求項3】 前記工程(C)において使用されるパラ
    ホルムアルデヒドの使用量が粗乃至精製モノクロル酢酸
    の純分1モル当り1.0乃至2.0モルであり、アンモ
    ニアの使用量がパラホルムアルデヒド1モル当り1.0
    乃至2.0モルであり、第3級アルキルアミンの使用量
    がモノクロル酢酸純分1モル当り1.1乃至1.2モル
    であり、且つ40乃至45℃でアンモニアを導入後更に
    温度を60乃至65℃に昇温して反応を完結させるもの
    である請求項1記載のグリシンの合成法。
  4. 【請求項4】 前記工程(C)におけるアンモニア導入
    時点以降の反応溶液のpHが7.0乃至10.0の範囲
    内にある請求項1記載のグリシンの合成法。
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